JPH0640521B2 - 薄膜抵抗体 - Google Patents
薄膜抵抗体Info
- Publication number
- JPH0640521B2 JPH0640521B2 JP60233646A JP23364685A JPH0640521B2 JP H0640521 B2 JPH0640521 B2 JP H0640521B2 JP 60233646 A JP60233646 A JP 60233646A JP 23364685 A JP23364685 A JP 23364685A JP H0640521 B2 JPH0640521 B2 JP H0640521B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- sic
- resistor
- resistance
- tib
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Electronic Switches (AREA)
- Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は薄膜抵抗体、特に、ファクシミリの感熱記録装
置のサーマルヘッド用発熱抵抗体や混成集積回路用抵抗
体および他の薄膜抵抗体を利用したデバイスに応用され
得る薄膜抵抗体に関する。
置のサーマルヘッド用発熱抵抗体や混成集積回路用抵抗
体および他の薄膜抵抗体を利用したデバイスに応用され
得る薄膜抵抗体に関する。
従来の技術 これまでのサーマルヘッドや混成集積回路には窒化タン
タル薄膜抵抗体が多く用いられてきたが、抵抗値が低い
ことが主因となり、長寿命化に限界があった。特にサー
マルヘッド用薄膜抵称体に関しては、使用条件が厳しい
ので、高抵抗で耐酸化性に優れた熱的に安定な薄膜抵抗
体が要望されている。
タル薄膜抵抗体が多く用いられてきたが、抵抗値が低い
ことが主因となり、長寿命化に限界があった。特にサー
マルヘッド用薄膜抵称体に関しては、使用条件が厳しい
ので、高抵抗で耐酸化性に優れた熱的に安定な薄膜抵抗
体が要望されている。
発明が解決しようとする問題点 より高精細度で高速(高効率)印字ができる信頼性の高
い感熱記録用サーマルヘッドが望まれているが、従来そ
れに用いられてきた窒化タンタル発熱抵抗体は抵抗率が
低い。従って必要な電気抵抗値を所定の寸法で得るため
には発熱体セグメントの膜厚を1000Å以下の薄さに
することが避けられず良質安定な薄膜が得られ難かっ
た。
い感熱記録用サーマルヘッドが望まれているが、従来そ
れに用いられてきた窒化タンタル発熱抵抗体は抵抗率が
低い。従って必要な電気抵抗値を所定の寸法で得るため
には発熱体セグメントの膜厚を1000Å以下の薄さに
することが避けられず良質安定な薄膜が得られ難かっ
た。
薄い膜厚が一因となって耐酸化性が劣り、抵抗の経時変
化が大きくなるため信頼性が低かった。また上記酸化を
防ぐとともに発熱体表面の耐摩耗性を向上させようとす
ると、硬質の厚い保護膜層が必要となり、これが熱効率
を悪くする原因の1つになっていた。
化が大きくなるため信頼性が低かった。また上記酸化を
防ぐとともに発熱体表面の耐摩耗性を向上させようとす
ると、硬質の厚い保護膜層が必要となり、これが熱効率
を悪くする原因の1つになっていた。
本発明は、電気抵抗率が高く、硬度も大きい熱的に安定
な薄膜を得ようとするものである。
な薄膜を得ようとするものである。
問題点を解決するための手段 本発明による薄膜抵抗体は、SiCと、TiB2または
ZrB2の混合ターゲットを用い、スパッタリング法に
より形成したものである。
ZrB2の混合ターゲットを用い、スパッタリング法に
より形成したものである。
作用 周期律表第4〜第6族の遷移元素と原子半径の小さい非
金属原子Si,B,CおよびNの化合物は硬質合金とし
て知られ、高い硬度と低い電気抵抗率を有する。熱力学
的安定性は第4族の遷移元素を含むものが一般に高い。
金属原子Si,B,CおよびNの化合物は硬質合金とし
て知られ、高い硬度と低い電気抵抗率を有する。熱力学
的安定性は第4族の遷移元素を含むものが一般に高い。
これら化合物はサーマルヘッド用抵抗体薄膜としては一
