JPH0636655A - 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器 - Google Patents

限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器

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JPH0636655A
JPH0636655A JP20744292A JP20744292A JPH0636655A JP H0636655 A JPH0636655 A JP H0636655A JP 20744292 A JP20744292 A JP 20744292A JP 20744292 A JP20744292 A JP 20744292A JP H0636655 A JPH0636655 A JP H0636655A
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current limiting
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JP20744292A
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Kazumasa Umemura
和正 梅村
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OGAKI DENKI KK
OOGAKI DENKI KK
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OGAKI DENKI KK
OOGAKI DENKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、限流ヒューズの溶断に伴い開閉器
部を開路する場合、その開路するまでの時間を必要な限
り遅延させる手段を備えた限流ヒューズ付高圧交流負荷
開閉器を提供することを目的とする。 【構成】 限流ヒューズの溶断によって突出するストラ
イカ16の突出力によって作動する突出力伝達機構に、
遅延輪24を駆動連結する手段により減速回転させた
り、あるいは、ある程度重量のある錘りを直接具備させ
る等して構成した遅延手段を一体的に取付け、前記遅延
手段により突出力伝達機構の作動を必要な限り意図的に
遅らせ、開閉器部のしゃ断電流を異常時において、定格
しゃ断電流に近い電流値でしゃ断するようにしたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いづれか一相の限流ヒ
ューズ部が所定の溶断電流値以上の過負荷電流により溶
断したとき、使用機器の欠相運転を避けるために、三相
の開閉器部を同時に、かつ、機械的に遅延作動させて強
制的に開路可能とした限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉
器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の限流ヒューズ付高圧交流
負荷開閉器(以下、限流ヒューズ付開閉器という)にお
いては、例えば、一相の限流ヒューズ部内の限流ヒュー
ズが、過負荷電流や負荷側の短絡事故等によって生ずる
短絡電流により溶断すると、限流ヒューズ部内に組込ま
れたストライカ(突出表示片)が、限流ヒューズの溶断
により拘束が解かれて限流ヒューズ部先端のリンク電極
から所定のばね圧力により突出して作動板を駆動し、こ
の作動板に上端を枢支した連結板を下方に押し下げ、該
連結板の下端に枢着した腕杆を介して連結した溶断表示
軸を回動し、この溶断表示軸に止着した引外し板によ
り、開閉器係止装置の引外しレバーを開放操作して、三
相の開閉器部を同時に開路するように構成したものが、
一般的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記構成の限流ヒュー
ズ付開閉器は、例えば、故障電流の遮断能力を特に必要
とはしないが、負荷電流以下の電流の開閉を目的とした
キュービクル等の自家用電源設備に組込まれて使用され
ていることが多い。そして、電路に過負荷電流、短絡電
