JPH06345440A - 球状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法並びに球 状マグネタイトを含む磁性トナー - Google Patents

球状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法並びに球 状マグネタイトを含む磁性トナー

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JPH06345440A
JPH06345440A JP5134892A JP13489293A JPH06345440A JP H06345440 A JPH06345440 A JP H06345440A JP 5134892 A JP5134892 A JP 5134892A JP 13489293 A JP13489293 A JP 13489293A JP H06345440 A JPH06345440 A JP H06345440A
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佳茂 駒
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真一 広川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の電子写真、静電記録、静電複写機及び
レーザープリンター等における鮮明な複写画像や高解像
度の画像を得るために必要な小粒径トナーの製造におい
て必要とされる、低磁場中での飽和磁束密度(σs)が
高く分散性に優れ、トナー中に多量に使用されても樹脂
との混練状態が良く、分級後のトナーの粒度分布が均一
であり、トナー粒径を小さくすることができるマグネタ
イト粒子粉末及びその製造方法並びに該マグネタイト粒
子粉末を含む磁性トナーを提供すること。 【構成】 球状マグネタイト粒子粉末は、平均粒径が
0.08〜0.2μm、比表面積が5〜20m2 /gで
あり、ケイ素(Si)を鉄(Fe)に対して0.1〜
3.0原子%含有し、且つ低磁場(1K Oe )における飽
和磁束密度(σs)が65emu/g以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球状マグネタイト粒子粉
末及びその製造方法並びに球状マグネタイトを含む磁性
トナー、詳しくは、従来の電子写真、静電記録、静電複
写機及びレーザープリンター等における鮮明な複写画像
や高解像度の画像を得るために必要な小粒径トナーの製
造において必要とされる、低磁場中での飽和磁束密度
(σs)が高く分散性に優れ、トナー中に多量に使用さ
れても樹脂との混練状態が良く、分級後のトナーの粒度
分布が均一であり、トナー粒径を小さくすることができ
るマグネタイト粒子粉末及びその製造方法並びに該マグ
ネタイト粒子粉末を含む磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子写
真、静電記録、静電複写機及びレーザープリンター等に
おける鮮明な複写画像や高解像度の画像を得るために必
要な小粒径トナーの製造において、従来からマグネタイ
ト粒子粉末が使用されているが、一般的には、該マグネ
タイト粒子粉末の粒子形状は、立方体形、八面体形及び
不定形のため分散性に劣ると言う欠点を有しており更
に、低磁場中での飽和磁束密度(σs)が低いことから
上記マグネタイト粒子粉末は、トナー中に多量に使用さ
れなければならない。このことは、上記小粒径トナーの
製造をより困難なものにするだけでなく、上記トナー中
への上記マグネタイト粒子粉末の分散をも困難にするた
め上記トナー中のマグネタイト含有量は、不均一になっ
てしまう。
【0003】しかしながら、鮮明な複写画像や高解像度
の画像を得るために磁性トナー用に使用される物質は、
小粒径で粒度分布が狭く分散性に優れていることが必要
とされるが、従来のマグネタイト粒子粉末の立方状や八
面体及び不定型粒子は、その残留磁化(σr)の値が大
きいことも二次凝集を起こし易くする原因と考えられ、
樹脂中への分散が悪くなる原因である。また、上記磁性
トナー中のマグネタイト粒子粉末の含有量が不均一とな
