JPH0637521B2 - 多糖類、それより主としてなる吸水・吸湿・保湿・増粘剤およびその培養生産法 - Google Patents

多糖類、それより主としてなる吸水・吸湿・保湿・増粘剤およびその培養生産法

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JPH0637521B2
JPH0637521B2 JP2001359A JP135990A JPH0637521B2 JP H0637521 B2 JPH0637521 B2 JP H0637521B2 JP 2001359 A JP2001359 A JP 2001359A JP 135990 A JP135990 A JP 135990A JP H0637521 B2 JPH0637521 B2 JP H0637521B2
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【発明の詳細な説明】 1)産業上の利用分野 本発明は、微生物由来の多糖類、それより主としてなる
吸水・吸湿・保湿・増粘剤及びその培養生産法に関する
ものであり、生理用品、紙オムツ等の吸湿・保湿剤、化
粧品分野さらには最近注目を集め始めている砂漠緑化等
の苗木のかんがい水の保湿剤等の利用等広範囲にわた
り、その利用が期待される。
2)従来技術 生理用品、紙オムツ等は高生活水準とともにその使用量
は年々増加してきている。しかしながらこれら生理用品
・紙オムツ等に使用される吸水・吸湿・保湿剤のほとん
どは合成高分子系吸水・吸湿・保湿剤と言われている。
これらは使い捨てのタイプのため、水洗等により流され
ると環境中に放出され、その生分解性の少なさにより長
期間環境中に存在し見苦しいばかりでなく、環境面にお
いても決して好ましいものではない。このため、生分解
性があり、安全性の優れた代替品の開発が期待されてい
る。
また、美意識の追求とともに、最近ではバイオ指向が高
まっており、各種の化粧品に生物の生産する素材が組み
込まれてきてはいるものの、その使用量は極く限られて
おり、特に各種化粧品の基剤となる新規な生物由来の吸
湿・保湿剤の開発への期待が高まっていた。
一方、最近の地球規模での環境面を考えると砂漠の年々
の急な拡大がおこっており、砂漠緑化への日本の貢献と
して日本側によるエジプト等への苗木のかんがい水の保
留のための合成高分子の吸水・吸湿・保湿剤の提供等が
話題になっている。このような苗木等のかんがいのため
の吸水・吸湿・保湿剤が安全で生分解性がある生物由来
の吸水・吸湿・保湿剤であれば苗木の成長後においても
環境面への影響も少なく好ましいものと考えられる。
3)発明が解決しようとする課題 このような背景のもとに、合成高分子系吸水・吸湿・保
湿剤等のもつ問題点を解消・克服、即ち、生分解性等が
優れており、二次公害の恐れのない安全な、かつ淡水あ
るいは塩水下でも高い吸水・吸湿・保湿能を有する多糖
類、それより主としてなる吸水・吸湿・保湿・増粘剤及
びその培養生産法を見出すことにある。
4)問題点を解決するための手段 本発明に使用される菌株は、アルカリゲネス属に属し、
微生物産生吸水・吸湿・保湿・増粘剤生産能を有する菌
株であればよいが、その代表例示菌株は、アルカリゲネ
ス・レータス(Alcaligenes latus)B−16株で、F
ERM BP−2015号として寄託されている。
以下、本発明に使用する代表株(FERM BP−20
15号)の菌学的性質を下記第1表に示す。この第1表
に示す菌学的性質から、バージー・マニュアル・システ
マテック・バクテリオロジー第1巻(Bergey's Manual
of Systematic Bacteriology Volume 1),(1984
年) 372頁にり、アルカリゲネス属に属すること並
びにその安全性を有するものであることが判明した。タ
イプストレイン(ATCC 29712)と対比して、第1表にお
ける ・デオキシリボマクレアーゼ、 ・クエン酸、 ・アルギニンデハイドロラーゼ、 ・アクリルアミダーゼ、 ・糖より酸の生成、 ・菌体外ポリマー生産能、 の記載は見当らないが、他の諸性質は本願の株とタイプ
ストレインは一致する。
このような菌株の炭素源としては、フラクトース、グル
コース、シュークロース等の単糖類・少糖類の他に、ヘ
ミセルロース、でん粉、コーンスターチ等の天然高分子
及びオリーブ油等の油類の炭素源が好ましくは用いられ
る。さらに、尿素、塩安、硝安、硫安等の無機体窒素
源、トリプトン、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、麦
芽エキス等の有機窒素源、その他、リン酸カリ、硫酸マ
グネシウム、食塩等の無機塩類が培地構成成分として使
用される。
特に、単糖類又は二糖類を炭素源として用いるのは、吸
水・吸湿・保湿・増粘剤の生産にとって好ましいもので
