JPH0638714Y2 - シヤープペンシル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、芯が消耗した際自動的に繰り出されるように
したシヤープペンシルに関する。

（従来の技術） 筆記によつて芯が消耗したとき、紙面から筆記先端を離
すと芯が繰り出されるようにしたシヤープペンシルが知
られている。この種のシヤープペンシルは、口金の先端
に出没自在にスライダを設け、該スライダが前進すると
き芯を引き出すように構成されているものが多い。この
ような構成のためポケツトやケースに入れて持ち運ぶと
き、スライダが押されると芯が繰り出されて折れたり、
身体に傷をつけることがある。また、落下させたとき芯
折れしやすく、その上、替芯が面倒なものがある。

（考案の解決課題） 本考案は、上記のような自動繰出式のシャープペンシル
の欠点を解消するよう携行中等に芯が繰り出されないよ
うにすると共に替芯を容易にし、かつ落下させたりした
ときでも芯折れを防止できるようにし、自動繰出式のシ
ャープペンシルをさらに使いやすくしたシヤープペンシ
ルを提供しようとするものである。

（課題解決手段） 上記目的を達成するため、本考案によれば口金に出没可
能に設けたスライダの後方に軸方向に移動可能にチヤツ
クを設け、該チヤツクは前進位置では芯を解放し後退位
置では芯の前進動のみを許容するようにされ、上記チヤ
ツクの後方に先端に操作部を有し内部に芯誘導管を有す
る芯タンクを設け、該芯タンクによつて上記チヤツクを
前進位置へ移動させるよう該芯タンクを移動させる手段
及び上記芯誘導管内に挿入した替芯をスライダの先端ま
で送り出せる長さの芯押棒を具備するシヤープペンシル
が提供される。

（実施例） 第１図は本考案のシヤープペンシルの使用時の断面図を
示してある。図において、外筒（１）の先端には、ねじ
着、嵌着等適宜の手段により口金（２）を取付けてあ
る。該口金の先端には、スライダ（３）が出没可能に貫
挿されており、該スライダ（３）には、芯（４）を挾持
して前進させることができるよう弾性片（５）を設けて
ある。

該スライダ（３）の後方には、軸方向に移動可能にチヤ
ツク（６）を設けてある。該チヤツクは前進位置では芯
（４）を解放し、後退位置では芯の前進動は許容する
が、後退動は阻止する。図は、このような作動をするチ
ヤツク機構の一実施例を示し、チヤツク（６）は、２つ
の独立したチヤツク要素を組み合せて構成され、逆円錐
面（７）を有する締着筒（８）内に挿通し、該締着筒
（８）とチヤツク要素の間にボール（９）を挿入してあ
る。したがつてチヤツクは、後退位置にあるとき、上記
ボール（９）及び締着筒（８）によつてその先部が締着
され芯（４）を把持しているから、該芯（４）を後方へ
移動させようとしても上記ボール、締着筒によるクサビ
作用により芯は後退できない。前方へ芯（４）を移動さ
せようとすると、上記ボール等のクサビ作用は働かない
から、芯は前進させることができる。チヤツク（６）を
前進位置へ移動すれば、ボール等による作用は消失する
ので、芯は解放される。上記締着筒（８）は、口金
（２）に設けた連結筒（10）に抜け出ないように嵌着し
てあるが、所望により適宜のストツパを設けて固着する
ようにしてもよい。

上記スライダ（３）とチヤツク（６）の間には、該スラ
イダ（３）を前進方向へ付勢すると共に上記チヤツク
（６）を後退方向へ付勢するようばね（11）を設けてあ
る。

上記チヤツク（６）の後方の外筒（１）内には、芯誘導
管（12）を有する芯タンク（13）が設けられており、該
芯タンク（13）のフランジ（14）と上記口金の連結筒
（10）の間にばね（15）を設けて該芯タンク（13）を後
方に付勢してある。該芯誘導管（12）は、芯（４）が１
本挿通する内径を有する。上記芯タンク（13）の先端に
は、上記チヤツク（６）の後面と対向する部分に操作部
（16）を形成してあり、後端には上記芯誘導管に挿入し
た替芯をスライダ先端まで送り出すことのできる長さの
芯押棒（17）を有する消ゴム（18）の保持体（19）を嵌
着してある。該消ゴム保持体（19）と芯タンク（13）の
係合部は、第５図に示すように角筒状に形成してあり、
消ゴム保持体（19）を回転したとき、その回転力を芯タ
ンクへ伝達できるようにしてある。なお、芯タンクは、
保持体（19）と係合した状態でも軸方向へは移動できる
ように遊嵌している。上記消ゴム保持体（19）の外周に
突設した隆起部（20）は、外筒（１）の内面に嵌合し、
保持体が落下しないようにしている。

