JPH0637552U - 車両の吸気ダクト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、車両の吸気ダクト装置に関し、エ
ンジン部の小型化を図ることを目的とする。 【構成】 エンジン上部に空気ダクトを配設する車両の
吸気ダクト装置において、上記エンジン上部に空間部を
有する２重のロッカカバーを設け、その空間部を有する
ロッカカバーの一方側に吸気ダクトを接続し、他方側を
エンジンのインテークマニホルドに接続した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンに供給する空気の通路である空気ダクトがエンジンの上部 に配設されている車両の吸気ダクト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在のエンジンの大部分は、シリンダの頂部に吸気バルブと排気バルブが設け られ、この吸気バルブと排気バルブを開閉するためのロッカアームがロッカシャ フトによって取り付けられ、このロッカアームやロッカシャフトの潤滑、汚損に よる磨耗防止のために、エンジン頂部には、ロッカカバーが設けられる。

【０００３】 そして、吸気バルブには、エンジン内に空気を導入するためのインテークマニ ホルドが、排気バルブにはエンジンで燃焼した排気ガスを排出するためのエキゾ ーストマニホルドが接続され、このインテークマニホルドとエキゾーストマニホ ルドとはエンジンの反対側に設けられる。

【０００４】 このようなエンジンにおいて、インテークマニホルドが、エンジンに供給する エアを清浄するためのエアクリーナ等の設置位置に対し、エンジンの反対側とな ることがあり、この場合には図３及び図４に示すように、インテークマニホルド とエアクリーナ１とを接続する空気ダクト２がエンジン３のロッカカバー４の上 部に設けられることになる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このようなエンジンにおいては、吸気バルブや排気バルブ、およびこれらを動 かすロッカアームがシリンダ頂部に設けられるだけでなく、ロッカカバーで覆わ れるため、エンジンそれ自体の高さが高くなっている。

【０００６】 これに加え、ロッカカバーの上に空気ダクトが設けられるので、これを含めた エンジンの高さは一層高くなり、エンジンが収容されるエンジンルームとしては 、その高さを要求され、従ってボンネットやキャブ内のエンジンカバーの高さが 高くなる。

【０００７】 そのため、ボンネットが高くなった際には、運転視界の妨げや、車両スタイル の悪化、キャブ内のエンジンカバーが高くなった際には、キャブ内の居住性の悪 化を招来する欠点があった。

【０００８】 本考案は、従来の車両の吸気ダクト装置の問題点に鑑み、エンジン部の小型化 を図ることにより前述の欠点を解決することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、エンジン上部に空気ダクトを配設する車両の吸気ダクト装置におい て、上記エンジン上部に空間部を有する２重のロッカカバーを設け、その空間部 を有するロッカカバーの一方側に吸気ダクトを接続し、他方側をエンジンのイン テークマニホルドに接続したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

本考案の車両の吸気ダクト装置は、空間部を有するロッカカバーが吸気ダクト を兼ねることによって、ロッカカバー上に更に吸気ダクトを設ける必要がなくな って、エンジン上部の高さが低くなり、小型化が図れる。

【００１１】 又、空間部を有する２重のロッカカバーにより、吸気が広げられ、慣性加給効 果が狙えるものである。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案の実施例を、図１、図２について以下に説明する。 この実施例のロッカカバー４は、ロッカアームの上部を覆うロッカカバー部１ ０とエア通路となる空間部１１の２重に形成されている。

【００１３】 この空間部１１のインテークマニホルド側にはインテークマニホルド１２を接 続する接続部１３が、反対側にはエアクリーナ１に接続されている吸気ダクト２ の出口側を接続する接続口１４が形成されている。

【００１４】 そして、この接続部１３にはインテークマニホルド１２が、接続口１４には吸 気ダクト２が接続され、吸気ダクト２からインテークマニホルド１２に至る吸気 が空間部１１を通るものであるが、空間部１１の断面積は吸気ダクト２の断面積 と略同一、或いはそれ以上であれば足りる。

【００１５】 従来から吸気ダクトの断面形状は円形のものが多く、これに対しこの実施例に おいては、前記空間部１１はエンジン３の前後方向の長さ全部とすることができ 、空間部１１の断面積を吸気ダクト２の断面積と略同一、或いはそれ以上の断面 積とすれば良いので、従来の吸気ダクト２の断面の円形の直径よりも、その高さ を低くすることができる。

【００１６】 従って、この実施例のロッカカバー４を取り付けたエンジン３の全高は、従来 の吸気ダクト２を含めたエンジン３の全高よりも低くすることができ、この低く なった分だけ、エンジンの小型化を図ることができる。

【００１７】 そのため、エンジンがボンネット内に収容される車両においては、ボンネット の高さを低くすることができ、運転視界を良好に保つと共に、車両の形状設計の 自由度が増し、スマートな形状とすることができる。

【００１８】 又、トラックやバス等のエンジンがキャブの下側に取り付けられている車両に おいては、運転席に出っ張るエンジンカバーの高さを低く抑えることができるの で、キャブ内の行動の自由化と、居住性の向上が図られるものである。

【００１９】

【考案の効果】 以上説明したように本考案は、吸気ダクトの直径によって定まる断面積と同一 、或いはそれ以上の断面積が得られるように、エンジンの略全長にわたるロッカ カバーの空間部を設計すれば良いので、ロッカカバーの空間部の高さは、吸気ダ クトの直径よりも低くすることができるものである。

【００２０】 従って、エンジンの全高さを前記の分低くすることができ、エンジンの小型化 と、その小型化に起因するエンジンルームの縮小を図ることができ、運転視界の 確保、車両スタイルのスマート化、居住性の向上が図られ、しかも慣性加給効果 が狙えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の断面図である。

【図２】同上の斜視図である。

【図３】従来の車両の吸気ダクト装置の斜視図である。

【図４】同上の断面図である。

【符号の説明】

２ 吸気ダクト ３ エンジン ４ ロッカカバー １１ 空間部 １２ インテークマニホルド １３ 接続部 １４ 接続口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン上部に空気ダクトを配設する車
   両の吸気ダクト装置において、上記エンジン上部に空間
   部を有する２重のロッカカバーを設け、その空間部を有
   するロッカカバーの一方側に吸気ダクトを接続し、他方
   側をエンジンのインテークマニホルドに接続したことを
   特徴とする車両の吸気ダクト装置。