JPH0641037B2 - 酸素プラズマ加工用非消耗形電極 - Google Patents
酸素プラズマ加工用非消耗形電極Info
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- JPH0641037B2 JPH0641037B2 JP1001152A JP115289A JPH0641037B2 JP H0641037 B2 JPH0641037 B2 JP H0641037B2 JP 1001152 A JP1001152 A JP 1001152A JP 115289 A JP115289 A JP 115289A JP H0641037 B2 JPH0641037 B2 JP H0641037B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、酸素プラズマアークトーチに用いられる非消
耗形電極に関するものである。
耗形電極に関するものである。
〈従来の技術〉 今日、鋼板等の被加工材を切断或いは溶接する際に、酸
素プラズマアークを用いて加工することが行われてい
る。
素プラズマアークを用いて加工することが行われてい
る。
前記酸素プラズマアークを発生するための電極として、
銅又は銅合金によって製作されたホルダーにハフニウム
又はハフニウム合金によって製作された作用インサート
を嵌装すると共に、前記ホルダーと作用インサートとの
全接触面にアルミニウム又はアルミニウム合金によって
製作された金属スペーサを配置したものが知られている
(特許第877804号)。
銅又は銅合金によって製作されたホルダーにハフニウム
又はハフニウム合金によって製作された作用インサート
を嵌装すると共に、前記ホルダーと作用インサートとの
全接触面にアルミニウム又はアルミニウム合金によって
製作された金属スペーサを配置したものが知られている
(特許第877804号)。
前記技術によれば、金属スペーサを、ホルダーを過熱と
酸化から保護するための熱遮蔽材として機能させること
で、該ホルダーの寿命を延長することが出来るため有利
である。
酸化から保護するための熱遮蔽材として機能させること
で、該ホルダーの寿命を延長することが出来るため有利
である。
また前記技術による電極を製造するに際しては、先ずホ
ルダーの端面から所定の深さを有する穴を穿設すると共
にカップ状のアルミニウムソケットを製作する。前記ア
ルミニウムソケットに、所定長さに切断したハフニウム
線材を嵌合して固定した後、該アルミニウムソケットを
ホルダーの穴に埋め込み固定している。
ルダーの端面から所定の深さを有する穴を穿設すると共
にカップ状のアルミニウムソケットを製作する。前記ア
ルミニウムソケットに、所定長さに切断したハフニウム
線材を嵌合して固定した後、該アルミニウムソケットを
ホルダーの穴に埋め込み固定している。
〈発明が解決しようとする課題〉 然し、上記技術による電極を製造するには、ホルダーの
穴加工,アルミニウムソケットの製作,ハフニウムを嵌
合したアルミニウムソケットのホルダーに対する埋め込
み等の作業に多くの時間がかかりコストアップ要因とな
っている。
穴加工,アルミニウムソケットの製作,ハフニウムを嵌
合したアルミニウムソケットのホルダーに対する埋め込
み等の作業に多くの時間がかかりコストアップ要因とな
っている。
本発明の目的は、ホルダーと作用インサートとの接触面
に金属スペーサを介在させた電極の優位点を維持すると
共に、コストダウンをはかることの出来る酸素プラズマ
加工用非消耗形電極を提供するものである。
に金属スペーサを介在させた電極の優位点を維持すると
共に、コストダウンをはかることの出来る酸素プラズマ
加工用非消耗形電極を提供するものである。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決した本発明の酸素プラズマ加工用非消耗
形電極は、内部に冷却流体を流通させるための通孔を形
成した銅又は銅合金からなるホルダーと、前記ホルダー
の前端面から通孔まで貫通して嵌装されたハフニウム又
はハフニウム合金からなる作用インサートとを有し、前
記ホルダーの前端面から3mm以上であって、且つ前記作
