JPH06346958A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH06346958A
JPH06346958A JP5160136A JP16013693A JPH06346958A JP H06346958 A JPH06346958 A JP H06346958A JP 5160136 A JP5160136 A JP 5160136A JP 16013693 A JP16013693 A JP 16013693A JP H06346958 A JPH06346958 A JP H06346958A
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JP
Japan
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clutch
pressure
valve
engagement
gear
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JP5160136A
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English (en)
Inventor
Atsushi Hanawa
篤 花輪
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シフトレバーが中立レンジから前進レンジへ
操作されたときのスクォート制御において、前進ギヤ段
の成立に関連して発生するショックを低減することがで
きる車両用自動変速機の制御装置を提供する。 【構成】 操作位置センサ144によってシフトレバー
142がNレンジからDレンジへ操作されたことが検出
された場合には、電子制御装置132および油圧制御回
路170により、前進クラッチC1の係合が開始させら
れるとともに、その後、タービン翼車32の回転速度低
下の開始時に、すなわち、前進クラッチC1の半係合状
態において、高速段用クラッチC2の解放と低速段用ブ
レーキB2の係合とが行われる。低速段用ブレーキB2
と直列の一方向クラッチ102が完全に係合するまでは
高速段用クラッチC2は半係合状態となり、前進クラッ
チC1の係合期間において発生する慣性トルクや高速段
用クラッチC2までのねじり振動が、半係合状態の高速
段用クラッチC2の摩擦によって吸収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の制
御装置に関し、特に、シフトレバーが中立レンジから前
進レンジへ操作されたときに発生するショックを軽減す
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変速比を車両の走行パラメータに基づい
て最適に変化させる車両用自動変速機、所謂A/Tと称
されるような、複数組の遊星ギヤ装置を直列に有する有
段式自動変速機や、所謂CVTと称されるような、無段
変速部および遊星歯車式副変速部を有する無段式自動変
速機などがある。そして、このような自動変速機の一種
に、流体伝動装置および第1クラッチ要素を介してエン
ジンから入力された回転が、高速段用の第2クラッチ要
素と一方向クラッチに直列に設けられた低速段用の第3
クラッチ要素とを有する有段変速部により変速される形
式の車両用自動変速機が提案されている。たとえば、特
開平4−285354号公報に記載されているものがそ
れである。
【0003】ところで、上記のような車両用自動変速機
においては、シフトレバーが中立レンジに位置させられ
ている状態では前記第1クラッチ要素を係合させる制御
装置が設けられ、シフトレバーが中立レンジから前進レ
ンジへ操作された場合には、変速比の小さい高速側のギ
ヤ段を一旦経由してから変速比が最も大きい最低速側ギ
ヤ段を成立させることにより、ショックの発生を抑制す
る所謂スクォート制御が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の車両用自動変速機の制御装置におけるスク
ォート制御では、シフトレバーが中立レンジから前進レ
ンジへ操作された場合に高速側ギヤ段を一旦経由した後
に最低速側ギヤ段を成立させるけれども、その高速側ギ
ヤ段に応じたトルクの伝達によるショックの発生を避け
ることができない。また、スクォート制御期間中におい
て高速側ギヤ段を経由している状態で加速操作が行われ
ると、速やかにスクォート制御が解かれて最低速側ギヤ
段が成立させられるため、この最低速側ギヤ段に応じた
トルクが直接的に発生してショックが大きくなる欠点が
あった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、シフトレバーが
中立レンジから前進レンジへ操作されたときのスクォー
ト制御において、前進ギヤ段の成立に関連して発生する
ショックを低減することができる車両用自動変速機の制
御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、第1クラッチ要素を
介してエンジンから入力された回転が、高速段用の第2
クラッチ要素と一方向クラッチに直列に設けられた低速
段用の第3クラッチ要素とを有する有段変速部により変
速される形式の車両用自動変速機において、シフトレバ
ーが中立レンジに位置させられている状態では前記第2
クラッチ要素を係合させる制御装置であって、(a) シフ
トレバーが中立レンジから前進走行レンジへ操作された
ことを検出する操作位置検出手段と、(b) 前記操作位置
検出手段によりシフトレバーが中立レンジから前進走行
レンジへ操作されたことが検出された場合には、前記第
1クラッチ要素の係合を開始させるとともに、前記エン
ジンから第1クラッチ要素に到るまでの回転部材の回転
変化開始時或いは回転変化発生中に、前記第2クラッチ
要素の解放と第3クラッチ要素の係合とを開始させる係
合制御手段とを、含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、操作位置検出手段によりシ
フトレバーが中立レンジから前進走行レンジへ操作され
たことが検出された場合には、係合制御手段により、前
記第1クラッチ要素の係合が開始させられるとともに、
その後にエンジンから第1クラッチ要素に到るまでの回
転部材の回転変化の開始時或いは回転変化の発生中に、
前記第2クラッチ要素の解放と第3クラッチ要素の係合
とが開始させられる。
【0008】
【発明の効果】このように、第2クラッチ要素が係合さ
せられた中立レンジの状態において、シフトレバーが中
立レンジから前進レンジへ操作されるに伴い、エンジン
から第1クラッチ要素に到るまでの回転部材の回転変化
の開始時或いは回転変化の発生中に、換言すれば前進ク
ラッチとして機能する第1クラッチ要素の伝達トルクの
発生開始或いは増加中の時期であってその第1クラッチ
要素の係合完了前に、第2クラッチ要素の解放と第3ク
ラッチ要素の係合とが開始させられると、この第3クラ
ッチ要素と直列の一方向クラッチが完全に係合するまで
の間は第2クラッチ要素は半係合状態となり、第1クラ
ッチ要素の係合期間において発生する慣性トルクや第2
クラッチ要素までのねじり振動が、半係合状態の第2ク
ラッチ要素によって吸収され、駆動輪へ伝達されるトル
クの立ち上がりが低く且つ変動状態が滑らかとなる。し
たがって、シフトレバーが中立レンジから前進レンジへ
操作されたときのスクォート制御において、前進ギヤ段
の成立に関連して発生するショックが低減されるのであ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0010】本発明の一実施例の制御装置が適用される
FF車両用横置トランスアクスルは、たとえば特開平4
−74468号公報に記載されたものと同様であり、図
1はその骨子図である。また、図2はその制御装置の構
成例を示すブロック線図である。
【0011】図1において、エンジン10の動力は、ロ
ックアップクラッチ付フルードカップリング12、前後
進切換装置14、ベルト式無段変速機(以下、CVTと
いう)16、副変速機18、減速ギヤ装置20、および
差動歯車装置22を経て、駆動軸24に連結された車輪
26へ伝達されるようになっている。それらロックアッ
プクラッチ付フルードカップリング12、前後進切換装
置14、ベルト式無段変速機(以下、CVTという)1
6、副変速機18、減速ギヤ装置20、および差動歯車
装置22は、トランスアクスルハウジング64内に収容
