JPH06343485A - 無水有機媒体内におけるスクロースエステル類の部位選択的酵素脱アシル化 - Google Patents
無水有機媒体内におけるスクロースエステル類の部位選択的酵素脱アシル化Info
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- JPH06343485A JPH06343485A JP6030927A JP3092794A JPH06343485A JP H06343485 A JPH06343485 A JP H06343485A JP 6030927 A JP6030927 A JP 6030927A JP 3092794 A JP3092794 A JP 3092794A JP H06343485 A JPH06343485 A JP H06343485A
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Abstract
類の部位選択的酵素脱アシル化。 【構成】 スクロースエステル類の酵素触媒脱アシル化
によるスクロースの部分アシル化誘導体の製造方法であ
り、この方法は、無水有機媒体の中で、オクタアシル化
スクロース、ヘプタアシル化スクロースおよびヘキサア
シル化スクロースから成る群から選択されるスクロース
エステルを、上記スクロースエステルの脱アシル化を触
媒し得る酵素または酵素類の組み合わせで処理すること
により、予め選択した一の位置または複数の位置に遊離
ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロー
ス誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化
スクロース誘導体を回収することを含んでいる。
Description
類を用いて部位選択的にスクロースエステル類を脱アシ
ル化する方法に関する。
クロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロ
ース(「スクラロース(sucralose)」)は、スクロー
スを用いこれの4,1’および6’位のヒドロキシルを
塩素で置換することによって誘導される。(この甘味料
の製造方法において、その4位の立体配置が反転してい
る、従ってこの化合物はガラクトスクロースである)。
これらの塩素原子をその所望の位置にのみ向かわせるの
が主要な合成上の課題である、と言うのは、置換される
ヒドロキシルは異なる反応性を示し、その2つは第一級
でありそして1つは第二級であるからである。その最終
生成物の6位にある第一級ヒドロキシルは未置換である
事が、この合成を更に複雑にしている。
されたルートを提供するものであり、ここで、これらの
エステル基は、そのスクロース分子上の予め決められた
位置に結合している。1つの態様において、本発明は、
スクラロースを製造する目的で用いられ得る4,2,
3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロース
(「4−PAS」)または6,2,3,3’,4’−ペ
ンタ−O−アセチルスクロース(「6−PAS」)か或
はこれらの両方への改良されたルートを提供する。4−
PASは容易に6−PASに転位し、これを塩素化した
あと脱アシル化することによって、スクラロースを製造
することができる。
の酵素触媒脱アシル化によるスクロースの部分アシル化
誘導体の製造方法を提供するものであり、ここで、上記
方法は、無水有機媒体(本文中に定義する如き)の中
で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロ
ースおよびヘキサアシル化スクロースから成る群から選
択されるスクロースエステルを、上記スクロースエステ
ルの脱アシル化を触媒し得る酵素または酵素類の組み合
わせで処理することにより、予め選択した一または複数
の位置に遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化さ
れたスクロース誘導体を生じさせた後、その得られる部
分脱アシル化スクロース誘導体を回収することを含んで
いる。
よび英国特許第2 224 504 A号)には、スクロースのオ
クタエステル類を水系媒体中で酵素的に脱アシル化する
ことによって種々の部分脱アシル化スクロースエステル
類を生じさせる方法が開示されている。
けるオクタ−O−アセチルスクロースの酵素的加水分解
によるヘプタ−、ヘキサ−および/またはペンタ−O−
アセチルスクロース類の製造が、Chang他、J. Carbohyd
rate Chemistry、 10(2)、 251-261 (1991)およびCarboh
ydrate Reserach、 222、 121-129 (1991);Kloosterman
他、 J. Carbohydrate Chemistry、 8(5)、 693-704 (198
9);Mentech他、 ヨーロッパ特許第0 357 476号(1990
年3月7日−フランス特許番号2 634 497号に相当);お
よびOng他、 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter
s、 2(2)、 161-164(1992)に開示されている。
であってもよい)内における炭水化物エステル類の部位
選択的酵素脱アシル化が一般的に開示されている。
8、 6421 (1986); W. J. Hennen他、 J. Org. Chem.、 53、
4939 (1988); J. Zemek他、 Coll. Czech. Chem. Commu
n.、 53、 1851 (1988); A. Ballesteros他、 Tetrahedro
n、 45、 7077 (1989); S. Tomic他、 Carbohydrate Res.、
210、 191 (1991);およびK. Kefurt他、 CarbohydrateR
es.、 223、 137 (1992)。
の酵素設計」、Biotechnol. Prog.、1992、 No. 8、 259-2
67およびA. M. Klibanov著「有機溶媒中で働く酵素
類」、Chemtech、 1986年6月、 354-359には、非水系で反
応を触媒する酵素類を用いることで得ることが可能な利
点が考察されている。
指示した意味を有する。
ロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロー
ス;SHeptaA=七酢酸スクロースもしくはヘプタ
−O−アセチルスクロース;SHexaA=六酢酸スク
ロースもしくはヘキサ−O−アセチルスクロース;6−
PAS=6,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチ
ルスクロース;4−PAS=4,2,3,3’,4’−
ペンタ−O−アセチルスクロース;4’−OHヘプタア
セテート=2,3,4,6,1’,3’,6’−ヘプタ
−O−アセチルスクロース;1’−OHヘプタアセテー
ト=2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−
アセチルスクロース;6’−OHヘプタアセテート=
