JPH0636026U - 超弾性合金使用の眼鏡のつる - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔面へのフィット性に優れる眼鏡を提供す
る。 【構成】 樹脂被覆される芯金２は、超弾性合金を以て
なる線状の前つる部芯金４と塑性変形可能の後つる部芯
金５とから構成する。前つる部芯金４の前端部分及び後
端部分はニッケルメッキされている。前端部分は蝶番部
後端の筒部１５内に挿入されてロウ付されている。又後
端部分は後つる部芯金前端の筒部１２内に挿入されてロ
ウ付されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、顔面へのフイット性に優れる眼鏡を構成する、超弾性合金使用の眼 鏡のつるに関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

従来の眼鏡のつるは、全体が洋白やニッケル合金、ステンレス等の素材を以っ てなる金属線材を適宜折曲して形成され、あるいはこの折曲されたものに樹脂被 覆を施して形成されていた。

【０００３】 しかしこの種の金属線材は、弾性が不十分であって、長期間の使用のうちにつ るが拡がり変形して顔面にフイットしなくなり、眼鏡の掛け心地が悪化する問題 があった。そこでこのような問題を解決せんとして、近年、Ｔｉ−Ｎｉ合金等の 超弾性を示す合金に着眼し、弾力性に富んだ眼鏡のつるを製作することが試みら れている。

【０００４】 その際に要求されることは、第１に、耳掛けとなる部分は着用者の顔面に合わ せて曲げ加工可能であること、第２には、ロウ付の手段等によってつる前端部分 に蝶番部を容易に形成できることである。ところが、超弾性合金からなる一本の 線材を以って眼鏡のつるを形成し、あるいは超弾性合金からなる一本の線材を以 ってつるの芯金を形成したときには、その超弾性が災いして耳掛けとなる部分を 着用者に合わせて曲げ加工ができない問題があった。加えて超弾性合金はロウ付 性に著しく劣るために、蝶番片を芯金にロウ付することが極めて困難であり、特 殊条件下でロウ付できたとしてもロウ付の信頼性の点において問題があった。又 プレス加工によって芯金前端部分に蝶番部を一体に形成する試みも行われてはい たが、その加工の困難さの故に実用的ではなかった。

【０００５】 本考案は、超弾性合金の弾力性に富む長所を生かしつつ以上のような問題点を 解決した眼鏡のつるの提供を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は次の手段を採用する。即ち本考案に係る眼鏡 のつるの一は、芯金２を樹脂被覆した眼鏡のつるであって、該芯金２は、超弾性 合金を以てなる前つる部芯金４と塑性変形可能の後つる部芯金５とからなり、該 前つる部芯金４は、線状を呈し且つ前端部分４ａ及び後端部分４ｂがニッケルメ ッキされてなり、該後端部分４ｂは、後つる部芯金５の前端に設けられたロウ付 性に富む筒部１２内に挿入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付されており 、該前端部分４ａは、蝶番部１３の後端に設けられたロウ付性に富む筒部１５内 に挿入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付されていることを特徴とするも のである。

【０００７】 該眼鏡のつるにおいて、前つる部芯金４は、少なくともその前端部分４ａ及び 後端部分４ｂを除く中間部分を左右方向に薄肉である偏平に形成するのがよく、 この場合、前つる部芯金４の偏平に形成された部分の側面に凹凸模様９を形成す るのがよい。

【０００８】 又本考案に係る眼鏡のつるの他は、バネ性を有する前つる部１６と耳掛けとな る後つる部１７を具え、該前つる部１６は、超弾性合金を以てなる線状を呈し且 つその前端部分１６ａ及び後端部分１６ｂがニッケルメッキされてなり、該後端 部分１６ｂは、後つる部１７の前端に設けられたロウ付性に富む筒部２３内に挿 入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付されるとともに、該前端部分１６ａ は、蝶番部２５の後端に設けられたロウ付性に富む筒部２６内に挿入されて前記 ニッケルメッキを介してロウ付されていることを特徴とするものである。

【０００９】 該眼鏡のつるにおいて、前つる部１６は、少なくともその前端部分１６ａ及び 後端部分１６ｂを除く中間部分を左右方向に薄肉である偏平に形成するのがよい 。