されることにより広義の無段変速機を構成しており、上
記CVT16は、無段変速機本体に対応している。
【0012】フルードカップリング12は、エンジン1
0のクランク軸28と接続されているポンプ翼車30
と、そのポンプ翼車30からのオイルにより回転させら
れるタービン翼車32と、そのタービン翼車32に相対
回転不能に連結された出力軸34と、ダンパ36を介し
て出力軸34に設けられたロックアップクラッチ38と
を備えている。上記ポンプ翼車30には油圧ポンプ40
が連結されており、各部の油圧アクチュエータを作動さ
せるための油圧が発生させられるようになっている。解
放側油室46へ作動油が供給され且つ係合側油室48内
の作動油が排出されると、ロックアップクラッチ38が
解放され、係合側油室48へ作動油が供給され且つ解放
側油室46の作動油が排出されると、ロックアップクラ
ッチ38が係合させられるようになっている。
【0013】前後進切換装置14は、後述のシフトレバ
ー142の操作位置に従って前進ギヤ段または後進ギヤ
段に択一的に切り換えられるダブルピニオン型の遊星歯
車装置であって、CVT16を挟んで上記フルードカッ
プリング12と反対側に配設されている。フルードカッ
プリング12の出力軸34はCVT16の入力軸58の
軸心を挿通して反対側まで突き出しており、遊星歯車装
置は、その出力軸34に相対回転不能に設けられたサン
ギヤ50と、サンギヤ50と同心に設けられたリングギ
ヤ52と、それ等サンギヤ50およびリングギヤ52の
一方および他方と噛み合い且つ互いに噛み合う一対の遊
星ギヤ54および56と、それ等の遊星ギヤ54および
56を回転可能に支持するとともにCVT16の入力軸
58に相対回転不能に連結されたキャリア60とを備え
ている。上記サンギヤ50とキャリア60との間には多
板式の前進クラッチC1が設けられているとともに、リ
ングギヤ52とハウジング64との間には多板式の後進
ブレーキB1が設けられており、ハウジング64内の前
進用油圧アクチュエータ42および後進用油圧アクチュ
エータ44によってそれぞれ係合制御されるようになっ
ている。後進ブレーキB1が解放された状態において前
進クラッチC1が係合させられると、出力軸34とキャ
リア60とが相対回転不能に連結されて入力軸58が出
力軸34と一体的に回転させられ、前進クラッチC1が
解放されるとともに後進ブレーキB1が係合させられる
と、リングギヤ52の回転が阻止されるためキャリア6
0更には入力軸58が出力軸34と反対方向、すなわち
車両を後進させる方向へ変速比γFR(=出力軸34の回
転速度/入力軸58の回転速度)=−1+(リングギヤ
52の歯数ZR /サンギヤ50の歯数ZS )で減速回転
させられる。
【0014】CVT16は、上記入力軸58およびそれ
と平行な出力軸70を備えており、それ等の入力軸5
8、出力軸70には駆動側可変プーリ72、従動側可変
プーリ74がそれぞれ設けられているとともに、それら
の可変プーリ72、74間には伝動ベルト76が巻き掛
けられている。可変プーリ72および74は、入力軸5
8および出力軸70にそれぞれ固定された固定回転体7
8および80と、入力軸58および出力軸70にそれぞ
れ軸心方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に設
けられた可動回転体82および84とから成り、可動回
転体82および84がそれぞれその背面側に配設された
油圧アクチュエータ86および88によって軸心方向へ
移動させられることによりV溝幅、すなわち伝動ベルト
76の掛り径(有効径)が変化させられて、CVT16
の変速比γCVT (=入力軸58の回転速度Nin/出力軸
70の回転速度Nout )が変更されるようになってい
る。
【0015】副変速機18はシングルピニオン型の遊星
歯車装置にて構成されており、出力軸70と同心まわり
の回転可能に配設されたサンギヤ90と、出力軸70に
相対回転不能に連結されたリングギヤ92と、それ等の
サンギヤ90およびリングギヤ92と噛み合わされた遊
星ギヤ94と、その遊星ギヤ94を回転可能に支持する
とともに第2出力軸96に相対回転不能に連結されたキ
ャリア98とを備えている。上記サンギヤ90とキャリ
ア98との間には多板式の高速段用クラッチC2が設け
られているとともに、サンギヤ90とハウジング64と
の間には一方向クラッチ102および多板式の低速段用
ブレーキB2が直列に設けられている。高速段用クラッ
チC2および低速段用ブレーキB2はそれぞれ高速段用
油圧アクチュエータ106および低速段用油圧アクチュ
エータ108によって係合制御されるようになってい
る。低速段用ブレーキB2が係合させられることにより
成立させられた低速ギヤ段において、一方向クラッチ1
02は、正トルク駆動状態ではサンギヤ90のリングギ
ヤ92と反対方向の回転を阻止するが、負トルク駆動
(エンジンブレーキ)状態では、そのリングギヤ92と
同じ方向への回転を許容して駆動輪26の回転力をエン
ジン10側へ伝達する動力伝達経路を解放するものであ
る。したがって、高速段用クラッチC2が解放されると
ともに低速段用ブレーキB2が係合されると、低速ギヤ
段が成立させられる。この状態では、CVT16の出力
軸70が車両を前進させる方向へ回転させられると、キ
ャリア98および第2出力軸96は出力軸70の回転方
向と同じ方向へ、変速比γAT(=出力軸70の回転速度
/第2出力軸96の回転速度)=1+(サンギヤ90の
歯数ZS /リングギヤ92の歯数ZR )で減速回転させ
られる。逆に、低速段用ブレーキB2が解放されるとと
もに高速段用クラッチC2が係合されると、高速ギヤ段
が成立させられる。この状態では、サンギヤ90とキャ
リア98とが相対回転不能に連結されるため、かかる遊
星歯車装置は一体回転させられるようになり、第2出力
軸96は変速比γAT=1で出力軸70と同じ方向へ回転
させられる。なお、前進時には低速段用ブレーキB2を
係合させたまま高速段用クラッチC2を係合させること
によっても変速段を切り換えることができる。
【0016】上記第2出力軸96には第1歯車110が
設けられており、中間軸112に設けられた第2歯車1
14と噛み合わされている。中間軸112は、第2出力
軸96の軸心bと平行な軸心cまわりの回転可能に配設
されているとともに、差動歯車装置22の大径歯車11
6と噛み合わされた第3歯車118を備えている。第2
歯車114は第1歯車110よりも大径で、第3歯車1
18は第2歯車114よりも小径であり、これ等の第1
歯車110、第2歯車114、および第3歯車118に
よって前記減速ギヤ装置20が構成されている。差動歯
車装置22は、駆動軸24と直交する軸まわりに回転可
能に支持され且つ大径歯車116と一体的に回転する一
対の差動小歯車120と、その差動小歯車120と噛み
合い且つ駆動軸24に連結された一対の差動大歯車12
2とを備えている。したがって、減速ギヤ装置20から
伝達された動力は、差動歯車装置22において左右の駆
動軸24へ均等に分配された後、左右の前輪(駆動輪)
26へ伝達される。
【0017】図2において、エンジン10の図示しない
吸気配管に設けられたスロットルセンサ130は、スロ
ットル弁開度θthを表す信号を変速用の電子制御装置1
32へ供給する。また、たとえばイグナイタなどに設け
られたエンジン回転センサ134は、エンジン10の回
転速度Ne を表す信号を電子制御装置132へ供給す
る。ハウジング64に設けられたタービン回転センサ1
35は、タービン翼車32の回転速度NT すなわち出力
軸34の回転速度を表す信号を電子制御装置132へ供
給する。ハウジング64に設けられた入力軸回転センサ
136および出力軸回転センサ138は、CVT16の
入力軸58の回転速度Ninおよび出力軸70の回転速度
out を表す信号を電子制御装置132へそれぞれ供給
する。駆動軸24、すなわち前輪26の回転を検出する
ためにハウジング64に設けられた車速センサ140
は、車速SPDに対応する信号を電子制御装置132へ
供給する。さらに、操作位置センサ144はシフトレバ
ー142の操作位置Ps を表す信号を電子制御装置13
2へ供給する。
【0018】電子制御装置132は、CPU146、R
AM148、ROM150、および図示しないインター
フェースなどからなる所謂マイクロコンピュータを備え
ており、CPU146は、RAM148の一時記憶機能
を利用しつつ予めROM150に記憶されたプログラム
に従って上記入力信号を処理し、CVT16の変速比制
