JPH0639555Y2 - コンバインの穀粒タンク側構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、穀粒タンクを機体外側方に回動してその穀粒
タンクと脱穀部の間にオペレータがはいりこんで機器の
メンテナンス作業を行なうことができるように構成した
コンバインの穀粒タンク側構造に関する。

〔従来の技術〕

従来は、脱穀部の横側方に搭載した穀粒タンクの前後に
は運転ステップとエンジン部をそれぞれ配備して構成す
るコンバインにおいて、穀粒タンクと脱穀部の間となる
機器のメンテナンス作業を行なう場合にはオペレータが
その外周の各部を乗り越えてその間にはいりこむことに
なるような構造になっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

したがって、外周の各部を乗り越えることは危険であ
り、また、各部を損傷させることにもなり、容易にメン
テナンス作業を行なうことができない、といった不具合
を呈していた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、そのような不具合を課題として解決し、穀粒
タンクと脱穀部の間に安全良好かつ容易に出入りするこ
とができるようにしたものであり、そのため、穀粒タン
クは下部の排出コンベアの軸心を中心にして外側方に回
動できるように架設し、穀粒タンクの前方側で運転ステ
ップの後部上方に立設したシートコラムを支点軸中心に
外側方に回動できるよう架設するとともに、シートコラ
ムの下方となる運転ステップの後部をフラット状で低い
足場となるように装設して構成したものである。

〔作用〕

したがって、穀粒タンクおよびシートコラムを機体の横
外側方に回動して開くと、運転ステップ上から、フラッ
ト状で低い足場上を安全容易に乗り越えて、穀粒タンク
と脱穀部の間にはいりこんだり、また、出ることができ
ることになり、その間のメンテナンス作業を容易に行な
うことができることになる。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図はコンバイン全体の側面図を示し、両クローラ
（６）により支持する機体上に搭載した脱穀部（Ａ）の
前方には刈取部（Ｄ）を連設し、脱穀部（Ａ）の横側方
に搭載した穀粒タンク（Ｂ）の前後には、内側方にサイ
ドコラム（７）を立設するとともに前部に操縦コラム
（８）を立設した運転ステップ（１）とエンジン部
（Ｃ）をそれぞれ配備し、穀粒タンク（Ｂ）の下部から
エンジン部（Ｃ）の下方を通して延出する排出コンベア
（２）の終端部を、エンジン部（Ｃ）の後方に立設した
縦オーガ筒（９）の下部に連通連設するとともに、該縦
オーガ筒（９）の上部には方向変更自在の排出オーガ筒
（10）の基部を連通連設して従来形構造同様に構成す
る。

前記排出コンベア（２）よりやや大径となる両支持筒
（11）を穀粒タンク（Ｂ）の下部両端側にそれぞれ固設
して突設するとともに、機台（12）上に固設した両メタ
ル（図示省略）に両支持筒（11）を回動自由に嵌合して
穀粒タンク（Ｂ）が排出コンベア（２）の軸心を中心に
して外側方に回動できるよう装設し、穀粒タンク（Ｂ）
の内側上部には、脱穀部（Ａ）の内側方に立設した１番
物用揚穀筒（13）の上端放出口部（13a）が嵌合できる
投入口（14）を形成し、穀粒タンク（Ｂ）の底面と機台
（12）との間には引張ばね（15）を連繋して構成する。

また、穀粒タンク（Ｂ）の内側上部に架着した連結
（16）には、脱穀部（Ａ）の内側上部にレバー（17）に
より操作できるよう軸架した両フック（18）を係合自在
にして、穀粒タンク（Ｂ）に一体的に固設した一方の前
記支持筒（11）の外周にはウオームホイル形の扇形ギヤ
（19）を固設し、該扇形ギヤ（19）に噛合させるウオー
ムギヤ形の駆動ギヤ（20）を、機台（12）上のメタルよ
り延出するブラケット（21）に軸架し、前記揚穀筒（1
3）の上部側に連設したメタル（22）には、前記駆動ギ
ヤ（20）より斜め上方に延出する長い回転軸（23）の上
部を嵌挿するとともに、その上端部にハンドル（24）を
連設して構成する。

