JPH0637644U - 捩じり振動減衰装置 - Google Patents

捩じり振動減衰装置

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JPH0637644U
JPH0637644U JP7421492U JP7421492U JPH0637644U JP H0637644 U JPH0637644 U JP H0637644U JP 7421492 U JP7421492 U JP 7421492U JP 7421492 U JP7421492 U JP 7421492U JP H0637644 U JPH0637644 U JP H0637644U
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plate
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JP7421492U
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Inventor
佳宏 松岡
Original Assignee
株式会社大金製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドプレートの変形を防止し、所望の粘性
減衰力を維持する。 【構成】 この捩じり振動減衰装置は、ピストン11と
タービンハブ8との間に配置されており、内部に液体室
29が形成されたケース24と、1対のサイドプレート
16,17と、サブプレート18と、スライダ27とを
備えている。1対のサイドプレート16,17は、ケー
ス24の軸方向両側方及び半径方向外方を囲むように配
置され、外周部が互いに連結されている。サブプレート
18は、ケース24とサイドプレート16,17との間
にピストン11と一体回転するように配置されており、
ケース24の円周方向両端に係止する舌部18dを有し
ている。スライダ27は、タービンハブに連結可能であ
り、ケース24の液体室内に円周方向に移動自在に配置
されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、捩じり振動減衰装置、特に、入力側部材と出力側部材との間に配置 された動力伝達系の捩じり振動を減衰するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばトルクコンバータのロックアップ装置では、ロックアップ時のトルク 変動を吸収するために、ダンパーディスクを備えたものがある。このダンパーデ ィスクには、入力側部材と出力側部材とを弾性的に連結するトーションスプリン グと、入出力側部材間で相対回転があったときにヒステリシストルクを発生させ るための捩じり振動減衰機構とを有している。このような捩じり振動減衰機構は 、通常、摩擦材を有するプレートと、このプレートを押圧する部材とを有してい る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本件出願人は、従来の捩じり振動減衰機構における摩擦材プレートに代わって 、流体の粘性抵抗を利用してヒステリシストルクを発生させるようにした装置を 提案している(実願平4−46861号参照)。この捩じり振動減衰装置は、ト ルクコンバータのロックアップ装置に用いられるものであり、内部に液体室が形 成された環状ケースと、環状ケースの両側方を支持する1対のサイドプレートと 、環状ケースの液体室に円周方向に移動自在に配置されたスライダとを主に有し ている。1対のサイドプレートの外周部はロックアップ装置のピストンと一体回 転するようになっており、また環状ケースの円周方向両端に係止する係止部を有 している。またスライダは、ドリブンプレートを介してタービンハブに連結され ている。
【0004】 この場合、ロックアップ装置の作動時には、フロントカバーからピストンに伝 わる捩じり振動により、環状ケースとスライダとが互いに捩じれ動作を繰り返す 。このとき、スライダと環状ケースの内壁との間に粘性抵抗が発生し、捩じり振 動を減衰する。 この捩じり振動減衰装置では、環状ケースはそれぞれ軸方向に移動可能な2つ の部材を含んでいる。このため、液体室内部の作動油圧力によって各部材が軸方 向に互いに離れる方向に移動するおそれがある。特に、環状ケースを側方から支 持する1対のサイドプレートは軸方向の強度が低いため、作動油圧力によってサ イドプレートが変形する場合がある。この場合には、環状ケースによって構成さ れる液体室とスライダとの間の隙間が大きくなり、所望の粘性減衰特性が得られ なくなる。
