JPH06343485A - 無水有機媒体内におけるスクロースエステル類の部位選択的酵素脱アシル化 - Google Patents

無水有機媒体内におけるスクロースエステル類の部位選択的酵素脱アシル化

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JPH06343485A
JPH06343485A JP6030927A JP3092794A JPH06343485A JP H06343485 A JPH06343485 A JP H06343485A JP 6030927 A JP6030927 A JP 6030927A JP 3092794 A JP3092794 A JP 3092794A JP H06343485 A JPH06343485 A JP H06343485A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無水有機媒体内におけるスクロースエステル
類の部位選択的酵素脱アシル化。 【構成】 スクロースエステル類の酵素触媒脱アシル化
によるスクロースの部分アシル化誘導体の製造方法であ
り、この方法は、無水有機媒体の中で、オクタアシル化
スクロース、ヘプタアシル化スクロースおよびヘキサア
シル化スクロースから成る群から選択されるスクロース
エステルを、上記スクロースエステルの脱アシル化を触
媒し得る酵素または酵素類の組み合わせで処理すること
により、予め選択した一の位置または複数の位置に遊離
ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロー
ス誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化
スクロース誘導体を回収することを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無水有機溶媒中で酵素
類を用いて部位選択的にスクロースエステル類を脱アシ
ル化する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】人工甘味料である4,1’,6’−トリ
クロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロ
ース(「スクラロース(sucralose)」)は、スクロー
スを用いこれの4,1’および6’位のヒドロキシルを
塩素で置換することによって誘導される。(この甘味料
の製造方法において、その4位の立体配置が反転してい
る、従ってこの化合物はガラクトスクロースである)。
これらの塩素原子をその所望の位置にのみ向かわせるの
が主要な合成上の課題である、と言うのは、置換される
ヒドロキシルは異なる反応性を示し、その2つは第一級
でありそして1つは第二級であるからである。その最終
生成物の6位にある第一級ヒドロキシルは未置換である
事が、この合成を更に複雑にしている。
【0003】本発明は、スクロースエステル類への改良
されたルートを提供するものであり、ここで、これらの
エステル基は、そのスクロース分子上の予め決められた
位置に結合している。1つの態様において、本発明は、
スクラロースを製造する目的で用いられ得る4,2,
3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロース
(「4−PAS」)または6,2,3,3’,4’−ペ
ンタ−O−アセチルスクロース(「6−PAS」)か或
はこれらの両方への改良されたルートを提供する。4−
PASは容易に6−PASに転位し、これを塩素化した
あと脱アシル化することによって、スクラロースを製造
することができる。
【0004】
【発明の簡単な要約】本発明は、スクロースエステル類
の酵素触媒脱アシル化によるスクロースの部分アシル化
誘導体の製造方法を提供するものであり、ここで、上記
方法は、無水有機媒体(本文中に定義する如き)の中
で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロ
ースおよびヘキサアシル化スクロースから成る群から選
択されるスクロースエステルを、上記スクロースエステ
ルの脱アシル化を触媒し得る酵素または酵素類の組み合
わせで処理することにより、予め選択した一または複数
の位置に遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化さ
れたスクロース誘導体を生じさせた後、その得られる部
分脱アシル化スクロース誘導体を回収することを含んで
いる。
【0005】
【従来技術】Bornemann他の米国特許第5,141,860号(お
よび英国特許第2 224 504 A号)には、スクロースのオ
クタエステル類を水系媒体中で酵素的に脱アシル化する
ことによって種々の部分脱アシル化スクロースエステル
類を生じさせる方法が開示されている。
【0006】水系媒体(2相系であってもよい)内にお
けるオクタ−O−アセチルスクロースの酵素的加水分解
によるヘプタ−、ヘキサ−および/またはペンタ−O−
アセチルスクロース類の製造が、Chang他、J. Carbohyd
rate Chemistry、 10(2)、 251-261 (1991)およびCarboh
ydrate Reserach、 222、 121-129 (1991);Kloosterman
他、 J. Carbohydrate Chemistry、 8(5)、 693-704 (198
9);Mentech他、 ヨーロッパ特許第0 357 476号(1990
年3月7日−フランス特許番号2 634 497号に相当);お
よびOng他、 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter
s、 2(2)、 161-164(1992)に開示されている。
【0007】以下に示す文献の中に、水系媒体(2相系
であってもよい)内における炭水化物エステル類の部位
選択的酵素脱アシル化が一般的に開示されている。
【0008】H. M. Sweers他、 J. Am. Chem. Soc.、 10
8、 6421 (1986); W. J. Hennen他、 J. Org. Chem.、 53、
4939 (1988); J. Zemek他、 Coll. Czech. Chem. Commu
n.、 53、 1851 (1988); A. Ballesteros他、 Tetrahedro
n、 45、 7077 (1989); S. Tomic他、 Carbohydrate Res.、
210、 191 (1991);およびK. Kefurt他、 CarbohydrateR
es.、 223、 137 (1992)。
【0009】J. S. Dordick著「有機溶媒で用いるため
の酵素設計」、Biotechnol. Prog.、1992、 No. 8、 259-2
67およびA. M. Klibanov著「有機溶媒中で働く酵素
類」、Chemtech、 1986年6月、 354-359には、非水系で反
応を触媒する酵素類を用いることで得ることが可能な利
点が考察されている。
【0010】
【発明の具体的な説明】学術用語および省略形 本出願で用いる下記の短縮名、省略形および言葉はその
指示した意味を有する。
【0011】スクラロース=4,1’,6’−トリクロ
ロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロー
ス;SHeptaA=七酢酸スクロースもしくはヘプタ
−O−アセチルスクロース;SHexaA=六酢酸スク
ロースもしくはヘキサ−O−アセチルスクロース;6−
PAS=6,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチ
ルスクロース;4−PAS=4,2,3,3’,4’−
ペンタ−O−アセチルスクロース;4’−OHヘプタア
セテート=2,3,4,6,1’,3’,6’−ヘプタ
−O−アセチルスクロース;1’−OHヘプタアセテー
ト=2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−
アセチルスクロース;6’−OHヘプタアセテート=
2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロース;1’,6’−ジOHヘキサアセテート
=2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチル
スクロース;SOA=八酢酸スクロース;SOP=八プ
ロピオン酸スクロース;THF=テトラヒドロフラン;
2−メチルTHF=2−メチルテトラヒドロフラン;
2,5−ジメチルTHF=2,5−ジメチルテトラヒド
ロフラン;2,2,5,5−テトラメチルTHF=2,
2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン;および
CCl4=四塩化炭素。
【0012】ここで用いる「無水」有機媒体は、この反
応で用いる有機溶媒の体積を基準にして約1体積%以下
の水を含んでいる有機媒体を意味することを意図してお
り、ここで、該酵素に結合している水は排除する。更
に、この有機媒体が水に混和性を示さない化合物である
場合、本発明で用いる無水有機媒体は単相である(即
ち、何らかの水が存在している場合、この水は水相を生
じるに充分な割合では存在していない)ことを意図して
いる。
【0013】本発明の方法は、無水有機媒体の中で、オ
クタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロースお
よびヘキサアシル化スクロースから成る群から選択され
るスクロースエステルを、上記スクロースエステルの脱
