JPH0641083Y2 - 電気やぐらこたつ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は電気やぐらこたつに関するもので、特にその温
度制御系の保護装置に特徴を有するものである。

従来の技術 近年、電気やぐらこたつは夏冬使える家具調こたつが普
及している、例えば実開昭62-6654号公報に示されてい
る。この電気やぐらこたつの発熱体ユニットは薄形化が
進められ、そのため発熱体ユニットは、発熱体たとえば
赤外線ヒータにて暖まった空気を温風としてこたつ内に
送風しこたつ内の温度を均一化するためにモータにより
回転するファンを備え、その温度制御はコードの中間部
に設けたコントローラに温度調節操作部を配置し、ファ
ンにより発生した空気流の冷却風路中に制御素子、例え
ば双方向性サイリスタを設けている。双方向性サイリス
タのゲートにはこたつ内の温度を検知する検知手段の検
知出力に応じて信号を発生する信号発生回路の出力が制
御信号として印加されることにより、双方向性サイリス
タの導通角が変化し、赤外線ヒータへの通電量を制御す
るものである。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、双方向性サイリス
タを冷却する風量が減少したり、無くなったとき、すな
わち、発熱体ユニットの下面が衣服等で覆われた場合、
あるいは、ファンに異物が入ってファンの回転が停止し
た場合等には、前記双方向性サイリスタは自己発熱等に
より高温度となり熱破壊してしまう。その結果、温度制
御ができなくなり温度ヒューズが溶断するおそれがあっ
た。

問題点を解決するための手段 本考案の電気やぐらこたつは、ファンにより発生する空
気流の冷却風路内に、双方向性サイリスタとその双方向
性サイリスタの熱を検知して、その双方向性サイリスタ
の熱破壊前に作動する温度動作スイッチを設けるととも
に、前記双方向性サイリスタと、前記温度動作スイッチ
を電気的に直列接続した構成である。

作用 本考案は前記した構成により、温度動作スイッチが双方
向性サイリスタの熱を検知し、その双方向性サイリスタ
の熱破壊前に作動して発熱体への供給電力を停止するた
めファンの停止や空気流の冷却風路がふさがる等して双
方向性サイリスタの冷却効果がなくなったときでも、双
方向性サイリスタの熱破壊が防止できる。そして温度動
作スイッチを設けた電気やぐらこたつにおいては、双方
向性サイリスタの熱破壊防止により、正常な温度制御が
でき、温度ヒューズの不必要な溶断が防止できる。

実施例 以下本考案の一実施例の電気やぐらこたつについて、第
１図〜第５図を参照しながら説明する。

図において、やぐら１の下方に設けられた発熱体ユニッ
ト２は、反射板３と、その反射板３の下方中央に位置す
るファン４と、そのファン４を介して対向する一対の発
熱体５（以下ヒータと言う）と、そのファン４の下方に
位置してファン４を回転せしめるモータ６と、前記ヒー
タ５の異状過熱等の際に溶断してヒータ５への供給電力
を遮断する温度ヒューズ７と、前記ヒータ５への供給電
力を導通角を変化せしめて制御する双方向性サイリスタ
８と、雑音を防止するチョークコイル９と、前記双方向
性サイリスタに電気的に直列接続されると共に、前記双
方向性サイリスタ８の熱を検知し前記双方向性サイリス
タ８の熱破壊前に作動するサーモスイッチ等の温度動作
スイッチ10とから構成されている。又前記双方向性サイ
リスタ８と温度動作スイッチ10は放熱板11に取り付けら
れ熱結合されている。そして前記双方向性サイリスタ８
と温度動作スイッチ10と放熱板11はファン４の回転によ
り発熱体ユニット２の下方から冷空気を吸気し発熱体ユ
ニット２の側外方に吹き出す空気流ａの前記冷空気から
なる冷却風路内に配設されている。

一方発熱体ユニット２に電気的に接続されるプラグ12内
にはやぐら内の温度を検出するサーミスタ13が設けられ
ている。そのサーミスタ13の出力により双方向性サイリ
スタ８の導通角を変化せしめる制御信号が双方向性サイ
リスタ８のゲートに印加されヒータ５への供給電力を制
御する。又、コントローラ14には採暖者により操作され
る可変抵抗器15等が設けられ、前記可変抵抗器15の操作
によってやぐら内の温度を設定する。

