JP3994224B2 - 無水有機媒体内におけるスクロースエステル類の部位選択的酵素脱アシル化 - Google Patents

無水有機媒体内におけるスクロースエステル類の部位選択的酵素脱アシル化 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、無水有機溶媒中で酵素類を用いて部位選択的にスクロースエステル類を脱アシル化する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
人工甘味料である4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース(「スクラロース(sucralose)」)は、スクロースを用いこれの4,1’および6’位のヒドロキシルを塩素で置換することによって誘導される。(この甘味料の製造方法において、その4位の立体配置が反転している、従ってこの化合物はガラクトスクロースである)。これらの塩素原子をその所望の位置にのみ向かわせるのが主要な合成上の課題である、と言うのは、置換されるヒドロキシルは異なる反応性を示し、その2つは第一級でありそして1つは第二級であるからである。その最終生成物の6位にある第一級ヒドロキシルは未置換である事が、この合成を更に複雑にしている。
【0003】
本発明は、スクロースエステル類への改良されたルートを提供するものであり、ここで、これらのエステル基は、そのスクロース分子上の予め決められた位置に結合している。1つの態様において、本発明は、スクラロースを製造する目的で用いられ得る4,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロース(「4−PAS」)または6,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロース(「6−PAS」)か或はこれらの両方への改良されたルートを提供する。4−PASは容易に6−PASに転位し、これを塩素化したあと脱アシル化することによって、スクラロースを製造することができる。
【0004】
【発明の簡単な要約】
本発明は、スクロースエステル類の酵素触媒脱アシル化によるスクロースの部分アシル化誘導体の製造方法を提供するものであり、ここで、上記方法は、無水有機媒体(本文中に定義する如き)の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから成る群から選択されるスクロースエステルを、上記スクロースエステルの脱アシル化を触媒し得る酵素または酵素類の組み合わせで処理することにより、予め選択した一または複数の位置に遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化スクロース誘導体を回収することを含んでいる。
【0005】
【従来技術】
Bornemann他の米国特許第5,141,860号(および英国特許第2 224 504 A号)には、スクロースのオクタエステル類を水系媒体中で酵素的に脱アシル化することによって種々の部分脱アシル化スクロースエステル類を生じさせる方法が開示されている。
【0006】
水系媒体(2相系であってもよい)内におけるオクタ−O−アセチルスクロースの酵素的加水分解によるヘプタ−、ヘキサ−および/またはペンタ−O−アセチルスクロース類の製造が、Chang他、J. Carbohydrate Chemistry、 10(2)、 251-261 (1991)およびCarbohydrate Reserach、 222、 121-129 (1991);Kloosterman他、 J. Carbohydrate Chemistry、 8(5)、 693-704 (1989);Mentech他、 ヨーロッパ特許第0 357 476号(1990年3月7日−フランス特許番号2 634 497号に相当);およびOng他、 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、 2(2)、 161-164
(1992)に開示されている。
【0007】
以下に示す文献の中に、水系媒体(2相系であってもよい)内における炭水化物エステル類の部位選択的酵素脱アシル化が一般的に開示されている。
【0008】
H. M. Sweers他、 J. Am. Chem. Soc.、 108、 6421 (1986); W. J. Hennen他、 J. Org. Chem.、 53、 4939 (1988); J. Zemek他、 Coll. Czech. Chem. Commun.、 53、 1851 (1988); A. Ballesteros他、 Tetrahedron、 45、 7077 (1989); S. Tomic他、 Carbohydrate Res.、 210、 191 (1991);およびK. Kefurt他、 Carbohydrate Res.、 223、 137 (1992)。
【0009】
J. S. Dordick著「有機溶媒で用いるための酵素設計」、Biotechnol. Prog.、 1992、 No. 8、 259-267およびA. M. Klibanov著「有機溶媒中で働く酵素類」、Chemtech、 1986年6月、 354-359には、非水系で反応を触媒する酵素類を用いることで得ることが可能な利点が考察されている。
【0010】
【発明の具体的な説明】
学術用語および省略形
本出願で用いる下記の短縮名、省略形および言葉はその指示した意味を有する。
【0011】
スクラロース=4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;
SHeptaA=七酢酸スクロースもしくはヘプタ−O−アセチルスクロース;
SHexaA=六酢酸スクロースもしくはヘキサ−O−アセチルスクロース;
6−PAS=6,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロース;
4−PAS=4,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロース;
4’−OHヘプタアセテート=2,3,4,6,1’,3’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロース;
1’−OHヘプタアセテート=2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロース;
6’−OHヘプタアセテート=2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスクロース;
1’,6’−ジOHヘキサアセテート=2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロース;
SOA=八酢酸スクロース;
SOP=八プロピオン酸スクロース;
THF=テトラヒドロフラン;
2−メチルTHF=2−メチルテトラヒドロフラン;
2,5−ジメチルTHF=2,5−ジメチルテトラヒドロフラン;
2,2,5,5−テトラメチルTHF=2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン;および
CCl4=四塩化炭素。
【0012】
ここで用いる「無水」有機媒体は、この反応で用いる有機溶媒の体積を基準にして約1体積%以下の水を含んでいる有機媒体を意味することを意図しており、ここで、該酵素に結合している水は排除する。更に、この有機媒体が水に混和性を示さない化合物である場合、本発明で用いる無水有機媒体は単相である(即ち、何らかの水が存在している場合、この水は水相を生じるに充分な割合では存在していない)ことを意図している。
【0013】
