JPH09250904A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

Info

Publication number
JPH09250904A
JPH09250904A JP8238858A JP23885896A JPH09250904A JP H09250904 A JPH09250904 A JP H09250904A JP 8238858 A JP8238858 A JP 8238858A JP 23885896 A JP23885896 A JP 23885896A JP H09250904 A JPH09250904 A JP H09250904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffraction grating
acousto
optical system
flux
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8238858A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kawaguchi
透 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP8238858A priority Critical patent/JPH09250904A/ja
Publication of JPH09250904A publication Critical patent/JPH09250904A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学系の調整が容易で複数波長の光を使用で
きるという特徴を維持した上で、簡単な構成でSN比の
高い光ビート信号を得ることができるヘテロダイン干渉
型の位置検出装置を提供する。 【解決手段】 光源からの所定の帯域の光束L0 の光軸
に沿って、且つその光軸の周りに対称に傾斜するように
異なる周波数で駆動されている2個の音響光学素子(A
OM)17A,17Bを配置する。光束L0 によるAO
M17Aからの±1次回折光LA(1),LA(-1) と、AO
M17Aからの0次光によるAOM17Bからの±1次
回折光LB(1),LB(-1) とを光軸に対して対称に発生さ
せて、回折光LA(1),LB(1)よりなる1組の光束と、回
折光LA(-1),LB(-1) よりなる1組の光束とをそれぞれ
異なる回折格子マークに照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘテロダイン干渉
型で被検面の法線に垂直な方向の位置、又はその法線方
向の位置を検出する位置検出装置に関し、特に例えば半
導体素子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造
するためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装
置において、アライメントセンサ、オートフォーカスセ
ンサ、又はオートレベリングセンサに使用して好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】微細パターンを有する半導体素子等を製
造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンをフォ
トレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート
等)上に転写露光するために使用される露光装置とし
て、従来はステップ・アンド・リピート方式でウエハ上
の各ショット領域にレチクルのパターンを転写露光する
一括露光方式の投影露光装置(所謂ステッパー等)が多
用されていた。最近では、レチクル及びウエハを投影光
学系に対して同期して走査しながら露光を行うステップ
・アンド・スキャン方式等の走査露光方式の投影露光装
置も使用されつつある。
【0003】一般に、半導体素子等はウエハ上に多層の
回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成される
ため、そのような露光装置には、ウエハ上の各ショット
領域とレチクルとの位置合わせ(アライメント)を高精
度に行うためのアライメント装置が備えられている。こ
のアライメント装置は、レチクル上のアライメントマー
ク(レチクルマーク)、及びウエハ上のアライメントマ
ーク(ウエハマーク)の位置を検出するアライメントセ
ンサと、このアライメントセンサの検出結果に基づいて
レチクル又はウエハの位置を補正するステージ機構とか
ら構成されている。
【0004】従来のアライメントセンサに使用できる位
置検出装置として、例えば特開平2−227604号公
報において、ヘテロダイン干渉法を利用して高精度に位
置検出を行う位置検出装置が開示されている。この位置
検出装置では、レーザ光源からの光束をビームスプリッ
タ等を介して2分割した後、得られた2光束をそれぞれ
異なる音響光学素子(AOM)に通すことにより、それ
ら2光束の間に所定の周波数差が付与される。そして、
その周波数差を有する2光束を、レチクルマークとして
の回折格子マーク、及びウエハマークとしての回折格子
マークに対してそれぞれ2方向から照射し、各回折格子
マークから同じ方向に発生する回折光よりなる干渉光
(ヘテロダインビーム)を光電検出器を介して光ビート
信号に変換して、2つの光ビート信号を得ている。この
場合、2つの光ビート信号は周波数が上述の2つの音響
光学素子により付与された周波数差に等しく、且つ位相
が対応する回折格子マークの位置に応じたものであるた
め、それら2つの光ビート信号より2つの回折格子マー
クの位置(又は位置ずれ量)が検出され、この検出結果
に基づいてレチクルとウエハとの位置合わせが行われて
いた。
【0005】ところが、上述の特開平2−227604
号公報に開示された位置検出装置では、ビームスプリッ
タ等で分割された2光束が異なる音響光学素子により変
調される方式であるため、構成が複雑で且つ各光学部材
の調整が困難であった。また、分割された2光束の光路
差が波長に比べて大きくなり易いため、位置検出用の光
としてレーザビーム等の単色光(単一波長の光)を用い
ざるを得ず、ウエハ上に塗布されたフォトレジスト等に
よる薄膜干渉の悪影響を受け易く、特にウエハマークの
位置検出精度が低下する恐れがあった。
