JPH06342748A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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Publication number
JPH06342748A
JPH06342748A JP5131736A JP13173693A JPH06342748A JP H06342748 A JPH06342748 A JP H06342748A JP 5131736 A JP5131736 A JP 5131736A JP 13173693 A JP13173693 A JP 13173693A JP H06342748 A JPH06342748 A JP H06342748A
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JP
Japan
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light
diffraction grating
wavelength
pitch
diffracted
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5131736A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Komatsu
宏一郎 小松
Hideo Mizutani
英夫 水谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP5131736A priority Critical patent/JPH06342748A/ja
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検物上の位置検出用のマークの段差や、被
検物上に塗布されている感光材等の膜厚等に依らずに、
高精度に被検物の位置を検出する。 【構成】 He−Neレーザ光源1及び半導体レーザ素
子3からの2つの波長の光からなる光束を2分割して、
第1の音響光学変調素子(AOM)8A及び第2のAO
M8Bに入射させる。AOM8A及び8Bでのブラッグ
回折による回折光を、それぞれリレーレンズ10A及び
10Bを介してハーフプリズム12に導き、ハーフプリ
ズム12で平行にされた2つの回折光を対物レンズ13
を介してウエハ14上の回折格子状のアライメントマー
ク15に照射する。アライメントマーク15から垂直上
方に射出される±1次回折光をミラー16を介して受光
系に導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘテロダイン干渉型の
位置検出装置に関し、特に半導体素子又は液晶表示素子
等を製造するための露光装置において感光基板又はマス
クのアライメントを行う装置の位置検出系に適用して好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子又は液晶表示素子等の
微細パターンを半導体ウエハ又はガラスプレート等の基
板上に形成するために、フォトマスク又はレチクル(以
下、まとめて「レチクル」という)のパターン像をフォ
トレジストが塗布された基板上に転写する投影露光装置
が使用されている。一般に半導体素子等は基板上に多数
層の回路パターンを積み重ねて形成されるため、投影露
光装置には、基板上に既に形成されている回路パターン
とこれから露光するレチクルのパターンとの位置合わせ
(アライメント)を高精度に行うためのアライメント装
置が設けられている。最近は、LSI等の半導体素子等
の集積度が益々高まっており、アライメント装置におい
ても、より高精度に位置合わせを行うことが求められて
いる。そのためには、レチクル及び基板の位置を高精度
に検出する位置検出装置が必要である。
【0003】そこで、高精度にレチクル及び基板の位置
を検出する装置として、例えば特開平2−227604
号公報において、ヘテロダイン干渉型の位置検出装置が
提案されている。この位置検出装置においては、He−
Neレーザ光源等の単色光源からの光ビームが2分割さ
れ、この分割された2光束がそれぞれ音響光学変調器で
周波数変調され、その分割された2光束に所定の周波数
差が与えられる。そのように所定の周波数差が与えられ
た2光束が、レチクル上のアライメントマークとしての
回折格子状マークの上に所定の交差角で照射される。そ
して、この回折格子状マークから発生する1対の回折光
の干渉光を光電変換することにより、その所定の周波数
差を周波数とするレチクル側の干渉ビート信号が生成さ
れ、別途検出されている参照信号とそのレチクル側の干
渉ビート信号との位相差より、そのレチクルの位置が検
出される。
【0004】同様に、そのように所定の周波数差が与え
られた2光束が、基板上のアライメントマークとしての
回折格子状マークの上に所定の交差角で照射される。そ
して、この回折格子状マークから平行に発生する1対の
回折光の干渉光を光電変換することにより、基板側の干
渉ビート信号が生成され、別途検出されている参照信号
とその基板側の干渉ビート信号との位相差より、その基
板の位置が検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の位置
検出装置においては、位置検出用の光として単色光が使
用されていた。そのため、基板上に塗布されたレジスト
膜の厚さの変化や、基板上のアライメントマークとして
の凹凸の回折格子状マークの段差の深さ等により、回折
効率が極端に低下する場合があり、このように回折効率
が極端に低下すると干渉ビート信号のSN比が悪くな
り、基板の位置検出ができなくなるという不都合があっ
た。
【0006】本発明は斯かる点に鑑み、被検物上に形成
されている位置検出用のマークの段差や、被検物上に塗
布されている感光材等の膜厚に依らずに、高精度に被検
物の位置を検出できる位置検出装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の位置
検出装置は、例えば図1に示すように、互いに周波数が
異なる2光束を生成する2光束生成手段と、この2光束