本発明の方法は、無水有機媒体の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから成る群から選択されるスクロースエステルを、上記スクロースエステルの脱アシル化を触媒し得る酵素または酵素類の組み合わせで処理することにより、予め選択した一または複数の位置に遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化スクロース誘導体を回収することを含んでいる。
【0014】
本発明の方法で用いられ得るスクロースエステル類の中には、八−、七−および六酢酸スクロース、八−、七−および六プロピオン酸スクロース、八−、七−および六(n−もしくはs−酪酸)スクロース、スクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ(α−ハロアルカノエート類)、例えば八クロロ酢酸スクロースおよび八フルオロ酢酸スクロースなど、スクロースのトリハロアルカノエート類、例えばスクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ(トリクロロアセテート)およびスクロースのオクタ−、ヘプタ−およびヘキサ(トリフルオロアセテート)、並びにスクロースの他のオクタ−、ヘプタ−およびヘキサアシレート類およびハロアルカノエート類があり、ここで、このアルカノエート部分は約8個以下の炭素原子を有している。
【0015】
本発明の方法では有機溶媒を用いる。本方法を実施するに有効であることが見いだされた有機溶媒は、単独で用いられるか或は組み合わせて用いられるかに拘らず、トルエン、ジイソプロピルエーテル、四塩化炭素、エチレングリコールジメチルおよびジエチルエーテル、アセトニトリル、アセトン、THF、シクロヘキサノン、2−メチルTHF、t−ブチルメチルおよびエチルエーテル、2,5−ジメチルTHF、シクロヘキサノール、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、3−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、クロロホルム、ベンゼン、アニソール、フェネトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ジ−n−ブチルエーテル、並びに他の環状および非環状有機溶媒であり、これらには、本発明の方法で用いるスクロースエステル基質を溶かす炭化水素(脂肪族および芳香族炭化水素の両方)、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコール類およびハロゲン化炭化水素が含まれる。1つの種類として、エーテル類が本発明の方法で用いるに好適な有機溶媒であることが確認された。
【0016】
本発明の1つの好適な態様において、この反応媒体の中でまた求核剤を用いる。上記求核剤には、水(水に混和性を示さない溶媒の場合、この媒体の中に独立した水相を形成する量よりも少ない量である、さもなくばこの有機溶媒の体積を基準にして1体積%以下の量である)が含まれ、そして好適には、有機求核剤、例えばアルコール類、アミン類、アミノアルコール類、チオール類およびオキシム類が含まれる。上記有機求核剤の説明的例には、n−ブタノール、メタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ジイソプロピルアミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−ピペリジンエタノール、n−ブチルチオール、ベンジルメルカプタン、チオフェノール、シスチン[3,3’−ジチオビス(2−アミノプロピオン酸)]、アセトアルドキシム、アセトンオキシムおよびベンズアルドキシムが含まれる。
【0017】
本発明で用いる酵素類は加水分解酵素類、例えばリパーゼ類、プロテアーゼ類、エステラーゼ類およびアミラーゼ類である。そのスクロース部分上の予め選択した位置にあるエステル基を優先的に除去する目的で、これらの酵素類を用いる。1つの面において、酵素であるリパーゼAY30(カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea))を用いることで優先的に主に4’位のエステル基そして二次的に1’位のエステル基を除去する。プロテアーゼN(枯草菌(Bacillus subtilis))を用いて優先的に1’,4’および6’位のエステル基を除去する。ブタのすい臓リパーゼを用いて優先的に4’位のエステル基を除去する。アルカラーゼ(バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis))を用いて優先的に1’位のエステル基そして二次的に6’位のエステル基を除去する。プロレザー(Proleather)(枯草菌(Bacillus subtilis))を用いて優先的に1’位のエステル基そして二次的に6’位のエステル基を除去する。リパーゼAP12(黒色アスペルギルス(Aspergillus niger))を用いて優先的に4位および6位のエステル基を除去する。SP−435リパーゼ(カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica))を用いて優先的に主に6’位のエステル基そして二次的に1’位のエステル基を除去する。
【0018】
本発明の方法で用いる反応媒体は、上に定義した如く無水である。存在させ得る少量の水は、この酵素を溶解させる量未満である。本発明の方法を無水媒体(本文中に定義した如き)中で実施することにより下記の利点が得られることを見い出した。
【0019】
1. 該スクロースのオクタエステル基質の溶解性が増大すること;
2. 望まれない脱アシル化が抑制されること;
3. この脱アシル化反応の部位選択性が増強されること;
4. この酵素を固定する必要がないことからこの方法が簡単になること、例えばこの酵素は簡単な濾過でその反応混合物から除去され得ること;
5. 生成物の単離がより容易なこと、例えば単に溶媒を蒸発させることが、必要とされている全てである可能性があること;
6. 微生物学的汚染の可能性が有意に低いこと;そして
7. 酵素類を溶解させるに充分な量の水が存在していないことでこれらの酵素が示す熱安定性がより高いこと。
【0020】
最初に、有機溶媒中でSOAを部位選択的に脱アセチル化する能力に関して、幅広い種類の加水分解酵素のスクリーニングを行った。我々の初期のスクリーニング実験で評価したものの中でリパーゼAY30が有意な活性を示した。酵素活性は、この酵素を取り巻いている水の殻が最小限であることに依存している。公知の相対湿度(RH)を有する飽和塩水溶液の上でその乾燥した酵素を平衡にすることによって、この酵素、即ちそれの活性に結合している水の量を調節することができる。有機溶媒の中に入っている酵素が示す触媒力を改良する1つの方法は、正しいイオン状態でそれを用いることであることは知られている。これは一般に、この酵素の最適pHにある緩衝液からこの酵素を凍結乾燥するか或は沈澱させることによって達成される。本技術における一般的教示に一致して、pHを調整した緩衝液(製造業者が指定している最適pHから±1のpH単位)から他の酵素類の多くを沈澱させると有意な活性が得られることを見い出した(表1参照)。
【0021】
【表1】
Figure 0003994224
【0022】
a) この挙げた緩衝液pHは、無水溶媒内の酵素活性に最適なpHである。
【0023】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。
【0024】
活性を示すとして同定された酵素のいくつかに関して、それらが異なる溶媒中で示す活性を評価する実験を行った。数多くの無水溶媒の中で同じ酵素に触媒させたSOA脱アセチル化実験を行った。24時間培養した後の一定分量をHPLCで分析した。これらの溶媒実験の結果を表2−5に示すが、これらは明らかに、評価した各酵素が示す活性に対して溶媒が著しい影響を与えることを表している。
