JPH0640926Y2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JPH0640926Y2
JPH0640926Y2 JP12268788U JP12268788U JPH0640926Y2 JP H0640926 Y2 JPH0640926 Y2 JP H0640926Y2 JP 12268788 U JP12268788 U JP 12268788U JP 12268788 U JP12268788 U JP 12268788U JP H0640926 Y2 JPH0640926 Y2 JP H0640926Y2
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pressure
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岳志 ▲高▼橋
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関に用いる燃料噴射装置に関する。
〔従来の技術〕
プランジャ孔内において往復動せしめられるプランジャ
と、プランジャ孔内に形成されかつプランジャにより画
定される燃料加圧室と、燃料加圧室内に開口しかつプラ
ンジャにより燃料加圧作用時にプランジャによって閉鎖
される燃料供給ポートとを具備し、燃料供給ポートから
燃料加圧室内に供給された低圧の燃料をプランジャによ
り加圧してこの加圧燃料を噴射するようにしたユニット
インジェクタが本出願人により既に提案されている(実
願昭63-1707号参照)。このユニットインジェクタでは
プランジャ孔を横切ってプランジャ孔の軸線に対して直
角方向に延びる穿設孔が形成され、プランジャ孔から一
方向に延びる穿設孔部分を燃料供給ポートとして使用
し、プランジャ孔から他方向に延びる穿設孔部分はその
外端部が盲栓に閉鎖されることによって盲孔となってい
る。低圧の燃料は燃料供給ポートから燃料加圧室内に供
給され、この場合プランジャ孔に対して燃料供給ポート
と反対側に形成されている盲孔は何の役割も果たさな
い。このように何の役割も果たさない盲孔をわざわざ形
成しているのは形成したいからではなく、プランジャ孔
を横切って穿設孔を穿設することが穿設作業上容易であ
り、従って必然的にこのような盲孔が形成されるからで
ある。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところでこのユニットインジェクタにおいてプランジャ
により燃料加圧室内の燃料の加圧作用が開始されると高
圧となった燃料加圧室内の燃料がプランジャとプランジ
ャ孔内周面間を通って燃料供給ポート内および盲孔内に
漏洩する。この場合、燃料供給ポートは比較的容積が大
きいために高圧の燃料が漏洩しても燃料供給ポート内の
燃料圧はほとんど変化しない。これに対して盲孔は容積
が小さいために高圧の燃料が漏洩すると盲孔内はかなり
高圧となる。従ってプランジャには燃料供給ポートの方
向に向けて盲孔内の高圧が作用し、盲孔の方向に向けて
燃料供給ポート内の低圧が作用することになる。その結
果、盲孔内の高圧によってプランジャが燃料供給ポート
側のプランジャ孔内壁面上に押圧されるためにプランジ
ャが偏摩耗を生じ、更にプランジャと燃料供給ポート側
のプランジャ孔内壁面において油膜切れが生じるために
プランジャの焼付きが発生するという問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本考案によれば、プランジ
ャ孔内において往復動せしめられるプランジャと、プラ
ンジャ孔内に形成されかつプランジャにより画定される
燃料加圧室と、燃料加圧室内に開口しかつプランジャに
よる燃料加圧作用時にプランジャによって閉鎖される燃
料供給ポートとを具備し、燃料供給ポートから燃料加圧
室内に供給された低圧の燃料をプランジャにより加圧し
てこの加圧燃料を噴射するようにした燃料噴射装置にお
いて、プランジャ孔を横切ってプランジャ孔の軸線に対
して直角方向に延びる穿設孔を具備し、プランジャ孔か
