JPH0640754U - 密閉循環式暖房システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 密閉循環式暖房システムにおいて、必要設置
面積を低減し、施工性を改善し、外観的な見栄えをよく
する。 【構成】 熱媒体貯留タンク１内に熱膨張吸収手段とし
てのダイアフラム１２をタンク１と一体的に組み込んだ
密閉循環式暖房システム。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、取り付け施工時の手間を省き、かつ設置面積の低減を図ることがで きる密閉循環式暖房システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

これまで密閉循環式暖房システムとしては図３に示すような装置が知られてい る。すなわち、熱媒体貯留タンク２１に貯留された熱媒体を加熱手段２２（例え ば電気ヒータ）により加熱し、温度制御された熱媒体を循環ポンプ２３により循 環路２５を介して放熱器２６に送り、該放熱器２６によって放熱させていた。こ の従来システムにおいては熱媒体の膨張を吸収し系内の圧力を適切な範囲に維持 するための熱媒体膨張吸収手段２７が独立して設けられている。なお、２４は三 方弁、２８は補助熱源をそれぞれ示している。

【０００３】 上記のような従来のシステムにおいて、いま、仮に５００リットル程度の容量 を有する熱媒体貯留タンク２１内の熱媒体を、深夜電力を利用して加熱手段２２ で所望温度に加熱し、蓄熱して昼間の暖房に利用しようとすると、熱媒体吸収手 段２７の容積は１００リットル程度の非常に大型のものが必要になる。このため 施工時の据え付け、配管等設置の手間も大きく、かつ相当な広さの設置面積も必 要であり、しかも外観的にも見苦しいものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、熱媒体膨張吸収手段を有する密閉循環式暖房システムにおいて、据 え付け施行時の面倒な手間を省き、設置面積も低減し、かつ外観的にも見栄えを 良くすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的に沿う本考案の密閉循環暖房装置は、加熱手段により加熱された熱媒 体を貯留する熱媒体貯留タンクと、熱媒体貯留タンクから循環されてくる熱媒体 から、放熱させる放熱器とを備えた実質的に密閉された熱媒体循環回路に、熱媒 体の熱膨張吸収手段を設けた密閉循環式暖房システムにおいて、前記熱膨張吸収 手段を、前記熱媒体貯留タンク内に一体的に組み込んだものから成る。

【０００６】

【作用】

このような密閉循環式暖房システムにおいては、熱媒体貯留タンク内に熱膨張 吸収手段を、該貯留タンク、熱膨張吸収手段各々の要求される機能を満足させつ つ、一体的に組み込むことにより、熱媒体貯留タンク、熱膨張吸収手段を別々に 設置する場合に比べ、設置面積が大幅に低減される。さらに、前記機器を別々に 据付け、配管等を行う手間も省けることになるので施工性も大きく改善、合理化 されることになる。さらに両機器が一つの装置としてまとまるので、見栄えもよ くなる。

【０００７】 以下に、本考案の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。図１は、本考 案の一実施例に係る密閉循環式暖房システムを示している。図において、１は熱 媒体を貯留する熱媒体貯留タンクを示しており、熱媒体貯留タンク１内の熱媒体 は加熱手段２により加熱される。熱媒体貯留タンク１の上部は循環路５により放 熱器８へと接続されている。この循環路５には、熱媒体の流れ方向、流量を調節 する三方弁６、熱媒体を系内で循環させる循環ポンプ７、系内が過圧された場合 の圧力を逃がす安全弁３、系内のエアを系外に排出する自動エア抜き弁４が設け られている。さらに、系内を循環する熱媒体を補助的に加熱するためのヒートポ ンプ等よりなる補助熱源１３が設けられている。

【０００８】 そして、このようなシステムにおいて、熱媒体貯留タンク１内は、該タンクと 略同径に設けられた、ダイアフラム膜１２により、熱媒体層１４と気体層１１（ エア又は窒素ガス充填）に分割されている。このダイアフラム膜１２が、本発明 でいう、熱膨張吸収手段を構成している。