【0006】更に、一般にウエハは種々のプロセスを経
るため、ウエハマークの断面形状が次第に崩れ、そのウ
エハマークの断面形状が非対称になることがある。この
場合、位置検出用の光が単色光であると、そのウエハマ
ーク(回折格子マーク)の非対称性により位置検出精度
が低下するという不都合もあった。そこで、これらの不
都合を全て解消するため、2個の互いに僅かに異なる周
波数で駆動される音響光学素子をリレー光学系を介して
直列に配置し、各音響光学素子に対して交差するように
2光束を供給し、各音響光学素子内でそれぞれ同時に2
光束を周波数変調する位置検出装置が本出願人により提
案された。この場合、2個の音響光学素子内ではそれぞ
れブラッグ回折(音響ブラッグ回折)により周波数変調
が行われている。また、2個の音響光学素子を使用する
のは、一般に従来の1個の音響光学素子による変調周波
数は50MHz程度以上であり、これがそのまま光ビー
ト信号の周波数となったのでは信号処理が困難であるか
らである。即ち、従来は2個の音響光学素子をそれぞれ
50MHz程度で、且つ僅かに異なる周波数で駆動する
ことにより、最終的に得られる光ビート信号の周波数を
例えば数10kHz程度に低下(ビートダウン)させて
いた。
【0007】更に、音響光学素子をブラッグ回折領域で
はなく、ラマン−ナス回折領域で使用することにより、
最小個数の音響光学素子で光束の分割手段と変調手段と
を兼用させるようにした位置検出装置も本出願人により
提案されている。このようにラマン−ナス回折領域で音
響光学素子を使用する場合にも、周波数をビートダウン
させるために、2段目の音響光学素子を別途設ける必要
があった。
【0008】一方、投影露光装置では、解像度を高める
ために開口数(N.A.)の大きな投影光学系が用いられる
ため、許容される焦点深度の幅が非常に狭くなってい
る。そこで、投影光学系の露光フィールド全体に亘っ
て、しかもウエハの各ショット領域毎に鮮明な回路パタ
ーン像を転写するため、従来より投影露光装置には投影
光学系の像面に対する各ショット領域の焦点ずれを補正
するオートフォーカス装置、及びその像面に対する各シ
ョット領域の傾斜角のずれの補正を行うオートレベリン
グ装置が備えられている。
【0009】そして、オートフォーカスを行うために投
影光学系の光軸方向のウエハの位置(焦点位置)を検出
する装置の一例として、本出願人による特開昭56−4
2205号公報に開示されているような、被検面上に斜
めに投影したスリット像等を再結像する斜入射型のオー
トフォーカスセンサ(以下、「AFセンサ」と呼ぶ)が
知られている。このAFセンサでは、被検面が上下する
と、再結像されたスリット像等の位置が受光光学系の光
軸と垂直な方向にずれることを利用して、このずれ量を
測定することにより被検面の焦点位置を検出している。
【0010】また、オートレベリングを行うためにウエ
ハの各ショット領域の傾斜状態を検出する装置の一例と
して、本出願人による特開昭58−13706号公報に
開示されているような、コリメータ型のオートレベリン
グセンサ(以下、「ALセンサ」と呼ぶ)が知られてい
る。このセンサでは、被検面上に斜めに平行光束を照射
し、その被検面から反射された平行光束を例えば4分割
受光素子上に集光し、その集光位置からその被検面の傾
斜角を検出している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
アライメントセンサとしての直列に配置された音響光学
素子を使用したヘテロダイン干渉型の位置検出装置で
は、各光学部材の調整が容易であると共に、構成の対称
性により複数波長の光を位置検出光として使用できるた
め、薄膜干渉の影響や回折格子マークの断面形状の非対
称性の影響を受けにくいという特徴があった。しかしな
がら、その従来の位置検出装置では、光ビート信号の周
波数を低下させるために、位置検出用の光束がリレー光
学系を介して2個の独立の音響光学素子によりそれぞれ
(合計で2回)回折を受けることとなり、その位置検出
用の光束の利用効率が低下するという不都合があった。
また、全体の光学系が大型であり且つ複雑であるという
不都合もあった。
【0012】これに関して、例えば1個の音響光学素子
内の1つの超音波作用領域内に逆方向に周波数の僅かに
異なる超音波を印加して、処理し易い程度に周波数変調
された光束を生成するいわば直接変調型とでも言うべき
位置検出装置も提案されている。しかしながら、このよ
うな直接変調型では、逆向きに印加される超音波の中心
位置の間隔が所定の条件を満たさないと最終的に得られ
る光ビート信号のコントラスト(SN比)が低下すると
いう不都合があった。
【0013】一方、従来のAFセンサ及びALセンサで
は、センサ上でスリット像や集光スポットがデフォーカ
スした場合、被検面の反射率むら等により検出光の光量
重心位置がずれるため、被検面の焦点位置や傾斜角を誤
検出する恐れがあるという不都合があった。また、回路
パターンが形成されているウエハ面を被検面とする場合
には、その回路パターンによる回折光や散乱光が同時に
それらのセンサで検出され、結果として所望の検出光に
対する光量重心位置の変化を誘発して、同様に焦点位置
や傾斜角の誤検出を招く恐れがあった。
【0014】更に、焦点位置や傾斜角のずれ量の検出に
関して、上記のようにセンサ上のスリット像や集光スポ
ットの位置ずれを直流信号のレベル変化として検出する
場合には、検出精度のセンサ単体の性能への依存性が高
くなり、より高精度化、高分解能化を狙うにはセンサの
光学系の負担が大きくなると共に、光学系の配置上の制
約も増してくる。これに対して、斜入射型のAFセンサ
では、例えば本出願人による特開昭60−101540
号公報に開示されているように、振動ミラーを利用して
スリット像をセンサ上に設けられた検出スリットに対し
て一定の周波数及び振幅で単振動させて、その検出スリ
ットを通過する光を光電検出し、得られた光電信号を同
期検波することによって高精度化を図る手法も開発され
ている。
【0015】ところがこの手法では、同期検波するため
に振動ミラーを機械的に高精度に駆動する必要があるた
め、センサの機構部が複雑化すると共に、このセンサの
近傍に配置されている他のセンサシステム等に対して振
動による悪影響を与える恐れがある等の不都合があっ
た。本発明は斯かる点に鑑み、光学系の調整が容易で複
数波長の光を使用できるという特徴を維持した上で、簡
単な構成でSN比の高い光ビート信号を得ることができ
