JPH0636816U - Ｆｒｐ成形品の端面等のバリ取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＦＲＰ成形品の、特に、大形バリを自動的か
つ省力的に除去し得るバリ取り装置を開発すること。 【構成】 所要長さのレシプロソ−乃至はそれと同等の
工具をその長手方向で支持したツ−ル部と、このツ−ル
部を前記工具の長手方向において前後動可能に支持し、
かつ、当該ツ−ル部に進退往復動をさせる機構を具備し
た工具の進退往復動支持部と、この支持部を前記ツ−ル
部の進退方向と直行する向きの軸により支持することに
よって当該支持部を前記軸を中心に上，下揺動可能に支
持し、かつ、この上，下揺動方向で前記工具をバリ取り
成形品に押圧する押圧機構を具備した上，下揺動支持部
とから成り、前記ツ−ル部の工具をバリ取り成形品に押
圧させた状態で前後動させることによりＦＲＰ成形品の
バリを除去するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は繊維状強化材を複合したプラスチック（以下、ＦＲＰという）の成形 品、例えば、浴槽等を始めとする各種の容器やヘルメットなどの成形時、その成 形品の端面等に残るバリ、特に大形バリを省力的に円滑かつ効率よく除去するこ とができるようにしたバリ取り装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＦＲＰを材料とした成形品は、材料に繊維状強化材が複合されている関係で、 製品端面に当該強化材を伴う大きなバリが残ることが多い。

【０００３】 従来、このような大形バリは、作業者が鋏やニッパ等の手工具を使用して手作 業により除去し、しかる後、研磨ベルト等による仕上げ作業を行っている。

【０００４】 しかし乍ら、人手により大形バリを除去する作業は、作業に時間がかかるため 、人件費が高騰した現在では、製品コストを押上げる要因となっている。また、 強化材が、例えば、グラスファイバ−のように切断すると微細な切粉となって囲 りに飛び散るような材料では、この切粉を作業者が吸い込むため衛生上も問題が あること、及び、鋏等の手工具を使用した大形バリ取りを長期間つづけると、筋 しょう炎に患る者が多いことなど、作業環境上の問題もある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案が解決しようとする課題は、特にＦＲＰ成形品の、特に、大形 バリを自動的かつ省力的に除去し得るバリ取り装置を開発することをその課題と するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決することを目的としてなされた本考案の構成は、所要長さのレ シプロソ−乃至はそれと同等の工具をその長手方向で支持したツ−ル部と、この ツ−ル部を前記工具の長手方向において前後動可能に支持し、かつ、当該ツ−ル 部に進退往復動をさせる機構を具備した工具の進退往復動支持部と、この支持部 を前記ツ−ル部の進退方向と直行する向きの軸により支持することによって当該 支持部を前記軸を中心に上，下揺動可能に支持し、かつ、この上，下揺動方向で 前記工具をバリ取り成形品に押圧する押圧機構を具備した上，下揺動支持部とか ら成り、前記ツ−ル部の工具をバリ取り成形品に押圧させた状態で前後動させる ことによりＦＲＰ成形品のバリを除去するようにしたことを特徴とするものであ る。

【０００７】

【実施例】

次に図に拠り本考案の実施例について説明する。図１は本考案装置をヘルメッ ト製品のバリ取り仕上げステ−ションに構成した一例の平面図、図２は本考案装 置をヘルメット製品の大形バリ取りステ−ションに構成した一例の正面図、図３ は本考案装置の一例の要部の正面図、図４は図３の平面図、図５は図３の右側面 図、図６は本考案装置におけるツ−ル部の一例の正面図、図７は図６の平面図で ある。

【０００８】 本考案装置ＢＣは、特にＦＲＰ成形品の成形端面に生じることが多い大形バリ を効率よく、かつ、円滑に除去するため、まず、図６，図７に一例として示した ツ−ル部を、図３〜図５に例示するような構成によってこのツ−ル部をバリ取り 対象に対して押圧しつつ進退往復動させるようにしたのであるから、まず、この 部の構成から説明する。図６，図７において、１はバリ取り材として作用する、 例えば市販されているレシプロソ−のような鋸歯状の工具であって、略水平な向 きにされてその長手方向両端がほぼ門型をなすツ−ルア−ム２にボルト2aによっ て取替自在に止着されている。

【０００９】 ツ−ルア−ム２の後端は、前面が略鍔状部3aに形成されると共に後面側に連結 用のガイドバ−3bを形成したツ−ルポスト３に取付けられており、これにより、 本考案装置のツ−ル部Ｔの一例を形成する。本考案装置ＢＣでは、大形バリを効 率よく除去するための工具として上記レシプロソ−１を用いたが、他の形式のも のでもよい。仕上げ用のバリ取りツ−ルでは、バリも小形であるため上記鋸歯状 の工具に代えて研磨ベルトを用いる。