2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロース;1’,6’−ジOHヘキサアセテート
=2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチル
スクロース;SOA=八酢酸スクロース;SOP=八プ
ロピオン酸スクロース;THF=テトラヒドロフラン;
2−メチルTHF=2−メチルテトラヒドロフラン;
2,5−ジメチルTHF=2,5−ジメチルテトラヒド
ロフラン;2,2,5,5−テトラメチルTHF=2,
2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン;および
CCl4=四塩化炭素。
応で用いる有機溶媒の体積を基準にして約1体積%以下
の水を含んでいる有機媒体を意味することを意図してお
り、ここで、該酵素に結合している水は排除する。更
に、この有機媒体が水に混和性を示さない化合物である
場合、本発明で用いる無水有機媒体は単相である(即
ち、何らかの水が存在している場合、この水は水相を生
じるに充分な割合では存在していない)ことを意図して
いる。
クタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロースお
よびヘキサアシル化スクロースから成る群から選択され
るスクロースエステルを、上記スクロースエステルの脱
アシル化を触媒し得る酵素または酵素類の組み合わせで
処理することにより、予め選択した一または複数の位置
に遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたス
クロース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱ア
シル化スクロース誘導体を回収することを含んでいる。
ステル類の中には、八−、七−および六酢酸スクロー
ス、八−、七−および六プロピオン酸スクロース、八
−、七−および六(n−もしくはs−酪酸)スクロー
ス、スクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ(α
−ハロアルカノエート類)、例えば八クロロ酢酸スクロ
ースおよび八フルオロ酢酸スクロースなど、スクロース
のトリハロアルカノエート類、例えばスクロースのオク
タ−、ヘプタ−およびヘキサ(トリクロロアセテート)
およびスクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ
(トリフルオロアセテート)、並びにスクロースの他の
オクタ−、ヘプタ−およびヘキサアシレート類およびハ
ロアルカノエート類があり、ここで、このアルカノエー
ト部分は約8個以下の炭素原子を有している。
法を実施するに有効であることが見いだされた有機溶媒
は、単独で用いられるか或は組み合わせて用いられるか
に拘らず、トルエン、ジイソプロピルエーテル、四塩化
炭素、エチレングリコールジメチルおよびジエチルエー
テル、アセトニトリル、アセトン、THF、シクロヘキ
サノン、2−メチルTHF、t−ブチルメチルおよびエ
チルエーテル、2,5−ジメチルTHF、シクロヘキサ
ノール、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、3−ヘプタ
ノン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルエー
テル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテ
ル、クロロホルム、ベンゼン、アニソール、フェネトー
ル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、
ジ−n−ブチルエーテル、並びに他の環状および非環状
有機溶媒であり、これらには、本発明の方法で用いるス
クロースエステル基質を溶かす炭化水素(脂肪族および
芳香族炭化水素の両方)、エーテル類、ケトン類、エス
テル類、アルコール類およびハロゲン化炭化水素が含ま
れる。1つの種類として、エーテル類が本発明の方法で
用いるに好適な有機溶媒であることが確認された。
反応媒体の中でまた求核剤を用いる。上記求核剤には、
水(水に混和性を示さない溶媒の場合、この媒体の中に
独立した水相を形成する量よりも少ない量である、さも
なくばこの有機溶媒の体積を基準にして1体積%以下の
量である)が含まれ、そして好適には、有機求核剤、例
えばアルコール類、アミン類、アミノアルコール類、チ
オール類およびオキシム類が含まれる。上記有機求核剤
の説明的例には、n−ブタノール、メタノール、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール、ジイソプロピル
アミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、
2−ピペリジンエタノール、n−ブチルチオール、ベン
ジルメルカプタン、チオフェノール、シスチン[3,
3’−ジチオビス(2−アミノプロピオン酸)]、アセ
トアルドキシム、アセトンオキシムおよびベンズアルド
キシムが含まれる。
例えばリパーゼ類、プロテアーゼ類、エステラーゼ類お
よびアミラーゼ類である。そのスクロース部分上の予め
選択した位置にあるエステル基を優先的に除去する目的
で、これらの酵素類を用いる。1つの面において、酵素
であるリパーゼAY30(カンジダ・シリンドラセア
(Candida cylindracea))を用いることで優先的に主
に4’位のエステル基そして二次的に1’位のエステル
基を除去する。プロテアーゼN(枯草菌(Bacillus sub
tilis))を用いて優先的に1’,4’および6’位の
エステル基を除去する。ブタのすい臓リパーゼを用いて
優先的に4’位のエステル基を除去する。アルカラーゼ
(バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformi
s))を用いて優先的に1’位のエステル基そして二次
的に6’位のエステル基を除去する。プロレザー(Prol
eather)(枯草菌(Bacillus subtilis))を用いて優先
的に1’位のエステル基そして二次的に6’位のエステ
ル基を除去する。リパーゼAP12(黒色アスペルギル
ス(Aspergillus niger))を用いて優先的に4位およ
び6位のエステル基を除去する。SP−435リパーゼ
(カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica))
を用いて優先的に主に6’位のエステル基そして二次的
に1’位のエステル基を除去する。
義した如く無水である。存在させ得る少量の水は、この
酵素を溶解させる量未満である。本発明の方法を無水媒
体(本文中に定義した如き)中で実施することにより下
記の利点が得られることを見い出した。
の溶解性が増大すること; 2. 望まれない脱アシル化が抑制されること; 3. この脱アシル化反応の部位選択性が増強されるこ
と; 4. この酵素を固定する必要がないことからこの方法
が簡単になること、例えばこの酵素は簡単な濾過でその
反応混合物から除去され得ること; 5. 生成物の単離がより容易なこと、例えば単に溶媒
を蒸発させることが、必要とされている全てである可能
