JPH0634394B2 - 照明灯及びブラインドの自動制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビル管理用プロセッサによって館内を集中管
理できるようにしたインテリジェントビルに用いられる
館内集中管理装置などに適用して好適な照明灯及びブラ
インドの自動制御装置に関する。

〔従来の技術〕

事務所、ホテル等の構築物内に設けられた部屋の照明
は、部屋全体を一定照度で照明するか、部分的に照明す
るか、のいずれかが多く、通常、照明灯の近傍の壁、柱
等に設けられたスイッチが手動操作されることによって
点灯または消灯される。このため、スイッチの設置され
た場所を確認することが容易でなかったり、その部所を
退出するときに照明灯を消し忘れることがしばしば生ず
る。さらに、入室者が存在する領域のみを適切な照度で
照明することができないのが現状である。

また、スイッチ設置場所を確認する必要をなくすため、
携帯用の送信機に照明のスイッチを設け、このスイッチ
の操作に応じて信号を送信し照明灯の点消灯や調光を行
うようにしたようにした照明装置が提案されている（一
例として特開昭６０−５０８８９号公報、実開昭５８−
１５７９９６号公報等参照）。しかし、上記は手動操作
であるので前記領域のみを照明させるよう調光するため
の操作が煩雑であり、不要な照明を消し忘れる可能性が
ある。

一方、日射時に窓側からの採光をコントロールするため
に取付けられるブラインドに開しては、羽根の角度等の
制御はいずれも手動操作が殆どである。特開昭５９−７
３８０１号公報には、外光が室内に採り入れられるよう
にブラインドの角度を制御する照明装置が提案されてい
るが、日射による照度が不足している場合の部分的な照
明については考慮されていない。

このように、従来は室内の入室者が存在する領域のみを
照明する適切な照明を行ったり、入室者の移動や増減に
拘わらずこの適切な照明を保持することが困難であり、
照明電力の浪費にもつながっていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述した従来の問題点に鑑み、本発明では室内の必要領
域のみ照明できるように自動コントロールすると共に、
ブラインドの制御も併せて実行することにより、適切照
明、適切照度を保持して、照明電力を削減できるように
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本発明に係る照明灯及びブラ
インドの自動制御装置は、入室者に装着され自動的にコ
ード信号を発信するＩＤカードと、角度が調節可能な複
数の羽根を備え前記羽根の角度に応じて室内に入射する
太陽光量を調節するブラインドと、室内に設けられた照
明灯に対応して設置された複数の受信手段と、前記コー
ド信号を受信している受信手段に対応する照明灯を点灯
させコード信号を受信していない受信手段に対応する照
明灯を消灯させると共に、前記消灯した照明灯によって
照明される領域の照度が設定値となるように前記ブライ
ンドの羽根の角度を制御する制御手段と、を有してい
る。

〔作用〕

本発明では、自動的にコード信号を発信するＩＤカード
を入室者に装着させ、室内に設けられた照明灯に対応し
て複数の受信手段を設置し、コード信号を受信している
受信手段に対応する照明灯を点灯させ、コード信号を受
信していない受信手段に対応する照明灯を消灯させる。

このため、入室者の位置に対応する照明灯のみが点灯し
て部分的に照明が行われ、入室者の移動及び増減に伴っ
て自動的に照明パターンが変更されるので、入室者の存
在していない領域を照明することがなく、照明による消
費電力を低減することができる。

また、点灯した照明灯によって照明される領域の照度が
設定値となるようにブラインドの羽根の角度を制御する
ので、ブラインドによって採り入れられる外光を利用し
て照明を行うことができ、照明による消費電力をさらに
低減することができる。

〔実施例〕

第１図には本発明の実施例が適用されたインテリジェン
トビル１０が示されている。

このインテリジェントビル１０では、入館者は予め第２
図に示されるＩＤカード１２を所持して入館することが
義務づけられる。このＩＤカード１２は一例として合成
樹脂の薄肉板材から形成され、その表面に入館者の写真
１４が貼付され、この写真１４に対応した所属氏名等の
表示欄１６が設けられている。またこのＩＤカード１２
の裏面にはこのＩＤカード１２を胸ポケット等へ装着す
ることができるようにクリップ１８が設けられている。

このＩＤカード１２には第３図に示される回路が組み込
まれており、電源スイッチング部２０によって電源部２
２から演算部２４等の全回路へ通電され、この演算部２
４では受信部２６からの信号が演算され、自己のＩＤカ
ード１２のための呼出信号であるか否かが判断され、必
要時に報知部２８及び発信部３０が作動されてそれぞれ
外部への報知及び発信がなされるようになっている。

