JPH0639771B2 - 取入水門の自動降下装置 - Google Patents

取入水門の自動降下装置

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JPH0639771B2
JPH0639771B2 JP11004585A JP11004585A JPH0639771B2 JP H0639771 B2 JPH0639771 B2 JP H0639771B2 JP 11004585 A JP11004585 A JP 11004585A JP 11004585 A JP11004585 A JP 11004585A JP H0639771 B2 JPH0639771 B2 JP H0639771B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、河川等から取水する目的をもって構築された
水門の自動降下装置に関するものである。
(従来技術・発明が解決しようとする問題点) 従来、水門扉を水門閉塞のために下降させるのに下降信
号として水位を利用した装置がある。水位を信号とした
場合、河川水位の増減による取水量の変化を取入水門の
開度によって調節していたが、遠隔地である場合は手間
がかかり、また夜間の洪水には対処しにくい等の問題が
あり、これに対し、所定水量に達するまで常時堰上流水
位を一定に保持するゴム(袋状)堰等の可動堰が開発さ
れているが、取入水門の降下開始水位(以下、降下水位
という)を検知することができない。また、堰上流水位
を一定に保持しない堰においては、(a)降下水位を堰の
倒伏開始水位(以下、倒伏水位という)より低くする
と、特に、空気ゴム堰の場合は越流水深が小さいので、
その弊害が大きく、また取水したいのに取水できないと
いう利水面での弊害があり、(b)降下水位を倒伏水位よ
り高くすると、堰が一旦倒伏して河川水位が低下し、大
洪水の場合など再び水位が上昇し降下水位に達するまで
の間大量の水が取水され、湿害を招くという治水面での
弊害がある。そこで、本発明は従来の問題点を解決する
ために、ゴム堰等の可動堰の堰体の倒伏と取入水門の下
降を同時に行えるように構成した取入水門の自動降下装
置を提供するものである。
(問題を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するために、河川の側壁にラッ
ク杆を立設した水門扉の昇降により取水する取入水門を
設け、該取入水門の下流側に、流体圧力により起倒させ
る可動堰を河川を横切って設け、 該可動堰の起立時と倒伏時の流体圧力の圧力差を作動力
に変換するフロートまたはピストンを設け、該フロート
またはピストンは、前記ラック杆に連繋する爪歯車を係
止する爪を、可動堰の倒伏と同時に解放するように設け
たことを特徴とする。
(作用) 本発明は上記構成からなるものであるから、可動堰が倒
伏する時に爪が爪歯車から外れるので、自動的に取入水
門の水門扉を自重で降下させることができる。
(実施例) 本発明の第1実施例を第1図〜第3図にもとづいて説明
する。
第1図において、河川を横切ってゴム袋状の堰体1が河
床に取付けられている。堰体1はこの実施例では二要素
すなわち、インナチューブ2とアウタチューブ3とから
なっている。堰体1は、送風装置4によるインナチュー
ブ2への送気によって、アウタチューブ3内に河川水を
吸引することによって起立し、そして、後述の制御装置
5によってインナーチューブ2内の気体を排出すること
によって倒伏する。
図中、6は、送風装置4とインナチューブ2に連通し、
その途中から制御装置5と後述するタンク7に連通する
通気管である。
タンク7は、第2図に示すように、全周面が密閉されて
おり、その頂部に通気管6が接続され、その底部には連
通管8の一端が接続されている。連通管8の他端は、上
方に開口を有するシリンダ9の底部に接続されており、
その途中はU字形を呈している。
シリンダ9の底部はタンク7より上方に位置するように