用インサートの全長の80%以内の範囲に於ける前記ホル
ダーと前記作用インサートとの接触面にアルミニウム又
はアルミニウム合金からなる金属スペーサを配置して構
成されるものである。
形電極は、内部に冷却流体を流通させるための通孔を形
成した銅又は銅合金からなるホルダーと、前記ホルダー
の前端面から通孔まで貫通して嵌装されたハフニウム又
はハフニウム合金からなる作用インサートとを有し、前
記ホルダーの前端面から3mm以上であって、且つ前記作
用インサートの全長の80%以内の範囲に於ける前記ホル
ダーと前記作用インサートとの接触面にアルミニウム又
はアルミニウム合金からなる金属スペーサを配置して構
成されるものである。
〈作用〉 上記手段によれば、銅又は銅合金からなるホルダーの内
部に冷却流体を流通させるための通孔を形成すると共
に、該ホルダーの前端面から通孔まで貫通してハフニウ
ム又はハフニウム合金からなる作用インサートを嵌装し
たので、作用インサートを嵌装するためにホルダーに形
成する穴を所定深さを有する止まり穴とする必要が無
く、ホルダーの前端面から通孔までの貫通孔として形成
することが出来る。このためホルダーに対する穴加工が
容易となる。
部に冷却流体を流通させるための通孔を形成すると共
に、該ホルダーの前端面から通孔まで貫通してハフニウ
ム又はハフニウム合金からなる作用インサートを嵌装し
たので、作用インサートを嵌装するためにホルダーに形
成する穴を所定深さを有する止まり穴とする必要が無
く、ホルダーの前端面から通孔までの貫通孔として形成
することが出来る。このためホルダーに対する穴加工が
容易となる。
またホルダーと作用インサートとの接触面にホルダーの
前端面から3mm以上、且つ作用インサートの全長の80%
以内の範囲に、アルミニウム又はアルミニウム合金から
なる金属スペーサを介在させたので、前記金属スペーサ
として市販のアルミニウムパイプを利用することが出来
る。従って、従来の如くアルミニウムソケットを製作す
る必要が無く、このため製造工程を減少することが出来
る。
前端面から3mm以上、且つ作用インサートの全長の80%
以内の範囲に、アルミニウム又はアルミニウム合金から
なる金属スペーサを介在させたので、前記金属スペーサ
として市販のアルミニウムパイプを利用することが出来
る。従って、従来の如くアルミニウムソケットを製作す
る必要が無く、このため製造工程を減少することが出来
る。
前記金属スペーサとしてのアルミニウムパイプに、作用
インサートとしてのハフニウムを嵌合するには、所定寸
法に切断したハフニウム線材の端部を把持してアルミニ
ウムパイプに挿入し、両者を回転させつつ外周から押圧
することで、ハフニウム線材の周囲にアルミニウムを被
覆することが出来る。前記の如くしてハフニウム線材の
周囲にアルミニウムを被覆したものを、ホルダーに形成
した貫通孔に嵌合し、該ホルダーを回転させつつ外周か
ら押圧することで、ホルダーとハフニウム線材との接触
面にアルミニウムスペーサを配置することが出来る。
インサートとしてのハフニウムを嵌合するには、所定寸
法に切断したハフニウム線材の端部を把持してアルミニ
ウムパイプに挿入し、両者を回転させつつ外周から押圧
することで、ハフニウム線材の周囲にアルミニウムを被
覆することが出来る。前記の如くしてハフニウム線材の
周囲にアルミニウムを被覆したものを、ホルダーに形成
した貫通孔に嵌合し、該ホルダーを回転させつつ外周か
ら押圧することで、ホルダーとハフニウム線材との接触
面にアルミニウムスペーサを配置することが出来る。
またホルダーにハフニウム又はハフニウム合金からなる
作用インサートを嵌装し、且つ両者の接触面に金属スペ
ーサとしてのアルミニウムスペーサを配置して構成した
電極を用いて酸素プラズマ加工を実施した場合、該電極
が破壊されたときに消耗しているハフニウムの深さは2
〜2.5mmの範囲である。従って、前記アルミニウムスペ
ーサの最小長さは3mm以上であることが必要である。更
に、アルミニウムスペーサをハフニウム線材に被覆する
工程に於いて、ハフニウム線材を把持するために全長の
約20%程度の長さが必要である。従って、前記アルミニ
ウムスペーサの最大長さは、ハフニウム線材の80%以内
であることが必要である。
