JP2760040B2 - ユニットインジェクタの燃料供給排出装置 - Google Patents

ユニットインジェクタの燃料供給排出装置

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JP2760040B2
JP2760040B2 JP1109149A JP10914989A JP2760040B2 JP 2760040 B2 JP2760040 B2 JP 2760040B2 JP 1109149 A JP1109149 A JP 1109149A JP 10914989 A JP10914989 A JP 10914989A JP 2760040 B2 JP2760040 B2 JP 2760040B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はユニットインジェクタの燃料供給排出装置に
関する。
〔従来の技術〕
ユニットインジェクタを用いたディーゼル機関では通
常、燃料ポンプから吐出された加圧燃料をユニットイン
ジェクタ内に供給し、この加圧燃料の一部をユニットイ
ンジェクタのプランジャにより更に加圧して燃料噴射せ
しめ、噴射に使用されなかった残りのユニットインジェ
クタ内の加圧燃料を燃料排出通路を介して燃料タンク内
に返戻するようにしている。ところがこのようにユニッ
トインジェクタ内の加圧燃料の一部をプランジャによっ
て更に加圧するようにした場合にはユニットインジェク
タ内の加圧燃料の圧力がわずかばかり変動してもプラン
ジャによって更に加圧されたときの燃料圧が大巾に変動
し、斯くしてユニットインジェクタ内の加圧燃料の圧力
がわずかばかり変動すると燃料噴射量が大巾にばらつく
ことになる。従ってユニットインジェクタではユニット
インジェクタ内の加圧燃料の圧力を一定に維持すること
が極めて重要である。そこでユニットインジェクタ内の
加圧燃料の圧力を一定に維持するためにユニットインジ
ェクタからの燃料排出通路内に固定絞りを配置したディ
ーゼル機関が公知である(DETROIT DIESEL 53,2 Fuel S
ystem、第2頁、General Motors Corp 1978年発行)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら燃料は温度に応じて粘性が変化するため
に燃料排出通路内に固定絞りを設けても燃料の温度に応
じて固定絞り内を流れる燃料の流れやすさが変化する。
その結果、燃料の温度に応じて固定絞り前後の圧力差が
変化するためにユニットインジェクタ内の加圧燃料の圧
力が変化し、斯くしてユニットインジェクタ内の加圧燃
料の圧力を一定に維持することができないという問題を
生ずる。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本発明によれば、一つの
燃料ポンプから吐出された加圧燃料を燃料分配管を介し
て各気筒のユニットインジェクタに分配供給し、各ユニ
ットインジェクタに分配供給された加圧燃料の一部を各
ユニットインジェクタのプランジャにより更に加圧して
燃料噴射せしめ、噴射に使用されなかった各ユニットイ
ンジェクタ内の残りの加圧燃料を燃料タンク内に返戻す
るようにしたユニットインジェクタの燃料供給排出装置
において、気筒を爆発順序が一つおきの気筒群に分割す
ると共に上述の燃料分配管を複数個の燃料分配管から構
成して各気筒群毎に夫々燃料分配管を配置し、各燃料分
配管を一つの燃料ポンプに連結して一つの燃料ポンプか
ら吐出された加圧燃料を各燃料分配管に分配供給し、噴
射に使用されなかった各ユニットインジェクタ内の加圧
燃料を集めるために各ユニットインジェクタを共通の排
出燃料集合管に連結し、排出燃料集合管から燃料タンク
に向けて延びる燃料排出管内に一定圧で開弁する調圧弁
を配置して各ユニットインジェクタ内の加圧燃料の圧力
を一定に維持するするようにしている。
