JPH06344097A - タンディッシュの電気加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、安定した操業が維持できると共
に、保守・点検も容易なタンディッシュの電気加熱装置
を得ることを目的とする。 【要約】 タンディッシュから鋳型に連続的に溶湯を注入し、鋳型
の底部から連続的に半凝固状の鋳片を引き抜くようにし
た連続鋳造機の、前記タンディッシュの上部に陽極電
極、望ましくは、プラズマトーチを設けると共に、鋳型
を陰極電極としたタンディッシュの電気加熱装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、タンディッシュから
鋳型に連続的に溶湯を注入し、鋳型の底部から連続的に
半凝固状の鋳片を引き抜くようにした連続鋳造機のタン
ディッシュ内の溶湯を加熱するタンディッシュの電気加
熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、鋳型に注入する前にタンディ
ッシュ内の溶湯４’を保温、或は温度調節のために加熱
すべくタンディッシュに電気的な加熱装置を設けたもの
は知られている。

【０００３】従来の、この種のタンディッシュの加熱装
置は、例えば、図４に示すように、タンディッシュ１’
の上部にプラズマトーチ（陽極電極）１１’を設けると
共に、タンディッシュ１’に内張りした耐火物３’を貫
通させてカーボンレンガ等の導電性材料（陰極電極）２
０を埋設し、タンディッシュ１’の鉄皮２’を介して該
導電性材料を電源に接続したもの。

【０００４】或は、前記実開平３−１２０９４６号に記
載されている如く、タンディッシュの上部に陽極電極を
設けると共に、タンディッシュに内張りした耐火物内に
陰極電極（導電性金属材料）を、その一端がタンディッ
シュの底部内面に露出し、かつ、他端がタンディッシュ
の上面に露出するように埋設し、タンディッシュの上面
に露出した導電性金属材料を電源に接続したもの等であ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記した従来のタンデ
ィッシュの電気的な加熱装置は、何れも、タンディッシ
ュの上部に一方の電極、即ち、陽極を設け、タンディッ
シュ本体側に他方の電極、即ち、陰極を設けたものであ
る。

【０００６】従って、前記した従来のタンディッシュの
電気的な加熱装置では、陰極電極はタンディッシュに内
張りした耐火物の底部内面に露出させて設けられてお
り、その露出部は常にタンディッシュに注入した溶湯に
接触するため、繰り返して使用すると、前記露出部に溶
湯中のスラグが付着して導電性が悪化し、甚だしきは絶
縁されてしまい通電できなくなってしまう。このため、
頻繁な保守・点検が必要であると共に、操業トラブルの
発生原因にもなっていた。

【０００７】また、タンディッシュに内張りした耐火物
中に、該耐火物とは異種の材料であるカーボンレンガ等
の導電性材料或は、導電性金属材料等を埋設しているた
め、耐火物と埋設材料との熱膨張係数が等しい場合には
然程問題は無いが、異なる場合、熱膨張の差によって繰
り返し使用により耐火物と埋設材料とが剥離して湯差し
の原因となったり、耐火物に亀裂を発生させる原因にも
なる。等の不具合があった。

【０００８】この発明は前記課題を解決するためになし
たもので、安定した操業が維持できると共に、保守・点
検も容易なタンディッシュの電気加熱装置を得ることを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明によれば、タン
ディッシュから鋳型に連続的に溶湯を注入し、鋳型の底
部から連続的に半凝固状の鋳片を引き抜くようにした連
続鋳造機のタンディッシュの上部に陽極電極、望ましく
は、プラズマトーチを設けると共に、鋳型に電源ケーブ
ルを接続して陰極電極としたタンディッシュの電気加熱
装置を得ることができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例に沿い説
明する。図１において、１はタンディッシュで、鉄皮２
と、該鉄皮２の内周面に内張りした耐火レンガ等の耐火
材３により形成されており、内部に鉄等の溶湯４を装入
できるようになっている。該タンディッシュ１の上部に
はタンディッシュカバー５が被冠されており、また、底
部にはスライディングノズル６を介して浸漬ノズル７が
連接されている。

