JPH0639127B2 - 結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置 - Google Patents

結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置

Info

Publication number
JPH0639127B2
JPH0639127B2 JP2098270A JP9827090A JPH0639127B2 JP H0639127 B2 JPH0639127 B2 JP H0639127B2 JP 2098270 A JP2098270 A JP 2098270A JP 9827090 A JP9827090 A JP 9827090A JP H0639127 B2 JPH0639127 B2 JP H0639127B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thick
stretching
temperature
linear
stretched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2098270A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03295630A (ja
Inventor
一男 青木
勉 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP2098270A priority Critical patent/JPH0639127B2/ja
Publication of JPH03295630A publication Critical patent/JPH03295630A/ja
Publication of JPH0639127B2 publication Critical patent/JPH0639127B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、結晶性熱可塑性材料の押出し延伸成形用の装
置に関し、特に強度、剛性、透明性などの物理的性能の
改善されたステイツク状成形体やプロフアイル製品を製
造するに適した結晶性熱可塑性材料の押出し延伸成形用
装置に関する。
〔従来の技術〕 ポリプロピレンやポリエチレンに代表される結晶性熱可
塑性材料が本来有している強度や剛性等の物理的性能を
向上させる試みとして、一般に材料処方面からの検討が
行われており、例えば上記材料にタルク、マイカ、ガラ
ス繊維等のフイラー類を添加してその物性を改良する方
法がよく知られている。
しかしこの方法では、成形品の引張強度や曲げ弾性率は
改良されるが、反面、耐衝撃性が低下して脆くなり強く
折り曲げると割れたりする上、外観的にも透明性、平滑
性、光沢感等が失われる。そのため用途によつては商品
価値の低下原因にもなり、品質面で限界があつた。その
改善方法のうち、工業的に最も実用化されているものと
して押出し延伸成形法が知られている。
延伸成形とは、結晶化した高分子材料に応力が作用する
条件下、すなわち融点より低温下で引張り力を与え、も
つて結晶形態を特定の方向に引張り変形させて分子配向
を引き起こさせる操作であつて、これにより材料の物性
や品質性能を高いレベルに変えることができる。
その具体的方法例として、所定形状に溶融押出しされた
結晶性熱可塑性材料の溶融構造体を冷却して賦形構造体
とし、ついでこの賦形構造体(以下、原反と称すること
がある)を延伸に適した温度に再加熱するが、その際、
再加熱工程の前後において原反の供給速度より引取り速
度を大とし、もつて原反を延伸構造体へ転化させる方法
が知られている。このように延伸処理という単純な物理
的手法で製品物性の改質ができることから、この方法は
繊維の紡糸延伸を始めモノフイラメント、バンド、フラ
ツトヤーン等の押出し延伸製品や1軸及び2軸延伸フイ
ルム等の製造に広く応用されている。
しかしながら、従来の処理対象物である原反は、上記か
らも明らかなように細いフイラメント状や薄いフイルム
状のものであり、形状や大きさに違いはあつてもそれら
から延伸成形されたものはいずれも厚みが極めて小さく
かつ定型的な一次元ないし二次元形状を示すに過ぎず、
従つて延伸処理は比較的容易であつた。しかるに、パイ
プ、ストロー、綿棒、海苔費用ヒゴ等に用いられるステ
イツク状成形体や丸棒、角棒、矩形棒等のプロフアイル
製品に代表される製品、すなわち厚みが大きく幅方向の
寸法と同一であつたり、異型三次元構造状に形成するこ
とが必要とされる製品の原反である肉厚線状構造体の延
伸成形に関しては、技術的に後記のような問題があり未