ら一方向に延びる穿設孔部分が燃料供給ポートを形成
し、プランジャ孔から他方向に延びる穿設孔部分はその
外端部が閉鎖された燃料ポートを形成し、燃料供給ポー
ト燃料ポートとを連通路を介して互いに連通せしめてい
る。
〔作用〕
このようにプランジャ孔内壁面の反対側に形成された燃
料供給ポートと燃料ポートとを連通路を介して互いに連
通せしめることによって燃料供給ポート内の燃料圧と燃
料ポート内の燃料圧は常時等しくなり、斯くしてプラン
ジャをプランジャ孔の一側内壁面に押圧する力がプラン
ジャに作用しなくなる。
〔実施例〕
第1図から第7図に本考案をユニットインジェクタに適
用した場合について示す。
第1図から第4図を参照すると、1はハウジング本体、
2はその先端部にノズル口3を形成したノズル、4はス
ペーサ、5はスリーブ、6はこれらノズル2、スペーサ
4、スリーブ5をハウジング本体1に固締するためのノ
ズルホルダを夫々示す。ノズル2内にはノズル口3の開
閉制御を行うニードル7が摺動可能に挿入され、ニード
ル7の頂部は加圧ピン8を介してスプリングリテーナ9
に連結される。このスプリングリテーナ9は圧縮ばね10
により常時下方に向けて押圧され、この押圧力は加圧ピ
ン8を介してニードル7に伝えられる。従ってニードル
7は圧縮ばね10によって常時閉弁方向に付勢されること
になる。
一方、ハウジング本体1内にはニードル7と共軸的にプ
ランジャ孔11が形成され、このプランジャ孔11内にプラ
ンジャ12が摺動可能に挿入される。プランジャ12の上端
部はタペット13に連結され、このタペット13は圧縮ばね
14により常時上方に向けて付勢される。このタペット13
は機関駆動のカム(図示せず)により上下動せしめら
れ、それによってプランジャ12がプランジャ孔11内にお
いて上下動せしめられる。一方、プランジャ12下方のプ
ランジャ孔11内にはプランジャ12の下端面12aによって
画定された燃料加圧室15が形成される。この燃料加圧室
15は棒状フィルタ16および燃料通路17(第2図)を介し
てニードル加圧室18に連結され、このニードル加圧室18
はニードル7周りの環状燃料通路19を介してノズル口3
に連結される。また、プランジャ孔11の内壁面上には第
1図に示すようにプランジャ12が上方位置にあるときに
燃料加圧室15内に開口する燃料供給ポート20が形成さ
れ、この燃料供給ポート20から燃料加圧室15内に2〜3k
g/cm2程度のフィード圧の燃料が供給される。この燃料
供給ポート20は燃料供給ポート20から直角方向に延びる
燃料排出通路20aおよび開弁圧が2〜3kg/cm2程度のリリ
ーフ弁(図示せず)を介して例えば燃料タンク(図示せ
ず)に接続される。また、第1図に示されるようにプラ
ンジャ孔11に対して燃料供給ポート20と反対側には燃料
供給ポート20の穿設作業上必然的に形成される燃料ポー
ト21が形成され、この燃料ポート21の外端部は盲栓22に
よって閉鎖される。即ち、ハウジング本体1には燃料供
給ポート20を形成するためにハウジング本体1の外壁面
上からプランジャ孔11を横切ってプランジャ孔11の軸線
に対し直角方向に延びる孔が穿設される。この穿設孔の
うちでプランジャ孔11から一方向に延びる穿設孔部分に
よって燃料供給ポート20が形成され、プランジャ孔11か
ら他方向に延びる穿設孔部分はその外端部が盲栓22によ
り閉鎖された燃料ポート21を形成する。従って燃料供給
ポート20と燃料ポート21は共軸的に配置され、これら燃
料供給ポート20と燃料ポート21は互いに反対側に位置す
るプランジャ孔11の内周壁面上においてプランジャ11内
に開口する。プランジャ孔11の内壁面上には燃料供給ポ
ート20から燃料ポート21に向けて延びる円周溝23が形成
される。従ってプランジャ12が下降してプランジャ12が
燃料供給ポート20および燃料ポート21を閉鎖したときに
燃料供給ポート20と燃料ポート21とは円周溝23を介して
互いに連通せしめられ、斯くしてこの円周溝23は燃料供
給ポート20と燃料ポート21とを連通する連通路を形成す
