JPH0635326U - 現場打杭に用いる生コンのノロ流出防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現場打杭時に於て、簡単な装置にて打設され
る生コンのノロが伏流水等にて流出しないようにする。 【構成】 削孔２内に挿入される鉄筋籠３の外側面に生
コンのノロ流出防止材１を巻回して装着し、その合接部
をファースナー４にて結合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、現場打杭に用いる生コンのノロ流出防止装置に関するものであり 、特に削孔を通過する伏流水又は被圧水にて現場打設した生コンのノロが流出す るのを防止しようとする装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、削孔を掘削し、該削孔に鉄筋籠を挿入して該鉄筋籠の内部に生コン注入 用パイプを挿入し、該生コン注入用パイプの下端部より生コンを該削孔内に注入 し乍ら該生コン注入用パイプを徐々に引き上げて該削孔に円柱状の基礎杭を構築 する現場打杭工法が知られている。

【０００３】 而して、該現場打杭工法に於ては、該削孔の途中に伏流水或は被圧水が生じる ことがあるが、このためには該削孔に挿入される鉄筋籠の外側面にシートを巻き 付け、そして、該シートの外側面に番線を巻回して該シートを鉄筋籠に固定させ 、そして、該鉄筋籠内から生コンが前記伏流水或は被圧水にて流出するのを防止 することが想定される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記鉄筋籠の外側面にシートを巻き付け、そして、該シートの外側面に番線を 巻回して該シートを鉄筋籠に固定させるものは、該番線を現場打設毎に巻回せね ばならないので作業性が悪く、且つ、シートの合接面が正確に処理できないので 、生コンの現場打設時に於て該シートの合接面が剥離して生コンのノロが流出す ることになる。

【０００５】 そこで、現場打杭時に、簡単な装置にて打設せられる生コンのノロが伏流水或 は被圧水によって流出しないようにするために解決せらるべき技術的課題が生じ てくるのであり、本考案は該課題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために提案せられたものであり、現場打杭の鉄筋 籠外側面を被覆できる巾を有する方形のビニールシート材或は布地の縦方向端部 にファースナーを取付けて生コンのノロ流出防止材を構成し、該ノロ流出防止材 を削孔に挿入される鉄筋籠の外側面を被覆して前記ファースナーにて該ノロ流出 防止材の合接部を結合して成る現場打杭に用いる生コンのノロ流出防止装置を提 供するものである。

【０００７】

【作用】

掘削機にて掘削した削孔内に鉄筋籠を挿入するとき、該鉄筋籠の外側面にノロ 流出防止材を巻装し、そして、その端部を合わせてファースナーにて結合する。 又、縦方向にも適宜継足しておく。このようにノロ流出防止材を巻装された鉄筋 籠を削孔内に挿入し、そして、該鉄筋籠の内部に生コンの注入用パイプを挿入し 、該生コン注入用パイプの下端部より生コンを削孔内に注入し乍ら、該生コン注 入用パイプを徐々に引上げて円柱状の基礎を構築する。このとき、該削孔の途中 に伏流水或は被圧水があっても、鉄筋籠中に注入せられる生コンのノロはノロ流 出防止材にて該ノロ流出防止材の外部へ流出するようなことはなく、強固な基礎 杭を構築できる。斯くして、生コンのノロが伏流水或は被圧水の中に流出するよ うなことがなくなるので、周辺地盤の地下水又は井戸等を汚染することもなくな る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１及び図２に従って詳述する。図１に於て１は生 コンのノロ流出防止材である。該生コンのノロ流出防止材１はビニールシート或 は布地等に形成されるが、之に限定せらるべきではない。而して、該ノロ流出防 止材１は方形に裁断され、且つ、削孔２に挿入される鉄筋籠３の外側面を巻回し て該鉄筋籠３を被覆できる巾寸法に裁断されると共に、その縦方向の両端部にフ ァースナー４を取付けて、合接部を該ファースナー４にて結合できるように構成 される。

【０００９】 斯くして、構成された生コンのノロ流出防止材１の前記ファースナー４を解錠 して展開し、そして、展開された該ノロ流出防止材１を鉄筋籠３の外側面に沿っ て巻回して該鉄筋籠３を該ノロ流出防止材１にて被覆し、更に該ノロ流出防止材 １の端部に設けたファースナー４を閉じる。然るときは該ノロ流出防止材１は鉄 筋籠３の外側面を被覆した状態で該鉄筋籠３の外側面に固定される。又、該ノロ 流出防止材１の縦方向の長さが不足する場合は適宜継足してもよい。この場合は 、該継足部は番線５で結縛するを可とする。

【００１０】 而して、前述せる如く、外側面にノロ流出防止材１を被覆せられた鉄筋籠３は 削孔２内に挿入される。そして、該鉄筋籠３の内面に生コン注入用パイプ６を挿 入し、そして、該生コン注入用パイプ６の下端部より生コン７を注出し乍ら、該 生コン注入パイプ６は該鉄筋籠３中を上方に徐々に引上げられて行くのである。 このとき、該削孔２の途中に伏流水或は被圧水８が流れていても、該伏流水或は 被圧水８によって鉄筋籠３中の生コン７のノロは該ノロ流出防止材１の外側に流 出するようなことはない。依って、鉄筋籠３内に注入された生コン７の品質が低 下することはないので、削孔２内に於て該生コン７は鉄筋籠３と一体的に硬化し 、強固な円柱状の基礎杭を構築することができるのである。斯くして、該生コン ７が前記伏流水或は被圧水８内に流入することが阻止されるので、周辺地盤の地 下水又は井戸等を汚染することもない。

【００１１】 尚、本考案は、本考案の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、 そして、本考案が該改変されたものに及ぶことは当然である。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は、上記一実施例にて詳述せる如く、現場打設によって基礎杭を構築 するとき、削孔内に挿入される鉄筋籠が生コンのノロ流出防止材にて被覆されて 挿入されるのであるが、該ノロ流出防止材は端部のファースナーを解錠して展張 し、そして、展張した状態で該鉄筋籠の外側面に巻き付け、端部の合接部をファ ースナーにて閉じるだけの操作で該ノロ流出防止材を鉄筋籠の外側面に装着する ことができる。

【００１３】 斯くの如く外側面を被覆された鉄筋籠を削孔内に挿入し、そして、該鉄筋籠内 に生コン注入用パイプを挿入してその下端部より生コンを注出し乍ら該生コン注 入用パイプを徐々に引上げて円柱状の基礎杭を構築するのであるが、該削孔の途 中に伏流水或は被圧水があっても前記鉄筋籠内に注入せられる生コンのノロは伏 流水或は被圧水中に流入するようなことはないので、該生コンの品質の低下を招 くことはなく、強固な基礎杭の構築ができると同時に周辺の地下水や井戸等を汚 染するようなこともなく、公害防止にも寄与できる等、正に諸種の実用的価値あ る考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ノロ流出防止材

【図２】ノロ流出防止材を鉄筋籠の外側面に装着して削
孔内に挿入された状態を示す縦断面図。

【符号の説明】

１ 生コンのノロ流出防止材 ２ 削孔 ３ 鉄筋籠 ４ ファースナー ６ 伏流水或は被圧水

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 現場打杭の鉄筋籠外側面を被覆できる巾
   を有する方形のビニールシート材或は布地の縦方向端部
   にファースナーを取付けて生コンのノロ流出防止材を構
   成し、該ノロ流出防止材を削孔に挿入される鉄筋籠の外
   側面を被覆して前記ファースナーにて該ノロ流出防止材
   の合接部を結合して成ることを特徴とする現場打杭に用
   いる生コンのノロ流出防止装置。