JPH0635602B2 - アルミニウム合金焼結鍛造品の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金焼結鍛造品の製造方法

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JPH0635602B2 JP12942586A JP12942586A JPH0635602B2 JP H0635602 B2 JPH0635602 B2 JP H0635602B2 JP 12942586 A JP12942586 A JP 12942586A JP 12942586 A JP12942586 A JP 12942586A JP H0635602 B2 JPH0635602 B2 JP H0635602B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は粉末治金法による高温強度及び耐摩耗性に優れ
たアルミニウム合金の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、急冷凝固法によって多量の合金元素を添加したア
ルミニウム合金粉末を原料とし、これを粉末治金法によ
り、従来の溶解鋳造法では得られない耐摩耗性や高温強
度に優れたアルミニウム合金を製造する研究、開発が盛
んになってきている。
この粉末治金法においては、熱間押出しが一般的であ
り、焼結鍛造は適用されていない。これはアルミニウム
合金粉末の粉末表面に安定な酸化皮膜が形成されている
ため、各原子の拡散を阻止し、焼結、緻密化が進行し難
いためである。
すなわち、焼結鍛造に際しては、鍛造前の焼結段階で成
形体の密度比が95%以上であって、内部の気孔がすべ
て閉塞気孔になっていることが最終的な機械的強度及び
ハンドリングの面で望ましい。しかし、上述の如く、ア
ルミニウム合金はその粉末表面に安定な酸化皮膜を有し
ているため、焼結段階で密度比を95%以上にあげるこ
とが非常に困難である。したがって、焼結鍛造法は採用
されるに至っていなかった。
(発明が解決しようとする問題点) もっとも、これを改善するための研究が行われ、従来
は、特開昭60−145349号で提案されているよう
に、成形段階において静水圧プレス用いて高密度成形体
を得る方法がある。この方法によれば、成形〜焼結〜鍛
造の工程中でのハンドリング上の問題点は解決される。
しかし、成形時に成形体の密度比を95%以上にしてし
まうと内部の気孔がすべて閉塞気孔になってしまうた
め、機械的特性劣化の原因となる水素ガスを主とする含
有ガスが逃げ道を塞がれて焼結時の脱ガスが不充分とな
り、結果的にブリスター(加熱過程での異常膨張現象)
が発生するという問題がある。
一方、成形体の密度比を70〜95%程度に抑えると、
水素ガス等の含有ガスは焼結時に十分に抜けるものの、
成形体の強度が低くなり、成形〜焼結〜鍛造工程、特に
焼結、鍛造工程間において焼結体を鍛造用金型へ搬送し
装入するときに焼結体の一部が欠ける等のハンドリング
上の問題が生じる。
このように、脱ガスに関連するブリスターと工程中での
ハンドリング上の問題とを一挙に解決し得る方策は提案
されておらず、焼結鍛造が一般的に採用されていないの
が現状である。
本発明の目的は、アルミニウム合金の焼結鍛造に関し、
ブリスターの発生を抑制し、ハンドリング上の問題がな
く、しかも高温強度及び耐摩耗性に優れたアルミニウム
合金焼結鍛造品を製造できる方法を提供することにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、アルミニウム合金粉末を原料とし、焼結
鍛造法によって優れた特性を有する該成形体を製造する
ための一連の研究において、焼結〜鍛造工程間で該成形
体の欠損が起こり、製品製造工程上ハンドリングに支障
が大きいこと、並びに熱間鍛造後の成形体にブリスター