〔作 用〕
爆発順序が一つおきの気筒のユニットインジェクタの
みを共通の燃料分配管に連結し、かつ燃料排出管内に一
定圧で開弁する調圧弁を配置することによってユニット
インジェクタ内の加圧燃料の圧力が燃料の温度にかかわ
らずに一定に維持される。
〔実施例〕
まず初めに第4図から第11図を参照してユニットイン
ジェクタの構造について説明する。
第4図から第7図を参照すると、1はハウジング本
体、2はその先端部にノズル口3を形成したノズル、4
はスペーサ、5はスリーブ、6はこれらノズル2、スペ
ーサ4、スリーブ5をハウジング本体1に固締するため
のノズルホルダを夫々示す。ノズル2内にはノズル口3
の開閉制御を行うニードル7が摺動可能に挿入され、ニ
ードル7の頂部は加圧ピン8を介してスプリングリテー
ナ9に連結される。このスプリングリテーナ9は圧縮ば
ね10により常時下方に向けて押圧され、この押圧力は加
圧ピン8を介してニードル7に伝えられる。従ってニー
ドル7は圧縮ばね10によって常時閉弁方向に付勢される
ことになる。
一方、ハウジング本体1内にはニードル7と共軸的に
プランジャ孔11が形成され、このプランジャ孔11内にプ
ランジャ12が摺動可能に挿入される。プランジャ12の上
端部はタペット13に連結され、このタペット13は圧縮ば
ね14により常時上方に向けて付勢される。このタペット
13は機関駆動のカム(図示せず)により上下動せしめら
れ、それによってプランジャ12がプランジャ孔11内にお
いて上下動せしめられる。一方、プランジャ12下方のプ
ランジャ孔11内にはプランジャ12の下端面12aによって
画定された燃料加圧室15が形成される。この燃料加圧室
15は棒状フィルタ16および燃料通路17(第7図)を介し
てニードル加圧室18に連結され、このニードル加圧室18
はニードル7周りの環状燃料通路19を介してノズル口3
に連結される。また、プランジャ孔11の内壁面上には第
6図に示すようにプランジャ12が上方位置にあるときに
燃料加圧室15内に開口する燃料供給ポート20が形成さ
れ、この燃料供給ポート20から燃料加圧室15内に加圧燃
料が供給される。また、第3図に示されるようにプラン
ジャ孔11に対して燃料供給ポート20と反対側には燃料供
給ポート20の穿設作業上必然的に形成される燃料ポート
21が形成され、この燃料ポート21の外端部は盲栓22によ
って閉鎖される。この燃料ポート21は燃料供給ポート20
と共軸的に延びてプランジャ孔11内に開口する。プラン
ジャ孔11の内壁面上には燃料供給ポート20から燃料ポー
ト21に向けて延びる円周溝23が形成される。従ってプラ
ンジャ12が下降してプランジャ12が燃料供給ポート20お
よび燃料ポート21を閉鎖したときに燃料供給ポート20と
燃料ポート21とは円周溝23を介して互いに連通せしめら
れ、従って燃料ポート21内の燃料圧は燃料供給ポート20
内と同じ燃料圧に維持される。ニードル7を押圧するた
めの圧縮ばね10を収容する圧縮ばね収容室24は燃料返戻
通路25を介して燃料供給ポート20に連結され、圧縮ばね
収容室24内に漏洩した燃料は燃料返戻通路25を介して燃
料供給ポート20内に返戻される。一方、プランジャ下端
面12aよりもわずかばかり上方のプランジャ12の外周面
上には円周溝26が形成され、この円周溝26はプランジャ
12内に穿設された燃料逃し孔27を介して燃料加圧室15内
に連通せしめられる。
一方、ハウジング本体1内にはプランジャ孔11内の側
方近傍において横方向に延びる摺動孔30が形成される。
従ってこの摺動孔30はその軸線がプランジャ12とニード
ル7の共通軸線にほぼ直交する直線に対し間隔を隔てて
平行をなすように形成される。この摺動孔30内には溢流
弁31が摺動可能に挿入される。第4図および第5図に示
されるように摺動孔30は互いに共軸的に配置された小径
孔32と大径孔33からなり、これら小径孔32と大径孔33の