作用インサートを嵌装し、且つ両者の接触面に金属スペ
ーサとしてのアルミニウムスペーサを配置して構成した
電極を用いて酸素プラズマ加工を実施した場合、該電極
が破壊されたときに消耗しているハフニウムの深さは2
〜2.5mmの範囲である。従って、前記アルミニウムスペ
ーサの最小長さは3mm以上であることが必要である。更
に、アルミニウムスペーサをハフニウム線材に被覆する
工程に於いて、ハフニウム線材を把持するために全長の
約20%程度の長さが必要である。従って、前記アルミニ
ウムスペーサの最大長さは、ハフニウム線材の80%以内
であることが必要である。
〈実施例〉 以下上記手段を適用した酸素プラズマ加工用非消耗形電
極の実施例について図を用いて説明する。
極の実施例について図を用いて説明する。
第1図は本発明による電極の断面説明図、第2図は要部
斜視説明図、第3図は本発明の電極を用いて酸素プラズ
マ加工する際の模式説明図、第4図は本発明の電極と比
較するために用いた電極の断面説明図である。
斜視説明図、第3図は本発明の電極を用いて酸素プラズ
マ加工する際の模式説明図、第4図は本発明の電極と比
較するために用いた電極の断面説明図である。
第1図及び第2図に於いて、銅又は銅合金からなるホル
ダー1の先端に前端面1aが形成されており、且つ内部
には例えば水等の冷却流体を流通させるための通孔1b
が形成されている。また前端面1aと対向する通孔1b
側の面には、ホルダー1の中心と一致した突起1cが形
成されている。ホルダー1の中心には、前端面1aから
通孔1bまで貫通孔1dが形成されている。
ダー1の先端に前端面1aが形成されており、且つ内部
には例えば水等の冷却流体を流通させるための通孔1b
が形成されている。また前端面1aと対向する通孔1b
側の面には、ホルダー1の中心と一致した突起1cが形
成されている。ホルダー1の中心には、前端面1aから
通孔1bまで貫通孔1dが形成されている。
前記貫通孔1dには、前端面1aと面一に、ハフニウム
又はハフニウム合金からなる作用インサート2が、ホル
ダー1の前端面1aから通孔1bまで貫通して嵌装され
ている。
又はハフニウム合金からなる作用インサート2が、ホル
ダー1の前端面1aから通孔1bまで貫通して嵌装され
ている。
前記貫通孔1dに嵌装した作用インサート2とホルダー
1との接触面には、アルミニウム又はアルミニウム合金
からなる金属スペーサ3が配置されている。前記金属ス
ペーサ3はホルダー1の前端面1aから3mm以上であっ
て、且つ作用インサート2の全長の80%以内の範囲に配
置されている。
1との接触面には、アルミニウム又はアルミニウム合金
からなる金属スペーサ3が配置されている。前記金属ス
ペーサ3はホルダー1の前端面1aから3mm以上であっ
て、且つ作用インサート2の全長の80%以内の範囲に配
置されている。
次に上記の如く構成した電極を製造する場合について説
明すると、先ず、ホルダー1の内部に通孔1bを形成す
ると共に突起1cを形成する。そしてホルダー1の前端
面1a側から、該ホルダー1に貫通孔1dを穿設する。
また作用インサート2及び金属スペーサ3を夫々所定の
長さに切断し、作用インサート2を金属スペーサ3に嵌
合し、作用インサート2の端部を把持して両者を回転さ
せ、金属スペーサ3の外周から押圧することで、作用イ
ンサート2の周囲に金属スペーサ3を強固に被覆する。
次いで、前記金属スペーサ3を被覆した作用インサート
2をホルダー1に形成した貫通孔1dに挿入し、該ホル
ダー1を外周から押圧して作用インサート2及び金属ス
ペーサ3をホルダー1に強固に保持する。その後、ホル
ダー1の前端面1aを含む外周を所定の形状に旋削し電
極を形成する。このとき、作用インサート2,金属スペ
ーサ3及びホルダー1の前端面1aを同一面上に構成す
ることが出来る。
明すると、先ず、ホルダー1の内部に通孔1bを形成す
ると共に突起1cを形成する。そしてホルダー1の前端
面1a側から、該ホルダー1に貫通孔1dを穿設する。
また作用インサート2及び金属スペーサ3を夫々所定の
長さに切断し、作用インサート2を金属スペーサ3に嵌
合し、作用インサート2の端部を把持して両者を回転さ
せ、金属スペーサ3の外周から押圧することで、作用イ