【0005】 また、環状ケースを縦断面U字状に形成し、その半径方向外方の開口を蓋部材 によって封止する構造とることが考えられる。この構造では、作動油圧力は主に 環状ケースが負担し、サイドプレートに作用する軸方向の力が軽減するので、前 記隙間の変動を抑えることができる。しかし、この構造では、高速運転時に大き な遠心力が蓋部材に作用し、バーストするおそれがある。
【0006】 本考案の目的は、サイドプレートの変形を抑制して所望の粘性減衰特性を維持 することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る捩じり振動減衰装置は、入力側部材と出力側部材との間に配置さ れた動力伝達系の捩じり振動を減衰するための装置である。この捩じり振動減衰 装置は、ケースと、1対のサイドプレートと、プレートと、スライダとを備えて いる。
【0008】 前記ケースは、内部に液体室が形成され円周方向に延びている。前記1対のサ イドプレートは、ケースの軸方向両側方及び半径方向外方を囲むように配置され 、外周部が互いに連結されている。前記プレートは、ケースとサイドプレートと の間に入力側部材と一体回転するように配置されており、ケースの円周方向両端 に係止する係止部を有している。前記スライダは、出力側部材に連結可能であり 、ケースの液体室内に円周方向に移動自在に配置されている。
【0009】
【作用】
本考案に係る捩じり振動減衰装置では、入力側部材から伝達された動力は、プ レートからケースに伝達され、さらにスライダから出力側部材に伝達される。入 力側部材から捩じり振動が伝達されると、ケースとスライダとが互いに対して回 転方向に捩じれる。すると、ケースとスライダとの間に流体が流れ、そのとき発 生する粘性抵抗により、捩じり振動が減衰される。
【0010】 ここでは、プレートが捩じり振動をケースに伝えているために、1対のサイド プレートに従来の切り起こし部を設ける必要がなく、1対のサイドプレートの強 度が向上している。しかも、プレートがケースとサイドプレートとの間に配置さ れているために、たとえば半径方向においてケースとサイドプレートとの間にプ レートを配置した場合には、高速時に遠心力に対するバースト強度が向上する。 したがって、ケースの軸方向強度を高めることが容易になり、サイドプレートの 変形は抑えられる。また、軸方向においてケースとサイドプレートとの間にプレ ートを配置した場合には、ケースの液体室内に作動油圧力が発生しても、この圧 力の一部はプレートによって負担され、サイドプレートにかかる荷重が低減され る。これらの結果、サイドプレートの変形は抑制されて、所望の粘性減衰特性を 維持できる。
【0011】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例が採用されたトルクコンバータ1を示している。図 において、O−Oがトルクコンバータ1の回転中心線である。 トルクコンバータ1は、主にトルクコンバータ本体2とロックアップ装置3と から構成されている。図示しないエンジン側部材に連結されたフロントカバー4 (入力側回転体)は、外周部に軸方向に突出する円筒状突起4aを有しており、 この突起4aはインペラー5のインペラーシェル5aに固定されている。フロン トカバー4は、インペラーシェル5aとともに内部に作動油が充填された作動油 室を形成している。
【0012】 トルクコンバータ本体2は、インペラー5と、インペラー5からの流体の流れ により駆動されるタービン6と、ステータ7とから主に構成されている。 インペラー5のインペラーシェル5aは、その内周端部がインペラーハブ5c に固定されている。インペラーシェル5aの内部には、複数のインペラーブレー ド5bが固定されている。インペラー5と対向する位置には、タービン6が配置 されている。タービン6は、タービンシェル6aとタービンシェル6aに固定さ れた複数のタービンブレード6aとにより構成されている。タービンシェル6a の内周端部は、タービンハブ8(出力側部材)のフランジ部8aに複数のリベッ ト9により固定されている。タービンハブ8は、内周側にトランスミッションの 入力軸(図示せず)と係合するスプラインハブ8bを有している。タービンシェ ル6aの外周部には、イナーシャリング41が溶接により固定されている。
