JPH0640201U - コンクリート用型枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、軽量かつ強靭な型枠を得ること
を目的としたものである。 【構成】 木製の方形枠の内側に、所定の貫通孔を有す
る合成樹脂製の発泡板を嵌着すると共に、その外側を無
機又は有機の繊維材で被覆し、全体に合成樹脂を含浸硬
化させたコンクリート用型枠。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、軽量かつ強靭な型枠を得ることを目的としたコンクリート用型枠 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンクリート用型枠については、木製が一般的であるが、一部金属製の ものも知られている。

【０００３】

【考案により解決すべき課題】

前記従来の木製型枠は、比較的変形（湾曲など）し易く、これを補強すれば重 量が大きくなる（しばしば６０cm×１８０cmで１５kg）問題点があった。

【０００４】 一方金属型枠は強度上は十分満足であるが、重量が大きいのみならず高価にな る問題点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

然るにこの考案は、木製枠の内側へ合成樹脂製の発泡板を嵌着し、全体を繊維 で被覆すると共に、合成樹脂を含浸させて一体化したので、軽量、強靭でしかも 釘打ち容易な型枠を得たのである。

【０００６】 即ちこの考案は、木製の方形枠の内側に、所定の貫通孔を有する合成樹脂製の 発泡板を嵌着すると共に、その外側を無機又は有機の繊維材で被覆し、全体に合 成樹脂を含浸硬化させたことを特徴とするコンクリート用型枠である。また木製 の形枠は、矩形又は正方形とし、その内側に補強材を縦又は横或いは縦横に設置 したものであり、繊維材は、ガラス繊維、炭素繊維、又はポリエステル繊維の網 、織布又は不織布とし、これを単独又は複合して用いたものである。次に他の考 案は、発泡板の貫通孔にシラスバルーン又は中空球を充填したものであり、方形 枠は天然木材、合成木材又は集成材としたものである。

【０００７】 前記における無機繊維は例えばガラス繊維を不織布として用いるが、その外側 にポリエステルの不織布を被覆すれば、ガラス繊維の突出を防止することができ て良好である。尚、ポリエステルはコンクリートに対する剥離性も良好であり、 型離れを良くする為の表面処理も不用となる。然してコンクリートの仕上げ面も 良好である。

【０００８】

【作用】

この考案は、木製の方形枠内へ発泡板を嵌着し、その外側を繊維で被覆すると 共に、全体に合成樹脂を含浸硬化させたので、軽量、強靭で、保釘性がよく、繰 り返し使用（５０回位）することができる。また比較的撓み量が少ないので、型 枠に使用する場合の保形材を簡単にできる。

【０００９】

【実施例】

この考案の実施例を図１、２について説明する。

【００１０】 厚さ１．０cm、巾３．０cmの天然木板を使用して、長さ１８０cm、巾６０cmの 矩形枠１を作り、この矩形枠１の中央部へ長辺と平行して厚さ１．０cm、巾８． ０cmの補強材２を固定し、前記矩形枠１の枠辺と、補強材２との間に厚さ１１mm 、巾２３cmの合成樹脂製の発泡板３を夫々嵌着する。

【００１１】 この発泡板３は例えばポリエチレンをスチレンで変性した２０倍の独立気泡発 泡板で比重０．１以下とする。

【００１２】 前記発泡板３には直径１cmの貫通孔４が多数穿設してある。 シラスバルーンを充填する。

【００１３】 前記矩形枠１と、発泡板３の外側へガラス繊維よりなる不織布５（３００g ／ ｍ² ）を二回巻きつけ、その外側へポリエステル繊維よりなる不織布６を被着し た後、全体に合成樹脂を含浸させて硬化したものである。

【００１４】 前記において、含浸した樹脂は、木枠及び繊維を一体化するのみならず、穿通 孔４を通じて上下不織布を連結強化することができる。

【００１５】 この考案の型枠は、短辺側の両端を支持（ｌ＝１７０cm）し、中心部へ２０kg の重錘を載せた所、中央部における最大下降距離ｈは２．３cmであった（図３） 。

【００１６】 これに対し、厚さ１２mmの木板を同一大きさにして試験した所、最大下降距離 ｈは４．０cmであった。

【００１７】 また前記実施例のコンクリート用型枠の比重は、０．６であったが、木板は０ ．８であった。従ってこの考案の製品は軽量かつ湾曲しにくいことがわかる。

【００１８】

【考案の効果】

この考案によれば、木枠があるので、従来の型枠と同様に、釘打ち、連結、保 形性などを期待し得ると共に、強靭であって、曲げ抗力が大きいなどの効果があ る。

【００１９】 また木製又は金属製に比して型剥れがよく（コンクリートの付着性が小さい） 剥離の為の表面処理を必要としない効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の一部を破切した平面図。

【図２】同じく一部断面拡大図。

【図３】強度試験の説明図。

【符号の説明】

１ 矩形枠 ２ 補強材 ３ 発泡板 ４ 貫通孔 ５、６ 不織布

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木製の方形枠の内側に、所定の貫通孔を
   有する合成樹脂製の発泡板を嵌着すると共に、その外側
   を無機又は有機の繊維材で被覆し、全体に合成樹脂を含
   浸硬化させたことを特徴とするコンクリート用型枠。
2. 【請求項２】 木製の形枠は、矩形又は正方形とし、そ
   の内側に補強材を縦又は横或いは縦横に設置した請求項
   １記載のコンクリート用型枠。
3. 【請求項３】 繊維材は、ガラス繊維、炭素繊維、又は
   ポリエステル繊維の網、織布又は不織布とし、これを単
   独又は複合して用いた請求項１記載のコンクリート用型
   枠。
4. 【請求項４】 発泡板の貫通孔にシラスバルーン又は中
   空球を充填した請求項１記載のコンクリート用型枠。
5. 【請求項５】 方形枠は天然木材、合成木材又は集成材
   とした請求項１記載のコンクリート用型枠。