が発生して機械的特性にバラツキが生じることなどの問
題に直面した。
この問題を解決するための鋭意研究を重ねた結果、前者
の成形体の欠損に関しては焼結体強度が低いことが原因
であり、また後者のブリスター発生は水素ガスを主とす
る多量のガス成分が残存していることが原因であること
を究明した。
そこで、温発明者等は、かゝる問題点を解決し得る効果
的な方策を見い出すために更に研究を重ねた結果、アル
ミニウム合金粉末を整形してプリフォーム(予備成形
体)を得る際、プリフォーム密度を低くすることによっ
て加熱時における残留ガス成分の抜けを促進するように
し、一方、プリフォーム密度の低さに起因する強度低下
の点は、特定成分組成のアルミニウム合金粉末原料にM
g粉末及びSi粉末を単独或いは複合添加して成形、焼
結するならば、添加したMg、Siが焼結過程で液相を
生成し、これが焼結促進剤の役割を果すことによって高
強度を有するアルミニウム合金焼結体が得られ、これに
より、その後の熱間鍛造段階で輸送時或いは金型への装
入時等にハンドリングを容易にすることを見い出した。
しかも、上記Mg、Siの添加は鍛造によって好結果を
もたらすものである。Mg、Siは焼結時に液相を生成
すると共に、一部は酸化されてこれらの酸化物が鍛造時
に破壊、分散されて分散強化に寄与するため、熱間鍛造
後は所望の高強度を有するアルミニウム合金焼結鍛造品
が得られることも見い出し、これらの知見に基づいて更
に詳細に検討を加え、ここに本発明をなしたものであ
る。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金焼結鍛造品の
製造方法は、アルミニウム合金粉末原料を成形した真密
度比70〜95%のプリフォームを450〜550℃の
不活性雰囲気中で焼結した後、該焼結体を200〜55
0℃の温度で鍛造して真密度比95%以上のアルミニウ
ム合金焼結鍛造品を得る方法において、前記アルミニウ
ム合金粉末原料として、重量比でSi:10.0〜30.
0%と、Fe:1.0〜15.0%、Mn:1.0〜15.
0%及びNi:1.0〜15.0%のうちの1種又は2種
以上(但し、2種以上の場合には合計で1.0〜15.
0%)と、更に必要に応じてCu:0.5〜5.0%及び
Mg:0.2〜3.0%のうちの1種又は2種とを含み、
残部が実質的に不可避的不純物を含むAlからなる組成
で100メッシュ以下の粉末のアルミニウム合金粉末に
対し、3〜12%のマグネシウム粉末及び4〜16%の
金属シリコン粉末の1種又は2種(但し、2種の場合に
は合計で3〜25%)を添加したものを原料として用い
ることを特徴とするものである。
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明をなすに至った基礎実験並びにそれにより
得た知見、機構等について詳述する。
アルミニウム合金製品の製造法の1つとして知られてい
る粉末治金法に関する研究は以前から盛んに行われてき
ているところである。しかし、前述の如く、アルミニウ
ム合金粉末はその粉末表面に安定な酸化皮膜を有するた
め、焼結だけでは高強度なアルミニウム合金材料が得ら
れないことから、実用化が遅れていた。
そこで、本発明者等は、その酸化皮膜を破り新生活性表
面を得ることができるならば、高強度を有するアルミニ
ウム合金材料が得られるとの予想の下に、プリフォーム
を焼結後、熱間鍛造することによって酸化皮膜を破壊
し、かつ、プリフォーム内部の気孔を減らすことを試み
た。その結果、高強度のアルミニウム合金材料を得るこ
とができた。しかし、この工程中、特に焼結体を炉内か
ら鍛造金型内に搬送、装入する際に焼結体の一部が欠け
るというハンドリング上の問題が生じた。この原因は、
焼結体が粉末表面の酸化皮膜のために焼結が十分進まな
かったためであることが判明した。
この点、上記問題を解決するためには、圧粉成形時に高
い圧力で成形し、プリフォーム自体の強度を上げる方法
