JPH0640868B2 - 生体磁場計測装置 - Google Patents

生体磁場計測装置

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JPH0640868B2
JPH0640868B2 JP3230883A JP23088391A JPH0640868B2 JP H0640868 B2 JPH0640868 B2 JP H0640868B2 JP 3230883 A JP3230883 A JP 3230883A JP 23088391 A JP23088391 A JP 23088391A JP H0640868 B2 JPH0640868 B2 JP H0640868B2
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dewar
living body
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gas
dewars
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修二 藤本
泰志 近藤
久 賀戸
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CHODENDO SENSA KENKYUSHO KK
CHODENDO SENSOR KENKYUSHO KK
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CHODENDO SENSA KENKYUSHO KK
CHODENDO SENSOR KENKYUSHO KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体等の生体の医療用
診断の資料として、生体のどの部位であっても、その生
体の形状に適応させて、生体から発生する磁場の強さを
正確に測定することができる生体磁場計測装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の複数個のグラジオメータ又はSQ
UID(Superconducting Quant
um Interference Device:超伝
導量子干渉素子、マグネトメータともいう)を有する生
体磁場計測装置では、磁場検出部分を平均的な人体の計
測対象部位(頭部、胸部など)に対応するような形状と
なるようにデュワ(格納容器)を成形し、そのデュワの
内部にSQUIDを配置し、そのSQUIDを極低温の
液体ヘリウムに浸して超伝導状態にし、磁場の計測を行
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、計測対象者毎に測定対象部位の大きさや形状が
異なるので、生体磁場を正確に計測することが困難であ
る。 即ち、例えば人体の頭部からの磁束を検出する場合、各
個人によって頭部の形状や大きさが異なるが、平均的な
頭部形状のデュワを用いると、検出しようとする頭部の
外形とデュワの形状との相違によって頭部表面と磁束入
力回路(ピックアップコイルとインプットコイルからな
る超伝導トランス)の距離が異なる。その結果、平均的
な頭部形状以外の頭部形状の人間の磁場を測定する場合
においては、測定の精度が著しく低下する。 さらに、人間の胸部と頭部ではその形状が著しく異なる
ため、頭部用に設計された生体計測装置を胸部用に使用
することができない。 また、SQUID、熱シールドを極低温冷凍機の冷却器
に接触させて、熱伝達によって冷却する場合には、冷却
器とSQUID、熱シールドの熱伝達およびSQUI
D、熱シールドの熱伝導の効率が低く、SQUID、熱
シールドの温度が安定するまでに要する冷却時間が長く
なる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明に係る
生体磁場計測装置は、磁束入力回路とSQUIDとから
なる磁場検出手段を複数個備え、生体から発生する磁場
をリアルタイムで検出して画像化する生体磁場計測装置
であって、前記磁場検出手段を格納する複数のデュワ
と、前記生体に対する前記デュワの1次元的な位置を検
出する変位計と、前記生体の表面と前記デュワの先端と
の接触を検出する接触センサと、前記各デュワを前記生
体へ向う軸方向に能動的に移動させる移動装置と、前記
デュワの先端が前記生体の表面に近接又は接触するまで
当該移動装置を駆動制御するコンピュータと、を備え、
前記デュワには、フレキシブルで着脱可能な移送管によ
って前記デュワ外部の常温の高圧ガス供給装置からヘリ
