JPH0641367B2 - カラム状結晶形態を有する熱分解窒化硼素 - Google Patents

カラム状結晶形態を有する熱分解窒化硼素

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JPH0641367B2
JPH0641367B2 JP2047257A JP4725790A JPH0641367B2 JP H0641367 B2 JPH0641367 B2 JP H0641367B2 JP 2047257 A JP2047257 A JP 2047257A JP 4725790 A JP4725790 A JP 4725790A JP H0641367 B2 JPH0641367 B2 JP H0641367B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/22Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
    • C23C16/30Deposition of compounds, mixtures or solid solutions, e.g. borides, carbides, nitrides
    • C23C16/34Nitrides
    • C23C16/342Boron nitride

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、化学蒸着により形成される熱分解窒化硼素
(PBN)即ち基板上に窒化硼素を形成するべく複数の
気体の反応により形成される窒化硼素に関するものであ
る。
(従来技術) 熱分解窒化硼素(pyrolytic boron nitride)即ち化学
蒸着(CVD)窒化硼素は、耐火成形体の製造のために
広範囲に使用されてきた。熱分解窒化硼素成形体は、そ
れが通常高密度であり、そして焼結成形体に一般に見ら
れるような不純物や好ましからざる細孔を含まない点で
焼結窒化硼素を上回る利点を有している。熱分解窒化硼
素焼結体は、半導体材料用のるつぼとしてそして高温用
途治具及び断熱材或いは絶縁材用に使用されることが多
い。熱分解窒化硼素成形体はこれら耐火用途の多くに対
して満足すべきものであるが、窒化硼素は高い機械的圧
力及び高温度の条件下で物理的変化を受ける。従って、
従来の熱分解窒化硼素より高応力及び高温条件下で一層
安定な耐火材に対する必要性が要望され続けている。
熱分解窒化硼素のまた別の用途は、例えば高温耐酸化性
を増大するためにまた半導体用途での炭素汚染を防止す
るために、グラファイト成形体の表面コーティングとし
てである。窒化硼素被覆グラファイト成形体に伴う問題
は、熱分解窒化硼素がグラファイトとは著しく異なった
熱膨張係数(CTE)を有することである。これは熱サ
イクル及び高温条件下でコーティングの破損をもたらす
可能性がある。
松田等は、「Journal of Materials Science」21、
(1986)649〜658頁に掲載された「Synthesi
s and structure of Chemically vapour-deposited bor
on nitride」と題する論文において、混合形態特性を有
する窒化硼素、即ち三次元のオーダリングを欠くターボ
ストラチック(turbostratic)窒化硼素(t−BN)の
領域並びに六方晶窒化硼素(h−BN)の領域を有する
窒化硼素を形成するための条件下での化学蒸着による窒
化硼素の形成を開示している。SEM写真の下で、主に
h−BNであった熱分解窒化硼素プレートの表面はピラ
ミッド型五角形結晶面からなるものとして開示された。
この混合t−BN/h−BN組成はユニオンカーバイト
社から市販される熱分解窒化硼素と同じ構造を有するも
のとして開示される。
更に、Kurdymov,A.V.等は、Sov. Phys. Cryst allorg
r.,V.21,p.229-31,No.2,Mar-Apr.,1976に掲載された