ンサート2の周囲に金属スペーサ3を強固に被覆する。
次いで、前記金属スペーサ3を被覆した作用インサート
2をホルダー1に形成した貫通孔1dに挿入し、該ホル
ダー1を外周から押圧して作用インサート2及び金属ス
ペーサ3をホルダー1に強固に保持する。その後、ホル
ダー1の前端面1aを含む外周を所定の形状に旋削し電
極を形成する。このとき、作用インサート2,金属スペ
ーサ3及びホルダー1の前端面1aを同一面上に構成す
ることが出来る。
以上のようにして、ホルダー1に作用インサート2を嵌
装すると共に該ホルダー1と作用インサート2との接触
面に金属スペーサ3を配置することが出来る。従って、
従来技術の如く、金属スペーサをカップ状のソケットに
形成することか不要となり、製造コストを削減すること
が可能となる。
装すると共に該ホルダー1と作用インサート2との接触
面に金属スペーサ3を配置することが出来る。従って、
従来技術の如く、金属スペーサをカップ状のソケットに
形成することか不要となり、製造コストを削減すること
が可能となる。
上記の如く構成された電極を用いて、例えば鋼板Aを切
断する場合を第3図によって説明する。
断する場合を第3図によって説明する。
図に於いて、ホルダー1は電極台4に螺合等の手段によ
って着脱可能に取り付けられている。またホルダー1の
通孔1bには冷却水を導通するための冷却管5が配設さ
れている。プラズマトーチ本体6の先端にはノズルキャ
ップ7が着脱可能に取り付けられており、該キャップ7
の内部は冷却水によって冷却されている。そして前記ノ
ズルキャップ7によって、ノズル8が形成されている。
またホルダー1とノズルキャップ7とで形成する空間に
は、酸素通孔9から酸素ガスが供給されている。そして
作用インサート2を陰極とし、鋼板Aを陽極としてプラ
ズマ電流を印加すると、ノズル8からはプラズマアーク
10と酸素ガスとが鋼板Aに向かって噴射され、鋼板Aの
表面を溶融すると共に熱化学的に該鋼板Aを切断する。
この状態でプラズマトーチと鋼板Aを相対的に移動する
ことで、該鋼板Aに対する切断が進行する。
って着脱可能に取り付けられている。またホルダー1の
通孔1bには冷却水を導通するための冷却管5が配設さ
れている。プラズマトーチ本体6の先端にはノズルキャ
ップ7が着脱可能に取り付けられており、該キャップ7
の内部は冷却水によって冷却されている。そして前記ノ
ズルキャップ7によって、ノズル8が形成されている。
またホルダー1とノズルキャップ7とで形成する空間に
は、酸素通孔9から酸素ガスが供給されている。そして
作用インサート2を陰極とし、鋼板Aを陽極としてプラ
ズマ電流を印加すると、ノズル8からはプラズマアーク
10と酸素ガスとが鋼板Aに向かって噴射され、鋼板Aの
表面を溶融すると共に熱化学的に該鋼板Aを切断する。
この状態でプラズマトーチと鋼板Aを相対的に移動する
ことで、該鋼板Aに対する切断が進行する。
次に、プラズマアークを発生している際に於ける作用イ
ンサート2について説明する。
ンサート2について説明する。
前記作用インサート2の表面は、熱電子の放出に伴い高
温状態となる。また酸素用プラズマトーチの場合、作用
インサート2には酸化反応も起こり、前記熱電子の放出
及び酸化反応の相乗効果により作用インサート2の表面
はより高温度状態となる。この時、作用インサート2の
表面は溶融し、且つその一部が気化することで消耗す
る。このため本実施例では、作用インサート2をホルダ
ー1の前端面1aから通孔1bまで貫通して嵌装するこ
とで、誤作用インサート2を通孔1bに供給される冷却
水によって直接冷却し得るように構成し、冷却効果を高
めている。
温状態となる。また酸素用プラズマトーチの場合、作用
インサート2には酸化反応も起こり、前記熱電子の放出
及び酸化反応の相乗効果により作用インサート2の表面
はより高温度状態となる。この時、作用インサート2の
表面は溶融し、且つその一部が気化することで消耗す
る。このため本実施例では、作用インサート2をホルダ
ー1の前端面1aから通孔1bまで貫通して嵌装するこ
とで、誤作用インサート2を通孔1bに供給される冷却
水によって直接冷却し得るように構成し、冷却効果を高
めている。