ウムガスと水素ガスを含む3種以上のガスを供給させ、
かつ前記デュワ内部に熱交換器と膨張弁を有して通過す
るガスをジュールトムソン効果により沸点まで温度降下
させ、任意の生体の形状に適応して磁場計測可能とした
ものである。 また、本願の第2の発明に係る生体磁場計測装置は、磁
束入力回路とSQUIDとからなる磁場検出手段を複数
個備え、生体から発生する磁場をリアルタイムで検出し
て画像化する生体磁場計測装置であって、前記磁場検出
手段を格納する複数のデュワと、前記生体に対する前記
デュワの1次元的な位置を検出する変位計と、前記生体
の表面と前記デュワの先端との接触を検出する接触セン
サと、前記各デュワを前記生体へ向う軸方向に能動的に
移動させる移動装置と、前記デュワの先端が前記生体の
表面に近接又は接触するまで当該移動装置を駆動制御す
るコンピュータと、を備え、前記デュワには、フレキシ
ブルで着脱可能な移送管によってデュワ外部の常温の高
圧ガス供給装置から窒素ガスあるいは窒素ガスを含む少
なくとも2種類のガスの混合ガスが供給され、かつデュ
ワ内部に熱交換器と膨張弁を有して通過するガスをジュ
ールトムソン効果によりガスの沸点温度まで降下させ、
任意の生体の形状に適応して磁場計測可能としたもので
ある。 また、本願の第3の発明に係る生体磁場計測装置は、磁
束入力回路とSQUIDとからなる磁場検出手段を複数
個備え、生体から発生する磁場をリアルタイムで検出し
て画像化する生体磁場計測装置であって、前記磁場検出
手段を格納する複数のデュワと、前記生体に対する前記
デュワの1次元的な位置を検出する変位計と、前記生体
の表面と前記デュワの先端との接触を検出する接触セン
サと、前記各デュワを前記生体へ向う軸方向に能動的に
移動させる移動装置と、前記デュワの先端が前記生体の
表面に近接又は接触するまで当該移動装置を駆動制御す
るコンピュータと、を備え、前記デュワの内部の熱シー
ルドを、互いに重合した3つの層から形成し、前記デュ
ワの内部に供給される80 K程度の窒素ガスを、前記
熱シールドの層間に形成された流路に流し、任意の生体
の形状に適応して磁場計測可能としたものである。 また、本願の第4の発明に係る生体磁場計測装置は、磁
束入力回路とSQUIDとからなる磁場検出手段を複数
個備え、生体から発生する磁場をリアルタイムで検出し
て画像化する生体磁場計測装置であって、前記磁場検出
手段を格納する複数のデュワと、前記生体に対する前記
デュワの1次元的な位置を検出する変位計と、前記生体
の表面と前記デュワの先端との接触を検出する接触セン
サと、前記各デュワを前記生体へ向う軸方向に能動的に
移動させる移動装置と、前記デュワの先端が前記生体の
表面に近接又は接触するまで当該移動装置を駆動制御す
るコンピュータと、を備え、前記デュワの内部の膨張弁
から流出する液体ヘリウム温度レベルのヘリウムガス
を、グラジオメータにより構成される磁束入力回路の巻
かれた心材の内部に形成された流路に流し、任意の生体
の形状に適応して磁場計測可能としたものである。
【0005】
【作用】本発明においては、複数のデュワの生体に対す
る位置を変位計によって計測し接触センサにより接触の
有無も監視しながら、コンピュータによって駆動制御さ
れる能動的な移動装置によって各デュワを軸方向に沿っ
て生体の方向に移動させる。これによりデュワの先端を
生体の形状に一致させることができるので、精度の高い
磁場の測定が可能となるとともに、任意の生体の形状に
自在に適応させて生体磁場計測をすることができる。 また、SQUID、熱シールドを極低温冷凍機の冷却器
に接触させて、熱伝達によって冷却する方式ではなく、
ジュールトムソン効果による温度降下を利用したり、冷
却剤の流路に工夫をこらしたので、従来のこの種装置と
比較して、冷却器とSQUID、熱シールドの熱伝達お
よびSQUID、熱シールドの熱伝導の効率が高く、S
QUID、熱シールドの温度が安定するまでに要する冷
却時間が短縮される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。 図1は本発明の第1の実施例の全体構成を示す。 1は図には示されていない高圧ガス供給装置から供給さ
れるヘリウムガスと水素ガスを含む3種以上のガスをそ
れぞれ個別に移送するための屈曲可能な第1の移送管、
2は第1の移送管1から移送されてきた上記3種以上の
ガスをSQUIDと磁束入力回路が冷却されている各デ
ュワに分配するための分配器、3はデュワの保持器、4
はデュワにガスを供給するため分配器2から延在してい
るフレキシブル(可撓性)で着脱可能である小径な第2
の移送管、5は内部のSQUIDを冷却するためのデュ