【0025】
【表2】
Figure 0003994224
【0026】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数[Rekker著「疎水性フラグメント定数」(The Hydrophobic Fragmental Constant)、Elsevier、 Amsterdam (1977)])。この表のlog P値は、Laane他、 Biotechnol Bioeng. 30、 81 (1987)からのものである。
【0027】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。
【0028】
c) 七酢酸スクロースが検出されたのはSOA中に少量の不純物が存在していたことによるものである。
【0029】
d) エタノール、ジエチルエーテルおよびエトキシエタノールに関する公知log P値から見積もった。
【0030】
e) THFに関するlog P値に1メチル基当たり0.5単位を増分的に加えることによって見積もった。
【0031】
f) 恐らくは溶媒による他のピークがこの六酢酸スクロースピークを干渉していたことからこの値を報告しなかった。
【0032】
【表3】
Figure 0003994224
【0033】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0034】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこれを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
【0035】
【表4】
Figure 0003994224
【0036】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0037】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。1種の七酢酸スクロース(Rt:8.1分)を検出した。
【0038】
【表5】
Figure 0003994224
【0039】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0040】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこれを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
【0041】
固定化した加水分解酵素に対する溶媒の効果
アルカラーゼおよびリパーゼAY30をハイフロスーパーセル(Hyflo Super Cell)の上に堆積させ、そしてこれを、いくつかの無水溶媒中のSOA脱アセチル化反応用触媒として用いた。両方の固定化酵素を用いた時(表6および7)、有利な溶媒効果が観察された。
【0042】
【表6】
Figure 0003994224
【0043】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0044】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。2種の七酢酸スクロース、即ち1’−OHおよび6’−OH(Rt:7.7および8.5分)を検出し、これらのピーク面積を加え、そしてこれを用いてヘプタアセテート類の全%を得た。
【0045】
【表7】
Figure 0003994224
【0046】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0047】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。
【0048】
加水分解酵素によるSOA脱アセチル化に関する部位化学
この研究の重要な面は、SOAの酵素的脱アセチル化で得られる全ての七、六および五酢酸スクロースの構造を明白に帰属させることであった。Rathbone E. B.、 Carbohydr. Res.、 205、 402 (1990)が記述しているのと同様にして、完全デュテリウムアセチル化した後、1H−NMR分析することでこれらの構造の帰属を行った。リパーゼAY30およびリパーゼII型を用いた表8(以下)に示す結果を調べた結果、主要な脱アセチル化生成物は4’−OHヘプタアセテートである。それとは対照的に、プロテアーゼ類であるアルカラーゼおよびプロレザーは、主に1’−位の脱アセチル化を生じさせ、そしてある程度の反応がその6’−位に生じる。リパーゼAP12を用いた脱アセチル化は、4−および6−OHヘプタアセテート類の両方を生じさせる一方、カンジダ・アンタルクチカ由来のSP−435リパーゼは、1’−OHヘプタアセテートと一緒に主に6’−OHヘプタアセテートを生じさせる。最後に、プロテアーゼNは、ほとんど等モル混合物で1’−、4’−および6’−OHヘプタアセテート類を生じさせる。
【0049】
【表8】
Figure 0003994224
【0050】
a. SOAの脱アセチル化に関して試験して変換率が<6%であった他の酵素類(最適なpH)は下記のものである:リパーゼCE(9.0);リパーゼAK(8.0);プロテアーゼM(6.0);リパーゼMAP10(7.0);キモトリプシン(8.0);PCリパーゼ(5.0);MMリパーゼ(10.0);プロテアーゼXXII型(8.0)。
【0051】
b. このコラムの中にpHを示す場合、これらの酵素は、示したpHの緩衝液から沈澱を生じた。この緩衝液のpHは、無水ジイソプロピルエーテル内の酵素活性で見いだされた最適pHである。
【0052】
c. 変換率(%)は、全七−および六−酢酸スクロースの合計である。脱アセチル化は酵素が存在していない場合全く生じなかった。
【0053】
d. この分子を完全デュテリウムアセチル化した後、1H−NMR分析することにより、各酵素反応の七酢酸スクロースの構造の帰属を行った。定量化の目的で、この表ではHPLCにおける七酢酸スクロースのピーク高を用いた。
【0054】
e. プロテアーゼNが触媒する反応生成物に関する部位化学を、HPLC保持時間を基準にして割り当てた。
【0055】
f. 2,3,4,1’,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの構造を下記の事実から推論した。培養している間はHPLCで2種の七酢酸スクロース類が検出されたが、カラムクロマトグラフィーにかけた後では、2,3,6,1’,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルのみが得られた。恐らくは、この精製を行っている間に、起こり得る過程であることが知られている4位から6位へのアセチル移動が起こったのであろう。
【0056】
求核剤の選択および濃度の効果
アルカラーゼ、プロレザーまたはリパーゼAP12に触媒させた同じSOA脱アセチル化を、いくつかの求核剤の存在下で実施し、その結果を表9に示す。アルカラーゼが触媒する反応では、求核剤としてメタノールまたはジイソプロピルアミンを用いることによって有意な変化率の増大が達成された(求核剤を添加していない反応に比較して少なくとも25%上昇した)一方、プロレザーが触媒する反応では、シクロヘキサノール、ジイソプロピルアミンおよびテトラメチルピペリジンを除く添加した全ての求核剤が同様な改良を与えた。リパーゼAP12が触媒する反応は、求核剤を存在させると、中間的な変換率の改良を示した。
【0057】
【表9】
Figure 0003994224
【0058】
a) この実験全体で用いた求核剤濃度は200mMである。SOAの脱アセチル化はこれらの酵素なしでは全く生じなかった。
【0059】
b) 変換率(%)(66時間培養)を、残存しているSOAに比較した時の得られる七酢酸スクロース類の合計で表す。
【0060】