生成手段からの2光束を集光して被検物(14)上に形
成された回折格子状マーク(15)に対してそれら2光
束を所定の2方向から照射する対物光学系(13)と、
回折格子状マーク(15)から同一方向に発生する回折
光同士による干渉光を対物光学系(13)を介して光電
的に検出する検出器とを有し、被検物(14)の位置を
検出する位置検出装置において、その2光束生成手段
は、複数の波長の光束を供給する光源手段(1〜5)
と、この光源手段から供給される光束を2分割して第1
及び第2の光束を生成する光分割手段(6)と、進行波
を利用してその第1の光束を回折及び周波数変調すると
共に被検物(14)と共役に配置された第1の変調手段
(8A)と、進行波を利用してその第2の光束を回折及
び周波数変調すると共に被検物(14)と共役に配置さ
れた第2の変調手段(8B)とを有し、第1及び第2の
変調手段(8A,8B)により回折されてそれぞれ被検
物(14)に照射されるそれら第1及び第2の光束の間
に所定の周波数差を与えたものである。
【0008】この場合、第1及び第2の変調手段(8
A,8B)内の進行波(ピッチΛ1)の被検物(14)上
の共役像のピッチをそれぞれ回折格子状マーク(15)
のピッチPと等しく設定することが望ましい。また、本
発明による第2の位置検出装置は、例えば図4に示すよ
うに、互いに周波数が異なる2光束を生成する2光束生
成手段と、この2光束生成手段からの2光束を集光して
被検物(14)上に形成された回折格子状マーク(1
5)に対してそれら2光束を所定の2方向から照射する
対物光学系(13)と、回折格子状マーク(14)から
同一方向に発生する回折光同士による干渉光を対物光学
系(13)を介して光電的に検出する検出器とを有し、
被検物(14)の位置を検出する位置検出装置におい
て、その2光束生成手段は、複数の波長の光束を供給す
る光源手段(1,3,4,30)と、この光源手段から
供給される光束の一部をそのまま通過させて残りの部分
を進行波を利用して回折及び周波数変調する変調手段
(8B)と、対物光学系(13)と共に変調手段(8
B)を被検物(14)と共役にする集光光学系(10)
とを有し、変調手段(8B)をそのまま通過して被検物
(14)に照射される光束と、変調手段(8B)により
回折されて被検物(14)に照射される光束との間に所
定の周波数差を与えたものである。
【0009】この場合、変調手段(8B)内の進行波
(ピッチΛ3)の被検物(14)上の共役像のピッチを回
折格子状マーク(15)のピッチPの1/2に設定する
ことが望ましい。
【0010】
【作用】本発明の第1の位置検出装置によれば、位置検
出用の光として複数の波長の光が使用されている。これ
ら複数の波長の光よりなる第1及び第2の光束は、それ
ぞれ例えば音響光学変調素子よりなる第1及び第2の変
調手段(8A,8B)により回折され、対物光学系(1
3)を介して被検物(14)上の回折格子状マーク(1
5)に照射される。この際に、波長が異なると変調手段
(8A,8B)での回折角が異なると共に、変調手段
(8A,8B)の回折が起こる面と回折格子状マーク
(15)の配置面とは共役である。従って、複数の波長
の光は異なる入射角で回折格子状マーク(15)に入射
し、回折格子状マーク(15)からの回折光のヘテロダ
イン干渉光を光電変換して得られた干渉ビート信号よ
り、回折格子状マーク(15)の位置が検出される。
【0011】この場合、複数の波長の光は異なる入射角
で回折格子状マーク(15)に入射するため、或る波長
の光に関して回折格子状マーク(15)からの回折光の
SN比が低下しても、他の波長の光に関しては回折光の
SN比を低下させないようにすることができる。従っ
て、回折格子状マーク(15)の段差がある場合でも、
被検物(14)上に種々の膜厚の感光材等が塗布されて
いる場合でも、高精度に被検物(14)の位置を検出で
きる。次に、図1における、変調手段(8A,8B)内
の進行波のピッチ(波長)Λ 12 と、被検物(14)
上の回折格子状マーク(15)のピッチPとの関係につ
いて説明する。以下では、Λ12=Λとし、変調手段
(8A,8B)が音響光学変調素子(以下、「AOM」
という)であるとし、回折格子状マーク(15)からほ
ぼ垂直上方に射出される±1次回折光の干渉光を利用す
るものとして説明する。一般に、AOM内では、光学媒
体中を進行波としての超音波が伝播するとき、超音波に
よる粗密波が生じ、光弾性効果により屈折率が周期的に
変化し、その屈折率分布が入射光に対して回折格子とし
て作用する。そのため、入射光はAOMにより回折(ブ
ラッグ回折)される。或る波長λ1 の入射光に対して
は、AOMへの入射角をθinとすると、光学媒体中の超
音波のピッチ(波長)Λに対し、1次回折光の回折角θ
1 に関して次式が成り立つ。 sinθin+sinθ1 =λ1 /Λ (1)
【0012】同様に、λ1 とは異なる波長λ2 の入射光
に対しても、入射角を同じ角度θinとすると次式が成立
する。 sinθin+sinθ2 =λ2 /Λ (2) つまり、入射光の波長差(λ12)と、回折角の差(θ
12)はほぼ比例する。また、ピッチPの回折格子状マ
ーク(15)からの1次回折光が回折格子面に対して垂
直に進むためには、入射光の波長をλとすると、回折格
子状マーク(15)への入射角φは下の式を満たす必要
がある。 sinφ=λ/P (3)
【0013】本発明においては、光学系の角倍率γが、
被検物上の回折格子状マーク(15)への入射角の波長
による差(φ12)と、AOMの回折角の波長による差
(θ 12)との比になるように、光学系の瞳上でAOM
への入射角θinに相当するオフセットをつける。そのた
め次式が成り立つ。 γ=(λ1/P)/(λ1/Λ)=(λ2/P)/(λ2/Λ)=Λ/P (4)
【0014】この(4)式を変形すると、(P=Λ/
γ)となる。つまり、AOM(8A,8B)と被検物
(14)とがその間の光学系に関して共役の位置関係に
あり、AOM(8A,8B)内の超音波の被検物(1
4)上での共役像のピッチ(波長)Λ/γが被検物上の
回折格子状マーク(15)のピッチPと等しければ、超
音波のピッチΛに関係なく被検物上の回折格子状マーク
(15)に対して垂直に±1次回折光が射出され、これ
