JPH0635772U - 温水循環用プラスチックパイプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱膨張による変形を抑制し、軟質床暖房マッ
ト等に用いる温水循環用プラスチックパイプとして有効
に使用できるようにする。 【構成】 架橋ポリエチレン管１の外周全域にわたって
熱可塑性合成樹脂繊維糸よりなる螺旋状の織構造である
織布層２を設けると共に、その長さ方向に沿って複数本
の繊維糸３を所定の間隔で配設し、更にその外周には全
域にわたって熱可塑性合成樹脂よりなる外層４を設け
て、繊維糸３により補強された織布層２によって架橋ポ
リエチレン管１の熱膨張を抑制できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、熱媒体流通用導管として用いる温水循環用プラスチックパイプに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

温水等の加熱流体供給源と軟質床暖房マットや温水ヒータ等の放熱器との間を 接続するプラスチックパイプの熱膨脹によるカーペット等の浮き上がりを防止す るには、合板等の床材に設けた溝にパイプを敷設するとか、パイプを床上にバン ド止めするとか、或いは敷設したパイプの上を鉄板等で覆い、その上に樹脂発泡 体等のダミー材を敷設しているのが現状である。

【０００３】

【考案が解決しようする課題】

上記従来の方法でも、プラスチックパイプに加熱流体を通した使用時ではパイ プが加熱されて熱膨脹するため、カーペット等の浮き上がりを防止する効果は十 分でなく、また、その方法を実施する作業が煩雑であって、浮き上がり防止のた めの簡単な方法が望まれていた。

【０００４】 本考案はかかる問題を解決したものであって、その目的はパイプ自体の熱膨脹 を抑制できて、カーペート等の浮き上がりを防止する上に有効である温水循環用 プラスチックパイプを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の特徴とする温水循環用プラスチックパイ プは架橋ポリエチレン管の外周全域にわたって熱可塑性合成樹脂繊維糸よりなる 螺旋状の織構造である織布層を設けると共に、その長さ方向に沿って複数本の繊 維糸を所定の間隔で配設し、更にその外周には全域にわたって熱可塑性合成樹脂 よりなる外層を設けて成るものである。

【０００６】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面の図１〜図３を参照しながら説明する。１ は架橋ポリエチレン管であって、その外周全域にわたって熱可塑性合成樹脂繊維 糸よりなる螺旋状の織構造である織布層２を設け、この織布層２上に架橋ポリエ チレン管１の長さ方向に沿って複数本の繊維糸３を所定の間隔で配設し（好まし くは４本以上の繊維糸を等間隔に設ける）、更にその外周には全域にわたって熱 可塑性合成樹脂よりなる外層４を設けて、温水循環用プラスチックパイプを構成 する。

【０００７】 この温水循環用プラスチックパイプの構成において、架橋ポリエチレン管１に は低密度ポリエチレンの架橋体を用いるのが好ましく、厚みは、例えば０．６ｍ ｍである。織布層２の織構造はポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ プロピレン等の熱可塑性合成樹脂繊維糸による螺旋状の平織乃至は斜文織等であ って、厚みは、例えば０．３ｍｍである。また、繊維糸３の素材には上記織布層 ２のそれと同等のもので、５０〜２５００デニールのものが用いられ、この繊維 糸３は架橋ポリエチレン管１と織布層２の間に配設してもよい。

【０００８】 なお、織布層２の織構造は斜文織であることが好ましく、これは経緯の糸同士 のズレが生じにくくて織布自体に変形（伸び）が少なく、架橋ポリエチレン管１ の熱膨脹による変形を有効に抑制できるからである。そして、斜文織としては、 例えば経緯糸各８本による「にに斜文織」を螺旋状に形成したものであって（図 ３を参照、これは織布層をパイプの軸方向に切断し展開したもので、図面上の上 下方向がパイプの軸方向である。）、この織布層２は架橋ポリエチレン管１の成 形時に、これと同調して供給される経糸と緯糸により螺旋状に形成できる。

【０００９】 また、外層４は架橋ポリエチレン管１と同材質のもので形成するのが好ましい が、他に未架橋体の低密度ポリエチレン、ポリブデン、エチレン酢酸ビニル共重 合体、ポリ塩化ビニル等により形成してもよく、その厚みは、例えば０．６ｍｍ である。図３において、ａ_１．．．．ａ_８は経糸、ｂ_１．．．．ｂ_８は緯糸であ る。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上記の如くであって、内層を構成する架橋ポリエチレン管は、外周の 全域にわたって設けられた熱可塑性合成樹脂繊維糸よりなる螺旋状の織構造であ る織布層とその長さ方向に沿って配設された繊維糸とよって熱膨張が抑制され、 加熱流体を流通させた使用時の変形が防止されてカーペット等の浮き上がり現象 を解消する上に有効である。また、織布層は熱可塑性合成樹脂よりなる外層で保 護されており、パイプ全体として強度に優れていて耐久性を発揮できることは勿 論のこと、可撓性もあって使用に便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すもので、部分的に引き剥
がした斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１における織布層の織構造を示す展開図であ
る。

【符号の説明】

１は架橋ポリエチレン管 ２は織布層 ３は繊維糸 ４は外層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 架橋ポリエチレン管の外周全域にわたっ
   て熱可塑性合成樹脂繊維糸よりなる螺旋状の織構造であ
   る織布層を設けると共に、その長さ方向に沿って複数本
   の繊維糸を所定の間隔で配設し、更にその外周には全域
   にわたって熱可塑性合成樹脂よりなる外層を設けて成る
   ことを特徴とする温水循環用プラスチックパイプ。