JPH0636857U

JPH0636857U - 浸透印式ローラースタンプ

Info

Publication number: JPH0636857U
Application number: JP7993192U
Authority: JP
Inventors: 哲之遠山; 正夫谷川
Original assignee: ヤマハチケミカル株式会社; 谷川商事株式会社
Priority date: 1992-10-26
Filing date: 1992-10-26
Publication date: 1994-05-17
Anticipated expiration: 2007-02-05
Also published as: JP2525132Y2

Abstract

(57)【要約】（修正有）［目的］ローラースタンプの頭出しすなわち転写始め
およびローラーの一回転の終わりの転写終わりを定め、
ローラー印版面の全版が正確に転写できるようにする。［構成］印版面を表面に有する浸透印式ローラーと、
この浸透印式ローラーを支持枠体の軸受部材に回転可能
に軸支する中軸とからなり、該中軸の偏心位置と上記支
持枠体との間において、いずれかが弾性体からなり、係
脱作用を構成する係脱機構を設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、頭出しおよび一回転による停止をなし得る構成を具備する新規な浸透印式ローラースタンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

浸透印式スタンプローラーを回転可能に軸支して、転写面上を転動することにより、ローラー表面の文字，図形，数字，記号等の図柄を転写する浸透印式ローラースタンプは既に開発されて知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従前公知の浸透印式ローラースタンプは、ローラー支持枠体の軸受部材にローラーの中軸を軸支させただけの構成であったため、ローラーの位置決めが定まらず、印版の頭出し及び終わり位置が定まらないという問題点があった。

【０００４】本考案は上記従前のローラースタンプの問題点に鑑みなされたもので、ローラースタンプの頭出しすなわち転写始めおよび、ローラーの一回転の終わりの転写終わりを定め、ローラー印版面の全版が正確に転写できる新規な浸透印式ローラースタンプを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案浸透印式ローラースタンプでは、印版面を表面に有する浸透印式ローラーと、この浸透印式ローラーを支持枠体の軸受部材に回転可能に軸支する中軸とからなり、該中軸の偏心位置と上記支持枠体との間において、いずれかが弾性体からなり係脱作用を構成する係脱機構を設けてあることを特徴とする。

【０００６】上記係脱機構が、支持枠体に突設された弾性体からなるフック部材と、中軸カラー部側面に該フック部材を受け入れる間隔を設けて突設した一対の係合突部によって構成してあることが好ましい。

【０００７】

【作用】

係脱機構の係合位置を頭出し位置として、常時はこの係合位置にしておき、この状態でスタンプローラーを転写面上に押圧しながら、ローラーを転動始動すると、係脱機構の係合関係が解かれてローラーが転動し、ローラー表面の印版によって転写面上に転写される。そしてローラーが一回転（３６０°）すると、上記係脱機構が係合し、ローラーの転動が停止される。

【０００８】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。図中１は表面に印版２を有するローラーで、このローラーは浸透印式のローラー体３と、このローラー体３を支持する一対の中軸４，４とから構成される。一対の中軸４，４は、図３に示すように相互に嵌合して筒状ローラー体３に嵌装しこれを支持するようにしてあり、ローラー体３の側面に密着するカラー部５，５と軸支突部６，６を有する。

【０００９】図中７がカバー形式の支持枠体で、その内部にローラーを軸受けする軸受部材８，８を一体に設け、この軸受部材８，８に形成した軸受凹部９，９に中軸４の軸支突部６，６を軸受けして、ローラー１を回転自在にしてある。

【００１０】図２および図３に示す１０が係脱機構で、支持枠体７に突設した弾性体からなるフック部材１１と、ローラー１の中軸カラー部側面の偏心位置に突設した一対の係合突部１２，１３とによって構成される。この係合突部１２，１３間には、上記フック部材１１の先端フック部が受け入れられる間隔が設けられている。

【００１１】ローラー１が転動し始めるときに、フック部材１１と係合突部１２との係合がフック部材の弾性による変形によって解除されるよう、該係合突部１２は山型のカム形状となっており、ローラー１が一回転して終わりの位置で、フック部材１１が係合突部１３を乗り越えて円滑に係合するよう、該係合突部１３もカム形状をしている。そして、このフック部材１１が係合突部１３を乗り越えて間隔内に係合した際には、カチッという係合音が発せられるようにしてある。