【0013】 インペラー5の内周部とタービン6の内周部との間には、ステータ7が配置さ れている。ステータ7は、タービン6からインペラー5へ戻される作動油の方向 を調整してトルク比を増大するものであり、円環状のステータキャリア7aと、 ステータキャリア7aの外周面に設けられた複数のステータブレード7bとから 構成されている。ステータキャリア7aはワンウエイクラッチ機構を介してイン ナーレース10に連結されている。インナーレース10は、ハウジング側(図右 側)から延びる固定軸(図示せず)に連結される。
【0014】 ロックアップ装置3は、フロントカバー4とタービン6との間に配置されてい る。このロックアップ装置3は、円板状のピストン11(入力側部材)と、ドリ ブンプレート19(出力側部材)と、ピストン11とドリブンプレート19とを 弾性的に連結する弾性連結機構14と、ピストン11とドリブンプレート19と の間の捩じり振動を減衰する捩じり振動減衰装置12とから主に構成されている 。
【0015】 ピストン11は、半径方向内周端がタービンハブ8の外周面に軸方向及び円周 方向に摺動自在に支持されている。ピストン11の外周部には、フロントカバー 4の摩擦面4bと対向する面に円環状の摩擦部材11aが接着されている。ピス トン11は、外周側端部に軸方向後方(図1の右方)に延びる筒状の端壁11b を有している。この端壁11bには、円周方向に延びる複数の切欠きが形成され ている。
【0016】 捩じり振動減衰装置12は、図3に示すように、1対の第1及び第2サイドプ レート16,17と、サブプレート18と、粘性ダンパー機構13とを備えてい る。 図2及び図3に示すように、第1サイドプレート16及び第2サイドプレート 17は円板状に形成されており、外周部には、外方に突出する複数の突出部16 a,17aが円周方向に所定の間隔で形成されている。第1サイドプレート16 の外周部は第2サイドプレート17側に屈曲しており、対応する両突出部はリベ ット20により連結されている。また、突出部16a,17aはピストン11の 端壁11bに形成された切欠きに係合しており(図1)、これによって、ピスト ン11は両サイドプレート16,17に円周方向に係止したまま軸方向に移動し てフロントカバー4に圧接されることが可能である。
【0017】 第1サイドプレート16と第2サイドプレート17とは円周方向に延びかつ軸 方向外側に張り出す収容部16b,17bを有している。収容部16bは、半径 方向外側の筒状壁16cを有している。 サブプレート18は、図4に示すようにリング状の部材であり、筒状の本体部 18aを有している。本体部18aは収容部16bの筒状壁16cの内側に配置 されている。本体部18aの一端には、外周に延びるフランジ部18bが形成さ れている。フランジ部18bは、第1及び第2サイドプレート16,17の突出 部16a,17aと対応する位置に、外方に突出する複数の突出部18cを有し ている。突出部18cは、円周方向に所定の間隔で形成されている。この突出部 18cは、第1及び第2サイドプレート16,17の突出部16a,17a間に 、これらの突出部16a,17aとともにリベット20により連結されている。 また、図4に示すように、サブプレート18は、内周側に延びる複数(この実施 例では6個)の舌部18dを有している。
【0018】 粘性ダンパー機構13は、複数の円弧状ケース24(図5参照)と、各ケース 24内で円周方向に移動自在に配置された箱型スライダ27とから主に構成され ている。 ケース24は、収容部16b,17bにより形成された空間内で、サブプレー ト18の隣合う舌部18d間のそれぞれに配置されている。ケース24の両端は 、サブプレート18の舌部18dに係止している。ケース24内の環状液体室2 9(図2参照)には、トルクコンバータ本体2内で用いられる作動油が充填され 共用されている。またケース24は、図5〜図8に詳細に示すように、断面U字 状で半径方向外方が開口するケース本体25と、ケース本体25の開口を封止す るように嵌合する蓋部材26とから構成されている。