ワ、6はデュワ5の位置を軸方向に1次元的に能動的に
変えることができる移動装置(例えば炭酸ガスピストン
からなる)、7はデュワ5の1次元的な位置を計測する
変位計、8は被測定物(人体の測定対象部位)との接触
を検出するためデュワ5の先端に設けた接触センサ、9
は被測定物、例えば人の頭部で、移動装置6及び変位計
7は各デュワ5毎に設けてある。
【0007】前記した装置において、第1の移送管1か
ら供給される3種以上のガスは、分配器2によって第2
の移送管4を介して各デュワ5に供給される。 各デュワ5の内部において、ガスはジュールトムソン効
果によって極低温度にまで温度降下し、デュワ内部の熱
シールドとSQUIDおよび磁束入力回路を冷却して極
低温度に保持する。 上記した装置全体は、地磁気などの外部磁気ノイズを除
去するために磁気シールドルームの内部に収められてい
ることが望ましい。
【0008】図4は本発明の生体磁場計測装置の制御シ
ステムのブロックダイヤグラムを示す。 図4において、デュワ位置制御装置62はデュワ5毎の
接触センサ8及び変位計7からの信号により、デュワ5
の先端の位置及びデュワ5の移動距離の情報を得て、コ
ンピュータ61にその情報を供給する。 上記したコンピュータ61は、被測定物の形状に合わせ
るように、移動装置6を駆動する。すなわち、上記の変
位センサ7によりデュワ5の先端と被測定物との距離を
監視しつつ移動装置6を駆動し、上記接触センサ8が被
測定物と接触したことを検知した場合、又は変位センサ
7が被測定物と近接したことを検知した場合には移動装
置6の駆動を停止する。その結果、各デュワ5の先端部
は常に被測定物の形状と一致するように制御される。 即ち、保持器3によって保持されている複数のデュワ5
は、移動装置6によりその軸方向に1次元的に位置を変
えることができ、また接触センサ8からの情報により移
動の終点を検知できるので、人体の測定対象となる部位
の形状に合わせて全てのピックアップコイルが最も近接
する位置にデュワ5を置くことが可能になる。 この結果、全てのSQUID検出器の感度を低下させる
ことなく生体の磁場を計測することが可能になる。 さらに、個々のデュワ5の1次元的な位置は変位計7に
よって検知することができるので、このデータをコンピ
ュータ61に供給し、測定部位の形状及び測定部位に対
するSQUIDの相対的な位置を求めることができる。
【0009】一方、被測定物である生体から発生する磁
場は磁束入力回路43によってSQUID42に伝達さ
れ、上記SQUID42はこの信号を電圧に変換する。
そして、SQUID42は駆動回路(通常ではF.L.
L回路(Flux Locked Loop:磁束ロッ
クループ)を用いる)63によって線形動作するように
制御される。 上記した駆動回路63の出力である生体磁気データは時
系列なデータとしてコンピュータ61に取り込まれ、画
像データとして表示される。
【0010】図5は図4で示された本発明の生体磁場計
測装置における生体磁気計測のためのフローチャートを
示す。 図5において、新たに人体の被測定物を設定したとき
は、まず前記したデュワ5の位置をリセットする(ステ
ップ71)。 次に、移動装置6は各デュワ5を人体の被測定物の方向
に移動させる(ステップ72)。 そして、上記したデュワ5は、先端の接触センサ8が被
測定物を検出するまで徐々に移動することになる(ステ
ップ73)。 上記した接触センサ8は、デュワ5の先端が被測定物に
接触又は近接したことを検出すると、移動装置6がデュ
ワ5の移動を停止し、デュワ5の位置の情報が収集され
る(ステップ74)。しかし、センサ8が被測定物に接
触又は近接していなければ、ステップ52に戻って接触
又は近接していないデュワ5だけを移動させることによ
り、被測定物に接触又は近接させる。 この接触センサ8の情報から被測定物の形状を計算する
ことができる(ステップ75)。 人体の被測定物の形状がコンピュータ61により計算し
て決定されたら、SQUID42から得られた生体の磁
場情報を収集し(ステップ76)、磁場源の磁場の強さ
を推定する(ステップ77)。 上記のようにして求められた磁場の情報を画像情報とし
て表示する(ステップ78)。
【0011】図2は被測定物の形状が小さい場合に本発
明が適用される場合を示す。 即ち、被測定物が小さい場合は、被測定物9に近接でき
るデュワ5の数が少なくなるので、図2に示すように1
つおきにデュワ5を被測定物に近接するように移動装置
6を動作制御することによって、小さな被測定物の形状
に合わせてデュワ5を配置するのである。 なお、デュワ5にヘリウムガスを供給する第2の移送管