【００１２】このように構成された本考案ローラースタンプにおいて、図２および図３に示すように係脱機構１０を構成するフック部材１１が係合突部１２，１３に介入係合している状態が頭出し位置で、この位置ではローラー１を転写面に押圧しても、何ら印版２は位置付けられない。

【００１３】この位置からローラー１を転写面に押圧して図２上左方向に転動すると、ローラー１は中軸を中心として図上反時計方向に回転し、その転動始めに図４ａおよび図４ｂに示すように、フック部材１１がその弾性によって係合突部１２との係合を解くことになる。そして図５ａおよび図５ｂに示すように、図５ａ上反時計方向に転動し、印版２が転写面に押圧され転写される。

【００１４】このようにして、ローラー１が一回転（３６０°）すると、フック部材１１が図６ａおよび図６ｂに示すように係合部材１３に乗り上がり、これを乗り越えて図２および図３に示す位置に復帰し、係脱機構１０が係合状態になる。この際フック部材１１が係合突部１２，１３間に介入する際、カチッと音を発し、ローラー１が一回転して印版２が全て転写されたことを知らせる。さらに、ローラーを連続回転して連続転写をしたければ、連続転動させれば連続転写もできる。

【００１５】図７には別の実施例が示してある。この実施例には係脱機構を有しないが、ローラー１中に重り１４を組み込んであり、転写の一回転終わりを知ることはできないが、ローラー１が常に頭出し位置にあり、好都合である。

【００１６】図８に示した実施例は、中軸４のカラー部５の縁に凹部１５を形成し、この凹部１５に板バネによって形成した係合凸部１６を係合させ、この係合位置が、頭出し位置で、ローラーが一回転すればこれらが係合し、停止するようにしてある。また、図９に示した実施例では、上記板バネによる係合突部１６の変わりにスプリング１８によって弾圧された弾圧ボール１７を設けてあり、図８の実施例と同様に作用する。

【００１７】

【考案の効果】

本考案浸透印式ローラースタンブでは、ローラーの支持枠体とローラーの中軸の偏心位置との間において、いずれかが弾性体からなり係脱作用を構成する係脱機構を設けたから、この係脱機構の係合位置からローラーを転動すると、頭出しが行われ、一回転して係合位置に戻ると、ローラー印版の一回転写が終わったことを知らせることができる効果を有する。同時に連続してローラーを回転させると連続転写も行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案浸透印式ローラースタンプの要部の切欠
分解斜面図。

【図２】同じく要部となる係脱機構を含む一部切断正面
図。

【図３】同じく要部となる係脱機構を含みローラーを断
面で示した側面図。

【図４ａ】ローラーの転動始めの状態の係脱機構を含む
正面図。

【図４ｂ】図４ａに示す状態の要部の側面図。

【図５ａ】ローラーの転動途中の状態の係脱機構を含む
正面図。

【図５ｂ】図５ａに示す状態の要部の側面図。

【図６ａ】ローラーの転動終わに近い状態の係脱機構を
含む正面図。

【図６ｂ】図６ａに示す状態の要部の側面図。

【図７】重りを使用した他の実施例の正面図。

【図８】板バネを使用した他の実施例の正面図。

【図９】スプリングボールを使用した他の実施例の正面
図。

【符号の説明】

１ローラー２印版３筒状ローラー体４中軸５カラー部６軸支突部７支持枠体８軸受部材９軸受凹部１０係脱機構１１フック部材１２係合突部１３係合突部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】印版面を表面に有する浸透印式ローラー
と、この浸透印式ローラーを支持枠体の軸受部材に回転
可能に軸支する中軸とからなり、該中軸の偏心位置と上
記支持枠体との間において、いずれかが弾性体からなり
係脱作用を構成する係脱機構を設けてあることを特徴と
する浸透印式ローラースタンプ。
【請求項２】上記係脱機構が、支持枠体に設けられた
弾性体からなるフック部材と、中軸カラー部側面に該フ
ック部材を受け入れる間隔を設けて突設した一対の係合
突部によって構成してある上記請求項１に記載の浸透印
式ローラースタンプ。