御、フルードカップリング12のロックアップクラッチ
38の係合制御、副変速機18の変速段切換制御のため
に、第1電磁弁152、第2電磁弁154、第3電磁弁
156、第4電磁弁158、第5電磁弁160、第6電
磁弁162を駆動する。
【0019】図3は、シフトレバー142の操作位置に
関連して制御される、前進クラッチC1および後進ブレ
ーキB1、高速段用クラッチC2および低速段用ブレー
キB2の作動状態と、変速段との関係を示している。図
において、シフトレバー142がN(ニュートラル)レ
ンジに操作されると、副変速機18の高速段用クラッチ
C2が係合される。なお、Nレンジでは、前後進切換装
置14の前進クラッチC1および後進ブレーキB1が解
放状態であれば、その前後進切換装置14においてCV
T16への動力伝達が遮断されるため、副変速機18の
高速段用クラッチC2および低速段用ブレーキB2の作
動状態は係合でも解放でも差支えないのであるが、Nレ
ンジからR(リバース)レンジまたはD(ドライブ)レ
ンジへの切り換えのために一個の摩擦係合装置を作動さ
せるだけでよいこととなって切換制御が容易となるの
で、Nレンジでは図に示すように高速段用クラッチC2
が係合状態とされるのである。また、図に示すように、
シフトレバー142がNレンジからDレンジへ操作され
た場合には、その切換操作に所定時間遅れて高速段用ク
ラッチC2が解放されるとともに低速段用ブレーキB2
が係合され、車両の沈み込みが緩和されるようになって
いる。
【0020】図2の油圧制御回路170は、たとえば図
4、図5、図6、図7にそれぞれ分割して示すように構
成されている。図4乃至図7において、前記油圧ポンプ
40は、油圧制御回路170の油圧源を構成している。
油圧ポンプ40は図示しないオイルタンク内へ還流した
作動油をストレーナ174を介して吸入する一方、戻し
油路176を介して戻された作動油を吸入して一次油路
178へ圧送する。一次油路178内の作動油はリリー
フ型式の一次調圧弁180によって上記戻し油路176
およびクラッチ圧油路182へ漏出させられることによ
り、一次油路178内の一次ライン油圧Pr1が調圧され
るようになっている。なお、184は、上記一次ライン
油圧Pr1の過昇圧を防止するためのリリーフ弁である。
【0021】上記一次調圧弁180は、スプール弁子1
90、スプリングシート192を介してスプール弁子1
90に閉弁方向の付勢力を付与するリターンスプリング
194、スプール弁子190に当接する第1プランジャ
196、およびその第1プランジャ196に当接しそれ
と同径の第2プランジャ198を備えている。スプール
弁子190は、一次油路178に連通するポート200
aと戻し油路176に連通するドレンポート200bお
よびクラッチ圧油路182に連通する200cとの間を
開閉するものである。そのスプール弁子190は、第1
ランド202と、それよりも大径の第2ランド204
と、その第1ランド202の端面にフィードバック圧を
作用させるための油室206とを備えており、第1ラン
ド202と第2ランド204との間の油室208は大気
に開放されている。その油室206には、フィードバッ
ク圧としての一次ライン油圧Pr1が絞り210を介して
作用させられ、スプール弁子190が開弁方向へ付勢さ
れるようになっている。スプール弁子190と同軸に設
けられた第1プランジャ196と第2プランジャ198
との間には、一次側油圧アクチュエータ86内の油圧P
inを分岐油路210を介して導くための油室212が設
けられており、さらに第2プランジャ198の端面には
張力制御圧Pbeltを導くための油室214が設けられて
いる。一次調圧弁180により調圧された一次ライン油
圧Pr1は、スロットル圧Pthを調圧するスロットル弁開
度検知弁220、各電磁弁に供給されるバルブ圧Pv
調圧するバルブ圧調圧弁222、張力制御圧を調圧する
張力制御圧調圧弁224、前進クラッチC1や後進ブレ
ーキB1を係合作動させるための係合作動油圧Pbcを調
圧する係合作動油圧調圧弁226へそれぞれ供給され
る。
【0022】上記一次調圧弁180においては、一次側
油圧アクチュエータ内油圧Pinと張力制御圧Pbeltとの
いずれか高い方の油圧に基づく推力がスプール弁子19
0の閉弁方向に作用させられており、一次ライン油圧P
r1は、一次側油圧アクチュエータ内油圧Pinと張力制御
圧Pbeltとのいずれか高い方の油圧に比例した値に調圧
され、油圧を発生させるための動力損失が可及的に小さ
くされる。
【0023】前記スロットル弁開度検知弁220は、図
示しないアクセルペダルの操作に伴って回転させられる
スロットル弁と連動するスロットルカム230と、この
スロットルカム230のカム面に係合し、このスロット
ルカム230の回動角度に関連して軸方向位置が変化さ
せられるプランジャ232と、スロットル圧Pthを調圧
するスプール弁子234と、このスプール弁子234を
閉弁方向へ付勢するスプリング236とを備えている。
スプール弁子234は、スプリング238を介してプラ
ンジャ232から付与される開弁方向の推力と、上記ス
プリング236の閉弁方向の推力およびフィードバック
圧として作用するスロットル圧Pthに基づいて発生する
閉弁方向の推力とが平衡するように位置させられること
により、一次ライン油圧Pr1を減圧し、スロットル弁開
度θthとともに大きくなるスロットル圧Pthを発生させ
る。
【0024】前記バルブ圧調圧弁222は、スプリング
240から付与される開弁方向の推力とフィードバック
圧として作用するバルブ圧Pv に基づいて発生する閉弁
方向の推力とが平衡するように位置させられるスプール
弁子242を備え、元圧である一次ライン油圧Pr1の変
動に拘わらず、それを減圧して一定のバルブ圧Pv を発
生させる。このバルブ圧Pv は、第3電磁弁156、第
4電磁弁158、第5電磁弁160へそれぞれ供給され
る。上記第3電磁弁156、第4電磁弁158は、バル
ブ圧Pv が供給される入力ポートと、ドレンポートと、
出力ポートとを備え、球状弁子がドレンポートを閉じ且
つ入力ポートおよび出力ポート間を連通させるオン状態
と、球状弁子が入力ポートを閉じ且つドレンポートおよ
び出力ポート間を連通させるオフ状態とに切り換えられ
る3ポート2位置弁である。また、第5電磁弁160
は、スプリング244およびフィードバック圧により閉
弁方向に付勢されるスプール弁子246と、励磁電流に
応じた推力でそのスプール弁子246を開弁方向に付勢
するリニヤソレノイド248とを備え、その励磁電流に
応じて増大する信号圧Plin を発生させるように構成さ
れている。
【0025】前記張力制御圧調圧弁224は、一次ライ
ン油圧Pr1を導く一次油路178と張力制御圧Pbelt
導く張力制御圧油路260との間を開閉するスプール弁
子262、スプリングシート264を介して開弁方向の
付勢力をスプール弁子262に付与するリターンスプリ
ング266、スプール弁子262に当接して開弁方向の
付勢力を付与するプランジャ268を備えている。ま
た、スプール弁子262の軸端には、順に径が大きくな
る第1ランド270、第2ランド272が順次形成され
ている。第1ランド270と第2ランド272との間に
は、フィードバック圧としての張力制御圧Pbeltが絞り
274を通して導入される油室276が設けられてい
る。また、スプール弁子262の第1ランド270端面
側には、前記第5電磁弁160から出力される信号圧P
lin が作用される油室278が設けられており、スプー
ル弁子262が変速比γcvt に基づいて閉弁方向へ付勢
されるようになっている。プランジャ268には、スプ
ール弁子262側から順に径の小さくなる第3ランド2
80および第4ランド282が設けられている。第4ラ
ンド282の端面側にはスロットル圧Pthを作用させる
ための油室284が設けられており、スプール弁子26
2がこのスロットル圧Pthにより開弁方向へ付勢される
ようになっている。また、上記第3ランド280および
第4ランド282の間には、第4電磁弁158から出力
される信号圧Psol4が作用される油室286が設けら
れ、この信号圧Psol4が発生させられた場合には、スプ
ール弁子262が開弁方向へ付勢されて張力制御圧P
beltが所定圧高められるようになっている。この張力制
御圧調圧弁224では、一次ライン油圧Pr1が減圧され
て張力制御圧Pbeltが発生され、二次側の油圧アクチュ
エータ88へ供給される。上記の張力制御圧Pbeltは、
エンジン10の出力トルクに対応するスロットル弁開度