【００１１】８はタンディッシュ１の下方に設けられた
鋳型で、前記浸漬ノズル７は該鋳型８内に侵入するよう
に設けられており、前記タンディッシュ１から鋳型８に
溶湯４を注入した場合、浸漬ノズル７の先端部は鋳型８
に注入した溶湯中に浸漬されるようになってる。９は前
記鋳型８から引き抜かれた鋳片、１０は該鋳片９を案内
するためのガイドロール群である。

【００１２】以上の構成は従来より公知のものである
が、本発明では以下の構成が付加されている。前記タン
ディッシュ１の上部には、タンディッシュカバー５を貫
通してプラズマトーチ等の陽極電極１１が設けられてい
る。また、前記鋳型８の外側面には対極接触板１２ａ，
１２ｂを介して電源ケーブル１３が接続されている。１
４は制御盤である。

【００１３】次に、図２及び図３を併せて参照して、鋳
型８と電源ケ−ブル１３との接続手段について説明す
る。前記鋳型８は鋳型振動テーブル１５上に載置されて
おり、該鋳型８は、鋳型振動テーブル１５に固定した鋳
型芯出し用ストッバ１６にボルト１７或は図示しない油
圧シリンダ等によって押し付けた状態で固定することに
より、鋳型振動テーブル１５上に位置決めし固定される
ようになっている。

【００１４】また、前記対極接触板１２ａ，１２ｂのう
ち、一方（１２ａ）は前記鋳型８の鋳型芯出し用ストッ
バ１６側の外側面に固定されており、電源ケーブル１３
に接続した他方（１２ｂ）は鋳型振動テーブル１５上に
固定したブラケット１８にバネ１９を介して支持されて
いる。従って、鋳型振動テーブル１５に鋳型８を位置決
めし固定すると同時に対極接触板１２ａと１２ｂもバネ
１９で設定される所定の接触面圧を持って接続されるよ
うになっている。

【００１５】なお、本実施例では、陽極電極としてプラ
ズマトーチを用いた例について説明したが、これは、直
流用のカーボン電極等でも良い。また、対極接触板１２
ａと１２ｂの接続手段についても公知の種々の手段に置
換可能であるが、前記した実施例の方法を採用すれば鋳
型の位置決めと固定とを同時に行い得る点で簡便であ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上の通り、この発明によれば、タンデ
ィッシュの電気加熱装置の一方の電極（陰極電極）を鋳
型としたので、従来装置のようにタンディッシュに内張
りした耐火物に電極材料を埋設する必要が無く、タンデ
ィッシュの構造が簡単になる。しかも、タンディッシュ
に電極材料を埋設した場合、電極材料の一端はタンディ
ッシュの内面に露出させざるを得ず、この露出部にスラ
グが付着して導電性を劣化させるため頻繁な保守・点検
を必要とすると共に、耐火物と該耐火物中に埋設した電
極材料との熱膨張率を等しくすることは殆ど不可能であ
り、熱膨張率の差によって生じる耐火物中と電極材料と
の剥離、或は耐火物の割れ、およびその結果生じる湯差
し等が発生し、操業上及びメンテナンス上、危険かつ、
繁雑な作業を必要としていたが、本発明によれば、単に
鋳型に電源ケーブルを接続するだけで良く、前記の従来
装置の問題点は一挙に解決できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す概略正断面図である。

【図２】本発明の鋳型と電源ケ−ブルとの接続手段の一
例を示す正断面である。

【図３】図２の平面図である。

【図４】従来装置の一例を示す概略側面図である。

【符号の説明】

１ タンディッシュ ４ 溶湯 ５ タンディッシュカバー ６ スライディングノズル ７ 浸漬ノズル ８ 鋳型 ９ 鋳片 １１ 陽極電極（プラズマトーチ） １２ａ，１２ｂ 対極接触板 １３ 電源ケーブル １５ 鋳型振動テーブル １６ 鋳型芯出し用ストッバ １７ ボルト １８ ブラケット １９ バネ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タンディッシュから鋳型に連続的に溶湯
   を注入し、鋳型の底部から連続的に半凝固状の鋳片を引
   き抜くようにした連続鋳造機において、前記タンディッ
   シュの上部に陽極電極を設けると共に、鋳型を陰極電極
   としたことを特徴とするタンディッシュの電気加熱装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の陽極電極はプラズマト
   ーチであることを特徴とするタンディッシュの電気加熱
   装置。