流、あるいは、落雷等によって大電流が流れ、一相若し
くは複数相の限流ヒューズ部内の限流ヒューズが溶断す
ると、限流ヒューズ部内のストライカが急速に突出し、
その突出力により作動板を押動し、これにより、開閉器
係止装置の引外しレバーが作動して開閉器部により電路
をしゃ断するとともに、警報ブザーや警報ランプ等の警
報手段が作動して電路がしゃ断したことを知らせる。
【0004】然るに、前記限流ヒューズ付開閉器におい
ては、限流ヒューズの溶断によりストライカが飛び出す
と、直ちに作動板により開閉器係止装置を作動させて開
閉器部を開路するように構成されているので、開閉器部
におけるしゃ断電流は、過負荷電流、短絡電流に近い、
即ち、限流ヒューズ付開閉器の定格しゃ断電流より大き
い電流値で開路することになるため、開閉器部の可動接
触刃(ブレード)や固定電極、あるいは、開閉器を囲繞
する細隙消弧室を、該可動接触刃が解放されるときに生
ずるアーク熱によって損傷することがあった。この結
果、溶断した限流ヒューズ部を取替えたあと、可動接触
刃を固定電極に再接触したとき、前記アーク熱によって
可動接触刃等が損傷していると、再閉路操作や固定電極
との接触が円滑に行えなかったり、合成樹脂製の細隙消
弧室の損傷によって可動接触刃の解放時に発生するアー
クを良好に消弧し得ない問題等があった。又、前記のよ
うに、可動接触刃等の再接触が良好に行えないときは、
損傷した部品を新たに交換しなければならず、部品交換
に手間と費用がかかることはもとより、限流ヒューズ付
開閉器の再使用が遅れるという問題があった。これら
は、すべて限流ヒューズの溶断により、ストライカが作
動して開閉器部が開路するまでの経過時間が短いために
生ずる現象であると考えられる。
【0005】本発明は、前記の種々の問題に鑑み、限流
ヒューズの溶断時からストライカが作動して開閉器部が
開路するまでの経過時間に少し余裕を持たせることによ
り、開閉器部の開路操作を定格しゃ断電流に近い電流値
で行い、可動接触刃の解放時に生ずるアークによる弊害
を抑制可能とした限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために、限流ヒューズの溶断によって突出する
ストライカの突出力によって回動する溶断表示軸に連結
杆の基端を止着し、連結杆の先端は該先端に形成した長
孔に、限流ヒューズ付開閉器のベース側板に回動自在に
取付けた遅延輪の偏心位置に突設した係合ピンを遊合さ
せることにより、前記溶断表示軸と遅延輪とを前記連結
杆によって共同回転可能に連結し、前記溶断表示軸の回
動を遅延輪の回動初期時に生ずる制動作用により抑制し
て、必要な限り引外しレバーの引外し時期を遅延させる
ように構成したので、その作用は次に示すとおりであ
る。
【0007】
【作用】本発明は、限流ヒューズの溶断によってストラ
イカが限流ヒューズ部から突出して作動板を押動させる
と、この作動板に垂設した連結板を介して溶断表示軸を
所定の方向に回動させる。この際、前記表示軸には、先
端が遅延輪の偏心位置に遊合する連結杆が止着されてい
るため、前記溶断表示軸は、自体の回動と遅延輪をも連
結杆を介して回動させようとするものの、連結杆が遅延
輪に対して該遅延輪を回動させにくい位置、即ち、大き
な力を付与しないと回動しない偏心位置に遊合されてい
る関係上、溶断表示軸はその回動時、遅延輪の存在によ
り、これを回動させるための大きな力を必要とする。こ
の結果、ストライカの作動と同期して溶断表示軸は回動
するものの、その回動は制動力が付与されているような
緩やかな状態でスタートすることとなる。従って、前記
ストライカの作動により溶断表示軸は回動し、引外しレ
バーを解放操作するまでの時間的余裕が前記遅延輪の存
在によって生じるため、開閉器部の開路時間を若干遅ら
せることが可能となる。
【0008】このため、限流ヒューズが過負荷電流ある
いは短絡電流によって溶断し、ストライカの作動により
引外しレバーを解放操作して開閉器部が開路するまでの
時間(経過時間)は、遅延輪の回動抑制作用により遅く
することができるため、開閉器部の開路は過負荷電流等
より小さい開閉器の定格しゃ断電流に近い電流値で行う
ことが可能となる。即ち、過負荷電流等が発生した時点
より少し遅れた時点でのしゃ断操作により、前記過負荷
電流等が軽減した時点で開閉器部を開路することができ