θthと変速比γcvt とに基づいて基本的に調圧されるの
で、伝動ベルト76の張力、すなわち挟圧力が必要かつ
充分な値に制御され、動力損失が低減されるとともに、
伝動ベルト76の耐久性が高められている。
【0026】前記係合作動油圧調圧弁226は、一次油
路178と係合作動圧油路290との間を開閉するスプ
ール弁子292と、スプリングシート294を介してス
プール弁子292を開弁方向へ付勢するスプリング29
6と、スプール弁子292に当接するプランジャ298
とを備えている。スプール弁子292には、その端部か
ら順に大径となる第1ランド300と第2ランド302
とが設けられており、それら第1ランド300と第2ラ
ンド302との間には、係合作動油圧Pbcがフィードバ
ック圧として作用される油室304が設けられている。
また、上記プランジャ298には、スプール弁子292
側から順次小径となる第3ランド306および第4ラン
ド308が設けられており、それら第3ランド306お
よび第4ランド308の間には、シフトレバー142が
Rレンジへ操作されたときにマニュアル弁310から出
力されるRレンジ圧PR が供給される油室312が設け
られている。また、上記第4ランド308の端面に作用
させるスロットル圧Pthを受け入れるための油室314
が設けられている。したがって、スプール弁子292
は、スロットル圧Pth或いはスロットル圧PthおよびR
レンジ圧PR に基づく開弁方向の推力およびスプリング
296による開弁方向の推力と、フィードバック圧に基
づく閉弁方向の推力とが平衡するように作動させられ、
スロットル圧Pthに応じた大きさの係合作動油圧Pbc
発生させる。また、Rレンジ圧PR が供給された場合に
は、その係合作動油圧Pbcを所定圧だけ高める。これに
より、係合作動油圧Pbcは、スロットル圧Pthすなわち
エンジン10の出力トルクに応じて増大させられるとと
もに、シフトレバー142がRレンジへ操作されたとき
にはそれから所定圧だけさらに高められるので、前進ク
ラッチC1、後進ブレーキB1、高速段用クラッチC
2、或いは低速段用ブレーキB2はそれぞれ必要かつ充
分な推力で係合させられる。上記係合作動油圧Pbcは、
第1電磁弁152、第2電磁弁154、第6電磁弁16
2にも供給されている。第6電磁弁162は、前述の第
3電磁弁156、第4電磁弁158と同様に構成されて
いるが、第1電磁弁152および第2電磁弁154は、
オフ状態であるときに絞り318および320より下流
側をそれぞれドレンへ開放するが、オン状態であるとき
に絞り318および320より下流側をそれぞれ係合作
動油圧Pbcとする2ポート2位置弁である。
【0027】上記第1電磁弁152は、CVT16の変
速比変化方向を切り換えるための変速方向切換弁330
を制御し、第2電磁弁154は、CVT16の変速比変
化速度を制御するための変速速度制御弁332を制御す
る。変速方向切換弁330は、一次油路178と連通す
る第1入力ポート334、中程度の絞り336を介して
一次油路178と連通する第2入力ポート338、比較
的小さな絞り340および比較的大きな絞り342を介
して一次側の油圧アクチュエータ86に連通する第1出
力ポート344、変速速度制御弁332の入力ポート3
46と連通する第2出力ポート348、ドレンポート3
50と、オフ位置においては第1入力ポート334と第
1出力ポート344との間および第2入力ポート338
と第2出力ポート348との間をそれぞれ連通させる
が、オン位置においては第2出力ポート348とドレン
ポート350との間を連通させるスプール弁子352
と、そのスプール弁子352をオフ位置へ向かって付勢
するスプリング354とを備えている。したがって、第
1電磁弁152がオフ状態とされると、スプール弁子3
52はそのオフ位置に位置させられて一次側の油圧アク
チュータ86内へ作動油が供給されてCVT16は増速
方向へ変化させられる。反対に、第1電磁弁152がオ
ン状態とされると、スプール弁子352はそのオン位置
に位置させられて一次側の油圧アクチュータ86内の作
動油が上記ドレンポート350から排出されてCVT1
6は減速方向へ変化させられる。
【0028】変速速度制御弁332は、前記入力ポート
346と、一次側の油圧アクチュータ86に連通する出
力ポート356と、オン位置においてはそれら入力ポー
ト346および出力ポート356の間を連通させ、オフ
位置においては遮断するスプール弁子358と、そのス
プール弁子358をオフ位置へ向かって付勢するスプリ
ング360とを備えている。したがって、第2電磁弁1
54がオフ状態とされると、スプール弁子358は入力
ポート346および出力ポート356の間を遮断するの
で、第1電磁弁152がオン状態であるときは緩減速モ
ードとなり、第1電磁弁152がオフ状態であるときに
は緩増速モードとなる。また、第2電磁弁154がオン
状態とされると、スプール弁子358は入力ポート34
6および出力ポート356の間を連通させるので、第1
電磁弁152がオフ状態であるときは急増速モードとな
り、第1電磁弁152がオン状態であるときには急減速
モードとなる。
【0029】前記マニュアル弁310は、前記シフトレ
バー142と連動するスプール弁子364と、第1ポー
ト366と、第2ポート368と、第3ポート370と
を備えており、その第2ポート368には、前記係合作
動油圧調圧弁226により調圧された係合作動油圧Pbc
が元圧として供給されている。第1ポート366から
は、シフトレバー142がDレンジ、Sレンジ、Lレン
ジなどの前進レンジへ操作された場合に前進レンジ圧P
F が出力され、第3ポート370からは、シフトレバー
142がRレンジへ操作された場合に後進レンジ圧PR
が出力される。
【0030】上記第1ポート366から出力された前進
レンジ圧PF は、絞り374を通して、或いは絞り37
6およびシフトタイミング弁378を通して前進用油圧
アクチュエータ42へ供給される。シフトタイミング弁
378のスプール弁子380は、前進用油圧アクチュエ
ータ42内の油圧の高まりに応じてスプリング382に
抗して移動し、流入流量を抑制する。なお、シフトレバ
ー142が前進レンジ以外のレンジへ操作されると、前
進用油圧アクチュエータ42内の作動油は、逆止弁38
4およびマニュアル弁310を通して速やかにドレンさ
れる。
【0031】また、シフトレバー142がRレンジへ操
作されると、第3ポート370から出力された後進レン
ジ圧PR は、前記係合作動油圧調圧弁226の油室31
2へ供給されるとともに、リバースインヒビット弁37
2および絞り386を通して後進用油圧アクチュエータ
44へ供給される。反対に、シフトレバー142がRレ
ンジ以外のレンジへ操作されると、後進用油圧アクチュ
エータ44内の作動油は逆止弁387、リバースインヒ
ビット弁372、およびマニュアル弁310を通してド
レンへ排出され、後進レンジPR は大気圧とされる。
【0032】リバースインヒビット弁372は、第1ラ
ンド388、それよりも大径の第2ランド390、それ
と同径の第3ランド392を有し、その第2ランド39
0によって第3ポート370と後進用油圧アクチュエー
タ44との間を開閉するスプール弁子394と、そのス
プール弁子394を開弁方向へ付勢するスプリング39
6と、スプール弁子394を開弁方向へ付勢するために
それに接するプランジャ398とを備えている。また、
このプランジャ398は、第1ランド388と第2ラン
ド390との断面積差と同じ断面積を有している。上記
第1ランド388の端面には第3電磁弁156がオン状
態(ロックアップクラッチ38の係合状態)であるとき
に発生させられる信号圧Psol3が作用させられるととも
に、第1ランド388と第2ランド390との間には後
進レンジ圧PR が作用させられている。また、プランジ
ャ398の端面には係合作動油圧Pbcが常時作用させら
れるとともに、スプール弁子394とプランジャ398
との間には後進用油圧アクチュエータ44内の油圧が作
用させられるようになっている。このため、後進レンジ
圧PR によってスプール弁子394を閉弁方向へ付勢す
る推力と係合作動油圧Pbcによってスプール弁子394
を開弁方向へ付勢する推力とが相殺されることから、シ
フトレバー142がRレンジ(後進レンジ)へ操作され
た場合には、スプール弁子394はスプリング396の
付勢力によって開弁位置に位置させられるが、車速Vが
高いために信号圧Psol3が作用させられると、スプール