ら±1次回折光をヘテロダイン干渉させることができ
る。
【0015】次に、本発明の第2の位置検出装置によれ
ば、例えば図4に示すように、1個の変調手段(8B)
が使用され、この変調手段(8B)からの0次回折光と
例えば1次回折光とが、集光光学系(10)及び対物光
学系(13)を介して被検物(14)上の回折格子状マ
ーク(15)に照射される。そして、回折格子状マーク
(15)からの2つの回折光のヘテロダイン干渉光を光
電変換して得られる干渉ビート信号より、被検物(1
4)の位置検出が行われる。この際にも、位置検出用の
光が複数の波長の光よりなり、複数の波長の光の回折光
は異なる入射角で回折格子状マーク(15)に入射す
る。従って、或る波長の光に関して回折格子状マーク
(15)からの回折光のSN比が低下しても、他の波長
の光に関しては回折光のSN比を低下させないようにす
ることができる。
【0016】次に、変調手段(8B)内の進行波のピッ
チ(波長)Λ3 と、被検物(14)上の回折格子状マー
ク(15)のピッチPとの関係について説明する。以下
では、集光光学系(10)の焦点距離をF2 、対物光学
系(13)の焦点距離をF1とし、変調手段(8B)が
AOMであるとし、回折格子状マーク(15)からほぼ
垂直上方に射出される±1次回折光の干渉光を利用する
ものとして説明する。
【0017】先ず、波長λ1 及びλ2 の入射光のAOM
(8B)への入射角をθinとして、光学媒体中の超音波
のピッチΛ3 をΛとすると、それら2つの波長の1次回
折光の回折角θ1 及びθ2 に関して(1)式及び(2)
式が成り立つ。次に、AOM(8B)からの0次回折光
の回折角は入射角θinと等しい。また、ピッチPの回折
格子状マーク(15)からの1次回折光が回折格子面に
対して垂直に進むためには、入射光の波長をλとする
と、回折格子状マーク(15)への入射角φは(3)式
を満たす必要がある。
【0018】更に、AOM(8B)からの0次回折光及
び1次回折光がほぼ対称に回折格子状マーク(15)に
入射し、回折格子状マーク(15)からほぼ垂直上方に
±1次回折光が射出するためには、超音波の被検物(1
4)上での共役像のピッチは、回折格子状マーク(1
5)のピッチPの1/2である必要がある。この場合、
AOM(8B)から被検物(14)への倍率はF1 /F
2 であるため、次式が成立する。 (F1 /F2)Λ=P/2 (5)
【0019】
【実施例】以下、本発明による位置検出装置の第1実施
例につき図1を参照して説明する。図1は、本例の位置
検出装置を示し、この図1において、第1の光源である
He−Neレーザ光源1から射出された波長λ1 の光束
1 がダイクロイックミラー2に入射する。また、第2
の光源である半導体レーザ素子3から射出された波長λ
2 の光束L2 が、コリメータレンズ4で平行光束に変換
された後、ミラー5で反射されてダイクロイックミラー
2に入射する。ダイクロイックミラー2で1本の光束に
合成された光束L1 及びL2 が、ハーフプリズム6でそ
れぞれほぼ同じ光量の第1の光束及び第2の光束に分割
される。第1の光束は波長λ1 の光束LA1 及び波長λ
2 の光束LA2 より構成され、第2の光束は波長λ1
光束LB1 及び波長λ2 の光束LB2 より構成されてい
る。波長λ1 は633nmであり、波長λ2 は例えば7
80nm又は690nmである。
【0020】それら2光束の内、第1の光束LA1,LA
2 は、ミラー16に反射されて入射角θinで第1の音響
光学変調素子(以下、「AOM」という)8Aに入射
し、第2の光束LB1,LB2 は、ミラー7に反射されて
入射角θinで第2のAOM8Bに入射する。第1のAO
M8A及び第2のAOM8Bは、それぞれ後述の対物レ
ンズ13の光軸AX0 に関して光学的に対称に配置され
ている。このときの入射角θinは、波長λ1 の光及び波
長λ2 の光に対してできるだけブラッグ回折による1次
回折光の回折効率が良くなる角度に設定することが望ま
しい。また、AOM8A及び8Bには、それぞれ光軸A
0 に対して内側に、トランスデューサ9A及び9Bを
取り付け、トランスデューサ9A及び9Bを互いに僅か
に異なる周波数f1 及びf2 で駆動する。これにより、
AOM8A及び8B内にそれぞれ超音波による粗密波が
生成される。AOM8A及び8B内の超音波の粗密波の
ピッチ(波長)をそれぞれΛ1 及びΛ2 として、AOM
8A及び8B内の超音波の速度をvとすると、それぞれ
次の関係が成り立つ。 Λ1 =v/f1 ,Λ2 =v/f2 (6)
【0021】本例の超音波の周波数f1,f2 は互いに僅
かに異なるだけであるとすると、(Λ1 ≒Λ2 )が成り
立つ。そこで、ピッチΛ1 及びΛ2 を次のように共通の
ピッチΛで近似する。 Λ1 ≒Λ,Λ2 ≒Λ (7) その第1のAOM8A内の超音波の粗密波により回折さ
れる光は周波数変調を受け、焦点距離F2 の第1のリレ
ーレンズ10Aにより対物レンズ13の瞳面(フーリエ
変換面)にリレーされる。その途中の光路に第1の空間
フィルター11Aを配設し、空間フィルター11Aによ
り+1次回折光以外の不用な回折光を遮断する。空間フ
ィルター11Aを通過した+1次回折光は、波長λ1
回折光LA1(+1) 及び波長λ2 の回折光LA2(+1) より
なり、回折光LA1(+1) 及びLA 2(+1) の回折角は僅か
に異なっている。空間フィルター11Aを通過した+1
次回折光は、ハーフプリズム12の接合面で反射されて
焦点距離F1 の対物レンズ13に向かう。
【0022】この際に、リレーレンズ10Aの光軸AX
1 上に、第1のAOM8A内で入射光束が回折される点
があるものとして、リレーレンズ10Aの光軸AX1
対物レンズ13の光軸AX0 との間には、所定のオフセ
ットξが与えられている。即ち、空間フィルター10A
を通過した回折光LA1(+1),LA2(+1) の対物レンズ1
3の瞳面上での位置にはそのオフセットξが加えられて
いる。このときのオフセットξは、リレーレンズ10A
の焦点距離F2 と第1のAOM8Aへの入射角θinとか
ら、次のように表すことができる。 ξ=F2 ・sinθin (8)
【0023】一方、第2のAOM8B内の超音波の粗密
波により回折される光も周波数変調を受け、焦点距離F