るので、しゃ断時に生ずるアークが低減でき、可動接触
刃や細隙消弧室をアーク熱による損傷から確実に保護す
ることができる。又、開閉器部の開路時間を若干遅らせ
ても、開閉器の開路操作自体は従前と全く変りなく行う
ことができるため、長期にわたり安定した状態での使用
が可能となり、信頼性の高い限流ヒューズ付高圧交流負
荷開閉器を提供することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図7によ
って説明する。図1,図2及び図4において、1は本発
明の限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(以下、単に開
閉器という)で、2はそのベースを示し、一対の側板
3,3と、これら側板3,3間に並行に横設した限流ヒ
ューズ部A取付体4取付用の支持台5と、開閉器部Bの
支持碍子6取付用の取付台7とによって形成されてい
る。そして、前記支持台5には各相毎に3個の取付体4
〜4が、又、取付台7には同じく3個の支持碍子6〜6
が、それぞれ所定の絶縁間隔を有して立設されている。
【0010】前記支持碍子6の上部には、図5に示すよ
うに、、接続端子8,固定電極9及び耐熱性の合成樹脂
からなる細隙消弧室10が一体的に取付けられて開閉器
部Bを構成する。又、取付体4には一対のヒューズホル
ダー11,11aと、これらヒューズホルダー11,1
1aを取付体4に固定するホルダー支持部材12,12
aと、一方のホルダー支持部材12に枢支されて前記各
相の固定電極9と接離可能に回動する可動接触刃13
と、更に、他方のホルダー支持部材12aと一体的に形
成された端子板14とが取付けられている。Aは取付体
4のヒューズホルダー11,11aに各相毎に挟着した
限流ヒューズ部で、内部には図示しない限流ヒューズ
と、該ヒューズが溶断したとき限流ヒューズ部Aの先端
から、例えば、図示しないばね部材の反発力によって突
出するストライカ(図6参照)16とが内蔵されてい
る。
【0011】次に、図1及び図4、図6において、17
は各相取付体4上部のヒューズホルダー11側の先端
に、垂直片側を限流ヒューズ部Aのストライカ16と相
対向させて基部を枢着したL字型の作動板で、その水平
片側には、連結板18の上端を揺動自在に枢支し、この
連結板18の下方端は、ベース2の側板3,3間に回動
自在に取付けた溶断表示軸19に止着した腕杆20と枢
着している。そして、前記溶断表示軸19の一方には、
図1,図2で示すように、先端に長孔21を形成した連
結杆22の基端が取付けられており、又、他方には上方
端を側板3の外方に水平に突出させた引外し杆23が止
着されている。24は連結杆22の先端側において、側
板3に回動自在に取付けた遅延輪で、その偏心位置には
連結杆22先端の長孔21に離脱不能に遊合する係合ピ
ン24aが突設しており、この係合ピン24aを介して
遅延輪24と溶断表示軸19とを連結杆22にて共同回
転可能に連結する。
【0012】前記遅延輪24は連結杆22を介して溶断
表示軸19と共同して回動するが、その回動スタート時
においては、溶断表示軸19に大きな制動力を加えるこ
とにより、これを円滑に回動させないように設けられて
いる。即ち、溶断表示軸19を遅速回動させるようにし
たもので、これを図8により説明すると、遅延輪24に
突設する係合ピン24aの突設位置が、連結杆22の傾
斜角度と遅延輪24の中心Oから垂下する垂直線とが直
角に交差する位置(図8のP点)に存在すると、溶断表
示軸19が図8において時計方向に回動しようとした場
合、連結杆22の長孔21に係合している係合ピン24
aは遅延輪24の中心Oに向って移動しようとする結
果、連結杆22は前記係合ピン24aにロックされて回
動することができない。
【0013】しかし、前記係合ピン24aの突設位置
を、図8のP点から連結杆22の先端側に少し移動させ
ると、即ち、P点より一定の角度θだけ移動させれば、
連結杆22は前記と異なり係合ピン24aにロックされ
ることなく、溶断表示軸19の回動により、係合ピン2
4aによる遅延輪24の中心方向に作用する分力が前記
の角度θ分だけ減退されるため、不円滑ではあるが遅延
輪24を遅速回動させる。この場合、係合ピン24aの
遅延輪24に対する取付角度θを、図8のP点から90
