JPH0639730U

JPH0639730U - 内容物を絵模様で表示した合成樹脂製容器

Info

Publication number: JPH0639730U
Application number: JP8029992U
Authority: JP
Inventors: 光弘佐藤; 清則中島; 芳男阪本; 秀彦木下
Original assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd; Toyo Science Co Ltd
Current assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd; Toyo Science Co Ltd
Priority date: 1992-10-27
Filing date: 1992-10-27
Publication date: 1994-05-27

Abstract

(57)【要約】【目的】容器の外周表面に表示された絵模様が、鮮明
かつ明確に視認されて内容物が明確に識別することがで
きる合成樹脂製容器を提供する。【構成】本考案は絵模様を表示した熱成形可能なプラ
スチックシートで熱成形され、絞り比が１：０．３〜
１．１５の範囲の容器であって、該容器の外周表面にお
ける目視面積内に、絵模様のない２０〜７０％の空隙部
分をもち、且つ容器の高さ方向においてその高さに対し
て４０〜９０％の比率で前記絵模様が表示され、さら
に、該絵模様は少なくとも１ユニット以上の内容物を表
示したものであることを特徴とする内容物を絵模様で表
示した合成樹脂製容器である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、外周表面に内容物を表わす絵模様を有する合成樹脂製容器に係るもので、具体的な利用例としては、例えばいちご，メロン等のフルーツの味覚をもつゼリー，プリンその他の食品容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、内容物を印象させる絵模様が外周表面に表現された合成樹脂製の容器は種々提供されているが、これらの容器は、その表現形式により、容器の外周面全体で単一の内容物をイメージ的に表わしたものと、複数の内容物を直接的に表現したものとに大別される。前者の例としては、例えばメロンの味覚を有するプリン，アイスクリームなどの容器にみられるように、容器の外周面全体をグリーンに着色印刷して網目を白抜きし、外周面の全体をメロンの果皮状にしたものがある。また、後者の例としては、例えば即席ラーメンの容器のように、スープ中に麺，かやく類を入れた調理済みの状態を直接的に表現したものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、容器の外周面全体で単一の内容物を表現した容器は、前述したように外周表面がメロンの果皮状に形成されて容器の地模様のごとき外観を呈し、果実としてのメロンの形状が表現されていないので、このような従来の外周表面の絵模様のみでは内容物を直ちに明確に識別することができない場合があった。また、複数の内容物を直接的に表わした容器は、各内容物を一見して直ちに識別できる反面、この絵模様は、これが表示された部分の目視面積内でほぼ７０％以上を占めているために雑多で且つ乱雑な印象を呈し、商品容器としての洗練された美観を欠くものであった。本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、前記問題点を解消し、内容物を極めて写実的に表現し、陳列効果を高めた絵模様を有する合成樹脂製容器を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的に添い、本考案は絵模様を表示した熱成形可能なプラスチックシートで熱成形され、絞り比が１：０．３〜１．１５の範囲の容器であって、該容器の外周表面における目視面積内に、絵模様のない２０〜７０％の空隙部分をもち、且つ容器の高さ方向においてその高さに対して４０〜９０％の比率で前記絵模様が表示され、さらに、該絵模様は少なくとも１ユニット以上の内容物を表示したものとすることによって前記課題を解消した。本考案者らは、上記の課題を解決するため種々研究した結果、絞り比（容器の口径と高さの比）が１：０．３〜１．１５の範囲内の容器の外周表面に絵模様を表示する場合には、後述する目視面積内における絵模様と空隙部分の比率、及び容器の高さ方向において絵模様の占める比率が最も重要であり、これらを所定の比率に保ったとき、容器の外周表面における絵模様がすっきりとバランスよく表現され、しかも、内容物を一見して直ちに識別することができ、且つ商品容器としてのスマートな審美性が得られ、陳列効果も格段によいことを解明したものである。

【０００５】ここで、外周表面における目視面積とは、容器の周側面に正対したときに視認される範囲内の面積をいう（図１参照）。この目視面積は、容器の直上部を除き、求心的な各方向、例えば斜め上方からも視認されるが、これらは陳列形態などによって生ずることであり、この種の容器は購入時に手に取ってその周側面が視認されるのが通常であるから、前述したように容器の周側面と正対したときに視認される範囲に所定の比率を保てば充分である。また、空隙部分とは絵模様以外の外周表面の部分であり、絵模様とは、例えば内容物を示すフルーツのほか、その茎，葉などを極めて実物に近いように写実的に着色印刷したものをいう。これは、たとえばオレンジ，夏みかん，いよ柑，キンカン，グレープフルーツのように果実だけでは区別がつきにくい場合があり、このような時には茎や葉を添えることによって区別ができ本物らしく表現できるからである。そして、この絵模様は、たとえば果実１個、または１個の果実とそれに添えた茎と葉、あるいはバナナ，サクランボ，ブドウの１房などのように、内容物を的確に表示する最小の単位であって、これを１ユニットとする。そして少なくとも１ユニット以上の複数の絵模様が目視面積内に繰り返し表示された状態となる。

【０００６】また、目視面積の測定方法は、例えば次のようにしておこなう。容器周側面に正対した時の視野に入る容器の面積（投影面積）を、光学的方法により測定するか、模写または写真に撮り、平面に現われる絵模様部分の面積を測定すればよい。そして平面に現われた容器の前記目視面積と絵模様部分の面積との差が絵模様のない部分、即ち、空隙部分の面積となる。

