JPH0635933U - 温度や圧力の測定計器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度や圧力の現場指示と遠隔位置での指示が
精度よく行なえるようにする。 【構成】 感温部１１と表示部１２に設けた受圧素子１
３を導管１４で接続し、これらの内部に流体を封入し、
感温部１１で検出した温度による流体の圧力変化で受圧
素子１３を作動させ、表示部１２で温度を現場指示す
る。導管１４に圧力変換器１８をその受圧面に流体の圧
力が作用するよう分岐接続し、流体の圧力変化を圧力変
換器１８で電気的な出力として取出し、これによって遠
隔位置での温度指示や記録を行なう。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、温度や圧力の測定計器、更に詳しくは、温度や圧力の現場指示と 遠隔電送とが行なえる温度計及び圧力計に関する。

【０００２】

【従来の技術】

温度計や圧力計において、測定した温度や圧力を現場表示すると同時に温度や 圧力を電気的に変換し、遠隔位置においても表示や記録が行なえるものが提案さ れている。

【０００３】 図２乃至図４は、測定計器として従来の遠隔出力付温度計の異なった例を示し ている。これらの各図において、温度計の基本的な構造は、検知部である感温部 １と表示部２内に埋込んだ受圧素子３とを導管４で接続し、これらの内部に流体 を封入し、感温部１で検出した温度を流体の圧力変動で受圧素子３に伝え、この 受圧素子３で指針５を回動させ、目盛板の目盛６上に温度を表示するようになっ ている。

【０００４】 図２に示す第１の例の温度計は、受圧素子３にベローズ式を用いると共に、遠 隔出力用機器としてポテンションメータ７を用い、これを表示部２内に収納し、 受圧素子３の伸縮運動を分岐してポテンションメータ７に伝え、このポテンショ ンメータ７で温度を電気的に出力するようになっている。

【０００５】 図３に示す第２の例の温度計は、受圧素子３にブルドン管を用いると共に、表 示部２内に収納した遠隔出力用機器として差動トランス８を用い、ブルドン管の 可動端部に差動トランス８の鉄芯を接続し、この差動トランス８で温度を電気的 に出力するようになっている。

【０００６】 図４に示す第３の例の温度計は、感熱部１内に熱電対や測温抵抗体等を用いた センサー９を収納し、その導線１０を導管４に沿わせて表示部２に導き、この表 示部２で接続した配線を遠隔位置に引出し、センサー９で検出した温度を電気的 に出力するようになっている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、先に述べた第１の例の温度計は、温度計の変位をポテンションメー タに分岐して同調させるため、ポテンションメータの駆動に大きなトルクを必要 とし、受圧素子３にベローズ式などの出力の大きな素子を使用しなければならな いという限定が生じる。

【０００８】 また、第２の例の温度計においては、差動トランスのサイズが大型になり、こ れを収納する表示部２が大きくなるという問題がある。

【０００９】 更に第３の例の温度計は、温度計の機械的出力に対する影響がないため、従来 の受圧素子が異なる各種形式の温度計に組込み可能であるが、導管４に沿って導 線１０を別途増やさなければならず、また、感温部１はセンサー９を収納する必 要があるため、若干の差込み長さ増が伴うという問題がある。

【００１０】 上記第１及び第２の例は、何れも受圧素子の運動に対して機械的変化の分岐で あるため、使用できる受圧素子の構造に制約があると共に、測定精度面でも問題 となる場合がある。

【００１１】 そこでこの考案は、受圧素子や封入流体の種類に関係なく幅広い適用が可能に なると共に、現場指示と遠隔変送が精度よく行なえる温度や圧力の測定計器を提 供することを課題としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記のような課題を解決するため、この考案は、検知部と表示部内の受圧素子 を導管で接続し、これらの内部に流体を封入し、検知部で検出した温度や圧力を 流体の圧力変動で受圧素子に伝え、温度や圧力を表示部で表示するようにした温 度や圧力の測定計器において、流体の圧力変動を電気的に検出して出力する圧力 変換器を、その受圧面に流体圧が作用するよう導管に分岐して接続した構成を採 用したものである。

