JPH0641148B2 - 断熱材の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 建築の屋根部材、壁部材及び床材に使用される断熱材の
製造方法に関する。

〔従来の技術〕

従来は特公昭63-63367号に見られるように、凸脈を形成
した方の金属フープ材を搬送するコンベアの外周に凸脈
の側部の谷底を支持する支持凸部を設ける方法がある。

つまり、無端コンベアと凸脈の側部の谷底を支持する支
持凸部を設けた無端コンベアの上下のコンベアで合成樹
脂発泡体を内蔵した上下の金属フープ材を圧接して製造
していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

梯形脈加工した金属フープ材の表側の凹み部及び凸部は
合成樹脂発泡体の発泡圧及び内部発熱のために膨らんで
くる。それを防止するために、特公昭63-63367号では凸
脈を形成した方の金属フープ材を搬送するコンベアの外
周に凸脈の側部の谷底を支持する支持凸部を設けている
が、断熱板が薄い場合は、特公昭63-63367号の方法でも
金属フープ材の表側の凸部変形は解決できるが断熱材が
厚い場合、即ち発泡圧及び内部発熱温度が高い場合は、 梯形脈加工した金属フープ材の凹み部及び凸部は膨ら
み、該梯形脈加工した金属フープ材に接する凹み部圧接
支持部はコンベアに大きな圧力が加わり、コンベアの駆
動力に過重な負荷がかかる。そのためにコンベアの局部
が変形する。

合成樹脂攪拌液の発泡方向はコンベア進行方向と逆の
方向に、即ち斜め方向に立ち上がるので、平坦にすると
所定厚みの製品が造りにくい。

という欠点があった。

〔解決の手段〕

如上の問題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明に到
達した。即ち本発明は下の金属フープ材を連続的に供給
して梯形脈成形ロールにて梯形脈を連続的に形成し、上
の金属フープ材を連続的に供給して、前記梯形脈を形成
した下の金属フープ材と上の金属フープ材とを上下に対
向させて搬送し、下の金属フープ材の梯形脈の裏側の凹
み部上及び凸部上に合成樹脂液攪拌機より合成樹脂液を
注入散布して断熱材を製造する方法において、上の金属
フープ材は、該合成樹脂攪拌液注入後に上面の無端コン
ベアで圧接させ、下の金属フープ材の梯形脈加工した表
側の各々の凹み部に自駆動力を備えた複数の圧接ロール
にて、又凸部には複数の無拘束ロールにて圧接し、凹み
部及び凸部の圧接を交互に行い、合成樹脂攪拌液注入後
から発泡完了まで圧接することを特徴とする断熱材の製
造方法である。又断熱板の厚みに応じて下の金属フープ
材の表側の凹み部に接する複数の圧接ロール及び凸部に
接する複数の無拘束ロールの固定保持台を合成樹脂攪拌
液注入点を基準にして発泡方向に対して１°〜４°傾斜
させることを特徴とするものである。

本発明では下の金属フープ材の表側の凹み部及び凸部の
“膨れ防止”のための圧接ロール及び無拘束ロールの配
置は、圧接ロールの軸径及び無拘束ロールの直径をＲと
し、凸部と凹み部の差をＨとすると第１表のようにな
る。

又、下の金属フープ材の表側の凸部幅Ｗと凹み部幅ｗの
比率と凹み部圧接ロールと凸部圧接無拘束ロールの本数
は第２表のごとくなる。

本発明を図面に基づいて説明する。

第１図は、本発明の断熱板Ａ及び下の金属フープ材の表
側の凹み部の圧接ロールの状態を示す断面図である。

１は上の金属フープ材を圧接する無端コンベアベルト
で、２は上の金属フープ材である。３は下の梯形脈加工
した金属フープ材で、４は下の金属フープ材の表側の凹
み部、５は下の金属フープ材の表側の凸部、６は合成樹
脂攪拌液溢出防止テープ（又はフイルム）である。