4は着脱可能であるので、デュワ5の数を計測対象部位
の大きさに対応するように増減することによって、被測
定物の形状にデュワ5の先端を一致させることもでき
る。
【0012】図3は、人体の計測対象部位として人体の
胸部10を測定するための本発明の第2の実施例を示す
ものである。 図3において、デュワの保持器3の形状は平面的に構成
され、この保持器3に各デュワ5が移動可能に配置され
ている。 デュワ5の位置を人体の胸部の形状に一致させることに
よって、人体の胸部の測定を行なうことができる。もち
ろん、この保持器3の形状及びデュワ5の位置設定や移
動状態を種々変化させることによって、人体の種々の部
位の測定をすることができるものである。
【0013】上記したデュワ5の内部の構成と作用につ
いて以下に説明する。 図6は、磁場検出手段として1次微分型のグラジオメー
タ(ボビンタイプ)で構成した磁束入力回路とSQUI
Dとを冷却する場合のデュワ5の構成の1つの実施例を
示す。 外部の高圧ガス供給装置から供給される水素ガスとヘリ
ウムガスとを含む3種以上のガスが、第1の移送管1か
ら分配器2を介して第2の移送管4によりデュワ5の内
部に供給される。
【0014】デュワ5の内部には、第1のガス回路1
1、第2のガス回路21、第3のガス回路31及び磁場
検出手段としての磁束計41を上から下に向かいその順
に設けてあり、第2のガス回路21、第3のガス回路3
1及び磁束計41だけがデュワ5の外部から作用する輻
射熱を遮断するための熱シールド51の内部に収納され
ている。
【0015】上記した第1のガス回路11は、円筒状の
第1のケース12の内部にフィン付きの第1の熱交換パ
イプ13を螺旋状に巻成した構成であって、第1の熱交
換パイプ13の下端には第1の膨張弁14を設けて、第
1のケース12の内部に開口させてある。
【0016】そして、前記した第2のガス回路21は、
第1のケース12より小径な円筒状の第2のケース22
の内部にフィン付きの第2の熱交換パイプ23を螺旋状
に巻成した構成で、第2の熱交換パイプ23の下端には
第2の膨張弁24を設けて、第2のケース22の内部に
開口させてある。 上記した第2のケース22は、第1のガス回路11の第
1のケース12の中心位置を縦方向に延在して第1の熱
交換パイプ13の内部に位置し、第1のケース12の上
端にまで達している。
【0017】さらに、前記した第3のガス回路31は、
前記した第1のガス回路11や第2のガス回路21と同
様であるが第2のケース22より小径な円筒状の第3の
ケース32の内部にフィン付きの第3の熱交換パイプ
(図示せず)を螺旋状に巻成した構成で、第3の熱交換
パイブの下端部分を第3のケース32の下端から突出さ
せて膨張弁33を設け、上記膨張弁33から流出管34
を下向きに設けるとともに、第3のケース32の下面に
流入管35を接続した構成である。 上記した第3のケース32は、第2のケース22、第1
のケース12の中心位置を縦方向に延在して第2の熱交
換パイプ23、第1の熱交換パイプ13の内部に位置
し、第1のケース12の上端にまで達している。
【0018】前記した磁場検出手段としての磁束計41
は、SQUID42とグラジオメータにより構成した磁
束入力回路43とからなり、SQUID42の信号線4
4は第3のケース32、第2のケース22及び第1のケ
ース12の外周を螺旋状に巻成してデュワ5の外部に延
在している。 そして、磁束入力回路43には線が巻かれた心材の内部
に流路45が形成してあり、この流路45の一端に前記
した第3のガス回路31の流出管34が接続してあり、
流路45の他端に前記した流入管35が接続してある。
【0019】前記した熱シールド51は、円筒状の外層
52、中間層53、内層54を液密に、気密に接着重合
して一体状に構成したもので、中間層53には直径方向
に対向する様に2本の溝状の縦流路55、55を有し、
また下方に円周方向の溝状の横流路56を形成して上記
した両縦流路55の下端を連通し、上記した2本の縦流
路55と横流路56とによりガス流路57を構成する。 そして、両縦流路55の上端は、前記した第1のガス回
路11の第1のケース12の内部に連通させ、第1のケ
ース12の内部に充満するガスをガス流路57に流すの
である。 尚、熱シールド51の各層52、53、54は、非磁性
で熱伝導率の大きい成分、例えばアルミナを原料とした
セラミックス等で構成するのが好ましい。
【0020】本発明のデュワ5の第1実施例は前記した
構成で、第2のガス移送管4の内部には少なくとも3種
類のガス管を有し、その内の1種のガス(例えば窒素ガ
ス、メタンガス、アルゴンガス)は、第1のガス回路1