2 の第2のリレーレンズ10Bにより対物レンズ13の
瞳面にリレーされる。その途中の光路にも、+1次回折
光以外の不用な回折光を遮断する第2の空間フィルター
11Bを配設する。空間フィルター11Bを通過した+
1次回折光は、波長λ1 の回折光LB1(+1) 及び波長λ
2 の回折光LB2(+1)より構成され、回折光LB1(+1)
及びLB2(+1) の回折角は僅かに異なっている。空間フ
ィルター11Bを通過した+1次回折光は、ハーフプリ
ズム12の接合面を透過して対物レンズ13に向かう。
この際に、リレーレンズ10Bの光軸AX2 上に、第2
のAOM8B内で入射光束が回折される点があるものと
して、リレーレンズ10Bの光軸AX2 と対物レンズ1
3の光軸AX0 との間にも、(8)式で表されるオフセ
ットξを与える。
【0024】対物レンズ13に入射した回折光LA1(+
1),LA2(+1) 及び回折光LB1(+1),LB2(+1) は、そ
れぞれ屈折作用を受け、被検物であるウエハ14上に設
けられたピッチPの回折格子状のアライメントマーク1
5に対して、光軸AX0 にほぼ軸対称に入射する。アラ
イメントマーク15のピッチ方向、即ち計測方向をX方
向とする。そのようにAOM8A,8B内の同一の回折
領域で回折された複数の波長の光束が、アライメントマ
ーク15上の同一の点に照射されるようにするために
は、AOM8A,8Bの回折領域(超音波の形成領域)
とウエハ14の露光面とを共役にすれば良い。そこで、
第1のAOM8Aの回折領域とウエハ14の露光面と
を、リレーレンズ10A及び対物レンズ13に関して共
役に配置し、第2のAOM8Aの回折領域とウエハ14
の露光面とを、リレーレンズ10B及び対物レンズ13
に関して共役に配置する。リレーレンズ10A,10B
の焦点距離F2 及び対物レンズ13の焦点距離F1 を用
いると、AOM8A,8Bの回折領域からウエハ14の
露光面への角倍率γは(F1 /F2)である。
【0025】更に本例では、波長λ1 の回折光LA1(+
1) 及びLB1(+1) のアライメントマーク15に対する
入射角を、それぞれの+1次回折光LA1(+1,+1)及び−
1次回折光LB1(+1,-1)がアライメントマーク15から
垂直上方に射出されるように設定する。同様に、波長λ
2 の回折光LA2(+1) 及びLB2(+1) のアライメントマ
ーク15に対する入射角を、それぞれの+1次回折光L
2(+1,+1)及び−1次回折光LB2(+1,-1)がアライメン
トマーク15から垂直上方に射出されるように設定す
る。そのための角倍率γの条件を求めるために、波長λ
i(i=1,2)の光束が入射角θinでAOM8A,8B
に入射するときの回折角をθi とすると、次式が成立す
る。 sinθin+sinθi =λi /Λ (9)
【0026】また、波長λi の2つ光束が入射角φi
び入射角−φi でピッチPのアライメントマーク15に
入射したときに、アライメントマーク15から垂直上方
に±1次回折光が射出される条件は、次の通りである。 sinφi =λi /P (10) この場合、本例ではAOM8A,8Bの回折領域にオフ
セットξが与えられているため、回折角θi と入射角φ
i との間には次の関係がある。 sinφi =(ξ+F2・sinθi )/F1 =(F2 /F1)(sinθin+sinθi ) =(F2 /F1)(λi /Λ) (11)
【0027】この(11)式の導出過程で、(8)式及
び(9)式を使用した。そして、(11)式を(10)
式と比較することにより、次式が得られる。 γ=F1 /F2 =P/Λ (12)
【0028】即ち、角倍率γは、アライメントマーク1
5のピッチPとAOM8A,8B内の超音波のピッチΛ
との比の値に等しく設定すれば良い。言い替えると、A
OM8A,8B内の超音波のウエハ14の露光面での共
役像のピッチ(=(F1/F2)・Λ)は、アライメントマ
ーク15のピッチPと等しい。
【0029】なお、上述の説明を一般化して、アライメ
ントマーク15から垂直上方に射出する±n次回折光
(n=1,2,3,‥‥)を使用するものとすると、角
倍率γの条件は次のようになる。 γ=F1 /F2 =P/(n・Λ) (13)
【0030】次に、アライメントマーク15で回折され
て垂直上方に進む波長λ1 の±1次回折光LA1(+1,+
1),LB1(+1,-1)及び波長λ2 の±1次回折光LA2(+
1,+1),LB2(+1,-1)は、それぞれ干渉し、同じ波長の
光同士のヘテロダイン干渉光は、AOM8A及び8Bに
印加した周波数の差の周波数(f1-f2)で光強度が正弦
波状に変化するようになる。これらのヘテロダイン干渉
光を対物レンズ13の瞳面近傍に置かれた空間フィルタ
ーとしての小型ミラー16で反射して受光系に導き、こ
の受光系中のダイクロイックミラー17で波長λ1 の回
折光LA1(+1,+1),LB1(+1,-1)と波長λ2 の回折光L
2(+1,+1),LB2(+1,-1)とを分離する。そして、波長
λ1 の回折光を光電検出器19で光電変換し、波長λ2
の回折光を光電検出器18で光電変換し、光電検出器1
9から出力される波長λ1 の回折光の干渉ビート信号、
及び光電検出器18から出力される波長λ2 の回折光の
干渉ビート信号をそれぞれ信号処理系20に供給する。
【0031】また、図示省略するも、図1の位置検出装
置には、周波数f1 と周波数f2 との差を周波数とする
レファレンス信号を生成するためのレファレンス信号系
が設けられている。レファレンス信号系としては、例え
ば第1のAOM8Aからの回折光の内でハーフプリズム
12の接合面を透過した光束と、第2のAOM8Bから
の回折光の内でハーフプリズム12の接合面で反射され
た光束との干渉光を光電変換する処理系が考えられる。
また、レファレンス信号として、波長λ1 用及び波長λ
2 用の2種類を生成しても良い。
【0032】信号処理系20では、2つの干渉ビート信
号の位相と対応するレファレンス信号との位相差に基づ
いて、アライメントマーク15のX方向(計測方向)の
位置ずれ量、ひいてはウエハ14のX方向の位置ずれ量
を求める。この際、位置ずれ量は、波長λ1 での位置ず
れ量と波長λ2 での位置ずれ量とが検出されるため、例
えば両者の平均値を位置ずれ量とするか、又は干渉ビー