ると粉砕分級工程で粒度分布が不均一となる。
【0004】そのため、トナー中の磁気特性の不均一化
や粒度分布の乱れが生じ、画像濃度やカブリの問題、更
にトナーの流動性やライフにも悪影響を及ぼすことにな
る。そこで、理想的なマグネタイト粒子粉末は、飽和磁
束密度(σs)が高く分散性に優れ、小粒径で球状を呈
すものが好ましいと考えられているが、今だにこれらの
条件を満たす磁性トナー用マグネタイト粒子粉末は提供
されていない。
【0005】従って、本発明の目的は、従来の電子写
真、静電記録、静電複写機及びレーザープリンター等に
おける鮮明な複写画像や高解像度の画像を得るために必
要な小粒径トナーの製造において必要とされる、低磁場
中での飽和磁束密度(σs)が高く分散性に優れ、トナ
ー中に多量に使用されても樹脂との混練状態が良く、分
級後のトナーの粒度分布が均一であり、トナー粒径を小
さくすることができるマグネタイト粒子粉末粉末及びそ
の製造方法並びに該マグネタイト粒子粉末粉末を含む磁
性トナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に使用する
鉄塩の種類、塩基の種類及びその組み合わせ反応条件に
より、粒子形状を異にするマグネタイト粒子粉末が生成
すること、即ち、第一鉄塩、アルカリ金属水酸化物及び
アルカリ金属炭酸塩の使用量を調節することにより、反
応系のPH値を調節し且つ反応過程における反応系の増
粘傾向を減少させ、酸化反応の時間を短くすることで、
マグネタイト粒子粉末の形状や大きさを調節し得ること
を知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、平均粒径が0.08〜0.2μm、比表面積が5
〜20m2 /gであり、ケイ素(Si)を鉄(Fe)に
対して0.1〜3.0原子%含有し、且つ低磁場(1K O
e )における飽和磁束密度(σs)が65emu/g以
上であることを特徴とする球状マグネタイト粒子粉末を
提供するものである。
【0007】また、本発明は、本発明の球状マグネタイ
ト粒子粉末の好ましい製造方法として、アルカリ金属水
酸化物及びアルカリ金属炭酸塩を含み更に、ケイ素(S
i)を反応に加えられる全鉄(Fe)量に対し0.1〜
3.0原子%含む混合溶液に、塩化第一鉄を反応に加え
られる全第一鉄塩に対しモル比で0.1〜0.5含み、
且つ塩化第二鉄を上記塩化第一鉄に対しモル比で1.0
〜5.0を含む混合溶液を加え、マグネタイトの種晶を
生成させ、次いで、反応に加えられる全第一鉄塩に対し
モル比で0.5〜0.95となる量の塩化第一鉄を含む
溶液を加えて反応系のPH値を9.0〜12.5とし、
反応温度を80〜100℃に保持しながら、酸化性ガス
を吹き込み、マグネタイト粒子を生成させ、然る後、濾
過、水洗、乾燥及び粉砕を行うことを特徴とするマグネ
タイト粒子粉末の製造方法を提供するものである。
【0008】本発明の球状マグネタイト粒子粉末の製造
方法において、上記反応系のPH値は、第一鉄塩、アル
カリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩それぞれのモ
ル比によって調節され、該モル比は正確を要する。即
ち、反応に加えられる第一鉄塩、アルカりリ金属水酸
化物及びアルカリ金属炭酸塩のモル比をそれぞれ1.
0:0.5〜1.5:1.0〜3.0とし、一次反応
に用いられる第一鉄塩及び第二鉄塩のモル比はそれぞれ
1.0:1.0〜5.0で反応中の反応系のPH値は
9.0〜12.5の範囲に保つことが重要でこの時に生
成するマグネタイト粒子粉末の形状は多面体形である
が、これを更に微細化することで該マグネタイト粒子粉
末の形状は、球状になる。
【0009】以下、本発明のマグネタイト粒子粉末の製
造方法の好ましい実施態様について詳述する。ガス通気
管を有する攪拌式酸化反応槽の中に、空気(酸化性ガ
ス)を5〜10リットル/minの速度で通気しなが
ら、反応に加えられる全第一鉄塩、アルカリ金属水酸化
物及びアルカリ金属炭酸塩のモル比をそれぞれ1.0:
0.8〜1.1:1.0〜1.5とした混合溶液を加え
る。更に、上記反応槽の混合溶液中に、ケイ素(Si)
を反応に加えられる全鉄(Fe)量に対し0.1〜3.