下の金属フープ材の表側凹み部は、下の金属フープ材の
裏側の凹凸部に合成樹脂攪拌液を注入した場合、上下の
無端コンベアで圧接した場合、下の無端コンベアが下の
金属フープ材の表側の凸部５のみを圧接した場合には、
下の金属フープ材の表側の凹み部は第３図の4Cのごとく
膨らんでくる。この膨らみは断熱板の商品価値を著しく
損ねる。この下の金属フープ材の表側凹み部の膨らみを
防止するために、複数の各々独立した駆動軸８に圧接ロ
ール９を下の金属フープ材の表側の凸部５に１〜２mm離
れたように設計取り付ける。

第２図は本発明の断熱板Ａおよび下の金属フープ材３の
表側の凸部の無拘束ロールの状態を示す概略断面図であ
る。10はベアリング入り無拘束ロール軸受けで、11は下
の金属フープ材の表側の凸部５の“膨らみ現像”を防止
するための無拘束回転ロールである。

第３図は、断熱板の下の金属フープ材の表側の凹凸部の
膨らみを示す断面図である。

第４図は、本発明の概略図で、下の梯形脈加工した金属
フープ材３の裏側の凹み部（表側凸部５）に独立の合成
樹脂液攪拌機12より合成樹脂攪拌液13を注入散布する。
すぐ後で独立の合成樹脂液攪拌機14で下の金属フープ材
の裏側の凹凸部（表側の凹み部４、凸部５）にトラバー
ス（横断繰り返し）して合成樹脂攪拌液13を注入散布す
る。該合成樹脂攪拌液注入地点の下の金属フープ材３の
表側の凹み部４に圧接できるように複数の独立の駆動軸
８に固着された圧接ロール９と駆動装置10が下の金属フ
ープ材の表側の凸部５の膨れ防止用の無拘束ロール11と
該無拘束ロールの軸受け10を基軸として、コンベア速度
に連動して該下側金属フープ材の膨れ防止を行い、上の
金属フープ材２を押接する無端ベルトコンベア16とで断
熱板Ａを製造する。尚、下の金属フープ材の表側の凹み
部を圧接するロールの駆動軸Ｂの駆動装置８及び下の金
属フープ材３の表側の凸部に圧接する無拘束ロール軸受
けは圧接ロール保持具18に連結されて断熱板の位置ずれ
を防いでいる。

第５図は、下の金属フープ材の裏側への独立の合成樹脂
液攪拌機14から注入散布される合成樹脂攪拌液13の挙動
を示す概略図で、下の金属フープ材３は平坦で傾斜なし
の場合の発泡挙動を示している。

矢印は合成樹脂攪拌液の発泡方向である。該合成樹脂攪
拌液は注入開始時では半透明状態でクリーム状態（乳
濁、ガス化開始）、ゲル状態（樹脂化開始）、発泡完了
（反応終了）と進む。断熱板を厚くする場合は吐出量を
多くしなければならず、コンベア速度を早くする必要が
あり、クリーム状態が長くなり、樹脂化反応とガス化反
応の均衡がとりにくくなる欠点がある。

第６図は、本発明の一つである傾斜発泡を説明するため
の概略図で、合成樹脂攪拌液13は傾斜が１°〜４°ある
のでクリーム状態で下の金属フープ材の裏側面を進む。
クリーム状の合成樹脂攪拌液は、前に注入散布されたゲ
ル状態（樹脂化開始）の下にもぐり、ゲル状態の合成樹
脂攪拌液を押し上げる形になって断熱板の厚みを厚くす
る。所望の厚みが薄い場合は傾斜は１°で、厚みが厚く
なるにつれて傾斜を大きくする。最大傾斜は４°で４°
以上になると合成樹脂攪拌液のガス化と樹脂化の反応均
衡が悪くなる。

第７図は、本発明の傾斜発泡と圧接ロールを示す側面概
略断面図である。下の金属フープ材の表側の凹み部の膨
れ防止の複数の圧接ロール及び凸部の膨れ防止ロールが
交互に備え付けられたもので、合成樹脂攪拌液の注入点
（合成樹脂液攪拌機設置点）から発泡完了（ライズタイ
ム＋１分通常約２分）まで設置する。