c) 2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高で割った2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高として、アルカラーゼおよびプロレザー部位化学を定義する。
【0061】
d) 反応は全く生じなかった。
【0062】
表10に示すように、それぞれ0.5および1.0Mのメタノール存在下でアルカラーゼおよびリパーゼAP12に触媒させた反応において、全体変換率に関して中程度の増強が達成された。プロレザーに触媒させた反応で1.0Mのメタノールを用いると、注目すべき120%の変換率上昇が得られた。1.0Mのn−ブタノールまたはフェネチルアルコールを用いた時も同様な結果が得られた。
【0063】
【表10】
Figure 0003994224
【0064】
a) 変換率(%)(66時間培養)を、残存しているSOAに比較した時の得られる七酢酸スクロース類の合計で表す。
【0065】
b) 2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高で割った2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースのピーク高として、アルカラーゼおよびプロレザー部位化学を定義する。
【0066】
本発明の1つの好適な面において、上の表8に示す酵素類の組み合わせを用い、SOAの4−、1’−および6’−位または6−、1’−および6’−位のエステル基の脱アセチル化を生じさせるに適当な上記酵素類の組み合わせでSOAの同時もしくは逐次的処理を行うことにより、4−PASおよび/または6−PASを製造した。
【0067】
ジイソプロピルエーテル中でアルカラーゼまたはアルカラーゼ/リパーゼAP12が触媒するSOAの脱アセチル化による6−PASの合成
アルカラーゼ触媒によるSOAの脱アセチル化反応を大規模で行った。(詳細は以下の実験セクションの中に示す)。5日間培養を行った後、このアルカラーゼを濾過で除去した。シリカゲルクロマトグラフィーでSOAの脱アセチル化生成物を分離し、そして完全デュテリウムアセチル化技術を用いて構造帰属を行った。2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースとの1対7混合物;2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロース;および6−PASがそれぞれ30%、7%および0.5%収率で得られた。二者択一的に、リパーゼAP12を用いて2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースを脱アシル化することによって4−PASおよび/または6−PASを得ることができる。完全デュテリウムアセチル化技術を用いて、その得られる五酢酸スクロース(HPLCで97%純度)を6−PASとして同定した(収率:11%)。
【0068】
メタノールが入っているジイソプロピルエーテル中でプロレザーが触媒するSOAの脱アセチル化による6−PASの合成
求核剤として1.0Mメタノールを用い、プロレザー触媒によるSOAの脱アセチル化反応を大規模で行った。(詳細は以下の実験セクションの中に示す)。5日間培養を行った後、このプロレザーを濾過で除去した。シリカゲルクロマトグラフィーでSOA脱アセチル化生成物を分離し、そして完全デュテリウムアセチル化技術を用いて構造帰属を行った。2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースとの1対7混合物;2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロース;および6−PASがそれぞれ48%、17%および2%収率で得られた。
【0069】
SOPの脱アシル化に関する酵素スクリーニング
この研究の範囲および利用度を広げる目的で、八プロピオン酸スクロースを合成し、これを酵素触媒脱アシル化反応における基質として用いた。SOAに対してSOPが与える1つの重要な利点は、より高い疎水性を示す溶媒、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどへの溶解性が有意に増大する点である。求核剤としてn−ブタノールが入っているヘプタン内でSOPを脱アシル化する能力に関して、加水分解酵素類のスクリーニングを行った。24時間培養した後の一定分量をHPLCで分析した。表11に示すように、数多くの加水分解酵素がSOPの脱アシル化を生じさせた。1つの興味の持たれる実施例において、リパーゼAY30およびプロテアーゼXXIII型から得られるヘプタプロピオネートを一緒にHPLCに注入すると、2つの異なる化合物が現れ、このことは、酵素部位選択性が異なることを立証している。
【0070】
【表11】
Figure 0003994224
【0071】
【表12】
Figure 0003994224
【0072】
a) さらなる詳細を実験セクションの中に見い出すことができるであろう。
【0073】
b) ブタノールとアシル酵素との反応で生じるプロピオン酸ブチル。
【0074】
c) cAUsは、吸収単位を100で割った値で表すピーク面積である。
【0075】
d) HPLC分析を用いてこの生成物分布を得た。
【0076】
e) この列に示す値は分で表すHPLC保持時間である。
【0077】
リパーゼAY30およびプロテアーゼXXIII型が触媒するSOP脱アシル化に対する溶媒の効果
表12および13に示すように、数多くの無水有機溶媒中のリパーゼAY30またはプロテアーゼXXIII型を用いて同じSOP脱アシル化を実施した。SOAの場合と同様、SOPの酵素脱アシル化は際だった溶媒効果を示し、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンなどの如き非常に高い疎水性を示す溶媒を含む種々の溶媒の中で良好な変換率を達成することが可能であった。
【0078】
【表13】
Figure 0003994224
【0079】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0080】
b) HPLC分析でこの生成物の分布を得た。
【0081】
c) この列に示す値は分で表すHPLC保持時間である。
【0082】
d) 他のピークがこの七および六プロピオン酸スクロースのピークを干渉していることからこれらの値を検出することができなかった。
【0083】
【表14】
Figure 0003994224
【0084】
a) log Pは、溶媒が示す疎水性の尺度である(n−オクタノールと水との間の溶媒分配係数の対数)。この表のlog P値は、Laane他からのものである。
【0085】
b) HPLC分析でこの生成物の分布を得た。
【0086】
c) この列に示す値は分で表すHPLC保持時間である。
【0087】
d) 他のピークがこの七および六プロピオン酸スクロースのピークを干渉していることからこれらの値を検出することができなかった。
【0088】
pH沈澱させたSOP脱アセチル化用加水分解酵素
SOPで活性を示す酵素類の数および活性を増大させる目的で、SOAに関して記述したのと同様なpH沈澱実験を行った。いくつかの追加的酵素、例えばリパーゼAP12、アルカラーゼ、プロレザー、プロテアーゼN、リパーゼII型およびMMリパーゼが、SOPを脱アセチル化する能力を有することが見いだされた。これらの後者の酵素類はSOAおよびSOP両方の脱アシル化を行う。これらの実験の結果を表14に示す。
【0089】
【表15】
Figure 0003994224
【0090】
a) この挙げた緩衝液pHは、無水媒体内の酵素活性に最適なpHである。
【0091】
b) 24時間培養後のHPLC分析でこの生成物の分布を得た。
【0092】
実験
