JPH0637351U - ワイピング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 製鉄機械の連続メッキラインや溶融槽におけ
る鋼板表面に付着したメッキ液等をワイピングするガス
ワイピング装置に関するもので、メッキ液のしぶきがワ
イピングノズルに付着しておこるノズルの局部的目詰ま
りによるワイピングの不均一性、メッキ厚さの不均一性
の発生を防ぎ、高品質のメッキ鋼板の製造を継続して行
なう。 【構成】 メッキ液槽を通過し表面にメッキ液膜２Ａを
付着した鋼板１が１Ａ方向に上昇して来るのに対し、鋼
板１の側面に対向して配設したワイピングノズル３の先
端より高圧気体を噴出して付着膜２Ａを吹き飛ばす際
に、ワイピングノズル３とその外周に配設した補助ノズ
ル板７Ａ，７Ｂとの間隔部に流路空間１０Ａ，１０Ｂを
設け、該流路空間にも高圧気体８Ａ，８Ｂを供給する。
そして該気体８Ａ，８Ｂはワイピングノズル３の先端近
傍の隙間から噴出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は製鉄機械の連続メッキラインあるいは溶融槽におけるガスワイピング 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３に従来のワイピングノズルを設けた連続メッキラインの構成を示す。図に おいて１は鋼板であり矢印１Ａの示す方向に進行している。２はメッキ液タンク ４内に貯留された溶融亜鉛、アルミニューム等の表面メッキ液、２Ａは鋼板１の 表面に付着して持ち上げられたメッキ液２の膜を示している。

【０００３】 ３は走行する鋼板１の両側面に対向配置したワイピングノズルであり、該ノズ ル先端より高圧の気体を噴射して鋼板１の表面に付着したメッキ液２の膜２Ａを ワイピングし、所要の付着膜厚にする役割を果している。

【０００４】 なお５は鋼板１の進行方向をメッキ液中で偏向するためのロールである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで前述のような従来のワイピング装置においては、拡大して示した説明 図４のように、ワイピングノズル３から噴出した高圧気体により、鋼板１表面に 付着したメッキ液の膜２Ａは吹き飛ばされ矢印１Ａ方向に上昇進行する鋼板１へ の付着量は気体の衝突部より上方の部分では非常に薄くなる。

【０００６】 この際吹き飛ばされたメッキ液はしぶき２Ｂとなり鋼板１の表面付近に飛散す る。高速の気体がノズルから吹きだされ、しぶき２Ｂは鋼板１の表面に沿って上 下に進行するが、この際ノズル３および鋼板１の間の空間には、渦６Ａ，６Ｂが 形成される。

【０００７】 しぶき２Ｂの一部はこの渦６Ａ，６Ｂを循環する気流に乗って、ノズル３の外 面近傍をただよい、その一部がノズル３の外面に凝固する。２Ｃはその凝固物を 示している。

【０００８】 時間の経過にともない、凝固物２Ｃは生長し、ついにはノズル３の開口部の一 部をふさいだり、ノズル内に侵入し、ノズルの目づまりや気体の噴出量分布を不 均一にする不具合が発生する。

【０００９】 これによりワイピング性が不均一になり、メッキ厚の不均一、ワイピング不足 が発生し、製品の品質が大幅に低下する。

【００１０】 本考案は上記従来の不具合点を解決し、ノズル外面へのしぶき２Ｂの付着を防 止し、メッキ厚の均一性を保ち品質の低下を防いだ新たなワイピング装置を提供 することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための構成として本考案のワイピング装置は、鋼板等の表 面に付着した表面メッキ液等の液体を、該鋼板等の搬送経路中に対向配置したワ イピングノズルの先端より高圧気体を噴射してワイピングを行なうワイピング装 置において、前記ワイピングノズルの外周に、１部あるいは全周より気体を噴出 可能な補助ノズル装置を適宜間隔を置いて配設し、該間隔部にも高圧気体を供給 するよう構成したことを特徴としている。

【００１２】

【作用】

本考案のワイピング装置では、鋼板に付着して持上げられてくるメッキ液の膜 に対し、ワイピングノズル（以下主ノズルと云う）の先端より高圧気体を噴出さ せ付着膜を吹き飛ばす際に、主ノズルと、その外周に配設した補助ノズル装置と の間隔部にも高圧気体を供給するため主ノズルと鋼板との間の空間の気流が整流 され、前述の従来装置で生じたような渦の形成が軽減、防止されるので、しぶき が主ノズル近傍にただようことを軽減、防止できる。

【００１３】 更に、主ノズルの外周に配設した補助ノズル装置の外周に多数の小孔を設け該 小孔よりも圧力気体の１部を噴出することにより、しぶきの付着・凝固が防止さ れる。

【００１４】 この結果従来しぶきの付着による主ノズルの局部的目詰まりに起因して発生し ていたワイピングの不均一性、メッキ厚の不均一性の発生が防止され、高品質な メッキ鋼板等の製造が継続して出来るようになった。