あり、かつ、培養源における添加リン酸塩濃度を80mM以
上に設定し、培養を行うことは同剤の生産増強に望まし
い条件である。
培養は液体培養でもよい。培養は初発pHが4〜10、温度
15〜40℃の範囲で行われ、通常は通気攪拌培養で行われ
る。培養は炭素源等の種類にもよるが培養1日から10日
間で行われ、この間で最大生産時期が設定される。
培養処理物の性状は、無色透明あるいは薄黄色の固体、
アニオン性高分子であり、その粘度は約1000〜15000cps
である。粘度の測定は100倍の水(20℃)を添加し、完
全に吸水した状態で回転粘度計で行う。
培養を行うことにより吸水・吸湿・保湿・増粘能を有す
る培養物を得る。培養液に2倍量のエタノールを加え、
5℃にて一夜放置した沈澱物をNO.2濾紙にて濾過を行
い集め、その後70%エタノールにて3回洗浄、さらに蒸
留水にて3回濾紙上で洗浄後、凍結乾燥等により水分を
とばした吸水・吸湿・保湿・増粘物質が培養処理物とし
て回収できる。しかしながら、本発明では、このように
分離精製した培養処理物を使用するまでもなく、培養物
そのものをそのまま使用することができる。
本発明において、吸水・吸湿・保湿の対象となる水分は
特に制約されるものではない。一般的に合成高分子系の
吸水・吸湿・保湿剤は塩分を含む水においてその保湿・
吸湿性能は純水系におけるその性能と比較すると相当の
割合で減少すると言われているが、本発明の微生物がつ
くる吸水・吸湿・保湿剤は後述の実施例からも明らかの
ように、含まれる塩分下においてその吸水・吸湿・保湿
性が優れていることは合成高分子系吸水・吸湿・保湿剤
にない新規な注目すべき性能と評価される。
本発明における吸水・吸湿方法、保湿方法は後述の性能
評価のための標準検定方法によってなされているもの
の、これらの実施方法は特に制約されるものではないこ
とはいうまでもない。
なお、以下において示すように本発明における吸水能、
保湿能及び吸湿能の力価測定は次のようにして求めた。
(イ)吸水能力価測定法 本力価測定法はティーバックテスト法といわれている方
法を採用した。すなわち、不織布(キッチンタウパー;
天然パルプ100%、東海パルブ(株)製)で約20ml位入
る容器を作り、ほぼ一定重量の乾燥ポリマー等の試料を
入れる。次いで、純水にて2時間浸した後、静置を1時
間行い余分な水分を切る。この水分を切った試料を恒量
測定済の秤量用ビーカ(10ml)に入れ吸水後の重量(吸
水量+試料量)を正確に測定する。この後105℃で約2
時間、乾燥を行い水分を完全に蒸発させ、試料の正確な
重量を測定した。
このようにして各重量を測定した後、次式により、試料
(乾燥)1g当りの吸水量(g)を計算した。
(ロ)吸湿能力価測定法 本吸湿能力価測定法は香粧会誌第8巻2号,131頁(198
4年)に記載されている方法に従って測定した。すなわ
ち硝酸カリウム飽和溶液(相対湿度91%)、硝酸ナトリ
ウム飽和溶液(相対湿度61.8%)及び塩化マグネシウム
飽和溶液(相対湿度31.9%)を含む各デシケーターを37
℃の恒温室に保管して使用した。各乾燥試料約100mgを
内径1.2cmのプラスチックカップ(サンコープラスチッ
ク社製)中に精秤した後、デシケーター中に放置後、
2,4,6,8及び24時間に各試料の重量を測定し、そ
の重量から、次式に従って吸湿率を求めた。
:放置前重量、W:各測定時重量 (ハ)保湿能力価測定法 保湿能力価測定法も前述の吸湿能力価測定法と同じ文献
(香粧会誌第8巻2号,131頁(1984年))に記載され
ている。すなわち、硝酸ナトリウム飽和溶液(相対湿度
64.8%)、塩化マグネシウム飽和溶液(相対湿度33%)
及び五酸化リン(相対湿度34%)を含む各デシケーター
を20℃の恒温室に保管して使用した。
硝酸ナトリウム飽和溶液(相対湿度64.8%)及びシリカ
ゲルを含む各デシケーターを20℃の恒温室に保管して使
用した。プラスチックカップに約100mgの各乾燥試料を
精秤し、これに20μの水を添加し、再び精秤した後、
デシケーター中に放置した。放置後の重量測定は、吸湿
試験法に準じて行い、保湿能は次式に従って水分残存率
を指標として求めた。
:放置前の含水試料重量、 W:各測定時の含水試料重量 実施例 次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
〔実施例1〕 〈吸水・吸湿・保湿・増粘剤の培養と回収〉 シュークロース15g、KHPO6.8g、KHPO
8.8g、MgSO・7HO0.2g、食塩0.1g、尿
素0.5g、肉エキス0.5gを蒸留水1に溶かし、培地を
pH7.4に調整した。培地150mlを、500mlの三角フラスコ
にとり、オートクレーブにより、102℃、15分間無菌殺
菌した後、アルカリゲネス・レータスB−16株(FE
TM BP−2015号)を1白金耳の量でフラスコに
移植し、30℃にロータリー回転培養を行う。なお回転数