ると共に、位置検出用の光の利用効率の高いヘテロダイ
ン干渉型の位置検出装置を提供することを第1の目的と
する。
【0016】また、本発明は、光学系の調整が容易で複
数波長の光を使用できるという特徴を維持したヘテロダ
イン干渉型の位置検出装置であって、更に被検面の反射
率むらや被検面からのノイズ光の影響等を軽減し、機械
的な駆動部を排除した上で被検面の法線方向に垂直な方
向の位置、又はその法線方向の位置を高精度に検出でき
る位置検出装置を提供することを第2の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の位置
検出装置は、例えば図1〜図4に示すように、互いに周
波数の異なる2光束を生成する2光束生成手段と、この
2光束生成手段からの2光束を集光して被検物(4)上
に形成された回折格子状マーク(WM)に対して所定の
2方向から照射する対物光学系(18a,18b,2
1,26,27,38,3)と、回折格子状マーク(W
M)から発生する複数の回折光よりなる干渉光を検出す
る光電検出器(33)とを有し、この光電検出器の検出
信号に基づいて回折格子状マーク(WM)の位置を検出
する位置検出装置において、その2光束生成手段は、複
数波長の光を含む光束(広帯域の光束を含む)又は単一
波長の光束を生成する光源手段(10)と、それぞれ入
射光束から互いに周波数の異なる2光束を生成する第1
及び第2の音響光学素子(17A,17B)と、を備え
ているものである。
【0018】更に本発明では、光源手段(10)からの
光束(L0)をそれら2個の音響光学素子(17A,17
B)を通過させることによって、少なくとも2組の互い
に周波数の異なる2光束(LA(1),LB(1)とLA(-1),L
B(-1))を生成するために、それら2個の音響光学素子は
光源手段(10)からの光束の光軸に沿って直列に、且
つその光軸を中心とする回転方向に沿って互いに所定角
度だけ傾いて配置され、それら2個の音響光学素子によ
って生成される複数組の互いに周波数の異なる2光束
(LA(1),LB(1)とLA(-1),LB(-1))を複数個の回折格
子状マーク(WM,RM)に照射して、これら複数個の
回折格子状マークの位置を検出するものである。
【0019】斯かる本発明によれば、例えば図4に示す
ように、2個の音響光学素子(17A,17B)は光軸
に沿って直列に配列されているため、光学系の調整が容
易で、且つ光源手段(10)からの光束(L0)が複数波
長(広帯域の光束を含む)の光束であっても対称に±m
次(mは1以上の整数)の回折光を発生できる。更に、
2個の音響光学素子(17A,17B)は光軸の周りに
互いにねじられて配置されているため、例えば光源手段
(10)からの光束(L0)による第1の音響光学素子
(17A)からの±1次回折光(LA(1)とLA(-1))と、
その光束(L0)の第1の音響光学素子(17A)からの
0次光による第2の音響光学素子(17B)からの±1
次回折光(LB(1)とLB(-1))とは混合されることなくそ
の光軸に沿って進行する。従って、各回折光は2個の音
響光学素子によってそれぞれ1回だけ回折された光束で
あるため、光束(L0)の利用効率が低下しない。
【0020】また、±1次回折光(LA(1)とLA(-1))
と、±1次回折光(LB(1)とLB(-1))との一方ずつを組
み合わせて得られる2組の互いに周波数の異なる2光束
(LA(1),LB(1)とLA(-1),LB(-1))を2個の回折格子
状マーク(WM,RM)に照射することによって、2個
の回折格子状マーク(WM,RM)のそれぞれについて
光ビート信号を得ることができるため、光束の利用効率
が更に向上している。また、各音響光学素子内ではそれ
ぞれ一方向への超音波のみが生成されているため、SN
比の高い光ビート信号を得ることができる。
【0021】この場合、例えば図6に示すように、それ
ら2個の音響光学素子(17A’,17B’)の間にリ
レー光学系(54a,54b)を配置し、2個の音響光
学素子(17A’,17B’)の超音波作用領域をその
リレー光学系に関して共役にしてもよい。これによっ
て、2個の音響光学素子(17A’,17B’)を実質
的に同じ位置に配置できるため、得られる光ビート信号
のコントラストが最大となる。しかも、各組の2光束の
位置ずれがなくなるため、光束の利用効率が最大とな
る。
【0022】また、例えば図5に示すように、それら2
個の音響光学素子(17A,17B)の射出側にリレー
光学系(55)を設け、このリレー光学系に関して第1
の音響光学素子(17A)の超音波作用領域と第2の音
響光学素子(17B)の超音波作用領域とのその光軸に
沿った中点(PAB)と共役な位置に、それら複数組の互
いに周波数の異なる2光束の周辺のノイズ光を遮蔽する
視野絞り(57)を配置してもよい。これによって、得
られる光ビート信号の直流成分が減少してSN比が改善
される。
【0023】また、その2光束生成手段内の2個の音響
光学素子(17A,17B)を、一体及び個別にその光
軸の周りに回転自在に設けてもよい。このように2個の
音響光学素子(17A,17B)を個別に回転すること
によって、それら2個の音響光学素子によって生成され
る複数組の互いに周波数の異なる2光束(LA(1),L
B(1)とLA(-1),LB(-1))によって対応する回折格子状マ
ーク上に形成される干渉縞の計測方向のピッチが変化す
る。従って、それら干渉縞のピッチ調整を行うことがで
きる。また、全体として回転することによって、それら
2光束によって対応する回折格子状マーク上に形成され
る干渉縞が回転する。従って、それら干渉縞の回転調整
を行うことができる。
【0024】この場合、更に、例えば図12に示すよう
に、それら2個の音響光学素子(17A,17B)によ
って発生する複数組の互いに周波数の異なる2光束の内
の1組の2光束(LA(-1),LB(-1))を回転させるための
像回転プリズム等の像回転手段(61)を設けてもよ
い。この像回転手段(61)を用いて、例えばその1組
の2光束(LA(-1),LB(-1))を90°回転させることに
よって、例えば被検物(4)上で直交するように配置さ
れた2個の回折格子状マークの位置検出を同時に行うこ
とができる。
【0025】次に、本発明による第2の位置検出装置
は、例えば図16〜図21に示すように、互いに周波数
の異なる2光束を生成する2光束生成手段(71)と、
この2光束生成手段からの2光束を集光して被検物
(4)上に形成された回折格子状マーク(WM1)に対