下記の酵素類をAmanoから入手した:リパーゼAP12(黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、125U/mg)、リパーゼAY30(カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、34U/mg)、リパーゼGC4(ゲオトリクム・カンジヅム(Geotrichum candidum)、4.4U/mg)、リパーゼAK(シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、22U/mg)、リパーゼCE(フミコロサ・ランギノサ(Humicolosa langinosa)、11U/mg)、リパーゼN(リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、80U/mg)、リパーゼL10(カンジダ・リポリチカ(Candida lypolitica)、11U/mg)、リパーゼMAP10(ムコル・ジャバニクス(Mucor javanicus)、10.6U/mg)、リパーゼPGE(ウシ舌根および唾液腺、0.7U/mg)、リパーゼR10(ペニシリウム・ロクエホルチ(Penicillium roqueforti)、10U/mg)、LPL−80(リポ蛋白質リパーゼ、881U/mg)、ニューラーゼA(黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、41.8U/mg)、ニューラーゼ2(リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、15U/mg)、ペプチダーゼA(アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、10U/mg)、プロテアーゼ2A(アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、22.5U/mg)、プロテアーゼB(ペニシリウム種(Penicillium sp.)、2U/mg)、プロテアーゼM(アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、6U/mg)、プロテアーゼN(枯草菌(Bacillus subtilis)、186U/mg)、プロレザー(枯草菌(Bacillus subtilis)、10.5U/mg)、プロテアーゼPZT(ブタのすい臓およびアスペルギルス属(Aspergillus)、54U/mg)、スタキアーゼ(黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、0.3U/mg)、PLE−A(ブタの肝臓、5.2U/mg)、ビオチームS(菌・カビのアミラーゼ、64U/mg);下記の酵素類をSigmaから入手した:リパーゼI型(麦芽、9.6U/mg)、リパーゼII型(ブタのすい臓、50U/mg)、プロテアーゼXIII型(アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、0.4U/mg)、プロテアーゼXIX型(アスペルギルス・ソジャエ(Aspergillus sojae)、0.44U/mg)、プロテアーゼXXIII型(アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、3.5U/mg)、キモトリプシン(ウシのすい臓、48U/mg)、パパイン(パパイヤ・ラテックス(Papaya latex)、2.8U/mg)、ブロメライン(パイナップルの茎、22.9U/mg)、ホスファターゼアシッド(麦芽);Biocatalystsから下記の酵素類を入手した:MMリパーゼ(ムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)、17U/mg)、CVリパーゼ(クロモバクテリウム・ビスコスム(Chromobacterium viscosum)、25U/mg)、PCリパーゼ(ペニシリウム・シクロピウム(Penicillium cyclopium)、1.25U/mg)、RAリパーゼ(リゾプス・アリザス(Rhizopus arrhizus)、3.5U/mg)、PFリパーゼ(シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、14.5U/mg)。ニュートラーゼ(Newtrase)、SP−435リパーゼ(カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica)、7PLU/mg)、およびアルカラーゼ(バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis))はNovo Nordiskから与えられたものであった。
【0093】
Fluka AG.からハイフロスーパーセルおよびシリカゲル(70−230メッシュ)を入手した。他の全ての化学品は最高グレードのものであり、Aldrichから購入した。
【0094】
この研究で用いた有機溶媒は、無水物として購入したものであるか、或は3Åのモレキュラーシーブ上で貯蔵したものであった。「生物化学および分子生物学の実用ハンドブック」(Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology)に記述されている操作に従って、この研究で用いた全ての緩衝液を調製した(pH10および9に関してはグリシン−NaOH緩衝液を用い、pH8および7に関しては燐酸ナトリウム緩衝液を用い、そしてpH6、5および4に関してはクエン酸塩−燐酸塩緩衝液を用いた)。
【0095】
HPLC分析。それぞれ八酢酸スクロース(SOA)および八プロピオン酸スクロース(SOP)を伴う反応用溶離剤としてアセトニトリル/水(35/65)またはアセトニトリル/水(60/40)のどちらかを用いたイソクラティック(isocratic)モード使用Supelcosil LC-18-DBカラム(150x4.6mm、5μ)を用いて常規スクリーニングを行った。全ての流量は1.0mL/分であり、220nmでUVを検出した。SOAの脱アセチル化で得られる全ての生成物を同定する目的で、水中15%から35%のアセトニトリルを40分間用いた後35/65のアセトニトリル/水イソクラティック溶離を20分間用いた勾配モードを使用した。SOA脱アセチル化のための求核剤をスクリーニングする目的で、30/70のアセトニトリル/水を16分間用いた後、水中30%から35%のアセトニトリル勾配を5分間用い、そして最後に35/65のアセトニトリル/水を用いたイソクラティック溶離を16分間用いた、イソクラティック溶離モードを使用した。SOA脱アセチル化に関する酵素部位化学を評価する目的で、25/75のアセトニトリル/水を55分間用いたイソクラティック溶離モードを使用した。
【0096】
酵素的に得られる五、六または七酢酸スクロース類の同定。五、六または七酢酸スクロース類の画分を下記の如く同定した。興味の持たれる化合物(類)を、1.0mLの99.0原子%ピリジン−d5の中に溶解させた後、1.0mLの99+原子%無水酢酸−d6を添加した。この得られる溶液を、TLC分析(シリカゲル、9/1のCHCl3/MeOH)で反応が完結したことが示されるまで、45℃および300RPMで数時間振とうした。この反応混合物を真空中で蒸発させた後、その残渣を水で数回洗浄することにより、残存しているピリジン−d5または無水酢酸−d6を除去した。この得られる油状固体を5mLのクロロホルムの中に溶解させた後、1PSシリコンで処理した12.5cmのWhatmann濾紙に通すことで水を除去した。クロロホルムを蒸発させた後、その残渣を1H−NMR分析の目的で1/1のピリジン−d5/ベンゼン−d6の中に溶解させた。
【0097】