る。このような連通路を形成することによってプランジ
ャ12が燃料供給ポート20および燃料ポート21を閉鎖した
ときでも燃料ポート21内の燃料圧は燃料供給ポート20内
と同じフィード圧に維持される。ニードル7を押圧する
ための圧縮ばね10を収容する圧縮ばね収容室24は燃料返
戻通路25を介して燃料供給ポート20に連結され、圧縮ば
ね収容室24内に漏洩した燃料は燃料返戻通路25を介して
燃料供給ポート20内に返戻される。一方、プランジャ下
端面12aよりもわずかばかり上方のプランジャ12の外周
面上にはプランジャ12のストロークよりも大きな巾を有
する円周溝26が形成され、この円周溝26はハウジング本
体1内に形成された燃料返戻通路27を介して常時燃料供
給ポート20に連通せしめられる。また、この円周溝26と
プランジャ下端面12a間のプランジャ12の外周面上には
巾の狹い円周溝28が形成される。
一方、ハウジング本体1内にはプランジャ孔11内の側方
近傍において横方向に延びる摺動孔30が形成される。従
ってこの摺動孔30はその軸線がプランジャ12とニードル
7との共通軸線にほぼ直交する直線に対し間隔を隔てて
平行をなすように形成される。この摺動孔30内には溢流
弁31が摺動可能に挿入される。第3図および第4図に示
されるように摺動孔30は互いに共軸的に配置された小径
孔32と大径孔33からなり、これら小径孔32と大径孔33の
間には小径孔32および大径孔33の共通軸線に対してほぼ
垂直をなす段部34が形成される。この段部34と小径孔32
との接続部には環状をなす弁座35が形成される。一方、
溢流弁31は小径孔32内に位置する小径部36と大径孔33内
に位置する大径部37からなる。小径部36の外端部には小
径孔32の内壁面と密封的に接触する第1の環状嵌合部38
が形成され、大径部37の外端部には大径孔33の内壁面と
密封的に接触する第2の環状嵌合部39が形成される。こ
れら第1環状嵌合部38と第2環状嵌合部39間の溢流弁31
の外周面上には弁座35上に着座可能な環状弁部40が形成
される。環状弁部40と第1環状嵌合部38間の溢流弁31の
外周面周りには環状の加圧燃料導入室41が形成され、環
状弁部40と第2環状嵌合部39間の溢流弁31の外周面周り
には環状の燃料溢流室42が形成される。第4図に示され
るように燃料溢流室42を画定する大径部37の外周面の径
は小径孔32の径よりも大きく形成されており、従って燃
料溢流室42の容積はかなり小さく形成されている。小径
孔32の外端部は盲栓43により閉鎖されており、盲栓43と
溢流弁31との間には溢流弁背圧室44が形成される。この
溢流弁背圧室44内には溢流弁31の環状弁部40を弁座35か
ら引き離す方向、即ち溢流弁31を開弁方向に向けて付勢
する圧縮ばね45が挿入される。溢流弁31の大径部37内に
は半径方向に延びて燃料溢流室42内に開口する燃料通路
46が形成され、小径部36内には軸線方向に延びて溢流弁
背圧室44内に開口する燃料通路47が形成される。これら
の燃料通路46,47は溢流弁31内において互いに連通して
おり、従って溢流弁背圧室44は燃料通路46,47を介して
燃料溢流室42に連通する。第2環状嵌合部39側の溢流弁
31の端面48の中央部には燃料通路46の近傍まで延びる凹
溝49が形成される。このように溢流弁31内には凹溝49お
よび燃料通路46,47が形成されているので溢流弁31の質
量はかなり小さくなる。
第2図に示されるようにハウジング本体1内には燃料通
路17から上方に延びて常時加圧燃料導入室41内に開口す
る燃料溢流路50が形成される。この燃料溢流路50は常時
燃料加圧室15に連通しており、従って加圧燃料導入室41
は常時燃料加圧室15に連通している。また、第7図に示
されるように燃料溢流室42は燃料流出通路53に連結さ
れ、この燃料流出通路53から流出した燃料は例えば燃料
タンク(図示せず)へ返戻される。
第3図および第4図に示されるように摺動孔30の大径孔
33の外端部にはロッド60を案内支持するロッドガイド61
が嵌着され、このロッドガイド61はその内部にロッド孔