弁子394が閉弁方向、すなわちインヒビット位置へ位
置させられる。したがって、ロックアップクラッチ38
が係合させられている前進走行中においては、信号圧P
sol3が作用されている状態であるので、シフトレバー1
42がRレンジ(後進レンジ)へ操作されると、スプー
ル弁子394が閉弁位置へ移動させられて、後進用油圧
アクチュエータ44はリバースインヒビット弁372の
ドレンポート400と連通させられ、後進用ブレーキB
1の作動が阻止される。しかし、後進レンジ圧PR が一
旦後進用油圧アクチュエータ44内に作用させられる
と、その後進レンジ圧PR がスプール弁子394の開弁
方向の推力を発生させるので、たとえ信号圧Psol3が作
用されたとしてもスプール弁子394は開弁位置に保持
される。
【0033】上記前進用油圧アクチュエータ42および
後進用油圧アクチュエータ44には、スロットル圧Pth
が背圧として作用させられているアキュムレータ402
および404がそれぞれ接続されており、伝達トルクが
大きくなるほどそれらの前進用油圧アクチュエータ42
および後進用油圧アクチュエータ44内の油圧の上昇が
緩やかとされ、前進用クラッチC1および後進用ブレー
キB1の係合がそれぞれ滑らかとなるようにされてい
る。
【0034】副変速機18の高速段用クラッチC2およ
び低速段用ブレーキB2は、第6電磁弁162により切
り換えられるC2制御弁410およびB2制御弁412
によって切り換えられるようになっている。C2制御弁
410は、高速段用油圧アクチュエータ106に連通す
る出力ポート414を、係合作動油圧Pbcが絞り415
を介して供給されるポート416と作動油を絞り417
を介してドレンさせるためのドレンポート418とに択
一的に連通させるスプール弁子420と、このスプール
弁子420を係合側位置へ向かって付勢するスプリング
422と、このスプリング422を収容し且つ第6電磁
弁162からの信号圧Psol6を受け入れる油室424
と、スプール弁子420のスプリング422側とは反対
側の端面に低速段用油圧アクチュエータ108内の油圧
を作用させるために絞り425を介してその低速段用油
圧アクチュエータ108に接続された油室426とを備
えている。このため、C2制御弁410では、油室42
4および油室426内が共に大気圧であるとき、または
油室424および油室426に信号圧Psol6および低速
段用油圧アクチュエータ108内の油圧がそれぞれ供給
されているときには、スプール弁子420が係合側に位
置させられ、高速段用油圧アクチュエータ106により
高速段用クラッチC2が係合させられる。しかし、油室
424が大気圧である状態で油室426に低速段用油圧
アクチュエータ108内の油圧が供給されると、スプー
ル弁子420が非係合側位置(図7のオフ側位置)に位
置させられて、高速段用油圧アクチュエータ106内の
作動油がドレンされ、高速段用クラッチC2が解放され
る。なお、B2制御弁412を介して係合作動圧PbC
たはスロットル圧Pthが背圧として供給されるアキュム
レータ428は、高速段用クラッチC2の係合を滑らか
にするためのものである。
【0035】また、B2制御弁412は、係合作動圧P
bCが供給される第1ポート430、スロットル圧Pth
供給される第2ポート432、ドレンポート434、低
速段用油圧アクチュエータ108に接続された第3ポー
ト436、前進レンジ圧PFが供給される第4ポート4
38、アキュムレータ428の背圧室と接続された第5
ポート440と、上記第5ポート440を第1ポート4
30または第2ポート432に択一的に切り換えるとと
もに、上記第3ポート436をドレンポート434また
は第4ポート438に択一的に切り換えるスプール弁子
442と、そのスプール弁子442を係合側位置へ向か
って付勢するスプリング444と、そのスプリング44
4を収容しかつ前進用油圧アクチュエータ42内の油圧
を受け入れる油室446と、スプール弁子442のスプ
リング444と反対側の端面に信号圧Psol6を作用させ
るためにその圧を受け入れる油室448とを備えてい
る。このため、B2制御弁412では、油室446およ
び油室448内が共に大気圧であるとき、または油室4
46および油室448に前進用油圧アクチュエータ42
内の油圧および信号圧Psol6がそれぞれ供給されている
ときには、スプール弁子420が係合側に位置させら
れ、低速段用油圧アクチュエータ108により低速段用
ブレーキB2が係合させられる。しかし、油室446が
大気圧である状態で油室448に信号圧Psol6が供給さ
れると、スプール弁子442が非係合側位置に位置させ
られて、低速段用油圧アクチュエータ108内の作動油
がドレンされ、低速段用ブレーキB2が解放される。
【0036】車両のシフトレバー142がR(後進)レ
ンジ或いはN(中立)レンジに操作されている場合に
は、図3に示すように第6電磁弁162がオン状態に保
持されてC2制御弁410の油室424内の信号圧P
sol6が作用されることからC2制御弁410のスプール
弁子420が係合位置(図7のオン位置)に位置させら
れて高速段用クラッチC2が係合させられるとともに、
マニュアル弁310から前進レンジ圧PF が出力されな
いことから、B2制御弁412の作動位置に拘わらず低
速段用ブレーキB2が解放されて副変速機18では直結
状態とされるので、動力伝達経路中の前後進切換装置1
4のみにおいて動力伝達が遮断される。これにより、シ
フトレバー142が車両走行中にNレンジに操作された
場合でもCVT16が回転させられるので、そのCVT
16の変速比制御が可能とされる。また、このNレンジ
では、前後進切換装置14において動力伝達が遮断され
ているため、車両停止中であっても、フルードカップリ
ング12の出力軸34はエンジン10のクランク軸28
とともに連続的に回転している。
【0037】シフトレバー142がNレンジからD(前
進)レンジへ操作された直後は、変速比の小さい高速ギ
ヤ段を僅かに経てから低速ギヤ段を成立させることによ
り駆動トルクを緩やかに変化させるスクォート制御が開
始され、そのスクォート制御期間中では、図3に示すよ
うに、高速段用クラッチC2および低速段用ブレーキB
2は第6電磁弁162が作動させられるまでそれまでの
Nレンジと同じ状態に保持される。すなわち、電子制御
装置132により第6電磁弁162のオン状態が持続さ
れてC2制御弁410のスプール弁子420が係合位置
(図7のオン位置)に位置させられて高速段用クラッチ
C2が継続的に係合させられる。すなわち、この状態で
は、前記マニュアル弁310から前進レンジ圧PF が出
力されて、前進クラッチC1を係合させる前進用油圧ア
クチュエータ42内およびB2制御弁412の油室44
6内に作動油が供給され、その前進用油圧アクチュエー
タ42内油圧(C1圧)は絞り374、376やアキュ
ムレータ402の作用により緩やかに立ち上がる一方、
B2制御弁412の油室448内には信号圧Psol6が作
用されてそのスプール弁子442が非係合位置(図7の
オン位置)に位置させられて、低速段用ブレーキB2を
作動させる低速段用油圧アクチュエータ108がドレン
される状態が維持されるので、副変速機18においては
高速段用クラッチC2だけが係合させられた状態とな
る。
【0038】そして、シフトレバー142がNレンジか
らDレンジへ操作されたことに関連して実行される後述
のスクォート制御により、前進クラッチC1の係合が完
了する前の時点、たとえばそれまで回転していた出力軸
34の回転の減少が開始した時点或いはその回転減少中
の時点、すなわち前進クラッチC1の係合が開始して係
合トルクが立ち上がる時点では、スクォート制御を終了
させるために電子制御装置132により第6電磁弁16
2がオフ状態に切り換えられる。これにより、それまで
信号圧Psol6が作用させられていたB2制御弁412の
油室448が大気圧とされてスプール弁子442が係合
位置(図7のオフ位置)に位置させられることから、低
速段用ブレーキB2を作動させる低速段用油圧アクチュ
エータ108に前進レンジ圧PF が供給されるので、低
速用ブレーキB2が係合させられる。同時に、それまで
信号圧Psol6が作用させられていたC2制御弁410の
油室424が大気圧とされる一方、低速段用油圧アクチ
ュエータ108内の作動油の圧力が絞り425を介して
C2制御弁410の油室426にも作用されることか
ら、スプール弁子420はスプリング422の付勢力に
抗してその非係合位置(図7のオフ位置)に位置させら
れ、高速段用クラッチC2が解放される。すなわち、シ