ト信号のSN比が良好である方の位置ずれ量を採用する
等の方法が考えられる。
【0033】この場合、異なる波長λ12 の光ではそ
れぞれウエハ14への入射角が異なっているため、ウエ
ハ14上にフォトレジストが塗布されている場合に、仮
に波長λ1 の光の回折光がフォトレジストの薄膜干渉に
より弱くなっても、他の波長λ2 の光の回折光は必ずし
もフォトレジストの薄膜干渉により弱くならない。ま
た、アライメントマーク15がウエハ14上に凹凸のパ
ターンで形成されている場合に、仮に波長λ1 の光の回
折光が凹部の反射光と凸部の反射光との干渉により弱く
なっても、他の波長λ2 の光の回折光は必ずしも弱くな
らない。従って、アライメントマーク15の段差やフォ
トレジストの膜厚に依らずに、常に高いSN比で高精度
にウエハ14の位置検出を行うことができる。
【0034】なお、上述実施例では、2つの波長の光を
位置検出光として使用しているが、別の光源を追加する
ことにより、3つ以上の互いに異なる波長の光を位置検
出光として使用しても良い。また、AOM8A,8Bか
らの回折光を対物レンズ13の瞳面上でオフセットを与
えて対物レンズ13に入射させる代わりに、AOM8
A,8Bをそれぞれ斜めに傾け、AOM8A,8Bから
の回折光を図1の場合より傾斜させてそれぞれリレーレ
ンズ10A,10Bに入射させても良い。
【0035】次に、本発明の第2実施例につき図2及び
図3を参照して説明する。本例は、縮小投影型露光装置
のTTR(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメント
系に本発明を適用したものである。また、図2において
図1に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明
を省略する。図2(a)は本実施例の露光装置の正面
図、図2(b)はその露光装置の右側面図であり、これ
ら図2(a)及び(b)において、He−Neレーザ光
源1からの波長λ1 の光束L1 と、半導体レーザ素子3
から射出されてコリメータレンズ4によりコリメートさ
れた波長λ2 の光束L2 とは、それぞれハーフプリズム
6でほぼ2分割される。ハーフプリズム6から所定の方
向に射出される第1の光束は波長λ1 の光束及び波長λ
2 の光束よりなり、ハーフプリズム6からその所定の方
向に垂直な方向に射出される第2の光束も波長λ1 の光
束及び波長λ2 の光束よりなる。その第1の光束は第1
のAOM8Aに所定の入射角で入射し、その第2の光束
は第2のAOM8Bに第1の光束と対称な入射角で入射
し、それぞれ回折及び周波数変調を受ける。
【0036】第1実施例と同様に、第1のAOM8A及
び第2のAOM8Bはアライメント系の対物レンズ13
の光軸AX0 に関して軸対称に所定のオフセットを持っ
て配設され、AOM8A及び8B内ではそれぞれ周波数
1 のトランスデューサ9A及び周波数f2 のトランス
デューサ9Bにより超音波が生成されている。そして、
AOM8A及び8Bでのブラッグ回折により生成された
回折光(以下、「アライメント光」という)が、それぞ
れリレーレンズ10A及び10Bを介して空間フィルタ
ー11A及び11Bに導かれる。空間フィルター10A
及び10Bを通過したそれぞれ2つの波長λ12 の光
よりなるアライメント光は、平行に後述の補正光学系と
しての第1の直視プリズム21及び第2の直視プリズム
を経て対物レンズ13に入射し、対物レンズ13で集束
された2つのアライメント光が、レチクル23上に形成
されたウエハアライメント用の透過窓を通過して投影光
学系24に入射する。
【0037】その投影光学系24により集束された2つ
のアライメント光が、ウエハ25上の回折格子状のアラ
イメントマーク26上に所定の入射角でウエハ25の法
線に対称に入射する。アライメントマーク26のピッチ
方向(計測方向)をX方向として、これに垂直な方向を
Y方向とする。本例においても、アライメントマーク2
6からの±1次回折光が垂直上方に射出されるように、
アライメントマーク26に入射する2つの回折光の入射
角を設定する。
【0038】これにより、アライメントマーク26から
垂直上方に射出された±1次回折光は、投影光学系2
4、レチクル23、対物レンズ13、第2の直視プリズ
ム22及び第1の直視プリズム21を経て空間フィルタ
ーとしての小型ミラー16に達する。そして、小型ミラ
ー16で反射された±1次回折光は、ダイクロイックミ
ラー17により波長λ1 の光束と波長λ2 の光束とに分
離され、波長λ1 のヘテロダイン干渉光が光電検出器1
9で受光され、波長λ2 のヘテロダイン干渉光が光電検
出器18で受光される。信号処理の方法は第1実施例と
同様である。
【0039】本例において、2つのアライメント光のア
ライメントマーク26による±1次回折光が垂直上方に
射出されるようにするためには、ウエハ25の露光面と
ほぼ共役な面でそれら2つのアライメント光が所定の角
度で交差するように、AOM8A及び8Bからの回折光
(アライメント光)を所定の間隔で対物レンズ13に入
射させる必要がある。
【0040】ところが、投影光学系24は、露光に用い
る露光光(例えばg線、i線、エキシマレーザ光等)に
対しては良好に収差が補正されているが、アライメント
に用いるHe−Neレーザ光や半導体レーザ光に対して
は、色収差の補正があまり良好になされていない。その
ため、アライメント光に対しては、投影光学系24にお
いて縦の色収差及び横の色収差が発生する。縦の色収差
については、アライメント光についてウエハ25と共役
な面をレチクル23の配置面からずらすことにより対応
している。また、アライメント光として2つの波長の光
が使用されているが、2光束干渉を利用しているため光
軸方向の焦点深度が大きいことを利用して、He−Ne
レーザ光と半導体レーザ光との縦の色収差の差を吸収し
ている。
【0041】しかしながら、横の色収差により、ウエハ
25上のアライメントマーク26に2つの波長のアライ
メント光を照射すると、レチクル23の面上では、投影
光学系24の光軸から半径方向に光路の位置ずれが生じ
る。この位置ずれを補正するため、本例のアライメント
系には、第1の直視プリズム21が配置されている。直