0原子%含む様に加え、攪拌しながら該反応槽の温度を
80〜100℃に昇温させる。
【0010】次に、一次反応として、別に用意した塩化
第一鉄を、反応に加えられる全第一鉄塩に対しモル比で
0.1〜0.5含み、且つ塩化第二鉄を上記塩化第一鉄
に対しモル比で1.0〜5.0を含む混合溶液を、定量
ポンプを用いて上記反応槽の中に、5〜10分間程で滴
下してコロイド状またはゲル状のマグネタイトの種晶粒
子を生成させる。その後、上記反応槽の内部を空気から
窒素へ置換する。
【0011】この時、一次反応に用いられる上記塩化第
一鉄は、最終的に分散性に優れたマグネタイト粒子を製
造させるために、反応に加えられる全第一鉄塩に対しモ
ル比で0.1〜0.5とする。該モル比が0.1未満で
は、生成する上記マグネタイトの種晶粒子は、不定形又
はツブ状となり、また0.5超では、生成する上記マグ
ネタイトの種晶粒子は大きくなり、本発明における目的
に適さないものとなる。
【0012】上記一次反応における上記第一鉄塩及び上
記第二鉄塩のモル比は、それぞれ1.0:1.0〜5.
0であるが、マグネタイトのスピネル構造によるフェラ
イト組成を考慮すると、1.0:1.5〜3.0とする
のが更に好ましい。
【0013】また、一次反応用の上記混合溶液の滴下時
間を5分未満とすると、生成する上記マグネタイトの種
晶粒子はネックレス状で大きく分散性に劣るものとな
り、10分超とすると、生成する上記マグネタイトの種
晶粒子は微細になりすぎてコロイド状またはネックレス
状となり、いずれも好ましくない。
【0014】次に、2次反応として、反応に加えられる
全第一鉄塩に対しモル比で0.5〜0.95となる量の
塩化第一鉄を含む溶液を上記反応槽の中に加えて反応系
のPH値を9.0〜12.5とし、反応温度を80〜1
00℃に保持しながら約5〜10分間程攪拌した後、再
び上記反応槽の内部を窒素から酸化性ガスである空気へ
置換して酸化反応を再開し、マグネタイト粒子を生成さ
せる。然る後、上記マグネタイト粒子を常法により濾
過、水洗、乾燥及び粉砕し、最終生成物であるマグネタ
イト粒子粉末を得る。
【0015】この時の上記反応系のPH値は、反応過程
における上記反応系の増粘傾向を抑えるために9.0〜
12.5とする。また、2次反応である酸化反応全体の
時間は、2〜3時間とするのが好ましい。
【0016】上記酸化反応の速度は、酸化性ガス(空
気)の通気速度に依存し、該通気速度が速く酸化が速す
ぎると、生成するマグネタイト粒子は極微細な粒子とな
り、また上記通気速度が遅く酸化が遅すぎると、上記マ
グネタイト粒子は多面体形状を有する大きなものとな
る。
【0017】従って、生成するマグネタイト粒子粉末の
粒径及び大きさを磁性トナーに適したものにするために
は、酸化性ガスの上記通気速度は5〜10リットル/m
inとするのが好ましい。上記酸化性ガスとしては、空
気、酸素等が用いられる。
【0018】次に、本発明の球状マグネタイト粒子粉末
の製造方法において使用される反応物質について詳述す
る。本発明に使用されるアルカリ金属水酸化物及びアル
カリ金属炭酸塩としては、例えば苛性ソーダ及び炭酸ソ
ーダを挙げることができるが、特にこれらに限定される
ものではない。また、上記アルカリ金属水酸化物及びア
ルカリ金属炭酸塩それぞれの溶液の濃度は、通常のマグ
ネタイト粒子粉末の製造方法において使用される濃度と
同一で、0.5〜1.5mol/リットルである。
【0019】本発明に使用されるケイ(Si)素は、ケ
イ素(Si)化合物の形で用いられ、例えばNa2 Si
3 、Na2 SiO5 等のケイ酸塩、Si(OH)4