「グラファイト状窒化硼素結晶における双晶形成」と題
する論文においてグラファイト状窒化硼素結晶における
双晶形成を論じている。
例えば上記に開示されたような双晶形成は、結晶格子の
一部が回転部分が結晶の別の部分のベース面から傾斜し
たベース面を有するように回転する現象である。双晶化
は微結晶において1回以上起こりうる。従って、窒化硼
素微結晶は、近傍の領域のベース面と交差しそしてそれ
らに対して傾斜したベース面を有する幾つかの領域の六
方晶窒化硼素を含んでいる。ベース面の傾斜により、双
晶化微結晶はしばしば例えば松田等により開示されたよ
うにピラミッド型五型角形結晶面をもって存在すること
が多い。
しかしながら、こうした双晶形成を熱分解窒化硼素の性
質改善に工業的に生かす研究はいまだ為されていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、双晶微結晶の高度に結晶性の形態を有
する熱分解窒化硼素組成物を開発しそしてその製造方法
を確立することである。
本発明の別の課題は、従来からの熱分解窒化硼素よりも
高い温度及び圧力において歪に耐性のある熱分解窒化硼
素を開発することである。
本発明の更に別の課は、従来からの窒化硼素よりもグラ
ファイトに一層近い熱膨張係数を有する熱分解窒化硼素
を開発することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、双晶窒化硼素微結晶の高度に配向された結
晶形態を備える熱分解窒化硼素が窒化硼素中への微量の
ジルコニウムの添加により製造出来、この熱分解窒化硼
素は上記の課題を解決するに適することを見出した。
斯くして、本発明は、 (a)窒化硼素と微量のジルコニウムとを含み、 (b)付着面に相当する角度から測定して−35゜と−3
7゜との間に一つのピークX線強度そして+35゜と+
37゜との間にもう一つのピークX線強度を有する、0
02面に対する二項X線ロッキング曲線を有し、その場
合前記2つのピーク強度の各々は30゜未満の、好まし
くは20゜未満のFWHMを有し、そして (c)前記ロッキング曲線は2つのピーク強度のいずれか
の約20%未満の、好ましくは約5〜15%の、付着面
に相当する0゜角におけるX線強度しか有していない 熱分解窒化硼素組成物を提供する。
本発明は更に、熱分解窒化硼素組成物を製造する方法を
も提供し、本方法は、 (a)硼素含有気体及びアンモニア気体の気体流れを反応
帯域に導入し、 (b)ジルコニウム原子を前記気体流れ中に導入し、 (c)窒化硼素と微量のジルコニウムとを含み、付着面に
相当する角度から−35゜と−37゜との間のピーX線
強度と+35゜と+37゜との間のピークX線強度との
2つのピークを有する、002面に対する二頂X線ロッ
キング曲線を有し、この場合2つのピーク強度の各々は
30゜未満の、好ましくは20゜未満のFWHMを有
し、そして前記ロッキング曲線は2つのピーク強度のい
ずれかの約20%未満の、好ましくは約5〜15%の、
付着面に相当する0゜角におけるX線強度しか有しない
熱分解窒化硼素組成物を形成するような温度及び圧力条
件下で前記気体流れを反応せしめる ことから成る。
(実施例の説明) 熱分解窒化硼素とは、化学蒸着(CVD)窒化硼素、即
ちアンモニアと三塩化硼素のような硼素含有気体との気
相反応により生成された窒化硼素を意味する。CVD法
の全般は、例えば米国特許第3,152,006号に記
載されている。
本発明の組成物は微量のジルコニウを含んでいる。本発
明の結晶形態を生成するためには、極く微量のジルコニ
ウムが存在すればよい。ここで「微量」とは、本発明に
より指定されたロッキング曲線により定義されるような
結晶形態を形成するに充分の量を意味し、一般に1重量
%を超えない、表的には0.1重量%を超えないジルコニ
ウム量をいう。
本発明のPBN組成物は、傾斜したベース面を有する高
比率の双晶窒化硼素微結晶によりそして傾斜した002