【００１５】

【実施例】

以下図面により本考案の一実施例について説明する。 図１は本考案の第１の実施例ワイピング装置の作用説明図、図２は本考案の別 の実施例ワイピング装置の説明図である。

【００１６】 まず図１において、１はメッキ液槽中を通過し、表面にメッキ液膜２Ａを付着 して進行方向（図示矢印１Ａ方向）に上昇して来た鋼板、３はワイピングノズル （主ノズル）である。ワイピングノズル３は鋼板１の両側面に対向配置されてい る。（図では片側部分のみを示す。）

【００１７】 主ノズル３の先端よりは高圧気体が鋼板１に向けて噴出され、該気体により鋼 板表面の付着メッキ液膜２Ａの一部は吹き飛ばされ、鋼板１へのメッキ液の付着 量を、所要の膜厚まで減少させる。

【００１８】 ２Ｂは、その際吹き飛ばされるしぶきを示す。

【００１９】 図１の実施例の場合は、主ノズル３の外周の上下面に適宜間隔を置いて図に示 す断面形状の補助ノズル板７Ａ，７Ｂよりなる補助ノズル装置を設置している。

【００２０】 主ノズル３の外周面と補助ノズル板７Ａ，７Ｂの間の流路空間１０Ａ，１０Ｂ には圧力気体８Ａ，８Ｂが供給可能に構成され、該空間部に供給された圧力気体 ８Ａ，８Ｂは主ノズル３の先端近傍の隙間から噴出する。

【００２１】 この結果主ノズル３と鋼板１の間の空間の気流は図示矢印のように整流され、 渦の形成が軽減、防止され、しぶき２Ｂの主ノズル３近傍への供給は軽減、防止 される。なお９Ａ，９Ｂは主ノズル３及び補助ノズル７Ａ，７Ｂ外面の空間で、 補助ノズル７Ａ，７Ｂからの気体で包まれた空間を示す。

【００２２】 つぎに図２に示す本考案の別の実施例について説明すると、本実施例の場合は 、補助ノズル板７Ａ，７Ｂに多数の小孔１１を穿設したもので、実施例１の効果 に加えてこれら小孔１１より圧力流体８Ａ，８Ｂの１部がそれぞれ外方に向けて 噴出すると共に、ノズル先端部よりもその１部が噴射するので、主ノズル３の先 端外周部周辺にメッキ液のしぶき２Ｂの接近を防ぎ、同部にしぶき２Ｂを含まな い清浄な気体の層１２Ａ，１２Ｂが形成されるので、これが保護層となりノズル 板７Ａ，７Ｂへのしぶき２Ｂの付着がさらに防止される。

【００２３】 また補助ノズル装置より噴出する気体圧力を主ノズル先端より噴出する気体圧 力よりも低くするよう調節すれば、主ノズルと鋼板で囲まれる空間の気流の整流 効果が出るため強い渦の形成を防止、軽減できる。

【００２４】 従って従来渦に沿う気流に乗って主ノズル外面に供給されていたしぶきが防止 、軽減でき、ノズル外周面に付着・凝固する固形物を防止、軽減できる。

【００２５】 以上本考案のいくつかの実施例につき説明したが、本考案はこれら実施例に限 定されるものでなく、本考案の技術思想の範囲内において種々設計変更し得るも のであり、それらは何れも本考案の技術的範囲に属するものである。

【００２６】

【考案の効果】 以上述べたように本考案のワイピング装置によれば、従来しぶき２Ｂの付着に よるノズル３の局部的目詰まりに起因して発生していたワイピングの不均一性、 メッキ厚の不均一性の発生が防止され、高品質なメッキ鋼板の製造が継続できる ようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例に係るワイピング装置の
作用説明図である。

【図２】本考案の第２の実施例に係るワイピング装置の
作用説明図である。

【図３】従来の連続メッキラインにおけるワイピング装
置の概略図である。

【図４】従来のワイピングノズルの作用説明図である。

【符号の説明】

１ 鋼板 ２ メッキ液 ２Ａ メッキ液膜 ２Ｂ メッキ液のしぶき ３ ワイピングノズル ７Ａ，７Ｂ 補助ノズル板 ８Ａ，８Ｂ 圧力気体 １０Ａ，１０Ｂ 主ノズルと補助ノズル板間の流路空
間 １１ 小孔 １２Ａ，１２Ｂ 清浄な気体層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼板等の表面に付着した表面メッキ液等
   の液体を、該鋼板等の搬送経路中に対向配置したワイピ
   ングノズルの先端より高圧気体を噴射してワイピングを
   行なうワイピング装置において、前記ワイピングノズル
   の外周に、１部あるいは全周より気体を噴出可能な補助
   ノズル装置を適宜間隔を置いて配設し、該間隔部にも高
   圧気体を供給するよう構成したことを特徴とするワイピ
   ング装置。