前記酸化反応によって、作用インサート2の表面には酸
化生成物が付着する。ここで、作用インサート2の素材
と、表面に付着した酸化生成物との関係について説明す
る。特に、作用インサート2の素材としてハフニウムを
用いた場合と、ジルコニウムを用いた場合とを比較する
ことで、本発明に於いて作用インサート2にハフニウム
を用い、且つ作用インサート2とホルダー1との接触面
にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属スペ
ーサ3を用いた理由を説明する。
化生成物が付着する。ここで、作用インサート2の素材
と、表面に付着した酸化生成物との関係について説明す
る。特に、作用インサート2の素材としてハフニウムを
用いた場合と、ジルコニウムを用いた場合とを比較する
ことで、本発明に於いて作用インサート2にハフニウム
を用い、且つ作用インサート2とホルダー1との接触面
にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属スペ
ーサ3を用いた理由を説明する。
前記酸化生成物は、常温状態では単結晶構造を有し、温
度の上昇に伴い正方晶構造から立方晶構造へと変化す
る。即ち、プラズマアークを発生している時に溶融状態
にあった酸化生成物が温度の低下に伴い固化し、立方晶
構造から単結晶構造へと変化したとき、酸化ジルコニウ
ムでは約7.4%の体積増加が計測されており、また酸化
ハフニウムでは約3.4%の体積増加が計測された。
度の上昇に伴い正方晶構造から立方晶構造へと変化す
る。即ち、プラズマアークを発生している時に溶融状態
にあった酸化生成物が温度の低下に伴い固化し、立方晶
構造から単結晶構造へと変化したとき、酸化ジルコニウ
ムでは約7.4%の体積増加が計測されており、また酸化
ハフニウムでは約3.4%の体積増加が計測された。
先ず、作用インサート2とホルダー1との接触面に金属
スペーサ3が配置されていない場合について説明する
と、前記酸化生成物の体積増加により、素材と酸化生成
物と境界層とホルダーの接触面に応力が発生する。即
ち、酸化生成物の体積増加がホルダーによって規制され
るため、酸化生成物には圧縮応力が発生すると共に、該
酸化生成物がホルダーに付着する。この応力の発生度合
は素材にジルコニウムを用いた場合の方が大きいものと
考えられる。
スペーサ3が配置されていない場合について説明する
と、前記酸化生成物の体積増加により、素材と酸化生成
物と境界層とホルダーの接触面に応力が発生する。即
ち、酸化生成物の体積増加がホルダーによって規制され
るため、酸化生成物には圧縮応力が発生すると共に、該
酸化生成物がホルダーに付着する。この応力の発生度合
は素材にジルコニウムを用いた場合の方が大きいものと
考えられる。
そして、次のプラズマアークを発生すると、温度の上昇
に伴い酸化生成物は体積が減少し、且つ素材は熱膨張に
よる体積増加が発生する。このとき、素材と酸化生成物
との境界には剪断応力が発生し、素材の表面から酸化生
成物の剥離が生じる。前記剪断応力は、体積増加の大き
い酸化ジルコニウムとジルコニウムとの境界面に発生す
るものの方が、酸化ハフニウムとハフニウムとの境界に
発生するものより大きいと考えられる。またホルダー1
には、温度上昇に伴う酸化生成物の体積減少により引張
応力が作用する。このようにプラズマアークの発生,停
止を繰り返す毎に素材の消耗が促進され、一定限度以上
消耗したときに、素材表面からの酸化生成物の剥離が一
挙に進行し、同時にホルダーの一部が剥離すると共に該
ホルダーの素材である銅を蒸発させて電極破壊に至るも
のである。
に伴い酸化生成物は体積が減少し、且つ素材は熱膨張に
よる体積増加が発生する。このとき、素材と酸化生成物
との境界には剪断応力が発生し、素材の表面から酸化生
成物の剥離が生じる。前記剪断応力は、体積増加の大き
い酸化ジルコニウムとジルコニウムとの境界面に発生す
るものの方が、酸化ハフニウムとハフニウムとの境界に
発生するものより大きいと考えられる。またホルダー1
には、温度上昇に伴う酸化生成物の体積減少により引張
応力が作用する。このようにプラズマアークの発生,停
止を繰り返す毎に素材の消耗が促進され、一定限度以上