が考えられる。しかし、このような方法を実施するため
には、大型プレスを必要とすること、金型の寿命が低減
すること、更には酸化皮膜の結晶水や吸着水の分解に伴
って生ずる水素ガスが吸収され、これに起因してブリス
ターが発生すること等々の種々の問題が生じることを考
慮すると、やはりプリフォームの強度は焼結によって十
分に高くした方があらゆる面で有利であることから、上
記方法は採用できない。
そこで、別の観点から試みることとし、アルミニウム合
金粉末の焼結を促進させる方法について様々な添加剤を
使用する実験研究を行った結果、Mg、Siを添加剤と
して用いるのが好結果をもたらすことが判明した。
すなわち、まず、Al−20%Si−3%Cu−1%Mg
のアルミニウム合金粉末にMg、Si及びMg+Si粉末を
添加し、V型混合機で混合後、面圧8ton/cm2で外径3
0φ×内径15φ×10mmの圧環試験片に成形した。こ
れらのプリフォームを520℃×1hr、N2雰囲気中で
焼結し、その後圧環試験を行った。その結果を第1図、
第2図及び第3図に示す。
第1図から明らかなように、Mg粉末添加試料の場合、
その添加量が3〜12wt%の範囲で高い圧環強度を示
し、特に5%添加で最も高い圧環強度20kgf/mm2を示
した。この結果、Mg粉末の添加はアルミニウム合金粉
末の焼結において焼結促進剤としての効果があることが
明らかとなった。
また、第2図はSi粉末添加試料の場合を示し、その添
加量が4wt%以上で圧環強度が急激に上昇し、5〜15
wt%まで徐々に上昇し、15wt%添加で最大の圧環強度
20kgf/mm2を示し、16wt%までアルミニウム合金粉
末の焼結において焼結促進効果がみられた。
更に、第3図はMg粉末及びS粉末の両者を併わせて
添加した場合を示しており、それらの添加量が3〜25
wt%の範囲で高い圧環強度を示し、10wt%添加で最大
圧環強度20kgf/mm2の値を示した。
以上示したMg、Si及びMg+Si粉末の添加がアルミニ
ウム合金粉末の焼結において焼結促進作用がみられたの
は、いずれの場合においてもAl−Mg−Si又はAl−
Mg−Si−Cuの三元系又は四元系共晶に基づく液相が
生成するためと考えられる。
このようにアルミニウム合金粉末にMg及び/又はS
粉末を添加すると焼結が促進され、高強度な焼結体が得
られることが明らかになったので、次に、本焼結体につ
いて熱間鍛造実験を行った。
熱間鍛造実験は、前記焼結実験と同様にAl−20%S
i−3%Cu−1%Mgのアルミニウム合金粉末にMg、S
i及びMg+Si粉末を添加、混合後、8ton/cm2の成形
圧で55×10×15mmのプリフォームを成形し、同様
の条件で焼結した後、直ちに250℃に予熱された金型
に装入して鍛造圧8ton/cm2で大気中で鍛造を行った。
鍛造後すばやく型内から鍛造品を取り出し、再び炉内に
戻してN2雰囲気中、520℃×30分の再焼結を行
い、T6処理(475℃×1hr、WQ→175℃×8hr)
を施した。なお、再焼結は、鍛造によって内部の気孔が
減少し、新たに接触した粒子間での焼結を生じさせるた
めに行ったものである。次いで、得られた鍛造品から平
行部5φ×20mmの引張試験片を作製し、室温にて引
張試験を行った。これらの結果を第4図、第5図及び第
6図に示す。
第4図に示すように、Mg粉末添加の場合には、3〜1
2wt%添加で高強度が得られる。これはMgの一部が酸
化して生じたMgOが鍛造時に破壊、分散されることに
よる分散強化作用によると考えられ、従来組成のAl合
金焼結鍛造品に比べて高強度なものが得られることが明
らかとなった。
また、Si粉末添加試料の場合は、第5図に示すよう
に、添加量が5wt%までは徐々に強度が上昇し、4〜1
6wt%で一定となり、それ以上では強度が低下する。S
i粉末の添加は、上記Mg粉末添加と同様にSiO2がマ
トリックス中に破壊、分散されるため、アルミニウム合