【００１０】

【作用】

本考案に係る眼鏡のつる１は、前つる部芯金４又は前つる部１６が超弾性合金 からなる線材を以って形成されているため、眼鏡を長期間にわたって顔面にフイ ットさせることができ、良好な掛け心地を持続させうる。

【００１１】 特に、前つる部芯金４、又は前つる部１６の少なくとも前端部分１６ａ及び後 端部分１６ｂを除く中間部分を左右方向に薄肉に形成した場合には、つるの内外 方向の弾力性が一層向上したものとなる。又樹脂被覆の眼鏡のつるにおいて、前 つる部芯金の偏平に形成した部分の側面に凹凸模様を形成したときには、被覆樹 脂が収縮して被覆樹脂と芯金との密着不良が生じたとしても、凹凸模様がスリッ プ止めとして機能し、被覆樹脂と芯金との一体性を保持せしめる。

【００１２】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１実施例 図１において本考案に係る眼鏡のつる１は、芯金２を例えば透明樹脂を用いて 樹脂被覆３してなり、該芯金２は、超弾性合金を以てなる前つる部芯金４と塑性 変形可能の後つる部芯金５とからなる。

【００１３】 該前つる部芯金４は、超弾性効果に優れる例えばＴｉ−Ｎｉ合金を以って形成 された直線状を呈し、その前端部分４ａ（図２）及び後端部分４ｂ（図３）がニ ッケルメッキされている。図２，３において、ニッケルメッキを施した部分は便 宜上点の集合部として表している。そして前端部分４ａと後端部分４ｂは丸軸状 に形成され、該前端部分及び後端部分を除く中間部分６は左右方向に薄肉である 偏平に形成され、この偏平に形成された部分の外側面７には凹凸模様９が形成さ れている。

【００１４】 後つる部芯金５は、洋白やニッケル、ステンレス等のロウ付性に富み且つ塑性 可能な素材を以て形成されており、その丸軸状をなす前端部分５ａ（図３）は、 図４に示す如く、洋白等のロウ付性に富む素材からなる連結パイプ１０の後半分 の筒部１１内に挿入されてロウ付により両者一体化されている。

【００１５】 そして前つる部芯金の後端部分４ｂ（図３）は、図４に示す如く、連結パイプ １０の前半分をなす筒部１２内に挿入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付 により両者一体化されている。又前つる部芯金の前端部分４ａ（図２）は、図５ に示す如く、蝶番部１３の後端に設けられた洋白等のロウ付性に富む素材からな る筒部１５内に挿入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付により両者一体化 されている。

【００１６】第２実施例 図６は本考案に係る眼鏡のつる１の他の実施例を示すものであり、バネ性を有 する前つる部１６と耳掛けとなる後つる部１７とを具える。前つる部１６は、超 弾性効果に優れる例えばＴｉ−Ｎｉ合金を以って形成された直線状を呈し、その 前端部分１６ａ及び後端部分１６ｂがニッケルメッキされている。図７において 、ニッケルメッキを施した部分は便宜上点の集合部として表している。そして前 端部分１６ａと後端部分１６ｂは丸軸状に形成され、該前端部分及び後側の部分 を除く部分１９は左右方向に薄肉である偏平に形成され、この偏平に形成された 部分の外側面２０には必要に応じて凹凸模様２１が形成される。

【００１７】 後つる部１７は、洋白やニッケル、ステンレスなどのロウ付性に富み且つ塑性 変形可能な素材を以て形成されており、その後側の部分は樹脂被覆２２されてお り、その前端に筒部２３（図６〜７）を具える。又前つる部の前端部分１６ａは 、第１実施例における場合と同様に、蝶番部２５の後端に設けられた洋白等のロ ウ付性に富む素材からなる筒部２６内に挿入されて前記ニッケルメッキを介して ロウ付により両者一体化されている。

【００１８】 又前つる部の後端部分１６ｂは、図８に示す如く、筒部２３内に挿入されて前 記ニッケルメッキを介してロウ付より両者一体化されている。 なお後つる部１７はケーブル式のものとして構成されることもある。

【００１９】

【考案の効果】

本考案に係る眼鏡のつるは、超弾性合金からなる線材をバネ性の要求される前 つる部分にのみ使用して、その両端部分に、蝶番部や、耳掛けとなる後つる部を ロウ付手段により連結することとしている。そのため、耳掛けとなる部分を着用 者の顔面に合わせて曲げ加工することができ、又つる前端部分に蝶番部を容易に ロウ付することができる、眼鏡のつるを製作しうることとなる。