配置されている。タンク7からシリンダ9にかけて適当
量の油10が封入されている。シリンダ9内にはフロー
ト11が内装されており、フロート11はリンク機構1
2を介して脱落装置13のフレームに回転自在に取付け
たL型アーム14の一端部14aに連結されている。L型
アーム14の他端部14bにはローラ14cが回転自在に取付
けられている。アーム14の一端部14aと他端部14bとは
枢着点13dに対し90度より小さい角度で位置してい
る。アーム14の一端部13aと枢着点13dとを結ぶ線が水
平となった状態(正規の状態という)を維持するための
ストッパ15がフレームに固定され、アーム14の他端
部14bの反時計方向の回転を規制している。
爪金具17はフレームに25を中心に回転自在に枢着さ
れている。アーム14の正規の状態において、爪金具1
7に対し基端を回転自在に枢着したレバー16の自由端
がアーム14のローラ14c上に当接するように設けら
れ、レバー16はばね18によって常時時計方向(当接
方向)に付勢されている。
レバー16は枢着個所19の附近に爪20を有し、爪2
0先端部は爪金具17に回転自在に枢着された爪21の
基部の係止部22に係合し、爪21の回転を止めること
によって、フレームに回転自在に支承した軸23に固設
した爪歯車24の反時計方向の回転を阻止する。また、
軸23には、スプロケット26が固設されており、チェ
ーン27を介して巻上機30に回転自在に取付けた操作
軸31上に設けたスプロケット32に連繋される。操作
軸31上にはピン歯車33が固設され、ピン歯車33は
水門扉40に固定されたラック杆41と咬合っている。
水門扉40はピン歯車33を引上げ方向に適宜の手動ま
たは駆動手段によって回転することにより引上げられ
る。
次に、制御装置5の一実施例を第3図に示す。図中、河
床を0.00とし、堰体1の越流水の高さを1.00とし、各要
素の高さをこれらの高さに対する比として表わしてい
る。制御装置5は、一つの室5Aを有し、概略堰体上流
河川に開口し、最終的にサイフォンを介して堰体下流河
川口開口する流水路で、堰体位置の護岸内にある。
アウターチューブ3内に一端を開口する通水管51の他
端は、制御装置室5Aの下流端近くの水中に開口してい
る。インナーチューブ2の内部は、通気管6および送気
管6′により送風装置4へ、通気管6の分岐管6により
制御装置室5Aおよびタンク7に夫々通じている。通水
管51の下流側開口部の個所に制御装置室5Aを横断し
た通水板52があり、この通水板52には河床附近の高
さに小面積の通水口52aと、所定の堰上水面附近に非常
水口52bを有する。制御装置室5Aの下流端には、サイ
フォン53があり、このサイフォン53は、堰体下流河
川の河床附近に開口するが、水理学的にサイフォンを構
成し得る構成で、そのクレストは、堰上水面より僅かに
低い位置にある。その他、制御装置室5A内にはその底
部附近から、水面上まで延びている過給気防止槽54
と、水底附近に排気槽55および制御槽56と、水面附
近に逆流防止槽57および給水槽58があり、これらは
いずれも四方を密閉されている。
過給気防止槽54内の底部には通気管6の一端6aが開
口し、これより低い側面から保水管59が分岐し、保水
管59は水中に開口している。通気管6の一端6aの高
さは、堰体の起立開始後、上流河川水位の上昇にともな
って、増加するインナーチューブ2内の気圧に対してこ
の開口部に働く水圧によって対抗するため、河床附近の
高さに置く。
また、保水管59の開口端の高さは、初期において発生
する気圧に対抗する関係上、ほぼ中間の深さに位置する
こととなる。過給気防止槽54の頂面には逃気管60お
よび警笛61が接続され、いずれも他端は空中に開口し
ている。逃気管60の径は、過給気防止槽54内の空気
に圧力が加わり、これにより、適正な風量が警笛を通過
するように適当に定められる。
制御槽56の頂面には、他端が空中に開口する導気管6
2が連結され、その途中に点検弁63が設けられてい