ケース本体25の一方の側 壁には、2個の円形の孔33aが所定の間隔で形成されている。そして、第2サ イドプレート17において、ケース本体25の孔33aと対応する部分には、孔 17e(図2参照)が形成されている。孔17eは、孔33aから円周方向外方 に延びている。また、ケース本体25の内周壁には円周方向に延びるスリット2 5aが形成されている。蓋部材26は、円周方向の両端に形成されケース本体2 5内に挿入される両端突起26aと、円周方向に延びて形成されてケース本体2 5内に挿入される円周方向突起26bとを有している。蓋部材26と第1サイド プレート16の筒状壁16cとの間には、サブプレート18の本体部18aが配 置されている。
【0019】 箱型スライダ27は、図2及び図3に示すように、各ケース24よって構成さ れる液体室29内に配置されている。箱型スライダ27の外周壁及び内周壁は、 ケース24の外周壁及び内周壁と同様な円弧形状であり、液体室29内で円周方 向に移動可能となっている。このスライダ27により、液体室29は、分室30 ,31(図2,図9)に分割されている。
【0020】 ドリブンプレート19の外周縁は、ケース本体25のスリット25aに挿入さ れ、このためスリット25aは封止されている。また、ドリブンプレート19は 、図2及び図3に示すように、外周部にさらに外方に突出する複数の突出部19 aを有している。突出部19aは円周方向に所定の間隔で形成されており、その 先端はケース本体25のスリット25aを通過して液体室29内に延びている。 そして、箱型スライダ27に嵌合している。さらに、ドリブンプレート19の内 周端には複数の孔19dが形成されており、図1に示すように、この孔19dを 貫通する複数のリベット9によりタービンハブ8のフランジ部8aに一体に連結 されている。
【0021】 ドリブンプレート19の半径方向中間部には、円周方向に延びる6つの窓孔1 9bが形成されている。この窓孔19bには、弾性連結機構14を構成する4つ の長い第1トーションスプリング22a及び2つの短い第2トーションスプリン グ22bが配置されている。第1トーションスプリング22aは、比較的低い捩 じり剛性を有しており、また広い捩じり角範囲で作動するようになっている。第 2トーションスプリング22bは、窓孔19b内で円周方向に隙間をおいて配置 されている。
【0022】 第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17の半径方向中間部でかつ 窓孔19bに対応する部分には、第1トーションスプリング22a及び第2トー ションスプリング22bを支持するために軸方向に切り起こされた切り起こし部 16c,17cが形成されている。第1サイドプレート16と第2サイドプレー ト17とは、その半径方向内周端が複数のリベット21により互いに固定されて いる。リベット21は、図2に示すように、ドリブンプレート19に形成された 円周方向の長孔19c内に挿通され、円周方向に所定の範囲で移動自在となって いる。
【0023】 次に、上述の実施例の動作について説明する。 図示しないエンジンが回転すると、フロントカバー4にトルクが入力される。 インペラー5がフロントカバー4とともに回転し、インペラー5から流れる作動 油がタービン6を回転させる。タービン6からインペラー5へ戻る作動油の流れ はステータ7により調整される。そして、タービン6の回転はタービンハブ8を 介してトランスミッションの入力軸(図示せず)に伝達される。
【0024】 トランスミッションの入力軸が一定の回転数になると、トルクコンバータ1内 の作動油室の油圧が高められるとともに、フロントカバー4とピストン11との 間の油圧が解除され、その結果ピストン11がフロントカバー4に対して押し付 けられる。ピストン11の摩擦部材11aがフロントカバー4の摩擦面4bに圧 接すると、フロントカバー4の回転はトルクコンバータ本体2を介さずにロック アップ装置3を介して機械的にタービンハブ8に伝達される。すなわち、フロン トカバー4→サイドプレート16,17→弾性連結機構14→ドリブンプレート 19の経路で動力が伝達される。また、サブプレート18の舌部18dがケース 24の円周方向両端に係止しているので、エンジン側のトルクは、粘性ダンパー 機構13にも伝達される。