は180rpmである。
このようにして培養した6日目の培養物(含菌体)より
バイオポリマーの精製を下記のような方法により行っ
た。
すなわち、培養物500mlに対し、2倍量のエタノールを
添加し静置後、液相部を除き沈澱物を採取する。この沈
澱物に対し純水100mlを添加し、60〜70℃の湯浴中にて
溶解せしめ、次いで5倍量のエタノールを添加し、再度
沈澱物を得る。この溶解−沈澱の操作を数回繰返すこと
により培地成分から由来すると考えられる着色物質は系
より除外され、白色の沈澱物を得られる。このような脱
色工程をへた白色沈澱物を再び0.02% NaOH溶液40
00〜8000mlに希釈再溶解し121℃、10分間加熱した後、
遠心機を用いて40,000g×40分間、希釈し遠心する。こ
の希釈遠心操作により菌体を除去する。菌体を除去した
遠心上清部を塩酸にて中和し、ロータリーエバポレータ
ー(60〜70℃)を用いて濃縮する。この濃縮物に純水10
0mlを加え、60〜70℃の湯浴中にて再溶解させる。再溶
解液に5倍量のエタノールを添加しエタノール沈澱させ
る。この溶解−エタノール沈澱を3回繰返した後、常温
にて真空乾燥することにより、白色の精製バイオポリマ
ーを得る。このようにして得られた精製パイオポリマー
は、高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ製)で
均一であることを認めた。
以上の精製工程により、培養物1より白色の精製バイ
オポリマーが2.4〜3g得られた。
次に実施例1で得られた精製バイオポリマーの理化学的
諸性質(物性)を示す。
(1)物質の色:白色 (2)炭化温度:225〜280℃ (3)元素分析:C,HはカルロエルバC,H元素分析計
にて分析した。Oは100−(C+H)(wt%)により算
出した。
C:40±4 H:6±1 O:54±5 (4)溶解性 水(中性)に難溶;アルカリに可溶;メタノール、エタ
ノール、アセトンに不溶。
(5)紫外線吸収スペクトル それは第1図に示す通りである。蛋白質(ペプチド)に
特有な280nm及び核酸に特有な260nmの吸収は認められな
い。
(6)赤外線吸収スペクトル それを第2図に示す。800〜1200cm-1付近に多糖類特有
の吸収パターンが見られる。1620±20cm-1にウロン酸特
有な吸収パターンが見られる。2950cm-1付近に炭水化物
由来のCH,CHの吸収パターンがあり、3400±20cm
-1付近に炭水化物由来のOHの吸収パターンがある。こ
の結果、この物質は糖等の炭水化物を主成分とした酸性
の多糖類であると考えられた。
(7)粘度 NaNOの0.1N塩濃度を溶媒とし、Ubbelohde粘度計
を用いて測定した。測定結果を第3図に示す。この物質
の極限粘度はη=42±5である。
(8)施光度 この物質は0.02%NaOH液に100ppm溶解し、0.45μミ
リポアフィルターを用いて濾過した濾過液の施光度を施
光計(日本分光DIP360型、標準セル100mm使用)にて
測定した。この結果、施光度α=0.002degであった。
(9)糖の定性・定量反応 実施例1における炭素源をシュークロース及びフラクト
ースにより培養し、得られた精製標品を夫々SP,FP
と名付け、夫々のサンプルにおける糖の定性・定量反応
を行った。
反応はアンスロン反応及びフェノール硫酸法にてグルコ
ース換算にて求め、Elson-Morgan法ではヘキソサミン
(グルコサミン、ガラクトサミン等)を、過ヨウ素酸−
レソルシノール反応ではシアル酸(N−アセチル)イラ
ミン酸、N−グリコリルノイラミン酸等)を、硫酸カル
バゾール反応ではウロン酸(グルクロン酸、ガラクッロ
ン酸等)を、オルソシンFe3+法でグルクロン酸を指標
として行った。又、本物質の加水分解条件は次のスキー
ムに示した通りである。夫々の反応結果を第2表にまと
めて示す。
ただし、アンスロン反応及びフェノール硫酸法において
はグルコース換算にて%を求めた。
これらの糖に対する定性・定量反応の結果より、本物質
はヘキソース及びウロン酸を構成成分に持つ可能性が示
されたが、グルコサミン等のヘキソサミン及びN−アセ
チルノイラミン酸等のシアル酸は持っていないことが明
らかとなった。
(10)構成糖 前記のように、本物質はヘキソース、ウロン酸等の糖を
持つことが示されたので、本物質を塩酸等の酸で加水分
解した後、構成成分の同定を薄層クロマトグラフィー、
液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー及び
質量分析により分析同定を行った。
(イ)薄層クロマトグラフィー分析 実施例1における炭素源をシュークロースとして培養
し、得られたものを精製した本物質(サンプルSP)の
加水分解物の展開方法(展開溶媒)を種々変えて薄層ク
ロマトグラフィー分析を行った。各展開溶媒時における
既知物質(糖類)と本物質の加水分解物のRf値を第3