して所定の2方向から照射する対物光学系(76)と、
回折格子状マーク(WM1)から発生する複数の回折光
よりなる干渉光を検出する光電検出器とを有し、この光
電検出器の検出信号に基づいて回折格子状マーク(WM
1)の位置を検出する位置検出装置において、2光束生
成手段(71)は、複数波長の光を含む光束又は単一波
長の光束(LW0)を生成する光源手段(110)と、そ
れぞれ入射光束から互いに周波数の異なる2光束を生成
する第1及び第2の音響光学素子(117A,117
B)とを備え、光源手段(110)からの光束をそれら
2個の音響光学素子に通過させることによって生成され
る少なくとも2組の互いに周波数の異なる2光束(La
(1),Lb(1) とLa(-1),Lb(-1))を、回折格子状マ
ーク(WM1)に照射して得られる光電検出器(81
A,81B)からの検出信号に基づいて、回折格子状マ
ーク(WM1)の高さ変化、及び横ずれ量の少なくとも
一方を検出する検出手段(82,83,50)が設けら
れたものである。
【0026】斯かる本発明によれば、2個の音響光学素
子(117A,117B)でそれぞれ1回ずつ回折され
た回折光を使用しているため、2個の音響光学素子の調
整が容易であり、複数波長の光束を使用しても回折効率
は殆ど低下しない。また、本発明の上記の第1の位置検
出装置では得られる少なくとも2組の2光束を互いに異
なる複数個の回折格子状マークに照射するのに対して、
この第2の位置検出装置では得られる少なくとも2組の
2光束(La(1),Lb(1) とLa(-1),Lb(-1))を共
通に1つの回折格子状マーク(WM1)に照射してい
る。この結果、例えば図19に示すように、それら2組
の内の第1組の光束(La(1),Lb(1))による回折光
(LW1 ’)に基づいて、回折格子状マーク(WM1)
の第1の位置情報Δ1が得られ、第2組の光束(La(-
1),Lb(-1))による回折光(LW-1’)に基づいて、
回折格子状マーク(WM1)の第2の位置情報Δ2が得
られる。
【0027】この際に簡単のため、第1組の光束(La
(1),Lb(1))、及び第2組の光束(La(-1),Lb(-
1))の中心線が、被検面の法線に対してほぼ対称に傾斜
しているものとすると、回折格子状マーク(WM1)の
その法線に垂直な方向への位置ずれ量(横ずれ量)をΔ
y、その法線方向への位置ずれ量(高さ変化)をΔzと
すると、所定の係数k1及びk2を用いて、それらは以
下のように求められる。
【0028】Δy=k1(Δ1+Δ2) (A1) Δz=k2(Δ1−Δ2) (A2) 即ち、横ずれ量Δyは、2組の光束から得られる変位の
和に基づいて求められ、高さ変化Δzは、2組の光束か
ら得られる変位の差に基づいて求められる。この際に、
位置情報Δ1及びΔ2はヘテロダイン干渉方式で検出さ
れるため、被検面の反射率のむらや回路パターン等の影
響を受けにくいと共に、振動ミラーのような機械的な駆
動部を設けることなく交流信号が得られる。
【0029】この場合、検出手段(82,83,50)
は、被検物(4)上の異なる3箇所に形成された3個の
回折格子状マーク(WM1,WM2,WM3)に対して
2光束生成手段(71)と同一の2光束生成手段からの
少なくとも2組の互いに周波数の異なる2光束をそれぞ
れ照射して得られるその光電検出器からの検出信号に基
づいて、3個の回折格子状マーク(WM1,WM2,W
M3)の高さ変化をそれぞれ検出し、この検出結果に基
づいて被検物(4)の傾斜角の補正を行うレベリング手
段(5d)が更に設けられることが望ましい。
【0030】このとき、それら3個の回折格子状マーク
(WM1,WM2,WM3)の高さ変化より被検面の傾
斜角の変化が求められ、この傾斜角の変化を相殺するよ
うにレベリング手段(5d)を駆動することによって、
オートレベリング方式でその被検面の傾斜角が所定の状
態に維持される。また、その第2の位置検出装置におい
て、2光束生成手段(71)からの少なくとも2組の互
いに周波数の異なる2光束(La(1),Lb(1) とLa(-
1),Lb(-1))が共通に対物光学系(76)を介して、
各組の一方の光束(La(1),La(-1))がこの対物光学
系の光軸と同軸となり、且つ各組の他方の光束(Lb
(1),Lb(-1))がこの対物光学系の光軸に対して対称
に傾斜して回折格子状マーク(WM1)に照射されるこ
とが望ましい。これによって、例えば図19に示すよう
に、第1組の2光束(La(1),Lb(1))の中心線は被検
面の法線に対して傾斜し、第2組の2光束(La(-1),
Lb(-1))の中心線もその被検面の法線に対して傾斜す
るため、それら2光束の回折光はそれぞれ回折格子状マ
ーク(WM1)の横ずれ量及び高さ変化の情報を含むよ
うになり、それらの情報の演算によって横ずれ量、及び
高さ変化を求めることができる。
【0031】その構成の他に、例えば図20に示すよう
に、2光束生成手段(71)からの少なくとも2組の互
いに周波数の異なる2光束(La(1),Lb(1) とLa(-
1),Lb(-1))が共通に対物光学系(76)を介して、
各組の一方の光束(La(1),La(-1))がこの対物光学
系の光軸(AX2)を含む回折格子状マーク(WM1)
の非計測方向の面内にあって互いにこの光軸に対して反
対側から傾斜して照射され、且つ各組の他方の光束(L
b(1) ,Lb(-1))がこの対物光学系の光軸(AX2)
を含む回折格子状マーク(WM1)の非計測方向の平面
に対して互いに反対側から回折格子状マーク(WM1)
に照射されるようにしてもよい。この構成では、少なく
とも2組の2光束(La(1),Lb(1) とLa(-1),Lb
(-1))が回折格子状マーク(WM1)上で完全に分離さ
れているため、得られる回折光中のノイズ光が少なくな
り、検出信号のSN比が改善される。
【0032】また、この第2の位置検出装置において
も、例えば図17に示すように、光源手段(110)か
らの光束(LW0)を2個の音響光学素子(117A,1
17B)を通過させることによって、少なくとも2組の
互いに周波数の異なる2光束を生成するために、2個の
音響光学素子(117A,117B)は光源手段(11
0)からの光束(LW0)の光軸に沿って直列に、且つこ
の光軸を中心とする回転方向に沿って互いに所定角度だ
け傾いて配置されていることが望ましい。
【0033】この構成によって、2個の音響光学素子
(117A,117B)は光軸の周りに互いにねじられ