アシル化を触媒し得る酵素または酵素類の組み合わせで
処理することにより、予め選択した一または複数の位置
に遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたス
クロース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱ア
シル化スクロース誘導体を回収することを含んでいる。
【0014】本発明の方法で用いられ得るスクロースエ
ステル類の中には、八−、七−および六酢酸スクロー
ス、八−、七−および六プロピオン酸スクロース、八
−、七−および六(n−もしくはs−酪酸)スクロー
ス、スクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ(α
−ハロアルカノエート類)、例えば八クロロ酢酸スクロ
ースおよび八フルオロ酢酸スクロースなど、スクロース
のトリハロアルカノエート類、例えばスクロースのオク
タ−、ヘプタ−およびヘキサ(トリクロロアセテート)
およびスクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ
(トリフルオロアセテート)、並びにスクロースの他の
オクタ−、ヘプタ−およびヘキサアシレート類およびハ
ロアルカノエート類があり、ここで、このアルカノエー
ト部分は約8個以下の炭素原子を有している。
【0015】本発明の方法では有機溶媒を用いる。本方
法を実施するに有効であることが見いだされた有機溶媒
は、単独で用いられるか或は組み合わせて用いられるか
に拘らず、トルエン、ジイソプロピルエーテル、四塩化
炭素、エチレングリコールジメチルおよびジエチルエー
テル、アセトニトリル、アセトン、THF、シクロヘキ
サノン、2−メチルTHF、t−ブチルメチルおよびエ
チルエーテル、2,5−ジメチルTHF、シクロヘキサ
ノール、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、3−ヘプタ
ノン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルエー
テル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテ
ル、クロロホルム、ベンゼン、アニソール、フェネトー
ル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、
ジ−n−ブチルエーテル、並びに他の環状および非環状
有機溶媒であり、これらには、本発明の方法で用いるス
クロースエステル基質を溶かす炭化水素(脂肪族および
芳香族炭化水素の両方)、エーテル類、ケトン類、エス
テル類、アルコール類およびハロゲン化炭化水素が含ま
れる。1つの種類として、エーテル類が本発明の方法で
用いるに好適な有機溶媒であることが確認された。
【0016】本発明の1つの好適な態様において、この
反応媒体の中でまた求核剤を用いる。上記求核剤には、
水(水に混和性を示さない溶媒の場合、この媒体の中に
独立した水相を形成する量よりも少ない量である、さも
なくばこの有機溶媒の体積を基準にして1体積%以下の
量である)が含まれ、そして好適には、有機求核剤、例
えばアルコール類、アミン類、アミノアルコール類、チ
オール類およびオキシム類が含まれる。上記有機求核剤
の説明的例には、n−ブタノール、メタノール、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール、ジイソプロピル
アミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、
2−ピペリジンエタノール、n−ブチルチオール、ベン
ジルメルカプタン、チオフェノール、シスチン[3,
3’−ジチオビス(2−アミノプロピオン酸)]、アセ
トアルドキシム、アセトンオキシムおよびベンズアルド
キシムが含まれる。
【0017】本発明で用いる酵素類は加水分解酵素類、
例えばリパーゼ類、プロテアーゼ類、エステラーゼ類お
よびアミラーゼ類である。そのスクロース部分上の予め
選択した位置にあるエステル基を優先的に除去する目的
で、これらの酵素類を用いる。1つの面において、酵素
であるリパーゼAY30(カンジダ・シリンドラセア
(Candida cylindracea))を用いることで優先的に主
に4’位のエステル基そして二次的に1’位のエステル
基を除去する。プロテアーゼN(枯草菌(Bacillus sub
tilis))を用いて優先的に1’,4’および6’位の
エステル基を除去する。ブタのすい臓リパーゼを用いて
優先的に4’位のエステル基を除去する。アルカラーゼ
(バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformi
s))を用いて優先的に1’位のエステル基そして二次
的に6’位のエステル基を除去する。プロレザー(Prol
eather)(枯草菌(Bacillus subtilis))を用いて優先
的に1’位のエステル基そして二次的に6’位のエステ
ル基を除去する。リパーゼAP12(黒色アスペルギル
ス(Aspergillus niger))を用いて優先的に4位およ
び6位のエステル基を除去する。SP−435リパーゼ
(カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica))
を用いて優先的に主に6’位のエステル基そして二次的
に1’位のエステル基を除去する。
【0018】本発明の方法で用いる反応媒体は、上に定
義した如く無水である。存在させ得る少量の水は、この
酵素を溶解させる量未満である。本発明の方法を無水媒
体(本文中に定義した如き)中で実施することにより下
記の利点が得られることを見い出した。
【0019】1. 該スクロースのオクタエステル基質
の溶解性が増大すること; 2. 望まれない脱アシル化が抑制されること; 3. この脱アシル化反応の部位選択性が増強されるこ
と; 4. この酵素を固定する必要がないことからこの方法
が簡単になること、例えばこの酵素は簡単な濾過でその
反応混合物から除去され得ること; 5. 生成物の単離がより容易なこと、例えば単に溶媒
を蒸発させることが、必要とされている全てである可能
性があること; 6. 微生物学的汚染の可能性が有意に低いこと;そし
て 7. 酵素類を溶解させるに充分な量の水が存在してい
ないことでこれらの酵素が示す熱安定性がより高いこ
と。
【0020】最初に、有機溶媒中でSOAを部位選択的
に脱アセチル化する能力に関して、幅広い種類の加水分
解酵素のスクリーニングを行った。我々の初期のスクリ
ーニング実験で評価したものの中でリパーゼAY30が
有意な活性を示した。酵素活性は、この酵素を取り巻い
ている水の殻が最小限であることに依存している。公知
の相対湿度(RH)を有する飽和塩水溶液の上でその乾
燥した酵素を平衡にすることによって、この酵素、即ち
それの活性に結合している水の量を調節することができ
る。有機溶媒の中に入っている酵素が示す触媒力を改良
する1つの方法は、正しいイオン状態でそれを用いるこ
とであることは知られている。これは一般に、この酵素
の最適pHにある緩衝液からこの酵素を凍結乾燥するか
或は沈澱させることによって達成される。本技術におけ
る一般的教示に一致して、pHを調整した緩衝液(製造
業者が指定している最適pHから±1のpH単位)から
他の酵素類の多くを沈澱させると有意な活性が得られる
ことを見い出した(表1参照)。
【0021】
【表1】
【0022】a) この挙げた緩衝液pHは、無水溶媒
内の酵素活性に最適なpHである。
【0023】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。
【0024】活性を示すとして同定された酵素のいくつ
かに関して、それらが異なる溶媒中で示す活性を評価す
る実験を行った。数多くの無水溶媒の中で同じ酵素に触
媒させたSOA脱アセチル化実験を行った。24時間培
養した後の一定分量をHPLCで分析した。これらの溶
媒実験の結果を表2−5に示すが、これらは明らかに、
評価した各酵素が示す活性に対して溶媒が著しい影響を
与えることを表している。
【0025】
【表2】
【0026】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数[Rekker著「疎水性フラグメント定数」(The Hydr
ophobic Fragmental Constant)、Elsevier、 Amsterdam
(1977)])。この表のlog P値は、Laane他、 Biotechno
l Bioeng. 30、 81 (1987)からのものである。
【0027】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。
【0028】c) 七酢酸スクロースが検出されたのは
SOA中に少量の不純物が存在していたことによるもの
である。
【0029】d) エタノール、ジエチルエーテルおよ
びエトキシエタノールに関する公知log P値から見積も
った。
【0030】e) THFに関するlog P値に1メチル
基当たり0.5単位を増分的に加えることによって見積
もった。
【0031】f) 恐らくは溶媒による他のピークがこ
の六酢酸スクロースピークを干渉していたことからこの
値を報告しなかった。
【0032】
【表3】
【0033】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0034】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち
1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.