般に抵抗が低すぎる。従って他の硬質、高抵抗率化合物
との複合により高抵抗化を図ることができる。
般に抵抗が低すぎる。従って他の硬質、高抵抗率化合物
との複合により高抵抗化を図ることができる。
上記硬質合金においてホウ化物は耐酸化性に優れてお
り、中でも、TiB2とZrB2は熱力学的安定性が高
い。これと高抵抗、高硬質で耐酸化性の優れたSiCと
の複合体薄膜をスパッタリング法にて形成して作成され
た薄膜抵抗体は、電気抵抗率が従来よりも高く、高硬質
の熱的に安定なものであり、材質と共に薄膜の厚さ効果
により耐酸化性に優れている。
り、中でも、TiB2とZrB2は熱力学的安定性が高
い。これと高抵抗、高硬質で耐酸化性の優れたSiCと
の複合体薄膜をスパッタリング法にて形成して作成され
た薄膜抵抗体は、電気抵抗率が従来よりも高く、高硬質
の熱的に安定なものであり、材質と共に薄膜の厚さ効果
により耐酸化性に優れている。
実施例 SiCとTiB2またはZrB2粉末を出発原料にし、
各種重量比で混合した。成形し熱処理することによって
セラミック板とし、スパッタリング用ターゲットを作成
した。
各種重量比で混合した。成形し熱処理することによって
セラミック板とし、スパッタリング用ターゲットを作成
した。
高周波マグネトロンスパッタ装置を用い、上記ターゲッ
トをスパッタして、グレーズアルミナ基板上に薄膜を形
成した。代表的スパッタ条件を以下記す。
トをスパッタして、グレーズアルミナ基板上に薄膜を形
成した。代表的スパッタ条件を以下記す。
スパッタパワー:2KW/20cm直径ターゲット スパッタガスとガス圧:Ar,3×10-2Torr 基板温度:400℃ 基板−ターゲット距離:6cm 以下はじめにSiC−TiB2系について説明する。
上記条件で例えばTiB2:SiC=1:2重量比のタ
ーゲットを10分間スパッタした場合、1μmの膜厚の
金属光沢を有す薄膜が得られた。サーマルヘッドの一般
の使用温度350℃を考慮して、スパッタ時の基板温度
はそれより少し高い400℃としたが、200〜700
℃の範囲で変化させても金属光沢のある同様な薄膜を得
ることができた。薄膜とターゲットの組成はオージエ分
光分折と原子吸光分折でほぼ同一であることが判った
が、X線回折で薄膜はハローピークを示し、結晶相の固
定はできない。しかし、Ti,B,SiおよびCの4元
素からなる種々の硬質合金TiB2,TiC,B4C,
SiCおよびTiSi2等の結合を有する複合合金薄膜
と考えられる。
ーゲットを10分間スパッタした場合、1μmの膜厚の
金属光沢を有す薄膜が得られた。サーマルヘッドの一般
の使用温度350℃を考慮して、スパッタ時の基板温度
はそれより少し高い400℃としたが、200〜700
℃の範囲で変化させても金属光沢のある同様な薄膜を得
ることができた。薄膜とターゲットの組成はオージエ分
光分折と原子吸光分折でほぼ同一であることが判った
が、X線回折で薄膜はハローピークを示し、結晶相の固
定はできない。しかし、Ti,B,SiおよびCの4元
素からなる種々の硬質合金TiB2,TiC,B4C,
SiCおよびTiSi2等の結合を有する複合合金薄膜
と考えられる。
薄膜の硬度を測定した結果、組成に対する依存性が少
く、ヌープ硬度2000を得、SiC単体と同一で非常
に硬いことが明らかになった。このことは従来発熱抵抗
体上に設けていた保護膜層を抵抗体に耐酸化性があれば
無くすか、極力薄くできることを意味し、サーマルヘッ
ドを高効率化できる。ターゲットの組成を種々変えて薄
膜を作成し、その電気抵抗率の測定を行った。その結果
を図に示した。
く、ヌープ硬度2000を得、SiC単体と同一で非常
に硬いことが明らかになった。このことは従来発熱抵抗
体上に設けていた保護膜層を抵抗体に耐酸化性があれば
無くすか、極力薄くできることを意味し、サーマルヘッ
ドを高効率化できる。ターゲットの組成を種々変えて薄
膜を作成し、その電気抵抗率の測定を行った。その結果
を図に示した。
TiB2のみの組成では4×10-4Ω・cmの抵抗率を持
った薄膜が得られた。この抵抗率では従来の抵抗体薄膜
の値とほとんど同一で、発熱体セグメントの厚さを従来
より大きすることができない。少なくともとも1×10
-3Ω・cm以上の値が必要である。そのためには図よりS