て配置されるため、光源手段(110)からの光束(L
0)による第1の音響光学素子(117A)からの±1
次回折光(La(1) とLa(-1))と、その光束(LW0)
の第1の音響光学素子(117A)からの0次光による
第2の音響光学素子(117B)からの±1次回折光
(Lb(1) とLb(-1))とは混合されることなくその光
軸に沿って進行する。従って、各回折光は2個の音響光
学素子によってそれぞれ1回だけ回折された光束である
ため、光束(LW0)の利用効率が低下しない。
【0034】更に、2個の音響光学素子(117A,1
17B)の間にはリレー光学系(133,134)を配
置し、それら2個の音響光学素子の超音波作用領域をそ
のリレー光学系に関して共役としてもよい。これによっ
て、得られる干渉光のSN比が向上する。また、2個の
音響光学素子(117A,117B)の射出側にはリレ
ー光学系(155)が設けられ、このリレー光学系に関
して第1の音響光学素子(117A)の超音波作用領域
と第2の音響光学素子(117B)の超音波作用領域と
のその光軸に沿った中点と共役な位置に、それら複数組
の互いに周波数の異なる2光束の周辺のノイズ光を遮蔽
する視野絞り(157)が配置されていることが望まし
い。これによっても、得られる干渉光のSN比が向上す
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明による位置検出装置
の第1の実施の形態につき図1〜図4を参照して説明す
る。本例は、本発明を、投影露光装置のヘテロダイン干
渉型のアライメントセンサに適用したものである。ま
た、本例は音響光学素子によるラマン−ナス回折を利用
したものである。
【0036】図1は、本例の投影露光装置を示し、この
図1において、所定の回路パターンが形成され、その回
路パターンの周辺部にレチクルマークとしての回折格子
マークRMが形成されたレチクル1は、2次元的に移動
可能なレチクルステージ2上に保持されている。また、
レチクル1の斜め上方に照明光学系40が配置され、照
明光学系40からの露光光は、レチクル1の上方に45
゜の傾斜角で斜設されたダイクロイックミラー6により
下方へ反射されて、レチクル1を均一な照度分布で照明
する。その露光光のもとで、レチクル1上のパターンは
投影光学系3を介してウエハ4上の各ショット領域に所
定の投影倍率で転写される。即ち、レチクル1のパター
ン形成面は、投影光学系3に関してウエハ4の表面と共
役になるように配置されている。以下では、投影光学系
3の光軸に平行にz軸を取り、z軸に垂直な平面内で図
1の紙面に平行にx軸を、図1の紙面に垂直にy軸を取
って説明する。
【0037】この場合、ウエハ4上の各ショット領域に
は、レチクル1上に形成された回折格子マークRMに対
応して、ウエハマークとしての回折格子マークWMが付
設されている。そして、ウエハ4は、2次元的に移動自
在なウエハステージ5上に保持され、ウエハ上の1つの
ショット領域へのレチクルパターンの転写が完了する
と、ウエハステージ5によってウエハ4は次のショット
位置までステッピング移動し、以下ステップ・アンド・
リピート方式で露光が繰り返される。また、レチクルス
テージ2及びウエハステージ5におけるx方向、y方向
及び回転方向(θ方向)の位置を独立に検出するための
不図示の干渉計が各ステージに設けられており、それら
の干渉計の計測結果が主制御系51に供給され、主制御
系51は供給された計測結果に基づいてサーボ系52を
介してレチクルステージ2及びウエハステージ5の動作
を制御する。
【0038】本例では、回折格子マークRM及びWMの
位置検出を行うためのTTR(スルー・ザ・レチクル)
方式のアライメントセンサが、ダイクロイックミラー6
の上方に設けられている。以下、そのアライメントセン
サについて説明する。図1のアライメントセンサにおい
て、キセノン(Xe)ランプ、ハロゲンランプ等の白色
光源10からの露光光とは異なる波長帯の白色光(広い
帯域幅を有する光束)は、口径可変な可変絞り11及び
コンデンサーレンズ12を介することにより平行な光束
0 に変換された後、所定の波長域の光を抽出するバン
ドパスフィルタ13を介して第1の音響光学素子(以
下、「AOM」と呼ぶ)17Aに垂直に入射する。第1
のAOM17Aの後に所定間隔で第2のAOM17Bが
配置され、AOM17A及び17Bは、それぞれ周波数
1 及びf2(f1 >f2 とする)の高周波信号SF1
びSF2 で駆動されており、所定の波長域の光束L 0
AOM17A,17Bによりそれぞれラマン−ナス(Ra
man-Nath)回折作用を受ける。但し、AOM17A,1
7Bは、後述のように図1の紙面内でz軸に平行な光軸
の周りに、y軸に平行な基準軸に対して互いに反対方向
に対称に所定角度だけ傾いて配置されており、図1の紙
面(xz平面内)への射影では互いに逆方向から駆動さ
れている。
【0039】ここで、光束L0 の周波数(中心周波数)
をf0 とすると、光束L0 による2つのAOM17A及
び17Bからの+1次回折光よりなる光束LA(1)及びL
B(1)(図4参照)は、それぞれf1 及びf2 の周波数変
調を受け、同様に−1次回折光よりなる光束LA(-1)及
びLB(-1)は、それぞれ−f1 及び−f2 の周波数変調
を受ける。この場合、これら4つの光束LA(1),L
B(1),LA(-1),LB(-1)は、z軸に平行な光軸を中心
として所定角度をなして対称に、互いに異なる方向に発
散するように回折されるが、図1においては簡単のた
め、xz平面に投影した状態で光束LA(1)と光束LB(-
1)とを合わせて光束L1(1)で表し、光束LA(-1)と光
束LB(1)とを合わせて光束L2(-1)で表している。
【0040】図1において、光束L1(1)及び光束L2(-
1)は、レンズ18a、反射ミラー20、レンズ18
b、及びレンズ21を経て、ビームスプリッタ22で2
分割される。レンズ18aとレンズ18bとで構成され
るリレー光学系の間には、光束L 1(1)と光束L2(-1)と
を抽出するための空間フィルタ19が設けられている。
AOM17A,17Bからは0次光及び高次回折光も発
生するが、これらは空間フィルタ19により阻止され
る。また、レンズ18bとレンズ21との間に視野絞り
57及び傾角可変の平行平面板58が配置されている。
平行平面板58は、後述のように、光束L1(1)及び光束
2(-1)を構成する4つの光束LA(1),LB(1),LA(-
1),LB(-1)の相対位置を調整するために使用され