5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこ
れを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
【0035】
【表4】
【0036】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0037】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。1種の七酢酸スクロース
(Rt:8.1分)を検出した。
【0038】
【表5】
【0039】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0040】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち
1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.
5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこ
れを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
【0041】固定化した加水分解酵素に対する溶媒の効
アルカラーゼおよびリパーゼAY30をハイフロスーパ
ーセル(Hyflo SuperCell)の上に堆積させ、そしてこ
れを、いくつかの無水溶媒中のSOA脱アセチル化反応
用触媒として用いた。両方の固定化酵素を用いた時(表
6および7)、有利な溶媒効果が観察された。
【0042】
【表6】
【0043】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0044】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち
1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.
5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこ
れを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
【0045】
【表7】
【0046】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0047】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。
【0048】加水分解酵素によるSOA脱アセチル化に
関する部位化学 この研究の重要な面は、SOAの酵素的脱アセチル化で
得られる全ての七、六および五酢酸スクロースの構造を
明白に帰属させることであった。Rathbone E.B.、 Carbo
hydr. Res.、 205、 402 (1990)が記述しているのと同様
にして、完全デュテリウムアセチル化した後、1H−N
MR分析することでこれらの構造の帰属を行った。リパ
ーゼAY30およびリパーゼII型を用いた表8(以
下)に示す結果を調べた結果、主要な脱アセチル化生成
物は4’−OHヘプタアセテートである。それとは対照
的に、プロテアーゼ類であるアルカラーゼおよびプロレ
ザーは、主に1’−位の脱アセチル化を生じさせ、そし
てある程度の反応がその6’−位に生じる。リパーゼA
P12を用いた脱アセチル化は、4−および6−OHヘ
プタアセテート類の両方を生じさせる一方、カンジダ・
アンタルクチカ由来のSP−435リパーゼは、1’−
OHヘプタアセテートと一緒に主に6’−OHヘプタア
セテートを生じさせる。最後に、プロテアーゼNは、ほ
とんど等モル混合物で1’−、4’−および6’−OH
ヘプタアセテート類を生じさせる。
【0049】
【表8】
【0050】a. SOAの脱アセチル化に関して試験
して変換率が<6%であった他の酵素類(最適なpH)
は下記のものである:リパーゼCE(9.0);リパー
ゼAK(8.0);プロテアーゼM(6.0);リパー
ゼMAP10(7.0);キモトリプシン(8.0);
PCリパーゼ(5.0);MMリパーゼ(10.0);
プロテアーゼXXII型(8.0)。
【0051】b. このコラムの中にpHを示す場合、
これらの酵素は、示したpHの緩衝液から沈澱を生じ
た。この緩衝液のpHは、無水ジイソプロピルエーテル
内の酵素活性で見いだされた最適pHである。
【0052】c. 変換率(%)は、全七−および六−
酢酸スクロースの合計である。脱アセチル化は酵素が存
在していない場合全く生じなかった。
【0053】d. この分子を完全デュテリウムアセチ
ル化した後、1H−NMR分析することにより、各酵素
反応の七酢酸スクロースの構造の帰属を行った。定量化
の目的で、この表ではHPLCにおける七酢酸スクロー
スのピーク高を用いた。
【0054】e. プロテアーゼNが触媒する反応生成
物に関する部位化学を、HPLC保持時間を基準にして
割り当てた。
【0055】f. 2,3,4,1’,3’,4’,
6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの構造を下記の
事実から推論した。培養している間はHPLCで2種の
七酢酸スクロース類が検出されたが、カラムクロマトグ
ラフィーにかけた後では、2,3,6,1’,3’,
4’,6’−ヘプタ−O−アセチルのみが得られた。恐
らくは、この精製を行っている間に、起こり得る過程で
あることが知られている4位から6位へのアセチル移動
が起こったのであろう。
【0056】求核剤の選択および濃度の効果 アルカラーゼ、プロレザーまたはリパーゼAP12に触
媒させた同じSOA脱アセチル化を、いくつかの求核剤
の存在下で実施し、その結果を表9に示す。アルカラー
ゼが触媒する反応では、求核剤としてメタノールまたは
ジイソプロピルアミンを用いることによって有意な変化
率の増大が達成された(求核剤を添加していない反応に
比較して少なくとも25%上昇した)一方、プロレザー
が触媒する反応では、シクロヘキサノール、ジイソプロ
ピルアミンおよびテトラメチルピペリジンを除く添加し
た全ての求核剤が同様な改良を与えた。リパーゼAP1
2が触媒する反応は、求核剤を存在させると、中間的な
変換率の改良を示した。
【0057】
【表9】
【0058】a) この実験全体で用いた求核剤濃度は
200mMである。SOAの脱アセチル化はこれらの酵
素なしでは全く生じなかった。
【0059】b) 変換率(%)(66時間培養)を、
残存しているSOAに比較した時の得られる七酢酸スク
ロース類の合計で表す。
【0060】c) 2,3,4,6,1’,3’,4’
−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高で割った
2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロースのピーク高として、アルカラーゼおよび
プロレザー部位化学を定義する。
【0061】d) 反応は全く生じなかった。
【0062】表10に示すように、それぞれ0.5およ
び1.0Mのメタノール存在下でアルカラーゼおよびリ
パーゼAP12に触媒させた反応において、全体変換率
に関して中程度の増強が達成された。プロレザーに触媒
させた反応で1.0Mのメタノールを用いると、注目す
べき120%の変換率上昇が得られた。1.0Mのn−
ブタノールまたはフェネチルアルコールを用いた時も同
様な結果が得られた。
【0063】
【表10】
【0064】a) 変換率(%)(66時間培養)を、