だ提案されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
すなわち従来、原反を延伸可能温度領域まで再加熱する
手段としては、生産性や作業性の面から該原反の両面を
熱ロールや熱板等の高温金属体に密着させて加熱する接
触伝熱方式あるいは熱風オーブンにより加熱する方式が
主として採用されており、また再加熱された原反の延伸
に際しては、これに必要な引張り力を均一かつ無駄なく
伝播させもつて連続的に高い引張り変形比を与えること
が要求されるので、延伸手段としては、延伸工程の前後
における原反及び延伸物の滑り防止を目的に夫々を強い
力で圧着された二つ以上の回転ロールに沿つてラツプさ
せもつて保持する方法が多く用いられている。
しかるに、これらの従来手段を前記肉厚線状構造体から
なる原反の延伸成形に対しても応用しようとすれば、以
下の問題が避けられない。
ロール等による金属体密着再加熱方式では、原反は両
面加熱しかされない上、温度上昇とともに熱変形を生じ
て所望形状の維持ができなくなる。
オーブンによる加熱方式では、熱媒温度の上限が実用
上200℃程度に限定されるので原反への伝熱効率が悪
い。そのため、原反の走行速度を遅くして生産性を落と
すか、あるいはオーブンの加熱距離を著しく長くする等
の対策を必要とする。
延伸手段としてロール圧着方式を用いると、その圧着
力で原反ないし延伸物が変形し形状を維持することがで
きない。また、延伸後は一般に引取りロールに沿つて延
伸物をラツプさせているが、この場合には延伸物が特定
方向に屈曲(ベンデイング)しやすくなり、その矯正に
手間がかかる上曲がりのない製品を得ることが困難とな
る。
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を克服し、物理的
性能や外観品質が大幅に改善されたステイツク状成形体
等用延伸成形品を得るに適した結晶性熱可塑性材料の押
出し延伸成形用装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、ステイツク状成形体等を得る際の押出し
延伸成形法に関する上述の問題点につき検討した結果、
これらは原反をロール等の高温金属体に接触させること
なく均一に加熱しかつ急激に延伸すること及び延伸工程
の前後における原反と延伸物の保持をロールに沿つてラ
ツプさせることなく行うことにより解決されることを見
い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、 (1)断面が所望形状となるように溶融押出しされた結晶
性熱可塑性材料の肉厚線状溶融構造体を形状固定するた
めの急冷却賦形装置を備えるとともに、かくして形状固
定された肉厚線状賦形構造体の送り出し装置、再加熱装
置、再冷却装置、引取り装置を順次直線状に配設した装
置において、上記再加熱装置が走行中の肉厚線状賦形構
造体に沿つて延びかつこれを囲繞する断熱ケーシングと
その外周に沿いかつ上記走行方向へ向けて1段又は多段
状に貫設されたトーチノズルとを備え、該トーチノズル
は熱媒用ガスの加熱用ヒータエレメントと温度測定用セ
ンサとを内蔵するとともに、走行中の肉厚線状賦形構造
体表面へ向けられた熱媒ガス吐出口を備えたものである
ことを特徴とする結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装
置。
(2)上記引取り装置が肉厚線状延伸構造体を挟持すべく
対面して配設され、表面に弾性材質層を有する一対の帯
状回転体を備えており、該各回転体は挟持された肉厚線
状延伸構造体に対し押圧力と引張り力の付与が可能な程
度に近接されかつ互に肉厚線状延伸構造体の走行方向へ
同速駆動可能とされたものである上記(1)項記載の結晶
性熱可塑性材料の押出し延伸装置により提供される。
本発明において延伸成形の対象として用いられる結晶性
熱可塑性材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリブテン等のポリオレフイン系樹脂、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール等の
樹脂及びこれらの混合物を示すことができる。これら材
料の分子量、分子量分布、結晶化度、融点等の材料特性
については、通常のスクリユー式押出機で連続的に成形
可能な範囲内にあれば特に限定されるものではない。
なお、特に透明性や光沢感を必要としない製品用途であ
れば、前記材料にタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等の無機フイラーあるいはカーボンブラツクや難燃剤
等の機能性添加剤を適量加えても何ら差支えない。