酵素沈澱。Novoから供給された25mLのアルカラーゼ溶液に37.5mLの冷アセトン(−20℃)を添加することによってアルカラーゼを調製した。水系アセトンをデカンテーションで除き、そしてその残渣を25mLのグリシン−NaOH緩衝液(pH9.0)の中に溶解させた。NaOH希釈溶液を数滴用いてこの溶液のpHを9.0に調整した。この緩衝させたアルカラーゼ溶液に冷アセトン(−20℃の37.5mL)を加え、そして中間的間隙率を有するガラス漏斗を用いて濾過することで沈澱物を集めた後、2ミリトールで一晩乾燥させた。この得られるペレットを微粉末に粉砕した後、飽和炭酸カリウム水溶液上(RH:43%)4℃で24時間貯蔵した。
【0098】
市販の粉末酵素類のpHを下記の方法で調整した。酵素(3g)を25mLの適当な緩衝液の中に溶解させた後、希釈NaOHまたはクエン酸/燐酸溶液でpHを調整した。冷アセトン((−20℃の37.5mL)を加え、そして中間的間隙率を有するガラス漏斗上に沈澱物を集めた後、2ミリトールで一晩乾燥させた。この蛋白質ペレットを微粉末に粉砕した後、飽和炭酸カリウム水溶液上(RH:43%)4℃で24時間平衡にした。
【0099】
酵素固定化。18mLの水の中に900mgの緩衝させたアルカラーゼが入っている溶液のpHを希釈NaOHで9.0に調整した。ハイフロスーパーセル(6g)を加えた後、このスラリーを完全混合した。この混合物を2ミリトールの真空下で一晩乾燥させた後、飽和硫酸アンモニウム水溶液上(RH:82%)で24時間貯蔵した。蛋白質溶液を燐酸ナトリウムでpH7.0に調整する以外は同様にしてリパーゼAY30の固定化を行った。
【0100】
SOA脱アセチル化のための酵素および溶媒スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連続して、記述した如く入手したか或は調製した粉末酵素の100mgと、有機溶媒の中に溶解させた20mMの八酢酸スクロース(SOA)の1.0mLを仕込んだ。5秒間音波処理した後、この小びんを、45℃に温度調節されている振とう器中300RPMで24時間培養した。この反応混合物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけた。その上澄み液を集めてN2流下で蒸発させた。この残渣を200μLのアセトニトリルの中で再構成した後、この溶液の10μLをHPLCで分析した。
【0101】
酵素的SOA脱アセチル化による七酢酸スクロース類の合成
方法A(プロレザー、リパーゼII型、リパーゼAP12、SP−435リパーゼまたはアルカラーゼ):SOAの0.203g(0.3ミリモル)を15mLのジイソプロピルエーテルの中に溶解させた後、該加水分解酵素を1.5g添加した。この反応混合物の音波処理(5秒間)を行った後、45℃および300RPMにセットした回転振とう器の中に6日間入れた。この酵素を濾過で除去してアセトニトリルで洗浄した。濾液/洗浄液を一緒にして減圧下で蒸発させた後、その残渣を、溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(2/3)を用いたシリカゲルカラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィーにかけた。蒸発させることで、相当する七酢酸スクロース類がそれぞれ40mg(アルカラーゼ)、39mg(リパーゼII型)、34mg(リパーゼAP12)、11mg(SP−435リパーゼ)および60mg(プロレザー)得られた。
【0102】
方法B(リパーゼAY30):SOAの0.170g(0.25ミリモル)を5mLのt−ブチルメチルエーテルの中に溶解させた後、0.5gのリパーゼAY30を添加した。この反応混合物を方法Aと同じ条件下で処理した後、後処理することにより、43mgの七酢酸スクロース類が得られた。
【0103】
6−PASの合成:ジイソプロピルエーテル中のアルカラーゼを用いたSOAの脱アセチル化。SOA(1.35g、2ミリモル)を100mLのジイソプロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、アルカラーゼ(10g、pH9の緩衝液から沈澱させた)を加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合物を45℃および300RPMで4日間振とうした。この酵素を濾過で除去してアセトニトリル(100mL)で洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒にして減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲルカラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィーにかけた。ヘキサン/酢酸エチル(2/3)で溶離させることにより、2,3,4,6,1’,3’,4’−と2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの混合物(1/7)が360mg得られた。続けてヘキサン/酢酸エチル(1/4)で溶離させることにより、2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースが86mg得られた。最後に、500mLの酢酸エチルで溶離させることにより、4−PASと6−PASの混合物が40mg得られた。シリカゲルクロマトグラフィー(10x2.5cm)を用いヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させることで五酢酸スクロースを精製することにより、6−PASが5mg得られた。
【0104】
6−PASの合成:メタノールが入っているジイソプロピルエーテル中のプロレザーに触媒させたSOAの脱アセチル化。SOA(1.35g、2ミリモル)を、1Mのメタノールが入っている100mLのジイソプロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、プロレザー(5g、pH10の緩衝液から沈澱させた)を加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合物を45℃および300RPMで振とうした。2日後、5gのプロレザーを添加して更に3日間この混合物の振とうを行った。この酵素を濾過で除去してアセトニトリル(100mL)で洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒にして減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲルカラム(23x2.5cm)使用クロマトグラフィーにかけた。ヘキサン/酢酸エチル(2/3)で溶離させることにより、2,3,4,6,1’,3’,4’−と2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースの混合物(1/7)が579mg得られた。続けてヘキサン/酢酸エチル(1/4)で溶離させることにより、2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースが205mg得られた。最後に、500mLの酢酸エチルで溶離させることにより、五酢酸スクロース類の混合物が86mg得られた。シリカゲルクロマトグラフィー(10x2.5cm)を用いヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させることで五酢酸スクロースを精製することにより、6−PASが24mg得られた。
【0105】