62を具備する。ロッド60はロッド孔62内に摺動可能に挿
入された中空円筒状の小径部63と、大径孔33内に摺動可
能に挿入された大径部64からなり、大径部64の端面が溢
流弁31の端面48に当接せしめられる。ロッドガイド61の
内端部とロッド60の大径部64間にはロッド背圧室65が形
成される。大径部64と反対側のロッド60の端部には小径
部63の端面65により画定された圧力制御室66が形成され
る。この圧力制御室66の上方にはアクチュエータ70が配
置される。第3図および第4図に示されるようにロッド
60は中空円筒状をなしており、従ってロッド60の質量は
かなり小さくなる。
第3図および第5図に示されるようにアクチュエータ70
はハウジング本体1と一体形成されかつその内部にピス
トン孔71を形成したアクチュエータハウジング72と、ピ
ストン孔71内に摺動可能に挿入されたピストン73と、ア
クチュエータハウジング72の頂部を覆う端板74と、端板
74をアクチュエータハウジング72の頂部に固定するため
の端板ホルダ75と、端板74の上端部を覆う合成樹脂製キ
ャップ76とを具備する。ピストン73と端板74間には多数
の圧電素子板を積層したピエゾ圧電素子77が挿入され、
ピストン73下方のピストン孔71内にはピストン73の下端
面によって画定された可変容積室78が形成される。この
可変容積室78は燃料通路79を介して圧力制御室66に連通
する。ピストン73とアクチュエータハウジング72間には
環状の冷却室80が形成され、この冷却室80内にはピスト
ン73を常時上方に向けて付勢する圧縮ばね81が挿入され
る。ピエゾ圧電素子77に電荷をチャージするとピエゾ圧
電素子77は軸方向に伸長し、その結果可変容積室78の容
積が減少する。一方、ピエゾ圧電素子77にチャージされ
た家電をデイスチャージするとピエゾ圧電素子77は軸方
向に収縮し、その結果可変容積室78の容積が増大する。
第5図に示されるようにハウジング本体1には逆止弁82
が挿入される。この逆止弁82は弁ポート83の開閉制御を
するボール84と、ボール84のリフト量を規制するロッド
85と、ボール84およびロッド85を常時下方に向けて押圧
する圧縮ばね86とを具備し、従って弁ポート83は通常ボ
ール84によって閉鎖される。逆止弁82の弁ポート83は燃
料流入通路87を介して例えば低圧燃料ポンプ(図示せ
ず)に連結され、2〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入
通路87から供給される。逆止弁82は可変容積室78内に向
けてのみ流通可能であり、従って可変容積室78内の燃料
圧が2〜3kg/cm2よりも低下すると燃料が逆止弁82を介
して可変容積室78内に補給される。従って可変容積室78
内は常時燃料によって満たされている。一方、第5図に
示されるように冷却室80の下端部は燃料流入通路88を介
して例えば低圧燃料ポンプ(図示せず)に連結され、2
〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入通路88から冷却室80
内に供給される。この燃料によってピエゾ圧電素子77が
冷却される。また、第1図に示されるように冷却室80の
下端部は燃料流出通路89を介して燃料供給ポート20に連
結され、この燃料供給ポート20内に冷却室80から燃料供
給ポート20に向けてのみ流通可能な逆止弁90が配置され
る。この逆止弁90は弁ポート91の開閉制御をするボール
92と、ボール92のリフト量を規制するロッド93と、ボー
ル92およびロッド93を常時上方に向けて押圧する圧縮ば
ね94からなる。冷却室80内の燃料はピエゾ圧電素子77を
冷却した後、燃料流出通路89を介して燃料供給ポート20
に供給される。また、第3図および第4図に示されるよ
うに冷却室80の下端部は燃料通路95を介してロッド背圧
室65に連結され、従ってロッド背圧室65は2〜3kg/cm2
の燃料で満たされる。
前述したように燃料は燃料流入通路88を介して冷却室80
内に供給され、次いでこの燃料はピエゾ圧電素子77を冷
