JPH0634896Y2 - パイプないし棒状ワークの切断加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はパイプないし棒状ワークの切断加工装置に関
する。

（従来の技術及び考案が解決しようとする課題） パイプないし棒状ワークを一定寸法毎に切断する従来の
装置は、通常、一定のセット状態では一品種のみの切断
加工が可能であり、異なった品種のワークを切断加工す
る時には、その都度チャックその他所定の調節部を品種
に応じて調整する必要があった。このためその段取作業
に多大な手間と時間とを必要とし、加えてその間装置を
停止させなければならないために、生産能率が悪い問題
があった。

（課題を解決するための手段） 本考案の装置はこのような課題を解決するために案出さ
れたものであり、その要旨は、（イ）複数列に配列さ
れ、各列において同一又は異種のパイプないし棒状ワー
クを回転可能に支持する支持装置と、（ロ）該各列の支
持装置に対応して配設され、保持部において該ワークの
一端部を保持するチャック装置と、（ハ）該チャック装
置の保持部に対向して配設され、ワークの他端を一定位
置に位置決めする位置決装置と、（ニ）位置決めされた
該ワークの端よりその軸心方向に一定寸法離れた位置に
配置された刃具を有し、該刃具を回転させることによっ
て該ワークを切断するカッターと、（ホ）該カッターの
刃具を該ワークの軸心と直角な方向に進退させ、その前
進時に該刃具をワークに当ててワークを切断せしめる第
一移動装置と、（ヘ）該カッターを前記支持具の一の列
から他の列へと移動させて、各列に対応して設定された
切断位置に搬送する第二移動装置と、（ト）該カッター
による切断が行なわれる毎に、前記チャック装置をワー
クとともに該カッターの側に送り出す送り装置とを有
し、前記第二移動装置によるカッターの移動に基づい
て、複数列の支持装置により支持されたワークを順次切
断し得るようにされたことにある。

（作用） 本考案の装置によれば、複数列に設けたられた各支持装
置等に対して複数種類のワークを同時にセットすること
ができ、そしてそのようなセット状態でカッターを一の
列から他の列へと移動させることによって、複数種類の
ワークを同時的に切断加工することができる。

このため品種切換えの際に、その都度チャックその他の
調節部を調整操作したり、治具を交換したりする必要が
なく、これにより、従来品種切換えの際の段取作業のた
めの多大な手間と時間とを要していた問題が解決され
る。しかも本考案の装置によれば、品種切換の際に装置
を停止させる必要がないことに加えて、異種ワークを同
時的に切断加工することができるため、従来の装置に比
べて生産性が大幅に向上する効果が生じる。

また本考案の装置によれば、品種切換えの段取りのため
に長時間を要することを考慮しなくても良いから、必要
数のワークのみ加工することが可能となり、近年におけ
る多品種少量生産の要請にも十分に対応することができ
る。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。

第１図〜第３図において、10は装置の架台であって、そ
の架台10上に複数の支持ローラ12がその軸心方向に所定
間隔毎に、且つ軸心と直角な方向に複数列で配置されて
いる。これら支持ローラ12はローラ支持体14により支持
されており、そのローラ支持体14が高さ調節装置16によ
り上下位置調節されることによって、支持ローラ12の支
持位置が上下に微調整されるようになっている。

架台10の上には、回転駆動装置20が配設されている。こ
の回転駆動装置20は本体22を有し、その本体22の前部
に、パイプ状ワーク18を内面側から把持する爪24を備え
たチャックユニット26が設けられている。また本体22の
上にはモータ28が配設されており、モータ28によってチ
ャックユニット26が回転駆動されるようになっている。