6−PASの合成:ジイソプロピルエーテル中のリパーゼAP12に触媒させた2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースの脱アセチル化。2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロース(0.055g、0.092ミリモル)を、8mLのジイソプロピルエーテルの中に溶解させた。この溶液に、リパーゼAP12(0.8g、pH6の緩衝液から沈澱させた)を加えた。5秒間の音波処理を行った後、この反応混合物を45℃および300RPMで20時間振とうした。この酵素を濾過で除去してアセトニトリルで洗浄した。この濾液と洗浄液を一緒にして減圧下で蒸発させた後、この残渣を、シリカゲルカラム(10x2.5cm)使用クロマトグラフィーにかけ、ヘキサン/酢酸エチル(1/9)で溶離させることで6−PASが5mg得られた。
【0106】
アルカラーゼ、プロレザーまたはリパーゼAP12に触媒させたSOA脱アセチル化のための求核剤スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連続して、記述した如く調製した粉末酵素を100mg、そしてジイソプロピルエーテルの中に溶解させた20mMの八酢酸スクロース(SOA)と200mMの求核剤を1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理した後、この小びんを、45℃に温度調節されている振とう器中300RPMで66時間培養した。この反応混合物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけた。その上澄み液を集めてN2流下で蒸発させた。この残渣を200μLのアセトニトリルの中で再構成した後、この溶液の10μLをHPLCで分析した。
【0107】
酵素活性に対する濃度の効果をスクリーニングする目的で、この求核剤濃度を0から200mMで変化させる以外は同じプロトコルに従った。
【0108】
八プロピオン酸スクロース(SOP)の合成。100mLのピリジンの中に10.27g(30.0ミリモル)のスクロースが入っている懸濁液を撹拌しながら還流にまで加熱した。約75分後、溶解していないスクロースが若干入っている半透明の溶液が得られ、これを周囲温度にまで冷却した後、46.9mL(362.7ミリモル、51%過剰)の無水プロピオン酸を一度に加えることで処理した。初期の発熱で45−46℃になった後、この反応混合物を周囲温度で19時間撹拌した。TLC分析(シリカゲル、ジエチルエーテル/アセトン、4/1)で、この反応が完了したことが示された。この混合物を真空中で蒸発させることでシロップ状物を残存させ、これをトルエンの中に溶解させた後、3回再蒸発させることで、できるだけ多くのピリジンを除去した。このシロップ状物を100mLの塩化メチレンの中に溶解させそして連続して25mLの水、100mLの1%NaHCO3そして25mLの水で洗浄することにより、残存しているピリジンおよび/またはプロピオン酸を除去した。MgSO4上で乾燥しそして濾過した後、塩化メチレンを蒸発させることでほとんど無色のシロップ状物を残存させたが、これは、周囲温度で数日後にゆっくりと結晶化して白色のワックス状固体を生じた。Supelcosil LC-18-DB逆相カラムを使用したHPLC分析で60/40アセトニトリル/水を用いたイソクラティック溶離を行うことにより、Rt=22.9分であることが示され、純度は98.6%であると見積もられた。C365419に関する分析:理論値C:54.68;H:6.88;測定値C:54.23;H:6.80。
【0109】
ヘプタン中のSOP脱アシル化のための酵素スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連続して、記述した如く入手したか或は調製した粉末酵素を100mg、そして有機溶媒の中に溶解させた20mMの八プロピオン酸スクロース(SOP)と200mMのブタノールを1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理した後、この小びんを、45℃に温度調節されている振とう器中300RPMで24時間培養した。この反応混合物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけた。その上澄み液を集めて、この溶液の10μLをHPLCで分析した。
【0110】
SOP脱アシル化のための溶媒スクリーニング。シンチレーション用小びんの中に連続して、記述した如きリパーゼAY30またはプロテアーゼXXIIIを100mg、そして有機溶媒の中に溶解させた20mMの八プロピオン酸スクロース(SOP)と200mMのブタノールを1.0mL仕込んだ。5秒間音波処理した後、この小びんを、45℃に温度調節されている振とう器中300RPMで24時間培養した。この反応混合物の一定分量200μLを取り出して遠心分離にかけた。その上澄み液を集めて、N2流下で蒸発させた。この残渣を200μLのアセトニトリルの中で再構成した後、この溶液の10μLをHPLCで分析した。
【0111】
ここで用いる言葉「1’−酢酸スクロース」、「4’−酢酸スクロース」、「6’−酢酸スクロース」、「4−酢酸スクロース」および「6−酢酸スクロース」は、オクタ−、ヘプタ−またはヘキサ−O−アセチルスクロース類を表しており、ここで、示した位置にアセチル置換基が含まれており、その残りのアセチル置換基の位置に関する特別な指示はない。
【0112】
本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0113】
1. 少なくとも6個のエステル基を有するスクロースエステル類の酵素触媒脱アシル化によるスクロースの部分アシル化誘導体の製造方法において、このスクロースエステルを溶解し得る有機溶媒を含む無水反応溶媒の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから成る群から選択されるスクロースエステルを、上記スクロースエステルの脱アシル化を触媒し得る加水分解酵素または加水分解酵素類の組み合わせで処理することにより、予め選択した一の位置または複数の位置においてその出発スクロースエステルよりも少なくとも1個多い遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化スクロース誘導体を回収することを含む方法。
【0114】
2. 該スクロースエステルがスクロースアルカノエート、スクロースα−ハロアルカノエートまたはスクローストリハロアルカノエートであり、ここで、このアルカノエート部分が8個以下の炭素原子を有している第1項の方法。
【0115】
3. 該スクロースエステルが酢酸スクロース類、プロピオン酸スクロース類、n−もしくはs−酪酸スクロース類、クロロ酢酸スクロース類、フルオロ酢酸スクロース類、トリクロロ酢酸スクロース類およびトリフルオロ酢酸スクロース類から成る群から選択される第2項の方法。
【0116】
4. 該スクロースエステルが八酢酸スクロース、七酢酸スクロース、六酢酸スクロース、八プロピオン酸スクロース、七プロピオン酸スクロースまたは六プロピオン酸スクロースである第3項の方法。
【0117】
5. 該酵素がリパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼまたはアミラーゼである第1項の方法。
【0118】
6. 該酵素がリパーゼAY30、SP−435リパーゼ、プロテアーゼN、リパーゼII型、アルカラーゼ、プロレザー、リパーゼAP12、プロテアーゼXXIII型、プロテアーゼM、リパーゼVII型、プロテアーゼXIII型、ビオチームS、プロテアーゼ2A、リパーゼCE、PCリパーゼおよびMMリパーゼから成る群から選択される第5項の方法。
【0119】
7. 該有機溶媒が炭化水素、エーテル、ケトン、エステル、アルコールまたはハロゲン化炭化水素である第1項の方法。
【0120】