iCの含量を0.2重量比以上にすればよいことが判
る。SiCの含量が増すと抵抗率が増加し、0.8重量
比のSiCを含んだ場合には1×10-1Ω・cmになる。
このように抵抗膜の抵抗率を組成を変化させることによ
り、アナログ的に変えられることは、サーマルヘッドの
発熱体を設計する上で非常に有利である。このことも本
発明の薄膜抵抗体の特徴の1つになっている。
った薄膜が得られた。この抵抗率では従来の抵抗体薄膜
の値とほとんど同一で、発熱体セグメントの厚さを従来
より大きすることができない。少なくともとも1×10
-3Ω・cm以上の値が必要である。そのためには図よりS
iCの含量を0.2重量比以上にすればよいことが判
る。SiCの含量が増すと抵抗率が増加し、0.8重量
比のSiCを含んだ場合には1×10-1Ω・cmになる。
このように抵抗膜の抵抗率を組成を変化させることによ
り、アナログ的に変えられることは、サーマルヘッドの
発熱体を設計する上で非常に有利である。このことも本
発明の薄膜抵抗体の特徴の1つになっている。
SiCが0.8重量比より多くなるとサーマルヘッドの
発熱体薄膜の厚さが数μm以上となり、エッチング加工
に対する困難さがでてくる。一般に組成的にはSiCが
多い程エッチングがしずらい。従って適当な組成範囲は
SiCの重量比で0.2〜0.8がサーマルヘッド用抵
抗体薄膜として適当である。
発熱体薄膜の厚さが数μm以上となり、エッチング加工
に対する困難さがでてくる。一般に組成的にはSiCが
多い程エッチングがしずらい。従って適当な組成範囲は
SiCの重量比で0.2〜0.8がサーマルヘッド用抵
抗体薄膜として適当である。
次にサーマルヘッドの発熱体最高温度である400℃で
耐酸化性のエッチングテストを行った。一対の金電極膜
をつけたAl2O3基板上に3000Åの厚さの薄膜を
形成し、それを400℃の温度で空気中に保持し、抵抗
の変化を時間と共に調べた。その結果、各種組成膜で2
000時間後20%以内の抵抗上昇が見られた。一方同
じ構成で作成した窒化タンタル膜では24時間後抵抗が
2倍に増加していた。このことから本発明の抵抗体薄膜
は従来の窒化タンタル膜に比べ、優れた耐酸化性を持つ
材質であることが判る。
耐酸化性のエッチングテストを行った。一対の金電極膜
をつけたAl2O3基板上に3000Åの厚さの薄膜を
形成し、それを400℃の温度で空気中に保持し、抵抗
の変化を時間と共に調べた。その結果、各種組成膜で2
000時間後20%以内の抵抗上昇が見られた。一方同
じ構成で作成した窒化タンタル膜では24時間後抵抗が
2倍に増加していた。このことから本発明の抵抗体薄膜
は従来の窒化タンタル膜に比べ、優れた耐酸化性を持つ
材質であることが判る。
つぎにSiC−ZrB2系について上記SiC−TiB
2系とほとんど同様な検討を行った。ZrB2はTiB
2と電気的および化学的性質はよく似ている。TiB2
の場合と同様に各種組成で金属光沢のある薄膜が得ら
れ、X線回折パターンもハローピークであり、硬度もT
iB2の場合と同じであった。ただ組成に対する抵抗率
が多少高めであり、その変化を同じく図中に破線で示し
た。ZrB2単体では5.3×10-4Ω・cmでTiB2
の場合より約30%増しの抵抗率であるが、SiC含量
が多くなるとSiC−TiB2系の組成対抵抗率の関係
と同一関係に近づく。1×10-3Ω・cm以上の抵抗率が
やはり、SiCの0.2重量比以上で確集に得られる。
耐酸化性のエージングテストもSiC−TiB2系と同
等の結果が得られた。
2系とほとんど同様な検討を行った。ZrB2はTiB
2と電気的および化学的性質はよく似ている。TiB2
の場合と同様に各種組成で金属光沢のある薄膜が得ら
れ、X線回折パターンもハローピークであり、硬度もT
iB2の場合と同じであった。ただ組成に対する抵抗率
が多少高めであり、その変化を同じく図中に破線で示し
た。ZrB2単体では5.3×10-4Ω・cmでTiB2
の場合より約30%増しの抵抗率であるが、SiC含量
が多くなるとSiC−TiB2系の組成対抵抗率の関係
と同一関係に近づく。1×10-3Ω・cm以上の抵抗率が
やはり、SiCの0.2重量比以上で確集に得られる。