また、本発明で延伸成形の対象となる肉厚線状賦形構造
体の断面形状としては、パイプ、ストロー、綿棒、海苔
簀用ヒゴ等に使用されるステイツク状成形体や例えば楕
円形、○形、凹形、凸形、□形、 △形、☆形等で代表されるプロフアイル製品のそれに対
応するおのを広く示すことができる。
以下、図面に示す実施態様例を参照しながら本発明の構
成とその作用をさらに詳しく説明する。
第1図に示す装置は、押出機1、ダイ2、急冷却賦形装
置3及び送り出し装置4を直線状に備えていて原反であ
る肉厚線状賦形構造体21を後記第2工程部へ送り出す
第1工程部(A)と、再加熱装置5、再冷却装置6及び引
取り装置7を直線状に備えていて延伸物である肉厚線状
延伸構造体23を得る第2工程部(B)とから構成されて
いる。
まず、第1工程部(A)において、結晶性熱可塑性材料は
押出機1で加熱溶融され、該押出機1の先端に付設され
たダイ2より可塑化状態となつて押出される。なお、ダ
イ2には押出し物の断面が所望形状となるように設定さ
れた樹脂通路(ダイリツプ)が穿設されている。このダ
イ2より所望形状に形成されて押出された可塑状態の肉
厚線状溶融構造体20は、続いて急冷却賦形装置3に導
かれて急冷下に形状固定され、原反である肉厚線状賦形
構造体21が形成される。該原反21の外形寸法は、目
的とする後記肉厚線状延伸構造体23の外径寸法とその
延伸倍率とから計算して予め設定されることは云う迄も
ない。
上記急冷却賦形装置3は、ステイツク状成形体やプロフ
アイル製品を成形する際に用いられる公知構造のもの、
例えば一般的な水槽、真空水槽式サイジングあるいは真
空サイジングダイと水槽との結合方式のもの等が広く適
するが、その使用条件は一般的な冷却温度より極めて低
い温度、すなわち15℃以下、好ましくは10℃以下−
5℃以上の温度範囲に制御された冷却媒体の存在下とす
ることが必要である。
急冷却賦形装置3においてこのような低温域の冷却機能
を必要とする理由は、冷却能力の増大による生産性の向
上は当然であるが、より本質的には原反の延伸性を向上
させることにある。すなわち、前にも述べたように結晶
性熱可塑性材料をその融点より低い温度下で延伸処理す
ると物理的特性の著しく向上した製品が得られるが、こ
れは該材料組織中の結晶がずり変形を起こして分子鎖が
延伸方向に配向されるためである。
この結晶のずり変形挙動をより一層容易ならしめて延伸
性を向上させるためには、溶融材料を冷却結晶化する際
にその結晶化度をできるだけ抑えて微細結晶を多く作り
かつ球晶を成長させないことである。本発明において急
冷却賦形装置3の温度を15℃以下の低温域に設定する
理由は、ダイ2より押出された肉厚線状溶融構造体20
がここで急冷されることによつて結晶化度の抑制と結晶
の微小化に大きな効果をもたらすからである。
上記急冷の具体的な目安としては、次設送り出し装置4
の押圧力で原反21が変形しない程度の温度、すなわち
前記構造体20が急冷却賦形装置3で冷却された後原反
21となつて送り出し装置4に導かれる間に、これを構
成材料の熱変形温度マイナス10℃以下の温度まで低下
させることが望ましい。
急冷却賦形装置3に用いる冷却媒体は、水、その他の液
体、空気、その他のガス等いずれであつてもよいが、冷
却性能、操作性及び安全性等の面からエチレングリコー
ル等の不凍液を混合した水溶液が望ましい。
次に、かくして形成された原反21は次の送り出し装置
4に導かれ、送り出し方向に保持されながら第2工程部
(B)へ送り出される。該送り出し装置4はこの種保持用
途に用いられているものが広く適し、例えばベルト式、
キヤタピラ式あるいは多段ニツプロール式等の回転体で
構成されたものを好適例として広く示すことができる。
この送り出し装置4は、原反21をその形状を維持しな
がらかつ第2工程部(B)で発生する引張り力を受けても
スリツプしないように保持できる構造、換言すれば原反
21の走行方向に対し少ない押圧力でかつ耐引張り力の
得られる構造のものが好ましい。
第2工程部(B)に導かれた原反21は、再加熱装置5と
これに続く再冷却装置6を通つた後、引取り装置7によ
り引張り力を受けながら引き取られるが、先ず上記再加
熱装置5の中を走行する過程で延伸適正温度領域に再加
熱される。この延伸適正温度領域は原反21の素材であ
る結晶性熱可塑性材料の種類によつて一様でないが、一
般に該材料の熱変形温度より高くビカツト軟化点より低
い温度であつて、この温度の下では、その材料が結晶構
造を形成している状態下で物理的な引張り変形を付与さ
れた場合に、その変形方向に沿つて好適に分子鎖の配向
を引き起こし、配向方向の強度特性の優れた製品を得る
ことができる。ちなみに、上記熱変形温度より低い温度