°の範囲内で大きくするに従い遅延輪24の中心方向に
作用する分力が低減するため、遅延輪24を小さな力で
円滑に回動することができる。逆に、前記係合ピン24
aを遅延輪24に対して図8のP点に近づく位置、即
ち、取付角度θを小さくすれば、溶断表示軸19の回動
と連動する連結杆22には、遅延輪24を回動する場
合、その回動力の大部分が遅延輪24の中心方向に分力
として作用することとなるため、前記溶断表示軸19は
その回動時、遅延輪24によって大きな制動力が付与さ
れた状態で回動するため、急速な回動が困難となり遅速
回動することとなる。
【0014】つづいて、図2及び図5において、25は
開閉器部Bの固定電極9と接離する各相の可動接触刃1
3を駆動させるレバー体で、その上端は各相可動接触刃
13の水平部のほぼ中間位置に枢支し、下端は側板3,
3間に枢支したハンドル軸26に一方端を止着したアー
ム27の先端に枢着されている。そして、前記アーム2
7と取付台7の下面との間には、図3で示すように、そ
れぞれ図示しない掛止部材を用いて各相の開閉器部Bを
開路させるための引外しばね28が架張されている。
又、図2において引外し杆23側に位置する側板3から
突設するハンドル軸26には、操作ハンドル29の基端
が取付けられている。
【0015】次に図2、図3及び図5において、30は
前記操作ハンドル29を係脱自在に保持する係止装置
で、図2に示すように、ベース2の一方の側板(図の左
側)3に取付けたコ字形の取付枠体31と、この取付枠
体31の側壁間に回動自在に支承保持される枢軸32
と、図2,図3で示すように、引外し杆23と接離する
ストッパー片33、及び操作ハンドル29と対応する位
置に突設した係止板部34、並びに該係止板部34の後
背部下方に延設した手動引外し用のレバー体部35とを
一体に形成して前記枢軸32に固着した引外しレバー3
6と、更に、前記枢軸32に巻装されてその一方を取付
枠体31に、他方を引外しレバー36にそれぞれ掛止し
て該レバー36を常時引外し杆23側に押圧付勢するつ
る巻ばね37とによって構成されており、前記引外しレ
バー36の係止板部34には、前記操作ハンドル29の
長さ方向のほぼ中央部に突設したローラ付のストッパー
軸38を係脱自在に係合保持するコ字形に切欠いた係止
部39が一体的に形成されている。又、前記引外しレバ
ー36のストッパー片33は、操作ハンドル29のスト
ッパー軸38を引外しレバー36の係止部39に係合さ
せて操作ハンドル29を引外しレバー36にロックさせ
た場合(開閉器部Bを閉路させたとき)、溶断表示軸1
9の引外し杆23との間に所定の間隔Lが得られるよう
に形成されている。
【0016】次に、本発明の開閉器1の動作について説
明する。今、電路に過負荷電流、短絡電流、あるいは、
落雷等の事故による大電流が流れ、前記開閉器1の限流
ヒューズ部Aのいづれか一相の図示しない限流ヒューズ
が溶断すると、前記限流ヒューズ部A内に内蔵保持され
ているストライカ16は、その係止が解かれて限流ヒュ
ーズ部Aの先端から急速に突出し、取付体4の上部先端
に枢着した作動板17を図6,図8で示すように、時計
方向に回動させる。前記作動板17の回動力は連結板1
8,腕杆20を介して溶断表示軸19に伝達される。前
記溶断表示軸19は、作動板17の回動力を受けてその
まま回動しようとするが、溶断表示軸19は連結杆22
を介して側板3に取付けた遅延輪24と連結されている
ため、制動力が加えられた状態で回動することとなる。
【0017】即ち、前記溶断表示軸19は連結杆22を
介して遅延輪24と駆動連結されており、しかも、前記
連結杆22はその先端に設けた長孔21に係合している
係合ピン24aが、図8で示すように、連結杆22の傾
斜角度と遅延輪24の中心Oから垂下する垂直線とが直
角に交差する位置Pより少し離れた小さな角度θ位置で
遅延輪24に取付けてあるので、前記溶断表示軸19は
回動しようとしたとき、その回動力は連結杆22を介し
て遅延輪24を回動させる力としてはほとんど作用せ
ず、その大部分は遅延輪24の中心O方向に分力として
作用することとなる。従って、遅延輪24は大きな力に
て回動させる必要があり、このため、溶断表示軸19に
は前記遅延輪24の存在によって大きな制動力が加えら
れることとなるため、前記溶断表示軸19は遅速回動す