却した後、燃料流出通路89および逆止弁90を介して燃料
供給ポート20内に供給される。第1図に示すようにプラ
ンジャ12が上方位置にあるときには燃料供給ポート20か
ら燃料加圧室15内に燃料が供給され、従ってこのときに
は燃料加圧室15内は2〜3kg/cm2程度の低圧になってい
る。一方、このときピエゾ圧電素子77は最大収縮位置に
あり、このとき可変容積室78および圧力制御室66内の燃
料圧は2〜3kg/cm2程度の低圧になっている。従ってこ
のとき溢流弁31は圧縮ばね45のばね力により第3図およ
び第4図において右方に移動して環状弁部40が弁座35か
ら離れている、即ち溢流弁31が開弁している。従って燃
料加圧室15内の低圧の燃料は燃料溢流路50および加圧燃
料導入室41を介して燃料溢流室42内に供給され、燃料溢
流室42内に供給された燃料は燃料流出通路53から排出さ
れる。従ってこのとき加圧燃料導入室41、燃料溢流室42
および溢流弁背圧室44内も2〜3kg/cm2の低圧の燃料で
満たされている。
次いでプランジャ12が下降すると燃料供給ポート20およ
び燃料ポート21がプランジャ12によって閉鎖されるが溢
流弁31が開弁しているために燃料加圧室15内の燃料は燃
料溢流路50、溢流弁22の加圧燃料導入室41を介して燃料
溢流室42内に流出する。従ってこのときも燃料加圧室15
内の燃料圧は2〜3kg/cm2程度の低圧となっている。
次いで燃料噴射を開始すべくピエゾ圧電素子77に電荷が
チャージされるとピエゾ圧電素子77は軸線方向に伸長
し、その結果ピストン73が下降するために可変容積室78
および圧力制御室66内の燃料圧が急激に上昇する。圧力
制御室66内の燃料圧が上昇するとロッド60が第3図およ
び第4図において左方に移動するためにそれに伴って溢
流弁31も左方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
に当接して溢流弁31が閉弁せしめられる。溢流弁31が閉
弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下降
運動により急速に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が予
め定められた圧力、例えば1500kg/cm2以上の一定圧を越
えるとニードル7が開弁してノズル口3から燃料が噴射
される。このとき燃料溢流路50を介して溢流弁31の加圧
燃料導入室41内にも高圧が加わるが加圧燃料導入室41の
軸方向両端面の受圧面積が等しいためにこの高圧によっ
て溢流弁31に駆動力が作用しない。
一方、このように燃料加圧室15内の燃料圧が高圧になる
と燃料加圧室15内の高圧燃料の一部がプランジャ12の外
周面とプランジャ孔11の内周面間を通って漏洩し、この
漏洩した高圧燃料は燃料供給ポート20および燃料ポート
21内に流入する。しかしながら燃料ポート21は円周溝23
を介して燃料供給ポート20に連通しているので燃料ポー
ト21内の燃料圧と燃料供給ポート20内の燃料圧は等しく
なる。その結果、燃料ポート21内の燃料圧が高くなって
プランジャ12が燃料供給ポート20側に押圧されることが
ない。即ち、プランジャ12には燃料供給ポート20と燃料
ポート21から等しい燃料圧を受けるのでプランジャ12に
はプランジャ12をプランジャ孔11の一側内周壁面に押圧
する力が発生しない。また、燃料加圧室15から漏洩した
加圧燃料の一部は円周溝23内にも流入するがこの円周溝
23内の燃料圧は燃料供給ポート20内の燃料圧と等しく、
しかもこの円周溝23はプランジャ孔11の軸線に対して対
称的に形成されているのでこの円周溝23内の燃料圧によ
ってもプランジャ12をプランジャ孔11の一側内周壁面に
押圧する力が発生しない。一方、燃料加圧室15から漏洩
した大部分の加圧燃料は燃料供給ポート20、燃料ポート
21および円周溝23内に流入するが一部の加圧燃料はこれ
ら燃料供給ポート20、燃料ポート21および円周溝23を越
えてプランジャ12の外周面に沿い更に上昇する。しかし