尚、本発明に使用する合成樹脂発泡体は主に硬質ウレタ
ンフォームが使用される。

〔効果〕

本発明による傾斜発泡で下の金属フープ材の表側の凹み
部の膨れ防止に複数の各々独立した駆動力を備えた圧接
ロール及び該下側金属フープ材の表側の凸部を圧接する
無拘束ロールを交互に用いて断熱板を製造したところ、
断熱材はスキン層のない、下の金属フープ材の表側の凹
み部及び凸部には膨れのない製品ができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の下の金属フープ材の表側の凹み部の
膨れ防止の断熱材製造装置概略断面図である。 第２図は、本発明の下の金属フープ材の表側の凸部の膨
れ防止の断熱材製造装置の概略断面図である。 第３図は、従来の断熱材の断面図で下の金属フープ材
の、表側の凹み部及び凸部の発泡圧による“膨れ現像”
を説明するための図。 第４図は、本発明による断熱材の製造方法を示す概略
図。 第５図は、従来の発泡状態を示す概略断面図。 第６図は、本発明の傾斜注入による発泡状態を示す概略
断面図。 第７図は、本発明の下の金属フープ材の表側の凹凸部の
“膨れ現像”防止の圧接ロールと傾斜注入を示す概略断
面図。 １．上の金属フープ材圧接用無端コンベアベルト ２．上の金属フープ材 ３．下の梯形脈加工を施した金属フープ材 ４．下の金属フープ材の表側の凹み部 ５．下の金属フープ材の表側の凸部 ６．合成樹脂攪拌液溢出防止テープ（又はフイルム） ７．断熱材 ８．駆動装置 ９．下の金属フープ材の表側の凹み部圧接ロール 10.無拘束ロール軸受け 11.無拘束回転ロール 12.下の金属フープ材の裏側の凹み部注入用の合成樹脂
液攪拌機 13.合成樹脂攪拌液 14.下の金属フープ材の凹凸全面注入散布用の合成樹脂
液攪拌機 15.上の金属フープ材圧接用の無端コンベアの駆動ロー
ル 16.上の金属フープ材圧接用コンベア 17.圧接ロール固定台 18.圧接ロール保持具 Ａ．断熱板 Ｂ．圧接ローラ軸 4C.下の金属フープ材の表側の凹み部膨れ 5C.下の金属フープ材の表側の凸部膨れ Ｄ．合成樹脂攪拌液のもぐり現像 Ｅ．水平面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ２９Ｌ 31:10 4Ｆ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下の金属フープ材を連続的に供給して梯形
   脈成形ロールにて梯形脈を連続的に形成し、上の金属フ
   ープ材を連続的に供給して、前記梯形脈を形成した下の
   金属フープ材と上の金属フープ材とを上下に対向させて
   搬送し、下の金属フープ材の梯形脈の裏側の凹み部上及
   び凸部上に合成樹脂液攪拌機より合成樹脂液を注入散布
   して断熱材を製造する方法において、上の金属フープ材
   は該合成樹脂攪拌液注入後に上面の無端コンベアで圧接
   させ、下の金属フープ材の梯形脈加工した表側の各々の
   凹み部に自駆動力を備えた複数の圧接ロールにて、又凸
   部には複数の無拘束ロールにて圧接し、凹み部及び凸部
   の圧接を交互に行い、合成樹脂攪拌液注入後から発泡完
   了まで圧接することを特徴とする断熱材の製造方法。
2. 【請求項２】特許請求範囲第１項において、下の金属フ
   ープ材の表側の凹み部に接する複数の圧接ロール及び凸
   部に接する複数無拘束ロールの固定保持台を、合成樹脂
   攪拌液注入点を基準にして発泡方向に対して１°〜４°
   傾斜させたことを特徴とする断熱材の製造方法。