ベース面の高い優先方位により特徴づけられる。X線の
PBN組成物におけるこれら高度に配向されそして傾斜
したベース面の高い割合は、いわゆる「ロッキング曲線
(rocking curves)」により示される。ここで使用され
るものとしての特定のサンプルに対するロッキング曲線
は、サンプルへ差し向けられるX線単色光ビームの使用
と関与する既知技術により得ることが出来る。
第1図は、ロッキング曲線を得るための装置の簡略説明
図である。代表的に1゜以下の低い線源発散角度を有す
るX線源101が単色光X線ビーム103をサンプル1
05上に指向させる。検出器107がサンプルからの反
射X線ビーム109を検出するために2θ位置に置かれ
る。反射ビーム109はサンプルの結晶格子のベース面
からのブラック(002)反射に相当するサンプル角度
(φ)においてピーク強度を示す。X線ビームが反射さ
れる角度2θはブラッグの法則(λ=2d sinθ)を
使用して計算される。ここで、λは単色光X線ビームの
波長であり、dは結晶の層間間隔でありそしてθはブラ
ッグ角である。現在の用途に対して、X線はCuKα(1.5
4Å波長)X線源を使用して発生せしめられる。サンプ
ル105はビーム103内で軸線A−Aを中心として回
転せしめられる。サンプル105が回転されるにつれ、
ベース面からブラッグ002反射に相当する強度ピーク
を含めX線強度が検出され、以って反射X線強度サンプ
ル回転角(θ)の曲線を描くことが出来る。こうした曲
線は優先方位回折曲線即ちロッキング曲線である。つま
り、ロッキング曲線は基準面からの角度の関数としての
反射X線の強度のグラフであり、基準面は熱分解グラフ
ァイト及び熱分解窒化硼素の場合には基板付着面であ
る。従って、0゜におけるピークは基板により定義され
る付着面に平行な(002)ベース面を示す。0゜の片
方或いは両側におけるピーク、例えば37゜におけるピ
ークの存在は、基準面に対して37゜の角度で傾斜され
た(002)ベース面を有する微結晶の存在を示す。
ロッキング曲線のピークの「FWHM」は、ピークの最
大強度の半分の位置におけるピークの全巾である。FW
HMは002面の優先方位の程度の目安であり、高度に
配向された結晶構造はより小さなFWHM(狭いピー
ク)を示し、そして配向の乏しい結晶構造はより大きな
FWHM(幅広のピーク)を示す。
従来からの熱分解窒化硼素に対しては、ロッキング曲線
は全般に幅広な(高いFWHM)、0゜におけるガウス
型分布曲線である。これは六方晶形態の僅かの結晶室窒
化硼素の存在を示すが、高いFWHMは優先配列が僅か
しか起こっていないことを示す。ドープされていない熱
分解窒化硼素の幾つかのサンプルにおいて、ロッキング
曲線は0゜線の各側に2つの幅広のピークを有する。し
かし、これらピーク間の強度(0゜における)はこれら
2つの側ピークの最大値の相当な割合のものであり、ピ
ーク間に僅かの凹部を有する2頂ロッキング曲線を形成
するか或いは幅広の側ピークを両側に配した中央ピーク
(0゜における)を有する3頂曲線を形成する。0゜に
おける比較的高い強度は付着面に平行に整列した高比率
のベース面の存在を示す。加えて、これら従来の材料に
見られるピークのFWHMは約35゜を超えるものとし
て観測された。これは低い程度の双晶相の優先配向を示
す。
本発明の材料に対しては、ロッキング曲線は2頂曲線で
あり、双晶形成結晶窒化硼素の存在を示す。ピークのF
WHMは従来の窒化硼素のそれよりはるかに小さく、8
゜もの小さいFWHM値が観測された。加えて、0゜即
ち付着面に相当する角度におけるロッキング曲線の強度
は2つの側ピークにおける強度に比べて非常に小さく、
幾つかのサンプルに対しては零に近い。これは従来材料
におけるよりはるかに高い比率の双晶結晶相が存在しそ
して付着面に平行なベース面を有する結晶相は比較的少
量であることを示す。加えて、2つのピークの低FWH
M値は従来技術では実現されなかった程度まで双晶結晶
相が高度に優先配向を実現していることを示す。