金単味に比べてその強度を向上させることができる。
第6図はアルミニウム合金粉末にMg及びSi粉末を複合
添加した場合を示しており、引張強さはMg粉末添加の
場合と同様な傾向を示し、添加量が3〜25wt%のとき
にアルミニウム合金単味に比べて良い値を示した。これ
も、上記と同様、MgOとSiO2の複合分散強化作用に
よるためである。
不活性雰囲気中での焼結にも拘らずMg、Si粉末の一部
が酸化されるのは、雰囲気中に存在する微量の水分或い
はアルミニウム合金粉末表面の酸化皮膜に含まれる結晶
水や吸着水に起因すると推察される。
なお、第4図乃至第6図に示したいずれの場合でも、密
度比は97〜98%と高い値を示した。
以上の基礎実験に基づき、更に種々のアルミニウム合金
組成についての同様の実験を行った結果より、アルミニ
ウム合金焼結鍛造品を製造する際、Mg粉末、Si粉末及
びMg+Si混合粉末を特定組成のアルミニウム合金粉末
中に適量添加することにより、出発時のプリフォームの
密度が低くても焼結〜鍛造時の運搬や金型内への装入時
にプリフォーム又は焼結品の一部が欠けるなどというハ
ンドリング上の問題は生ぜず、優れた特性をもったアル
ミニウム合金焼結鍛造品を得ることが可能であることが
確認された。
また、加熱時にブリスターが発生するなどの問題も、出
発時のプリフォーム密度が低いために完全に解消するこ
とができるものである。
次に、本発明の条件限定理由について説明する。
まず、アルミニウム合金粉末を成形し得るプリフォーム
の真密度比は70〜95%である。真密度比が70%よ
り低いと、プリフォームをハンドリングする際、コーナ
ー部が欠ける等の問題がある。また、真密度比が95%
よりも高いと、水素ガスを主とする含有ガスの抜けが悪
くなり、ブリスターが発生するなどの問題が生じ、ま
た、いたずらに大きな能力の成形プレスを必要とするこ
とになり、好ましくない。なお、プリフォームの成形に
は、金型成形や冷間静水圧成形を用いることができる。
プリフォームの焼結は、450〜550℃の不活性雰囲
気で行う。大気中では脱ガスが十分に進行しないので、
不活性雰囲気中で焼結することが必要である。Ar、N2
のような不活性雰囲気では、露点が−10℃以下、望ま
しくは−20℃以下になるように不活性雰囲気をコント
ロールするとよい。焼結温度が450℃より低いと焼結
の進行が遅く、またアルミニウム酸化物表面に吸着した
水分や結晶水を完全に除去することができない。550
℃より高いと焼結は進行するものの組織の粗大化が生
じ、機械的特性の劣化が生ずるので好ましくない。
鍛造は、200〜550℃にて行い、鍛造後の成形体の
真密度比を95%以上とする。鍛造によってアルミニウ
ム合金粉末に十分な塑性変形を与え、その表面に形成さ
れている酸化被膜を破壊して新生活性表面を現出させる
ためには、アルミニウム合金粉末を200℃以上に加熱
し軟化させておくのが好ましい。このためには、焼結体
を200℃以上に保持するだけでなく、鍛造用金型も2
00℃以上に加熱保持しておくとよい。温度が550℃
を超えると、組織の粗大化が生じ機械的性質の劣化が生
ずるので好ましくない。なお、プリフォームの加熱は焼
結時の加熱と兼ねるのが望ましく、プリフォームの温度
降下及び大気中にさらされることによるガス量の増加を
少なくするため、焼結炉から取り出した後、直ちに鍛造
することが望ましい。もし、鍛造前の焼結体の加熱を焼
結時の加熱とは別途に行うのであるならば、不活性雰囲
気中で450〜550℃に加熱することが必要であり、
炉から取り出した後の配慮は前記と同じである。鍛造後
の成形体の真密度比が95%より低いと、機械的性質に
劣るので、好ましくない。
鍛造後は450〜550℃で再焼結を行う。再焼結の目
的は、鍛造時に生じた新生活性面の焼結を十分に行うた
めであり、このためには450℃以上で行う必要があ
る。550℃より温度が高いと組織の粗大化が生じ、機