ることになる。前記溶断表示軸19の遅速回動により、
該溶断表示軸19に止着した引外し杆23は、図8にお
いて時計方向に回動する。
【0018】この際、係止装置30を構成する引外しレ
バー36のストッパー片33は、溶断表示軸19に取付
けた引外し杆23とは図3で示すように、一定の間隔L
を有して設けられているため、図8に示すように、作動
板17のU°回動により溶断表示軸19がV°回動する
と、引外し杆23はX°回動してストッパー片33と衝
接し、係止部39と操作ハンドル26のストッパー軸3
8との係止を解いて引外しレバー36を解放する。前記
引外しレバー36を解放する場合、図8でわかるよう
に、作動板17、腕杆20、連結杆22、引外し杆23
はそれぞれほぼ同じ角度回動することとなる。一方、遅
延輪24は引外しレバー36を解放するまでに連結杆2
2の回動角度Y°より約4倍の角度Z°回動している。
これは、遅延輪24がその回動当初大きな力を加えるこ
とにより回動するものの、一旦回動すると、慣性力が作
用して比較的円滑に回動するためである。
【0019】従って、溶断表示軸19は、連結杆22と
遅延輪24の存在、及び連結杆22と係合ピン24aと
の係合角度の関係により、遅延輪24がZ°回動しない
と溶断表示軸19はX°回動しないため、前記遅延輪2
4の存在によって遅速回動することとなる。しかも、引
外し杆23とストッパー片33との間は、一定の間隔L
が空けられているので、引外しレバー36は、前記溶断
表示軸19が遅速回動する時間だけ遅れて解放し、開閉
器部Bを閉路している操作ハンドル29のロックを解
き、引外しばね28の弾発力によりハンドル軸26を支
点としてアーム27を反時計方向に急速回動させ、可動
接触刃13を、レバー体25を介して固定電極9より引
き抜いて、開閉器部Bを開路する。この結果、電路がし
ゃ断されるとともに、図示しないランプや報知ブザー等
の警報手段が動作して、限流ヒューズが溶断したこと
と、開閉器部Bが開路したことを知らせる。
【0020】そして、前記開閉器部Bが開路するまでの
時間、即ち、ストライカ16が突出して開閉器部Bが作
動して開路するまでの経過時間は、一般に約30msで
あるが、本発明の遅延手段を使用した場合の経過時間
は、本発明者等が実験で確認したところ80msであっ
た。このため、例えば、溶断電流が75Aの限流ヒュー
ズを使用して溶断テストを行ったところ、開閉器部Bに
おけるしゃ断電流は、経過時間が30msの場合、16
00Aでしゃ断していたが、本発明の開閉器1では、8
0msでしゃ断すると約1100Aでしゃ断することが
テストの結果確認することができた。この結果、開閉器
に本発明の遅延手段を組込むことにより、負荷側に過負
荷電流等が発生した場合、開閉器部は、過負荷電流でな
く、それより小さい開閉器の定格しゃ断電流に近い電流
値でしゃ断することが可能となり、これによって開閉器
部Bの負担を軽減することができる。
【0021】なお、溶断した限流ヒューズを内蔵した限
流ヒューズ部Aを取付体4から取外し、新しい限流ヒュ
ーズ部Aをヒューズホルダー11,11aにセットし、
操作ハンドル29を原位置側に戻してストッパー軸38
を引外しレバー36の係止部39に係合させ、各相の可
動接触刃13を固定電極9に挿入接触させることによっ
て開閉器部Bの現状復帰を行う。
【0022】なお、本発明は、限流ヒューズの溶断に伴
い突出するストライカの突出力によって、作動板17,
連結板18,溶断表示軸19からなる突出力伝達機構を
作動させ、引外しレバーを解放して操作ハンドル29の
ロックを解いて開閉器部Bを開路させるようにした開閉
器1の前記突出力伝達機構に、該伝達機構に制動力を付
与する遅延輪24を連結杆22にて駆動連結した例につ
いて説明したが、これに限定することなく、前記遅延輪
24を少々重量のある金属部材で形成し、これを溶断表
示軸19側に具備した歯数の多い大歯車と、遅延輪24
側に小歯車を取付けてこれを噛合させることにより、突
出力伝達機構を遅速駆動させるようにしたり、あるい
は、溶断表示軸19に錘りを付設して突出力伝達機構の
駆動を遅らせることにより、ストライカ16の突出時点
から開閉器部Bが開路するまでの経過時間を従前に比べ
て長くするようにしても、本発明は成立するものであ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、限流ヒュ