の水酸化物及びSiO2 等の酸化物等を挙げることがで
るが、特にこれらに限定されるものではない。
【0020】また、使用されるケイ素(Si)が、反応
に加えられる全鉄(Fe)量に対し、0.1原子%未満
では、最終生成物であるマグネタイト粒子粉末の形状は
大きくなり、また3.0原子%超では、上記マグネタイ
ト粒子粉末の形状が乱れてしまい本発明における目的に
適さないものとなる。
【0021】上述の本発明の球状マグネタイト粒子粉末
の製造方法によれば、平均粒径が0.08〜0.2μ
m、比表面積が5〜20m2 /gであり、ケイ素(S
i)を鉄(Fe)に対して0.1〜3.0原子%含有
し、且つ低磁場(1K Oe )における飽和磁束密度(σ
s)が65emu/g以上である球状マグネタイト粒子
粉末が得られる。上記の本発明のマグネタイト粒子粉末
は、ケイ素(Si)がマグネタイト粒子粉末の内部及び
表面上にあるため、分散性に優れ、樹脂キャリア等へ利
用することも可能である。
【0022】また、上記マグネタイト粒子粉末は、低磁
場(1K Oe )における飽和磁束密度(σs)が65em
u/g以上であり、そのため、トナー中の上記マグネタ
イト粒子粉末の含有量が通常のマグネタイト粒子粉末よ
り少なくても、従来の飽和磁束密度(σs)を維持する
ことができる。
【0023】本発明のマグネタイト粒子粉末の樹脂中へ
の分散性の評価は下記の方法により行った。即ち、常法
により2本加圧式熱ローラーでマグネタイト粒子粉末の
溶融混練を行い、ジェットミル式粉砕機及び分級機を用
いて、平均粒径10μmを有する磁性トナーを得た後、
この磁性トナーについて、市販の一成分系複写の現像液
ボックスを改良したものを用い、次のブラシ飛散法によ
り該磁性トナーの磁気分布を測定した。
【0024】ブラシ飛散法とは、マグローラの回転数を
可変式に改良し、磁性トナーの仕込み量を一定化させた
場合、回転数を速くすることで、磁力の弱いトナー(磁
性材の含有量が少ないトナー)は遠心力で飛ばされ、そ
の飛ばされた量とそのトナーの磁気を測定することによ
りトナー中のマグネタイトの分散性を計測する方法であ
る。つまり、上記ブラシ飛散法は、樹脂中へのマグネタ
イト粒子粉末の分散が悪い場合、個々のトナーの磁力が
異なるため、磁力の弱いトナーが早く飛ばされることを
利用した計測方法である。
【0025】上記計測方法を用いて本発明のマグネタイ
ト粒子粉末の樹脂中への分散性を評価した結果、本発明
のマグネタイト粒子粉末は、微細な粒子形状を呈してい
ながらも、その粒度分布は均一であり、粒子形状も球状
を呈しており且つ、ケイ素(Si)を内部及び表面上に
保有しているため分散性に優れ、小粒径トナーに必要な
条件である樹脂との混練状態が良く磁気特性も均一であ
った。そのため、製造されたトナー1個当たりのマグネ
タイト粒子粉末の含有量が均一化しているので、コピー
の画質及び解像度を向上させ、カブリやトナー飛散の恐
れもなく鮮明な複写画像が得られた。
【0026】
【実施例】以下、本発明の球状マグネタイト粒子粉末及
びその製造方法を、実施例及び比較例を挙げて更に具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。尚、下記実施例1〜4及び比較例1〜4で用いた
物質のそれぞれの反応量を〔表1〕に示す。
【0027】<実施例1>ガス通気管を有する内容積5
0リットルの攪拌式酸化反応槽の中に、空気を10リッ
トル/minの速度で通気させながら固形の苛性ソーダ
0.64Kg及び炭酸ソーダ2.544Kgを水22.
