JPH0638011U - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 対物レンズ駆動装置における支持ワイヤーの
半田付け性を安定化させる。 【構成】 レンズホルダーを支持する金属ワイヤーの固
定部側の先端を略直角に折り曲げたて、組立て、半田付
けを行なう。これにより、ワイヤーの突出量を一定にで
きる他、プリント基板の半田付けランドとワイヤーを密
着させることができ、半田付けの信頼性を向上すること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は光ディスク記録再生装置に用いられる光ピックアップにおいて、ディ スクの情報トラックに追従して対物レンズを駆動させる対物レンズ駆動装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

光ピックアップの対物レンズ駆動装置において、対物レンズを保持するレンズ ホルダーの支持方式として、４本の金属ワイヤーを用い、一端をレンズホルダー に、他端を固定部側に固定して、レンズホルダーをディスクのフォーカス、トラ ッキング方向に移動可能なように支持する方式が従来からよく用いられている。 この方式は金属ワイヤーが可動部に設けられた駆動コイルを固定部側に電気的に 導くための電気結線を兼ねていることが大きな特徴で、ワイヤーの両端は通常半 田付けで固定されている。

【０００３】 図３は従来の対物レンズ駆動装置を示す斜視図であり、１は対物レンズ、２は レンズホルダー、３はフォーカスコイル、４ａ，４ｂはトラッキングコイル、５ ａ〜５ｄはワイヤー、６ａ，６ｂはレンズホルダー２に設けられたプリント基板 、７は固定部側に設けられたプリント基板である。またワイヤー５ａ〜５ｄの両 端はそれぞれプリント基板６ａ，６ｂ、７に半田付けされている。

【０００４】 このように構成された従来の対物レンズ駆動装置において、固定部側のプリン ト基板のワイヤー固定ランドから給電することにより、レンズホルダー２をフォ ーカス、トラッキングの２方向に駆動することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この時半田付け前の状態でワイヤー５ａ〜５ｄの両端は通常フ リーになっているためプリント基板７側へのワイヤーの突出量が少ないと半田付 けが不安定になり、導通不良の原因になる。また突出量が多すぎると、反対側、 すなわちプリント基板６ａ，６ｂ側のワイヤー長が短くなり、こちらの方の半田 付けが不安定になってしまう。

【０００６】 このため目視か治具等を用いてワイヤー５ａ〜５ｄの突出量を揃える必要があ るが、工数がかかる他、自動化の上で大きな障害になる。この改善手段として図 ４に示すようにレンズホルダー２にストッパー８ａ，８ｂを設けワイヤー５ａ〜 ５ｄの位置規制をする方法が考えられるが、光ピックアップの小型化に伴い、レ ンズホルダー２も小型化される傾向にあり、この時ストッパー８がワイヤー５ａ 〜５ｄとプリント基板６ａ，６ｂとの半田付け作業時の作業性を困難なものにし てしまうという問題がある。

【０００７】 さらにもう一つの問題点として、プリント基板７のワイヤー貫通孔９ａ〜９ｄ の孔径が通常φ０．７mm程度であるのに対し、ワイヤー５ａ〜５ｄの直径が通常 φ０．１〜φ０．１５程度のため（図５参照）、プリント基板７の半田付けラン ド１０ａ〜１０ｄとワイヤー５ａ〜５ｄとのギャップが大きく、トンネル半田が 発生しやすくなる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記従来の問題点を解決するためにワイヤーの固定部側を折り曲げた ものである。

【０００９】

【作用】

本考案はワイヤーの固定部側を折り曲げるのでワイヤーの半田付けを行なった 際に、トンネル半田が発生しにくくなる他、レンズホルダー側のワイヤーの突出 量も一定にすることができ、半田付けの作業性，信頼性が向上し、生産性の高い 対物レンズ駆動装置を供給することができる。

【００１０】

【実施例】 図１は本考案の実施例の対物レンズ駆動装置であり符号はすべて図３に示した 従来の対物レンズ駆動装置と同じである。またワイヤー５ａ〜５ｄの固定部側は 先端が約１mm程度、略直角に折り曲げられている。

【００１１】 以上のように構成された光ピックアップについて、以下に説明する。 図２は図１に示した本実施例の対物レンズ駆動装置の組立て例であるが、固定 部であるヨークベース１１とレンズホルダー２を固定部側のプリント基板７が上 になるように治具（図示せず）に保持する。この後、予め先端を曲げておいてワ イヤー５ａ〜５ｄを上方から挿入し、レンズホルダー２に貫通させてプリント基 板７とワイヤー５ａ〜５ｄの半田付けを行なう。

【００１２】 この時、ワイヤー５ａ〜５ｄの折り曲げられた先端が、プリント基板７の半田 付けランドを接触しているため、従来のようなワイヤーとランドのギャップによ る半田付け不良も起りにくく、半田付けの信頼性を大幅に向上させることができ る。

【００１３】 またワイヤーの片側を一定量折り曲げた状態で挿入するため、レンズホルダー ２側のプリント基板６ａ，６ｂへのワイヤーの突出量も一定となり、従来のよう なワイヤーの突出量が少なすぎることによる半田不良も防止することができる。

【００１４】 以上のように本実施例によれば、ワイヤーとプリント基板間の半田付けを安定 させることができ、対物レンズ駆動装置の性能および信頼性の向上が実現できる 。

【００１５】

【発明の効果】

以上のように本考案は可動部に支持する金属ワイヤーの固定部側を折り曲げた 後、組立、半田付けを行なうことにより、固定部側はプリント基板の半田付けラ ンドとワイヤーを密着させることができ、可動部側はプリント基板上へのワイヤ ーの突出量を一定にすることができるため、トンネル半田などの半田付け不良を 起こすことがなく、また、ワイヤー挿入工程における自動化にも十分対応できる 、量産性および信頼性に優れた対物レンズ駆動装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における対物レンズ駆動装置の
斜視図

【図２】同分解斜視図

【図３】従来の対物レンズ駆動装置の斜視図

【図４】同斜視図

【図５】従来の対物レンズ駆動装置のプリント基板部の
斜視図

【符号の説明】

１ 対物レンズ ２ レンズホルダー ５ａ〜５ｄ ワイヤー ６ａ，６ｂ レンズホルダー側のプリント基板 ７ 固定部側のプリント基板 ９ａ〜９ｄ プリント基板の貫通孔 １０ａ〜１０ｄ 半田付けランド １１ ヨークベース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対物レンズを保持する可動部と、この可動
   部を支持する少なくとも４本以上の金属ワイヤーと、こ
   の金属ワイヤーの一端を固定する固定部と、前記可動部
   を駆動する駆動手段とを備え、前記金属ワイヤーの固定
   部側が折り曲げられて、前記固定部に設けられたプリン
   ト基板に半田付けされていることを特徴とする対物レン
   ズ駆動装置。