消耗したときに、素材表面からの酸化生成物の剥離が一
挙に進行し、同時にホルダーの一部が剥離すると共に該
ホルダーの素材である銅を蒸発させて電極破壊に至るも
のである。
このため、作用インサート2の素材としてジルコニウム
を用いた場合とハフニウムを用いた場合を比較すると、
ハフニウムを用いた場合の方がプラズマアークの発生度
数に対する素材の消耗量が少なく、従って、寿命を永く
することが出来る。
を用いた場合とハフニウムを用いた場合を比較すると、
ハフニウムを用いた場合の方がプラズマアークの発生度
数に対する素材の消耗量が少なく、従って、寿命を永く
することが出来る。
次に、作用インサート2とホルダー1との接触面に金属
スペーサ3を配置した場合について説明する。
スペーサ3を配置した場合について説明する。
前記酸化生成物が高温状態から常温状態に変化する際に
発生する体積増加によって、作用インサート2の素材と
酸化生成物との境界層とホルダー1の接触面に応力が発
生することから、該接触面に酸化生成物の体積増加を吸
収し得る層を形成すれば、前記応力の発生を押さえるこ
とが可能である。
発生する体積増加によって、作用インサート2の素材と
酸化生成物との境界層とホルダー1の接触面に応力が発
生することから、該接触面に酸化生成物の体積増加を吸
収し得る層を形成すれば、前記応力の発生を押さえるこ
とが可能である。
前記層としては、作用インサート2の消耗が進行し、電
極破壊に至るまでの範囲或いは該範囲以上に形成される
ことが必要であり、また作用インサート2の温度変化に
よる体積変化が生じても、該インサート2がホルダー1
から脱落することが無いように、作用インサート2を保
持し得ることが必要であり、また電気及び熱に対し良導
体であることが必要である。そしてこのような条件に適
合する素材としては、金,銀,アルミニウム等の金属を
挙げることが可能であるが、材料コスト,加工性,入手
のし易さ等からアルミニウム又はアルミニウム合金が最
も適当である。
極破壊に至るまでの範囲或いは該範囲以上に形成される
ことが必要であり、また作用インサート2の温度変化に
よる体積変化が生じても、該インサート2がホルダー1
から脱落することが無いように、作用インサート2を保
持し得ることが必要であり、また電気及び熱に対し良導
体であることが必要である。そしてこのような条件に適
合する素材としては、金,銀,アルミニウム等の金属を
挙げることが可能であるが、材料コスト,加工性,入手
のし易さ等からアルミニウム又はアルミニウム合金が最
も適当である。
以上説明したように、本発明の電極にあっては、作用イ
ンサート2としてハフニウム又はハフニウム合金を用い
ると共に、作用インサート2とホルダー1との接触面に
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属スペー
サ3を配置している。
ンサート2としてハフニウム又はハフニウム合金を用い
ると共に、作用インサート2とホルダー1との接触面に
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属スペー
サ3を配置している。
次に、上述の如く構成した本発明による電極と、第4図
に示すようにホルダー1とハフニウムからなる作用イン
サート2との接触面に金属スペーサ3を配置しない電極
との比較実験例について説明する。
に示すようにホルダー1とハフニウムからなる作用イン
サート2との接触面に金属スペーサ3を配置しない電極
との比較実験例について説明する。
〔実験例1〕 ハフニウムインサートの径 1.6mm ハフニウムインサートの長さ 8mm 銅ホルダーの径 11mm アルミニウムスペーサの厚さ 0.1mm アルミニウムスペーサの長さ 6mm プラズマアーク電流 250A 酸素ガス流量 40Nl/min アーク時間 1min アーク停止時間 25sec 上記条件で電極が破壊されるまでのアーク発生回数は70
〜120回であった。同一条件に於いて、第4図に示す電
極は50回で破壊された(以下第4図に示す電極を用いた
破壊回数を『標準耐久数』という)。
〜120回であった。同一条件に於いて、第4図に示す電
極は50回で破壊された(以下第4図に示す電極を用いた