5リットルに溶解し、更にケイ素(Si)化合物60g
を溶解し攪拌しながら反応槽の温度を90〜100℃に
昇温させた。次に一次反応として、別に用意した濃度4
25g/リットルの種晶用塩化第一鉄溶液717mlび
濃度510g/リットルの塩化第二鉄溶液1304ml
を含む混合溶液に水を混合し、全量を2.5リットルと
した混合溶液を、定量ポンプを用いて上記反応槽の中に
約7分間程で滴下してコロイド状またはゲルじょうのマ
グネタイトの種晶粒子を生成させた後、上記反応槽の内
部を空気から窒素へ置換した。次に2次反応として、濃
度425g/リットルの塩化第一鉄溶液4046mlに
水を混合し、全量を15リットルとした塩化第一鉄溶液
を、上記反応槽の中に加えてPH値を9.0〜12.5
とし、反応温度を80〜100℃に保持しながら約5分
間程攪拌した。その後、上記反応槽の内部に空気を10
リットル/minの速度で通気し、上記反応槽の内部を
窒素から空気へ置換して酸化反応を再開し、マグネタイ
ト粒子を生成した。この際の2次反応全体の時間を、約
2.5時間程度とした。
【0028】然る後、上記方法で製造したマグネタイト
粒子粉末を常法により濾過、水洗、乾燥及び粉砕し、ブ
ラシ飛散法を用いて生成したマグネタイト粒子粉末の樹
脂中への分散性を評価した。その結果を〔表2〕に示
し、また上記マグネタイト粒子粉末の粒子構造を図1に
示す。表2の結果から明らかな様に、上記マグネタイト
粒子粉末は、平均粒径が0.16μm、比表面積が1
1.1m2 /gであり、ケイ素(Si)を鉄(Fe)に
対して2.4原子%含有し、且つ低磁場(1K Oe )にお
ける飽和磁束密度(σs)が70.1emu/gであっ
た。また、図1の結果から明らかな様に、上記マグネタ
イト粒子粉末の形状は、球形を呈していた。
【0029】<実施例2〜4>ケイ素(Si)化合物の
添加量を変えた以外は、それぞれ実施例1と同様の反応
条件で反応させ、微細化することにより球形を呈したマ
グネタイト粒子粉末を製造し、実施例1と同様にして上
記マグネタイト粒子粉末の樹脂中への分散性を評価し
た。その結果を〔表2〕に示す。表2の結果から明らか
な様に、それぞれの実施例において製造されたマグネタ
イト粒子粉末は、どれも平均粒径が0.08〜0.2μ
mと小さく球形を呈し、比表面積が5〜20m2 /gで
あり、且つ低磁場(1K Oe )における飽和磁束密度(σ
s)が65emu/g以上であった。
【0030】<比較例1>塩化第一鉄溶液及び塩化第二
鉄溶液を含む混合溶液の滴下を省略し、2次反応として
濃度425g/リットルの塩化第一鉄溶液4760ml
に水を混合し、全量を15リットルとした塩化第一鉄溶
液を、反応槽の中に加えた以外は、実施例1と同様の反
応条件で反応させ、マグネタイト粒子粉末を製造し、実
施例1と同様にして上記マグネタイト粒子粉末の樹脂中
への分散性を評価した。その結果を〔表2〕に示し、上
記マグネタイト粒子粉末の粒子構造を図2に示す。表2
の結果から明らかな様に、上記マグネタイト粒子粉末
は、低磁場(1K Oe)における飽和磁束密度(σs)が
62.3emu/gと低かった。また、図2の結果から
明らかな様に、上記マグネタイト粒子粉末の形状は、八
面体形を呈していた。
【0031】<比較例2>炭酸ソーダの添加を省略した
以外は実施例1と同様の反応条件で反応させ、マグネタ
イト粒子粉末を製造し、実施例1と同様にして上記マグ
ネタイト粒子粉末の樹脂中への分散性を評価した。その
結果を〔表2〕に示す。表2の結果から明らかな様に、
上記マグネタイト粒子粉末は、平均粒径が0.11〜
0.3μmであり粒度分布が不均一で、低磁場(1K Oe
)における飽和磁束密度(σs)も61.8emu/
gと低かった。また、上記マグネタイト粒子粉末の形状
は、不定形を呈していた。
【0032】<比較例3>炭酸ソーダの添加及び2次反
応の際の反応槽の内部の空気から窒素への置換を省略
し、2次反応として濃度425g/リットルの塩化第一
鉄溶液4760mlに水を混合し、全量を15リットル
とした塩化第一鉄溶液を、上記反応槽の中に加えた以外
は、実施例1と同様の反応条件で反応させマグネタイト
粒子粉末を製造し、実施例1と同様にして上記マグネタ
イト粒子粉末の樹脂中への分散性を評価した。その結果
を〔表2〕に示す。表2の結果から明らかな様に、上記
マグネタイト粒子粉末は、平均粒径が0.10〜0.3
