JPH0636323U

JPH0636323U - 壁面電気配線用内装下地ボード

Info

Publication number: JPH0636323U
Application number: JP7389492U
Authority: JP
Inventors: 陽三望月
Original assignee: Fujita Corp
Current assignee: Fujita Corp
Priority date: 1992-10-01
Filing date: 1992-10-01
Publication date: 1994-05-13

Abstract

(57)【要約】【目的】壁面への電気器具用アウトレットボックスの
取り付けのためのボード張り工程を容易化し、工期の短
縮及び省力化を図る。【構成】ボード本体１１と、その裏面に離散的に突設
され建物の壁面の内部構造壁体に接着される複数の突起
部１２と、突起部１２，１２，・・・間に位置してボード
本体１１の複数箇所に形成され周囲をそれぞれ切込溝１
４で画成されたアウトレットボックス取付用ノックアウ
ト部１３とからなり、好ましくは、切込溝１４がボード
本体１１の裏面に形成され、ボード本体１１正面におけ
る各ノックアウト部１３位置に適当なポジションマーク
が付されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物内部の壁面に設けられ、スイッチやコンセント等の電気設備用アウトレットボックスの取り付け及びこのアウトレットボックス内への電気配線を行う壁面電気配線用内装下地ボードに関する。

【０００２】

【従来の技術】

建物の耐火・遮音構造壁の施工には、多重ボード張りの乾式工法が多く採用されている。そして、その壁面にスイッチやコンセント等の電力供給設備を取り付け、また、その電気配線を行う場合は、従来、間柱工法あるいはボード増張工法による内装壁面工事を追加施工している。

【０００３】このうち前者の間柱工法とは、耐火・遮音構造壁の表面に下地を施し、この下地材に適当な間隔で所要数の間柱を立て、間柱間の空間を通じて電気配線を行うと共に、この間柱を介して張り増しした石膏ボード等に、カッターナイフ等で所要数の窓部を切り込んで開設し、この窓部にアウトレットボックスを埋め込むものである。また、後者のボード増張工法とは、耐火・遮音構造壁に、アウトレットボックスの高さに相当する厚さで複数枚のボードを重ね張りし、内側のボードに形成した溝を通じて電気配線を行うと共に、埋め込み用の穴を切欠形成してアウトレットボックスを埋め込むものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述の従来技術において、間柱工法による場合は、下地材の施工と、間柱を介してボードを張る作業の二つの工程が必要であり、しかもアウトレットボックス埋め込み用の窓部をいちいちカッターナイフ等で切り込んで開設しなければならない。また、ボード増張工法による場合は、アウトレットボックスを埋め込み可能な厚さとなるように最低でも三枚のボードを重ね張りする必要があり、しかも複数のボードを貫いてアウトレットボックス埋め込み用の穴を切り込み形成しなければならないばかりか、内層側のボードにも電気配線用の溝を切り込み形成しなければならない。したがって、いずれの工法においても、作業が煩雑であり、工期が長くなってしまう問題があった。

【０００５】本考案は、上記のような事情のもとになされたもので、その主な目的とするところは、アウトレットボックスの取り付けのためのボード張り工程を容易化し、工期の短縮及び省力化を図ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した技術的課題は、本考案によって有効に解決することができる。すなわち、本考案に係る壁面電気配線用内装下地ボードは、ボード本体と、このボード本体の裏面に離散的に突設され建物の壁面の内部構造壁体に接着される複数の突起部と、これら複数の突起部間に位置して前記ボード本体の複数箇所に形成され周囲をそれぞれ切込溝で画成されたアウトレットボックス取付用ノックアウト部とからなるものである。この壁面電気配線用内装下地ボードにおいて、好ましくは、前記切込溝がボード本体の裏面に形成され、前記ボード本体の正面であって各ノックアウト部と対応する位置に適当なポジションマークが付されてなるものである。

【０００７】

【作用】

上述の壁面電気配線用内装下地ボードは、ボード本体の裏面に突設された複数の突起部背面に接着剤を塗布し、この接着剤を介して、耐火・遮音構造壁等の壁面に張り付けられる。電気配線は、前記ボード本体の裏面側であって各突起部の間の空間に通される。ボード本体の任意のノックアウト部を、その正面から叩打もしくは強く押圧すれば、このノックアウト部がその周囲の切込溝に沿って打ち抜かれ、ボード本体が開口されるので、そこから電気設備を取り付けるためのアウトレットボックスを埋め込むことができる。

【０００８】前記切込溝は、ボード本体の裏面に形成されていることが好ましいが、これは前記電気設備の取り付け後、経師貼りが施されたボード表面から、打ち抜かなかったノックアウト部周囲の切込溝が浮き出て見えることがないようにするためである。この場合、ボード本体の正面には、各ノックアウト部と対応する位置に適当なポジションマークを付しておくことによって、上述のアウトレットボックス埋め込み用開口部の形成作業の際に、打ち抜くべきノックアウト部の位置を容易に選定することができる。以下、本考案に係る壁面電気配線用内装下地ボードの好適な一実施例を、図面を参照しながら説明する。

【０００９】

【実施例】

まず図１は、本実施例のボード１０を裏面側から見た部分的な斜視図であり、このボード１０は、石膏ボード等よりなるボード本体１１と、このボード本体１１の裏面に適当な間隔で縦横に離散的に突設された直方体状の多数の突起部１２，１２，・・・とを有する。ボード本体１１には、突起部１２，１２，・・・間に位置して、長方形状の複数のノックアウト部１３，１３，・・・が整然と並んで形成されており、各ノックアウト部１３の周囲は、ボード本体１１の裏面を鋭いＶ字形の断面形状に切り込んだ切込溝１４によって画成されている。