械的性質が劣化するので、好ましくない。なお、再焼結
は大気中で行っても支障ないが、望ましくは不活性雰囲
気が良い。
次に、本発明で使用するアルミニウム合金粉末の組成に
ついて、その成分限定理由を説明する。
Siは10.0%未満では分散量が少なく、耐熱性や耐
摩耗性に及ぼす効果が不充分である。Si10%程度の
亜共晶領域では初晶Siは晶出せず、微細な共晶組織を
呈するものとなる。Si量が増すと共にSi初晶が晶出す
るようになり、耐熱性や耐摩耗性が向上するようにな
る。しかしながら、Siが30%を超えるといかなる急
冷凝固法を採用して粉末化しても、粗大なSi初晶が消
失し難しくなる。急冷速度が103℃/sec程度では初晶
Siを微細化するにはSi量を25%以下にするのが望ま
しい。
したがって、Si含有量は10.0〜30.0%、好ま
しくは15.0〜25.0%とするのが良い。
Fe、Mn、Niは本合金において重要な成分である。Fe
又はMn或いはNiはAl中への溶解度が低く、かつ拡散
速度が遅いことを利用して微細な化合物として分散晶出
させ高温強度を高める目的でそれらの1種又は2種以上
を添加する。
Fe、Mn、Niの添加量はそれぞれ1.0〜15.0%
(但し、2種以上の場合は合計で1.0〜15.0%)
が適当である、Fe、Mn又はNi添加量が1.0%未満
では高温強度や耐摩耗性に及ぼす効果が認められず、1
5.0%を超えた場合には硬さや耐摩耗性が却って低く
なり、成形体を作った場合には材質が脆くなる傾向があ
る。
なお、必要に応じてCu及び/又はMgを添加しても良
い。CuやMgはAl合金において時効硬化性を付与して
材質を強化する成分として広く使用されており、適正な
添加量は、Cuは0.5〜5.0%、Mgは0.2〜
3.0%の範囲である。本発明においても溶体化処理温
度での固溶限度内の範囲でCu及びMgの1種又は2種を
添加することは材質を強化するのに有効である。
上記組成のアルミニウム合金粉末は、適度の大きさの粉
末である必要があり、100メッシュ以下のものを使用
する。
このようなアルミニウム合金粉末に対し、本発明では前
述の如くMg粉末、Si粉末又はMg+Si混合粉末を添加
する必要がある。これらの添加は、焼結促進作用を示す
ため、アルミニウム合金粉末表面に酸化皮膜が存在して
いても焼結が十分進み、高い強度の焼結材が得られる。
したがって、焼結〜鍛造工程における搬送、金型内への
装入時などに焼結体の一部が欠けるなどのハンドリング
上の問題が生じない。更には、鍛造に際しても、Mg、
Siの一部が焼結時に酸化されてMgO、SiO2になり、
鍛造時にこれらが破壊、分散されて分散強化作用が生じ
るため、高強度のアルミニウム合金焼結鍛造品が得られ
る。
上記効果を得るためには、Mg粉末は、3〜12wt%、
Si粉末は4〜16wt%、Mg+Si混合粉末は3〜25w
t%の範囲で添加する必要があり、これらの範囲外では
上記効果が十分期待できない。またMg及びSi粉末は望
ましくは250メッシュ以下のものを用いるのがよい。
使用するMg粉末、Si粉末は普通に市場で入手できるも
のを使用する。なお、合金は液相が出にくいので好まし
くない。
(実施例) 次に、本発明の一実施例について説明する。
大気アトマイズ法によって製造した第1表、第2表、第
3表に各々示す組成(各表中、左欄の組成)の100メッ
シュ以下のAl合金粉末をベースとし、これに各表に示
す添加量の250メッシュ以下のMg、Si及びMg+Si
混合粉をそれぞれ0〜20、0〜20及び0〜40wt%
(Mg:Si=1:1)の範囲で添加したものを原料粉末と
し、8ton/cm2の圧力で金型成形を行い、外径30φ×
内径15φ×10hmmのプリフォームを得た。このとき
のプリフォームの密度比は73〜83%であった。次い
で、これらのプリフォームを露点−20℃以下のN2
囲気中で520℃×1hr焼結し、圧環試験を行った。そ