間には小径孔32および大径孔33の共通軸線に対してほぼ
垂直をなす段部34が形成される。この段部34と小径孔32
との接続部には環状をなす弁座35が形成される。一方、
溢流弁31は小径孔32内に位置する小径部36と大径孔33内
に位置する大径部37からなる。小径部36の外端部には小
径孔32の内壁面と密封的に接触する第1の環状嵌合部38
が形成され、大径部37の外端部には大径孔33の内壁面と
密封的に接触する第2の環状嵌合部39が形成される。こ
れら第1環状嵌合部38と第2環状嵌合部39間の溢流弁31
の外周面上には弁座35上に着座可能な環状弁部40が形成
される。環状弁部40と第1環状嵌合部38間の溢流弁31の
外周面周りには環状の加圧燃料導入室41が形成され、環
状弁部40と第2環状嵌合部39間の溢流弁31の外周面周り
には環状の燃料溢流室42が形成される。第5図に示され
るように燃料溢流室42を画定する大径部37の外周面の径
は小径孔32の径よりも大きく形成されており、従って燃
料溢流室42の容積はかなり小さく形成されている。小径
孔32の外端部は盲栓43により閉鎖されており、盲栓43と
溢流弁31との間には溢流弁背圧室44が形成される。この
溢流弁背圧室44内には溢流弁31の環状弁部40を弁座35か
ら引き離す方向、即ち溢流弁31を開弁方向に向けて付勢
する圧縮ばね45が挿入される。溢流弁31の大径部37内に
は半径方向に延びて燃料溢流室42内に開口する燃料通路
46が形成され、小径部36内には軸線方向に延びて溢流弁
背圧室44内に開口する燃料通路47が形成される。これら
の燃料通路46,47は溢流弁31内において互いに連通して
おり、従って溢流弁背圧室44は燃料通路46,47を介して
燃料溢流室42に連通する、第2環状嵌合部39側の溢流弁
31の端面48の中央部には燃料通路46の近傍まで延びる凹
溝49が形成される。このように溢流弁31内には凹溝49お
よび燃料通路46,47が形成されているので溢流弁31の質
量はかなり小さくなる。
第7図に示されるようにハウジング本体1内には燃料
通路17から上方に延びて常時加圧燃料導入室41内に開口
する燃料溢流路50が形成される。この燃料溢流路50は常
時燃料加圧室15に連通しており、従って加圧燃料導入室
41は常時燃料加圧室15に連通している。また、第10図に
示されるように溢流弁背圧室44は燃料通路51を介して垂
直方向に延びる燃料通路52に連結され、この燃料通路52
の下端部は第6図に示すように燃料ポート21に連結され
る。また、第9図から第11図に示されるように燃料溢流
室42は燃料排出通路53を介して燃料排出口54に連結され
る。
第4図および第5図に示されるように摺動孔30の大径
孔33の外端部にはロッド60を案内支持するロッドガイド
61が嵌着され、このロッドガイド61はその内部にロッド
孔62を具備する。ロッド60はロッド孔62内に摺動可能に
挿入された中空円筒状の小径部63と、大径孔33内に摺動
可能に挿入された大径部64からなり、大径部64の端面が
溢流弁31の端面48に当接せしめられる。ロッドガイド61
の内端部とロッド60の大径部64間にはロッド背圧室65が
形成される。大径部64と反対側のロッド60の端部には小
径部63の端面63aにより画定された圧力制御室66が形成
される。この圧力制御室66の上方にはアクチュエータ70
が配置される。第4図および第5図に示されるようにロ
ッド60は中空円筒状をなしており、従ってロッド60の質
量はかなり小さくなる。
第4図および第8図に示されるようにアクチュエータ
70はハウジング本体1と一体形成されかつその内部にピ
ストン孔71を形成したアクチュエータハウジング72と、
ピストン孔71内に摺動可能に挿入されたピストン73と、
アクチュエータハウジング72の頂部を覆う端板74と、端
板74をアクチュエータハウジング72の頂部に固定するた
めの端板ホルダ75と、端板74の上端部を覆う合成樹脂製