【０００７】

【作用】

この容器は、外周表面の目視面積内において、空隙部分の比率を２０〜７０％の範囲内で設定するから、容器に比して絵模様が細小化し空疎な外観となることなく、この絵模様から内容物が容易に識別できる。また、容器に比して絵模様が過大となり乱雑な外観を呈することも防止される。さらに、前記絵模様が容器の高さ方向において、その高さに対し４０〜９０％の比率内に表示するから、容器の成形時において、容器の形状、大きさ及び成形方法などの諸要因により、絵模様が積層シートの延伸方向、すなわち、容器の高さ方向に変形しても目視面積内でのバランスが損なわれることはない。

【０００８】

【実施例】

図１は、本考案の容器の一実施例を示す正面図で、本実施例では、りんごの味覚を有するゼリーを内容物として充填した容器１の外周表面に、りんごの絵模様２を表わした例を示す。内容物の味覚を表わすりんごの絵模様２は、赤色の果実３、褐色の茎４、緑色の葉５からなっており、容器の目視面積内に約６０％の空隙部分６を保ってこの絵模様が複数個（複数ユニット）配置され、この空隙部分６は白色又は樹脂の地色としてある。

【０００９】上記の実施例では、外周表面の目視面積内にほぼ６０％の空隙部分６を保って絵模様２を表示してあるが、この空隙部分６の目視面積に対する比率は、２０〜７０％の範囲内で設定される。すなわち、空隙部分６が７０％以上であると、絵模様２が細小化して空疎な外観を呈し、この絵模様２から直ちに内容物を識別することが困難となる。また、２０％以下であると絵模様２が大きくなって雑多な外観となり、容器とのバランスが失われて洗練された美観を欠き陳列効果も劣るため、前記範囲内に設定することが好ましい。

【００１０】この容器は、図３に示すように、透明又は半透明のプラスチックフィルム７にりんごの絵模様２を印刷し、その印刷面７ａ側に所要の厚みの熱成形可能なプラスチックシート８にラミネートして積層シート９を形成し、これを所要の熱成形法により成形して製造するものである。なお、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン，ポリプロピレン，ポリエチレンテレフタレート，ナイロン等が用いられ、プラスチックシートとしては、ポリプロプレン，ポリスチレン，ポリエチレンテレフタレート，ポリ塩化ビニール等が用いられる。成形時には、積層シート９が延伸され絵模様２がとくに延伸方向に拡大されるから、フィルム７に印刷する絵模様２をあらかじめその分だけ縮小させて印刷し成形しているが、容器の形状、大きさ及び成形方法などの諸要因により、絵模様２が積層シート９の延伸方向、すなわち容器の高さ方向に変形することが多い。

【００１１】このため、前述した目視面積内における絵模様２と空隙部分６との比率のみでは、前記積層シート９の延伸方向、すなわち、容器の高さ方向に絵模様２が延伸変形し、目視面積内での絵模様２のバランスが損なわれることを防止できないから、容器の高さ方向における絵模様２の比率を、その高さの４０〜９０％の範囲内に設定する。これにより、絵模様２が目視面積内で空隙部分６との間に前述した比率を保っても、容器の高さ方向に延伸変形してバランスを失することは防止される。なお、この比率は、高さ方向において少なくとも１ユニットの絵模様２がある場合のほか、複数ユニットの絵模様２がある場合にも適用される。

【００１２】本実施例の絵模様２は、りんごの果実３に茎４、葉５を付して写実的な色彩で表現してあるので、あたかも、もぎたてのりんごのような印象が生じ、容器全体の絵模様から田園的風趣が醸し出されている。この絵模様２は、目視面積内の空隙部分６との間に前述した比率を保ち、且つ高さ方向において前記比率を有して表現されているから、絵模様が容器に対して細小化、過大化することなく容器とのバランスがきわめて良好となり、しかも、該絵模様が鮮明且つ明確に視認されて内容物を明確に識別することができる。また、容器全体の絵模様がファッショナブルで洗練された趣を呈し、従来になく斬新で顧客の注意力を惹き付け、すぐれた陳列効果をあげることができるものである。

【００１３】

【考案の効果】

上記のごとく、本考案によれば、熱成形され絞り比が１：０．３〜１．１５の範囲の容器であって、容器の外周表面に表示されたすくなくとも１ユニット以上からなる内容物も表示した絵模様が、前記外周表面における目視面積内に２０〜７０％の空隙部分を保ち、且つ容器の高さ方向においてその高さに対し４０〜９０％の比率内で表示するので、外周表面に表示された絵模様が容器に対して細小化、過大化することなく、また、容器の高さ方向に変形することなく良好なバランスで表現され、且つ該絵模様が鮮明且つ明確に視認されて内容物を明確に識別することができる。しかも容器全体の絵模様がファッショナブルで洗練された趣を呈し、従来になく斬新に表現された絵模様によりすぐれた陳列効果が大となり、顧客の注意力を強く惹き付けて販売効果を高め得る容器が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る容器の一実施例を示す正面図であ
る。

【図２】同容器の底面図である。

【図３】容器を形成する積層シートの一部拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１容器２絵模様３りんごの果実４茎５葉６空隙部分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者阪本芳男埼玉県川越市神明町41番地２号ユタカハイツ102号 (72)考案者木下秀彦埼玉県狭山市入間川1414番地46号

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】絵模様を表示した熱成形可能なプラスチ
ックシートで熱成形され、絞り比が１：０．３〜１．１
５の範囲の容器であって、該容器の外周表面における目
視面積内に、絵模様のない２０〜７０％の空隙部分をも
ち、且つ容器の高さ方向においてその高さに対して４０
〜９０％の比率で前記絵模様が表示され、さらに、該絵
模様は少なくとも１ユニット以上の内容物を表示したも
のであることを特徴とする内容物を絵模様で表示した合
成樹脂製容器。