表−1(各標準糖とサンプル加水分解物のRf値の比
較)、第3表−2(マンノースとの比較)、第3表−3
(ウロン酸としてのグルクロン酸との比較)に夫々まと
めて示した。
なお、薄層クロマトグラフィーにおける構成糖の同定分
析条件は以下に示す通りである。
第3表−1より、本物質はグルコース、ラムノース、フ
コースのRf値と一致することにより、グルコース、ラ
ムノース、フコースを有していることが示された。
次に、第3表−2においてマンノースと近いRf値を持
つタロースと本物質の加水分解産物の比較を条件を変え
て検討した。その結果、本物質はタロースではなくマン
ノースを構成糖とすることが明らかになった。
次いで、ウロン酸における構成成分としてグルクロン酸
であることを更に確実にするために3種の実験条件(第
3表−3に条件は示した)を行った。第3表−3の実験
1に示すように、グルクロン酸単独のRf値は0.17であ
るもののガラクツロン酸等が混在するとRf値は標準物
でも0.21と高くなる。又、第3表−3の他の実験より本
物質はムラミン酸、マンニュロン酸ラクトンではないこ
とが判明した。このことから、本物質はウロン酸として
グルクロン酸を持つことが示された。
以上の結果を考え合せ、5個の標準サンプル(グルコー
ス、マンノース、ラムノース、フコース、グルクロン酸
を混在したもの)と、本物質の加水分解産物を4種の条
件(第26頁参照)にて薄層クロマトグラフィーを行っ
た。この結果、前記の標準サンプルと本物質の加水分解
産物の夫々のRf値は非常に良く一致している。
上述の如く、薄層クロマトグラフィーの種々の詳細な分
析結果より、本物質はグルコース、マンノース、ラムノ
ース、フコース、グルクロン酸の5種の構成糖を持つこ
とが認められた。
(ロ)高速液体クロマトグラフィー分析 カラムとしてアミド−80(トーソー製)を用い、移動相
アセトニトリル/水=80/20、流速1.0ml/min、カラム
温度80℃で検出にRIを用いて薄層クロマトグラフィー
にて同定された中性糖(ラムノース、フコース、マンノ
ース、グルコース)を高速液体クロマトグラフィー装置
にて分析を行った。中性糖の各標準サンプル(第4図−
A)及び実施例1により得られたサンプルの加水分解産
物の液クロチャート(第4図−B)を夫々に示す。第4
図−A,Bに示すように、本物質の加水分解産物ピーク
はラムノース、はフコース、はマンノース、は
グルコースに該当することが高速液体クロマトグラフィ
ーにより確認された。
又、カラムをフェノール型(ウォーターズ製)、移動相
をメタノール/水=80:20、流速0.5ml/minで、検出に
UV(紫外線)を用いてグルクロン酸の標準サンプルと
本物質の加水分解産物を比較検討したところ、夫々第4
図−CとDに示す如く、両者の保持時間(リテンション
・タイム)は一致した。
以上の結果より、本物質はグルコース、マンノース、ラ
ムノース、フコース及びグルクロン酸より構成されてい
ることが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)から
も明らかとなった。
(ハ)ガスクロマトグラフィー及びガスマス分析 薄層クロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィ
ー分析により同定されたところの各構成成分を更に三重
に確認するための分析としてガスクロマトグラフィー及
びガスマス(GC−MS)を用いた。中性糖及びウロン
酸(グルクロン酸)を同時に分析するために、実施例1
により得られたサンプルを硫酸にて加水分解後、シリル
化剤を用いてシリル化を行い、ガスクスのカラム担体に
シリコンOV−1を用い、50℃〜200℃の範囲で昇温を
行い、FID検出にて分析した。またサンプルの加水分
解条件は18頁に示す多糖の加水分解法に従った。加水分
解物のトリメチルシリル誘導化の条件を次に示す。
第5図−Aにグルコース、マンノース、ラムノース、フ
コース、ウロン酸(グルクロン酸)のトリメチルシリル
化誘導体の各オーセンティック(標準)サンプル及び第
5図−Bに実施例1により得られ精製された本物質の加
水分解物トリメチルシリル化誘導体のガスクロマトグラ
フィー分析パターンを示した。第5図−AとBに示す如
く、本サンプルの加水分解産物のシリル化誘導体はグル
コース、マンノース、ラムノース、フコース及びグルク
ロン酸のシリル化誘導体と完全に一致する。
更にガスクロマトグラフィー分析において比較的ピーク
が大きかった4つのピーク(ピーク1:ラムノース、ピ
ーク2:フコース、ピーク5:グルコース、ピーク6:
マンノース)を、マス(質量)分析に導入し、GC−M
S(ガスマス)分析を行った。
第6図−1Aと1B(夫々標準サンプルと本物質の加水
分解物について)にピーク1とラムノースのマススペク
トルを、第6図−2Aと2B(夫々標準と加水分解物)
にピーク2とフコースのマススペクトルを、第6図−3