キャップ76とを具備する。ピストン73と端板74間には多
数の圧電素子板を積層したピエゾ圧電素子77が挿入さ
れ、ピストン73下方のピストン孔71内にはピストン73の
下端面によって画定された可変容積室78が形成される。
この可変容積室78は燃料通路79を介して圧力制御室66に
連通する。ピストン73とアクチュエータハウジング72間
には環状の冷却室80が形成され、この冷却室80内にはピ
ストン73を常時上方に向けて付勢する圧縮ばね81が挿入
される。ピエゾ圧電素子77に電荷をチャージするとピエ
ゾ圧電素子77は軸方向に伸長し、その結果可変容積室78
の容積が減少する。一方、ピエゾ圧電素子77にチャージ
ャされた電荷をディスチャージするとピエゾ圧電素子77
は軸方向に収縮し、その結果可変容積室78の容積が増大
する。
第8図に示されるようにハウジング本体1には逆止弁
82が挿入される。この逆止弁82は弁ポート83の開閉制御
をするボール84と、ボール84のリフト量を規制するロッ
ド85と、ボール84およびロッド85を常時下方に向けて押
圧する圧縮ばね86とを具備し、従って弁ポート83は通常
ボール84によって閉鎖される。逆止弁82の弁ポート83は
燃料流入通路87および燃料流入口88を介して燃料ポンプ
100(第1図)に連結され、低圧の加圧燃料が燃料流入
口88から燃料流入通路87内へ供給される。逆止弁82は可
変容積室78内に向けてのみ流通可能であり、従って可変
容積室78内の燃料圧が低下すると燃料が逆止弁82を介し
て可変容積室78内に補給される。従って可変容積室78内
は常時燃料によって満たされている。一方、第8図に示
されるように冷却室80の下端部は燃料流入通路89を介し
て燃料流入通路87に連結され、従って低圧の加圧燃料が
燃料流入通路89から冷却室80内に供給される。この加圧
燃料によってピエゾ圧電素子77が冷却される。また、第
6図に示されるように冷却室80の下端部は燃料供給ポー
ト20に連結され、従って冷却室80内の加圧燃料はピエゾ
圧電素子77を冷却した後、燃料供給ポート20に供給され
る。また、第4図および第5図に示されるように冷却室
80の下端部は燃料通路90を介してロッド背圧室65に連結
され、従ってロッド背圧室65は加圧燃料で満たされる。
第2図および第3図は第4図から第11図に示す構造の
ユニットインジェクタを搭載した6気筒ディーゼル機関
を示しており、第1図は各気筒に対して夫々取付けられ
たユニットインジェクタA,B,C,D,E,Fの燃料供給排出装
置を示している。また、第1図は各燃料供給管および燃
料排出管の上下位置関係も同時に示している。なお、第
1図から第3図に示すディーゼル機関の爆発順序は1−
4−2−6−3−5であり、各ユニットインジェクタA,
B,C,D,E,Fは夫々1番気筒、2番気筒、3番気筒、4番
気筒、5番気筒、6番気筒に設けられている。
第1図に示されるように爆発順序が一つおきの1番気
筒、2番気筒、3番気筒の各ユニットインジェクタA,B,
Cの燃料流入口88は燃料流入口88から下方に延びる燃料
供給チューブ101を介して燃料流入口88の下方に位置す
る共通の燃料分配管102に連結される。この燃料分配管1
02は第2図に示されるようにシリンダヘッド91の外部に
配置される。また、第1図に示されるように爆発順序が
一つおきの4番気筒、5番気筒、6番気筒の各ユニット
インジェクタD,E,Fの燃料流入口88は燃料流入口88から
下方に延びる燃料供給チューブ103を介して燃料流入口8
8の下方に位置する共通の燃料分配管104に連結される。
この燃料分配管104も第2図に示す燃料分配管102と同様
にシリンダヘッダ91の外部に配置される。各燃料分配管
102,104は各燃料分配管102,104から下方に延びる各燃料
供給管105,106を介して共通の燃料供給管107に接続さ
れ、この燃料供給管107は下方に延びて燃料ポンプ100の