性があること; 6. 微生物学的汚染の可能性が有意に低いこと;そし
て 7. 酵素類を溶解させるに充分な量の水が存在してい
ないことでこれらの酵素が示す熱安定性がより高いこ
と。
に脱アセチル化する能力に関して、幅広い種類の加水分
解酵素のスクリーニングを行った。我々の初期のスクリ
ーニング実験で評価したものの中でリパーゼAY30が
有意な活性を示した。酵素活性は、この酵素を取り巻い
ている水の殻が最小限であることに依存している。公知
の相対湿度(RH)を有する飽和塩水溶液の上でその乾
燥した酵素を平衡にすることによって、この酵素、即ち
それの活性に結合している水の量を調節することができ
る。有機溶媒の中に入っている酵素が示す触媒力を改良
する1つの方法は、正しいイオン状態でそれを用いるこ
とであることは知られている。これは一般に、この酵素
の最適pHにある緩衝液からこの酵素を凍結乾燥するか
或は沈澱させることによって達成される。本技術におけ
る一般的教示に一致して、pHを調整した緩衝液(製造
業者が指定している最適pHから±1のpH単位)から
他の酵素類の多くを沈澱させると有意な活性が得られる
ことを見い出した(表1参照)。
内の酵素活性に最適なpHである。
の生成物の分布を得た。
かに関して、それらが異なる溶媒中で示す活性を評価す
る実験を行った。数多くの無水溶媒の中で同じ酵素に触
媒させたSOA脱アセチル化実験を行った。24時間培
養した後の一定分量をHPLCで分析した。これらの溶
媒実験の結果を表2−5に示すが、これらは明らかに、
評価した各酵素が示す活性に対して溶媒が著しい影響を
与えることを表している。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数[Rekker著「疎水性フラグメント定数」(The Hydr
ophobic Fragmental Constant)、Elsevier、 Amsterdam
(1977)])。この表のlog P値は、Laane他、 Biotechno
l Bioeng. 30、 81 (1987)からのものである。
の生成物の分布を得た。
SOA中に少量の不純物が存在していたことによるもの
である。
びエトキシエタノールに関する公知log P値から見積も
った。
基当たり0.5単位を増分的に加えることによって見積
もった。
の六酢酸スクロースピークを干渉していたことからこの
値を報告しなかった。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
の生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち
1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.
5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこ
れを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
の生成物の分布を得た。1種の七酢酸スクロース
(Rt:8.1分)を検出した。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
の生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち
1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.
5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこ
れを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
果 アルカラーゼおよびリパーゼAY30をハイフロスーパ
ーセル(Hyflo SuperCell)の上に堆積させ、そしてこ
れを、いくつかの無水溶媒中のSOA脱アセチル化反応
用触媒として用いた。両方の固定化酵素を用いた時(表
6および7)、有利な溶媒効果が観察された。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
の生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち
1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.
5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこ
れを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
の生成物の分布を得た。
関する部位化学 この研究の重要な面は、SOAの酵素的脱アセチル化で
得られる全ての七、六および五酢酸スクロースの構造を
明白に帰属させることであった。Rathbone E.B.、 Carbo
hydr. Res.、 205、 402 (1990)が記述しているのと同様
にして、完全デュテリウムアセチル化した後、1H−N
MR分析することでこれらの構造の帰属を行った。リパ
ーゼAY30およびリパーゼII型を用いた表8(以
下)に示す結果を調べた結果、主要な脱アセチル化生成
物は4’−OHヘプタアセテートである。それとは対照
的に、プロテアーゼ類であるアルカラーゼおよびプロレ
ザーは、主に1’−位の脱アセチル化を生じさせ、そし
てある程度の反応がその6’−位に生じる。リパーゼA
P12を用いた脱アセチル化は、4−および6−OHヘ
プタアセテート類の両方を生じさせる一方、カンジダ・
アンタルクチカ由来のSP−435リパーゼは、1’−
OHヘプタアセテートと一緒に主に6’−OHヘプタア
セテートを生じさせる。最後に、プロテアーゼNは、ほ
とんど等モル混合物で1’−、4’−および6’−OH
ヘプタアセテート類を生じさせる。
して変換率が<6%であった他の酵素類(最適なpH)
は下記のものである:リパーゼCE(9.0);リパー
ゼAK(8.0);プロテアーゼM(6.0);リパー
ゼMAP10(7.0);キモトリプシン(8.0);
PCリパーゼ(5.0);MMリパーゼ(10.0);
プロテアーゼXXII型(8.0)。
これらの酵素は、示したpHの緩衝液から沈澱を生じ
た。この緩衝液のpHは、無水ジイソプロピルエーテル
内の酵素活性で見いだされた最適pHである。
酢酸スクロースの合計である。脱アセチル化は酵素が存
在していない場合全く生じなかった。
ル化した後、1H−NMR分析することにより、各酵素
反応の七酢酸スクロースの構造の帰属を行った。定量化
の目的で、この表ではHPLCにおける七酢酸スクロー
スのピーク高を用いた。
物に関する部位化学を、HPLC保持時間を基準にして
割り当てた。
6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの構造を下記の
事実から推論した。培養している間はHPLCで2種の
七酢酸スクロース類が検出されたが、カラムクロマトグ
ラフィーにかけた後では、2,3,6,1’,3’,
4’,6’−ヘプタ−O−アセチルのみが得られた。恐
らくは、この精製を行っている間に、起こり得る過程で
あることが知られている4位から6位へのアセチル移動
が起こったのであろう。
媒させた同じSOA脱アセチル化を、いくつかの求核剤
