JPH0634493Y2 - デツキプレ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はデッキプレートに係り、特に鉄筋コンクリート
床版の建設に使用されるフラット型デッキプレートの改
良に関するものである。

＜従来の技術＞ 近年、鉄筋コンクリート床版を構築する方法として、型
枠内にコンクリートを打設し、この後、型枠を撤去する
従来法に代わり、型枠を撤去することなく、コンクリー
トに一体的に埋設する所謂捨型枠法が普及してきた。そ
の中でも、フラット型デッキプレートは、凹凸波形状の
デッキプレートと異なり、デッキ面が梁面と水平に取り
付けられるので、「かぶり厚」を確保出来、梁面より立
設のスタットボルトの高さを低く出来、各階高をも低く
することが出来る特徴を有している。

又スラブ下面に突き出た補強部をスラブ配管の取付基盤
とすることも出来る効果も有している。

この種のデッキプレートとしては例えば特公昭42−1855
9号公報，同61−56739号公報，特開昭58−24064号公
報，同60−68119号公報，同60−199147号公報，同60−2
33253号公報等に示す如く種々の構造のものが開発され
ている。

これ等の従来のフラット型デッキプレートの基本的構造
を要約すると、第８図に示す断面が三角形状の補強リブ
２を有するデッキプレート１と、第９図に示す垂直部４
を三角形補強リブ２の上部に連設した垂直部付補強リブ
型デッキプレート1aとの二つのタイプに要約することが
出来る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 然るに前者の場合はデッキプレート１の三角形補強リブ
２の頂点部３が開放されてフリーになっているので、全
体が不安定であり、作業時にペラペラして揺れたり、変
形したり、この頂点部３が開いたままになってよじれが
生じたりする問題があり、かつ頂点部３が運搬等で擦れ
て錆が発生する原因ともなっていた。

又後者の場合は前述の問題は解決出来るが、しかし、こ
の場合には、三角形補強リブ２の下底部等が自在に変形
するので応力がこの溶接された垂直部４に集中し、この
溶接された部分で破断する恐れがあった。かつこの後者
の場合には一端縁に設けた折曲係止縁５を挿入する為の
隙間が垂直部４に存在しないので、並列したデッキプレ
ートを相互に連結することが困難であった。

更に前者及び後者に共通する問題点としては補強リブ２
の底面が単に一定の角度で折曲げられたに過ぎず、従っ
て折り重なり部又は固定部が存在しないので安定性が無
く、外力によって簡単に変形する問題があり、更に折曲
係止縁５を用いて並列したデッキプレートを相互に連結
した場合にはこの連結部が他のプレートの上表面より高
く突出してしまう等の問題があった。

本考案に係るデッキプレートは従来のこれ等の点に鑑み
開発された全く新規な技術に関するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案に係るデッキプレートは水平板９の下方に複数個
の三角形補強リブ７を突設して構成したデッキプレート
６に於いて、該補強リブ７に溶接用垂直部10を設け、か
つ補強リブ７の底部両隅部に偏平重合鍔部８を設け一側
部の該垂直部10の上部に係止縁12が嵌入係止し得る嵌入
受溝13を設け、かつこれに連続する端縁を他の部分より
低く形成し、更に前記水平板９に多数の凹凸溝14を相互
に位置をずらせて設けて構成したことを特徴としたもの
である。

＜作用＞ 本考案に於いては断面三角形補強リブの底部両隅部に偏
平重合鍔部を設けたので、補強リブの底部が応力に対応
して変形することを防止し、補強リブを強固にすること
が出来、これによって応力に対するデッキプレート全体
の撓みを著しく少なくして溶接した垂直部に於ける破断
を防止することが出来、一端部の垂直部に折曲係止縁を
嵌入係止し得る嵌入受溝を設けたので、係止縁はこの嵌
入受溝に簡単にかつ安定した状態で嵌着することが出
来、かつこの嵌入受溝に連続するデッキプレートの端縁
をプレートの厚みとほぼ等しい高さで他の部分より低く
形成したので、並列したデッキプレートを連結した場合
に、この連結部を他の部分と同一の高さに構成すること
が出来、更に多数の凹凸溝を隣接する位置が相互にずれ
る如く複数列に配列して設けたので、この上に打設した
コンクリートとの密着を良くし、これによってひび割れ
を防止することが出来る。