吐出口108に接続される。燃料供給管107内には燃料ポン
プ100の吐出口108から燃料分配管102,104に向けてのみ
流通可能な逆止弁109が配置される。また、燃料ポンプ1
00の吸込口110は燃料タンク111に接続される。
一方、各ユニットインジェクタA,B,C,D,E,Fの燃料排
出口54は燃料排出口54から上方に延びる各燃料排出チュ
ーブ112を介して燃料排出口54よりも上方に位置する共
通の排出燃料集合管113に接続される。この排出燃料集
合管113は第2図に示されるようにシリンダヘッド91の
外部に配置される。排出燃料集合管113は燃料排出管114
を介して燃料タンク111に接続され、この燃料排出管114
内には2〜3kg/cm2の予め定められた一定圧で開弁する
調圧弁115が配置される。第1図に示す実施例ではこの
調圧弁115は弁ポート116の開閉制御をするボール117
と、このボール117を弁ポート116に向けて押圧する圧縮
ばね118から構成される。
燃料ポンプ100から吐出された加圧燃料は逆止弁109を
介して各燃料分配管102,104内に供給される。次いでこ
の加圧燃料は燃料供給チューブ101,103燃料流入口88お
よび燃料流入通路89を介して冷却室80内に供給され、次
いでこの加圧燃料はピエゾ圧電素子77を冷却した後、燃
料供給ポート20内に供給される。このとき第6図に示す
ようにプランジャ12が上方位置にあるとすると燃料供給
ポート20から燃料加圧室15内に加圧燃料が供給される。
一方、このときピエゾ圧電素子77は最大収縮位置にあ
り、このとき可変容積室78および圧力制御室66内の燃料
圧は低圧になっている。従ってこのとき溢流弁31は圧縮
ばね45のばね力により第4図および第5図において右方
に移動して環状弁部40が弁座35から離れている、即ち溢
流弁31が開弁している。従って燃料加圧室15内の加圧燃
料は一方では燃料溢流路50および加圧燃料導入室41を介
して燃料溢流室42内に供給され、他方では燃料通路52,5
1、溢流弁背圧室44および溢流弁31内の燃料通路47,46を
介して燃料溢流室42内に供給され、燃料溢流室42内に供
給された燃料は燃料排出通路53を介して燃料排出口54か
ら排出される。燃料排出口54から排出された加圧燃料は
燃料排出チューブ112を介して排出燃料集合管113内に送
り込まれ、次いで調圧弁115および燃料排出管114を介し
て燃料タンク111内に返戻される。ところで調圧弁115は
排出燃料集合部113内の燃料圧が2〜3kg/cm2の一定圧を
越えたときに開弁するので燃料ポンプ100の吐出口108か
ら冷却室80および燃料加圧室15を経て排出燃料集合室11
3内に至る燃料流通路内に存在する全ての加圧燃料の圧
力は調圧弁115により定まる一定圧に正確に維持されて
いる。
次いでプランジャ12が下降すると燃料供給ポート20お
よび燃料ポート21がプランジャ12によって閉鎖されるが
溢流弁31が開弁しているために燃料加圧室15内の加圧燃
料は燃料溢流路50、溢流弁22の加圧燃料導入室41を介し
て燃料溢流室42内に流出する。従ってこのときも燃料加
圧室15の燃料圧は調圧弁115により定まる一定圧に維持
されている。
次いで燃料噴射を開始すべくピエゾ圧電素子77に電荷
がチャージされるとピエゾ圧電素子77は軸線方向に伸長
し、その結果ピストン73が下降するために可変容積室78
および圧力制御室66内の燃料圧が急激に上昇する。圧力
制御室66内の燃料圧が上昇するとロッド60が第4図およ
び第5図において左方に移動するためにそれに伴って溢
流弁31も左方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
に当接して溢流弁31が閉弁せしめられる。溢流弁31が閉
弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下降