前記穀粒タンク（Ｂ）の前方側となる前記運転ステップ
（１）の後方側上方には、上部にシート（3a）を有する
シートコラム（３）を立設するが、該シートコラム
（３）の下部外側方には逆Ｖ字状の係合体（25）（25）
をそれぞれ架設し、運転ステップ（１）の後部外側方に
立設した両ブラケット（26）には、両係合体（25）が嵌
合できる支点軸（４）の両端側を架着し、シートコラム
（３）の内側上部には、サイドコラム（７）の側面上部
の係合具（27）に係脱させるよう操作できるレバー（2
8）を装設し、シートコラム（３）の下方となる運転ス
テップ（１）の後部をフラット状で低い足場（５）とな
るように装設して構成する。

なお、前記足場（５）は下方の機器や備品を安全に被覆
できるカバー構造にするが、運転ステップ（２）とは異
なった高さにして構成したり、また、前記穀粒タンク
（Ｂ）とシートコラム（３）が連動して回動するように
構成することもできる。

したがって、穀粒タンク（Ｂ）と脱穀部（Ａ）の間の機
器類のメンテナンス作業を行なう場合には、脱穀部
（Ａ）の上方側からレバー（17）を操作して両フック
（18）を連結（16）から外すとともに、ハンドル（2
4）を操作すると、駆動ギヤ（20）の回動により扇形ギ
ヤ（19）とともに穀粒タンク（Ｂ）を排出コンベア
（２）の軸心を中心にして外側方に倒れるよう回動させ
ることができることになり、また、レバー（28）により
係止を解除してシートコラム（３）を支点軸（４）中心
に外側方に倒れるように回動させると、第７図および第
８図に示すように、足場（５）の上方も開放することが
できることになって、作業者は運転ステップ（１）上か
ら足場（５）上を経て脱穀部（Ａ）の内側方に容易には
いりこむことができることになり、メンテナンス作業を
容易に行なうことができることになる。

また、両係合体（25）を支点軸（４）から抜き外すと、
シートコラム（３）を取り外すことができることになっ
て、足場（５）上を広く開放できることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、穀粒タンク（Ｂ）とシートコラム
（３）を機体外側方に回動させて開くと、オペレータが
運転ステップ（１）側からフラット状で低い足場（５）
を乗り越えて穀粒タンク（Ｂ）と脱穀部（Ａ）の間に出
入りできるように構成したので、その間を作業しやすい
ように広く開くことができるとともに、外周部を損傷さ
せることなくオペレータが安全容易に出入りできること
になって、穀粒タンク（Ｂ）と脱穀部（Ａ）の間のメン
テナンス作業を迅速容易に行なうことができることにな
り、簡単な構造にして好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の正面図、第２図は
コンバイン全体の側面図、第３図はその平面図、第４図
は穀粒タンクの側断面図、第５図は穀粒タンクを機体後
方側より見た側面図、第６図はシートコラムの下部側を
外側方より見た断面図、第７図は第１図の作動説明図、
第８図は第７図に示す状態となるコンバインの平面図で
ある。 （Ａ）……脱穀部、（Ｂ）……穀粒タンク、 （１）……運転ステップ、（Ｃ）……エンジン部、 （２）……排出コンベア、（３）……シートコラム、 （４）……支点軸、（５）……足場。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】脱穀部（Ａ）の横側方に搭載した穀粒タン
   ク（Ｂ）の前後には運転ステップ（１）とエンジン部
   （Ｃ）をそれぞれ配備して構成するコンバインにおい
   て、前記穀粒タンク（Ｂ）は下部の排出コンベア（２）
   の軸心を中心にして外側方に回動できるように架設し、
   前記穀粒タンク（Ｂ）の前方側で前記運転ステップ
   （１）の後部上方に立設したシートコラム（３）を支点
   軸（４）中心に外側方に回動できるよう架設するととも
   に、前記シートコラム（３）の下方となる運転ステップ
   （１）の後部をフラット状で低い足場面（５）となるよ
   うに装設して構成したことを特徴とする穀粒タンク側構
   造。