本体22は車輪30を有していて、第１図及び第２図中左右
方向に進退可能とされており、且つ各一端が本体22に接
続された駆動チェーン32によって進退駆動されるように
なっている。即ち架台10には、本体22の下側において前
進モータ34及び後退モータ36が固設されており、そして
それらは中間スプロケット38,クラッチ40,中間スプロケ
ット42及びそれらに巻き掛けられたチェーン44a,44b,46
を介して、或いはクラッチ40,中間スプロケット42及び
チェーン48,46を介して駆動チェーン32に夫々連結さ
れ、それら前進モータ34,後退モータ36の作動によっ
て、回転駆動装置20全体が前後に進退駆動されるように
なっている。

一方この回転駆動装置20とは反対側の架台10端部には、
ワーク18の一端を位置決めし且つこれを回転可能に支持
する位置決兼支持装置50が上記のチャックユニット26に
対向して配設されている。この位置決兼支持装置50は、
第４図に示すようにワーク18の端部内側に挿入される芯
体52と、その外側に配された位置決部材54と、芯体52の
先端部の溝55に嵌め込まれたポリウレタン材製のリング
状部材58と、ボルト60により芯体52の端面に固定されて
リング状部材58の抜け止めを為す押え62とを有してお
り、その位置決部材54をワーク18の端面に当接させて位
置決めするとともに、リング状部材58をワーク18の内周
面に接触させて、これを回転可能に支持するようになっ
ている。

位置決兼支持装置50の上方には、カッター64が配設され
ている。カッター64は、本体プレート66と、本体プレー
ト66上に取り付けられた回転刃具68と、モータ70とを有
しており、そのモータ70の回転駆動力が減速機72,伝導
ベルト74,回転軸76を介して刃具68に伝達されるように
なっている。

本体プレート66は、第３図に示すように後方側に配され
たバックプレート78のガイドレール80に摺動可能に嵌合
されており、かかるガイドレール80の案内の下に、バッ
クプレート78上に固設されたシリンダ82によって昇降駆
動されるようになっている。また本体プレート66の側方
には嵌合部84と突片86とが設けられており、かかる嵌合
部84がフレーム98に設けられた横方向のガイドレール10
0に嵌合されるとともに、突片86に雄ねじ軸88が螺合さ
れ、それら嵌合部84とガイドレール100との案内の下に
カッター64全体が、ねじ軸88によるねじ送り作用で、ワ
ーク18の軸心と直角な方向に進退させられるようになっ
ている。尚ねじ軸88は、第３図に示すようにその一端に
固定されたスプロケット90とチェーン92を介してモータ
94に連結され、モータ94によって回転させられるように
なっている。

尚第１図及び第３図において、96は油圧発生装置であ
る。

次に本装置の作用を説明する。

先ず異種のパイプ状ワーク18を各列の支持ローラ12の上
に載せて、一端を各列のチャックユニット26により把持
する。これとともに他端を位置決兼支持装置の芯体52に
嵌め込んで、その先端面を位置決め部材54に当接させ
る。この状態で各列の何れか一方のワーク18の上方に待
機させてあるカッター64をシリンダ82により下降させて
回転する刃具68をワーク18に当て、その状態でワーク18
を回転駆動装置20により回転させると、ワーク18が位置
決部材54から所定寸法の位置で切断される。このとき、
第５図にも示すように刃具68によるワーク18の切断部位
は、芯体52の外周部に配されたポリウレタン製のリング
状部材58にて内側から支持された状態にあり、このため
刃具68による切断時において、ワーク18の内面側にバリ
が発生しない。

さて並列してセットされた一方のワーク18に対する切断
加工が済むと、カッター64はシリンダ82により上昇させ
られた上、モータ94により横送りされ、別のワーク18の
上方まで運ばれる。続いてシリンダ82により下降させら
れて別種ワーク18の切断加工を行なう。この間に既に加
工されたワーク18の側では、一定寸法に切断された切断
品の排出とワーク18の前方への送りとが行なわれ、再び
カッター64による切断を受ける。