8. 該有機溶媒がトルエン、ジイソプロピルエーテル、四塩化炭素、エチレングリコールジメチルおよびジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、アセトニトリル、アセトン、THF、シクロヘキサノン、2−メチルTHF、t−ブチルメチルおよびエチルエーテル、2,5−ジメチルTHF、シクロヘキサノール、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、3−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、クロロホルム、ベンゼン、アニソール、フェネトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサンから成る群から選択される1員である第7項の方法。
【0121】
9. 該有機溶媒がジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、3−ヘプタノン、ジプロピルエーテル、ブチルエチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、クロロホルム、2,2,5,5−テトラメチルTHF、トルエン、四塩化炭素、酢酸n−ブチル、ベンゼンまたはアニソールである第8項の方法。
【0122】
10. 該反応媒体がまた有機求核剤を含んでおり、ここで、この求核剤が、アルコール類、アミン類、アミノアルコール類、チオール類およびオキシム類から成る群から選択される1員である第1項の方法。
【0123】
11. 該求核剤がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルメタノール、フェネチルアルコールおよびジイソプロピルアミンから成る群から選択される1員である第10項の方法。
【0124】
12. 該求核剤がメタノール、n−ブタノール、ジイソプロピルアミンまたはフェネチルアルコールである第11項の方法。
【0125】
13. SP−435リパーゼ、プロテアーゼN、アルカラーゼ、プロレザー、リパーゼAP12から成る群から選択される酵素類の組み合わせで八酢酸スクロースを同時もしくは逐次的に処理することを含み、ここで、上記組み合わせは、該八酢酸スクロースの4−、1’−および6’−位または6−、1’−および6’−位のエステル基を脱アセチル化する目的で選択され、そしてこのようにして生じさせた6,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースまたは4,2,3,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースか或はこれらの両方を回収することを含む第1項の方法。
【0126】
14. 1’−酢酸スクロースをアルカラーゼで処理することによりこの1’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0127】
15. 1’−酢酸スクロースをプロレザーで処理することによりこの1’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0128】
16. 1’−酢酸スクロースをプロテアーゼNで処理することによりこの1’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0129】
17. 4’−酢酸スクロースをプロテアーゼNで処理することによりこの4’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0130】
18. 6’−酢酸スクロースをプロテアーゼNで処理することによりこの6’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0131】
19. 1’−酢酸スクロースをリパーゼAY30で処理することによりこの1’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0132】
20. 4’−酢酸スクロースをリパーゼAY30で処理することによりこの4’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0133】
21. 6’−酢酸スクロースをSP−435リパーゼで処理することによりこの6’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0134】
22. 4−酢酸スクロースをリパーゼAP12で処理することによりこの4−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0135】
23. 6−酢酸スクロースをリパーゼAP12で処理することによりこの6−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0136】
24. (a)アルカラーゼまたはプロレザーで八酢酸スクロースを処理することにより2,3,4,6,1’,3’,4’−ヘプタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,6,3’,4’,6’−ヘプタ−O−アセチルスクロースとの混合物を生じさせ、そして
(b)段階(a)の生成物をアルカラーゼまたはプロレザーで処理することにより2,3,4,6,3’,4’−ヘキサ−O−アセチルスクロースを生じさせる、
段階を含む第1項の方法。
【0137】
25. 段階(b)の生成物を更にアルカラーゼまたはプロレザーで処理することにより2,3,6,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースを生じさせる第24項の方法。
【0138】
26. 段階(b)の生成物を更にリパーゼAP12で処理することにより2,3,6,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースと2,3,4,3’,4’−ペンタ−O−アセチルスクロースを生じさせる第24項の方法。
【0139】
27. 該有機溶媒がエーテルである第24項の方法。
【0140】
28. 該有機溶媒がエーテルである第25項の方法。
【0141】
29. 該有機溶媒がエーテルである第26項の方法。
【0142】
30. 該反応媒体がエーテルとアルコールの混合物である第27項の方法。
【0143】
31. 該反応媒体がエーテルとアルコールの混合物である第28項の方法。
【0144】
32. 該反応媒体がエーテルとアルコールの混合物である第29項の方法。
【0145】
33. 6’−酢酸スクロースをアルカラーゼで処理することによりこの6’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0146】
34. 6’−酢酸スクロースをプロレザーで処理することによりこの6’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。
【0147】
35. 4’−酢酸スクロースをリパーゼII型で処理することによりこの4’−位のエステル基を脱アセチル化することを含む第1項の方法。

Claims (1)

  1. 少なくとも6個のエステル基を有するスクロースエステルの酵素触媒脱アシル化によるスクロースの部分アシル化誘導体の製造方法において、このスクロースエステルを溶解し得る有機溶媒を含む無水反応溶媒の中で、オクタアシル化スクロース、ヘプタアシル化スクロースおよびヘキサアシル化スクロースから成る群から選択されるスクロースエステルを、上記スクロースエステルの脱アシル化を触媒し得る加水分解酵素または加水分解酵素の組み合わせで処理することにより、予め選択した一の位置または複数の位置においてその出発スクロースエステルよりも少なくとも1個多い遊離ヒドロキシル基を有する部分脱アシル化されたスクロース誘導体を生じさせた後、その得られる部分脱アシル化スクロース誘導体を回収することを含む方法。
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