【０００９】 上記実施例においては、熱媒体貯留タンク１内の熱媒体は加熱手段２により所 望温度まで加熱される。加熱された熱媒体は循環ポンプ７により循環路５を介し て、放熱器８に送られる。放熱器８により熱媒体から放熱され、これにより室内 が暖房される。さらに補助熱源１３で加熱された熱媒体を放熱器８へと流すこと により放熱量を高めることができ、一層暖房温度を上げることもできる。

【００１０】 そしてこのシステムにおいては、熱媒体貯留タンク１内に設けられた加熱手段 ２により加熱された系内の熱媒体が膨張すると、密閉経路であるため、系内で唯 一変形が許容されているダイアフラム１２の部位に熱膨張が現われ、該熱膨張に よりダイアフラム１２は下部に押しやられ、その結果、気体層１５が圧縮されつ つダイアフラム１２上部の熱媒体層１４の膨張が吸収される。熱媒体層１４の温 度が低下すると、その分熱媒体層１４は収縮するのでダイアフラム１２は元の形 状に復元される。この働きにより実質的に密閉された本システムの系の圧力を適 切な範囲に保ちつつ、熱媒体の熱膨張が吸収される。

【００１１】 そして、本実施例では上記熱膨張吸収のための、熱膨張吸収手段であるダイア フラム１２が、熱媒体貯留タンク１と一体的に組み込まれているので、従来例の 如く大型の熱膨張吸収手段を別個に設ける必要はない。このため必要な設置面積 は低減される。また、タンク１と熱膨張吸収手段１２とが一体の機器として構成 されるので、見栄えもよい。

【００１２】 なお、加熱手段２はヒートポンプや太陽熱利用装置等と組み合せることも可能 である。また、熱膨張吸収手段は図１に示したようなゴムダイアフラム１２以外 にも、図２に示すようにベローズ３１で構成してもよい。図２に示す例において は熱媒体貯留タンク１の下部に変形（伸縮）可能なベローズ３１が設けられ、そ の下部にバネ３２が設けられている。

【００１３】 このような実施例装置においても、熱膨張吸収手段を別個に設ける必要はない ので設置面積は低減される。また、タンクとの一体化により見栄えもよくなる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の密閉循環式暖房システムによるときは、熱媒体 貯留タンクと熱膨張吸収手段を一体的に組み込んだことにより、必要な設置面積 を低減することができる。また施工時に前記２つの機器を個別に据付ける手間が 省けるので施工性も改善され、設置後の見栄えもよくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る密閉循環式暖房装置の
概略構成図である。

【図２】本考案の別の実施例に係るシステムの熱媒体貯
留タンクの概略構成図である。

【図３】従来の密閉循環式暖房システムの概略構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 熱媒体貯留タンク ２ 加熱手段 ３ 安全弁 ４ 自動エア抜き弁 ５ 循環路 ６ 三方弁 ７ 循環ポンプ ８ 放熱器 １１ 気体層 １２ ダイアフラム １３ 補助熱源 １４ 熱媒体層 ３１ ベローズ ３２ バネ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱手段により加熱された熱媒体を貯留
   する熱媒体貯留タンクと、熱媒体貯留タンクから循環さ
   れてくる熱媒体から放熱させる放熱器とを備えた実質的
   に密閉された熱媒体循環回路に、熱媒体の熱膨張吸収手
   段を設けた密閉循環式暖房システムにおいて、前記熱膨
   張吸収手段を、前記熱媒体貯留タンク内に一体的に組み
   込んだことを特徴とする密閉循環式暖房システム。
2. 【請求項２】 前記熱膨張吸収手段が、前記熱媒体貯留
   タンクの底部に設けられ、かつ該タンクと略同径に構成
   されている請求項１の密閉循環式暖房システム。
3. 【請求項３】 前記熱膨張吸収手段が、ダイアフラムか
   ら構成されている請求項１又は２の密閉循環式暖房シス
   テム。
4. 【請求項４】 前記熱膨張吸収手段が、ベローズから構
   成されている請求項１又は２の密閉循環式暖房システ
   ム。