フトレバー142がNレンジからDレンジへ操作された
ことに関連して一時的に実行されるスクォート制御が終
了すると、副変速機18では、上記のように低速ギヤ段
が成立させられて、車両の発進時の駆動力が得られるよ
うになっている。なお、上記のように第6電磁弁162
がオン状態からオフ状態へ切り換えられなくても、シフ
トレバー142がNレンジからDレンジへ操作されたこ
とに関連して前進クラッチC1を係合させるためのC1
圧が上昇すると、B2制御弁412のスプール弁子44
2は図7のオフ位置に位置させられて、低速段用ブレー
キB2が係合させられるようになっている。
【0039】ここで、シフトレバー142がNレンジか
らDレンジへ操作されたことにより上記スクォート制御
期間を経て低速ギヤ段が成立させられるに際しては、低
速段用油圧アクチュエータ108内の作動油の圧力上昇
に基づいてC2制御弁410のスプール弁子420がそ
の非係合位置に移動させられるように構成されているの
で、低速段用ブレーキB2の係合圧(≒B2圧)が少な
くともスプリング422の付勢力(たとえば2.5〜3
kg)に対応する推力を発生させる値αに到達した後で高
速段用クラッチC2の解放が開始される。これにより、
それら低速段用ブレーキB2および高速段用クラッチC
2の両者が一時的に重複係合させられる期間が最小限且
つ確実に設けられているので、副変速機18の高速ギヤ
段から低速ギヤ段への切換えに関連して発生する変速シ
ョックが好適に防止されるとともに、エンジン10の吹
上がりが確実に防止される。なお、この一時的な重複係
合は、車両の後進中においてシフトレバー142がNレ
ンジからDレンジへ操作されたときでも、副変速機18
のロックが強く感じられないように、絞り425の大き
さおよびスプリング422の付勢力が設定されている。
【0040】上記のように低速ギヤ段が成立させられた
走行状態において、たとえば特開昭61−241561
号公報に記載されているように、車両の走行状態が予め
記憶された図示しない変速線図の低速ギヤ段から高速ギ
ヤ段への切換許可領域内となると、電子制御装置132
により第6電磁弁162がオフ状態からオン状態に切り
換えられる。これにより、C2制御弁410では、それ
まで大気圧であった油室424に信号圧Psol6が作用さ
せられると、スプール弁子420はその係合位置(図7
のオン位置)に位置させられるので、絞り415を通し
て係合作動油圧Pbcが高速段用油圧アクチュエータ10
6内に供給されて、高速段用クラッチC2が係合され
る。同時に、それまで大気圧であったB2制御弁412
の油室448にも信号圧Psol6が作用させられるが、そ
のB2制御弁412の油室446に作用されている前進
用油圧アクチュエータ42内油圧は既に前進レンジ圧P
F まで到達しているので、スプリング444の付勢力に
よりスプール弁子442は係合位置に保持される。すな
わち、副変速機18においては、低速段用ブレーキB2
の係合状態のまま高速段用クラッチC2が係合させられ
て高速ギヤ段が成立させられるのである。
【0041】高速ギヤ段での車両の走行中において図示
しないアクセルペダルを大きく踏み込むキックダウン操
作が実行された場合には、電子制御装置132により第
6電磁弁162がオン状態からオフ状態に切り換えられ
る。これにより、B2制御弁412の油室448に作用
されていた信号圧Psol6が大気圧とされるが、前進用油
圧アクチュエータ42内の作動油圧によってスプール弁
子442は既に係合位置に位置させられているので、そ
のままの係合位置が保持される。同時に、それまで信号
圧Psol6が作用させられていたC2制御弁410の油室
424が大気圧とされることから、スプール弁子420
は油室426内に作用されている低速段用油圧アクチュ
エータ108内の圧力(前進レンジ圧PF )に基づく推
力によりスプリング422の付勢力に抗してその非係合
位置(図7のオフ位置)に位置させられるので、高速段
用油圧アクチュエータ106内の作動油が絞り417お
よびドレンポート418を通して排出されることにより
高速段用クラッチC2が解放され、低速ギヤ段が成立さ
せられる。また、特開昭61−241561号公報に記
載されているように、車両の走行中において実際の変速
比γCVT が予め定められた所定の値γo を下まわった場
合にも、上記と同様に副変速機18のシフトダウンが実
行される。
【0042】また、NレンジからDレンジへの操作直後
の前記スクォート制御期間中であっても、アクセルペダ
ルが踏み込まれた場合には電子制御装置132により直
ちに第6電磁弁162がオン状態からオフ状態に切り換
えられる。これにより、B2制御弁412の油室448
に作用されていた信号圧Psol6が大気圧とされることに
より、スプリング444の付勢力によってスプール弁子
442はそれまでの非係合位置から係合位置に位置させ
られるので、低速段用油圧アクチュエータ108内に作
動油が供給される。同時に、それまで信号圧Psol6が作
用させられていたC2制御弁410の油室424が大気
圧とされることから、スプール弁子420は油室426
内に作用される低速段用油圧アクチュエータ108内の
圧力(前進レンジ圧PF )に基づく推力によりスプリン
グ422の付勢力に抗してその非係合位置(図7のオフ
位置)に位置させられるので、高速段用油圧アクチュエ
ータ106内の作動油が絞り417およびドレンポート
418を通して排出されることにより高速段用クラッチ
C2が解放され、低速ギヤ段が成立させられる。
【0043】次に、前記クラッチ圧油路182内のクラ
ッチ油圧Pclは、クラッチ圧調圧弁450によりスロッ
トル圧Pthに応じて調圧されるようになっている。この
クラッチ油圧Pclはロックアップクラッチ38の係合圧
力に関連するものであるが、クラッチ圧油路182内の
作動油は、絞り453を通して伝動ベルト76の摺動部
分、軸受け部分、遊星歯車の噛合部分、差動歯車装置2
2などへ潤滑油として圧送される。また、クラッチ圧調
圧弁450のリリーフポート455から流出させられる
作動油も潤滑油として同様に圧送される。クラッチ圧調
圧弁450は、クラッチ圧油路182内の作動油を戻し
油路176へ逃がすためのスプール弁子452と、この
スプール弁子452を閉弁方向へ付勢するためのスプリ
ング454と、スロットル圧Pthを受けてそれに基づく
閉弁方向の推力をスプール弁子452に伝達するプラン
ジャ456と、スプール弁子452に開弁方向の推力を
付与するためにフィードバック圧としてクラッチ油圧P
clを受け入れる油室458とを備えている。
【0044】ロックアップクラッチ38の係合および解
放を制御するために、第3電磁弁156により切り換え
られるロックアップリレー弁460と、第4電磁弁15
8により切り換えられるロックアップ制御弁462が設
けられている。ロックアップリレー弁460は、ドレン
ポート464、逆止弁466を介してクラッチ油圧Pcl
が供給される第1ポート468、第2ポート470、第
3ポート472、第4ポート474、第5ポート47
6、ドレンポート478と、それらのポート間を切り換
えるためのスプール弁子480と、そのスプール弁子4
80を油室482側へ付勢するスプリング484とを備
えている。このため、第3電磁弁156からの信号圧P
sol3が油室482へ供給されない状態では、スプール弁
子480は油室482側へ位置させられるので、第1ポ
ート468と第2ポート470、第3ポート472と第
4ポート474、第5ポート476とドレンポート47
8がそれぞれ連通させられる。反対に、第3電磁弁15
6からの信号圧Psol3が油室482へ供給された状態で
は、スプール弁子480はスプリング484側へ位置さ
せられるので、ドレンポート464と第2ポート47
0、第1ポート468と第3ポート472、第4ポート
474と第5ポート476がそれぞれ連通させられる。
【0045】ロックアップ制御弁462は、逆止弁46
6を介してクラッチ油圧Pclが供給される第1ポート4
90、ロックアップリレー弁460の第2ポート470
と接続された第2ポート492、ロックアップリレー弁
460の第5ポート476と接続された第3ポート49
4、ロックアップリレー弁460の第3ポート472と
接続された第4ポート496、フルードカップリング1
2の解放側油室46と接続された第5ポート498、フ
ルードカップリング12の係合側油室48と接続された
第6ポート500と、それらのポート間を切り換えるた
めのスプール弁子502と、そのスプール弁子502を