破壊回数を『標準耐久数』という)。
〔実験例2〕 作用インサート2と金属スペーサ3を下記の条件とし、
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は120〜220回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は120〜220回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
ハフニウムインサートの径 2mm ハフニウムインサートの長さ 8mm アルミニウムスペーサの厚さ 0.2mm アルミニウムスペーサの長さ 6mm 〔実験例3〕 作用インサート2と金属スペーサ3を下記の条件とし、
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は120〜180回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は120〜180回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
ハフニウムインサートの径 2mm ハフニウムインサートの長さ 8mm アルミニウムスペーサの厚さ 0.2mm アルミニウムスペーサの長さ 3mm 〔実験例4〕 作用インサート2と金属スペーサ3を下記の条件とし、
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は130〜170回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は130〜170回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
ハフニウムインサートの径 2mm ハフニウムインサートの長さ 8mm アルミニウムスペーサの厚さ 0.2mm アルミニウムスペーサの長さ 4mm 〔実験例5〕 作用インサート2と金属スペーサ3を下記の条件とし、
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は120〜190回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
他の条件を実験例1と同一としたところ、破壊に至るま
での回数は120〜190回であった。このとき標準耐久数は
90回であった。
ハフニウムインサートの径 2mm ハフニウムインサートの長さ 8mm アルミニウムスペーサの厚さ 0.2mm アルミニウムスペーサの長さ 5mm 上記した如く、ハフニウムによって形成した作用インサ
ート2とホルダー1との接触面にアルミニウムによって
形成した金属スペーサ3を3〜6mmの範囲で配置したと
ころ、電極の寿命は略同様であり、標準耐久数と比較し
て約30〜140%向上した。
ート2とホルダー1との接触面にアルミニウムによって
形成した金属スペーサ3を3〜6mmの範囲で配置したと
ころ、電極の寿命は略同様であり、標準耐久数と比較し
て約30〜140%向上した。
〈発明の効果〉 以上詳細に説明したように、本発明の酸素プラズマ加工
用非消耗形電極によれば、銅又は銅合金からなるホルダ
ーの内部に冷却流体を流通させるための通孔を形成する
と共に、該ホルダーの前端面から通孔まで貫通してハフ
ニウム又はハフニウム合金からなる作用インサートを嵌
装したので、作用インサートを嵌装するためにホルダー
に形成する穴を所定深さを有する止まり穴とする必要が
無く、ホルダーの前端面から通孔までの貫通孔として形
成することが出来る。このためホルダーに対する穴加工
が容易となる。
用非消耗形電極によれば、銅又は銅合金からなるホルダ
ーの内部に冷却流体を流通させるための通孔を形成する
と共に、該ホルダーの前端面から通孔まで貫通してハフ
ニウム又はハフニウム合金からなる作用インサートを嵌
装したので、作用インサートを嵌装するためにホルダー
に形成する穴を所定深さを有する止まり穴とする必要が
無く、ホルダーの前端面から通孔までの貫通孔として形
成することが出来る。このためホルダーに対する穴加工
が容易となる。