【００１０】前記突起部１２の高さや、切込溝１４の縦及び横の長さは、後述するアウトレットボックス４の高さ及び縦横の寸法に応じてそれぞれ設定されている。また、図２の正面図に示すように、ボード本体１１の正面の壁面には、各ノックアウト部１３と対応する位置に、それぞれ印刷あるい粘着シートの貼着等による適当な意匠のポジションマーク１５が付されている。

【００１１】図３乃至図６において、参照符号１は内部にガラス繊維やグラスウールが入った重ね貼り構造の石膏ボードからなる耐火・遮音構造壁で、建築物の壁面の内層部を構成するものであり、２は床面である。本実施例のボード１０は、各突起部１２の背面１２１に接着剤３を塗布し、この接着剤３を介して、前記耐火・遮音構造壁１の表面に張り付けられる。また、複数のボード１０をその面方向に継ぎ合わせたり、あるいは他の通常の下地ボード等と継ぎ合わせるために、前記多数の突起部１２のうち、ボード本体１１の外縁部に位置する突起部１２の側面１２２にも接着剤を塗布することが好ましい。

【００１２】次に、スイッチやコンセント等の電気設備器具（図示省略）の取り付け予定位置に応じて、ボード本体１１の任意のノックアウト部１３を、その位置をボード本体１１の正面に表示するポジションマーク１５によって選定し、この部分を、図３（Ａ）に矢印Ｆで示すように正面側から叩打もしくは強く押圧する。これによって、図３（Ｂ）に示すように、ノックアウト部１３はその周囲の切込溝１４に沿って打ち抜かれ、そこには図２にも示すような長方形の開口部１０Ａが形成される。

【００１３】図４及び図５に示すように、ノックアウト部１３の打ち抜きによって形成された開口部１０Ａには、予め背面に接着剤を塗布したアウトレットボックス４を埋め込んで耐火・遮音構造壁１に定着する。また、参照符号５は電力供給用のケーブルであり、このケーブル５は、耐火・遮音構造壁１とボード本体１１との間であって突起部１２，１２，・・・間を縦横に延びる配線用空間１０Ｂを通して、アウトレットボックス４の上下左右の側板に開設された孔４ａのうちのいずれかから正面側へ引き出される。

【００１４】アウトレットボックス４から導出された前記ケーブル５にスイッチやコンセント等の電気設備器具を接続し、この器具をアウトレットボックス４の正面開口に固定したら、本実施例のボード１０を含む壁面にクロス紙等の壁装材の経師を施すが、先に述べたようにボード本体１１の正面は平坦であるため、打ち抜かれずに残ったノックアウト部１３が、経師された壁装材の表面から浮き出して見えるようなことはない。

【００１５】したがって、本実施例のボード１０を用いれば、従来の間柱工法あるいはボード増張工法のように、配線用の空間を確保するために多数の間柱を立てたり、複数の石膏ボードを積層状に重ね張りしたり、アウトレットボックスの埋め込み用の窓部や配線用の溝部をカッターナイフ等で切り込んだりする必要がなく、ボード１０を張り付けて任意のノックアウト部１３を打ち抜くだけで良いことから、作業の煩雑さを解消することができる。

【００１６】なお、本考案は図示の実施例に限定されるものではない。例えばノックアウト部１３の形成位置や数等は任意であり、また、突起部１２の材質は耐火性を有するものが好ましいが、これも任意である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の壁面電気配線用内装下地ボードによれば、耐火・遮音構造壁等の内層壁面に突起部を接着するだけでボード本体の背面側に配線用の空間が形成され、アウトレットボックスの埋め込み用の窓部は、任意のノックアウト部を打ち抜くだけで形成されるので、作業がきわめて容易になり、工期の短縮及び省力化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る壁面電気配線用内装下
地ボードを裏面側から見た部分的な斜視図である。

【図２】上記実施例に係る壁面電気配線用内装下地ボー
ドの部分的な正面図である。

【図３】上記実施例に係る壁面電気配線用内装下地ボー
ドにアウトレットボックス埋め込み用窓部を形成する工
程を示す説明図である。

【図４】上記実施例に係る壁面電気配線用内装下地ボー
ドのアウトレットボックス埋め込み及び配線状態を示す
縦断面図である。

【図５】図４におけるＶ−Ｖ線上で切断した断面図であ
る。

【符号の説明】

１耐火・遮音構造壁３接着剤４アウトレットボックス５ケーブル１０ボード１０Ａ開口部１０Ｂ配線用空間１１ボード本体１２突起部１３ノックアウト部１４切込溝１５ポジションマーク

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ボード本体と、このボード本体の裏面に離散的に突設され建物の壁面の
内部構造壁体に接着される複数の突起部と、これら複数の突起部間に位置して前記ボード本体の複数
箇所に形成され周囲をそれぞれ切込溝で画成されたアウ
トレットボックス取付用ノックアウト部と、からなる壁
面電気配線用内装下地ボード。
【請求項２】請求項１の記載において、切込溝がボー
ド本体の裏面に形成され、ボード本体の正面であって各
ノックアウト部と対応する位置に適当なポジションマー
クが付された壁面電気配線用内装下地ボード。