視プリズムとは、色収差を調整するためのプリズムであ
り、例えば2枚の分散が異なるくさび型のプリズムを貼
り合わせて形成される。第1の直視プリズム21によ
り、対物レンズ13の瞳面側でアライメント光には波長
に応じて異なる角度を付与できるので、レチクル23の
パターン形成面上でアライメント光が落射する位置を波
長に応じて変えることができる。
【0042】更に、露光の際のフィールドサイズの変更
に対応するため、アライメントマーク26の位置を非計
測方向(Y方向)に可変とする場合には、横の色収差量
が、アライメントマーク26の像高により変化する。そ
れを補正するため、図2(b)に示すように、直視プリ
ズム21を、計測方向(X方向)に平行な軸を中心に回
転させて対物レンズ13に対するアライメント光の入射
角を変化させ、アライメント光の波長による角度差を変
化させる。
【0043】また、半導体製造のリソグラフィ工程にお
いては、何回も重ね焼きを行う必要がある。しかし、こ
の例で示したように、露光位置でアライメントを行うよ
うな場合、ウエハアライメントのためのレチクルの透過
窓を通して、ウエハ25側のアライメントマーク26に
露光光が照射する可能性があり、その後の処理等により
アライメントマーク26が破壊される可能性がある。そ
のため、アライメントマークをウエハ25の各ショット
領域の周辺に複数個配置し、必要に応じてアライメント
マークの打ち換えを行う。このときアライメント系は、
アライメントマークの打ち換えに対応して、対物レンズ
13を計測方向に移動できるようにする。ところが、計
測方向にアライメントマークの位置を移動すると、アラ
イメントマークと投影光学系24の光軸との相対位置関
係が変わるので、アライメント光の2つの波長における
計測位置にずれが生じる。
【0044】図3はその計測位置のずれを示し、この図
3において、ウエハ側のアライメントマークが投影光学
系の光軸AXに対してY方向に形成されている場合に、
波長λ1 のアライメント光により観察されるアライメン
トマークのレチクル面近傍(ウエハ共役面)での像27
Aと、波長λ2 のアライメント光により観察されるアラ
イメントマークのレチクル面での像28AとのX方向
(計測方向)の位相は揃っているものとする。この状態
からウエハ側のアライメントマークの位置がX方向に移
動すると、それに応じて波長λ1 のアライメント光によ
り観察される像27B及び波長λ2 のアライメント光に
より観察される像28Bの位置もX方向に移動する。し
かしながら、像27B及び像28BはX方向の移動量が
異なるため、波長λ1 のアライメント光による位置検出
結果と波長λ2 のアライメント光による位置検出結果と
の間に誤差が生じてしまう。
【0045】このずれを補正するため、図2に示すよう
に、対物レンズ13の瞳面上に配置された第2の直視プ
リズム22を光軸AX0 を中心に回転して、2つの波長
のアライメント光のビーム位置のずれを補正する。この
場合、計測方向の位置ずれに対して検出される位相差
は、アライメントマーク26のピッチの半分の位置ずれ
があると360°変化するため、アライメントマーク2
6のピッチの半分以上の位置ずれは判別できない。その
ため、直視プリズム22により補正する量は、アライメ
ントマーク26のピッチの半分程度の位置ずれ量が補正
できる程度で良い。一般的に、非計測方向の色収差補正
を行う直視プリズム21の補正量に比較して、計測方向
の色収差補正を行う直視プリズム22の補正量は小さい
と考えられるので、直視プリズム22による補正をして
も非計測方向のずれ量は小さく位置検出にはほとんど影
響がない。この場合には、対物レンズ13の可動範囲を
制限することにより、アライメントマークの打ち変え毎
に直視プリズム22の補正だけを行えばよい。
【0046】また、直視プリズム21及び22を両方と
も光軸を中心に回転可能に支持して偏角を等しくして、
計測方向及び非計測方向の補正を同時に行うようにして
もよい。次に、本発明の第3実施例につき図4を参照し
て説明する。本実施例は、図1の実施例において2つの
AOMの代わりに1つのAOMを使用する例であり、こ
の図4において図1に対応する部分には同一符号を付し
てその詳細説明を省略する。
【0047】図4は、本例の位置検出装置を示し、この
図4において、He−Neレーザ光源1から射出された
波長λ1 の光束L1 がダイクロイックミラー30に入射
する。また、半導体レーザ素子3から射出された波長λ
2 の光束L2 が、コリメータレンズ4で平行光束に変換
されてダイクロイックミラー30に入射する。He−N
eレーザ光源1とダイクロイックミラー30との間にシ
ャッター29を配置し、シャッター29で随時光束L1
を遮断する。また、半導体レーザ素子3は印加する電流
により高速に発光のオン及びオフを制御できるので、本
例ではシャッター29及び半導体レーザ素子3の電源を
用いて、He−Neレーザ光源1の光束と半導体レーザ
素子3の光束とを時分割的に交互にダイクロイックミラ
ー30に導く。
【0048】ダイクロイックミラー30で光路が同一に
される光束L1 又はL2 が、ミラー7に反射されて入射
角θinでAOM8Bに入射する。AOM8Bには、トラ
ンスデューサ9Bを取り付け、トランスデューサ9Bを
周波数f3 で駆動する。これにより、AOM8B内に超
音波によるピッチ(波長)Λ3 の粗密波が生成される。
入射する波長λ1 の光束L1 又は波長λ2 のL2 の内
で、そのAOM8Bをそのまま通過する0次回折光L
1(0)又はL2(0)は周波数変調を受けずに焦点距離F 2
リレーレンズ10に入射し、AOM8B内の超音波の粗
密波によりブラッグ回折及び周波数変調を受けた1次回
折光L1(+1) 又はL2(+1) もリレーレンズ10に入射す
る。1次回折光L1(+1) 及びL2(+1) の回折角は僅かに
異なっている。
【0049】リレーレンズ10から射出された0次回折
光及び1次回折光は平行に焦点距離F1 の対物レンズ1
3に向う。この際に、リレーレンズ10の光軸上に、A
OM8B内で入射光束が回折される点があり、リレーレ
ンズ10の光軸と対物レンズ13の光軸とは一致してい
る。対物レンズ13に入射した0次回折光L1(0),L
2(0)及び1次回折光L1(+1),L2(+1) は、それぞれ屈折