本発明方法において、硼素含有気体及びアンモニアがC
VD窒化硼素を形成するための従来実施態様に従って反
応帯域に導入される。硼素含有気体は、斯界で使用され
るそうした気体の任意のものであり、例えばB2H6、BC
l3、BF3、B3N3H6、B3N3H3Cl3、B10H14、(C2H5)3B等であ
る。好ましい硼素含有気体はB2H6及びBCl3であり、より
好ましくはBCl3である。
アンモニアと硼素含有気体の気体流れ中にジルコニウム
原子を導入することによりジルコニウムが本発明材料中
に含入される。これは任意の適当な手段により達成しう
る。好ましくは、ジルコニウムは固体ジルコニウム源を
反応帯域内或いはその近くに置くことにより或いはジル
コニウム含有気体を気体流れ中に導入することにより導
入される。固体ジルコニウム源は例えばジルコニウム金
属或いはジルコニア等である。適当なジルコニウム含有
気体の例は四塩化ジルコニウムである。固体ジルコニウ
ム源が使用されるとき、アンモニアと硼素含有気体を反
応せしめるに必要な高温はジルコニウム源の表面から反
応剤気体流れ中にジルコニウム原子を蒸発せしめ、これ
が結局熱分解窒化硼素中に組み込まれるようになる。
アンモニア及び硼素含有気体を反応させる温度及び圧力
は先に定義した(ロッキング曲線により示されるよう
な)高配向双晶形成熱分解窒化硼素製品を形成するに充
分とされる。反応剤気体(アンモニア気体、硼素含有気
体そして使用されるのならジルコニウム含有気体)の圧
力は約1トルより低くすべきである。全圧力は、非反応
性希釈剤気体が使用されるならもっと高く為しうる。も
し固体ジルコニウム源が使用されるなら、反応温度は反
応温度は本発明特有の双晶結晶形態を形成するに充分量
のジルコニウム原子を蒸発せしめるに充分とすべきであ
る。一般に、約1800℃より高い温度が、例えば18
00〜2000℃が適当である。
アンモニア及び硼素含有気体の窒素/硼素原子比は臨界
的ではないが、代表的に約2:1〜約4:1の範囲であ
る。従って、NH3及びBCl3気体に対して、NH3:BCl3モル
比は代表的に約2:1〜約4:1の範囲である。
(実施例及び比較例) 以下の例において、熱分解窒化硼素は、第2図に例示し
たパイロットプラント規模の化学蒸着室(CVD室)を
使用して調製された。室11は、12インチ(30cm)
長さであり、そしてグラファイトフェルト13で断熱さ
れた。室11は低圧での操作を可能とするようにステン
レス鋼製真空容器(図示なし)内に置かれ、そして誘導
加熱コイル15及びグラファイトサスセプタ17により
取り囲まれている。反応剤気体(BCl3及びNH3)を付着
室11の底部に導入管18を通して導入する。反応済気
体を室11の上端から排出管19を通して排出する。室
11の垂直壁上には、平坦なグラファイトプレート21
を配置する。PBNるつぼを形成するのに使用される形
式のグラファイトマンドレル(図示なし)もまた置かれ
る。操作中、窒化硼素付着物23が、グラファイトプレ
ート及びマンドレル上に形成される。
例1(実施例) ジルコニウム金属粒子を熱分解窒化硼素容器内にてCV
D室の底部に置いた(第2図番号25参照)。CVD室
をステンレス鋼製真空室内に置きそして後室を密閉しそ
して排出管を通して真空引きし室内部に操作圧力を実現
した。室を操作圧力を維持したまま誘導加熱器により1
890℃に加熱した。アンモニア(NH3)気体及び三塩
化硼素(BCl3)気体を室内に2.4:1のモル比(NH3:BCl
3)で導入した。グラファイトプレート及びグラファイト
マンドレル上に付着成長が開始された。反応器の高い操
作温度によりジルコニウム金属粒子からジルコニウム原
子が気化されそしてそれによりアンモニア及び三塩化硼
素気体中に導入された。結局、ジルコニウム原子は反応
剤気体からグラファイトプレート上に形成されつつある
窒化硼素中に導入された。反応は460ミクロン水銀柱
において8.5時間実施した。炉冷却後、PBNサンプル
を取り出した。