【００１３】

【作用】

受圧素子での温度や圧力の検出で封入流体の圧力が変化し、受圧素子の作動に よって温度や圧力を現場指示する。

【００１４】 これと同時に圧力流体の圧力が圧力変換器に直接作用し、圧力変化を電気的に 出力することで遠隔位置での表示や記録が可能になる。

【００１５】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面の図１に基づいて説明する。

【００１６】 図１は測定計器として温度計を例示しており、感温部１１と表示部１２内に組 込んだ受圧素子１３とを導管１４で接続し、これらの内部に流体を封入している 。

【００１７】 受圧素子１３は、図示の場合ブルドン管を用い、その可動端に連結した拡大歯 車１５により指針１６を回動させ、目盛板上に温度を指示するようになっている 。

【００１８】 前記表示部１２内において導管１４に分岐管１７が接続され、この分岐管１７ の端部に圧力変換器１８が取付けられ、その受圧面に封入流体の圧力が作用する ようになっている。

【００１９】 上記圧力変換器１８は、例えばひずみゲージ式フラッシュダイヤフラム型のも のを用い、ケーブル１９を遠隔位置にある表示器や記録計と接続し、受圧面に作 用する流体の圧力に比例した電気的な出力を行なうようになっている。

【００２０】 前記受圧素子１８は、図示のようなブルドン管に限るものではなく、例えばベ ローズ式、ピストン式、ダイヤフラム式等が採用でき、封入流体も受圧素子の構 造に合せて自由に選択できると共に、圧力変換器１８は受圧素子や封入流体の種 類による圧力変化に対応するものを用いればよい。

【００２１】 また、ひずみゲージ式フラッシュダイヤフラム型の圧力変換器１８は、形状的 に小さく、表示部１２の内部への組込みがスペース的に支障なく行なえる。

【００２２】 この考案の測定計器は上記のような構成であり、感温部１１で検出した温度に 比例して封入流体の圧力が変動し、この流体の圧力に比例して受圧素子１３が作 動し、表示部１２は指針１６と目盛板によって温度を現場指示する。

【００２３】 また、封入流体の圧力は圧力変換器１８の受圧面に直接作用し、圧力変換器１ ８は圧力に応じた電気的な出力を行ない、遠隔位置における温度の指示や記録が 行なえる。

【００２４】 なお、図示実施例では測定計器が温度計の場合を説明したが、圧力計にも応用 でき、圧力計の場合、検知部が感圧部となり、表示部によって圧力を現場指示す ると共に、圧力変換器による電気的な出力によって遠隔位置での圧力の指示や記 録が行なえる。

【００２５】

【効果】

以上のように、この考案によると、導管に圧力変換器を、その受圧面に封入流 体の圧力が作用するよう分岐状に取付けたので、表示部による現場指示と圧力変 換器の出力による遠隔位置での指示とが行なえ、しかも圧力変換器に直接封入流 体を作用させるため、機械的出力への影響が全くなく、温度や圧力の指示が高精 度に行なえる。

【００２６】 また、圧力流体を直接利用して電気的出力を取出すため、導管に沿って配線を 設けるような必要はなく、しかも機械的変位を分岐させる従来に比べ、安定した 性能が得られる。

【００２７】 更に、圧力変換器は小型であり、表示部内への組込みが支障なく行なえると共 に、封入流体を直接利用するため、受圧素子の異なる測定計器に幅広く適用可能 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る測定計器の正面図

【図２】従来の測定計器の第１の例を示す正面図

【図３】従来の測定計器の第２の例を示す正面図

【図４】従来の測定計器の第３の例を示す正面図

【符号の説明】

１１ 感温部 １２ 表示部 １３ 受圧素子 １４ 導管 １７ 分岐管 １８ 圧力変換器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 検知部と表示部内の受圧素子を導管で接
   続し、これらの内部に流体を封入し、検知部で検出した
   温度や圧力を流体の圧力変動で受圧素子に伝え、温度や
   圧力を表示部で表示するようにした温度や圧力の測定計
   器において、流体の圧力変動を電気的に検出して出力す
   る圧力変換器を、その受圧面に流体圧が作用するよう導
   管に分岐して接続したことを特徴とする温度や圧力の測
   定計器。