で延伸処理を行うと分子鎖配向が過度になるかまたは延
伸ムラが発生するため、ミクロボイドが生じて白化した
りタテ割れが現出したりして所望形状の肉厚線状延伸構
造体を得ることが困難となる。逆に、上記ビカツト軟化
点より高い温度、すなわち材料の融点近傍またはそれ以
上の温度まで加熱して延伸処理を行うと、見掛け上は延
伸しやすくなるが延伸による配向が起こりにくくなり、
強度や剛性の発現効果が大幅に低下することとなる。延
伸適正温度域の1例を示せば、使用材料がホモポリプロ
ピレンであれば115〜150℃、高密度ポリエチレン
であれば85〜125℃が適する。前記再加熱装置5
は、本発明目的を好適に達成するため特別に工夫された
ものが採用される。
第2図は本発明で採用される再加熱装置例の要部を第1
図のイ−イ線に沿つて矢視方向に示す縦断面図である。
この再加熱装置5は、第1図からも明らかな通り原反の
送り出し装置4と延伸物の引取り装置7とを結ぶワーク
ライン上に同軸的に配置されていて、その内部には外郭
を形成する断熱ケーシング8で囲繞された空洞が貫通し
ており、この空洞内を原反21が送り出し方向へ走行す
るように構成されている。該ケーシング8には、その外
周に沿つて好ましくは等間隔にかつ原反21の走行方向
へ向けて好ましくは一定間隔で1段又は多段状にトーチ
ノズル9が貫設されている。
トーチノズル9は、第2図からも明らかな通り常温から
200℃以上の高温の熱媒ガスが瞬時に連続して得られ
るヒータエレメント11と該熱媒ガスの温度測定用セン
サ12とを内蔵するとともに先端部に熱媒ガス吐出口1
0を備えており、この吐出口から噴射される熱媒ガスに
より再加熱装置5の空洞内を走行する原反21をその輪
郭に合わせて均一加熱できるように構成されている。そ
して、必要により上記吐出口10から噴射される熱媒ガ
スの原反21に対する噴射角度と噴射距離を適宜変えら
れるように図示省略のアジヤストメントを設けたり吐出
口10の形状を変えたりすることができ、これにより各
種の形状、大きさの原反まで再加熱処理を行うことが可
能となる。
このように、トーチノズル9はそれ自体が熱風発生機能
を有しているため従来型の熱風発生装置に比べて著しく
小型化でき、然して再加熱装置5内への取り付けスペー
スが少なくてすみ、コンパクトに設計できるという利点
がある。
トーチノズル9の配設数は、図面に示す装置例では原反
21の外周方向に90゜間隔で4個(第2図参照)、同
走行方向に向けて3段(第1図参照)の計12個となつ
ているが、勿論これに限定されるものではなく、原反2
1の形状や大きさによつて前者は2〜12個、後者は1
段以上複数段にわたつて配設することできる。
トーチノズルで加熱された熱媒ガスとされるガスは、本
発明目的が達成される限り任意のガスから選び得るが、
アセチレンガス、プロパンガス、都市ガス、水素、一酸
化炭素等の爆発の危険性があるガスや還元性ガス、ハロ
ゲンガス等は避けるべきである。経済性や取り扱いやす
さの点から1〜2kg/cm2G程度に圧縮された空気が最も
望ましい。
かかる熱媒用のガスは、図示省略のガス発生源(一般に
常温)から配管内を通り、必要により設けられる流量調
整器13を経てトーチノズル9へ供給される。
ついで該トーチノズル9のガス流路内に設けられたヒー
タエレメント11により所望温度に加熱された後、先端
の吐出口10から再加熱装置5の空洞内を走行する原反
21の表面へ向けて矢印参照のごとく噴射される。
なお、上記ヒータエレメント11は、これをトーチノズ
ル9のガス流路に沿つて同軸的に装着された超高温の発
熱体とすることにより、ガスとの熱交換効率が著しく高
くなり、従来の熱風発生装置では困難であつた200〜
800℃程度の高温熱媒ガスを瞬時に得ることができ
る。上記発熱体を得るための加熱と温度制御は、図示省
略の電圧調整器やサイリスタを用いてヒータエレメント
11の印加電圧を制御することにより容易にかつ少ない
電力で実施できる。しかも、その際の昇温速度は、例え
ば熱媒用ガスの供給量を200/min、印可電圧を1
50Vとして400℃昇温する場合に僅か10secを要
するに過ぎず、従来の加熱装置では必要であつたヒート
アツプのためのロスタイムが本発明においてはほとんど
不要になるという利点がある。また、このような利点に
加え、ヒータエレメント11の後部と熱媒ガス吐出口1
0の入口部間に熱媒ガスの温度測定用センサ12が挿入
されているので、これにより優れた温度追従性と微妙な
温度コントロール並びに少ない熱損失の下で所望温度の
熱媒ガスを安定して得ることができる。さらに、トーチ
ノズル9の流路内で熱媒用ガスが急速加熱されるのにと
もなつて容積が急膨張し、この膨張効果により吐出口1
0から噴射される。熱媒ガスの流速が増大し原反21へ