生成PBN製品は茶色味を有しそしてジルコニウムドー
プ剤なしに1890℃で作製された従来のPBNの密度
より高い2.22〜2.24g/cm3の範囲の密度を有した。ス
ペクトル及びX線蛍光分析によってもPBN中に微量
(約0.1重量%)を超えるジルコニウムを検出できなか
った。PBNサンプルの一つからストリップを切り出し
そしてX線回折により調査した。002面に対する方位
分布を示すロッキング曲線(第3図)は、8゜の1/2最
大高さにおける全巾(FWHM)を有する2つの鋭尖な
ピークを示した。2つのピークは付着面に相当する回折
角から等間隔で隔置されそして約82゜の全有効巾をも
って73゜離れていた。第3図に見られるように、ピー
ク間のへこみにおける(0゜における)強度は側ピーク
の最大強度のごく小部分である約5%に過ぎなかった。
この例のPBNサンプルを走査電子顕微鏡(SEM)に
より観察しそして高濃度のカラム(柱)状微結晶を含む
ことが見出された。その結晶小面は五角形ピラミッド型
形態を有した。付着面と小面との37゜の平均傾斜に基
づいて、ピラミッド面間の角度は139゜として計算さ
れた。これは双晶化窒化硼素結晶のベース面の面間の理
論角度(結晶構造及び原子間間隔に基づく)と同じであ
った。
本例のPBNはまた、従来のPBN(例2及び表I参
照)に比べて付着面方向においてかなり高いCTE(熱
膨張係数:30〜100℃において+1.1×10-6
℃)を有した。従って、本例のPBNは、代表的に30
〜100℃の温度範囲で+2.0×10-6/℃乃至それ以
上のCTE値を有する微細粒グラファイト基材と一層適
合した。
本例のPBNサンプルを、高圧下でのその熱安定性を試
験するために2500℃及び11,000psiにおいてホット
プレスした。この厳しい処理後でもサンプルに見かけ上
の変化は存在しなかった。ロッキング曲線により示され
るものとしての(002)方位分布はホットプレス前と
同じであった。
例2(比較例) CVD室にジルコニウムを存在せしめないことを除い
て、例1と同じ温度でPBNを製造した。反応条件は例
1に示したものであった。このPBN製品は従来PBN
を代表する白色に近い色を有しそして2.17g/cm3のPB
Nに代表的な密度を有した。第4図に示されるX線ロッ
キング曲線は2つのブロードな、即ち幅広い強度ピーク
とそれらの間の浅いくぼみを示した。これらピーク全体
を横切ってのFWHMは110゜であった。標準技術に
より測定したものとして、層間間隔(Co/2)は3.40
0Åであった。これは、例1の本発明に従うPBNの層
間間隔(3.340Å)より著しく高い。第4図に見られる
ように、ピーク間の0゜におけるくぼみの強度は顕著で
あり、側ピークの強度の約75%をも占めた。これらの
層間間隔、0゜における高い強度並びに幅広のFWHM
値は、このサンプルが例1に示した本発明に従うPBN
よりはるかに少ない配向組織しか有さず、低結晶性であ
りそしてより小部分の双晶結晶成分しか有しないことを
示す。
この例のPBNサンプルを2500℃及び11,000psiに
おいてホットプレスした。サンプルはその結果として僅
かに変形を受けそしてロッキング曲線FWHMは110
゜から105゜に減じた。
例3(実施例) 実質例1に従ってジルコニウム粒子を炉内に導入してP
BNを調整したが、但し1970℃のもっと高い反応温
度において実施した。プロセス条件は表Iにまとめて示
す。製品は茶色味を有しそして2.24g/cm3の密度を有
し、これは1970℃で製造された従来PBNの密度よ
り高い。X線回折による解析を行なったところ、(00
2)方位分布を示すロッキング曲線(第5図)は、各々
約16゜のFWHMの2つの鋭尖なピークを示した。こ
れらピークは約73゜互いに分離されそして付着面に相
当する角度(0゜)から等間隔にあった。両ピークを横
切っての有効巾は90゜であった。第5図に見られるよ
うに、ピーク間のくぼみの0゜における強度はピーク強
度の約15%と小さな割合であった。30〜100℃の