作用を受け、被検物であるウエハ14上に設けられたピ
ッチPの回折格子状のアライメントマーク15に対し
て、対物レンズ13の光軸にほぼ軸対称に入射する。そ
のようにAOM8B内の同一の回折領域で回折された複
数の波長の光束が、アライメントマーク15上の同一の
点に照射されるように、AOM8Bの回折領域(超音波
の形成領域)とウエハ14の露光面とは、リレーレンズ
10及び対物レンズ13に関して共役に配置されてい
る。リレーレンズ10の焦点距離F2 及び対物レンズ1
3の焦点距離F1 を用いると、AOM8Bの回折領域か
らウエハ14の露光面への角倍率γは(F1 /F2)であ
る。
【0050】更に本例では、波長λ1 の0次回折光L
1(0)及び1次回折光L1(+1) のアライメントマーク15
に対する入射角を、それぞれの+1次回折光L1(0,+1)
及び−1次回折光L1(+1,-1)がアライメントマーク15
から平行にほぼ垂直上方に射出されるように設定する。
同様に、波長λ2 の0次回折光L2(0)及び1次回折光L
2(+1) のアライメントマーク15に対する入射角を、そ
れぞれの+1次回折光L 2(0,+1) 及び−1次回折光L
2(+1,-1)がアライメントマーク15から平行にほぼ垂直
上方に射出されるように設定する。そのための角倍率γ
の条件を求めるために、波長λi(i=1,2)の光束が
入射角θinでAOM8Bに入射するときの回折角をθi
とすると、次式が成立する。 sinθin+sinθi =λi /Λ3 (14)
【0051】また、波長λi の2つ光束がほぼ入射角φ
i 及び入射角−φi でピッチPのアライメントマーク1
5に入射したときに、アライメントマーク15からほぼ
垂直上方に±1次回折光が射出される条件は、次の通り
である。 sinφi =λi /P (15) この場合、本例では対物レンズ13の光軸とリレーレン
ズ10の光軸とが合致しているため、回折角θi と入射
角φi との間には次の関係がある。 sinφi =(F2・sinθi )/F1 =(F2 /F1)(sinθi ) =(F2 /F1){λi /(2Λ3)} (16)
【0052】この(16)式の導出過程で、(14)式
で(θin≒θi )とおいた関係を使用した。そして、
(16)式を(15)式と比較することにより、次式が
得られる。 γ=F1 /F2 =P/(2Λ3) (17)
【0053】即ち、角倍率γは、アライメントマーク1
5のピッチPとAOM8B内の超音波のピッチΛ3 との
比の値に等しく設定すれば良い。言い替えると、AOM
8B内の超音波のウエハ14の露光面での共役像のピッ
チ(=(F1/F2)・Λ3)は、アライメントマーク15の
ピッチPの1/2と等しい。
【0054】なお、上述の説明を一般化して、アライメ
ントマーク15からほぼ垂直上方に射出する±n次回折
光(n=1,2,3,‥‥)を使用するものとすると、
角倍率γの条件は次のようになる。 γ=F1 /F2 =P/(2n・Λ3) (18) 次に、アライメントマーク15で回折されてほぼ垂直上
方に進む波長λ1 の±1次回折光L1(0,+1),L1(+1,-1)
及び波長λ2 の±1次回折光L2(0,+1),L2(+1,-1)は、
それぞれ干渉し、同じ波長の光同士のヘテロダイン干渉
光は、AOM8Bに印加した周波数f3 で光強度が正弦
波状に変化するようになる。これらのヘテロダイン干渉
光を対物レンズ13の瞳面近傍に置かれた空間フィルタ
ーとしての小型ミラー16で反射して受光系に導き、こ
の受光系中の集光レンズ31で光電検出器32の受光面
に集光する。
【0055】そして、シャッター29を開いて半導体レ
ーザ素子3の発振を停止した状態で、波長λ1 の干渉光
を光電検出器32で光電変換し、シャッター29を閉じ
て半導体レーザ素子3の発振を行わせた状態で、波長λ
2 の干渉光を光電検出器32で光電変換する。これによ
り、波長λ1 の回折光の干渉ビート信号、及び波長λ 2
の回折光の干渉ビート信号が時分割的に得られる。それ
ら干渉ビート信号を別途生成したレファレンス信号と位
相比較することにより、波長λ1 の光を用いた場合のア
ライメントマーク15の位置、及び波長λ2 の光を用い
た場合のアライメントマーク15の位置を個別に検出す
ることができる。
【0056】また、本例においても、AOM8Bからの
異なる波長λ12 の回折光は互いにウエハ14への入
射角が異なっているため、アライメントマーク15の段
差やフォトレジストの膜厚に依らずに、常に高いSN比
で高精度にウエハ14の位置検出を行うことができる。
また、AOMを1個使用するだけでよいため、送光系の
構成が簡略である。更に、2つの光源からの異なる波長
の光を時分割的にアライメントマーク15に照射するよ
うにしているため、受光系では光学的に波長弁別を行う
必要がなく、受光系の構成も簡略化されている。
【0057】なお、AOMが1個になったことから、ア
ライメントマーク15から発生する1対の回折光の干渉
光のビート周波数f3 が高くなるが、これは信号処理系
の電気的な処理速度を速くすることで対応することがで
きる。なお、上述実施例では、He−Neレーザ光源1
からの光束を機械的なシャッター29で開閉している
が、例えばポッケルスセルのような光学素子を用いてシ
ャッターを構成しても良い。また、光源として複数波長
同時発振のレーザ光源(Arレーザ光源等)を使用し、
同一の光源から時分割的に異なる波長の光束を発生する
ようにしても良い。これにより、光源部が簡略化でき
る。
【0058】このように本発明は上述実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り
得る。
【0059】
【発明の効果】本発明の第1の位置検出装置によれば、
複数の波長の光束をそれぞれ2方向から回折格子状マー
クに照射しているため、その回折格子状マークの段差
や、被検物上に塗布されている感光材等の膜厚に依らず
に、高精度に被検物の位置を検出できる利点がある。ま
た、第1の変調手段及び第2の変調手段内の進行波の形
成領域がそれぞれ被検物の回折格子状マークの形成面と
共役であるため、それら第1及び第2の変調手段内で位
置検出用の光束が通過する領域を狭くできると共に、位
置検出用の光束の利用効率が高いという利点がある。ま