の存在下で実施し、その結果を表9に示す。アルカラー
ゼが触媒する反応では、求核剤としてメタノールまたは
ジイソプロピルアミンを用いることによって有意な変化
率の増大が達成された(求核剤を添加していない反応に
比較して少なくとも25%上昇した)一方、プロレザー
が触媒する反応では、シクロヘキサノール、ジイソプロ
ピルアミンおよびテトラメチルピペリジンを除く添加し
た全ての求核剤が同様な改良を与えた。リパーゼAP1
2が触媒する反応は、求核剤を存在させると、中間的な
変換率の改良を示した。
200mMである。SOAの脱アセチル化はこれらの酵
素なしでは全く生じなかった。
残存しているSOAに比較した時の得られる七酢酸スク
ロース類の合計で表す。
−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高で割った
2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロースのピーク高として、アルカラーゼおよび
プロレザー部位化学を定義する。
び1.0Mのメタノール存在下でアルカラーゼおよびリ
パーゼAP12に触媒させた反応において、全体変換率
に関して中程度の増強が達成された。プロレザーに触媒
させた反応で1.0Mのメタノールを用いると、注目す
べき120%の変換率上昇が得られた。1.0Mのn−
ブタノールまたはフェネチルアルコールを用いた時も同
様な結果が得られた。
残存しているSOAに比較した時の得られる七酢酸スク
ロース類の合計で表す。
−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高で割った
2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロースのピーク高として、アルカラーゼおよび
プロレザー部位化学を定義する。
8に示す酵素類の組み合わせを用い、SOAの4−、
1’−および6’−位または6−、1’−および6’−
位のエステル基の脱アセチル化を生じさせるに適当な上
記酵素類の組み合わせでSOAの同時もしくは逐次的処
理を行うことにより、4−PASおよび/または6−P
ASを製造した。
またはアルカラーゼ/リパーゼAP12が触媒するSO
Aの脱アセチル化による6−PASの合成 アルカラーゼ触媒によるSOAの脱アセチル化反応を大
規模で行った。(詳細は以下の実験セクションの中に示
す)。5日間培養を行った後、このアルカラーゼを濾過
で除去した。シリカゲルクロマトグラフィーでSOAの
脱アセチル化生成物を分離し、そして完全デュテリウム
アセチル化技術を用いて構造帰属を行った。2,3,
4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスク
ロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−
O−アセチルスクロースとの1対7混合物;2,3,
4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロー
ス;および6−PASがそれぞれ30%、7%および
0.5%収率で得られた。二者択一的に、リパーゼAP
12を用いて2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O
−アセチルスクロースを脱アシル化することによって4
−PASおよび/または6−PASを得ることができ
る。完全デュテリウムアセチル化技術を用いて、その得
られる五酢酸スクロース(HPLCで97%純度)を6
−PASとして同定した(収率:11%)。
ーテル中でプロレザーが触媒するSOAの脱アセチル化
による6−PASの合成 求核剤として1.0Mメタノールを用い、プロレザー触
媒によるSOAの脱アセチル化反応を大規模で行った。
(詳細は以下の実験セクションの中に示す)。5日間培
養を行った後、このプロレザーを濾過で除去した。シリ
カゲルクロマトグラフィーでSOA脱アセチル化生成物
を分離し、そして完全デュテリウムアセチル化技術を用
いて構造帰属を行った。2,3,4,6,1’,3’,
4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,
6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロー
スとの1対7混合物;2,3,4,6,3’,4’−ヘ
キサ−O−アセチルスクロース;および6−PASがそ
れぞれ48%、17%および2%収率で得られた。
ニング この研究の範囲および利用度を広げる目的で、八プロピ
オン酸スクロースを合成し、これを酵素触媒脱アシル化
反応における基質として用いた。SOAに対してSOP
が与える1つの重要な利点は、より高い疎水性を示す溶
媒、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オク
タンなどへの溶解性が有意に増大する点である。求核剤
としてn−ブタノールが入っているヘプタン内でSOP
を脱アシル化する能力に関して、加水分解酵素類のスク
リーニングを行った。24時間培養した後の一定分量を
HPLCで分析した。表11に示すように、数多くの加
水分解酵素がSOPの脱アシル化を生じさせた。1つの
興味の持たれる実施例において、リパーゼAY30およ
びプロテアーゼXXIII型から得られるヘプタプロピ
オネートを一緒にHPLCに注入すると、2つの異なる
化合物が現れ、このことは、酵素部位選択性が異なるこ
とを立証している。
に見い出すことができるであろう。
生じるプロピオン酸ブチル。
った値で表すピーク面積である。
布を得た。
保持時間である。
III型が触媒するSOP脱アシル化に対する溶媒の効
果 表12および13に示すように、数多くの無水有機溶媒
中のリパーゼAY30またはプロテアーゼXXIII型
を用いて同じSOP脱アシル化を実施した。SOAの場
合と同様、SOPの酵素脱アシル化は際だった溶媒効果
を示し、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンなどの如き
非常に高い疎水性を示す溶媒を含む種々の溶媒の中で良
好な変換率を達成することが可能であった。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
得た。
保持時間である。
オン酸スクロースのピークを干渉していることからこれ
らの値を検出することができなかった。
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
得た。
保持時間である。
オン酸スクロースのピークを干渉していることからこれ
らの値を検出することができなかった。
目的で、SOAに関して記述したのと同様なpH沈澱実
験を行った。いくつかの追加的酵素、例えばリパーゼA
P12、アルカラーゼ、プロレザー、プロテアーゼN、
リパーゼII型およびMMリパーゼが、SOPを脱アセ
チル化する能力を有することが見いだされた。これらの
後者の酵素類はSOAおよびSOP両方の脱アシル化を
行う。これらの実験の結果を表14に示す。
内の酵素活性に最適なpHである。
の生成物の分布を得た。
(黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、125