油室504側へ付勢するスプリング506とを備えてい
る。このため、第4電磁弁158からの信号圧Psol4
油室504へ供給されない状態では、スプール弁子50
2は油室504側へ位置させられるので、第2ポート4
92と第5ポート498、第4ポート496と第6ポー
ト500がそれぞれ連通させられる。反対に、第4電磁
弁158からの信号圧Psol4が油室504へ供給された
状態では、スプール弁子502はスプリング506側へ
位置させられるので、第1ポート490と第5ポート4
98、第3ポート494と第6ポート500がそれぞれ
連通させられる。
【0046】したがって、第4電磁弁158のオフ状態
において第3電磁弁156がオフ状態とされると、ロッ
クアップクラッチ38が解放される。このとき、係合側
油室48から排出される作動油の一部も、オイルクーラ
510を経てドレンされる。このオイルクーラ510の
上流側には、係合側油室48から排出される作動油の圧
力が所定値を超えたときにオイルクーラ510を経ない
でドレンするためのクーラバイパス弁512が設けられ
ている。また、第4電磁弁158のオン状態において第
3電磁弁156がオン状態とされても、ロックアップク
ラッチ38が解放される。
【0047】第4電磁弁158のオン状態において第3
電磁弁156がオフ状態とされると、ロックアップクラ
ッチ38が速やかに解放される。この場合には、係合側
油室48内の作動油がオイルクーラ510を経ないでド
レンへ流出させられるのに加えて、信号圧Psol4が油室
286へ作用されて張力制御圧Pbeltが高められるとと
もに、その張力制御圧Pbeltが一次調圧弁180の油室
214に作用されて一次ライン油圧Pr1も高められるの
で、この一次ライン油圧Pr1を元圧とするスロットル弁
開度検知弁220から出力されるスロットル圧Pthも高
められ、クラッチ圧調圧弁450において調圧されるク
ラッチ圧Pclが高められることから、ロックアップクラ
ッチ38が急速に解放されるのである。また、第4電磁
弁158のオフ状態において第3電磁弁156がオン状
態とされると、ロックアップクラッチ38が係合され
る。
【0048】前記電子制御装置132では、エンジン1
0を最適曲線に沿って作動させるための目標回転速度と
実際のエンジン回転速度とを一致させる変速比制御、ロ
ックアップクラッチ38の係合制御、CVT16の急減
速制御、張力制御圧制御、副変速機18の変速段切換制
御、およびスクォート制御などが実行される。
【0049】図8は、上記スクォート制御の作動の要部
を説明するフローチャートである。図において、ステッ
プSS1では、シフトレバー142がNレンジからDレ
ンジへ操作されたか否かが操作位置センサ144からの
信号に基づいて判断される。このステップSS1の判断
が否定された場合には本スクォート制御ルーチンが終了
させられる。しかし、上記ステップSS1の判断が肯定
された場合には、ステップSS2において、スクォート
制御用のタイマカウンタの計数内容TS に「1」が加え
られる。なお、このようにシフトレバー142がNレン
ジからDレンジへ操作された場合には、図7に示すよう
に、前進レンジ圧PF がマニュアル弁310の第1ポー
ト366から出力されて前進用油圧アクチュエータ42
に供給されるので、前進用クラッチC1の係合圧PC1
上昇が開始される。
【0050】続くステップSS3では、上記タイマカウ
ンタの計数内容TS が予め設定された判断基準値TS O
を超えたか否かが判断される。この判断基準値T
S O は、クランク軸28と共に回転しているタービン翼
車32の回転速度NT が前進クラッチC1の係合開始に
より減少開始する時期と略一致するように予め求められ
た値であり、たとえば0.4秒程度の一定値が採用され
る。
【0051】当初は上記ステップSS3の判断が否定さ
れるので、ステップSS2以下が再び実行される。しか
し、それらのステップが繰り返し実行されるうち、上記
ステップSS3の判断が肯定されると、ステップSS4
において、それまでのNレンジにおいて高速段用クラッ
チC2を係合させるためにオン状態とされていた第6電
磁弁162がオフ状態へ切り換えられる。これにより、
低速段用ブレーキB2を作動させる低速段用油圧アクチ
ュエータ108へ作動油の供給が開始されるとともに、
高速段用クラッチC2を作動させる高速段用油圧アクチ
ュエータ106内の作動油の排出が開始されるため、図
9の上段に示すように、高速段用クラッチC2の係合圧
C2および低速段用ブレーキB2の係合圧PB2が変化す
る。
【0052】このように、本実施例によれば、操作位置
検出手段に対応する操作位置センサ144によってシフ
トレバー142がNレンジからDレンジへ操作されたこ
とが検出された場合には、係合制御手段に対応する電子
制御装置132および油圧制御回路170により、前進
クラッチC1の係合が開始させられるとともに、その
後、タービン翼車32の回転速度低下の開始時に、高速
段用クラッチC2の解放と低速段用ブレーキB2の係合
とが開始させられる。すなわち、前進クラッチC1の半
係合状態において、高速段用クラッチC2の解放と低速
段用ブレーキB2の係合とが行われる。
【0053】上記の過程において、上記低速段用ブレー
キB2と直列の一方向クラッチ102が完全に係合する
まで、すなわち一方向クラッチ102の負荷トルクが負
となるまでの間は高速段用クラッチC2は半係合状態と
なり、前進クラッチC1の係合期間において発生する慣
性トルクや高速段用クラッチC2までのねじり振動が、
半係合状態の高速段用クラッチC2の摩擦によって吸収
されるので、図9の下段に示すように、第2出力軸96
のトルクすなわち駆動輪26へ伝達されるトルクの立ち
上がりが比較的低くなり、しかもそのトルクの変動が滑
らかとなる。また、図10の実線に示すように、エンジ
ン10の回転速度Ne の変動も滑らかとなる。したがっ
て、シフトレバー142がNレンジからDレンジへ操作
されたときのスクォート制御において、前進ギヤ段の成
立に関連して発生するショックが低減されるのである。
【0054】因に、シフトレバー142がNレンジから
Dレンジへ操作された時点から前進クラッチC1の係合
後の時間TS J を経過したときに第6電磁弁162がオ
フ状態に切り換えられる従来の制御装置では、図11に
示すように、高速段用クラッチC2がNレンジから継続
的に係合させられている状態下において前進クラッチC
1の係合が完了して高速側ギヤ段が一旦成立することに
より、前進クラッチC1の係合開始により発生する慣性
トルクや高速段用クラッチC2までのねじり振動により
急激なトルクの立ち上がりとそれに続いて高速側ギヤ段
に対応したトルクまで立ち下がったあと、さらにそれに
続いて低速側ギヤ段に対応したトルクへ向かって立ち上
がるという変動が発生することが避けられなかったので
ある。しかも、図10の破線に示すように、比較的大き
いエンジン回転速度Ne の変動が発生していたのであ
る。
【0055】図12は、本発明の他の実施例におけるス
クォート制御の作動の要部を説明するフローチャートで
ある。図において、ステップSS1およびSS4は図8
の実施例と同様であるが、それらステップSS1および
SS4の間には、図8のステップSS2およびSS3と
は異なるステップSS6およびSS7が設けられてい
る。ステップSS1の判断が肯定された場合に実行され
るステップSS6では、タービン回転センサ135から
の信号に基づいて実際のタービン回転速度NT が読み込
まれるとともに、前回のサイクルにおいて読み込まれた
タービン回転速度NT -1も読み込まれる。続くステップ
SS7では、今回のサイクルにおいて読み込まれたター
ビン回転速度NT が前回のサイクルにおいて読み込まれ
たタービン回転速度NT -1よりも小さいか否か、すなわ
ちフルードカップリング12を介して駆動されることに
よりクランク軸28と共に回転していたタービン翼車3
2或いは出力軸34の回転速度NT が前進クラッチC1
の係合開始によって低下し始めたか否かが判断される。
すなわち、前進クラッチC1の係合トルクが発生し始め
たか否かが判断されるのである。
【0056】当初は上記ステップSS7の判断が否定さ
れるので、前記ステップSS6以下が再び実行される
が、時間の経過に伴って前進クラッチC1の係合トルク
が発生すると、上記ステップSS7の判断が肯定される
ので、ステップSS4において第6電磁弁162がオフ
状態に切り換えられて低速段用ブレーキB2の係合圧P
B2が高められると同時に高速段用クラッチC2の係合圧