残存しているSOAに比較した時の得られる七酢酸スク
ロース類の合計で表す。
【0065】b) 2,3,4,6,1’,3’,4’
−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高で割った
2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロースのピーク高として、アルカラーゼおよび
プロレザー部位化学を定義する。
【0066】本発明の1つの好適な面において、上の表
8に示す酵素類の組み合わせを用い、SOAの4−、
1’−および6’−位または6−、1’−および6’−
位のエステル基の脱アセチル化を生じさせるに適当な上
記酵素類の組み合わせでSOAの同時もしくは逐次的処
理を行うことにより、4−PASおよび/または6−P
ASを製造した。
【0067】ジイソプロピルエーテル中でアルカラーゼ
またはアルカラーゼ/リパーゼAP12が触媒するSO
Aの脱アセチル化による6−PASの合成 アルカラーゼ触媒によるSOAの脱アセチル化反応を大
規模で行った。(詳細は以下の実験セクションの中に示
す)。5日間培養を行った後、このアルカラーゼを濾過
で除去した。シリカゲルクロマトグラフィーでSOAの
脱アセチル化生成物を分離し、そして完全デュテリウム
アセチル化技術を用いて構造帰属を行った。2,3,
4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスク
ロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−
O−アセチルスクロースとの1対7混合物;2,3,
4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロー
ス;および6−PASがそれぞれ30%、7%および
0.5%収率で得られた。二者択一的に、リパーゼAP
12を用いて2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O
−アセチルスクロースを脱アシル化することによって4
−PASおよび/または6−PASを得ることができ
る。完全デュテリウムアセチル化技術を用いて、その得
られる五酢酸スクロース(HPLCで97%純度)を6
−PASとして同定した(収率:11%)。
【0068】メタノールが入っているジイソプロピルエ
ーテル中でプロレザーが触媒するSOAの脱アセチル化
による6−PASの合成 求核剤として1.0Mメタノールを用い、プロレザー触
媒によるSOAの脱アセチル化反応を大規模で行った。
(詳細は以下の実験セクションの中に示す)。5日間培
養を行った後、このプロレザーを濾過で除去した。シリ
カゲルクロマトグラフィーでSOA脱アセチル化生成物
を分離し、そして完全デュテリウムアセチル化技術を用
いて構造帰属を行った。2,3,4,6,1’,3’,
4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,
6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロー
スとの1対7混合物;2,3,4,6,3’,4’−ヘ
キサ−O−アセチルスクロース;および6−PASがそ
れぞれ48%、17%および2%収率で得られた。
【0069】SOPの脱アシル化に関する酵素スクリー
ニング この研究の範囲および利用度を広げる目的で、八プロピ
オン酸スクロースを合成し、これを酵素触媒脱アシル化
反応における基質として用いた。SOAに対してSOP
が与える1つの重要な利点は、より高い疎水性を示す溶
媒、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オク
タンなどへの溶解性が有意に増大する点である。求核剤
としてn−ブタノールが入っているヘプタン内でSOP
を脱アシル化する能力に関して、加水分解酵素類のスク
リーニングを行った。24時間培養した後の一定分量を
HPLCで分析した。表11に示すように、数多くの加
水分解酵素がSOPの脱アシル化を生じさせた。1つの
興味の持たれる実施例において、リパーゼAY30およ
びプロテアーゼXXIII型から得られるヘプタプロピ
オネートを一緒にHPLCに注入すると、2つの異なる
化合物が現れ、このことは、酵素部位選択性が異なるこ
とを立証している。
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】a) さらなる詳細を実験セクションの中
に見い出すことができるであろう。
【0073】b) ブタノールとアシル酵素との反応で
生じるプロピオン酸ブチル。
【0074】c) cAUsは、吸収単位を100で割
った値で表すピーク面積である。
【0075】d) HPLC分析を用いてこの生成物分
布を得た。
【0076】e) この列に示す値は分で表すHPLC
保持時間である。
【0077】リパーゼAY30およびプロテアーゼXX
III型が触媒するSOP脱アシル化に対する溶媒の効
表12および13に示すように、数多くの無水有機溶媒
中のリパーゼAY30またはプロテアーゼXXIII型
を用いて同じSOP脱アシル化を実施した。SOAの場
合と同様、SOPの酵素脱アシル化は際だった溶媒効果
を示し、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンなどの如き
非常に高い疎水性を示す溶媒を含む種々の溶媒の中で良
好な変換率を達成することが可能であった。
【0078】
【表13】
【0079】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0080】b) HPLC分析でこの生成物の分布を
得た。
【0081】c) この列に示す値は分で表すHPLC
保持時間である。
【0082】d) 他のピークがこの七および六プロピ
オン酸スクロースのピークを干渉していることからこれ
らの値を検出することができなかった。
【0083】
【表14】
【0084】a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度
である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の
対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものであ
る。
【0085】b) HPLC分析でこの生成物の分布を
得た。
【0086】c) この列に示す値は分で表すHPLC
保持時間である。
【0087】d) 他のピークがこの七および六プロピ
オン酸スクロースのピークを干渉していることからこれ
らの値を検出することができなかった。
【0088】pH沈澱させたSOP脱アセチル化用加水分解酵素 SOPで活性を示す酵素類の数および活性を増大させる
目的で、SOAに関して記述したのと同様なpH沈澱実
験を行った。いくつかの追加的酵素、例えばリパーゼA
P12、アルカラーゼ、プロレザー、プロテアーゼN、
リパーゼII型およびMMリパーゼが、SOPを脱アセ
チル化する能力を有することが見いだされた。これらの
後者の酵素類はSOAおよびSOP両方の脱アシル化を
行う。これらの実験の結果を表14に示す。
【0089】
【表15】
【0090】a) この挙げた緩衝液pHは、無水媒体
内の酵素活性に最適なpHである。
【0091】b) 24時間培養後のHPLC分析でこ
の生成物の分布を得た。
【0092】実験 下記の酵素類をAmanoから入手した:リパーゼAP12
(黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、125
U/mg)、リパーゼAY30(カンジダ・シリンドラ
セア(Candida cylindracea)、34U/mg)、リパ
ーゼGC4(ゲオトリクム・カンジヅム(Geotrichum c
andidum)、4.4U/mg)、リパーゼAK(シュー
ドモナス種(Pseudomonas sp.)、22U/mg)、リ
パーゼCE(フミコロサ・ランギノサ(Humicolosa lan
ginosa)、11U/mg)、リパーゼN(リゾプス・ニ
ベウス(Rhizopus niveus)、80U/mg)、リパー
ゼL10(カンジダ・リポリチカ(Candida lypolitic
a)、11U/mg)、リパーゼMAP10(ムコル・
ジャバニクス(Mucor javanicus)、10.6U/m
g)、リパーゼPGE(ウシ舌根および唾液腺、0.7
U/mg)、リパーゼR10(ペニシリウム・ロクエホ
ルチ(Penicillium roqueforti)、10U/mg)、L
PL−80(リポ蛋白質リパーゼ、881U/mg)、
ニューラーゼA(黒色アスペルギルス(Aspergillus ni
ger)、41.8U/mg)、ニューラーゼ2(リゾプ
ス・ニベウス(Rhizopus niveus)、15U/mg)、
ペプチダーゼA(アスペルギルス・オリザエ(Aspergil
lus oryzae)、10U/mg)、プロテアーゼ2A(ア
スペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、2
2.5U/mg)、プロテアーゼB(ペニシリウム種
(Penicillium sp.)、2U/mg)、プロテアーゼM
(アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、
6U/mg)、プロテアーゼN(枯草菌(Bacillus sub
tilis)、186U/mg)、プロレザー(枯草菌(Bac
illus subtilis)、10.5U/mg)、プロテアーゼ
PZT(ブタのすい臓およびアスペルギルス属(Asperg
illus)、54U/mg)、スタキアーゼ(黒色アスペ
ルギルス(Aspergillus niger)、0.3U/mg)、
PLE−A(ブタの肝臓、5.2U/mg)、ビオチー
ムS(菌・カビのアミラーゼ、64U/mg);下記の
酵素類をSigmaから入手した:リパーゼI型(麦芽、
9.6U/mg)、リパーゼII型(ブタのすい臓、5
0U/mg)、プロテアーゼXIII型(アスペルギル
ス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、0.4U/m
g)、プロテアーゼXIX型(アスペルギルス・ソジャ
エ(Aspergillus sojae)、0.44U/mg)、プロ
テアーゼXXIII型(アスペルギルス・オリザエ(As
pergillus oryzae)、3.5U/mg)、キモトリプシ
ン(ウシのすい臓、48U/mg)、パパイン(パパイ
ヤ・ラテックス(Papaya latex)、2.8U/mg)、
ブロメライン(パイナップルの茎、22.9U/m
g)、ホスファターゼアシッド(麦芽);Biocatalysts
から下記の酵素類を入手した:MMリパーゼ(ムコル・
ミエヘイ(Mucor miehei)、17U/mg)、CVリパ
ーゼ(クロモバクテリウム・ビスコスム(Chromobacter
ium viscosum)、25U/mg)、PCリパーゼ(ペニ
シリウム・シクロピウム(Penicillium cyclopium)、
1.25U/mg)、RAリパーゼ(リゾプス・アリザ
ス(Rhizopus arrhizus)、3.5U/mg)、PFリ
パーゼ(シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomona
s fluorescens)、14.5U/mg)。ニュートラー
ゼ(Newtrase)、SP−435リパーゼ(カンジダ・ア
ンタルクチカ(Candidaantarctica)、7PLU/m
g)、およびアルカラーゼ(バチルス・リケニホルミス
(Bacillus licheniformis))はNovo Nordiskから与え
られたものであった。
【0093】Fluka AG.からハイフロスーパーセルおよ
びシリカゲル(70−230メッシュ)を入手した。他
の全ての化学品は最高グレードのものであり、Aldrich
から購入した。
【0094】この研究で用いた有機溶媒は、無水物とし
て購入したものであるか、或は3Åのモレキュラーシー
ブ上で貯蔵したものであった。「生物化学および分子生
物学の実用ハンドブック」(Practical Handbook of Bi
ochemistry and Molecular Biology)に記述されている
操作に従って、この研究で用いた全ての緩衝液を調製し
た(pH10および9に関してはグリシン−NaOH緩
衝液を用い、pH8および7に関しては燐酸ナトリウム
緩衝液を用い、そしてpH6、5および4に関してはク
エン酸塩−燐酸塩緩衝液を用いた)。
【0095】HPLC分析。それぞれ八酢酸スクロース
(SOA)および八プロピオン酸スクロース(SOP)
を伴う反応用溶離剤としてアセトニトリル/水(35/
65)またはアセトニトリル/水(60/40)のどち
らかを用いたイソクラティック(isocratic)モード使
用Supelcosil LC-18-DBカラム(150x4.6mm、
5μ)を用いて常規スクリーニングを行った。全ての流
量は1.0mL/分であり、220nmでUVを検出し
た。SOAの脱アセチル化で得られる全ての生成物を同
定する目的で、水中15%から35%のアセトニトリル
を40分間用いた後35/65のアセトニトリル/水イ
ソクラティック溶離を20分間用いた勾配モードを使用
した。SOA脱アセチル化のための求核剤をスクリーニ
ングする目的で、30/70のアセトニトリル/水を1
6分間用いた後、水中30%から35%のアセトニトリ
ル勾配を5分間用い、そして最後に35/65のアセト
ニトリル/水を用いたイソクラティック溶離を16分間
用いた、イソクラティック溶離モードを使用した。SO
A脱アセチル化に関する酵素部位化学を評価する目的
で、25/75のアセトニトリル/水を55分間用いた
イソクラティック溶離モードを使用した。
【0096】酵素的に得られる五、六または七酢酸スク
ロース類の同定。五、六または七酢酸スクロース類の画
分を下記の如く同定した。興味の持たれる化合物(類)
を、1.0mLの99.0原子%ピリジン−d5の中に
溶解させた後、1.0mLの99+原子%無水酢酸−d
6を添加した。この得られる溶液を、TLC分析(シリ
カゲル、9/1のCHCl3/MeOH)で反応が完結
したことが示されるまで、45℃および300RPMで
数時間振とうした。この反応混合物を真空中で蒸発させ
た後、その残渣を水で数回洗浄することにより、残存し
ているピリジン−d5または無水酢酸−d6を除去した。
この得られる油状固体を5mLのクロロホルムの中に溶
解させた後、1PSシリコンで処理した12.5cmの
Whatmann濾紙に通すことで水を除去した。クロロホルム
を蒸発させた後、その残渣を1H−NMR分析の目的で
1/1のピリジン−d5/ベンゼン−d6の中に溶解させ
た。
【0097】酵素沈澱。Novoから供給された25mLの
アルカラーゼ溶液に37.5mLの冷アセトン(−20
℃)を添加することによってアルカラーゼを調製した。
水系アセトンをデカンテーションで除き、そしてその残
渣を25mLのグリシン−NaOH緩衝液(pH9.