またホルダーと作用インサートとの接触面にホルダーの
前端面から3mm以上、且つ作用インサートの全長の80%
以内の範囲に、シルミニウム又はアルミニウム合金から
なる金属スペーサを介在させたので、前記金属スペーサ
として市販のアルミニウムパイプを利用することが出来
る。従って、従来の如くアルミニウムソケットを製作す
る必要が無く、このため製造工程を減少することが出来
る。
前端面から3mm以上、且つ作用インサートの全長の80%
以内の範囲に、シルミニウム又はアルミニウム合金から
なる金属スペーサを介在させたので、前記金属スペーサ
として市販のアルミニウムパイプを利用することが出来
る。従って、従来の如くアルミニウムソケットを製作す
る必要が無く、このため製造工程を減少することが出来
る。
従って、生産コストを削減することが出来る。
また作用インサートとホルダーとの接触面に金属スペー
サを配置しない電極と比較して寿命を30〜140%延長す
ることが出来る等の特徴を有するものである。
サを配置しない電極と比較して寿命を30〜140%延長す
ることが出来る等の特徴を有するものである。
第1図は本発明による電極の断面説明図、第2図は要部
斜視説明図、第3図は本発明の電極を用いて酸素プラズ
マ加工する際の模式説明図、第4図は本発明の電極と比
較するために用いた電極の断面説明図である。 1はホルダー、1aは前端面、1bは通孔、1cは突
起、1電極は貫通孔、2は作用インサート、3は金属ス
ペーサである。
斜視説明図、第3図は本発明の電極を用いて酸素プラズ
マ加工する際の模式説明図、第4図は本発明の電極と比
較するために用いた電極の断面説明図である。 1はホルダー、1aは前端面、1bは通孔、1cは突
起、1電極は貫通孔、2は作用インサート、3は金属ス
ペーサである。
Claims (1)
- 【請求項1】内部に冷却流体を流通させるための通孔を
形成した銅又は銅合金からなるホルダーと、前記ホルダ
ーの前端面から通孔まで貫通して嵌装されたハフニウム
又はハフニウム合金からなる作用インサートとを有し、
前記ホルダーの前端面から3mm以上であって、且つ前記
作用インサートの全長の80%以内の範囲に於ける前記ホ
ルダーと前記作用インサートとの接触面にアルミニウ
ム,アルミニウム合金,金,銀からなる群から選択され
た金属からなる金属スペーサを配置したことを特徴とし
た酸素プラズマ加工用非消耗電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1001152A JPH0641037B2 (ja) | 1989-01-09 | 1989-01-09 | 酸素プラズマ加工用非消耗形電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1001152A JPH0641037B2 (ja) | 1989-01-09 | 1989-01-09 | 酸素プラズマ加工用非消耗形電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02182380A JPH02182380A (ja) | 1990-07-17 |
JPH0641037B2 true JPH0641037B2 (ja) | 1994-06-01 |
Family
ID=11493461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1001152A Expired - Lifetime JPH0641037B2 (ja) | 1989-01-09 | 1989-01-09 | 酸素プラズマ加工用非消耗形電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641037B2 (ja) |
-
1989
- 1989-01-09 JP JP1001152A patent/JPH0641037B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02182380A (ja) | 1990-07-17 |
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