【００１０】 上記ツ−ル部Ｔは、図４〜図５に示すツ−ルの進退動作支持機構ＴＳに支持さ れて本考案装置ＢＣの一例を形成するので、次にこの点について説明する。ツ− ル（レシプロソ−１）の進退動作支持機構ＴＳは、箱枠状をなすベ−スフレ−ム ４の上半側においてその前面と中間部に、ブッシュ等による軸受5a，5bを設け、 この軸受5a，5bにガイドバ−3bを前後摺動自在に支持している（図３参照）。こ のガイドバ−3bの中間にはロ−ラベアリング等によるカムフォロア−６が下向き に取付けられている。

【００１１】 上記フレ−ム４には、上記カムフォロア−６を遊嵌するカム溝7aが形成された カム軸７が軸受8a，8bを介してガイドバ−3bと平行な向きで設けられている。カ ム軸７にはカップリング9aを介して減速機9bを有する駆動モ−タ９の出力軸が連 結されており、これらの構成により、上記カム溝7aを有する軸７が回転すること によって、これに従動するカムフォロア−６を有するガイドバ−3bは、レシプロ ソ−のようなバリ取り工具をフレ−ム４上で進退往復動させることとなる。従っ て、上記フレ−ム４から駆動モ−タ９までの構成により、本考案装置ＢＣにおけ る工具の進退動作支持機構ＴＳの一例を形成する。

【００１２】 上記フレ−ム４は、その中間部の左，右外側にガイドバ−3bやカム軸７に直交 する軸10a，10bが取付けられ、この左，右の軸10a，10bが図５に示すように門型 の支持フレ−ム11の下端に軸受を介して支持されている。上記フレ−ム11に支持 されている軸10a，10bの外側にはそれぞれ作動プレ−ト12a，12bが固着立設され ており、夫々に、プレ−ト12aの前面にはリフタシリンダ13aが、プレ−ト12bの 後面には加圧シリンダ13bが対向配置されている。

【００１３】 各シリンダ13a，13bは、夫々に、取付ブラケット14a，14bを介して上記支持フ レ−ム11に取付けられている。なお、作動プレ−ト12aの後面側には支持フレ− ム11にブラケット15aを介して後端が支持された加圧スプリング15の先端が連結 されている。上記の各シリンダ13a，13bのピストンロッドの先端側は、それぞれ 作動プレ−ト12a，12bの外面に当接しており、いずれかのロッドが進出すること により、作動プレ−ト12a又は12bのいずれかを後傾又は前傾させる。つまり、前 記作動プレ−ト12a，12bの前，後傾によって、軸10a，10bを介して支持フレ−ム 11に架設された形態のツ−ル部Ｔはその進退動作支持機構ＴＳと一体に、当該軸 10a，10bを中心として上，下揺動可能に支持されることとなるのである。

【００１４】 よって、上記軸10a，10bから加圧スプリング15までの部材により、本考案装置 ＢＳにおける上，下揺動支持機構ＳＷの一例を形成するのである。この揺動支持 機構ＳＷは、加圧シリンダ13bと加圧スプリング15の作動によるツ−ル部Ｔの対 象への押下げ力をリフタシリンダ13aのストロ−ク量調整により調節する機能と 、バリ取りすべき対象制品の凹凸に倣ってツ−ル部を上，下動調整する機能とを 有する。

【００１５】 以上に説明した本考案バリ取り装置ＢＣの一例は、図２又は図１に示すような バリ取りステ−ションＢＣＳを構成することができるので、以下、この例につい て説明する。図２において、20はバリ取りステ−ションＢＣＳにおける被加工材 、つまり、バリ取りすべき成形品、ここではヘルメットＨを裏返し状態で載置し 回転するタ−ンテ−ブル21を有するこのステ−ションＢＣＳの架台、22は架台20 の上方に略水平に架設された上部フレ−ムで、本考案装置ＢＣの２台がタ−ンテ −ブル21の上方において対向配置されている。尚、タ−ンテ−ブル21はモ−タ等 の駆動源21aにより回転駆動させられる。

【００１６】 上記フレ−ム22には２台の本考案バリ取り装置ＢＣをタ−ンテ−ブル21、つま り、バリ取り対象に対して対向して進退させるため、送りネジ23が架設されてお り、上記バリ取り装置ＢＣは、この送りネジ23に螺合したナット部材24を具備し た、例えば、エアシリンダによる昇降ア−ム25の下端に、この装置ＢＣの支持フ レ−ム11において吊下支括持されている。この構成により２台のバリ取り装置Ｂ ＣはヘルメットＨに対し互に進退自在かつ昇降自在であるから、ヘルメットＨの 開口周縁にツ−ル部Ｔが当接するようにその進退位置と上下位置の位置決めが出 来るようになっている。

