JPH0634856U

JPH0634856U - 複数個の製品の同時鋳造用金型

Info

Publication number: JPH0634856U
Application number: JP7054592U
Authority: JP
Inventors: 靖史大庭
Original assignee: Daihatsu Motor Co Ltd
Current assignee: Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date: 1992-10-09
Filing date: 1992-10-09
Publication date: 1994-05-10

Abstract

(57)【要約】【目的】単一の主型（１）内に隣接状態で複数個の入
子（３Ａ）（３Ｂ）…を配置した複数個の製品の同時鋳
造用金型（10）において、入子（３Ａ）と（３Ｂ）の間
での熱エネルギーの移動を防止し、それぞれのキャビテ
ィ（２）内で凝固する溶湯に略等しい熱的条件を維持さ
せる。【構成】隣接配置された複数個の入子（３Ａ）と（３
Ｂ）の間に熱エネルギーの移動防止構体として熱遮断板
（７）を配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は複数個の製品の同時鋳造用金型に関するものであり、詳細には、複数個の製品を単一の主型内で同時に鋳造する際の熱的条件の均一化手段を提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、複数個の製品を単一の鋳造用金型内で同時に鋳造するダイカスト用金型（９）の略図である。

【０００３】図示するように、単一の主型（１）内には、製品形状に対応したキャビティ（２）を具えた複数個〔図２（Ａ）では２個〕の入子（３）が隣接状態で配置されており、主型（１）とそれぞれの入子（３）との間には、互いに連通状態で溶湯の供給流路（５）と冷却水の供給流路（６）が設けられている。なお（４）は溶融した金属の湯留まりとして設けられた押し湯口である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

溶湯がキャビティ（２）内で凝固するとき、製品の均一化を達成するために、溶湯を同一の熱的条件に維持することが望ましい。ところが、主型（１）内に複数個の入子（３）が密着状態で配置されているため、供給流路（６）内を流れる冷却水の温度が同じでも、隣接する入子（３Ａ）（３Ｂ）間で熱的条件が異なってくる。すなわち、キャビティ（２）内の対応する位置、例えば図２（Ａ）の点（Ｐ1）と（Ｐ2）を比べた場合、点（Ｐ1）は隣の入子（３Ｂ）からの熱影響を受けやすいのに対し、点（Ｐ2）は隣の入子（３Ａ）からの熱影響を受けにくい。この結果、点（Ｐ2）の冷却速度が相対的に早くなる一方、点（Ｐ1）では金型温度が相対的に高くなるため焼付き等の品質の不具合が発生し易くなる。

【０００５】本考案の目的は、複数の入子間での鋳造時の熱的条件を均一化することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題の解決手段として本考案は、単一の主型内に、複数個の、キャビティ付き入子を隣接状態で配置し、上記主型と入子との間に、互いに連通する溶湯の供給流路と冷却水の供給流路を配置した鋳造用金型において、上記複数個の入子の相互間に、熱遮断板を介在させたことを特徴とする複数個の製品の同時鋳造用金型を提供するものである。

【０００７】

【作用】

隣接配置された入子間での熱移動が熱遮断板により阻止され、キャビティ内で凝固する溶湯に均一な熱的条件が与えられる。

【０００８】

【実施例】

以下、図１を参照しながら本考案の一具体例を説明する。尚、以下の説明において、従来技術を示す図２と同一の構成部材は同一の参照番号で表示し、重複事項に関しては記述を省略する。

【０００９】複数個の製品の同時鋳造用金型（10）は、単一の主型（１）内に同一形状のキャビティ（２）を具えた複数個の入子（３）を隣接配置すると共に、主型（１）と入子（３Ａ）および（３Ｂ）との間に、互いに連通する溶湯の供給流路（５）と、冷却水の供給流路（６）を配置した構造となっている。そして、隣接配置された複数個の上記入子（３Ａ）と（３Ｂ）の間には、冷却水管（８）を埋設した熱遮断板（７）が配設されている。

【００１０】溶湯および冷却水の供給方法は図２に示す従来装置と同じであるが、本考案においては、隣接配置された入子（３Ａ）（３Ｂ）の間に熱遮断板（７）が介在しているため、それぞれの入子（３Ａ）（３Ｂ）は、隣接配置されているにも拘らず、互いに熱的影響を受けない独立した状態に保持される。

【００１１】以上、ダイカスト用金型について本考案の一具体例を説明したが、スクイズカスト用金型等についても使用することができる。

【００１２】

【考案の効果】

熱遮断板によって隣接入子間の熱エネルギーの移動が防止されるため、入子間で熱的条件が略等しくなる。この結果、キャビティ（２）内における溶湯の冷却速度（凝固速度）が等しくなり、製品の品質差の発生防止に顕著な効果が発揮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は、本考案の一具体例を示す複数個の製
品の同時鋳造用金型の平面図、（Ｂ）はその縦断面図で
ある。

【図２】（Ａ）は従来の複数個の製品の同時鋳造用金型
の平面図、（Ｂ）はその縦断面図である。

【符号の説明】

１主型２キャビティ３入子３Ａ入子３Ｂ入子４押し湯口５溶湯の供給流路６冷却水の供給流路７熱遮断板８冷却水管 10 複数個の製品の同時鋳造用金型

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】単一の主型内に、複数個の、キャビティ
付き入子を隣接状態で配置し、上記主型と入子との間
に、互いに連通する溶湯の供給流路と冷却水の供給流路
を配置した鋳造用金型において、上記複数個の入子の相
互間に、熱遮断板を介在させたことを特徴とする複数個
の製品の同時鋳造用金型。