Aと3B(夫々標準と加水分解物)にピーク5とグルコ
ースのマススペクトルを第6図−4Aと4B(夫々標準
と加水分解物)にピーク6とマンノースのマススペクト
ルを例示した。これらのマススペクトルから見られるよ
うに、各ピークのフラグメントと標準サンプルのフラグ
メントは一致する。
これら、GC−MS分析の結果よりも、本物質の加水分
解産物は質量分析的にも前述の夫々の構成成分(ラムノ
ース、フコース、マンノース、グルコース)であること
が確認された。
以上、ガスクロマトグラフィー(GC)分析、ガスマス
(GC−MS)分析の結果、本物質はグルコース、マン
ノース、ラムノース、フコース及びグルクロン酸より構
成されていることが示された。
(11)構成糖のモル比 ラムノース、フコース、マンノース、グルコース及びグ
ルクロン酸の構成糖のモル比はガスクロマトグラフィー
における各ピークの面積比より求めた。使用したガスク
ロマトの条件は前述の30頁に示したものと同一である。
各構成糖のモル比を出すにあたり、まず各規定濃度の各
標準サンプルをガスクロにかけ、各ピークの面積を求め
た。次いで実施例1により得られた精製バイオポリマー
の加水分解物(加水分解条件は前述の18頁にて前述した
通りである)をガスクロ分析にかけ各ピークの面積を得
た。このようにして得られた面積を基にして次式により
各構成糖のモル数を算出した。
使用した各標準サンプルの面積とモル数(第7図−A)
及び実施例1におけるシュークロースを炭素源とした精
製バイオポリマーSP加水分解物におけるガスクロマト
による面積(第7図−B)の一例を次に示した。
第7図−A及び第7図−Bの面積及びモル数を求めると
次の第4表になる。
各構成糖のモル比を上の表にもとづいてマンノースを1
にして算出すると ラムノース:フコース:グルコース:マンノース:グル
クロン酸 ≒(1〜2):(3〜4):(5〜6):(1):(2
〜3) となる。
〔実施例2〕 〈培養炭素源の種類・濃度、リン酸塩の濃度変化による
吸水・吸湿・保湿・増粘剤の生産〉 実施例1における炭素源の種類及び濃度、さらにはその
時のリン酸塩の濃度を次の第5表のように変化させて培
養条件の異った吸水・吸湿・保湿・増粘剤を得た。な
お、その他の条件は実施例1と同様である。
〔実施例3〕 〈吸水性能〉 実施例2により得られた各サンプルを前記の吸水能力価
測定法に従って測定した。結果を第7表に示す。さら
に、対照サンプルとして下記第6表の6点のサンプルを
選んで試験した。
第7表に示すように、アルカリゲネス・レータスが生産
したところの物質は、対照区のどのサンプルよりも多量
の水分をすみやかに吸水することは明らかである。
〔実施例4〕 〈吸湿性能〉 実施例2により得られた粉体(サンプル名:SP)と
実施例2において得られたすべてを混合した粉体(試料
サンプル名:MIX)を前記の吸湿能テスト法に従って
測定した。
なお、本剤の対照サンプルとしては一般的に吸湿剤とし
て知られているところのシリカゲル、PVP(ポリビニ
ールピロリドン:和光純薬K−30)、尿素(関東化学特
級)、グリセリン(関東化学特級)、PEG200(日本
油脂)及びアニオンポリマー(住友化学 スミフロック
FA−70)を用いた。
結果を第8表に示す。
第8表におけるグリセリンと尿素の吸湿性能の値は、前
記の吸湿能力価測定法と同じ方法で測定した文献値(安
藤隆夫ら,香粧会誌Vol.8 NO.2,P130〜134,1984年)
の24時間経過後の値にほぼ等しい。安藤らの文献によれ
ば、最近化粧品等に天然由来の吸湿・保湿剤として使わ
れているヒアルロン酸の24時間経過後の値(91%湿度,
37℃で約35%,61.8%湿度37℃で約17%)と比較する
と、本吸湿性能は2.7〜約2倍の吸湿性能を示してい
る。
このように生物由来のバイオポリマーである本剤は、優
れた吸湿性を示すことが明らかに認められる。
〔実施例5〕 〈保湿性能〉 実施例4と同じサンプル、すなわちSPとMIXを前
記の保湿性能テスト法に従って測定した。なお、対照サ
ンプルは実施例4と同じものを選定し測定した。
結果を第9表に示す。
また、本発明の方法と同じ方法で保湿能を評価したとこ
ろの前記の安藤らの文献(133頁)によれば、ヒアルロ
ン酸の24時間後の保湿能(105%)は本発明による保湿
剤より低い値であり、SP及びMIXともにヒアルロ
ン酸の値の1.5倍以上の高さを示している。
第9表及び文献値と比較することにより生物由来のバイ
オポリマーである本剤は優れた保湿能を示すことが明ら
かに認められる。
〔実施例6〕 〈塩分添加条件下での吸水テスト〉 一般的に合成高分子吸水剤は塩分があると極度に吸水量
が減少することが知られている。そこで、本発明による
微生物酸性吸水・吸湿・保湿剤の場合にはどのようなこ
とになるか、塩分添加条件下での吸水量を測定した。な
お、用いたサンプルは実施例1により得られたサンプル