る。
【0041】ビームスプリッタ22を透過した光束L
1(1)及び光束L2(-1)はレンズ23により集光され、こ
の集光位置に設けられた参照用の回折格子24上に、ピ
ッチ方向に沿って流れる干渉縞が形成される。そして、
この回折格子24から射出される±1次回折光よりなる
干渉光が光電検出器25に入射し、その干渉光を光電変
換して得られる周波数(f1 −f2)の参照用の光ビート
信号を含む光電信号が光電検出器25から出力される。
その光電信号は位相検出系50に供給される。
【0042】一方、ビームスプリッタ22で反射された
光束L1(1)及び光束L2(-1)は、レンズ26a及び26
bよりなる第1リレーレンズ26、第2リレーレンズ2
7、ビームスプリッタ28、並びに平行平面板37を通
過する。この平行平面板37は、投影光学系3の瞳共役
位置又はその近傍に、このアライメントセンサの光学系
の光軸に対して傾角可変に設けられ、アライメント用の
光束のテレセントリック性を維持するための機能を有す
る。なお、平行平面板37の代わりに、厚さが厚い粗調
整用の平行平面板と、厚さが薄い微調整用の平行平面板
とを組み合わせた構成の2枚の平行平面板を使用しても
よい。
【0043】平行平面板37を通過した光束L1(1)及び
光束L2(-1)は、対物レンズ38、ダイクロイックミラ
ー6を介して、所定の交差角で2方向からレチクル1上
の回折格子マークRMを照明する。なお、投影光学系3
がアライメント光に対して色収差補正されていない場合
には、対物レンズ38は、特開昭63−283129号
公報にて提案されている2焦点光学系で構成することが
望ましい。これにより、2焦点光学系に入射する2光束
は互いに直交する偏光光にそれぞれ分割され、第1焦点
へ向かう一方の偏光光同士がレチクル1上で集光し、第
2焦点へ向かう他方の偏光光同士がウエハ4上で集光す
る。
【0044】さて、光束L1(1)及び光束L2(-1)は、レ
チクル1上の回折格子マークRMを照明するが、レチク
ル1には、図2(a)に示す如く、回折格子マークRM
と並列にアライメント光用の透過窓P0 が設けられてお
り、図2(b)に示す如く、この透過窓P0 に対応する
ウエハ4上の位置に、回折格子マークWMが形成されて
いる。
【0045】光束L1(1)及び光束L2(-1)は、回折格子
マークRM及び透過窓P0 を覆うように2方向から照明
するが、厳密には、光束LA(-1),LB(-1)が回折格子
マークRMを照明し、光束LA(1),LB(1)が透過窓P0
を照明する。これにより回折格子マークRM上には、ピ
ッチ方向に沿って流れる干渉縞が発生する。そして、こ
の回折格子マークRMの法線方向(投影光学系3の光軸
方向)には、光束L1(1)の+1次回折光、及び光束L
2(-1)の−1次回折光がそれぞれ発生する。
【0046】ここで、光束L1(1)と光束L2(-1)とが回
折格子マークRMを2方向から照明するときの交差角
は、回折格子マークRMのピッチをPRM、光源10から
供給される光の基準波長(平均波長)をλ0 、光束L
1(1)又は光束L2(-1)の回折格子マークRMに対する入
射角をθRMとするとき、次の関係を満足するように設定
されている。
【0047】sin θRM=λ0 /PRM (B1) これにより、回折格子マークRMから発生する±1次回
折光は、再びダイクロイックミラー6、対物レンズ3
8、平行平面板37を通過してビームスプリッタ28で
反射された後、レンズ29を経てビームスプリッタ30
で反射されて視野絞り34に達する。
【0048】この視野絞り34は、レチクル1と共役な
位置に設けられており、具体的には、図3(a)の斜線
で示す如く、レチクル1の回折格子マークRMからの回
折光のみを通過させるように、回折格子マークRMの位
置に対応して開口部SRMが設けられている。このため、
図1において、視野絞り34を通過した回折格子マーク
RMからの回折光は、0次回折光を遮光する空間フィル
タ35によりフィルタリングされて、±1次回折光より
なる干渉光のみが光電検出器36に達し、この光電検出
器36にてレチクル1の回折格子マークRMの位置情報
を含んだ光ビート信号が光電検出される。光電検出器3
6から出力される光電信号も、位相検出系50に供給さ
れる。
【0049】一方、レチクル1の透過窓P0 を通過した
光束L1(1)及び光束L2(-1)の一部は、投影光学系3を
介して、ウエハ4上の回折格子マークWMを所定の交差
角で2方向から照明し、これにより回折格子マークWM
上には、ピッチ方向に沿って流れる干渉縞が発生する。
そして、この回折格子マークWMの法線方向(投影光学
系3の光軸方向)には、光束L1(1)の−1次回折光、及
び光束L2(-1)の+1次回折光がそれぞれ発生する。
【0050】ここで、光束L1(1)と光束L2(-1)とが回
折格子マークWMを2方向から照明するときの交差角
は、回折格子マークWMのピッチをPWM、光源10から
供給される光の基準波長をλ0 、光束L1(1)又は光束L
2(-1)の回折格子マークWMに対する入射角をθWMとす
るとき、次の関係を満足するように設定されている。
【0051】sin θWM=λ0 /PWM (B2) これにより、回折格子マークWMから発生する±1次回
折光は、再び投影光学系3、透過窓P0 、ダイクロイッ
クミラー6、対物レンズ38、平行平面板37を通過し
てビームスプリッタ28で反射された後、レンズ29を
経てビームスプリッタ30を透過して、視野絞り31に
達する。
【0052】この視野絞り31は、ウエハ4と共役な位
置に設けられており、具体的には、図3(b)の斜線で
示す如く、ウエハ4の回折格子マークWMからの回折光
のみを通過させるように、回折格子マークWMの位置に
対応して開口部SWMが設けられている。このため、視野
絞り31を通過した回折格子マークWMからの回折光は
0次回折光を遮光する空間フィルタ32によりフィルタ
リングされて、±1次回折光よりなる干渉光のみが光電
検出器33に達し、この光電検出器33にてウエハ4の
位置情報を含んだ光ビート信号が光電検出される。光電
検出器33から出力される光電信号も、位相検出系50
に供給される。
【0053】本例の空間フィルタ32,35はアライメ
ントセンサの光学系の瞳面(被検面に対するフーリエ変
換面)と略共役な位置、即ち投影光学系3の瞳(射出
瞳)面と実質的に共役な位置に配置され、レチクル1、
及びウエハ4上に形成された回折格子マークRM及びW