1の第1の熱交換パイプ13に連結されている。 従って、外部の常温の高圧ガス供給装置から上記した1
種のガスが高圧で第1の熱交換パイプ13に供給される
と、螺旋状に通過して第1の膨張弁14から噴出し、ジ
ュールトムソン効果によりガスの沸点まで温度降下す
る。 したがって、温度降下したガスにより第1のケース12
の内部が低温雰囲気となり、例えば沸点まで温度降下し
たガスが窒素であれば約80 K、アルゴンであれば約
90 Kとなる。 そして、このガスは熱シールド51の一方の縦流路55
の上端から流入して横流路56から他方の縦流路55を
通るため、前記ガス流路57を循環流するので熱シール
ドを効果的に冷却することになり、デュワ5の外部温度
により作用する輻射熱を有効に遮断して熱シールド51
の内部を加温することがない。 しかも、第1のケース12の内部が上記したように冷却
されているし、第1の熱交換パイプ13も冷却している
ので、第1の熱交換パイプ13の内部に通っている第2
のケース22や第3のケース32の外周を予備冷却する
ことになる。また、第1のケース12の外面も冷却され
ることになるので、SQUID42の信号線44も冷却
し、デュワ5の外部の常温部分からの伝導熱を吸収し、
SQUID42及び磁束入力回路41に伝わる熱を極め
て低減することが可能である。 さらに、第1のケース12内のガスは上昇する時に第1
の熱交換パイプ13の外面に接触し、フィンにより第1
の熱交換パイプ13を通過するガスを効果的に冷却して
第2のガス移送管4から外部に流出する。 したがって、第1の膨張弁14から第1のケース12の
内部に噴出する沸点まで温度降下したガスは、熱シール
ド51を冷却するとともに第2のケース22と第3のケ
ース32を予備冷却し、しかも第1の熱交換パイプ13
を冷却するので内部を流れるガス自体も冷却されること
になり、第1の膨張弁14でのジュールトムソン効果を
有効に達成することができる。
【0021】また、第2の移送管4中に設けた水素ガス
の管は第2のガス回路21の第2の熱交換パイプ23に
接続されているので、水素ガスは第1のガス回路11中
で予備冷却されてから第2のガス回路21内の第2の熱
交換パイプ23を通過し、第2の膨張弁24を噴出する
際にジュールトムソン効果により沸点まで温度降下し
て、第2のケース22の内部に充満して上昇し、第2の
移送管4を通過して外部に放出することになる。 したがって、第2のケース22の内部は水素の沸点であ
る約20 Kにまで冷却するために、第2の熱交換パイ
プ23の内部中心を縦方向に延在している第3のケース
32も予備冷却し、しかも第2の熱交換パイプ23を冷
却するので通過する水素ガス自体も充分に冷却され、ジ
ュールトムソン効果が有効に達成することができる。 さらに、第2のケース22の外周に巻いたSQUID4
2の信号線44も確実に冷却する。
【0022】前記した第2の移送管4内のヘリウムガス
の管は、第3のガス回路31のフィン付き熱交換パイプ
に連結してあるので、第1のガス回路11、第2のガス
回路21で充分に予備冷却されて第3のガス回路31の
熱交換パイプを通過し、第3の膨張弁33を噴出する際
にジュールトムソン効果によってガスの沸点まで温度降
下し、ヘリウムの沸点である約4 Kの極低温度になっ
て流出管34から磁束入力回路41の流路45を通過
し、流入管35から第3のケース32の内部に戻り、上
昇して第2の移送管4から外部に放出する。 したがって、磁場検出手段としての磁束入力回路43及
びSQUID42は極低温度にまで冷却されて保持され
るので、外部からの微小な磁場を検出し、信号線44に
より外部に信号を供給することができる。
【0023】図7はデュワ5の他の構成例を示すもの
で、特に磁場検出手段として機能する磁束計41,とし
て磁束入力回路とSQUIDとを同一基板上に薄膜状に
構成した平面SQUIDで、熱シールド51の内部下端
に支持台46を介して第3のガス回路31に接触する様
にして設けてある。 従って、磁束計41’は第3のガス回路31の冷却効果
により約4 Kの極低温度にまで冷却されて保持され
る。 尚、図7において説明していない符号は前記した図6の
同一符号と同一の構成であるから説明を省略する。
【0024】以上説明した様に、前記した各デュワ5は
内部が極めて有効に冷却されて磁場検出手段としての磁
束計を極低温状態に維持し、外部磁場を正確に測定する
ことができる。そして、各ガス回路は自体のガスを冷却
したり他の種類のガスを冷却する熱交換器としての機能
を有し、ジュールトムソン効果を確実に達成するのであ
る。 なお、本発明においては熱シールド51は前記した構成