温度でのこのサンプルのCTEは1.79×10-5/℃であ
り、これは例えば以下の例4の比較例PBNよりグラフ
ァイトのCTEに著しく近い。
例4(比較例) 例3におけるのと同じ温度において表Iに示した条件下
でPBNを調製した。CVD室にジルコニウムは置かな
かった。PBN製品は従来PBNを代表する白色に近い
色を有しそしてPBNとして当然に予想される通りの密
度を有した(2.18g/cm3)。第4図に示されるX線ロッ
キング曲線は67゜のFWHMを有する単一ピークを有
しただけであった。ロッキング曲線は、例3のロッキン
グ曲線(第5図)と比較するとき、基本的に異なった形
態を有しそして本発明PBNにおけるようなカラム状双
晶窒化硼素微結晶の存在の兆候を示さなかった。
例5及び6(比較例) 1675℃の低くした反応温度において例1の方法によ
りPBNを調製した。2つの試験を行ない。第1の試験
(例5)はCVD室内にジルコニウムを配し、第2の試
験(例6)はCVD室にジルコニウムを置かなかった。
プロセス条件を表Iに示す。両サンプルとも単一ピーク
を有するX線ロッキング曲線を示しただけであった。ジ
ルコニウムを含有する例5に対しては、ロッキング曲線
は第7図に示されるように64゜のFWHMを有し、層
間間隔Co/2は3.420でありそして密度は1.85g/cm3であっ
た。これら構造パラメータは従来PBNを代表するもの
である。ジルコニウムの存在しない例6に対しては、密
度は1.80g/cm3であり、例5と同様のロッキング曲線及
び層間間隔を示した。これら結果は、双晶カラム状結晶
形態を有する本発明に従うPBNは1675℃の付着温
度でのこの反応系では生成し得ないことを示す。
例1〜6の結果を表Iにまとめて示す。密度、Co/2並び
にCTE値(30〜100℃)は標準的技術により測定
した。
以上の例の結果は、高度に配向されたカラム状結晶形態
が、微量のジルコニウムを1800〜2000の反応温
度で反応系中に導入することにより得られることを示し
ている。本発明を特徴づける(ジルコニウムを有する)
形態と関連するピーク対のFWHMは8゜もの小さあ値
である。従来PBN(ジルコニウム導入なし)の場合、
双晶形成を示す2頂ピークは存在しないか、あるいは存
在したとしても約35゜を超えるFWHM値を有する幅
広のものである。
例7〜10(比較例) ジルコニウムを導入せずに例1に実質上ならって熱分解
窒化硼素を製造した。ここでは、ジルコニウムの代わり
に、炭素及び珪素並びにジルコニウムと周期表で同じ族
に属する元素(チタン、ハフニウム)を導入した。元素
名及びそれらの原子のNH3/BCl3気体流れへの導入の仕方
を表IIに示す。固体材料は例1のジルコニウム粒子と類
似の態様で反応器内に置いた。
002面に対するロッキング曲線を各PBNサンプルに
対してプロットした。サンプルはいずれも、2頂曲線を
示さず、従って本発明のPBNの高度に配向された双晶
結晶形態を持たなかった。
これらの例は、ジルコニウムと類似の化学元素でも、P
BN中への単なる導入では本発明のPBNの高度に配向
された双晶結晶形態を生成しないことを例示している。
(発明の効果) 本発明は、高度に配向された双晶結晶形態を有する熱分
解窒化硼素組成物の開発を通して、従来からの熱分解窒
化硼素よりも高い温度及び圧力における歪に耐性があり
そして従来からの窒化硼素よりもグラファイトに一層近
い熱膨張係数を有する熱分解窒化硼素の開発に成功し
た。
以上、本発明の好ましい具体例について説明したが、本
発明に範囲内で多くの変更を為し得ることを銘記された
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、結晶サンプルに対してロッキング曲線を得る
ためのX線装置の簡略説明図である。 第2図は、例において熱分解窒化硼素を製造するのに使
用したCVD反応器の簡略化した断面図である。 第3図は、本発明の熱分解窒化硼素のロッキング曲線の