運動により急速に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が予
め定められた圧力、例えば1500kg/cm2以上の一定圧を越
えるとニードル7が開弁してノズル口3から燃料が噴射
される。このとき燃料溢流路50を介して溢流弁31の加圧
燃料導入室41内にも高圧が加わるが加圧燃料導入室41の
軸方向両端面の受圧面積が等しいためにこの高圧によっ
て溢流弁31に駆動力が作用しない。
次いで燃料噴射を停止すべくピエゾ圧電素子77にチャ
ージされた電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素
子77が収縮する。その結果、ピストン73が圧縮ばね81の
ばね力により上昇せしめられるために可変容積室78およ
び圧力制御室66内の燃料圧が低下する。前述したように
ロッド60および溢流弁31の質量は小さく、従って圧力制
御室66の燃料圧が低下するとロッド60および溢流弁31が
圧縮ばね45のばね力によりただちに第4図および第5図
において右方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
から離れて溢流弁31が即座に開弁する。溢流弁31が開弁
すると燃料加圧室15内の高圧の燃料が燃料溢流路50およ
び加圧燃料導入室41を介して燃料溢流室42内に噴出し、
その結果燃料加圧室15内の燃料圧は急速に低下する。一
方、燃料溢流室42の容積が小さいために加圧燃料が燃料
溢流室42内に噴出すると燃料溢流室42内の燃料圧は一時
的にかなり高圧となる。前述したように溢流弁31の大径
部37の端面48と燃料溢流室42間には第2環状嵌合部39が
形成されているので燃料溢流室42に発生した高圧が溢流
弁31の大径部37の端面48に作用しない。その結果、燃料
溢流室42内に発生した高圧は摺動孔30の大径孔33の断面
積から小径孔32の断面積を差引いた面積に対して溢流弁
31の開弁方向にのみ作用し、斯くして溢流弁31は燃料溢
流室42内に発生した高圧によって開弁方向に付勢される
ことになる。また燃料溢流室42内に高圧の燃料が噴出す
るとこの高圧燃料の一部は溢流弁31内の燃料通路46を介
して燃料通路47から溢流弁背圧室44内に噴出する。この
ように燃料通路47から高圧の燃料が噴出すると噴出作用
の反力により溢流弁31には開弁方向の付勢力が作用する
ことになる。また、高圧燃料が溢流弁背圧室44内に噴出
すると溢流弁背圧室44内の燃料圧が上昇し、その結果溢
流弁背圧室44内の燃料圧によって溢流弁31には開弁方向
の付勢力が作用する。このように溢流弁31が開弁すると
燃料溢流室42内の圧力上昇、燃料通路47からの燃料噴出
作用および溢流弁背圧室44内の圧力上昇によって溢流弁
31に開弁方向の付勢力が作用するために溢流弁31の環状
弁部40が弁座35を離れるや否や溢流弁31は急速に開弁せ
しめられ、更に溢流弁31は一旦開弁すると開弁状態に保
持される。従って溢流弁31が開弁すると燃料加圧室15内
の燃料圧が連続的に急速に低下するために溢流弁31が開
弁するとただちにニードル7が下降して燃料噴射が停止
せしめられる。また、機関回転数或いは機関負荷が高く
なると燃料加圧室15内の燃料圧が高くなり、従って溢流
弁31が開弁したときの燃料溢流室42内の圧力上昇が大き
くなる。更に、このとき燃料通路47からの燃料噴射作用
は強力となり、溢流弁背圧室44内の圧力上昇が大きくな
る。従って機関回転数或いは機関負荷が高くなるとそれ
に伴って溢流弁31を開弁方向に付勢する力が強くなる。
一方、溢流弁31を開弁するためにピエゾ圧電素子77が収
縮せしめられて可変容積室78の燃料圧が低下せしめられ
たときに可変容積室78の燃料圧が燃料流入通路87(第8
図)内の燃料圧よりも低くなれば逆止弁82を介して加圧
燃料が可変容積室78内に補給される。
次いでプランジャ12が更に下降するとプランジャ12の