0)の中に溶解させた。NaOH希釈溶液を数滴用いて
この溶液のpHを9.0に調整した。この緩衝させたア
ルカラーゼ溶液に冷アセトン(−20℃の37.5m
L)を加え、そして中間的間隙率を有するガラス漏斗を
用いて濾過することで沈澱物を集めた後、2ミリトール
で一晩乾燥させた。この得られるペレットを微粉末に粉
砕した後、飽和炭酸カリウム水溶液上(RH:43%)
4℃で24時間貯蔵した。
【0098】市販の粉末酵素類のpHを下記の方法で調
整した。酵素(3g)を25mLの適当な緩衝液の中に
溶解させた後、希釈NaOHまたはクエン酸/燐酸溶液
でpHを調整した。冷アセトン((−20℃の37.5
mL)を加え、そして中間的間隙率を有するガラス漏斗
上に沈澱物を集めた後、2ミリトールで一晩乾燥させ
た。この蛋白質ペレットを微粉末に粉砕した後、飽和炭
酸カリウム水溶液上(RH:43%)4℃で24時間平
衡にした。
【0099】酵素固定化。18mLの水の中に900m
gの緩衝させたアルカラーゼが入っている溶液のpHを
希釈NaOHで9.0に調整した。ハイフロスーパーセ
ル(6g)を加えた後、このスラリーを完全混合した。
この混合物を2ミリトールの真空下で一晩乾燥させた
後、飽和硫酸アンモニウム水溶液上(RH:82%)で
24時間貯蔵した。蛋白質溶液を燐酸ナトリウムでpH
7.0に調整する以外は同様にしてリパーゼAY30の
固定化を行った。
【0100】SOA脱アセチル化のための酵素および溶
媒スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連
続して、記述した如く入手したか或は調製した粉末酵素
の100mgと、有機溶媒の中に溶解させた20mMの
八酢酸スクロース(SOA)の1.0mLを仕込んだ。
5秒間音波処理した後、この小びんを、45℃に温度調
節されている振とう器中300RPMで24時間培養し
た。この反応混合物の一定分量200μLを取り出して
遠心分離にかけた。その上澄み液を集めてN2流下で蒸
発させた。この残渣を200μLのアセトニトリルの中
で再構成した後、この溶液の10μLをHPLCで分析
した。
【0101】酵素的SOA脱アセチル化による七酢酸ス
クロース類の合成 方法A(プロレザー、リパーゼII型、リパーゼAP1
2、SP−435リパーゼまたはアルカラーゼ):SO
Aの0.203g(0.3ミリモル)を15mLのジイ
ソプロピルエーテルの中に溶解させた後、該加水分解酵
素を1.5g添加した。この反応混合物の音波処理(5
秒間)を行った後、45℃および300RPMにセット
した回転振とう器の中に6日間入れた。この酵素を濾過
で除去してアセトニトリルで洗浄した。濾液/洗浄液を
一緒にして減圧下で蒸発させた後、その残渣を、溶離剤
としてヘキサン/酢酸エチル(2/3)を用いたシリカ
ゲルカラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィ
ーにかけた。蒸発させることで、相当する七酢酸スクロ
ース類がそれぞれ40mg(アルカラーゼ)、39mg
(リパーゼII型)、34mg(リパーゼAP12)、
11mg(SP−435リパーゼ)および60mg(プ
ロレザー)得られた。
【0102】方法B(リパーゼAY30):SOAの
0.170g(0.25ミリモル)を5mLのt−ブチ
ルメチルエーテルの中に溶解させた後、0.5gのリパ
ーゼAY30を添加した。この反応混合物を方法Aと同
じ条件下で処理した後、後処理することにより、43m
gの七酢酸スクロース類が得られた。
【0103】6−PASの合成:ジイソプロピルエーテ
ル中のアルカラーゼを用いたSOAの脱アセチル化。S
OA(1.35g、2ミリモル)を100mLのジイソ
プロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、アル
カラーゼ(10g、pH9の緩衝液から沈澱させた)を
加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合物
を45℃および300RPMで4日間振とうした。この
酵素を濾過で除去してアセトニトリル(100mL)で
洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒にして減圧下で蒸発
させた後、この残渣を、シリカゲルカラム(23x2.