【００２０】 そしてこのように製作された眼鏡のつるにおいては、前つる部芯金又は前つる 部が超弾性合金を以って形成されていることから、かかる眼鏡のつるを以って製 作された眼鏡を長期間にわたり顔面にフイットさせることができ、良好な掛け心 地を持続させうる。

【００２１】 特に、前つる部芯金を左右方向に薄肉に形成し、又は前つる部の少なくとも後 端部分及び前端部分を除く中間部分を左右方向に薄肉に形成した場合には、つる の内外方向の弾力性が一層向上したものとなる。又樹脂被覆の眼鏡のつるにおい て、前つる部芯金を偏平に形成した部分の側面に凹凸模様を形成したときには、 被覆樹脂の収縮によって該樹脂と芯金との密着不良が生じたとしても、凹凸模様 がスリップ止めとして機能するため、被覆樹脂と芯金との一体性を保持せしめう る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を説明する一部欠切斜視図で
ある。

【図２】前つる部芯金の前端部分を、連結用の筒部が設
けられた蝶番部とともに示す斜視図である。

【図３】前つる部芯金の後端部分及び後つる部芯金の前
端部分を、連結パイプとともに示す斜視図である。

【図４】前つる部芯金と後つる部芯金を連結パイプによ
ってロウ付により一体化した状態を示す部分断面図であ
る。

【図５】前つる部芯金の前端部分と蝶番部後端の筒部を
ロウ付により一体化した状態を示す部分断面図である。

【図６】本考案の他の実施例を説明する斜視図である。

【図７】前つる部の後端部分を後つる部の前側の部分と
ともに示す斜視図である。

【図８】前つる部と後つる部をロウ付により一体化した
状態を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１ 眼鏡のつる ２ 芯金 ４ 前つる部芯金 ５ 後つる部芯金 ９ 凹凸模様 １２ 筒部 １３ 蝶番部 １５ 筒部 １６ 前つる部 １７ 後つる部 ２３ 筒部 ２５ 蝶番部 ２６ 筒部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯金２を樹脂被覆した眼鏡のつるであっ
   て、該芯金２は、超弾性合金を以てなる前つる部芯金４
   と塑性変形可能の後つる部芯金５とからなり、該前つる
   部芯金４は、線状を呈し且つ前端部分４ａ及び後端部分
   ４ｂがニッケルメッキされてなり、該後端部分４ｂは、
   後つる部芯金５の前端に設けられたロウ付性に富む筒部
   １２内に挿入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付
   されており、該前端部分４ａは、蝶番部１３の後端に設
   けられたロウ付性に富む筒部１５内に挿入されて前記ニ
   ッケルメッキを介してロウ付されていることを特徴とす
   る超弾性合金使用の眼鏡のつる。
2. 【請求項２】 前つる部芯金４は、少なくともその前端
   部分４ａ及び後端部分４ｂを除く中間部分が左右方向に
   薄肉である偏平に形成された請求項１記載の超弾性合金
   使用の眼鏡のつる。
3. 【請求項３】 前つる部芯金４の偏平に形成された部分
   の側面に凹凸模様９が形成されている請求項２記載の超
   弾性合金使用の眼鏡のつる。
4. 【請求項４】 バネ性を有する前つる部１６と耳掛けと
   なる後つる部１７を具え、該前つる部１６は、超弾性合
   金を以てなる線状を呈し且つその前端部分１６ａ及び後
   端部分１６ｂがニッケルメッキされてなり、該後端部分
   １６ｂは、後つる部１７の前端に設けられたロウ付性に
   富む筒部２３内に挿入されて前記ニッケルメッキを介し
   てロウ付されるとともに、該前端部分１６ａは、蝶番部
   ２５の後端に設けられたロウ付性に富む筒部２６内に挿
   入されて前記ニッケルメッキを介してロウ付されている
   ことを特徴とする超弾性合金使用の眼鏡のつる。
5. 【請求項５】 前つる部１６は、少なくともその前端部
   分１６ａ及び後端部分１６ｂを除く中間部分が左右方向
   に薄肉である偏平に形成された請求項４記載の超弾性合
   金使用の眼鏡のつる。