た、従来の単色の2光束干渉方式の位置検出装置と比べ
て、光量の損失が少ない。
【0060】また、その進行波の被検物上の共役像のピ
ッチをその回折格子状マークのピッチと等しくした場合
には、それら第1及び第2の変調手段の進行波の形成領
域を対物光学系の光軸から所定のオフセット量だけずら
すことにより、その回折格子状マークから±1次回折光
がほぼ垂直上方に射出するようにすることができる。従
って、受光系の構成を簡略化できる。
【0061】次に、第2の位置検出装置においても、複
数の波長の光束をそれぞれ2方向から回折格子状マーク
に照射しているため、その回折格子状マークの段差や、
被検物上に塗布されている感光材等の膜厚に依らずに、
高精度に被検物の位置を検出できる利点がある。また、
変調手段を1個使用するだけで良いため、装置構成を簡
略化できる。
【0062】また、その変調手段内に生成される進行波
の被検物上の共役像のピッチをその回折格子状マークの
ピッチの1/2に設定した場合には、その回折格子状マ
ークから±1次回折光がほぼ垂直上方に射出するように
することができる。従って、受光系の構成を簡略化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置検出装置の第1実施例を示す
構成図である。
【図2】(a)は本発明の第2実施例の縮小投影型露光
装置のアライメント系を示す正面図、(b)は図2
(a)の右側面図である。
【図3】図2の投影光学系24を通して、異なる2波長
のアライメント光でウエハ側のアライメントマークを観
察したときのレチクル面近傍(ウエハ共役面)上でのず
れの状態を示す図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 He−Neレーザ光源 2 ダイクロイックミラー 3 半導体レーザ素子 6 ハーフプリズム 8A,8B 音響光学変調素子(AOM) 9A,9B トランスデューサ 10A,10B リレーレンズ 11A,11B 空間フィルター 12 ハーフプリズム 13 対物レンズ 14 ウエハ 15 回折格子状のアライメントマーク 16 空間フィルターとしての小型ミラー 17 ダイクロイックミラー 18,19 光電検出器 20 信号処理系

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに周波数が異なる2光束を生成する
    2光束生成手段と、該2光束生成手段からの2光束を集
    光して被検物上に形成された回折格子状マークに対して
    前記2光束を所定の2方向から照射する対物光学系と、
    前記回折格子状マークから同一方向に発生する回折光同
    士による干渉光を前記対物光学系を介して光電的に検出
    する検出器とを有し、前記被検物の位置を検出する位置
    検出装置において、 前記2光束生成手段は、複数の波長の光束を供給する光
    源手段と、該光源手段から供給される光束を2分割して
    第1及び第2の光束を生成する光分割手段と、進行波を
    利用して前記第1の光束を回折及び周波数変調すると共
    に前記被検物と共役に配置された第1の変調手段と、進
    行波を利用して前記第2の光束を回折及び周波数変調す
    ると共に前記被検物と共役に配置された第2の変調手段
    とを有し、 前記第1及び第2の変調手段により回折されてそれぞれ
    前記被検物に照射される前記第1及び第2の光束の間に
    所定の周波数差を与えたことを特徴とする位置検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の変調手段内の進行波
    の前記被検物上の共役像のピッチをそれぞれ前記回折格
    子状マークのピッチと等しく設定したことを特徴とする
    請求項1記載の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 互いに周波数が異なる2光束を生成する
    2光束生成手段と、該2光束生成手段からの2光束を集
    光して被検物上に形成された回折格子状マークに対して
    前記2光束を所定の2方向から照射する対物光学系と、
    前記回折格子状マークから同一方向に発生する回折光同
    士による干渉光を前記対物光学系を介して光電的に検出
    する検出器とを有し、前記被検物の位置を検出する位置
    検出装置において、 前記2光束生成手段は、複数の波長の光束を供給する光
    源手段と、該光源手段から供給される光束の一部をその
    まま通過させて残りの部分を進行波を利用して回折及び
    周波数変調する変調手段と、前記対物光学系と共に前記
    変調手段を前記被検物と共役にする集光光学系とを有
    し、 前記変調手段をそのまま通過して前記被検物に照射され
    る光束と、前記変調手段により回折されて前記被検物に
    照射される光束との間に所定の周波数差を与えたことを
    特徴とする位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記変調手段内の進行波の前記被検物上
    の共役像のピッチを前記回折格子状マークのピッチの1
    /2に設定したことを特徴とする請求項3記載の位置検
    出装置。
JP5131736A 1993-06-02 1993-06-02 位置検出装置 Withdrawn JPH06342748A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001237183A (ja) * 2000-01-20 2001-08-31 Asm Lithography Bv マイクロリソグラフィ投影装置
JP2017166876A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 ツクモ工学株式会社 ヘテロダイン干渉装置
CN113448189A (zh) * 2020-03-26 2021-09-28 上海微电子装备(集团)股份有限公司 一种对准系统及光刻机

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