る。同槽56内には、起立すべき河川水位(0.20)に下
端が合致し、側方を密閉され、頂面に通気膜64aを有す
る給気枠64が設けられ、この頂面に接続する給気管6
5の上端は給水槽58内の頂面近くに開口している。通
気膜64aは、布製で両面とも空気に接触している時は良
好な通気性を示し、一面が水に接触している時はその表
面張力により、通気を阻む機能を果す。通気膜の能力に
応じて、給気枠の高さはなるべく大きく定められる。ま
た同槽内には、上記通気膜64aより僅かに高く上方に開
口し、給気枠64の下端より、内上面が僅かに低い位置
から反転して上昇し、給気管65より僅かに高い上端を
有するU字管66がある。給水槽58の仕切板58aの上
端は、給気管65のそれより僅かに低い。仕切板58aの
右側の区画の所定の堰上水面の高さには、ブレーカー6
7の鋸状開口部67aが開口し、給気管65の上端と同じ
高さに、小径の吸気口67bが開口し、他端はサイフォン
53の頂面に開口しており、鋸状開口部と同区画の底面
から導水管68が分岐し、下端は拡径して起立すべき水
位以下の水中に開口している。ブレーカー67の頂部附
近からは、小径の吸水管69が分岐し、他端は注水管7
0の頂部に開口している。注水管70の一端は給水槽5
8の右側の区画の堰上水面以下の部分に下向に開口し、
その他端は水位調節中において、サイフォン53の発生
する負圧により吸い上げられる水面より十分に高く、倒
伏時において、吸い上げられる水面より低い位置に内下
面を定めるため頂部を経由して、反転し、制御槽56内
の給気枠64の下端より低い位置に下向に開口する。
また、排気槽55の上部には通気管6の一端が開口し、
給気枠64と同一の構造の排気枠71が内蔵され、これ
に放気管72が接続し、他端は空中に開口している。そ
の途中、十分に低い位置、すなわち、インナーチューブ
2内の気圧がもっとも弱い場合における排気開始時にお
ける放気管72内の水面より低い位置から給水管73が
分岐し、他端は逆流防止槽57内の上部に開口し、その
底面附近に開口する送水管74は、給気枠64の下端よ
り低い位置を通ってから反転上昇して、給水槽58内の
左側区画内の底面より相当上に給水管73と同じ高さを
もって、開口している。これら両開口部は給気管65の
それよりも排気槽55等を水封するに要する水量を貯水
する分だけ低いが、給気管65の上端は注水管70の上
端を基準にし、給水槽15の頂面およびU字管66を考
慮して、なるべく高く定められる。
排気枠71の上下位置は、給水管73の上端と、インナ
ーチューブ2内の気圧を考慮して決定される。
また、安全装置として、排気槽55の底部に、給水管7
3に比し十分に大きな非常サイフォン75aが開口し、給
水管73の上端と同じ高さのクレストを経て、堰高の略
半分の高さから、再度上向きに転じて、最下端内上面よ
り、高く、堰体下流河川内に上向に開口し、出口附近に
小さな排水口75bがある。放気管72と非常サイフォン7
5aの排気槽側は給水管73とほぼ同じ高さと径を有する
贈気管75cにより連通し、非常サイフォン75aの出口側上
端には、同じく小さな始動管75dが開口し、他端は所定
の高さに開口し、その上方と側方は笠金物75eによって
塞がれ、一体となって、この部分にも、サイフォンを構
成している。また、通水板52の直上流に開口し、これ
を貫通する排泥管76の他端はサイフォン53の下流側
内部に開口している。
なお、送気管6′の操作に適当な位置から非常排気管7
7が分岐し、途中、排気弁78を介して他端は空中に開
口している。さらに、通気管6と送気管6′の接続点と
過給気防止構54の間の通気管6に強制起立弁79が設
けてある。
その他塵芥、および堆砂堆泥対策として制御装置室5A
の上流側入口には、下端に通水断面を確保し、河川護岸
面をほぼ一致する位置にあって、水面上まで遮蔽する遮
蔽板80があり、その下流には河床から堰高の略半分の
高さに達する遮泥板81がある。また給水槽58の左側
区画の右端底面に洗滌弁83を設けた洗滌管82があ