【００１７】 26は、架台20のタ−ンテ−ブル21の真上において、上部フレ−ム22に垂設した 被加工材、つまり、ここではヘルメットＨの押え装置で、下端側の押えロッド26 aフレ−ム22に取付けたエアシリンダ等の昇降ストロ−ク駆動源出力端、ここで はエアシリンダ26bのピストンロッド26cに連結されることにより形成されている 。

【００１８】 而して、テ−ブル21上に載置され、押え装置26によって押えられて姿勢を決め たヘルメットＨに対し、２台のバリ取り装置ＢＣは、そのツ−ル部Ｔが前記ヘル メットＨの大形バリを除去すべき位置に対応させられるように進退位置，昇降位 置の位置決めがなされる。そしてタ−ンテ−ブル21に回転が与えられる同時に、 バリ取り装置ＢＣのツ−ル部Ｔに進退作動をさせるため、この装置Ｂの進退動作 支持機構ＴＳのモ−タ９が起動されて上記ヘルメットＨの開口部周縁の大形バリ が２台のバリ取り装置ＢＣによって除去されるのである。

【００１９】 なお、このバリ取りステ−ションＢＣＳにおいて、本考案バリ取り装置ＢＣは １台あれば足りるが、２台以上配置すれば作業時間がその分短かくなる。尚、図 ２のバリ取りステ−ションにおいて、少なくともヘルメットＨとバリ取り装置Ｂ Ｃのツ−ル部Ｔは、バリの切削屑が周囲に飛散することがないように、スロア− （図示せず）等に連結されたカバ−を覆させることが望ましい。

【００２０】 図１は、本考案の大形バリ取り装置ＢＣの一台と、研磨ベルトを小形バリ取り 材及び仕上げ材として用いた研磨ベルト型のバリ取り研磨装置ＧＣの３台を、タ −ンテ−ブル21の囲りに配置した大形バり，小形バリ取り、及び、仕上げステ− ションの一例の平面図である。このような工具配置を採れば、大形バリ，小形バ リの除去と仕上げ研磨を一つのステ−ションで行うことが出来ることとなるので 、作業効率が一段と上昇する。

【００２１】 図１に示す実施例では、バリ取りステ−ションＢＣＳの全体を、例えば、透明 アクリル板等の防塵壁27で密閉し、この密閉空間に集塵装置28，29を連結ことに より、略完全な防塵環境を創生して特にＦＲＰ成形品のバリ取り並びに仕上げ作 業を完遂することができることとなる。図１において、28a，29aは連結ダクトで ある。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は以上の通りであって、これまで特にＦＲＰ成形品の大形バリは人手に より鋏等によりカッティング除去を行っていたため、非省力的であるのみならず 、衛生上も難点があったものを、大形バリの除去を自動的になすため、一例とし て市販のレシプロソ−をバリ取り工具とし、この工具を往復進退動作させると共 に、バリ取り対象に対し押圧力を任意に調整し、しかも、バリ取り対象の凹凸に 自動倣いするように工具の上下揺動支持機構を構成してバリ取り装置を形成した ので、大形バリの除去を自動化できるのみならず、大形バリ取りと仕上げ工程を 同一ステ−ション上で行うことができるので、きわめて効率の高い大形バリ取り と仕上げ作業を行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置をヘルメット製品のバリ取り仕上げ
ステ−ションに構成した一例の平面図。

【図２】本考案装置をヘルメット製品の大バリ取りステ
−ションに構成した一例の正面図。

【図３】本考案装置の一例の要部の正面図。

【図４】図３の平面図。

【図５】図３の右側面図。

【図６】本考案装置におけるツ−ル部の一例の正面図。

【図７】図６の平面図。

【符号の説明】

１ レシプロソ− ２ ツ−ルア−ム ３ ツ−ルホスト ４ ベ−スフレ−ム Ｔ ツ−ル部 ＴＳ ツ−ル部の進退動作支持機構 ＳＷ ツ−ル部の上下揺動支持機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要長さのレシプロソ−乃至はそれと同
   等の工具をその長手方向で支持したツ−ル部と、このツ
   −ル部を前記工具の長手方向において前後動可能に支持
   し、かつ、当該ツ−ル部に進退往復動をさせる機構を具
   備した工具の進退往復動支持部と、この支持部を前記ツ
   −ル部の進退方向と直行する向きの軸により支持するこ
   とによって当該支持部を前記軸を中心に上，下揺動可能
   に支持し、かつ、この上，下揺動方向で前記工具をバリ
   取り成形品に押圧する押圧機構を具備した上，下揺動支
   持部とから成り、前記ツ−ル部の工具をバリ取り成形品
   に押圧させた状態で前後動させることによりＦＲＰ成形
   品のバリを除去するようにしたことを特徴とするＦＲＰ
   成形品の端面等のバリ取り装置。