の加熱効率が一層向上するという効果も得られる。
再加熱装置5は、このように幾つかの特段の性能を有す
るトーチノズル9を備えているため、押出機1での材料
押出し量、原反21の形状、大きさ及び走行速度、ある
いは後述する延伸処理工程等で状況変化を生じてもこれ
に迅速かつ正確に追従でき、原反21を前記延伸適正温
度領域まで短時間のうちにしかも高温金属体との接触を
ともなうことなく再加熱することができる。
次に、このようにして延伸適正温度領域に再加熱された
原反21は、ついで再冷却装置6で冷却された後引取り
装置7へ所定の引張り力付与下に導かれるが、その過程
で再加熱装置5の出口と再冷却装置6の入口間に設けら
れた空間部の延伸帯(第1図(C)参照)において延伸処
理される。
原反21への引張り力の付与は、第1工程部(A)に設け
られた送り出し装置4の原反送り出し速度より第2工程
部(B)に設けられた上記引取り装置7の延伸物(肉厚線
状延伸構造体)引取速度を大きくすることによつて行わ
れる。この送り出し速度と引取速度との比率が本発明に
おける延伸構造体の延伸倍率であるが、これは延伸処理
の均一性や安定性の面から一般に5〜10倍とすること
が望ましい。
延伸帯(C)の巾は、原反21の温度が延伸適正温度領域
内に正確にコントロールされていれば前記引取速度を相
対的に高めることによつて付与される引張り力が再加熱
装置5の出口直後の特定範囲に集中して狭くなる。これ
により原反21は輪郭がそのままの状態で急激に縮小変
形するようになり、結果として所望外径寸法の肉厚線状
延伸中間構造体22が得られることとなる。原反21か
ら上記延伸中間構造体22へ転化する際の寸法変化は、
前者の周長をS1、後者の周長をS2、延伸倍率をλとすれ
ば、 で与えられる。なお、原反21が延伸適正温度を超えて
加熱される場合には、前記の引張り力が特定範囲に集中
しなくなるので、原反は再加熱装置5の出口手前からだ
らだらと漸次縮小変形する形で延伸されることとなる。
そのため得られる延伸物は形状が崩れる上強度特性の低
いものとなる。また、加熱温度が不均一であつたり低過
ぎる場合には延伸帯(C)の位置が再冷却装置6の方へ移
動し、延伸挙動が不安定となる上著しい形状変化を引き
起こすので所望の延伸製品は得られなくなる。
本発明により得られた肉厚線状延伸中間構造体22は、
ついで再冷却装置6により再冷却されて肉厚線状延伸構
造体23となり、その後引取り装置7により保持されな
がら図示省略の次工程へ送り出され、必要によりアニー
リングや表面処理等を施された後所望長に切断され、ス
テイツク状成形体等の最終製品となる。
ところで、上記の引取り装置7には、前述したような延
伸適正温度に再加熱された原反21に一定の引張り力を
付与する作用の他に、スリツプ、形状の偏平化及び長さ
方向へのベンデイング防止下に肉厚線状延伸構造体23
を表行方向に対して直角方向の押圧力で保持しながら引
取るという機能が要求される。すなわち、この引取り装
置7は、引取り方向の引張り力とその引張り力の作用す
る方向に対して直角方向お押圧力とを同時に有するもの
でなければならない。
この機能を満たすため本発明の引取り装置7としては、
肉厚線状延伸構造体を挟持すべく対面して配設され、表
面にゴム等の弾性材質層を有する一対の帯状回転体を備
えており、該各回転体は挟持された肉厚線状延伸構造体
に対し押圧力と引張力の付与が可能な程度に近接されか
つ互に肉厚線状延伸構造体の走行方向へ同速駆動可能と
された構造のものが推奨される。このような構造の引取
り装置7とすることにより形状が崩れて偏平化したり長
さ方向のベンデイングを生ずることなく連続、安定して
延伸処理を行うことが可能となり、外観良好で物性の改
善されたステイツク状成形体等用の延伸成形品を得るこ
とができる。
〔実施例〕
以下、実施例と比較例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれによつて限定されるものではな
い。また、使用材料もポリプロピレン樹脂に限定される
ことなく、結晶性熱可塑性材料として知られる材料が広
く適用可能である。
実施例1 結晶性熱可塑性材料としてメルトフローレイト(JIS K-
6758)3.5g/10min、融点(DSC法)163℃、熱
変形温度(JIS K-7207、4.6kgf荷重)115℃、ビカツ
ト軟化点(JIS K-6758)153℃のポリプロピレン樹脂
(チッソ(株)製ポリプロピレンK1014)を、また
押出し延伸装置として第1図及び第2図に示すものを用
い、先づ断面が六角形対辺の外径6.3mm、中空円の内径
3.1mmの原反を形成し、ついで10倍の延伸処理を施
し、然して六角形対辺の外径2mm、中空円の内径1mmの