る。
次に、制御装置5の作用について説明する。先ず起立機
能から説明する。起立開始時においては、過給気防止槽
54および排気槽55内は満水となっている。したがっ
て、送気装置4を運転することによりインナーチューブ
2内に送気し、気圧が高まると、過給気防止槽54内へ
通気管6の開口部6aから空気が水圧に抗して、噴出
し、水中を気泡となって上昇し、逃気管60および警笛
61を通じて大気中に放出される。その際、警笛61が
警報を発し、送気装置4の運転は停止される。これによ
って、河川の流水は堰止められ、遮泥板81上を越流
し、通水口52aおよび通水管51を経てアウターチュー
ブ3内に流入し、インナーチューブ2の浮力により、堰
頂と上流河川水位の上昇が続けられる。上流水位が所定
に近ずくと、サイフォン53のクレストから越流が生
じ、一方、一連の流水路は通水口52a位置において狭窄
されているので、起立のために使用し得る堰体内水位は
上流水位より僅かに低いが、アウターチューブ3および
インナーチューブ2の周長は十分に大きくしてあるので
上流水位は所定の高さに達する。
次に水位調節機能について説明する。上流水位が所定の
高さになると、サイフォン53内の空気は、流水により
連続して排出され、一方、導気管62から補給される
が、途中鋸状開口部67aが半ば水没し狭窄されるので、
サイフォン53への空気供給は制限され、サイフォン5
3内は負圧となり、サイフォン作用を生じ、排水量が増
加し、通水管51の開口部の水位、すなわち、堰体内水
位が抑えられて、水位の上昇は停止し、水位は所定の高
さに保たれる。したがって、流量が減少し、水位が下り
過ぎた場合には、この狭窄は緩和され、流量が増加し、
水位が上り過ぎた場合は狭窄が強化され、上流水位は自
動的に一定に保たれる。
次に、洪水により、自動的に倒伏する機能について説明
する。洪水時には、上記の水位調節機能により、堰頂は
自動的に低下し、遂にはインナーチューブ2は、アウタ
ーチューブ3を介して河床に接触する。この状態に達す
るともはや水位調節機能は失われ、僅かに上流水位が上
昇し、鋸状開口部67aが水没するが、吸気口67bは小さい
のでサイフォン53内は負圧となり、ブレーカー67お
よび吸水管69を通じて注水管70に伝達され、吸い上
げられた水が制御槽56内に注水され、給気枠64が水
没し、給水槽58内は一切外界から遮断され、一方、同
槽内の空気は吸気口67bから吸引され排出されるので、
負圧となり、導水管68および給水管73からの給水に
より、給水槽58内の水面が上昇し、吸気口67bの上端
に達し、以後、ブレーカー67内の水面が上昇して、一
連のサイフォンが形成され、給水槽58からの排水量は
激増する。しかしながら導水管68の口径は十分に小さ
いので、給水槽58内の圧力は著しく低下し、同時に、
放気管72内の水面と排気槽55内の水圧が低下し、イ
ンナーチューブ2内の空気圧により、一気に排気槽71
の下端まで押し下げられ、排気が開始される。この際、
給水管73内に存在していた空気は逆流防止槽57内に
吸引され、移動するので、同槽内の水面は、給水管73
の上端より僅かに低くなり、この分だけ放気管72内の
水面は、給水槽58内の水頭より高くなるが、僅かな高
低差になるよう逆流防止槽57の水平面積は大きくして
あるので支障はない。
また排気開始と同時に、給水槽58内の水は、逆流防止
槽57を通って放気管72内に逆流しようとするが、排
気開始時における給水槽58内の水頭よりも給水管73
の上端は高くしてあるので、逆流はこの部分で阻止され
る。勿論、排気枠71、放気枠72、および給水管73
内の水の一部は、排気槽55内に排気開始と同時に再び
落下し、排気枠71の下端は水没するが、すでに通気膜
71aは両面とも空気に接触し、通気性を回復しているの
で、この部分を通じて排気は継続され、またサイフォン
53のサイフォン作用により、強制的に堰体内の水は排
出されるので、堰体は完全に倒伏する。
次に、洪水時以外に、人為的に倒伏させる場合の装置の