U/mg)、リパーゼAY30(カンジダ・シリンドラ
セア(Candida cylindracea)、34U/mg)、リパ
ーゼGC4(ゲオトリクム・カンジヅム(Geotrichum c
andidum)、4.4U/mg)、リパーゼAK(シュー
ドモナス種(Pseudomonas sp.)、22U/mg)、リ
パーゼCE(フミコロサ・ランギノサ(Humicolosa lan
ginosa)、11U/mg)、リパーゼN(リゾプス・ニ
ベウス(Rhizopus niveus)、80U/mg)、リパー
ゼL10(カンジダ・リポリチカ(Candida lypolitic
a)、11U/mg)、リパーゼMAP10(ムコル・
ジャバニクス(Mucor javanicus)、10.6U/m
g)、リパーゼPGE(ウシ舌根および唾液腺、0.7
U/mg)、リパーゼR10(ペニシリウム・ロクエホ
ルチ(Penicillium roqueforti)、10U/mg)、L
PL−80(リポ蛋白質リパーゼ、881U/mg)、
ニューラーゼA(黒色アスペルギルス(Aspergillus ni
ger)、41.8U/mg)、ニューラーゼ2(リゾプ
ス・ニベウス(Rhizopus niveus)、15U/mg)、
ペプチダーゼA(アスペルギルス・オリザエ(Aspergil
lus oryzae)、10U/mg)、プロテアーゼ2A(ア
スペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、2
2.5U/mg)、プロテアーゼB(ペニシリウム種
(Penicillium sp.)、2U/mg)、プロテアーゼM
(アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、
6U/mg)、プロテアーゼN(枯草菌(Bacillus sub
tilis)、186U/mg)、プロレザー(枯草菌(Bac
illus subtilis)、10.5U/mg)、プロテアーゼ
PZT(ブタのすい臓およびアスペルギルス属(Asperg
illus)、54U/mg)、スタキアーゼ(黒色アスペ
ルギルス(Aspergillus niger)、0.3U/mg)、
PLE−A(ブタの肝臓、5.2U/mg)、ビオチー
ムS(菌・カビのアミラーゼ、64U/mg);下記の
酵素類をSigmaから入手した:リパーゼI型(麦芽、
9.6U/mg)、リパーゼII型(ブタのすい臓、5
0U/mg)、プロテアーゼXIII型(アスペルギル
ス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、0.4U/m
g)、プロテアーゼXIX型(アスペルギルス・ソジャ
エ(Aspergillus sojae)、0.44U/mg)、プロ
テアーゼXXIII型(アスペルギルス・オリザエ(As
pergillus oryzae)、3.5U/mg)、キモトリプシ
ン(ウシのすい臓、48U/mg)、パパイン(パパイ
ヤ・ラテックス(Papaya latex)、2.8U/mg)、
ブロメライン(パイナップルの茎、22.9U/m
g)、ホスファターゼアシッド(麦芽);Biocatalysts
から下記の酵素類を入手した:MMリパーゼ(ムコル・
ミエヘイ(Mucor miehei)、17U/mg)、CVリパ
ーゼ(クロモバクテリウム・ビスコスム(Chromobacter
ium viscosum)、25U/mg)、PCリパーゼ(ペニ
シリウム・シクロピウム(Penicillium cyclopium)、
1.25U/mg)、RAリパーゼ(リゾプス・アリザ
ス(Rhizopus arrhizus)、3.5U/mg)、PFリ
パーゼ(シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomona
s fluorescens)、14.5U/mg)。ニュートラー
ゼ(Newtrase)、SP−435リパーゼ(カンジダ・ア
ンタルクチカ(Candidaantarctica)、7PLU/m
g)、およびアルカラーゼ(バチルス・リケニホルミス
(Bacillus licheniformis))はNovo Nordiskから与え
られたものであった。
びシリカゲル(70−230メッシュ)を入手した。他
の全ての化学品は最高グレードのものであり、Aldrich
から購入した。
て購入したものであるか、或は3Åのモレキュラーシー
ブ上で貯蔵したものであった。「生物化学および分子生
物学の実用ハンドブック」(Practical Handbook of Bi
ochemistry and Molecular Biology)に記述されている
操作に従って、この研究で用いた全ての緩衝液を調製し
た(pH10および9に関してはグリシン−NaOH緩
衝液を用い、pH8および7に関しては燐酸ナトリウム
緩衝液を用い、そしてpH6、5および4に関してはク
エン酸塩−燐酸塩緩衝液を用いた)。
(SOA)および八プロピオン酸スクロース(SOP)
を伴う反応用溶離剤としてアセトニトリル/水(35/
65)またはアセトニトリル/水(60/40)のどち
らかを用いたイソクラティック(isocratic)モード使
用Supelcosil LC-18-DBカラム(150x4.6mm、
5μ)を用いて常規スクリーニングを行った。全ての流
量は1.0mL/分であり、220nmでUVを検出し
た。SOAの脱アセチル化で得られる全ての生成物を同
定する目的で、水中15%から35%のアセトニトリル
を40分間用いた後35/65のアセトニトリル/水イ
ソクラティック溶離を20分間用いた勾配モードを使用
した。SOA脱アセチル化のための求核剤をスクリーニ
ングする目的で、30/70のアセトニトリル/水を1
6分間用いた後、水中30%から35%のアセトニトリ
ル勾配を5分間用い、そして最後に35/65のアセト
ニトリル/水を用いたイソクラティック溶離を16分間
用いた、イソクラティック溶離モードを使用した。SO
A脱アセチル化に関する酵素部位化学を評価する目的
で、25/75のアセトニトリル/水を55分間用いた
イソクラティック溶離モードを使用した。
ロース類の同定。五、六または七酢酸スクロース類の画
分を下記の如く同定した。興味の持たれる化合物(類)
を、1.0mLの99.0原子%ピリジン−d5の中に
溶解させた後、1.0mLの99+原子%無水酢酸−d
6を添加した。この得られる溶液を、TLC分析(シリ
カゲル、9/1のCHCl3/MeOH)で反応が完結
したことが示されるまで、45℃および300RPMで
数時間振とうした。この反応混合物を真空中で蒸発させ
た後、その残渣を水で数回洗浄することにより、残存し
ているピリジン−d5または無水酢酸−d6を除去した。
この得られる油状固体を5mLのクロロホルムの中に溶
解させた後、1PSシリコンで処理した12.5cmの
Whatmann濾紙に通すことで水を除去した。クロロホルム
を蒸発させた後、その残渣を1H−NMR分析の目的で
1/1のピリジン−d5/ベンゼン−d6の中に溶解させ
た。
アルカラーゼ溶液に37.5mLの冷アセトン(−20
℃)を添加することによってアルカラーゼを調製した。
水系アセトンをデカンテーションで除き、そしてその残
渣を25mLのグリシン−NaOH緩衝液(pH9.