またこのＩＤカード１２では、常時は演算部２４の主回
路へ通電されておらず、外部からの呼び出し信号が受信
部２６で受信された場合にのみ電源スイッチング部２０
が作動して電源部２２により演算部２４の主回路を作動
させるようにすることにより、電源部２２の長寿命化を
図れる。

一例としてこの電源部２２は二枚の導電性プラスチック
フィルムの一方に二酸化マンガン粉末を、他方に亜鉛粉
末をそれぞれ塗布し、間に不織布を挟んで重ね合わした
構造の薄型のカード状電池が使用でき、また演算部２
４、受信部２６、報知部２８、発信部３０は一例として
薄肉のプラスチックカードにＩＣ装置を内蔵したＩＣカ
ードを用いることができる。

発信部３０は複数枚製作されるＩＤカード１２毎に異な
る周波数等の自己を特定するための信号を発信すること
ができ、報知部２８は受信部２６で受信される異なる種
類の受信信号に応じて異なる種類の報知信号を発するこ
とができる。例えばＩＤカード１２を所持した入館者に
呼び出し信号を伝える場合には、特定の部屋への呼び出
し信号、館内電話への呼び出し信号等の呼び出しの種類
に応じた信号を音色、周波数、信号周期等を変更して発
するようにスピーカへの出力信号を制御すればよい。

第１図は本発明に係る照明灯及びブラインドの自動制御
装置を上述した館内集中管理装置に適用した場合であっ
て、館内集中管理装置は上述したように、ＩＤカード１
２からのコード信号を受信して入館者数、入館位置を把
握し、コンピュータでの演算結果により、エレベータの
運行制御、室内の空調制御等を自動的にコントロールす
るような総合的な集中管理システムである。

まず、この集中管理システムについて説明する。

館内において集中管理すべき部所、例えば空調を制御す
べき部屋には、その天井などにアンテナ４０Ｃが設置さ
れ、ＩＤカード所持者の入室によって、このＩＤカード
１２から発信されたコード信号がアンテナ４０Ｃで受信
され、受信されたコード信号で無線機（ＴＲＴ）４２Ｃ
が動作して、そのコード信号がローカル無線コントロー
ル装置（ＬＲＣ）４４Ｃ、ローカルエリアネットワーク
（ＬＡＮ）４６を介して、セントラル無線コントロール
装置（ＣＲＣ）４８に送信され、コード信号を受信した
ＣＲＣ４８はビル管理用プロセッサ（ＧＰ）５０にこの
コード信号を送出する。

ＧＰ５０ではこのコード信号により、コード信号の受信
位置、入室者数等が演算され、そのデータは必要に応じ
てディスプレイ５２やプリンタ５４に供給されて、その
データが表示若しくはプリントアウトされる。ＧＰ５０
での演算結果より生成された空調制御データはＣＲＣ４
８、ＬＡＮ４６を介してビルコントロールリモートステ
ーション（ＳＲＳ）５６Ｃに供給されて、対応する空調
装置６０が制御される。

これによって、空調装置６０の室内送給空気の温度、湿
度、送風量等が自動的にコントロールされる。

この発明に係る照明灯Ｌの自動制御装置はこの集中管理
システムの一例として機能する。

第１図に示す実施例において、室内には複数の照明灯Ｌ
１〜Ｌ６が設置され、これら照明Ｌ１〜Ｌ６のうち、そ
の制御上の必要性から適当な領域に分割される。図で
は、３つのエリアＡ〜Ｃに分割される。

そして、各制御エリアＡ〜Ｃの照明灯群が独立に制御さ
れる。

制御エリアをこのように複数に分割するに伴って、夫々
の制御エリアＡ〜Ｃの対応する如く夫々自動制御率が設
けられる。自動制御率はＴＲＴ、ＬＲＣ、ＳＲＳを単位
とする。そのため、各制御エリアＡ〜Ｃごとにアンテナ
４０Ａ〜４０Ｃで設置され、これらアンテナ４０Ａ〜４
０Ｃで、入室者が所持するＩＤカード１２から発信され
たコード信号が受信される。

特定の制御エリアＡ〜Ｃ内のアンテナ４０Ａ〜４０Ｃが
夫々コード信号を受信すると、そのアンテナに接続され
たＴＲＴ４２Ａ〜４２Ｃから受信コード信号がＬＲＣ４
４Ａ〜４４Ｃ、ＬＡＮ４６、ＣＲＣ４８を介してＧＰ５
０に送信されたのち、特定の制御エリアＡ〜Ｃに設けら
れたＳＲＳ５６Ａ〜５６Ｃに制御データが送出される。

