JPH0636007U - 光スターカプラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペースで作製が容易、しかも安価な広帯
域の光スターカプラを提供することを目的とする。 【構成】 １本の光ファイバ１を中心に、複数の光ファ
イバが点対称の位置関係で中心の光ファイバ１と軸方向
に融着延伸されてそれぞれ結合部を形成し、中心の光フ
ァイバ１と複数の光ファイバとは伝搬定数差を設けられ
た光スターカプラである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光ファイバ通信システム等に用いられる光スターカプラに関するも のである。さらに詳しくは、光学特性の波長依存性の少ない光スターカプラに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、単に入力した光信号を複数の出力ポートに分岐したり、逆に複数のポー トから入力した光信号を一本の光ファイバに結合する受動デバイスとして光スタ ーカプラがある。特に複数の光ファイバを融着延伸して作製する光スターカプラ は低損失、光伝送路である光ファイバとの整合性、作製の容易さなどから注目さ れている。

【０００３】 スターカプラは図３で示すように４ポートカプラを多段に接続することによっ て構成する方法と、図４で示すように３本以上の光ファイバを融着延伸すること によって構成する方法とがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

【０００５】 従来からある４ポート光ファイバカプラを用いて、図４のようにスターカプラ を構成させると、それぞれ１つのカプラの持つ波長特性、偏光特性、分岐比や、 過剰損失が、４ポート光ファイバカプラが多段になることにより、各々の特性が １つの光スターカプラとして増幅されるばかりでなく、スペースが大きくならざ るを得なくなる。加えて、融着する回数が増え製造の工程の複雑化や部品点数が 多くなるなど、このような構成の光スターカプラでは、安価に供給することは難 しい。

【０００６】 一方、図５に示すような、従来の一段型光スターカプラだと、省スペース化、 低損失化は可能となるが、各ポートへの分配比の一定化、そして分岐比、過剰損 失の波長依存性が存在する。

【０００７】 このことは、Ｄ．Ｂ．ＭＯＲＴＩＭＯＲＥ ｅｔ ａｌ．がＥＬＥＣＴＲＯＮ ＩＣＳ ＬＥＴＴＥＲＳ ２７ｔｈ Ａｐｒｉｌ １９８９ Ｖｏｌ．２５ Ｎ ｏ．２９の”ＭＯＮＯＬＩＴＨＩＣ ＷＡＶＥＬＥＮＧＴＨ−ＦＬＡＴＴＥＮＥ Ｄ １＊７ ＳＩＮＧＬＥＭＯＤＥ ＦＵＳＥＤ ＣＯＵＰＬＥＲ”で述べてい る。

【０００８】 このように各種光学特性に波長依存性が存在すると、複数の波長を利用する波 長多重通信システムなどにおいては使用する事はできない。近年、このような波 長依存性を低減したファイバ融着形の光スターカプラの研究が行われている（波 長依存性を低減することにより、従来より広帯域で使用できるため広帯域光スタ ーカプラとも呼ばれる）。

【０００９】 広帯域化にするためには、ＵＳＰ４，７９８，４３６に開示されているように 、複数の光ファイバの伝搬定数に差を設けることにより、波長依存性を低減する 方法がよく知られている。その実現方法としては、ＵＳＰ４，８２２，１２６の ようにコアの屈折率が異なる２本の光ファイバを融着延伸すること等により実現 されている。

【００１０】 本考案の目的は省スペースで作製が容易、しかも安価な広帯域の光スターカプ ラを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【００１１】 上記の目的を達成するために本考案の光スターカプラは、入射側の光ファイバ １本を中心として、出射側の複数の光ファイバがこの中心の光ファイバ周りにそ れぞれ軸方向にそれぞれ一部を融着延伸して結合部を構成したもので、この中心 とその周りの光ファイバとは伝搬定数差を設けられた光スターカプラである。

【００１２】 さらに本考案の光スターカプラは１本の光ファイバ１を中心に、複数の光ファ イバが点対称の位置関係で中心の光ファイバ１と軸方向に融着延伸されてそれぞ れ結合部を形成し、中心の光ファイバ１と複数の光ファイバとは伝搬定数差を設 けられた光スターカプラである。

【００１３】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例を詳細に説明する。 図１は本考案の一実施例で、入射側となるの光ファイバ１の周りに出射側とな る光ファイバ２、３、４、５、６、７を整列しバイコールキャピラリーチューブ ８に挿入して軸方向に融着延伸させたものである。使用した光ファイバは市販さ れているコア径１０マイクロｍ、クラッド径１２５マイクロｍのもので、光ファ イバ１とその周りの光ファイバ２、３、４、５、６、７とに伝搬定数差を設ける ために光ファイバ１の一部のコア径を予め加熱による熱拡散で拡大しておき、光 ファイバ２、３、４、５、６、７をこの拡大したコアの位置と融着延伸して実現 した。また、これとは逆に光ファイバ１はそのままで光ファイバ２〜７のコア径 を予め拡大しても同様である。

【００１４】 また伝搬定数差を設ける第２の手段として、コアの屈折率が光ファイバ１と光 ファイバ２、３、４、５、６、７とで異なるものを使用してもよい。

【００１５】 また伝搬定数差を設ける第３の手段として、カットオフ波長が光ファイバ１と 光ファイバ２、３、４、５、６、７とで異なるものを使用してもよい。

【００１６】 なお、上記実施例ではバイコールキャピラリーチューブ８と共に融着延伸して 結合部を形成したが、このようにバイコールキャピラリーチューブ８を用いなく てもかまわない。

【００１７】 図２は本考案の他の実施例で、バイコールキャピラリーチューブを用いずに、 中心の光ファイバの周りに点対称に４本の光ファイバを整列し融着延伸させて結 合部を構成した光スターカプラを径方向からみた概略構成図である。

【００１８】

【考案の効果】

以上本考案の光スターカプラーは、複数の光ファイバの一部を融着して結合部 を形成してなる光スターカプラにおいて、１本の光ファイバを中心に、複数の光 ファイバが該中心の光ファイバと軸方向に融着延伸されてそれぞれ結合部を形成 し、該中心の光ファイバと複数の光ファイバとは伝搬定数差を有する光スターカ プラとし、さらに本発明の光スターカプラは１本の光ファイバ１を中心に、複数 の光ファイバが点対称の位置関係で中心の光ファイバと軸方向に融着延伸されて それぞれ結合部を形成し、中心の光ファイバ１と複数の光ファイバとは伝搬定数 差を有する光スターカプラとしたので、省スペースで作製が容易、しかも安価な 広帯域の光スターカプラとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の光スターカプラを軸方向か
ら見た概略構成図である。

【図２】本考案の他の実施例の光スターカプラを径方向
から見た概略構成図である。

【図３】従来の４ポート光ファイバカプラの概略構成図
である。

【図４】従来の４ポート光ファイバカプラを接続した光
スターカプラの概略構成図である。

【図５】従来の一段型光スターカプラの概略構成図であ
る。

【符号の説明】

１〜７ 光ファイバ ８ バイコールキャピラリーチューブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の光ファイバの一部を融着して結合
   部を形成してなる光スターカプラにおいて、１本の光フ
   ァイバを中心に、複数の光ファイバが該中心の光ファイ
   バと軸方向に融着延伸されてそれぞれ結合部を形成し、
   該中心の光ファイバと複数の光ファイバとは伝搬定数差
   を設けられていることを特徴とする光スターカプラ。
2. 【請求項２】 前記１本の光ファイバを中心に、複数の
   光ファイバが点対称の位置関係にあることを特徴とする
   請求項１記載の光スターカプラ。