JPH063568Y2 - 医療用ベルト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主として腰椎等を固定
し、該部分に負担を負わせないようにするための医療用
ベルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の医療用ベルトには、皮や
布、あるいはプラスチックを素材としたベルト本体の端
部に止め金具を付設したものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の医療用ベルトは、ベルト本体に別個に止め金具を
付設したものであるから、製造が面倒なうえに堅牢性に
も欠け、しかも止め金具が腹部に当り着装時に不快感を
伴う問題点を有するものであった。また、装着が割合に
面倒であり、使用者のウエストサイズに合せて微調整が
簡単にできず、さらには、着装中にベルトに無理な力が
掛かると、ベルトが簡単に外れるおそれがあった。

【０００４】本考案は、上記従来の技術の有するこのよ
うな問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすると
ころは、全体を一体に成形でき、丈夫で使用感が良好な
うえに、着装中に無理な力が掛かっても外れることが少
ない、丈夫な医療用ベルトを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案に係る医療用ベルトは、全面に多数の通気孔
を穿設した半硬質プラスチック板製等から成るベルト本
体を設け、該ベルト本体の基部表面に前記通気孔に係合
可能な複数個の係合用突起を一体に突設したベルトにお
いて、上記ベルト本体に、上記通気孔に対する係合用突
起の係合状態を固定する係止段部付き挿通孔を有するベ
ルト止めを挿通させたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】ベルト本体をその先端と基部側が人体の腹部正
面で交叉するようにして当てるとともに、ベルト本体の
正面基部側に設けた係合用突起を先端側に設けた通気孔
に押圧係合することで装着する。それから、ベルト本体
に挿通させたベルト止めをスライドさせ、係止段部付き
挿通孔の当該段部にベルト本体の先端を当接させると、
上記通気孔に対する係合用突起の係合状態が内外両側か
ら固定されて離脱は完全に阻止される。

【０００７】この際、予め係合用突起が係合する通気孔
の左右位置を使用者のウエストサイズに合せて調整して
おく。このようにしてベルト本体で胴部を強く圧迫する
ことで腰椎等を固定し、該部分に負担を負わせないよう
にするものである。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。本考案に係る医療用ベルトは、図１及び図２に示し
たように、先端から基部に至る全面に多数の通気孔２を
穿設したベルト本体１を設け、該ベルト本体１の基部表
面に、前記通気孔２に係合可能な複数個の係合用突起３
を一体に突設すると共に、上記ベルト本体１に、上記通
気孔２に対する係合用突起３の係合状態を固定する係止
段部４ａ付き挿通孔４を有するベルト止め５を挿通させ
たものである。

【０００９】ベルト本体１及びベルト止め５ともに、や
ゝ弾性を有する半硬質プラスチック板にて成形してあ
る。ベルト本体１のサイズは、例えば横幅（長さ）が１
００ｃｍ、１１０ｃｍ、１２０ｃｍ、縦幅が９．５ｃ
ｍ、１０ｃｍ、１５ｃｍ等、サイズの異なるものを数種
類用意しておくと使用上便利である。いずれのものも、
厚さは３ｍｍ位とする。

【００１０】ベルト本体１に設けた通気孔２は、平面及
び裏面形状が図３に示したように、６．８ｍｍ幅の隅丸
方形状に形成されるとともに、縦断面形状が図２に示し
たように、やゝ凸面状に形成されている。

【００１１】また、上記通気孔２は、実施例では、横幅
（長さ）方向には先端から基部にかけて約３ｍｍの間隔
を置いて多数、縦幅方向には約３ｍｍの間隔を置いて９
個穿設されている。

【００１２】ベルト本体１の基部表面に設けた係合用突
起３は、高さが３ｍｍ、幅が６．６ｍｍの前記通気孔２
と同形の隅丸方形状に形成されている。

【００１３】このようにしてなる係合用突起３は、ベル
ト本体１の基部表面の縦幅方向に１列ないし複数列（実
施例では１列）に亘って前記通気孔２の縦幅方向の数と
同数（実施例では９個）設けられている。