これによって、特定エリアの照明灯Ｌのみが点灯制御さ
れる。第１図の例ではＬ１〜Ｌ３の３個が点灯する。

入室者が退出すると、コード信号が消失するので、これ
がＧＰ５０で把持される結果、ＧＰ５０からの指令に基
づきＳＲＳ５６Ａ〜５６Ｃでは、直ちに若しくは所定の
時間が経過した後に照明灯が消灯制御される。

また、窓７０にはブラインド７２が取付けられ、このブ
ラインド７２の開閉、羽根の傾斜角度は制御装置７４で
制御される。制御装置７４への駆動制御信号は窓側に設
けられたＳＲＳ５６Ａで生成される。ＳＲＳ５６ＡはＧ
Ｐ５０で制御されるは勿論である。そして、窓７０の外
側には日射計７６が設けられ、日射データ（日射角度、
日射量等）がＳＲＳ５６Ａを介してＧＰ５０に送出され
る。

第４図は第１図に示した照明灯の自動制御装置の制御動
作の一例を示すフローチャートであって、初期制御モー
ド（ステップａ）では、室内の照明灯Ｌが残置灯（図示
せず）を除き全て消灯状態に制御され、またブラインド
７２は全閉状態に制御されている。

ステップｂで室内から発信されるコード信号の有無がチ
エツクされ、入室者がいないときにはステップａに戻
り、初期制御モードになされるが、入室者があり、所定
の席に直席すると、ＩＤカードからのコード信号がアン
テナ４０Ａ、４０Ｂで受信されるため、これによってス
テップｃに移り、制御エリアＡ、Ｂの照明灯Ｌ１〜Ｌ３
が消灯する。ただし、外光の採光量のみで充分な場合は
照明灯を消灯したままとする。

ＳＲＳ５６Ａでは日射計７６からのデータ受付け、ＧＰ
５０に送出し、制御エリアＡ、Ｂの照度が設定照度とな
るように（第５図参照）、ブラインド７２の開閉量及び
羽根の傾斜角度が制御されて採光量がコントロールされ
る（ステップｄ）。

入室者が退出すると、コード信号も消失するので、これ
がステップｂで検知されて、室内の照明灯Ｌが消灯し、
ブラインド７２も閉じられることになる。

〔発明が効果〕

以上のように本発明では、コード信号を自動的に発信す
るＩＤカードを入室者に装着させ、コード信号を受信し
ている受信手段に対応する照明灯を点灯させ、コード信
号を受信していない受信手段に対応する照明灯を消灯さ
せるようにしたので、室内の選択的照明が可能になって
適切照明を達成できる。これによって照明電力が削減さ
れ、省エネルギーを実現できる。

また、点灯した照明灯によって証明される領域の照度が
設定値となるようにブラインドの羽根の角度も併せて制
御したので、外光を適量取り入れて経済的に適切照度を
確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る照明灯及びブラインドの自動制御
装置の一例を示す系統図、第２図はＩＤカードの構成
図、第３図はＩＤカード内に組み込まれた回路計の系統
図、第４図は照明灯の制御動作の一例を示すフローチャ
ート、第５図は室内照度分布曲線を示す線図である。 Ａ〜Ｃ……制御エリア、 Ｌ１〜Ｌ６……照明灯、 ４０Ａ〜４０Ｃ……アンテナ、 ４２Ａ〜４２Ｃ……無線機（ＴＲＴ）、 ５０……ビル管理用プロセッサ（ＧＰ）、 ５６Ａ〜５６Ｃ……ビルコントロールリモートステーシ
ョン（ＳＲＳ）、 ７０……ブラインド、 ７６……日射計。

フロントページの続き (72)発明者 茂呂 隆 東京都中央区銀座８丁目21番１号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 中村 和義 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 黒田 喜代一 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電気 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−50889（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−73801（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−138799（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−6205（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−13603（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−165998（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−23991（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−157996（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−162587（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−103441（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入室者に装着され自動的にコード信号を発
   信するＩＤカードと、 角度が調節可能な複数の羽根を備え前記羽根の角度に応
   じて室内に入射する太陽光量を調節するブラインドと、 室内に設けられた照明灯に対応して設置された複数の受
   信手段と、 前記コード信号を受信している受信手段に対応する照明
   灯を点灯させコード信号を受信していない受信手段に対
   応する照明灯を消灯させると共に、前記点灯した照明灯
   によって照明される領域の照度が設定値となるように前
   記ブラインドの羽根の角度を制御する制御手段と、 を有する照明灯及びブラインドの自動制御装置。