Mからの0次回折光(正反射光)を遮断し、±1次回折
光(回折格子マークRM,WMに対して垂直な方向に発
生する回折光)のみを通過させるように設定されてい
る。また、光電検出器33及び36の受光面は、対物レ
ンズ38及びレンズ29に関して、それぞれレチクル1
及びウエハ4と略々共役となるように配置されている。
【0054】さて、以上のアライメントセンサの構成に
より、光電検出器25,33,36からそれぞれ得られ
る3つの光電信号は、共に同じ周波数Δf(=f1 −f
2)の正弦波状の光ビート信号を含んでいる。そして、位
相検出系50内の光ビート信号抽出部(フーリエ変換回
路)にてそれら3つの光電信号からそれぞれ周波数Δf
の正弦波状の光ビート信号が精度良く抽出される。抽出
された3つの光ビート信号は主制御系51に供給され、
主制御系51では、一例として、光電検出器33及び3
6に対応する光ビート信号の位相差を算出する。この位
相差は、レチクル1及びウエハ4に対応する光ビート信
号の位相差である。
【0055】今、位置合わせされていない状態でレチク
ル1、及びウエハ4が任意の位置で停止しているとする
と、レチクル1及びウエハ4に対応する光ビート信号の
位相差は、位置合わせされたときの基準値(例えば0)
に対して所定の位相だけずれることになる。ここで、レ
チクル1及びウエハ4にそれぞれ対応する光ビート信号
の位相差(±180゜の範囲内の値)は、レチクル1及
びウエハ4上のそれぞれの回折格子マークRM及びWM
の格子ピッチの1/2以内の相対位置ずれ量に一義的に
対応している。
【0056】このため、予めプリアライメントによっ
て、レチクル1とウエハ4との各回折格子マークの格子
ピッチ方向に対する相対位置ずれ量が、各回折格子マー
クRM,WMの格子ピッチの1/2以下となるように位
置合わせが行われる。その後、主制御系51は、レチク
ル1及びウエハ4に対応する光ビート信号の位相差が0
又は所定の値となるように、サーボ系52を介してレチ
クルステージ2又はウエハステージ5を2次元移動させ
て位置合わせを行う。これにより高精度に最終的なアラ
イメントが行われる。
【0057】なお、主制御系51では、光電検出器25
に対応する参照用の光ビート信号を基準信号として、こ
の基準信号と各回折格子マークRM,WMに対応する光
ビート信号との位相差がそれぞれ0又は所定の値となる
ように位置合わせを行っても良い。また、AOM17A
又は17Bを駆動する駆動信号(高周波信号SF1 又は
SF2 )を基準信号として利用することもできる。
【0058】次に、本例のアライメントセンサにおける
互いに異なる周波数の2光束を生成する部分について、
より具体的な構成及び原理を図4を参照しながら説明す
る。図4に示すように、AOM17A,17Bは光束L
0 の光軸(z軸に平行)を中心として、y軸に平行な軸
を基準として互いに反対方向に所定角度φだけ対称に傾
いて配置されている。このとき、白色光の光束L0 がA
OM17Aに対して垂直に入射すると、ラマン−ナス回
折作用により超音波の進行方向と光束L0 の光軸とを含
む面内で、各波長毎に0次光LA(0)、+1次回折光L
A(1)、−1次回折光LA(-1)、及び他の高次回折光が発
生し、これらの回折光は後続のAOM17Bに入射す
る。
【0059】AOM17Aからの0次光LA(0)はAOM
17Bに垂直に入射し、AOM17Bのラマン−ナス回
折作用により、同様に超音波の進行方向と光束L0 の光
軸とを含む面内で、各波長毎に0次光LB(0)、+1次回
折光LB(1)、−1次回折光L B(-1)、及び他の高次回折
光が発生する。以下では、+1次回折光LA(1)、−1次
回折光LA(-1)、+1次回折光LB(1)、及び−1次回折
光LB(-1)をそれぞれ単に光束LA(1),LA(-1),L
B(1)及びLB(-1)と呼ぶ。
【0060】これら4つの光束LA(1),LA(-1),L
B(1),LB(-1)は光束L0 の光軸に対して等しい角度を
なしてほぼ対称に回折され、また、それぞれ順に+
1 ,−f 1 ,+f2 ,−f2 の周波数変調を受けてい
る。これら4光束の内、光束LA(1)とLB(1)、及び光束
A(-1)とLB(-1)とのそれぞれの組が互いに周波数の
異なる2光束として使用される。即ち、2光束生成手段
としての本例の2つのAOM17A,17Bによって、
互いに周波数の異なる2光束が2組得られることにな
る。このとき、各組で2光束間の周波数差は等しくΔf
(=f1 −f2)である。周波数f1 及びf2 はそれぞれ
例えば50MHz、及び(50MHz+数10kHz)
程度であるため、周波数差Δfは数10kHz程度にビ
ートダウンされている。なお、この他の回折光の組み合
わせでは、2光束間の周波数差が一般に大きくなり過ぎ
る(数10MHz程度)ため、光電検出器の応答特性等
を考慮すると実用的には好ましくない。
【0061】また、図4において、AOM17Bを通過
した0次光、及び2次以上の高次回折光は、空間フィル
タ19によって阻止されて、4つの光束LA(1),LA(-
1),LB(1),LB(-1)のみが図1のリレー光学系に向
かう。図4の光束LA(1)及びL B(-1)が図1の光束L
1(1)に対応し、光束LA(-1)及びLB(1)が光束L2(-1)
に対応している。そして、光束LA(-1)と光束LB(-1)
とは図1のリレー光学系を経て、回折格子マークRMを
入射角θRMで照明し、回折格子マークRMからの±1次
回折光が同軸に上方に射出される。また、光束LA(1)と
光束LB(1)とは同様に図1のリレー光学系を経て、更に
透過窓P0 、及び投影光学系3を介して回折格子マーク
WMを入射角θWMで照明し、回折格子マークWMからの
±1次回折光が同軸に上方に射出される。なお、図1の
リレー光学系中の平行平面板58は、これら2組の光束
対の内の一方の光束対に対して傾角可変に設けられてお
り、各組の光束対が正確に回折格子マークRMと透過窓
0 とを照明するように2組の光束対の相対位置を調整
する作用を持つ。
【0062】また、図1のビームスプリッタ22は回折
格子マークRMを照明する光束対(本例では光束LA(-
1)及びLB(-1))のみを2分割することが望ましい。通
常、ウエハ4上の回折格子マークWMを照明し、それか
らの±1次回折光を信号光として検出する場合、その信
号光は投影光学系3を往復で2度通過することとなり、
その通過の際の光量損失が無視し得ない。そこで、回折
格子マークWMを照明するまでの光量損失を極力抑制す