上記のように構成された電気やぐらこたつについて以下
その動作について説明する。

端子A,Bより交流電力が入力されるとモータ６と双方向
性サイリスタ８を介してヒータ５に入力される。

そして、モータ６が回転駆動してファン４が回転すると
ヒータ５の発熱が始まる。又、こたつ内の温度を検出す
るサーミスタ13の出力により可変抵抗器15によって設定
されたこたつ内の設定温度に応じた前記制御信号が双方
向性サイリスタ８のゲートに入力され、発熱体５への供
給電力が制御されてこたつ内の温度が前記設定温度に一
定に保たれる。このように動作している電気やぐらこた
つにおいて、双方向性サイリスタ８を冷却する風量が減
少したり、無くなったとき、すなわち、発熱体ユニット
２の下面が衣服等で覆われた場合、あるいはファン４に
異物が入ってファンの回転が停止した場合等には、前記
双方向性サイリスタ８の自己発熱により高温度となる。
そのとき、双方向性サイリスタ８の熱を検出する温度動
作スイッチ10が作動し、発熱体への供給電力を停止して
双方向性サイリスタ８の自己発熱等による熱破壊を防止
することとなる。そして、双方向性サイリスタ８の熱破
壊の防止により、正常な温度制御が可能となり温度ヒュ
ーズ７の不要な溶断が防止できることとなる。その後、
双方向性サイリスタ８を冷却するファンの風量が増加
し、双方向性サイリスタ８の温度が低下すると、温度動
作スイッチ10は再び発熱体への給電を開始するよう動作
する。

尚、温度動作スイッチ10を双方向性サイリスタ８と同じ
冷却風路内に配置したのは、温度動作スイッチ10がヒー
タ５により加熱され双方向性サイリスタ８の熱を正常に
検出しなくなることを防止するためである。

考案の効果 以上のように本考案によれば、双方向性サイリスタの熱
を検出して前記双方向性サイリスタの熱破壊前に作動す
る温度動作スイッチと前記双方向性サイリスタの電気的
に直列接続すると共に、ファンにより発生する空気流の
冷却風路内に前記温度動作スイッチと前記双方向性サイ
リスタを設けることにより、前記双方向性サイリスタを
冷却する風量が減少したり無くなったとき、前記双方向
性サイリスタの自己発熱等による熱破壊が防止できる。
さらに、前記双方向性サイリスタの熱破壊の防止により
正常な温度制御ができるため、電気やぐらこたつに過熱
防止用の温度ヒューズを設けた場合においては、前記双
方向性サイリスタの熱破壊に起因する温度ヒューズの溶
断も防止できる。また、発熱体ユニットに異物が入りフ
ァンの回転が停止し、温風をともなわずヒータのみで加
熱されるという異常事態になったときには、制御素子の
温度は自己発熱により直ちに上昇するため、温度動作ス
イッチは、やぐら内の温度を検出するサーミスタや、ヒ
ータの異常過熱の際に溶断する温度ヒューズよりも先に
異常事態を検出することになる。このため温度動作スイ
ッチは単に制御素子の安全装置として作用するだけでな
く、ヒータの異常過熱による火災などに対して、温度ヒ
ューズとともに安全装置として働くので、より安全性を
高めることができる。さらに、温度動作スイッチは、フ
ァンの風量が増加し、双方向性サイリスタの温度が低下
すると、再び発熱体に電力を供給するよう動作するの
で、温度ヒューズのように溶断るごとに交換が必要にな
ることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における一実施例の電気やぐらこたつの
要部を示す一部切欠き平面図、第２図は同電気やぐらこ
たつの要部を示す断面正面図、第３図は同電気やぐらこ
たつの要部を示す断側面図、第４図は同電気やぐらこた
つの一部切欠き正面図、第５図は同電気やぐらこたつの
回路図である。 １……やぐら、２……発熱体ユニット、４……ファン、
５……ヒータ、６……モータ、８……双方向性サイリス
タ、10……温度動作スイッチ、11……放熱板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】やぐら下方に設けた発熱体と、交流電源か
   ら前記発熱体への供給電力を制御信号に応じて導通角を
   変化させて制御する制御素子と、モータにて回転するフ
   ァンと、前記制御素子と電気的に直列接続され、かつ、
   前記制御素子の温度を検出し得るよう前記制御素子とと
   もに放熱板に取り付けられ、前記制御素子の温度上昇に
   ともなってその熱破壊前に前記発熱体への電力の供給を
   停止し、前記制御素子の温度降下にともなって前記電力
   の供給を再開するよう作動する温度動作スイッチとから
   なり、前記ファンにより発生する空気流の冷却風路内に
   前記制御素子と温度動作スイッチを設けたことを特徴と
   する電気やぐらこたつ。