このような作業が連続的に繰り返し行なわれて異種ワー
クに対する切断加工が同時的に進行し、そして支持ロー
ラ12上にセットされた一本のワーク18に対する全加工が
終了すると、別途供給装置により新たなワーク18が供給
され、引き続いてそのワーク18に対する切断加工が行な
われて行く。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はその他の形
態で構成することも可能である。

例えば上例の装置はワークを２列に並べてこれを同時的
に切断加工するように構成されているが、ワークを３列
若しくはそれ以上に配列してそれらを切断加工するよう
に構成することも可能である。

また上例では第一移動装置がカッター全体を下降させる
ことによって、その刃具を移動させる形態となっている
が、カッター全体を移動させることなく、刃具のみを、
例えば減速機の出力軸心回りに回動させることによっ
て、位置移動させることも可能である。

また本考案は上例のようなパイプ状ワークのみならず、
棒状ワークを加工するに際しても適用可能である。尚こ
の場合には必ずしもワークを回転させる必要はない。そ
の他第５図中２点鎖線で示すようにワーク18の一端を芯
体とともにローラ102により支持するようにしたり、そ
の他適宜の変更を加えるなど、本考案はその趣旨を逸脱
しない範囲において、様々な変更を加えた形態で構成可
能である。

（考案の効果） このように、本考案の装置によれば複数種類のワークを
同時的に切断することが可能となる。これにより段取作
業のための手間と時間とが節減されるとともに、品種切
換えの際に装置を停止させる必要がないため、生産性が
向上する。

また本考案の装置によれば、ワークを必要数のみ加工で
きるようになり、以て多品種少量生産の要請にも十分対
応し得るなどの利点が生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である切断加工装置の正面図
であり、第２図及び第３図は同装置の平面図及び側面図
である。第４図及び第５図は第１図〜第３図における位
置決兼支持装置の一部切欠要部正面図及び要部側面断面
図である。 12:支持ローラ、18:ワーク 20:回転駆動装置、24:爪 26:チャックユニット 28,70,94:モータ 32:駆動チェーン 50:位置決兼支持装置、52:芯体 54:位置決部材、58:リング状部材 64:カッター、68:刃具 80,100:ガイドレール 82:シリンダ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ）複数列に配列され、各列において同
   一又は異種のパイプないし棒状ワークを回転可能に支持
   する支持装置と、 （ロ）該各列の支持装置に対応して配設され、保持部に
   おいて該ワークの一端部を保持するチャック装置と、 （ハ）該チャック装置の保持部に対向して配設され、ワ
   ークの他端を一定位置に位置決めする位置決装置と、 （ニ）位置決めされた該ワークの端よりその軸心方向に
   一定寸法離れた位置に配置された刃具を有し、該刃具を
   回転させることによって該ワークを切断するカッター
   と、 （ホ）該カッターの刃具を該ワークの軸心と直角な方向
   に進退させ、その前進時に該刃具をワークに当ててワー
   クを切断せしめる第一移動装置と、 （ヘ）該カッターを前記支持具の一の列から他の列へと
   移動させて、各列に対応して設定された切断位置に搬送
   する第二移動装置と、 （ト）該カッターによる切断が行なわれる毎に、前記チ
   ャック装置をワークとともに該カッターの側に送り出す
   装置と、 を有し、前記第二移動装置によるカッターの移動に基づ
   いて、複数列の支持装置により支持されたワークを順次
   切断し得るようにされたことを特徴とするパイプないし
   棒状ワークの切断加工装置。
2. 【請求項２】前記位置決装置が、パイプ状ワークの端部
   を回転可能に支持する支持手段を有し、該支持手段は、
   ワークの端部内側に挿入される芯体と、該芯体の外周部
   に装着されてワークの端部内周面に直接接触させられる
   軟質のリング状部材とを有し、且つ該リング状部材が該
   芯体に対して着脱可能とされていることを特徴とする請
   求項（１）に記載のパイプ状ワークの切断加工装置。