【００１４】これによって、ベルト装着の際、ベルト本
体１基部の係合用突起３にベルト先端側の通気孔２を押
圧させると、通気孔２の幅が６．８ｍｍに対して係合用
突起３の直径が６．６ｍｍであるから、通気孔２へ各係
合用突起３は簡単に嵌入する。しかし、装着時に無理な
力が掛かったりすると外れ易いので、ベルト止め５で内
外両側から固定し離脱を完全に阻止する。

【００１５】ベルト止め５は、図４ないし図６に示した
如く、縦長扁平の略角筒状に一体形成され、装着時に通
気孔２に対する係合用突起３の係合状態を固定するのに
充分な長さ及び高さを有している。

【００１６】また、ベルト止め５の係止段部４ａ付きの
挿通孔４は、当該段部４ａを堺に、段部側の一端（図６
の右側）はベルト本体１一枚の厚みにほゞ等しい横幅の
狭口４ｂに形成され、他端（図６の左側）はベルト本体
１二枚の厚みにほゞ等しい横幅の拡口４ｃに形成されて
いる。

【００１７】従って、係止段部４ａの高さは、ベルト本
体１一枚の厚みと略一致し、これによって、ベルト止め
５の使用時にベルト本体１の先端が係止段部４ａに確実
に係止固定される。

【００１８】尚、図１において、６は装着時にベルト先
端の開きを阻止するためのベルト止めであって、前記の
ベルト止め５と同素材より成っている。

【００１９】

【考案の効果】以上のように本考案に係る医療用ベルト
は、全面に多数の通気孔を穿設したやゝ弾性を有する半
硬質プラスチック板製等のベルト本体の基部表面の縦方
向に係合用突起を一体的に設け、該係合用突起をベルト
本体先端側の通気孔に押圧係合させることにより装着す
るように構成したものであるから、製造が容易であるう
えに丈夫であり、しかも脱着がワンタッチででき、非常
に使い易いものである。また、係合用突起が係合する通
気孔の左右位置を選択することで使用者のウエストサイ
ズに合せて微調整することが容易である。さらに、通気
孔に対する係合用突起の係合状態を固定する係止段部付
きの挿通孔を有するベルト止めを設けたものであるか
ら、係合後に当該ベルト止めをスライドさせるだけのワ
ンタッチ操作で、係止段部がベルト本体の先端に当接す
るのに伴い上記通気孔と係合用突起の離脱は完全に阻止
される。従って、装着時にベルトに相当な力が掛かって
も外れるおそれがない。そしてさらに、長時間装着して
もむれることがなく、かつ汚れた時でも簡単に水洗いす
ることができ、短時間で乾かすことができるものであ
る。因に、本考案ベルトは、腰椎等の治療のみならず、
ウエストのシェイプアップにも有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る医療用ベルトの使用状態を示す斜
視図である。

【図２】ベルト本体の通気孔と係合用突起の係合をベル
ト止めで固定した状態を示す一部の拡大断面図である。

【図３】ベルト本体の一部を切断した正面図である。

【図４】ベルト止めの側面図である。

【図５】ベルト止めの正面図である。

【図６】ベルト止めの平面図である。

【符号の説明】

１ ベルト本体 ２ 通気孔 ３ 係合用突起 ４ 挿通孔 ４ａ 係止段部 ５ ベルト止め

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全面に多数の通気孔を穿設した半硬質プ
   ラスチック板製等から成るベルト本体を設け、該ベルト
   本体の基部表面に前記通気孔に係合可能な複数個の係合
   用突起を一体に突設したベルトにおいて、上記ベルト本
   体に、上記通気孔に対する係合用突起の係合状態を固定
   する係止段部付き挿通孔を有するベルト止めを挿通させ
   たことを特徴とする医療用ベルト。