＜実施例＞ 図により本考案に係るデッキプレートの一実施例を具体
的に説明すると、第１図乃至第７図に於いて、６は本考
案に係るデッキプレートであって、その下面には三列の
断面三角形補強リブ７が所定の間隔を保って設けられて
いる。又この補強リブ７は特に第６図に明らかな如く、
その底部両隅部が完全に押しつぶされた偏平重合鍔部８
が夫々設けられ、かつこの補強リブ７の上部には水平板
９に連続する垂直部10が設けられ、この垂直部10は左右
パネルが相互にスポット溶接されている。又補強リブ７
の底部中央には特に第６図及び第７図に明らかな如く、
水抜スリット11が穿設されている。更に前記垂直部10の
内の図に於いて一番左列の垂直部10の上部には右端縁の
下方向に垂直に折り曲げられた折曲係止縁12を嵌入係止
し得る嵌入受溝13が設けられ、更に前記補強リブ７間に
ある３列の水平板９には多数の補強用の凹凸溝14が夫々
所定の間隔を保って配列されている。この多数の凹凸溝
14の配列に当たっては上下に配設された凹凸溝14の間隔
をａとすると、第１列目，第２列目，第３列目に夫々配
列される多数の凹凸溝14が夫々相互に３分の1aずつずれ
るように配列されている。

＜考案の効果＞ 本考案に係るデッキプレートは上述の如く、数列の補強
リブを設けると共にその補強リブの底部両隅部に偏平重
合鍔部を設けたので、この底部両隅部を固定して安定さ
せることが出来、これによって補強リブ及びその周りが
外圧によって簡単に変形することなく、従って、補強リ
ブの上部の垂直部に応力がかかってもこの溶接された部
分が破断したり、或いはデッキプレート全体が作業時或
いはその上を歩行した際にぺこぺこ変形したりすること
なく、かつ一側部の垂直部に沿って嵌入受溝を設けたの
で、並列された他のデッキプレートの折曲係止縁をこの
部分に嵌入係止することによってデッキプレートを相互
に簡単に連結することが出来、又この嵌入受溝に連設す
る端縁は他の平板部分より肉厚分低く形成されているの
で、デッキプレートを相互に連結した際に連結部には段
差がなく、全体を平滑に構成出来るので、作業者がその
上を歩いても安全であると共にコンクリートも平らに同
一の厚さに打設することが出来、かつ水抜スリットが設
けられているのでコンクリート打設の際の不要な水等を
自動的に抜き取ることが出来、更に前述の如く、多数の
凹凸溝が隣接する各列毎に所定の割合でずれて配設され
ているので、コンクリートとの喰い付きも良く、ひび割
れが発生する恐れもなく、全体として強固であり、撓み
もない耐久性の高い安定した床を構成することが出来る
等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るデッキプレートの斜視図、第２図
はその裏面図、第３図乃至第７図はその要部を示す説明
図、第８図及び第９図は夫々従来例を示す説明図であ
る。 1,1a,6はデッキプレート、2,7は補強リブ、4,10は垂直
部、5,12は折曲係止縁、８は鍔部、９は水平板、11は水
抜スリット、13は嵌入受溝、14は凹凸溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平板９の下方に複数個の三角形補強リブ
   ７を突設して構成したデッキプレート６に於いて、該補
   強リブ７に溶接用垂直部10を設け、かつ補強リブ７の底
   部両隅部に偏平重合鍔部８を設け一側部の該垂直部10の
   上部に係止縁12が嵌入係止し得る嵌入受溝13を設け、か
   つこれに連続する端縁を他の部分より低く形成し、更に
   前記水平板９に多数の凹凸溝14を相互に位置をずらせて
   設けて構成したことを特徴としたデッキプレート。