0)の中に溶解させた。NaOH希釈溶液を数滴用いて
この溶液のpHを9.0に調整した。この緩衝させたア
ルカラーゼ溶液に冷アセトン(−20℃の37.5m
L)を加え、そして中間的間隙率を有するガラス漏斗を
用いて濾過することで沈澱物を集めた後、2ミリトール
で一晩乾燥させた。この得られるペレットを微粉末に粉
砕した後、飽和炭酸カリウム水溶液上(RH:43%)
4℃で24時間貯蔵した。
整した。酵素(3g)を25mLの適当な緩衝液の中に
溶解させた後、希釈NaOHまたはクエン酸/燐酸溶液
でpHを調整した。冷アセトン((−20℃の37.5
mL)を加え、そして中間的間隙率を有するガラス漏斗
上に沈澱物を集めた後、2ミリトールで一晩乾燥させ
た。この蛋白質ペレットを微粉末に粉砕した後、飽和炭
酸カリウム水溶液上(RH:43%)4℃で24時間平
衡にした。
gの緩衝させたアルカラーゼが入っている溶液のpHを
希釈NaOHで9.0に調整した。ハイフロスーパーセ
ル(6g)を加えた後、このスラリーを完全混合した。
この混合物を2ミリトールの真空下で一晩乾燥させた
後、飽和硫酸アンモニウム水溶液上(RH:82%)で
24時間貯蔵した。蛋白質溶液を燐酸ナトリウムでpH
7.0に調整する以外は同様にしてリパーゼAY30の
固定化を行った。
媒スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連
続して、記述した如く入手したか或は調製した粉末酵素
の100mgと、有機溶媒の中に溶解させた20mMの
八酢酸スクロース(SOA)の1.0mLを仕込んだ。
5秒間音波処理した後、この小びんを、45℃に温度調
節されている振とう器中300RPMで24時間培養し
た。この反応混合物の一定分量200μLを取り出して
遠心分離にかけた。その上澄み液を集めてN2流下で蒸
発させた。この残渣を200μLのアセトニトリルの中
で再構成した後、この溶液の10μLをHPLCで分析
した。
クロース類の合成 方法A(プロレザー、リパーゼII型、リパーゼAP1
2、SP−435リパーゼまたはアルカラーゼ):SO
Aの0.203g(0.3ミリモル)を15mLのジイ
ソプロピルエーテルの中に溶解させた後、該加水分解酵
素を1.5g添加した。この反応混合物の音波処理(5
秒間)を行った後、45℃および300RPMにセット
した回転振とう器の中に6日間入れた。この酵素を濾過
で除去してアセトニトリルで洗浄した。濾液/洗浄液を
一緒にして減圧下で蒸発させた後、その残渣を、溶離剤
としてヘキサン/酢酸エチル(2/3)を用いたシリカ
ゲルカラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィ
ーにかけた。蒸発させることで、相当する七酢酸スクロ
ース類がそれぞれ40mg(アルカラーゼ)、39mg
(リパーゼII型)、34mg(リパーゼAP12)、
11mg(SP−435リパーゼ)および60mg(プ
ロレザー)得られた。
0.170g(0.25ミリモル)を5mLのt−ブチ
ルメチルエーテルの中に溶解させた後、0.5gのリパ
ーゼAY30を添加した。この反応混合物を方法Aと同
じ条件下で処理した後、後処理することにより、43m
gの七酢酸スクロース類が得られた。
ル中のアルカラーゼを用いたSOAの脱アセチル化。S
OA(1.35g、2ミリモル)を100mLのジイソ
プロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、アル
カラーゼ(10g、pH9の緩衝液から沈澱させた)を
加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合物
を45℃および300RPMで4日間振とうした。この
酵素を濾過で除去してアセトニトリル(100mL)で
洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒にして減圧下で蒸発
させた後、この残渣を、シリカゲルカラム(23x2.