μmであり粒度分布が不均一で、低磁場(1K Oe )にお
ける飽和磁束密度(σs)も60.6emu/gと低か
った。また、上記マグネタイト粒子粉末の形状は、八面
体を呈しており更に、形状が針状を呈するものも生成し
ていた。
【0033】<比較例4>ケイ素(Si)化合物の添加
を省略した以外は、実施例1と同様の反応条件で反応さ
せマグネタイト粒子粉末を製造し、実施例1と同様にし
て上記マグネタイト粒子粉末の樹脂中への分散性を評価
した。その結果を〔表2〕に示す。表2の結果から明ら
かな様に、上記マグネタイト粒子粉末は、平均粒径が
0.10〜0.3μmであり粒度分布が不均一で、低磁
場(1K Oe )における飽和磁束密度(σs)も50.8
emu/gと低かった。また、上記マグネタイトは、形
状が八面体を呈していた。
【0034】
【表1】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の球状マグネタイト粒子粉末及び
その製造方法並びに球状マグネタイトを含む磁性トナー
は、電子写真、静電記録、静電複写機及びレーザープリ
ンター等における鮮明な複写画像や高解像度の画像を得
るために必要な小粒径トナーの製造において必要とされ
る、低磁場中での飽和磁束密度(σs)が高く分散性に
優れ、トナー中に多量に使用されても樹脂との混練状態
が良く、分級後のトナーの粒度分布が均一であり、トナ
ー粒径を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1において製造された
マグネタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
である。
【図2】図2は、比較例1において製造されたマグネタ
イト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.08〜0.2μm、比表
    面積が5〜20m2/gであり、ケイ素(Si)を鉄
    (Fe)に対して0.1〜3.0原子%含有し、且つ低
    磁場(1K Oe )における飽和磁束密度(σs)が65e
    mu/g以上であることを特徴とする球状マグネタイト
    粒子粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の球状マグネタイト粒子粉
    末の製造方法であって、アルカリ金属水酸化物及びアル
    カリ金属炭酸塩を含み更に、ケイ素(Si)を反応に加
    えられる全鉄(Fe)量に対し0.1〜3.0原子%含
    む混合溶液に、塩化第一鉄を反応に加えられる全第一鉄
    塩に対しモル比で0.1〜0.5含み、且つ塩化第二鉄
    を上記塩化第一鉄に対しモル比で1.0〜5.0を含む
    混合溶液を加え、マグネタイトの種晶を生成させ、次い
    で、反応に加えられる全第一鉄塩に対しモル比で0.5
    〜0.95となる量の塩化第一鉄を含む溶液を加えて反
    応系のPH値を9.0〜12.5とし、反応温度を80
    〜100℃に保持しながら、酸化性ガスを吹き込み、マ
    グネタイト粒子を生成させ、然る後、濾過、水洗、乾燥
    及び粉砕を行うことを特徴とするマグネタイト粒子粉末
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のマグネタイト粒子粉末を
    含むことを特徴とするトナー。
JP5134892A 1993-06-04 1993-06-04 球状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法並びに球状マグネタイトを含む磁性トナー Expired - Fee Related JP2634366B2 (ja)

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JP2002128523A (ja) * 2000-10-17 2002-05-09 Rikogaku Shinkokai フェライト微粒子の製造方法
JP2009012987A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 酸化鉄粒子粉末

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