(サンプル名SP)を用い、塩分としては食塩を用
い、その添加量は0.9%とした。用いたサンプルは凍結
粉砕し、さらに乾燥粉体にしたものを用いた。十分に吸
水させるため吸水試験法における吸水時間を2時間から
24時間に延して、その吸水量を調べた。
なお、本剤の対照サンプルとして市販の高級吸水体ポリ
マー(スミカゲルS−50)を用いて本剤と同一条件にて
測定した。
結果を第10表に示す。
第10表に示すように、塩分添加条件下においては純水系
に比べて、その吸水量は確かに減少はする。しかしなが
ら、その減量率は市販の高級吸水体ポリマーのそれと比
べて遥かに少ない。また、吸水時間の関係からはっきり
とは言えないけれども、実施例3の第7表における高分
子吸水剤、及びアニオンポリマーの値(純水系、2時
間)と比べても、0.9%食塩水下においても各サンプル
1g(乾燥重量)当りの吸水値は十分に匹敵するものと
考えられる。
このように、本剤は塩水下においても十分に吸水機能を
保持し、吸水できることが認められる。
〔実施例7〕 〈各種炭素源を培養源として用いた場合の吸水・吸湿・
保湿・増粘剤の生産量〉 実施例1における培地組成のうち炭素源の種類を単糖類
の代表としてフラクトース、二糖類の代表としてシュー
クロースを、天然高分子の代表としてでん粉を、さらに
非水溶性炭素源の代表としてオリーブオイルを選定し、
各種炭素源の濃度を15g/にし、他の培地成分・濃度
はすべて実施例1と同一にし、実施例1に示すのと同じ
培養を行い、6日目の培養液より吸水・吸湿・保湿・増
粘剤の回収を実施例1と同じく行い乾燥重量を測定し、
各種炭素源により生産量を比較した。結果を第8図に示
す。
第1図に示すように、培養源の炭素源を単糖類または二
糖類に設定することにより吸水・吸湿・保湿・増粘剤生
産量を増大せしめることが判った。
〔実施例8〕 〈塩分濃度と吸水力の関係〉 本物質が使用される各分野例えば紙オムツ、生理用品等
のサニータリー(衛生)分野等を考え合せると、塩分存
在下においてその吸水力の低減化がいかに防ぐかどう
か、即ち吸水力を維持できるかどうかは、その使途(工
業化)を考える上で非常に大きな要因である。
現在、使用されている合成高分子系吸水ポリマーは純水
(蒸留水)での吸水力は200〜300倍であるもの、生理食
塩水(0.9%)下では50〜80倍と言われている。
そこで、塩(NaC)濃度と本物質の吸水力を調べ、
結果を第11表に示した。
第11表に示す如く、本物質は塩濃度が1%でも450倍、
2.5%でも370倍の吸水力を示し、これらの値は合成高分
子系吸水ポリマーの蒸留水での吸水力をも上回り、本物
質の大きな特徴と考えられ、実用化に際しての有利な点
と考えられる。
〔実施例9〕 実施例1により得られた粉体(サンプル名SP)の濃
度による粘度の特性を測定した。本サンプルの対照とし
てケルザン(ケルコ社製汎用ザンサンガム28メッシュパ
ス100%)を使用した。サンプルを1%(wt/wt)になる
ように純水に溶解した後、0.1〜1%の範囲で純水にて
希釈した。それぞれの濃度を調整したサンプルについ
て、B型粘度計(25℃,NO.2スピンドル30rpm)にて粘
度を測定した。結果は第9図に示す。本サンプルはケル
ザンに比べ明らかに高い粘度特性を持つことが認められ
た。
〔実施例10〕 実施例9で使用した本サンプル(SP)とケルザンの
水溶液の物理的特性を測定した。本サンプル2000ppmの
水溶液とケルザン5000ppmの水溶液を作成し、B型粘度
計にて回転数を上昇した時の粘度変化と下げた時の粘度
変化を測定した。(pH7.2,25℃,NO.2スピンドル)本
サンプルの結果を第10図−B、ケルザンの結果を第10図
−Aに示した。ケルザンは図のごとくシュードプラスチ
ック(Pseudo plastic)特性を示す。本サンプルは図の
ごとくチクソトロピック(Thixotropic)特性が認めら
れた。
〔実施例11〕 実施例9で使用した本サンプル(SP)の温度による
粘度の特性を測定した。本サンプル2000ppmとケルザン5
000ppmの水溶液を5℃から20℃,30℃,45℃,60℃,80
℃と順に温度を上げて行き、それぞれの温度で粘度をB
型粘度計(pH7.2,NO.2スピンドル)で測定した。第11
図に示されるように、ケルザンは温度の上昇とともに粘
度が低下したが、本ポリマーの粘度は温度に関係なく一
定であった。
一般に合成、天然のポリマーのほとんどは温度の低下と
ともに粘度が上り、上昇と共に粘度は下がる。ケルザン
はその粘度変化が少いポリマーとして知られているが、
それよりも本ポリマーの粘度変化は少いことが認められ
た。
〔実施例12〕 実施例9で使用した本サンプル(SP)のポリマーを
溶解する水溶液の塩濃度と粘度の関係を測定した。水溶
液は純水の0.01,0.05,0.1,0.5,1.0%濃度食塩水と
し、本サンプル2000ppm、ケルザン5000ppmを各食塩水に