【0025】 以上のロックアップ動作時に、エンジン側のトルク変動がロックアップ装置3 に捩じり振動として伝達される。この捩じり振動伝達時には、第1及びサイドプ レート16,17とドリブンプレート19との間で相対回転が発生し、粘性ダン パー機構13が作動する。 粘性ダンパー機構13において、ケース24内をスライダ27が相対移動する 際のヒステリシストルクについて説明する。
【0026】 図9の中立位置から、ケース24がスライダ27に対してR1 側に捩じれたと する。すると、分室30が小さくなり、分室30内の作動油は、スライダ27と ケース24との間の隙間を通って分室31に流れ、また孔33a及び第2サブプ レート17の孔17eを通ってトルクコンバータ1内の作動油室に流出する。孔 33aがスライダ27に塞がれるまでの捩じり角度A間は、粘性抵抗が小さいた めに図10の捩じり特性線図に示すように、ヒステリシストルクは小さい。この 捩じり角度A間の低剛性・小ヒステリシストルクの領域で、低速域の微小振動を 効果的に減衰できる。これにより、ロックアップ装置3を低速域で作動させるこ とができ、燃費の向上が可能となっている。
【0027】 一方、ケース24の孔33aがスライダ27により塞がれた以降の捩じり角度 Bの領域では、分室30の作動油は、スライダ27とケース24の円周壁との間 を通って分室31側に流れる。このときの粘性抵抗は大きいために、領域B間で は大きなヒステリシストルクが発生する。すなわち、Bの領域では低剛性・大ヒ ステリシストルの特性が得られ、高速域におけるティプイン・ティプアウト時の 低周波振動を効果的に減衰できる。なお、Bの領域の途中で、第2トーションス プリング22bの圧縮が開始され、高剛性の領域が得られる。
【0028】 このように、ケース24の側壁に孔33aを形成することにより、ヒステリシ ストルクを多段にすることができ、各種の車両に対する振動減衰に有効となる。 さらに、孔33aの大きさ、位置等を変更することによって、搭載する車両に最 適なヒステリシストルクを設定することができる。 以上に説明したヒステリシストルク発生時においては、液体室29内で発生す る作動油の圧力は、ケース24を構成するケース本体25と蓋部材26とに作用 する。このとき、ケース本体25はU字状に形成されているので、軸方向への拡 張に対しては抵抗力が大きく、このためサイドプレート16,17側に対する押 圧力は軽減される。一方、半径方向については、ケース本体25と蓋部材26と が径方向に嵌合しているため、従来の構造に比較して作動油圧力による拡張が容 易であり、特にサイドプレート16の筒状壁16cに押圧力が作用しやすい。し かし、この実施例では、蓋部材26と筒状壁16cとの間にサブプレート18の 本体部18aが挿入されており、しかも本体部18aはリング状に形成されてい るので、半径方向外方への圧力は本体部18aで作用し、サイドプレート16の 筒状壁16cに作用する圧力は軽減される。
【0029】 さらに、この実施例では、サブプレート18の舌部18dによって回転トルク をケース24に伝達するようにしており、第1サイドプレート16及び第2サイ ドプレート17は動力伝達のための切り起こし部を有していない。このため、サ イドプレート17全体の強度が向上しており、変形しにくい。 このように、本実施例の構造では、ケース24の容積が変化しにくいので、常 に所望の粘性減衰特性を維持できる。
【0030】 次に本トルクコンバータのロックアップ装置作動時の共振周波数について説明 する。 共振周波数fnは、一般に、次の式(1)で表される。
【0031】
【数1】
【0032】 ここで、本実施例では、弾性連結機構14の捩じり剛性が式(1)におけるk 1に相当し、粘性ダンパー機構13及び弾性連結機構14の等価慣性モーメント がIに相当する。なお、k2に相当する部分は非常に小さいので、ここでは無視 できる。 ここで、等価慣性モーメントIは、次の式(2)で表される。
【0033】
【数2】
【0034】 但し、 Ie:フロントカバー4、インペラー5、ロックアップ装置3のピストン1 1及び捩じり振動減衰装置12の各プレート16〜18、 Id:タービン6及びロックアップ装置3のドリブンプレート19のトータ ル慣性モーメント である。