5cm)使用クロマトグラフィーにかけた。ヘキサン/
酢酸エチル(2/3)で溶離させることにより、2,
3,4,6,1’,3’,4’−と2,3,4,6,
3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの
混合物(1/7)が360mg得られた。続けてヘキサ
ン/酢酸エチル(1/4)で溶離させることにより、
2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルス
クロースが86mg得られた。最後に、500mLの酢
酸エチルで溶離させることにより、4−PASと6−P
ASの混合物が40mg得られた。シリカゲルクロマト
グラフィー(10x2.5cm)を用いヘキサン/酢酸
エチル(1/9)で溶離させることで五酢酸スクロース
を精製することにより、6−PASが5mg得られた。
【0104】6−PASの合成:メタノールが入ってい
るジイソプロピルエーテル中のプロレザーに触媒させた
SOAの脱アセチル化。SOA(1.35g、2ミリモ
ル)を、1Mのメタノールが入っている100mLのジ
イソプロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、
プロレザー(5g、pH10の緩衝液から沈澱させた)
を加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合
物を45℃および300RPMで振とうした。2日後、
5gのプロレザーを添加して更に3日間この混合物の振
とうを行った。この酵素を濾過で除去してアセトニトリ
ル(100mL)で洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒
にして減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲル
カラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィーに
かけた。ヘキサン/酢酸エチル(2/3)で溶離させる
ことにより、2,3,4,6,1’,3’,4’−と
2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセ
チルスクロースの混合物(1/7)が579mg得られ
た。続けてヘキサン/酢酸エチル(1/4)で溶離させ
ることにより、2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−
O−アセチルスクロースが205mg得られた。最後
に、500mLの酢酸エチルで溶離させることにより、
五酢酸スクロース類の混合物が86mg得られた。シリ
カゲルクロマトグラフィー(10x2.5cm)を用い
ヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させることで五
酢酸スクロースを精製することにより、6−PASが2
4mg得られた。
【0105】6−PASの合成:ジイソプロピルエーテ
ル中のリパーゼAP12に触媒させた2,3,4,6,
3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースの脱アセ
チル化。2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−ア
セチルスクロース(0.055g、0.092ミリモ
ル)を、8mLのジイソプロピルエーテルの中に溶解さ
せた。この溶液に、リパーゼAP12(0.8g、pH
6の緩衝液から沈澱させた)を加えた。5秒間の音波処
理を行った後、この反応混合物を45℃および300R
PMで20時間振とうした。この酵素を濾過で除去して
アセトニトリルで洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒に
して減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲルカ
ラム(10x2.5cm)使用クロマトグラフィーにか
け、ヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させること
で6−PASが5mg得られた。
【0106】アルカラーゼ、プロレザーまたはリパーゼ
AP12に触媒させたSOA脱アセチル化のための求核
剤スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連
続して、記述した如く調製した粉末酵素を100mg、
そしてジイソプロピルエーテルの中に溶解させた20m
Mの八酢酸スクロース(SOA)と200mMの求核剤
を1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理した後、この小
びんを、45℃に温度調節されている振とう器中300
RPMで66時間培養した。この反応混合物の一定分量
200μLを取り出して遠心分離にかけた。その上澄み
液を集めてN2流下で蒸発させた。この残渣を200μ
Lのアセトニトリルの中で再構成した後、この溶液の1
0μLをHPLCで分析した。
【0107】酵素活性に対する濃度の効果をスクリーニ
ングする目的で、この求核剤濃度を0から200mMで
変化させる以外は同じプロトコルに従った。
【0108】八プロピオン酸スクロース(SOP)の合
。100mLのピリジンの中に10.27g(30.
0ミリモル)のスクロースが入っている懸濁液を撹拌し
ながら還流にまで加熱した。約75分後、溶解していな
いスクロースが若干入っている半透明の溶液が得られ、
これを周囲温度にまで冷却した後、46.9mL(36
2.7ミリモル、51%過剰)の無水プロピオン酸を一
度に加えることで処理した。初期の発熱で45−46℃
になった後、この反応混合物を周囲温度で19時間撹拌
した。TLC分析(シリカゲル、ジエチルエーテル/ア
セトン、4/1)で、この反応が完了したことが示され
た。この混合物を真空中で蒸発させることでシロップ状
物を残存させ、これをトルエンの中に溶解させた後、3
回再蒸発させることで、できるだけ多くのピリジンを除
去した。このシロップ状物を100mLの塩化メチレン
の中に溶解させそして連続して25mLの水、100m
Lの1%NaHCO3そして25mLの水で洗浄するこ
とにより、残存しているピリジンおよび/またはプロピ
オン酸を除去した。MgSO4上で乾燥しそして濾過し
た後、塩化メチレンを蒸発させることでほとんど無色の
シロップ状物を残存させたが、これは、周囲温度で数日
後にゆっくりと結晶化して白色のワックス状固体を生じ
た。Supelcosil LC-18-DB逆相カラムを使用したHPL
C分析で60/40アセトニトリル/水を用いたイソク
ラティック溶離を行うことにより、Rt=22.9分で
あることが示され、純度は98.6%であると見積もら
れた。C365419に関する分析:理論値C:54.6
8;H:6.88;測定値C:54.23;H:6.8
0。
【0109】ヘプタン中のSOP脱アシル化のための酵
素スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連
続して、記述した如く入手したか或は調製した粉末酵素
を100mg、そして有機溶媒の中に溶解させた20m
Mの八プロピオン酸スクロース(SOP)と200mM
のブタノールを1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理し
た後、この小びんを、45℃に温度調節されている振と
う器中300RPMで24時間培養した。この反応混合
物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけ
た。その上澄み液を集めて、この溶液の10μLをHP
LCで分析した。
【0110】SOP脱アシル化のための溶媒スクリーニ
ング。シンチレーション用小びんの中に連続して、記述
した如きリパーゼAY30またはプロテアーゼXXII
Iを100mg、そして有機溶媒の中に溶解させた20
mMの八プロピオン酸スクロース(SOP)と200m
Mのブタノールを1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理
した後、この小びんを、45℃に温度調節されている振
とう器中300RPMで24時間培養した。この反応混
合物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけ
た。その上澄み液を集めて、N2流下で蒸発させた。こ
の残渣を200μLのアセトニトリルの中で再構成した
後、この溶液の10μLをHPLCで分析した。
【0111】ここで用いる言葉「1’−酢酸スクロー
ス」、「4’−酢酸スクロース」、「6’−酢酸スクロ
ース」、「4−酢酸スクロース」および「6−酢酸スク
ロース」は、オクタ−、ヘプタ−またはヘキサ−O−ア
セチルスクロース類を表しており、ここで、示した位置
にアセチル置換基が含まれており、その残りのアセチル
置換基の位置に関する特別な指示はない。
【0112】本発明の特徴および態様は以下のとおりで
ある。
【0113】1. 少なくとも6個のエステル基を有す
るスクロースエステル類の酵素触媒脱アシル化によるス
クロースの部分アシル化誘導体の製造方法において、こ
のスクロースエステルを溶解し得る有機溶媒を含む無水
反応溶媒の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタア
シル化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから
成る群から選択されるスクロースエステルを、上記スク
ロースエステルの脱アシル化を触媒し得る加水分解酵素
または加水分解酵素類の組み合わせで処理することによ
り、予め選択した一の位置または複数の位置においてそ
の出発スクロースエステルよりも少なくとも1個多い遊
離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロ
ース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル
化スクロース誘導体を回収することを含む方法。
【0114】2. 該スクロースエステルがスクロース
アルカノエート、スクロースα−ハロアルカノエートま
たはスクローストリハロアルカノエートであり、ここ
で、このアルカノエート部分が8個以下の炭素原子を有
している第1項の方法。
【0115】3. 該スクロースエステルが酢酸スクロ