溶解し、B型粘度計(25℃,pH7.2,NO.2スピンドル,
30rpm)にて粘度を測定した。第12図に示されるように
ケルザンに比べ、塩濃度の影響を受けにくいことが認め
られた。
〔実施例13〕 実施例9で使用した本サンプル(SP)にてpHによる
粘度特性を測定した。NaC0.1%水溶液に本サンプ
ル2000ppm、ケルザン5000ppm溶解した後、HCあるい
はNaOHにてpHを調整し、B型粘度計(25℃,NO.2
スピンドル,30rpm)にて粘度を測定した。第13図に示
されるようにケルザンに比べ、本サンプルの粘度はpHの
影響が少いことが認められた。
本物質が使用されると考えられる用途として下記が挙げ
られる。
・食品分野 食品増粘剤、食品増量剤、食品保水剤、テクスチャー改
良剤、ダイエット食品 ・飼料分野 飼料増粘剤、飼料増量剤、飼料保水剤、包かつ担体剤 ・メディカル分野 免疫ふかつ剤、薬の包かつ剤(カプセル、錠剤用等) ・バイオテクノロジー分野 バイオリアクター等の固定化剤、微生物・植物・動物細
胞等の培養基剤、分離精製用担体(ゲル) ・農業分野 農薬等の徐放剤用カプセル、懸濁安定、乳化安定、付着
性の向上、撒布性の改善、液滴形状のコントロール ・土木 土壌改良剤、土壌保水剤、泥水安定液 ・流通分野 魚,肉等の食品ドロップ吸収剤 ・製紙コーティング コーティング性能の改善、マイグレーションの防止、ス
トリークの防止、顔料の沈降防止、保水性の改善 ・織物染色 顔料の沈降防止、マイグレーションの防止、スペースダ
イイングの流動性改善 ・ラテックス 乳化安定 ・クリーナー 乳化安定、懸濁安定、たれ防止、噴霧性の改善 ・懸濁安定剤 酸化チタン懸濁液の安定、澱粉スラリーの懸濁安定 ・泡安定剤 軽量セメント(発泡) ・研磨剤の改良 バス研磨剤 ・ペイントの改質剤 レオロジーの改良 6)発明の効果 以上より明らかのように、本発明のアルカリゲネス属由
来のバイオポリマーは優れた吸水性能、吸湿性能、保湿
性能、増粘性能を示す。かようにアルカリゲネス属由来
のバイオポリマーは生物由来の生分解性に優れ、二次公
害のない安全な特徴に加えて吸水・吸湿・保湿・増粘剤
としての著るしい効果を発揮するものである。
また、合成高分子系等の吸水・吸湿・保湿・増粘剤が塩
水下においてはその性能を著るしく減少させるのに対
し、本属由来のバイオポリマーは、塩水下においてもそ
の減少度は少ない。
さらに、このような吸水・吸湿・保湿・増粘剤を生産す
るにあたって、培養源の炭素源を単糖類又は二糖類の範
囲に設定することにより、効率良く培養生産できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で得られた物質のUV吸収スペクトル
である。よこ軸は波長(200nm〜300nm)を、たて軸は吸
光度を示す。 第2図は、本発明で得られた物質の赤外線吸収スペクト
ルである。たて軸は透過率(%)、よこ軸は波数(c
m-1)を示す。 第3図は、本発明で得られた物質の粘度を3回測定し、
極限粘度を求める図である。 η=42である。 たて軸は粘度ηを、よこ軸はサンプル濃度(ppm)を示
す。 第4図−Aは、標準サンプル(中性糖:グルコース、マ
ンノース、ラムノース、フコース)の液クロマトグラフ
ィーチャート図である。たて軸は誘電率(×10-1vol
t)、よこ軸は保持時間(10′分)を示す。 第4図−Bは、本発明で得られた物質の塩酸加水分解物
の液クロマトグラフィーチャート図である。たて軸、よ
こ軸は第4図−Aと同じである。 第4図−Cは、標準サンプルのUV吸光度と保持時間
(分)の関係図を示す。 第4図−Dは、本発明で得られた物質の加水分解産物の
UV吸光度と保持時間(分)の関係図である。 第5図−Aは、標準サンプル(ラムノース、フコース、
ウロン酸(グルクロン酸)、マンノースグルコース)の
トリメチルシリル化誘導体のガスクロマトグラフィー分
析パターンである。第5図−Bは、本発明で得られた物
質の加水分解物トリメチル化誘導体のガスクロマトグラ
フィー分析パターンである。第5図−Aと−Bのたて軸
はピーク高を、よこ軸は保持時間(分)を示す。 第6図−1A,−2A,−3A,−4Aは、各標準サン
プルのトリメチルシリル化誘導体の夫々ラムノース、フ
コース、グルコース、マンノースについてのマススペク
トルを示す。第6図−1B,−2B,−3B,−4B
は、本発明で得られた物質の加水分解物トリメチルシリ
ル化誘導体の夫々ラムノース、フコース、グルコース、
マンノースについてのマススペクトルを示す。各第6図
において、たて軸はインテンシティを、よこ軸はm/e
を示す。 第7図−Aは、各標準糖の規定濃度のトリメチルシリル
化誘導体のガスクロマトグラフィー分析図であり、第7
図−Bは、実施例1におけるSP加水分解産物のトリメ
チルシリル化誘導体のガスクロマトグラフィー分析図で
ある。たて軸にピーク高さを、よこ軸に各物質の保持時