機能について説明する。起立状態において、人為倒伏弁
63を閉じればサイフォン53内が外気から遮断される
ので、注水管70から制御槽56内へ注水され、倒伏す
る事は勿論である。この場合における装置の各部分に生
ずる現象は、洪水により倒伏する場合と全く同じである
から常時、簡便に各部分の機能を総合的に点検できる。
したがって、人為的に倒伏させる場合には、なるべく人
為倒伏弁63を用いる事が好ましいが、これらの各装置
の全てが異常となり、緊急を要する時は非常倒伏弁78
を開けば倒伏する事は勿論である。
次に、制御装置5がタンク7に与える作用について説明
する。
堰体1が起立した状態では、インナーチューブ2の圧力
に比例して、タンク7の液面およびこれに関連してフロ
ート11が上下する。いま、インナーチューブ2内の圧
力が上昇すると、フロート11はその自重に比べて油の
上昇によって得られる浮力が勝るように体積は十分に大
きく、更にフロート11を除くシリンダ9の水平面積に
比べタンク7の水平面積は十分に大きくしてあるので、
フロート11は上昇を開始し、連動するリンク機構12
を介してアーム14は反時計方向に回転し、ストッパ1
5に当って止まる。このときフロート11の上昇も停止
する。
ひき続き上昇するインナーチューブ2の内圧によって、
タンク7およびシリンダ9の液面の高低差は大きくなる
が、フロート11は既に液面下に埋没しているので浮力
はそれ以上大きくならない。しかしながら、フロート1
1の埋設させるに要する内圧の大きさは堰体1が起立し
ている時の内圧に比べると僅かなので、フロート11が
容易に下降することはない。また、最大内圧が働いても
タンク7側の液面が連通管8の最低部内上面まで下降し
ないよう配慮されているので、インナーチューブ2内の
空気が流失して内圧低下をきたすこともない。この状態
では、爪21が爪歯車と係合し、一方向の回転を阻止し
ているので、水門扉は下降することはないが、軸23の
操作により水門扉の引上げは可能である。
次に、洪水時には、堰体1は制御装置5の作動によって
倒伏を開始し、短時間のうちにインナーチューブ2の内
圧を低下させて大気圧とする。この間シリンダ9内の油
10がタンク7に逆流を開始し、フロート11の頂部以
下まで低下するとフロート11は自重によって降下し、
リンク12を介してアーム14を時計方向に鎖線位置ま
で回動させる。これによってレバー16は支点19を中
心として回動し、爪21の係止部22を押下げ、レバー
16と爪21の係止部22との接触点が外れたとき、爪
21はその枢着点を中心に回動し、爪金具17はその枢
着点25を中心に回動するので、爪21は爪歯車24か
ら外れ、爪歯車24は自由になるので、水門扉は自重で
降下して水門を閉じる。
本発明の第2実施例を第4図、第5図にもとづいて説明
する。第1実施例と同一または類似の部材については同
一番号を附し、詳細な説明は省略する。
この実施例では、堰体1として、水のみを内部に供給ま
たは排出することにより起伏させる袋状ゴム堰を採用し
た場合を示している。
堰体1の内部は、その底部に開口する通水管100によっ
て自動倒伏装置101および給水装置102を通じている。更
に、通水管100には圧力指示管9が接続されている。圧
力指示管9の他端は取入水門付近に開口し、その内部に
はフロート11が摺動自在に挿入されている。
フロート11がリンク12を介して脱落装置13に接続
され、脱落装置13は巻上機30に連繋されている構成
は第1実施例と同様である。
自動倒伏装置101は第5図に示す構成となっている。
通水管100の端部開口部100aには弁体103が開閉自在に設
けられており、弁体103が開の状態で、堰体1内の水を
排出して、堰体1を倒伏させる。
弁体103は、フロート室106内に収納されたフロート105
と後述の弁解放リンク機構104を介して連結されてい
る。フロート室106は、所定水位に開口する欠口堰106a
および側水路107を介して堰体上流河川に通じ、そして