ース類、プロピオン酸スクロース類、n−もしくはs−
酪酸スクロース類、クロロ酢酸スクロース類、フルオロ
酢酸スクロース類、トリクロロ酢酸スクロース類および
トリフルオロ酢酸スクロース類から成る群から選択され
る第2項の方法。
【0116】4. 該スクロースエステルが八酢酸スク
ロース、七酢酸スクロース、六酢酸スクロース、八プロ
ピオン酸スクロース、七プロピオン酸スクロースまたは
六プロピオン酸スクロースである第3項の方法。
【0117】5. 該酵素がリパーゼ、プロテアーゼ、
エステラーゼまたはアミラーゼである第1項の方法。
【0118】6. 該酵素がリパーゼAY30、SP−
435リパーゼ、プロテアーゼN、リパーゼII型、ア
ルカラーゼ、プロレザー、リパーゼAP12、プロテア
ーゼXXIII型、プロテアーゼM、リパーゼVII
型、プロテアーゼXIII型、ビオチームS、プロテア
ーゼ2A、リパーゼCE、PCリパーゼおよびMMリパ
ーゼから成る群から選択される第5項の方法。
【0119】7. 該有機溶媒が炭化水素、エーテル、
ケトン、エステル、アルコールまたはハロゲン化炭化水
素である第1項の方法。
【0120】8. 該有機溶媒がトルエン、ジイソプロ
ピルエーテル、四塩化炭素、エチレングリコールジメチ
ルおよびジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、
アセトニトリル、アセトン、THF、シクロヘキサノ
ン、2−メチルTHF、t−ブチルメチルおよびエチル
エーテル、2,5−ジメチルTHF、シクロヘキサノー
ル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、3−ヘプタノ
ン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルエーテ
ル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテ
ル、クロロホルム、ベンゼン、アニソール、フェネトー
ル、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサ
ンから成る群から選択される1員である第7項の方法。
【0121】9. 該有機溶媒がジイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、t−ブチル
メチルエーテル、3−ヘプタノン、ジプロピルエーテ
ル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテ
ル、クロロホルム、2,2,5,5−テトラメチルTH
F、トルエン、四塩化炭素、酢酸n−ブチル、ベンゼン
またはアニソールである第8項の方法。
【0122】10. 該反応媒体がまた有機求核剤を含
んでおり、ここで、この求核剤が、アルコール類、アミ
ン類、アミノアルコール類、チオール類およびオキシム
類から成る群から選択される1員である第1項の方法。
【0123】11. 該求核剤がメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、
シクロヘキシルメタノール、フェネチルアルコールおよ
びジイソプロピルアミンから成る群から選択される1員
である第10項の方法。
【0124】12. 該求核剤がメタノール、n−ブタ
ノール、ジイソプロピルアミンまたはフェネチルアルコ
ールである第11項の方法。
【0125】13. SP−435リパーゼ、プロテア
ーゼN、アルカラーゼ、プロレザー、リパーゼAP12
から成る群から選択される酵素類の組み合わせで八酢酸
スクロースを同時もしくは逐次的に処理することを含
み、ここで、上記組み合わせは、該八酢酸スクロースの
4−、1’−および6’−位または6−、1’−および
6’−位のエステル基を脱アセチル化する目的で選択さ
れ、そしてこのようにして生じさせた6,2,3,
3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースまたは
4,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロ
ースか或はこれらの両方を回収することを含む第1項の
方法。
【0126】14. 1’−酢酸スクロースをアルカラ
ーゼで処理することによりこの1’−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0127】15. 1’−酢酸スクロースをプロレザ
ーで処理することによりこの1’−位のエステル基を脱
アセチル化することを含む第1項の方法。
【0128】16. 1’−酢酸スクロースをプロテア
ーゼNで処理することによりこの1’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0129】17. 4’−酢酸スクロースをプロテア
ーゼNで処理することによりこの4’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0130】18. 6’−酢酸スクロースをプロテア
ーゼNで処理することによりこの6’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0131】19. 1’−酢酸スクロースをリパーゼ
AY30で処理することによりこの1’−位のエステル
基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0132】20. 4’−酢酸スクロースをリパーゼ
AY30で処理することによりこの4’−位のエステル
基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0133】21. 6’−酢酸スクロースをSP−4
35リパーゼで処理することによりこの6’−位のエス
テル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0134】22. 4−酢酸スクロースをリパーゼA
P12で処理することによりこの4−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0135】23. 6−酢酸スクロースをリパーゼA
P12で処理することによりこの6−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0136】24. (a)アルカラーゼまたはプロレ
ザーで八酢酸スクロースを処理することにより2,3,
4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスク
ロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−
O−アセチルスクロースとの混合物を生じさせ、そして
(b)段階(a)の生成物をアルカラーゼまたはプロレ
ザーで処理することにより2,3,4,6,3’,4’
−ヘキサ−O−アセチルスクロースを生じさせる、段階
を含む第1項の方法。
【0137】25. 段階(b)の生成物を更にアルカ
ラーゼまたはプロレザーで処理することにより2,3,
6,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースと
2,3,4,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロ
ースを生じさせる第24項の方法。
【0138】26. 段階(b)の生成物を更にリパー
ゼAP12で処理することにより2,3,6,3’,
4’−ペンタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,
3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースを生じさ
せる第24項の方法。
【0139】27. 該有機溶媒がエーテルである第2
4項の方法。
【0140】28. 該有機溶媒がエーテルである第2
5項の方法。
【0141】29. 該有機溶媒がエーテルである第2
6項の方法。
【0142】30. 該反応媒体がエーテルとアルコー
ルの混合物である第27項の方法。
【0143】31. 該反応媒体がエーテルとアルコー
ルの混合物である第28項の方法。
【0144】32. 該反応媒体がエーテルとアルコー
ルの混合物である第29項の方法。
【0145】33. 6’−酢酸スクロースをアルカラ
ーゼで処理することによりこの6’−位のエステル基を
脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0146】34. 6’−酢酸スクロースをプロレザ
ーで処理することによりこの6’−位のエステル基を脱
アセチル化することを含む第1項の方法。
【0147】35. 4’−酢酸スクロースをリパーゼ
II型で処理することによりこの4’−位のエステル基
を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フエルナンド・テラダス フランス・74500エビアン−レ−バン・リ ユナシヨナル88

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも6個のエステル基を有するス
    クロースエステル類の酵素触媒脱アシル化によるスクロ
    ースの部分アシル化誘導体の製造方法において、このス
    クロースエステルを溶解し得る有機溶媒を含む無水反応
    溶媒の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル
    化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから成る
    群から選択されるスクロースエステルを、上記スクロー
    スエステルの脱アシル化を触媒し得る加水分解酵素また
    は加水分解酵素類の組み合わせで処理することにより、
    予め選択した一の位置または複数の位置においてその出
    発スクロースエステルよりも少なくとも1個多い遊離ヒ
    ドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロース
    誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化ス
    クロース誘導体を回収することを含む方法。
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