外周面上に形成された円周溝26が燃料供給ポート20およ
び燃料ポート21に連通する。このとき燃料加圧室15内の
燃料圧が高ければ燃料加圧室15内の燃料が燃料逃し孔27
を介して燃料供給ポート20および燃料ポート21内に排出
される。
次いでプランジャ12が上昇して上端位置まで戻り、再
び下降を開始する。
上述したように燃料噴射が開始される直前には燃料加
圧室15内の燃料圧は燃料の温度にかかわらずに調圧弁11
5により定まる一定圧に維持されている。従ってプラン
ジャ12によって燃料加圧室15内の燃料が更に加圧された
ときに燃料加圧室15内の燃料圧が変動することがなく、
斯くして燃料噴射量が変動するのを阻止することができ
る。
また、プランジャ12が上昇して燃料供給ポート20が燃
料加圧室15内に開口すると加圧燃料が燃料加圧室15内に
供給され、その結果燃料分配管102,104内の燃料圧が一
時的に低下する。従って爆発行程が順次続く気筒を共通
の燃料分配管に接続しておくと前の噴射気筒の燃料加圧
室15内への燃料の供給による燃料分配管内の圧力低下が
次の噴射気筒の燃料加圧室15内の燃料圧に影響を与え、
噴射開始前の燃料加圧室15内の燃料圧が調圧弁115によ
り定まる一定圧よりも低くなる危険性がある。しかしな
がら第1図に示す実施例では爆発行程が一つおきの気筒
のユニットインジェクタを共通の燃料分配管102,104に
接続しているので前の噴射気筒の燃料加圧室15内への燃
料の供給により燃料分配管102,104内の燃料圧が低下し
ても次の噴射気筒の燃料加圧室15内への燃料の供給が開
始されるまでには燃料分配管102,104内の燃料圧が回復
する。従って噴射開始前の燃料加圧室15内の燃料圧は調
圧弁115により定まる一定圧に確実に維持される。
また、ユニットインジェクタ内の加圧燃料に気泡が混
入すると燃料噴射量がばらつき、従ってユニットインジ
ェクタ内の加圧燃料内にできるだけ気泡が混入せず、気
泡が発生したらできるだけ早く気泡を抜く必要がある。
第1図に示す実施例では燃料ポンプ100から吐出された
加圧燃料が常に上方に向けてユニットインジェクタの燃
料流入口88まで押上げられるためにこの間に加圧燃料内
に気泡が混入されるのが阻止される。また、ユニットイ
ンジェクタの燃料排出口54から上方に向けて燃料排出チ
ューブ54が延びているのでユニットインジェクタ内で発
生した気泡は燃料排出チューブ54を介して上昇し、斯く
してユニットインジェクタ内に発生した気泡をすみやか
に除去することができる。
また、機関始動時にユニットインジェクタ内に十分な
量の燃料が残留していないと機関始動時にただちに燃料
噴射を行うことはできない。第1図に示す実施例では燃
料ポンプ100の吐出口108に逆止弁109が設けられている
ために機関が停止して燃料ポンプ100の作動が停止せし
められても各ユニットインジェクタA,B,C,D,E,F内には
燃料が残留しており、斯くして機関始動時に各ユニット
インジェクタからただちに燃料噴射を行うことができ
る。
〔発明の効果〕
ユニットインジェクタを用いた内燃機関ではユニット
インジェクタへの燃料供給系とユニットインジェクタか
らの燃料排出系とが必要であり、この場合構造を簡素化
するために燃料供給系では一つの燃料ポンプを使用し、
燃料排出系では一つの排出燃料集合管を用いることが必
要とされる。
一方、ユニットインジェクタを用いた内燃機関におい
て燃料噴射のばらつきを阻止するためには燃料供給系に
おける燃料圧の変動を抑制しかつ燃料排出系における燃
料圧の変動を抑制する必要があり、燃料供給系および燃
料排出系のいずれか一方のみの燃料圧の変動を抑制して
も燃料噴射量がばらつくことになる。
本発明では爆発順序が一つおきの気筒のユニットイン
ジェクタのみを共通の燃料分配管に連結すると共に一つ
の燃料ポンプから吐出された加圧燃料を各燃料分配管に
分配供給することによって前の噴射気筒のユニットイン