に限定されるものではなく、デュワの外部から作用する
輻射熱が熱シールド51の内部に作用しなければどのよ
うな構成であってもよい。
【0025】図9は本発明のデュワ5の他の構成例を示
すもので、この実施例のデュワ5の内部のガス回路81
は、円筒状のケース82の内部にフィン付きの熱交換パ
イプ83を螺旋状に巻成した構成であって、上記した熱
交換パイプ83の下端には膨張弁84を設けて、ケース
82の内部に開口させてある。 そして、ケース82の下端には支持台85を設けて磁場
検出手段である磁束計86を取り付けてあるが、この磁
束計86は高温超伝導材からなる平面SQUIDと磁束
入力回路とを一体型にした薄板状であり、磁束計86は
80 K以上の高温雰囲気でも磁場を検出するのに充分
な機能を有する。 従って、前記した実施例と同様に、第2の移送管4の例
えば窒素ガス管を熱交換パイプ83に接続して窒素ガス
を流し、膨張弁84から噴出させてジュールトムソン効
果により窒素の沸点まで温度降下させると、ケース82
の内部、外部が80 Kにまで冷却されるので、磁束計
86により磁場を検出して信号線87から信号を発信す
ることができる。 この実施例は、前記した実施例と比較して磁場検出手段
として機能する磁束計が80 K以上であっても作動す
ることができるということであって、その他の機能や作
動状態は前記した実施例と同一である。
【0026】以上本発明をいくつかの実施例に基づいて
説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しな
い限りどの様にでも実施することができる。
【0027】
【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、複数の
デュワの生体に対する位置を変位計によって計測し接触
センサにより接触の有無も監視しながら、コンピュータ
によって駆動制御される能動的な移動装置によって各デ
ュワを軸方向に沿って生体の方向に移動させる。これに
よりデュワの先端を生体の形状に一致させることができ
るので、精度の高い磁場の測定が可能となるとともに、
任意の生体の形状に自在に適応させて生体磁場計測をす
ることができる。 また、SQUID、熱シールドを極低温冷凍機の冷却器
に接触させて、熱伝達によって冷却する方式ではなく、
ジュ−ルトムソン効果による温度降下を利用したり、冷
却剤の流路に工夫をこらしたので、従来のこの種装置と
比較して、冷却器とSQUID、熱シールドの熱伝達お
よびSQUID、熱シールドの熱伝導の効率が高く、S
QUID、熱シールドの温度が安定するまでに要する冷
却時間が短縮される、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の全体概略構成図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施例の全体概略構成図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例における使用状態の説明
図である。
【図4】本発明の生体磁場計測装置の制御システムのブ
ロックダイヤグラムを示す図である。
【図5】本発明の生体磁場計測装置における生体磁場計
測のためのフローチャートを示す図である。
【図6】1次微分型のグラジオメータで構成した磁束入
力回路とSQUIDとにより磁束計を構成した場合のデ
ュワの構成例を示す一部を断面とした正面図である。
【図7】平面型の磁束計を使用した場合のデュワの構成
例の概略図である。
【図8】デュワの内部に設けた熱シールドの一例を示す
概略分解斜視図である。
【図9】高温平面型の磁束計を使用した場合のデュワの
構成例を示す一部を断面とした正面図である。
【符号の説明】
1 第1の移送管 2 分配器 3 保持器 4 第2の移送管 5 デュワ 6 移動装置 7 変位計 8 接触センサ 9 被測定物 11 第1のガス回路 12 第1のケース 13 第1の熱交換パイプ 14 第1の膨張弁 21 第2のガス回路 22 第2のケース 23 第2の熱交換パイプ 24 第2の膨張弁 31 第3のガス回路 32 第3のケース 33 第3の膨張弁 34 流出管 35 流入管 41 磁束計 42 SQUID 43 磁束入力回路 44 信号線 45 流路 51 熱シールド 52 外層 53 中間層 54 内層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 賀戸 久 東京都中央区東日本橋1丁目6番5号東日 本橋佐藤ビル5階 株式会社超伝導センサ 研究所内 (56)参考文献 特開 平2−31739(JP,A) 実開 平2−91508(JP,U)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁束入力回路とSQUIDとからなる磁