上記芯タンクは、不使用時に上記チヤツクを前進位置へ
移動させることができるよう移動手段で移動される。該
移動手段は下記のようなカム機構を採用している。すな
わち、上記芯タンク（13）の後部外周に突起（21）を設
け、該突起（21）を第６図に示すように外筒（１）の内
面に形成したカム（22）に係合させ、上記ばね（15）で
常時係合状態を維持するようにしてある。該カムは、前
進側谷部（23）と後退側谷部（24）を山部（25）で連続
して具備している。したがつて、上記突起（21）が前進
側谷部（23）に当接しているとき、上記芯タンク（13）
は前進位置に移動しており、後退側谷部（24）に当接し
ているとき、上記芯タンク（13）は後退位置に移動して
いる。上記のカム機構の他、適宜の機構を用いることが
できる。

而して、第１図に示す状態において、上記チヤツク
（６）は後退位置にあり、芯タンク（13）も後退位置に
あるので、チヤツクは筆圧に耐えることができ、通常の
ように筆記することができる。

筆記に伴つてスライダ（３）は口金内に没入するが、筆
記を止めて先端を紙面から離すと、ばね（11）の作用で
スライダ（３）は前進し、芯（４）は自動的に繰り出さ
れる。

携帯時等には、上記カム手段により芯タンクを前進さ
せ、第２図の状態にすればよい。すなわち、外筒（１）
を持つて消ゴム保持体（19）を回転すると、上記突起
（21）はカムの前進側谷部（23）へ移動し、芯タンク
（13）は前進し、該芯タンク（13）の操作部（16）は上
記チヤツク（６）の後部に当つて該チヤツク（６）を前
進位置へ移動する。チヤツクが前進位置へ移動すると、
芯（４）は解放されるので、スライダ（３）が出没して
も芯は繰り出されない。したがつて、芯の不要な繰り出
しが防止される。使用する際には、上記消ゴム保持体
（19）をもとの位置に回転すれば、突起（21）は後退側
谷部（24）に係合して第１図の状態に戻り、筆記するこ
とができる。

芯が消耗してスライダ部分に残芯（26）が残つたとき
は、第３図のように、消ゴム保持体（19）を外し、芯タ
ンク内の芯を芯誘導管（12）に入れ、芯押棒（17）を第
１図の状態まで挿し込むと、残芯は除去され、替芯がス
ライダ先端まで送り出される。

落下させた場合、上記芯タンクがその衝撃で前進する
と、第２図の状態にチヤツクは移動され、芯折れが防止
される。

（考案の効果） 本考案は上記のように構成されているので、筆記の際に
は通常に使用することができ、筆記を止めてスライダの
先端を紙面から離すと芯はスライダの前進に伴って自動
的に繰り出され、連続的に使用でき、携帯時等には上記
カム手段により芯タンクを前進させれば該芯タンクの操
作部がチャックに当って該チャックを前進位置に移動し
て芯を解放し、スライダが出没しても芯が繰り出さない
ようにでき、落下させたりしたときにも上記チャックが
芯タンクに押されて前進し芯を解放するので芯折れを防
止でき、その上、使用によって芯が短くなった場合には
替芯を芯誘導管に入れてその後方から芯押棒を挿入させ
れば、替芯がスライダの先端まで送り出され、それに伴
って残芯が上記スライダから押し出され、容易に除去す
ることができ、替芯も容易であり、芯タンクをカセツト
式にして用意することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は使用時の断面
図、第２図は不使用時の断面図、第３図は消ゴム保持体
を外した状態の断面図、第４図は消ゴム保持体の断面
図、第５図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第６図はカムの
展開図である。 １…外筒、２…口金、３…スライダ、６…チヤツク、13
…芯タンク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外筒に取付けた口金の先端から出没可能に
   設けられ芯を挟持する弾性片を有するスライダ、 軸方向に移動可能に設けられ、前進位置では芯を解放
   し、後退位置では芯の前進動は許容するが後退動は阻止
   するよう芯を把持するチャック、 上記スライダを前進方向へ付勢し上記チャックを後退方
   向へ付勢するよう上記スライダとチャックの間に設けた
   ばね、 上記チャックの後方に設けられ先端に前方に突出する操
   作部を有し内部に芯１本を挿通させる内径の芯誘導管を
   有する芯タンク、 上記チャックに上記操作部を当接させて該チャックを前
   進位置に移動するよう上記芯タンクの外周と外筒の内面
   に設けたカム手段、 上記外筒の後部に設けられ上記芯をスライダの先端まで
   送り出すことのできる長さを有する芯押棒を具備するシ
   ャープペンシル。