一例である。 第4図は、比較例の熱分解窒化硼素のロッキング曲線の
一例である。 第5図は、本発明の熱分解窒化硼素のロッキング曲線の
一例である。 第6図は、比較例の熱分解窒化硼素のロッキング曲線の
一例である。 第7図は、比較例の熱分解窒化硼素のロッキング曲線の
一例である。 11:化学蒸着室(CVD室) 13:グラファイトフェルト 15:誘導加熱コイル 17:グラファイトサスセプタ 18:導入管 19:排出管 21:グラファイトプレート 23:窒化硼素付着物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化硼素と微量のジルコニウムとを含む熱
    分解窒化硼素組成物であって、付着面に相当する角度か
    ら−35゜と−37゜との間に一つのX線強度ピークそ
    して+35゜と+37゜との間に一つのX線強度ピーク
    を有する、002面に対する二頂X線ロッキング曲線を
    有し、その場合前記2つの強度ピークの各々は30゜未
    満のFWHMを有し、そして前記ロッキング曲線は付着
    面に相当する0゜角において2つのピーク強度のいずれ
    かの約20%未満のX線強度しか有しない熱分解窒化硼
    素組成物。
  2. 【請求項2】各X線強度ピークに対するFWHMが20
    ゜未満であり、そして0゜角における強度が2つの強度
    ピークいずれかの約5〜15%の範囲にある特許請求の
    範囲第1項記載の窒化硼素組成物。
  3. 【請求項3】熱分解窒化硼素組成物を製造する方法であ
    って、 (a)硼素含有気体及びアンモニア気体の気体流れを反応
    帯域に導入し、 (b)ジルコニウム原子を前記気体流れ中に導入し、 (c)窒化硼素と微量のジルコニウムとを含み、付着面に
    相当する角度から−35゜と−37゜との間に一つのX
    線強度ピークそして+35゜と+37゜との間に一つの
    X線強度ピークを有する、002面に対する二頂X線ロ
    ッキング曲線を有し、前記2つの強度ピークの各々は3
    0゜未満のFWHMを有し、そして前記ロッキング曲線
    は付着面に相当する0゜角において前記2つのピーク強
    度いずれかの約20%未満のX線強度しか有しない熱分
    解窒化硼素組成物を形成するように約1800℃を超え
    る温度及び圧力条件下で前記気体流れを反応せしめる ことを包含する熱分解窒化硼素組成物を製造する方法。
  4. 【請求項4】気体流れにおける窒素対硼素原子比が約
    2:1〜約4:1の範囲にある特許請求の範囲第3項記
    載の方法。
  5. 【請求項5】硼素含有気体がB2H6及びBCl3から成る群か
    ら選択される特許請求の範囲第3項記載の方法。
  6. 【請求項6】各X線強度ピークに対するFWHMが20
    ゜未満であり、そして0゜角における強度が2つのピー
    ク強度のいずれかの約5〜15%の範囲にある特許請求
    の範囲第3項記載の方法。
  7. 【請求項7】気体流れ中に導入されるジルコニウム量が
    1重量%未満のジルコニウムを有する組成物を形成する
    ような量にある特許請求の範囲第3項記載の方法。
  8. 【請求項8】(b)においてジルコニウム原子が気体流れ
    中に、(c)における反応温度においてジルコニウム原子
    がジルコニウム源から気体流れ中へと蒸発するよう反応
    帯域に充分近く固体ジルコニウム源を置くことにより導
    入される特許請求の範囲第3項記載の方法。
  9. 【請求項9】(b)においてジルコニウム原子が気体ジル
    コニウム源を気体流れ中に導入することにより気体流れ
    中に導入される特許請求の範囲第3項記載の方法。
  10. 【請求項10】気体ジルコニウム源が四塩化ジルコニウ
    ムである特許請求の範囲第9項記載の方法。
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