5cm)使用クロマトグラフィーにかけた。ヘキサン/
酢酸エチル(2/3)で溶離させることにより、2,
3,4,6,1’,3’,4’−と2,3,4,6,
3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの
混合物(1/7)が360mg得られた。続けてヘキサ
ン/酢酸エチル(1/4)で溶離させることにより、
2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルス
クロースが86mg得られた。最後に、500mLの酢
酸エチルで溶離させることにより、4−PASと6−P
ASの混合物が40mg得られた。シリカゲルクロマト
グラフィー(10x2.5cm)を用いヘキサン/酢酸
エチル(1/9)で溶離させることで五酢酸スクロース
を精製することにより、6−PASが5mg得られた。
るジイソプロピルエーテル中のプロレザーに触媒させた
SOAの脱アセチル化。SOA(1.35g、2ミリモ
ル)を、1Mのメタノールが入っている100mLのジ
イソプロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、
プロレザー(5g、pH10の緩衝液から沈澱させた)
を加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合
物を45℃および300RPMで振とうした。2日後、
5gのプロレザーを添加して更に3日間この混合物の振
とうを行った。この酵素を濾過で除去してアセトニトリ
ル(100mL)で洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒
にして減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲル
カラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィーに
かけた。ヘキサン/酢酸エチル(2/3)で溶離させる
ことにより、2,3,4,6,1’,3’,4’−と
2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロースの混合物(1/7)が579mg得られ
た。続けてヘキサン/酢酸エチル(1/4)で溶離させ
ることにより、2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−
O−アセチルスクロースが205mg得られた。最後
に、500mLの酢酸エチルで溶離させることにより、
五酢酸スクロース類の混合物が86mg得られた。シリ
カゲルクロマトグラフィー(10x2.5cm)を用い
ヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させることで五
酢酸スクロースを精製することにより、6−PASが2
4mg得られた。
ル中のリパーゼAP12に触媒させた2,3,4,6,
3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースの脱アセ
チル化。2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−ア
セチルスクロース(0.055g、0.092ミリモ
ル)を、8mLのジイソプロピルエーテルの中に溶解さ
せた。この溶液に、リパーゼAP12(0.8g、pH
6の緩衝液から沈澱させた)を加えた。5秒間の音波処
理を行った後、この反応混合物を45℃および300R
PMで20時間振とうした。この酵素を濾過で除去して
アセトニトリルで洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒に
して減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲルカ
ラム(10x2.5cm)使用クロマトグラフィーにか
け、ヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させること
で6−PASが5mg得られた。
AP12に触媒させたSOA脱アセチル化のための求核
剤スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連
続して、記述した如く調製した粉末酵素を100mg、
そしてジイソプロピルエーテルの中に溶解させた20m
Mの八酢酸スクロース(SOA)と200mMの求核剤
を1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理した後、この小
びんを、45℃に温度調節されている振とう器中300
RPMで66時間培養した。この反応混合物の一定分量
200μLを取り出して遠心分離にかけた。その上澄み
液を集めてN2流下で蒸発させた。この残渣を200μ
Lのアセトニトリルの中で再構成した後、この溶液の1
0μLをHPLCで分析した。
ングする目的で、この求核剤濃度を0から200mMで
変化させる以外は同じプロトコルに従った。
成。100mLのピリジンの中に10.27g(30.
0ミリモル)のスクロースが入っている懸濁液を撹拌し
ながら還流にまで加熱した。約75分後、溶解していな
いスクロースが若干入っている半透明の溶液が得られ、
これを周囲温度にまで冷却した後、46.9mL(36
2.7ミリモル、51%過剰)の無水プロピオン酸を一
度に加えることで処理した。初期の発熱で45−46℃
になった後、この反応混合物を周囲温度で19時間撹拌
した。TLC分析(シリカゲル、ジエチルエーテル/ア
セトン、4/1)で、この反応が完了したことが示され
た。この混合物を真空中で蒸発させることでシロップ状
物を残存させ、これをトルエンの中に溶解させた後、3
回再蒸発させることで、できるだけ多くのピリジンを除
去した。このシロップ状物を100mLの塩化メチレン
の中に溶解させそして連続して25mLの水、100m
Lの1%NaHCO3そして25mLの水で洗浄するこ
とにより、残存しているピリジンおよび/またはプロピ
オン酸を除去した。MgSO4上で乾燥しそして濾過し
た後、塩化メチレンを蒸発させることでほとんど無色の
シロップ状物を残存させたが、これは、周囲温度で数日
後にゆっくりと結晶化して白色のワックス状固体を生じ
た。Supelcosil LC-18-DB逆相カラムを使用したHPL
C分析で60/40アセトニトリル/水を用いたイソク
ラティック溶離を行うことにより、Rt=22.9分で
あることが示され、純度は98.6%であると見積もら
れた。C36H54O19に関する分析:理論値C:54.6
8;H:6.88;測定値C:54.23;H:6.8
0。
素スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連
続して、記述した如く入手したか或は調製した粉末酵素
を100mg、そして有機溶媒の中に溶解させた20m
Mの八プロピオン酸スクロース(SOP)と200mM
のブタノールを1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理し
た後、この小びんを、45℃に温度調節されている振と
う器中300RPMで24時間培養した。この反応混合
物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけ
た。その上澄み液を集めて、この溶液の10μLをHP
LCで分析した。
ング。シンチレーション用小びんの中に連続して、記述
した如きリパーゼAY30またはプロテアーゼXXII
Iを100mg、そして有機溶媒の中に溶解させた20
mMの八プロピオン酸スクロース(SOP)と200m
Mのブタノールを1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理
した後、この小びんを、45℃に温度調節されている振
とう器中300RPMで24時間培養した。この反応混
合物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけ
た。その上澄み液を集めて、N2流下で蒸発させた。こ
の残渣を200μLのアセトニトリルの中で再構成した
後、この溶液の10μLをHPLCで分析した。
ス」、「4’−酢酸スクロース」、「6’−酢酸スクロ
ース」、「4−酢酸スクロース」および「6−酢酸スク
ロース」は、オクタ−、ヘプタ−またはヘキサ−O−ア
セチルスクロース類を表しており、ここで、示した位置
にアセチル置換基が含まれており、その残りのアセチル
置換基の位置に関する特別な指示はない。
ある。
るスクロースエステル類の酵素触媒脱アシル化によるス
クロースの部分アシル化誘導体の製造方法において、こ
のスクロースエステルを溶解し得る有機溶媒を含む無水
反応溶媒の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタア
シル化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから
成る群から選択されるスクロースエステルを、上記スク