ステイツク状成形体用六角形中空線状延伸構造体を製造
した。
なお、この実施例で用いた押出し延伸製造装置の仕様は
以下の通りである。
押出機の口径:50mm、L/D=28 ダイリツプの 形状寸法:正六角形(対辺の外径8.5mm)、中空円(内
径2.8mm) 急冷却賦形 装置の構造:真空水槽サイジング、有効長800mm 送り出し 装置の構造:キヤタピラ式、上下押圧/水平駆動 再加熱 装置の構造:トーチノズル設置数…外周4等分配設×走
行方向5段配列で計20個、有効長…1200mm 熱媒用ガス:1.5kg/cm2Gの圧縮空気 再冷起装置:水槽式、水温10〜18℃ 引取り装置の構造:ゴムベルト式、上下押圧/水平駆動
また、成形条件は以下の通りである。
ポリプロピレン樹脂の押出量(延伸構造体の製造量に相
当) Q:10kg/hr 原反の送り出し速度V1:8m/min 延伸中間構造体の引取速度V2:80m/min 延伸倍率(V2/V1)λ:10倍 急冷却賦形装置における冷却媒体の設定温度Tc:8℃ 急冷却賦形装置出口後の原反実測温度Tm1:56±2℃ 再加熱装置における熱媒ガス設定温度Th:250〜450℃ 延伸処理前における原反の実測温度Tm2:126±1℃ 以上の装置仕様及び成形条件とすることにより、延伸挙
動は極めて安定し、形状、外観ともに優れた延伸構造体
が得られた。すなわち、押出機シリンダー温度190〜
240℃、ダイ温度230℃の設定条件下にポリプロピ
レン樹脂を溶融押出しして溶融構造体を得、これを逐次
急冷却、延伸適正温度に再加熱した後引取り装置により
水平方向に保持しながら引張つて変形力を付加したとこ
ろ、延伸帯再加熱装置の出口から引取り方向に向かつて
約40mmの位置において急激な縮小現象が生じ、しかも
これは長時間安定して継続するものとなつた。かくして
得られた延伸構造体は急冷却工程で得られた賦形構造体
と同じ六角形中空形状を示しており、その対辺の外径寸
法精度は所望寸法の2mmに対して2%未満で、長さ方向
の反りもほとんどなくかつ表面平滑で透明性も良好な外
観品質を有していた。
また、物性的には通常の押出し成形方法で得られた同様
形状の無延伸構造体と比較した場合、引張強度で約4
倍、曲げ特性で3倍強を示すことが知られた。
実施例2 原反を断面が外径14.1mm,内径9.5mmの中空形状のもの
とし、延伸倍率を8倍とする以外は実施例1と同様にし
て延伸処理を行い、外径5mm、内径3.4mmの小口径延伸
パイプを製造した。
なお、延伸装置の仕様及び成形条件について実施例1と
異なる部分を示せば以下の通りである。
ダイリツプの形状:外径20mm、内径11mmの環状構造 Q:23kg/hr V1:5m/min V2:40m/min λ:8倍 Tc:−3℃ Tm1:87±2℃ Th:320〜500℃ Tm2:130±1℃ 得られた小口径延伸パイプは、実施例1と同様な寸法精
度と外観品質並びに高い引張り特性と剛性を有するもの
であつた。
比較例1 急冷却賦形装置に用いる冷却媒体を常温水とすることに
よりTcを20〜30℃とする以外は実施例1及び実施例
2と同様にして延伸処理を行つたところ、Tm1がいずれ
もポリプロピレン樹脂の熱変形温度マイナス10℃以下
に低下しないため、Tm2が延伸適正温度領域を越えるよ
うになり、延伸帯における延伸挙動が不安定な上漸次縮
小変形するという現象が生じた。そのため得られた延伸
構造体は、形状が偏平状になる上寸法精度が悪くかつ物
性上も不充分なものとなつた。なおこの場合、V1とThを
調整してTm2を適正温度領域内に維持すれば実施例1お
よび実施例2と同程度の性能を有する延伸構造体を得る
ことはできるが、この方法は生産性が著しく低下するの
で、実用的でない。
比較例2 実施例1と同じポリプロピレン樹脂から、原反の製造は
公知の異形押出成形方法、また延伸処理は公知のオーブ
ン式加熱装置とロール式引取り装置を用いる延伸方法に
従つて、実施例1と同じ形状寸法の延伸構造体を製造す
べく試みた。
しかるに、一般的なオーブン式加熱では、原反への伝熱
効率が極めて悪く、これを延伸適正温度まで加熱するこ
とが困難であつた。このような状況下では、延伸による
引張り変形が十分に発現されないので無理な変形応力に
より原反が白化してついには材料破壊にまで到り、所望
の延伸構造体を得ることは不可能であつた。これを改善
するため再加熱装置の距離を長くすることが考えられた
が、この場合には装置の設置スペースと加熱エネルギー
が過大となる上、これにより仮に良好な延伸挙動が現出
したとしても、引取り装置としてロール式のものを採用
する限り形状崩れがひどく、所望形状の延伸構造体を得
ることはできなかつた。
〔発明の効果〕
以上説明した通り、本発明は、断面が所望形状となるよ