ジェクタへの燃料の供給により燃料分配管内の圧力が低
下したとしても次の噴射気筒のユニットインジェクタへ
の燃料の供給が開始される前に燃料分配管内の燃料圧を
回復させることができ、それによって噴射開始前の燃料
加圧室内の燃料圧を一定圧にすることができる。
また、燃料排出管内に一定圧で開弁する調圧弁を配置
することによってユニットインジェクタ内の加圧燃料の
圧力を燃料の温度にかかわらずに一定に維持することが
できる。即ち、本発明では燃料分配管によって燃料供給
系における燃料圧の変動を抑制し、調圧弁によって燃料
排出系における燃料圧の変動を抑制し、それによって燃
料噴射量がばらつくのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はユニットインジェクタの燃料供給排出装置の全
体図、第2図はシリンダヘッドの側面断面図、第3図は
シリンダヘッドの平面図、第4図は第7図のIV−IV線に
沿ってみたユニットインジェクタの側面断面図、第5図
は第4図の一部の拡大側面断面図、第6図は第7図のVI
−VI線に沿ってみた側面断面図、第7図は第4図のVII
−VII線に沿ってみた側面断面図、第8図は第4図およ
び第10図のVIII−VIII線に沿ってみた側面断面図、第9
図は第4図の平面図、第10図は第4図のX−X線に沿っ
てみた平面断面図、第11図は第10図のXI−XI線に沿って
みた断面図である。 12……プランジャ、15……燃料加圧室、 54……燃料排出口、88……燃料流入口、 100……燃料ポンプ、102,104……燃料分配管、 109……逆止弁、111……燃料タンク、 113……排出燃料集合管、 114……燃料排出管、115……調圧弁、 A,B,C,D,E,F……ユニットインジェクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 55/02 350 F02M 55/02 350T 57/02 330 57/02 330Z (56)参考文献 特開 昭56−106060(JP,A) 特開 昭59−103934(JP,A) 特開 昭50−160618(JP,A) 実開 昭63−174568(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 57/02 F02M 69/00 320 F02M 55/02 350 F02M 63/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの燃料ポンプから吐出された加圧燃料
    を燃料分配管を介して各気筒のユニットインジェクタに
    分配供給し、各ユニットインジェクタに分配供給された
    加圧燃料の一部を各ユニットインジェクタのプランジャ
    により更に加圧して燃料噴射せしめ、噴射に使用されな
    かった各ユニットインジェクタ内の残りの加圧燃料を燃
    料タンク内に返戻するようにしたユニットインジェクタ
    の燃料供給排出装置において、気筒を爆発順序が一つお
    きの気筒群に分割すると共に上記燃料分配管を複数個の
    燃料分配管から構成して各気筒群毎に夫々燃料分配管を
    配置し、各燃料分配管を一つの燃料ポンプに連結して一
    つの燃料ポンプから吐出された加圧燃料を各燃料分配管
    に分配供給し、噴射に使用されなかった各ユニットイン
    ジェクタ内の加圧燃料を集めるために各ユニットインジ
    ェクタを共通の排出燃料集合管に連結し、排出燃料集合
    管から燃料タンクに向けて延びる燃料排出管内に一定圧
    で開弁する調圧弁を配置して各ユニットインジェクタ内
    の加圧燃料の圧力を一定に維持するようにしたユニット
    インジェクタの燃料供給排出装置。
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