ながらこの加圧燃料は円周溝26により捕獲され、円周溝
26により捕獲された燃料は燃料返戻通路27を介して燃料
供給ポート20内に送り込まれる。この円周溝26は巾が広
く、従って容積が大きなために高圧の燃料が円周溝26内
に流入しても円周溝26内の燃料圧はほとんど変化しな
い。従って円周溝26内の燃料圧は低圧に維持されるため
に円周溝26内の燃料がプランジャ12周りを更に上昇して
漏洩することがほとんどない。また、プランジャ下端面
12aと円周溝26間に形成された円周溝28内には燃料が滞
留し、この円周溝28から燃料がプランジャ12の外周面と
プランジャ孔11の内周面間に補給されるのでプランジャ
12の外周面とプランジャ孔11の内周面間で油膜切れが発
生することがない。
次いで燃料噴射を停止すべくピエゾ圧電素子77にチャー
ジされた電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子
77が収縮する。その結果、ピストン73が圧縮ばね81のば
ね力により上昇せしめられるために可変容積室78および
圧力制御室66内の燃料圧が低下する。前述したようにロ
ッド60および溢流弁31の質量は小さく、従って圧力制御
室66内の燃料圧が低下するとロッド60および溢流弁31が
圧縮ばね45のばね力によりただちに第3図および第4図
において右方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
から離れて溢流弁31が即座に開弁する。溢流弁31が開弁
すると燃料加圧室15内の高圧の燃料が燃料溢流路50およ
び加圧燃料導入室41を介して燃料溢流室42内に噴出し、
その結果燃料加圧室15内の燃料圧は急速に低下する。一
方、燃料溢流室42の容積が小さいために加圧燃料が燃料
溢流室42内に噴出すると燃料溢流室42内の燃料圧は一時
的にかなり高圧となる。前述したように溢流弁31の大径
部37の端面48と燃料溢流室42間には第2環状嵌合部39が
形成されているので燃料溢流室42内に発生した高圧が溢
流弁31の大径部37の端面48に作用しない。その結果、燃
料溢流室42内に発生した高圧は摺動孔30の大径孔33の断
面積から小径孔32の断面積を差引いた面積に対して溢流
弁31の開弁方向にのみ作用し、斯くして溢流弁31は燃料
溢流室42内に発生した高圧によって開弁方向に付勢され
ることになる。また燃料溢流室42内に高圧の燃料が噴出
するとこの高圧燃料の一部は溢流弁31内の燃料通路46を
介して燃料通路47から溢流弁背圧室44内に噴出する。こ
のように燃料通路47から高圧の燃料が噴出すると噴出作
用の反力により溢流弁31には開弁方向の付勢力が作用す
ることになる。また、高圧燃料が溢流弁背圧室44内に噴
出すると溢流弁背圧室44内の燃料圧が上昇し、その結果
溢流弁背圧室44内の燃料圧によって溢流弁31には開弁方
向の付勢力が作用する。このように溢流弁31が開弁する
と燃料溢流室42内の圧力上昇、燃料通路47からの燃料噴
出作用および溢流弁背圧室44内の圧力上昇によって溢流
弁31に開弁方向の付勢力が作用するために溢流弁31の環
状弁部40が弁座35を離れるや否や溢流弁31は急速に開弁
せしめられ、更に溢流弁31は一旦開弁すると開弁状態に
保持される。従って溢流弁31が開弁すると燃料加圧室15
内の燃料圧が連続的に急速に低下するために溢流弁31が
開弁するとただちにニードル7が下降して燃料噴射が停
止せしめられる。一方、溢流弁31を開弁するためにピエ
ゾ圧電素子77が収縮せしめられて可変容積室78の燃料圧
が低下せしめられたときに可変容積室78の燃料圧が燃料
流入通路87(第5図)内の燃料圧よりも低くなれば逆止
弁82を介して低圧の燃料が可変容積室78内に補給され
る。次いでプランジャ12が上昇して上端位置まで戻り、
再び下降を開始する。
このようにプランジャ12には燃料加圧室15内の燃料圧が
1500kg/cm2以上の高圧となるように強力な下向きの駆動
力が与えられる。しかしながら摺動孔30はプランジャ12
の側方に配置されているので摺動孔30が歪むことなく、