【0035】 一般には、IeがIdに比べて大きいために、共振周波数fnは高い。したが って、ロックアップ装置3に粘性ダンパー機構13を用いてロックアップ装置3 を低速域で作動可能とすると、共振周波数がロックアップ実用域に入ってしまう 場合がある。このため、ロックアップ装置3の作動域を低速側に広げることが困 難な場合がある。
【0036】 ここで、共振周波数fnを低くするには、k1を小さくするか、Iを大きくし なければならない。しかし、弾性連結機構14の機能を維持するために、k1を 小さくするにも限界がある。一方、Iを大きくするには、トータルイナーシャの 増加を極力抑える必要がある。トータルイナーシャが増加すると、加速時に応答 性が悪化する等の問題が生じるからである。そこで、トータルイナーシャの増加 を抑えた状態でIが最大になる条件を求めると、IeとIdが等しいときである 。現状においては、IeがIdに比較してかなり大きいために、Id側にイナー シャリング41を設け、IdをIeに近づけている。
【0037】 このように本実施例では、イナーシャリング41がタービン6に固定されてい るために、ロックアップ時における等価慣性モーメントが大きくなり、共振周波 数fnがより低速域に移行する。これにより、ロックアップ装置3の作動領域を さらに低速域に広げることが可能となっている。 〔他の実施例〕 (a) ケース24に設けられるヒステリシストルク制御用の孔は、前記実施例 に限定されない。たとえば、図11に示すように、ケース24の両端にそれぞれ 孔33bを追加すると、図12に示すように、捩じり角度Bの領域で発生するヒ ステリシストルクが小さくなる。
【0038】 図13に示すケース24には、側壁全体にわたって細いスロット33cが形成 されている。この実施例では、分室30におけるスロット33cが小さくなるに つれて、徐々にヒステリシストルクが大きくなる(図14)。 また、ケース24に設ける孔は、ケース24の両側面及び外周壁及び内周壁の いずれに形成してもよく、同様な効果が得られる。 (b) 前記実施例では、イナーシャリング41はタービン6に固定されていた が、ロックアップ装置3の出力側機構であるドリブンプレート19に設けてもよ い。また、その形状及び材質は限定されない。
【0039】
【考案の効果】
本考案に係る捩じり振動減衰装置では、プレートが動力伝達とサイドプレート の補強とを行っているために、サイドプレートの変形は抑制されて、所望の粘性 減衰特性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例が採用されたトルクコンバー
タの縦断面部分図。
【図2】そのロックアップ装置の正面図。
【図3】図2のIII −III 断面図。
【図4】サブプレートの平面図。
【図5】ケースの平面図。
【図6】図5のVI−VI断面図。
【図7】ケースのケース本体の正面図。
【図8】ケースの蓋部材の正面図。
【図9】ケースとスライダとの位置関係を示す概略図。
【図10】前記実施例の捩じり特性線図。
【図11】別の実施例の図9に相当する図。
【図12】さらに別の実施例の図10に相当する図。
【図13】さらに別の実施例の図9に相当する図。
【図14】さらに別の実施例の図10に相当する図。
【符号の説明】
11 ピストン 13 粘性ダンパー機構 16 第1サイドプレート 17 第2サイドプレート 18 サブプレート 18d 舌部 19 ドリブンプレート 24 ケース 27 スライダ 29 液体室

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側部材と出力側部材との間に配置され
    た動力伝達系の捩じり振動を減衰するための捩じり振動
    減衰装置であって、 内部に液体室が形成された円周方向に延びるケースと、 前記ケースの軸方向両側方及び半径方向外方を囲むよう
    に配置され、外周部が互いに連結された1対のサイドプ
    レートと、 前記ケースと前記サイドプレートとの間に前記入力側部
    材と一体回転するように配置されており、前記ケースの
    円周方向両端に係止する係止部を有しているプレート
    と、 前記出力側部材に連結可能であり、前記ケースの前記液
    体室内に円周方向に移動自在に配置されたスライダと、 を備えた捩じり振動減衰装置。
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