間(分)を示す。 第8図は、アルカリゲネス・レータスB−16株に各種
炭素源を培養源として用いた場合の吸水・吸湿・保湿・
増粘剤の生産量を示す。 第9図は、本発明で得られた物質の濃度と粘度との関係
図であり、対照としてケルザンを使用。たては粘度(cp
s)、よこはポリマー濃度(wt/wt%)。 第10図−Aは、ケルザンの水溶液流動曲線を示し、第10
図−Bは、本発明で得られた物質の水溶液流動曲線を示
した。たては粘度(cps)、よこはスピンドルの回転
数。 第11図は、本発明で得られた物質の水溶液の温度変化と
粘度の関係図を示した。対照としてケルザンを使用。た
ては粘度(cps)、よこは温度(℃)。 第12図は、本発明で得られた物質の水溶液中に含まれる
NaC濃度と粘度の関係図を示した。対照としてケル
ザンを使用。たては粘度(cps)、よこはNaCの濃
度(wt/wt%)。 第13図は、本発明で得られた物質の水溶液のpHと粘度の
関係図を示した。対照としてケルザンを使用。たては粘
度(cps)、よこはpH。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:05) 7804−4B (72)発明者 野畑 靖浩 三重県四日市市別名6―6―9 伯東化学 株式会社中央研究所内 審査官 谷口 博

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の性質を有する多糖類; (イ)薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィ
    ー、ガスクロマトグラフィーによる糖組成;ラムノー
    ス、フコース、グルコース、マンノース及びグルクロン
    酸の主要構成成分とからなり、かつこれらの各成分の構
    成比がモル比で夫々(1〜10):(2〜10):(4
    〜20):(1):(1〜5)、 (ロ)元素分析比(重量%) C:40±4 H: 6±1 O:54±5 (ハ)炭化点 225〜280℃ (ニ)溶解点 水(中性)に難溶;アルカリに可溶;メタノール、エタ
    ノール、アセトンに不溶、 (ホ)紫外線吸収スペクトル 蛋白質(ペプチド)に特有な280nm及び核酸に特有な
    260nmの吸収は認められない。 (ヘ)赤外線吸収スペクトル 800〜1200cm-1、1620±20cm-1、2950
    ±10cm-1、3400±20cm-1にピークを有する。
  2. 【請求項2】グルクロン酸を5〜25モル%を含み、ラ
    ムノース、フコース、グルコース及びマンノースの各成
    分の構成比がモル比で(1〜6):(3〜5):(5〜
    17):(1)である請求項1記載の酸性の多糖類。
  3. 【請求項3】ラムノース、フコース、グルコース、マン
    ノース及びグルクロン酸の各成分の構成比がモル比で
    (1〜3):(3〜5):(5〜7):(1):(2〜
    3)である請求項1記載の酸性の多糖類。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の多糖類
    を主成分とする吸水・吸湿・保湿・増粘剤。
  5. 【請求項5】アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌培
    養物又はその処理物である多糖類を主成分とする請求項
    4に記載の吸水・吸湿・保湿・増粘剤。
  6. 【請求項6】アルカリゲネス属細菌がアルカリゲネス・
    レータス(Alcaligenes latus)B−16株(FERM
    BP−2015号)である請求項5に記載の吸水・吸
    湿・保湿・増粘剤。
  7. 【請求項7】請求項5又は6記載のいずれかの微生物の
    通気培養において、培養源の炭素源を単糖類又は二糖類
    に設定することにより吸水・吸湿・保湿・増粘剤生産量
    を増大せしめることを特徴とする培養生産法。
JP2001359A 1989-01-19 1990-01-08 多糖類、それより主としてなる吸水・吸湿・保湿・増粘剤およびその培養生産法 Expired - Lifetime JPH0637521B2 (ja)

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US07/735,633 US5175279A (en) 1989-01-19 1991-07-25 Polysaccharide, and water absorbent, moisture absorbent or humectant and thickening agent chiefly made of the polysaccharide

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