耐酸化性のエージングテストもSiC−TiB2系と同
等の結果が得られた。
以上説明した高抵抗率、高硬度および耐酸化性に優れた
抵抗体薄膜は、上記サーマルヘッドのみならず、他の応
用たとえば混成集積回路用抵抗体や薄膜ヒータを利用し
たデバイスにも当然応用し得るものである。
抵抗体薄膜は、上記サーマルヘッドのみならず、他の応
用たとえば混成集積回路用抵抗体や薄膜ヒータを利用し
たデバイスにも当然応用し得るものである。
発明の効果 本発明の抵抗体薄膜は1×10-3〜1×10-1Ω・cmの
抵抗率を有し、組成を変えることによって所望の抵抗値
を選ぶことができる。上記抵抗率により、例えば100
0Å〜数μmの従来より厚いサーマルヘッド用発熱体を
作成することができる。従って安定な材質自身の特性と
共に厚さ効果によって耐酸化性の優れた、すなわち高信
頼性の薄膜発熱抵抗体が得られる。また硬度がSiCと
同じであるので発熱抵抗体表面の保護層を無くすか、極
力薄くして熱効率の高いサーマルヘッドが作成できる。
他の薄膜抵抗体を利用したデバイスに対しても安定な種
々の抵抗率を持つ抵抗体を提供し得る。
抵抗率を有し、組成を変えることによって所望の抵抗値
を選ぶことができる。上記抵抗率により、例えば100
0Å〜数μmの従来より厚いサーマルヘッド用発熱体を
作成することができる。従って安定な材質自身の特性と
共に厚さ効果によって耐酸化性の優れた、すなわち高信
頼性の薄膜発熱抵抗体が得られる。また硬度がSiCと
同じであるので発熱抵抗体表面の保護層を無くすか、極
力薄くして熱効率の高いサーマルヘッドが作成できる。
他の薄膜抵抗体を利用したデバイスに対しても安定な種
々の抵抗率を持つ抵抗体を提供し得る。
図はSiCとTiB2およびSiCとZrB2の混合比
を変えたターゲットから作成した薄膜抵抗体の抵抗率の
組成変化を示すグラフである。
を変えたターゲットから作成した薄膜抵抗体の抵抗率の
組成変化を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】SiCと、TiB2またはZrB2の混合
ターゲットを用い、スパッタリング法にて形成したこと
を特徴とする薄膜抵抗体。 - 【請求項2】SiCと、TiB2またはZrB2の重量
比が2:8から8:2の範囲にあることを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の薄膜抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60233646A JPH0640521B2 (ja) | 1985-10-18 | 1985-10-18 | 薄膜抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60233646A JPH0640521B2 (ja) | 1985-10-18 | 1985-10-18 | 薄膜抵抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6292402A JPS6292402A (ja) | 1987-04-27 |
JPH0640521B2 true JPH0640521B2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=16958301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60233646A Expired - Lifetime JPH0640521B2 (ja) | 1985-10-18 | 1985-10-18 | 薄膜抵抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0640521B2 (ja) |
-
1985
- 1985-10-18 JP JP60233646A patent/JPH0640521B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6292402A (ja) | 1987-04-27 |
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