の結果を各表に示す。これより、本発明範囲内でMg、
Si、Mg+Si粉末を添加した場合、圧環強度の高いア
ルミニウム合金焼結品が得られることが確認された。
また、上記アルミニウム合金粉末に各々5wt%Mg粉末
(第4表)、5wt%Si粉末(第5表)、10wt%Mg−Si
混合粉末(Mg:Si=1:1)(第6表)を添加したものを
原料粉末とし、8ton/cm2の圧力で金型成形を行い、5
5×10×15mmのプリフォームを得、上記と同様の焼
結を行った後、焼結炉から取り出して直ちに、250℃
に加熱保持した金型にて8ton/cm2の圧力で大気中で鍛
造した。鍛造後、鍛造品を露点−20℃以下のN2雰囲
気中で520℃×30min再焼結した。このときのプリ
フォームの密度比はすべて98%以上であり、ガス量は
すべて5cc/100g・Al以下であってブリスターは発生し
ていなかった。こうして得られた鍛造品から平行部5φ
×20mmの引張試験片を切り出し、室温並びに200
℃に引張試験を行った。なお、すべての試験片について
T6処理(475℃×1hr、WQ→175℃×8hr)を施
した。これらの結果を第4表、第5表及び第6表に示
す。
同表により、本発明法によれば高温強度に優れたアルミ
ニウム合金焼結鍛造品が得られることが確認された。
なお、上記アルミニウム合金焼結品はハンドリングに際
して一部欠けるようなことが全くなく、またアルミニウ
ム合金焼結鍛造品の引張強さもバラツキなく高品質のも
のであることが確認された。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、プリフォーム又
は焼結品の一部が欠けるなどのハンドリング上の問題が
生ずることなく、しかもブリスターの発生や機械的性質
のバラツキのない高温強度及び耐摩耗性に優れたアルミ
ニウム合金焼結鍛造品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図はアルミニウム合金粉末にMg、Si又
はMg+Si粉末を添加した場合の焼結品の圧環強度と添
加量の関係を示す図で、第1図はMg粉末添加の場合を
示し、第2図はSi粉末添加の場合を示し、第3図はMg
+Si混合粉末添加の場合を示し、 第4図乃至第6図はアルミニウム合金粉末にMg、Si又
はMg+Si粉末を添加した場合の焼結鍛造品の引張強さ
と添加量の関係を示す図で、第4図はMg粉末添加の場
合を示し、第5図はSi粉末添加の場合を示し、第6図
はMg+Si混合粉末添加の場合を示している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金粉末原料を成形した真密
    度比70〜95%のプリフォームを450〜550℃の
    不活性雰囲気中で焼結した後、該焼結体を200〜55
    0℃の温度で鍛造して真密度比95%以上のアルミニウ
    ム合金焼結鍛造品を得る方法において、前記アルミニウ
    ム合金粉末原料として、重量比でSi:10.0〜30.
    0%と、Fe:1.0〜15.0%、Mn:1.0〜15.
    0%及びNi:1.0〜15.0%のうちの1種又は2種
    以上(但し、2種以上の場合には合計で1.0〜15.
    0%)と、更に必要に応じてCu:0.5〜5.0%及び
    Mg:0.2〜3.0%のうちの1種又は2種とを含み、
    残部が実質的に不可避的不純物を含むAlからなる組成
    で100メッシュ以下の粉末のアルミニウム合金粉末に
    対し、3〜12%のマグネシウム粉末及び4〜16%の
    金属シリコン粉末の1種又は2種(但し、2種の場合に
    は合計で3〜25%)を添加したものを原料として用い
    ることを特徴とするアルミニウム合金焼結鍛造品の製造
    方法。
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