底部に設けた小さな流出口106bおよび前記流出口109を
もって下流河川に通じている。
弁体103には厚いゴム製の止水材103aが取付けられ、排
水管100の開口部に正しく着座するようにカウンターウ
ェイト103bが設けられ、全閉状態において排水管100の
中心線の線上となる部分においてヒンジaにより回転自
在にリンクbに連結され、リンクbはヒンジcにより適
宜手段に回転自在に支持されている。リンクbの上端は
ヒンジdにより、リンクcに連結され、リンクcの他端
はヒンジfにより、リンクgに連結され、その他端は支
点hにより回転自在に支持されている。
弁体103が全閉の状態にあってはリンクbは弁座に平行
で、リンクeおよびgはほぼ直線で、弁座に対しては直
交状態にある。
また、ヒンジfにはロッドiが他の2リンクにほぼ直交
する状態で連結され、その上端はヒンジjにより、ほぼ
水平なアームkに連結されている。アームkは支点lに
より、回転自在に支持されアームkの一端にはヒンジm
によりフロート105が懸垂され、他端にはカウンターウ
ェイトnが取付けられている。
フロート105は弁体103の全閉状態において底面が下流河
川より僅かに高く、全開状態において頂面が上流河川水
面と一致するようになっている。また、フロート室106
の欠口堰106aのクレストの高さは洪水に対処して自動的
に倒伏すべき時の上流河川水位に合致し、流出口106bは
フロート室の底面にある。なお、フロート室106の上流
面には人為倒伏弁108を装着する短管または孔が設けて
あり、側水路107の水中に開口している。
次に、作用について説明する。
先ず、上流河川水位が所定の高さに達すると、側水路10
7内の水が欠口堰106a上を越流し、フロート室106は満水
となり、フロート105に浮力が働く、フロート105は水中
においても僅かに重量があるように重くされているの
で、この時浮力によってこれを懸垂しているロッドiが
傾くことはない。したがって、ヒンジmが持ち上げら
れ、リンクiを介してヒンジfが押下げられるが、リン
クgが支点hに支持されているので、ヒンジdが引き寄
せられ、リンクbが支点cによって支持されているの
で、ヒンジaに引張られて、弁体103は全開状態とな
り、堰体は倒伏する。この状態は第5図で二点鎖線で示
してある。
堰体が倒伏し始めると、フロート室106内への流入水は
なくなり、一方、流出孔106bから流水するので室内の水
面は徐々に低下するが、極めて小さな孔に過ぎないの
で、水面の低下は僅かである。倒伏完了後においては十
分な時間的余裕をもってフロート室106内の水位は徐々
にではあるが低下する。したがって、フロート105も徐
々に低下し、したがって、上記開動作と逆の方向に各リ
ンク機構が移動して弁体103は完全に締る。
次に自動倒込装置101の圧力指示管9に対する作用につ
いて説明する。
堰体1には高い内圧をもって水が注入されており、起立
時にはフロート11に浮力が働いているので、第1実施
例で説明したと同様に、リンク機構を作動させることが
なく、従って、水門扉を降下させることもない。また、
堰体1が倒伏した時は堰体下流水位に等しい高さまで低
下するので、フロート11も降下し、リンク機構12、
脱落装置13、捲上機30を順次作動し、第1実施例で
示したように水門扉40を自動的に降下させることにな
る。
次に、本発明の第3実施例を第6図にもとづいて説明す
る。
この実施例では、油圧を利用して起伏する銅製転倒堰を
使用した場合を示している。
堰体1は、銅製の板状体で河川を横切って設けられてお
り、この堰体1の下縁は、河床に取付けた軸受110の軸
に回動自在に取付けられている。堰体1の下流側には、
河床に一部を埋設した油圧シリンダ111のピストンロッ
ド112が連結されている。シリンダ111の下部室には送油
管113の一端が接続され、送油管113の他端は一方弁11
5、ポンプ116を介して油タンク117に開口している。こ
の送油管113はその途中から分岐し、切換弁118と小シリ