斯くして溢流弁31の円滑な摺動作用を確保することがで
きる。また、摺動孔30はプランジャ12の側方において横
方向に延びるように配置されているので摺動孔30を燃料
加圧室15に近接して配置することができる。その結果、
燃料溢流路50の長さを短くすることができるので燃料溢
流路50も含めた燃料加圧室15の容積を小さくすることが
できる。従って燃料加圧室15内の燃料圧を容易に高圧化
することができるので良好な噴射燃料の微粒化を確保す
ることができる。更に、燃料加圧室15の容積を小さくす
ることができるので溢流弁31が開弁したときに燃料加圧
室15内の燃料圧がただちに低下し、燃料噴射がただちに
停止する。従って溢流弁31が開弁した後に低圧下で燃料
噴射が継続することがないのでスモークの発生を抑制で
き、しかも機関出力を向上できると共に燃料消費率を向
上することがてきる。また、溢流弁31の開閉動作に応動
して燃料噴射量が即座に立上り、燃料噴射が即座に停止
するので良好なパイロット噴射を行うことができる。
また、摺動孔30をプランジャ12の側方において横方向に
延びるように形成することによってユニットインジェク
タの横巾を狭くすることができ、更にピエゾ圧電素子77
をその軸線が摺動孔31およびロッド60の共通軸線に対し
てほぼ直角をなすように、即ちプランジャ12とニードル
7の共通軸線に対してほぼ平行をなすように配置するこ
とによってユニットインジェクタの横巾を更に狭くする
ことができる。
〔考案の効果〕
プランジャ孔から互いに反対方向に延びる燃料供給ポー
トおよび燃料ポートが形成されている場合であってもプ
ランジャにはプランジャをプランジャ孔の一側内壁面上
に押圧する力が作用しない。その結果、プランジャが偏
摩耗を生ずることがなく、更に油膜切れによってプラン
ジャが焼付くこともない。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2図のI-I線に沿ってみたユニットインジェ
クタの側面断面図、第2図は第3図のII-II線に沿って
みた側面断面図、第3図は第2図のIII-III線に沿って
みた側面断面図、第4図は第3図の一部の拡大側面断面
図、第5図は第3図および第7図のV-V線に沿ってみた
側面断面図、第6図は第3図の平面図、第7図は第3図
のVII-VII線に沿ってみた平面断面図である。 3……ノズル口、7……ニードル、 11……プランジャ孔、12……プランジャ、 15……燃料加圧室、20……燃料供給ポート、 21……燃料ポート、23……円周溝、 30……摺動孔、31……溢流弁、 41……加圧燃料導入室、42……燃料溢流室、 60……ロッド、66……圧力制御室、 77……ピエゾ圧電素子、78……可変容積室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】プランジャ孔内において往復動せしめられ
    るプランジャと、プランジャ孔内に形成されかつプラン
    ジャにより画定される燃料加圧室と、燃料加圧室内に開
    口しかつプランジャによる燃料加圧作用時にプランジャ
    によって閉鎖される燃料供給ポートとを具備し、燃料供
    給ポートから燃料加圧室内に供給された低圧の燃料をプ
    ランジャにより加圧してこの加圧燃料を噴射するように
    した燃料噴射装置において、上記プランジャ孔を横切っ
    てプランジャ孔の軸線に対して直角方向に延びる穿設孔
    を具備し、プランジャ孔から一方向に延びる穿設孔部分
    が上記燃料供給ポートを形成し、プランジャ孔から他方
    向に延びる穿設孔部分は外端部が閉鎖された燃料ポート
    を形成し、上記燃料供給ポート燃料ポートとを連通路を
    介して互いに連通せしめた燃料噴射装置。
JP12268788U 1988-09-21 1988-09-21 燃料噴射装置 Expired - Lifetime JPH0640926Y2 (ja)

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