ーズの溶断により突出するストライカの突出力によって
作動する突出力伝達機構に、該伝達機構の作動を意図的
に遅延させる遅延手段を具備し、開閉器の開閉器部が開
路するまでの時間を遅延させるように構成したので、限
流ヒューズの溶断に伴い開閉器部が開路する際、そのし
ゃ断電流は、前記遅延手段の存在によって開閉器部の開
路時間を意図的に遅らせることが可能となるため、過負
荷電流や短絡電流よりも小さい電流値、即ち、開閉器の
定格しゃ断電流に近い電流値でのしゃ断が行えるので、
開閉器における異常電流しゃ断に伴う負担を著しく軽減
することができる。この結果、開閉器の電極部分や細隙
消弧室の損傷を低減することができるので、限流ヒュー
ズ付高圧交流負荷開閉器を長期間にわたり安定して使用
することができることはもとより、その信頼性を著しく
向上させることができる。
【0024】その上、突出力伝達機構に具備した遅延手
段は、重量のある遅延輪を直接伝達機構に具備させた
り、あるいは、駆動連結手段により前記遅延輪に制動力
を付与して突出力伝達機構の作動を遅らせたり、更に
は、前記伝達機構と操作ハンドルを係脱する引外しレバ
ーとを一定の間隔を空けて配置させる等の手段を用いて
構成してあるため、この遅延手段を具備することによっ
て、この種開閉器の構造が複雑化したり、余分なスペー
ス等を必要とすることは全くなく、簡易な構造で遅延手
段を構成することができるため、限流ヒューズ付高圧交
流負荷開閉器を簡素な構造で、小型に、かつ、経済的に
製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器の
要部を示す斜視図である。
【図2】同上の要部を示す背面図である。
【図3】同じく本発明の要部を示す平面図である。
【図4】本発明の要部をなす遅延装置を示す要部縦断面
図である。
【図5】本発明開閉器の側面図である。
【図6】遅延装置の動作状態を示す要部縦断面図であ
る。
【図7】開閉器が開路した状態を示す側面図である。
【図8】遅延装置の動作原理を説明するための説明図で
ある。
【符号の説明】
1 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器 13 可動接触刃 16 ストライカ 17 作動板 18 連結板 19 溶断表示軸 22 連結杆 23 引外し杆 24 遅延輪 29 操作ハンドル 30 係止装置 33 ストッパー片 36 引外しレバー 39 係止部 A 限流ヒューズ部 B 開閉器部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限流ヒューズの溶断により外部に突出す
    るストライカの突出力を利用して突出力伝達機構を動作
    させて開閉器部を開路させるようにした開閉器におい
    て、前記突出力伝達機構に、ストライカの突出時該突出
    力伝達機構の動作を遅延させて操作ハンドルを引外しレ
    バーにより解放することにより前記開閉器部が開路する
    までの時間を遅延させる遅延手段を具備させたことを特
    徴とする限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器。
  2. 【請求項2】 前記遅延手段は、突出力伝達機構に直
    接、あるいは、駆動連結手段を介して遅延輪を具備させ
    ることにより構成したことを特徴とする請求項1記載の
    限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器。
  3. 【請求項3】 前記遅延輪は、重量のある錘を用いて構
    成したことを特徴とする請求項1及び2記載の限流ヒュ
    ーズ付高圧交流負荷開閉器。
  4. 【請求項4】 前記突出力伝達機構の最終駆動位置に引
    外し杆を取付け、この引外し杆と対応する位置には、操
    作ハンドルを係脱自在に保持する引外しレバーのストッ
    パー片を、前記引外し杆と一定の間隔を空けて配置した
    ことを特徴とする請求項1記載の限流ヒューズ付高圧交
    流負荷開閉器。
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