ロースエステルの脱アシル化を触媒し得る加水分解酵素
または加水分解酵素類の組み合わせで処理することによ
り、予め選択した一の位置または複数の位置においてそ
の出発スクロースエステルよりも少なくとも1個多い遊
離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロ
ース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル
化スクロース誘導体を回収することを含む方法。
アルカノエート、スクロースα−ハロアルカノエートま
たはスクローストリハロアルカノエートであり、ここ
で、このアルカノエート部分が8個以下の炭素原子を有
している第1項の方法。
ース類、プロピオン酸スクロース類、n−もしくはs−
酪酸スクロース類、クロロ酢酸スクロース類、フルオロ
酢酸スクロース類、トリクロロ酢酸スクロース類および
トリフルオロ酢酸スクロース類から成る群から選択され
る第2項の方法。
ロース、七酢酸スクロース、六酢酸スクロース、八プロ
ピオン酸スクロース、七プロピオン酸スクロースまたは
六プロピオン酸スクロースである第3項の方法。
エステラーゼまたはアミラーゼである第1項の方法。
435リパーゼ、プロテアーゼN、リパーゼII型、ア
ルカラーゼ、プロレザー、リパーゼAP12、プロテア
ーゼXXIII型、プロテアーゼM、リパーゼVII
型、プロテアーゼXIII型、ビオチームS、プロテア
ーゼ2A、リパーゼCE、PCリパーゼおよびMMリパ
ーゼから成る群から選択される第5項の方法。
ケトン、エステル、アルコールまたはハロゲン化炭化水
素である第1項の方法。
ピルエーテル、四塩化炭素、エチレングリコールジメチ
ルおよびジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、
アセトニトリル、アセトン、THF、シクロヘキサノ
ン、2−メチルTHF、t−ブチルメチルおよびエチル
エーテル、2,5−ジメチルTHF、シクロヘキサノー
ル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、3−ヘプタノ
ン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルエーテ
ル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテ
ル、クロロホルム、ベンゼン、アニソール、フェネトー
ル、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサ
ンから成る群から選択される1員である第7項の方法。
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、t−ブチル
メチルエーテル、3−ヘプタノン、ジプロピルエーテ
ル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテ
ル、クロロホルム、2,2,5,5−テトラメチルTH
F、トルエン、四塩化炭素、酢酸n−ブチル、ベンゼン
またはアニソールである第8項の方法。
んでおり、ここで、この求核剤が、アルコール類、アミ
ン類、アミノアルコール類、チオール類およびオキシム
類から成る群から選択される1員である第1項の方法。
ル、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、
シクロヘキシルメタノール、フェネチルアルコールおよ
びジイソプロピルアミンから成る群から選択される1員
である第10項の方法。
ノール、ジイソプロピルアミンまたはフェネチルアルコ
ールである第11項の方法。
ーゼN、アルカラーゼ、プロレザー、リパーゼAP12
から成る群から選択される酵素類の組み合わせで八酢酸
スクロースを同時もしくは逐次的に処理することを含
み、ここで、上記組み合わせは、該八酢酸スクロースの
4−、1’−および6’−位または6−、1’−および
6’−位のエステル基を脱アセチル化する目的で選択さ
れ、そしてこのようにして生じさせた6,2,3,
3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースまたは
4,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロ
ースか或はこれらの両方を回収することを含む第1項の
方法。
ーゼで処理することによりこの1’−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
ーで処理することによりこの1’−位のエステル基を脱
アセチル化することを含む第1項の方法。
ーゼNで処理することによりこの1’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
ーゼNで処理することによりこの4’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
ーゼNで処理することによりこの6’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
AY30で処理することによりこの1’−位のエステル
基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
AY30で処理することによりこの4’−位のエステル
基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
35リパーゼで処理することによりこの6’−位のエス
テル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
P12で処理することによりこの4−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
P12で処理することによりこの6−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
ザーで八酢酸スクロースを処理することにより2,3,
4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスク
ロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−
O−アセチルスクロースとの混合物を生じさせ、そして
(b)段階(a)の生成物をアルカラーゼまたはプロレ
ザーで処理することにより2,3,4,6,3’,4’
−ヘキサ−O−アセチルスクロースを生じさせる、段階
を含む第1項の方法。
ラーゼまたはプロレザーで処理することにより2,3,
6,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースと
2,3,4,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロ
ースを生じさせる第24項の方法。
ゼAP12で処理することにより2,3,6,3’,
4’−ペンタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,
3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースを生じさ
せる第24項の方法。
4項の方法。
5項の方法。
6項の方法。
ルの混合物である第27項の方法。
ルの混合物である第28項の方法。
ルの混合物である第29項の方法。
ーゼで処理することによりこの6’−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
ーで処理することによりこの6’−位のエステル基を脱
アセチル化することを含む第1項の方法。
II型で処理することによりこの4’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも6個のエステル基を有するス
クロースエステル類の酵素触媒脱アシル化によるスクロ
ースの部分アシル化誘導体の製造方法において、このス
クロースエステルを溶解し得る有機溶媒を含む無水反応
溶媒の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル
化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから成る
群から選択されるスクロースエステルを、上記スクロー
スエステルの脱アシル化を触媒し得る加水分解酵素また
は加水分解酵素類の組み合わせで処理することにより、
予め選択した一の位置または複数の位置においてその出
発スクロースエステルよりも少なくとも1個多い遊離ヒ
ドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロース
誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化ス
クロース誘導体を回収することを含む方法。
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