ンダ119の下部室に接続されている。小シリンダ119のピ
ストンロッドにはリンク機構12が接続されている。リ
ンク機構12には前述の実施例と同様に脱落装置13、
捲上機30、水門扉40が連繋されている。シリンダ11
1の上部室には通油管114の一端が接続されており、通油
管114の他端は油タンク117に開口している。通油管114
はその途中から分岐して切換弁118と小シリンダ119の上
部室とに夫々接続されている。
なお、リンク機構12と小シリンダ119のピストンロッ
ドとの接続部は、長孔とこれに係合するロッドによって
構成することが望ましく、ピストンロッドが往復運動し
てもリンク機構12の回転運動に支障がないよう配慮さ
れている。また、切換弁118は堰体1が倒伏すべきとき
の水位に達したときに、フロート等の手段によって、シ
リンダ111、小シリンダ119の閉回路を開放して、送油管
113を通油管114への回路を形成するよう機能するもので
ある。
次に、第3実施例の作用を説明する。
ポンプ116を運転すると、シリンダ111と小シリンダ119
の各下部室に油を送り、油圧によりシリンダ111と小シ
リンダ119のピストンを押し上げ堰体1を起立させる。
この状態では脱落装置13は水門扉40を引上げ可能状
態とする。
洪水時になると、切換弁118がフロート等の手段によっ
て自動的に作動して切換えられ、シリンダ111の下部室
内の油圧は開放され、堰体1は上流側にかかる水圧によ
って倒伏され、これに伴ってシリンダ111のピストンは
下降し、油を切換弁118を通って通油管114に入るので、
送油管113内の圧力は相対圧零となる。したがって、小
ピストン119は自重により降下し、リンク機構12、脱
落装置13を前述のように作動させるので、水門扉40
は自動的に降下し、水門を閉じる。
なお、堰体を起伏させる媒体の圧力差を利用して、脱落
装置にフロート、またはピストンを接続して水門扉を自
動的に降下させる実施例を示したが、他に中空の袋に注
排する方法でも良い。
(効果) 以上のように、本発明は前掲の構成からなるものである
から、可動堰の倒伏と同時に水門扉を自動的に降下させ
ることができ、河川の水位に応じ円滑で確実な取水をす
ることができる。また、可動堰と水門扉との距離が遠く
隔たっていたとしても容易に連動させることができるの
で、取入区域の利水の調和を保つことができ、利用価値
の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第1実施例を示すものであっ
て、第1図はその概略図、第2図は脱落装置附近の拡大
側面図、第3図は制御装置の拡大側面図である。第4
図、第5図は本発明の第2実施例であって、第4図はそ
の概略図、第5図は弁解放リンク機構の拡大側面図、第
6図は本発明の第3実施例であって、その概略説明図で
ある。 1……可動堰、5……制御装置、6……通気管、7……
タンク、11……フロート、14,16,17,20,
21,24……係止手段、30……巻上機、40……水
門扉、41……ラック杆。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川の側壁にラック杆を立設した水門扉の
    昇降により取水する取入水門を設け、該取入水門の下流
    側に、流体圧力により起倒させる可動堰を河川を横切っ
    て設け、 該可動堰の起立時と倒伏時の流体圧力の圧力差を作動力
    に変換するフロートまたはピストンを設け、該フロート
    またはピストンは、前記ラック杆に連繋する爪歯車を係
    止する爪を、可動堰の倒伏と同時に解放するように設け
    たことを特徴とする取入水門の自動降下装置。
JP11004585A 1985-05-22 1985-05-22 取入水門の自動降下装置 Expired - Lifetime JPH0639771B2 (ja)

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