    場検出手段を複数個備え、生体から発生する磁場をリア
    ルタイムで検出して画像化する生体磁場計測装置であっ
    て、 前記磁場検出手段を格納する複数のデュワと、 前記生体に対する前記デュワの1次元的な位置を検出す
    る変位計と、 前記生体の表面と前記デュワの先端との接触を検出する
    接触センサと、 前記各デュワを前記生体ヘ向う軸方向に能動的に移動さ
    せる移動装置と、 前記デュワの先端が前記生体の表面に近接又は接触する
    まで当該移動装置を駆動制御するコンピュータと、を備
    え、 前記デュワには、フレキシブルで着脱可能な移送管によ
    って前記デュワ外部の常温の高圧ガス供給装置からヘリ
    ウムガスと水素ガスを含む3種以上のガスを供給させ、
    かつ前記デュワ内部に熱交換器と膨張弁を有して通過す
    るガスをジュールトムソン効果により沸点まで温度降下
    させ、任意の生体の形状に適応して磁場計測可能とした
    こと を特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 【請求項2】 磁束入力回路とSQUIDとからなる磁
    場検出手段を複数個備え、生体から発生する磁場をリア
    ルタイムで検出して画像化する生体磁場計測装置であっ
    て、 前記磁場検出手段を格納する複数のデュワと、 前記生体に対する前記デュワの1次元的な位置を検出す
    る変位計と、 前記生体の表面と前記デュワの先端との接触を検出する
    接触センサと、 前記各デュワを前記生体へ向う軸方向に能動的に移動さ
    せる移動装置と、 前記デュワの先端が前記生体の表面に近接又は接触する
    まで当該移動装置を駆動制御するコンピュータと、を備
    え、 前記デュワには、フレキシブルで着脱可能な移送管によ
    ってデュワ外部の常温の高圧ガス供給装置から窒素ガス
    あるいは窒素ガスを含む少なくとも2種類のガスの混合
    ガスが供給され、かつデュワ内部に熱交換器と膨張弁を
    有して通過するガスをジュールトムソン効果によりガス
    の沸点温度まで降下させ、任意の生体の形状に適応して
    磁場計測可能としたこと を特徴とする生体磁場計測装置。
  3. 【請求項3】 磁束入力回路とSQUIDとからなる磁
    場検出手段を複数個備え、生体から発生する磁場をリア
    ルタイムで検出して画像化する生体磁場計測装置であっ
    て、 前記磁場検出手段を格納する複数のデュワと、 前記生体に対する前記デュワの1次元的な位置を検出す
    る変位計と、 前記生体の表面と前記デュワの先端との接触を検出する
    接触センサと、 前記各デュワを前記生体へ向う軸方向に能動的に移動さ
    せる移動装置と、 前記デュワの先端が前記生体の表面に近接又は接触する
    まで当該移動装置を駆動制御するコンピュータと、を備
    え、 前記デュワの内部の熱シールドを、互いに重合した3つ
    の層から形成し、前記デュワの内部に供給される80
    K程度の窒素ガスを、前記熱シールドの層間に形成され
    た流路に流し、任意の生体の形状に適応して磁場計測可
    能としたこと を特徴とする生体磁場計測装置。
  4. 【請求項4】 磁束入力回路とSQUIDとからなる磁
    場検出手段を複数個備え、生体から発生する磁場をリア
    ルタイムで検出して画像化する生体磁場計測装置であっ
    て、 前記磁場検出手段を格納する複数のデュワと、 前記生体に対する前記デュワの1次元的な位置を検出す
    る変位計と、 前記生体の表面と前記デュワの先端との接触を検出する
    接触センサと、 前記各デュワを前記生体へ向う軸方向に能動的に移動さ
    せる移動装置と、 前記デュワの先端が前記生体の表面に近接又は接触する
    まで当該移動装置を駆動制御するコンピュータと、を備
    え、 前記デュワの内部の膨張弁から流出する液体ヘリウム温
    度レベルのヘリウムガスを、グラジオメータにより構成
    される磁束入力回路の巻かれた心材の内部に形成された
    流路に流し、任意の生体の形状に適応して磁場計測可能
    としたこと を特徴とする生体磁場計測装置。
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