うに溶融押出しされた結晶性熱可塑性材料の肉厚線状溶
融構造体を冷却賦形し、かくして得られる原反を延伸処
理するに当り、該冷却賦形時の条件、原反再加熱時の条
件及び装置、再加熱原反を延伸処理した後の引取り装置
及びそれら各装置の配列状態等について工夫と適正化を
図ることにより、賦形維持下に物理的性能の改善された
肉厚線状延伸構造体を得ることが可能となり、これによ
り性能と品質が大巾に改善されたステイツク状成形体や
プロフアイル製品を提供できるようになつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施に好適な押出し延伸装置例の装
置配置図、第2図は、本発明に適用される再加熱装置例
を第1図のイ−イ線に沿つて矢視方向に示す縦断面図で
ある。 1…押出機、2…ダイ、3…急冷却賦形装置、4…送り
出し装置、5…再加熱装置、6…再冷却装置、7…引取
り装置、8…断熱ケーシング、9…トーチノズル、10
…熱媒ガス吐出口、11…ヒータエレメント、12…温
度測定用センサ、13…流量調整器、20…肉厚線状溶
融構造体、21…肉厚線状賦形構造体又は原反、22…
肉厚線状延伸中間構造体、23…肉厚線状延伸構造体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面が所望形状となるように溶融押出しさ
    れた結晶性熱可塑性材料の肉厚線状溶融構造体を形状固
    定するための急冷却賦形装置を備えるとともに、かくし
    て形状固定された肉厚線状賦形構造体の送り出し装置、
    再加熱装置、再冷却装置、引取り装置を順次直線状に配
    設した装置において、上記再加熱装置が走行中の肉厚線
    状賦形構造体に沿つて延びかつこれを囲繞する断熱ケー
    シングとその外周に沿いかつ上記走行方向へ向けて1段
    又は多段状に貫設されたトーチノズルとを備え、該トー
    チノズルは熱媒用ガスの加熱用ヒータエレメントと温度
    測定用センサとを内蔵するとともに、走行中の肉厚線状
    賦形構造体表面へ向けられた熱媒ガス吐出口を備えたも
    のであることを特徴とする結晶性熱可塑性材料の押出し
    延伸装置。
  2. 【請求項2】上記引取り装置が肉厚線状延伸構造体を挟
    持すべく対面して配設され、表面に弾性材質層を有する
    一対の帯状回転体を備えており、該各回転体は挟持され
    た肉厚線状延伸構造体に対し押圧力と引張り力の付与が
    可能な程度に近接されかつ互に肉厚線状延伸構造体の走
    行方向へ同速駆動可能とされたものである請求項(1)記
    載の結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置。
JP2098270A 1990-04-13 1990-04-13 結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置 Expired - Lifetime JPH0639127B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2098270A JPH0639127B2 (ja) 1990-04-13 1990-04-13 結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2098270A JPH0639127B2 (ja) 1990-04-13 1990-04-13 結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03295630A JPH03295630A (ja) 1991-12-26
JPH0639127B2 true JPH0639127B2 (ja) 1994-05-25

Family

ID=14215253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2098270A Expired - Lifetime JPH0639127B2 (ja) 1990-04-13 1990-04-13 結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0639127B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8394740B2 (en) 2007-10-10 2013-03-12 Mitsui Chemicals, Inc. Thermosensitive recording material
JP4975588B2 (ja) * 2007-11-06 2012-07-11 国立大学法人信州大学 樹脂中空管の製造方法