C2が降圧される。このように、前進クラッチC1の係
合過程において低速段用ブレーキB2の係合と高速段用
クラッチC2の解放とが開始されるので、前述の実施例
と同様の効果が得られる。
【0057】図13は、本発明の更に他の実施例におけ
るスクォート制御の作動の要部を説明するフローチャー
トである。図において、ステップSS1およびSS4は
図8の実施例と同様であるが、それらステップSS1お
よびSS4の間には、図8のステップSS2およびSS
3とは異なるステップSS8およびSS9が設けられて
いる。ステップSS1の判断が肯定された場合に実行さ
れるステップSS8では、タービン回転速度の変化率Δ
T (=NT -1−NT )が今回のサイクルにおいて読み
込まれたタービン回転速度NT と前回のサイクルにおい
て読み込まれたタービン回転速度NT -1とから算出され
る。続くステップSS9では、そのタービン回転速度の
変化率ΔNT が予め設定された判断基準値ΔNT O より
も大きいか否かが判断される。この判断基準値ΔNT O
は、クランク軸28と共に回転しているタービン翼車3
2の回転速度NT が前進クラッチC1の係合開始により
減少開始する状態が検出されるように予め求められた値
である。
【0058】当初は上記ステップSS9の判断が否定さ
れるので、前記ステップSS8以下が再び実行される
が、時間の経過に伴って前進クラッチC1の係合トルク
が発生すると、上記ステップSS9の判断が肯定される
ので、ステップSS4において第6電磁弁162がオフ
状態に切り換えられて低速段用ブレーキB2の係合圧P
B2が高められると同時に高速段用クラッチC2の係合圧
C2が降圧される。このように、前進クラッチC1の係
合過程において低速段用ブレーキB2の係合と高速段用
クラッチC2の解放とが開始されるので、前述の実施例
と同様の効果が得られる。
【0059】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0060】例えば、図8の実施例の判断基準値TS O
は一定値であったが、油圧制御回路170の作動油温度
oil を検出する油温センサを設け、たとえば図14に
示す予め設定された関係からその作動油温度に基づいて
修正された値であってもよい。
【0061】また、図12および図13において求めら
れるタービン回転速度NT 、NT -1は、互いに隣接する
一定区間の回転速度値の平均値、すなわち移動平均値で
あってもよい。
【0062】また、前述の実施例のステップSS3、S
S7、SS9では、クランク軸28と共に回転している
タービン翼車32の回転速度NT が前進クラッチC1の
係合開始により減少開始する状態が検出されていたが、
その回転速度NT の低下中が検出されるものであっても
差支えない。要するに、前進クラッチC1の係合完了前
の状態が検出されれば、一応の効果を享受できる。
【0063】また、前述の実施例では、タービン回転セ
ンサ135によりタービン翼車32或いは出力軸34の
回転速度が検出されていたが、クランク軸28の回転速
度Ne であってもよいし、前進クラッチC1の入力側部
材であってもよい。要するに、エンジン10から前進ク
ラッチC1に到る間の回転部材であってもよいのであ
る。
【0064】また、前述の実施例の油圧制御回路170
おいて、第6電磁弁162はオン状態で信号圧Psol6
出力するように構成されているが、オフ状態で油圧を出
力するように構成されてもよい。このような場合には、
電子制御装置132から第6電磁弁162に供給される
切換指令信号のオンオフが反対とされる。或いは、第6
電磁弁162からの出力が大気圧(信号圧Psol6)とな
ると低速段用ブレーキB2へ前進レンジ圧PF を供給す
るB2制御弁と、第6電磁弁162からの出力が大気圧
となると高速段用クラッチC2へ前進レンジ圧PF を供
給するC2制御弁が用いられる。
【0065】また、前記実施例では副変速機18は前進
2段のギヤ段を備えていたが、3段以上のギヤ段を備え
ていてもよいし、CVT16に替えて複数組の遊星歯車
装置を有する有段変速機であってもよいのである。
【0066】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の実施例が適用される車両用自動変速機の
骨子図である。
【図2】本発明の一実施例の制御装置の構成を説明する
ブロック線図である。
【図3】図1の自動変速機において、シフトレバーの操
作位置とギヤ段との関係を説明する図表である。
【図4】図2の制御装置の構成を示す油圧回路図の一部
である。
【図5】図2の制御装置の構成を示す油圧回路図の一部
である。
【図6】図2の制御装置の構成を示す油圧回路図の一部
である。
【図7】図2の制御装置の構成を示す油圧回路図の一部
である。
【図8】図2の電子制御装置のスクォート制御の作動の
要部を説明するフローチャートである。
【図9】図8の作動により制御される係合圧と自動変速
機の出力軸トルクとをそれぞれ説明するタイムチャート
である。
【図10】図8の作動により変化が抑制されるエンジン
回転速度Ne を説明するタイムチャートである。
【図11】従来の制御装置における図9に対応する図で
ある。
【図12】本発明の他の実施例における図8に相当する
図である。
【図13】本発明の他の実施例における図8に相当する
図である。
【図14】本発明の他の実施例において、図8の判断基
準値TS O を作動油温度Toil に基づいて修正する関係
を示す図である。
【符号の説明】
14:前後進切換装置、16:ベルト式無段変速機、1
8:副変速機(自動変速機) 102:一方向クラッチ 132:電子制御装置、170:油圧制御回路(係合制
御手段) 144:操作位置センサ(操作位置検出手段) C1:前進クラッチ(第1クラッチ要素) C2:高速段用クラッチ(第2クラッチ要素) B2:低速段用ブレーキ(第3クラッチ要素)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1クラッチ要素を介してエンジンから
    入力された回転が、高速段用の第2クラッチ要素と一方
    向クラッチに直列に設けられた低速段用の第3クラッチ
    要素とを有する有段変速部により変速される形式の車両
    用自動変速機において、シフトレバーが中立レンジに位
    置させられている状態では前記第2クラッチ要素を係合
    させる制御装置であって、 シフトレバーが中立レンジから前進走行レンジへ操作さ
    れたことを検出する操作位置検出手段と、 前記操作位置検出手段によりシフトレバーが中立レンジ
    から前進走行レンジへ操作されたことが検出された場合
    には、前記第1クラッチ要素の係合を開始させるととも
    に、前記エンジンから該第1クラッチ要素に到るまでの
    回転部材の回転変化開始時或いは回転変化発生中に、前
    記第2クラッチ要素の解放と第3クラッチ要素の係合と
    を開始させる係合制御手段とを、含むことを特徴とする
    車両用自動変速機の制御装置。
JP5160136A 1993-06-04 1993-06-04 車両用自動変速機の制御装置 Pending JPH06346958A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017030529A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 いすゞ自動車株式会社 自動変速制御装置および自動変速方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017030529A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 いすゞ自動車株式会社 自動変速制御装置および自動変速方法
WO2017022528A1 (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 いすゞ自動車株式会社 自動変速制御装置および自動変速方法
CN107848523A (zh) * 2015-07-31 2018-03-27 五十铃自动车株式会社 自动变速控制装置和自动变速方法
CN107848523B (zh) * 2015-07-31 2020-05-26 五十铃自动车株式会社 自动变速控制装置和自动变速方法

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