CN104290212B (zh) * 2014-08-14 2016-08-24 浙江硕华生命科学研究股份有限公司 一次性移液管的生产工艺
CN113829635B (zh) * 2021-09-18 2023-08-08 内蒙古浦景聚合材料科技有限公司 一种成型加工系统及其应用
CN114379049A (zh) * 2021-12-30 2022-04-22 义乌市双童日用品有限公司 一种吸管全自动化生产线及生产方法
CN114474643A (zh) * 2022-01-19 2022-05-13 宁波琳盛高分子材料有限公司 一种超薄高分子管材生产设备及工艺

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6356439A (ja) * 1986-08-28 1988-03-11 Okuto:Kk ブラジヤ−用ボ−ンの製造方法
JPH01148829A (ja) * 1987-12-02 1989-06-12 Showa Denko Kk ロッドまたは肉薄物の連続製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6356439A (ja) * 1986-08-28 1988-03-11 Okuto:Kk ブラジヤ−用ボ−ンの製造方法
JPH01148829A (ja) * 1987-12-02 1989-06-12 Showa Denko Kk ロッドまたは肉薄物の連続製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03295630A (ja) 1991-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4514351A (en) Process for the manufacture of articles of high mechanical strength from thermoplastic synthetic resins
EP0165255A4 (en) METHOD AND DEVICE FOR SUPPLYING MELT THERMOPLASTIC BAND.
JPH0639127B2 (ja) 結晶性熱可塑性材料の押出し延伸装置
US4247506A (en) Processing extruded elastomers
KR850001874B1 (ko) 2축연신(二軸延伸)시이트·필름의 제조방법 및 그 제조장치
JPH07205276A (ja) 合成樹脂製スティックの製造方法及びその装置
JPH064273B2 (ja) 結晶性高分子材料の延伸方法
US3221084A (en) Manufacture of polyethylene film
US4034055A (en) Tubular film of polyethylene terephthalate and process for the production thereof
US3518722A (en) Guide for incompletely solidified polymeric article
US3302241A (en) Apparatus for preparation of plastic tubes
US3231653A (en) Pressure isolation in the manufacture of thermoplastic tubular film by extrusion
WO1985002142A1 (en) Molten thermoplastic web feeding process and apparatus
JP4914240B2 (ja) 異型長尺成形体の熱処理方法
JP3650889B2 (ja) 押出成形品の製造方法及び製造装置
KR102209119B1 (ko) 연신 필름의 제조 방법
KR102181046B1 (ko) 연신 필름의 제조 방법
KR100383345B1 (ko) 비닐대지의 성형장치 및 성형방법
JP4264313B2 (ja) インフレーションフィルムの製造方法
JP3238742B2 (ja) シボ付きシートの製造方法および装置
JP4909125B2 (ja) 異型長尺成形体の熱処理方法
KR200209518Y1 (ko) 비닐대지의 성형장치
JPH07186244A (ja) 熱可塑性樹脂シート又はフイルムの製造方法及びその装置
KR200244211Y1 (ko) 비닐대지의 성형장치
CA1052516A (en) Process and device for the manufacture of sheeting