るためにも、光量的に有利な回折格子マークRMを照明
するための光束対をビームスプリッタ22で分割し、分
割された一部の光束対を参照光として使用することが望
ましい。但し、光量的に十分に余裕があるものならばこ
の限りではなく、例えば、2組の光束対の内の一方の光
束対を全て参照光として利用し、他方を信号光としても
よい。この場合、信号光で回折格子マークRMと透過窓
0 とを同時に覆うように照明するとよく、光束対の間
隔調整用の平行平面板58は必ずしも必要なくなる。
【0063】上述のように本例では、所定の波長域を有
する光束L1(1)とL2(-1)とを回折格子24、及び回折
格子マークRM,WMに対して各波長毎に異なる入射角
のもとで対称に照射できるため、回折格子24、及び回
折格子マークRM,WMの上方に各波長毎の±1次回折
光を常に同軸に発生させることができ、その結果、各波
長の±1次回折光により所定の周波数Δf(=f1 −f
2)のビート光を生成することができる。従って、その周
波数Δfの多波長のビート光を各光電検出器25,3
3,36にてそれぞれ光電検出することによって、回折
格子24、及び回折格子マークRM,WMの位置情報を
含んだビート光を各波長毎に複数検出できる。その結
果、各波長のビート光による平均化効果により回折格子
マークRM,WMの非対称性の影響を抑えつつ、単色光
に対するウエハ4上のフォトレジスト層の薄膜干渉の影
響(光量変化等の影響)を解消でき、ヘテロダイン干渉
方式による高精度な位置検出が達成できる。更に、光学
系の調整が容易でコンパクトな装置が実現できる。
【0064】ところで、図4のように2つのAOM17
A,17Bを隣接して配置する限り、実質的な各AOM
17A,17Bの超音波作用領域内の回折点(各AOM
の中心)には光軸方向に位置ずれが生じる。そのため、
図1のレンズ18a,18bよりなるリレーレンズ系の
像面、及びこれに共役な各回折格子マークRM,WM上
で2つのAOM17A,17Bからの回折光に位置ずれ
が生じる。即ち、互いに干渉する2光束(光束LA(1)と
B(1)との対、及び光束LA(-1)とLB(-1)との対)の
間で位置ずれが生じることとなる。その位置ずれ量は、
2つのAOM17A,17Bの中心間隔にほぼ比例す
る。
【0065】このように干渉する2光束間に僅かでも位
置ずれがあると、位置ずれした部分の光束は干渉に寄与
しないノイズ光となり、そのノイズ光をそのまま受光す
ると得られる光ビート信号のコントラストが低下する。
そこで、図1の実施の形態ではそのようなノイズ光を除
去するため視野絞り57が設けられている。図5は、図
1の要部を簡略化して平面的に示したもので、この図5
において、図1のレンズ18a及び18bよりなるリレ
ーレンズ系をリレーレンズ系55で表している。図5に
おいて、AOM17Aの中心とAOM17Bの中心との
中点PABとリレーレンズ系55に関して共役な位置、即
ちリレーレンズ系55の像面上に視野絞り57が配置さ
れている。この視野絞り57で、4光束LA(1),L
B(1),LA(-1),LB(-1)が互いに重なり合う部分のみ
を抽出し、それ以外の周辺部の光束を遮光している。こ
のフィルタリングにより得られる光束は、全て干渉に寄
与する成分となるため、最終的に得られる光ビート信号
のSN比が向上する。
【0066】一方、2つのAOM17A,17Bの間隔
は理想的には0になることが望ましいが、図4のように
隣接して配置する限り両者の間隔は0になり得ない。そ
こで、実質的に2つのAOM17A,17Bの間隔を0
にするように、2つのAOM17A,17Bの間にリレ
ーレンズ系を配置するとよい。図6は、そのようにリレ
ーレンズ系を配置した変形例を示し、この図6におい
て、第1のAOM17A’と第2のAOM17B’との
間に、2枚のレンズ54a及び54bよりなる等倍のリ
レーレンズ系が配置されている。第1のAOM17A’
は、図4の第1のAOM17Aを上下反転して進行波の
方向を逆にしたものである。また、レンズ54a及び5
4bの焦点距離をそれぞれFD1 及びFD 2 として、A
OM17A’の超音波作用領域の中心Pをレンズ54a
の前側焦点に配置し、2枚のレンズ54a及び54bの
間隔を(FD1 +FD2)に設定し、レンズ54bの後側
焦点にAOM17Bの超音波作用領域の中心Qを配置す
る。即ち、そのリレーレンズ系により、AOM17A’
の超音波作用領域の中心Pと、AOM17B’の超音波
作用領域の中心Qとが共役となっている。この場合、レ
ンズ54a,54bよりなるリレーレンズ系は両側テレ
セントリックであることが望ましい。また、1回のリレ
ーにより、2つのAOM17A’,17B’内の進行波
の方向はxz面内(図6の紙面内)への射影で、同じ方
向に設定されている。
【0067】この変形例では、入射する光束L0 による
AOM17A’内の中心Pからの+1次回折光LA(1)、
−1次回折光LA(-1)、及び0次光LA(0)は、それぞれ
リレーレンズ系を介してAOM17B’内の中心Qで交
差する。従って、その中心Qからは、その0次光LA(0)
によるAOM17B’からの+1次回折光LB(1)と−1
次回折光LA(-1)とがxz面内(図6の紙面内)への射
影で完全に重なった状態で射出される。また、+1次回
折光LB(1)と、+1次回折光LA(1)とがyz面内(図6
の紙面内に垂直な面内)への射影でほぼ完全に重なった
状態で射出される。同様に、0次光LA(0)によるAOM
17Bからの−1次回折光LB(-1)と、+1次回折光L
A(1)とがxz面内(図6の紙面内)への射影で完全に重
なった状態で射出され、また、−1次回折光LB(-1)
と、−1次回折光LA(-1)とがyz面内(図6の紙面内
に垂直な面内)への射影でほぼ完全に重なった状態で射
出される。即ち、光束L0 の光軸に対してAOM17
A’,17B’による4つの回折光が完全に対称に射出
される。従って、この場合には図1の例のように視野絞
り57で光束の一部を遮光する必要がなくなり、アライ
メント用の光束の利用効率が高くなり、且つ得られる光
ビート信号のコントラスト(SN比)が高くなる利点が
ある。
【0068】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
7を参照して説明する。本例も、投影露光装置のヘテロ
ダイン干渉型のアライメントセンサに本発明を適用した
ものであり、図7において、図1に対応する部分には同
一符号を付してその詳細説明を省略する。但し、本例は
ブラッグ回折(音響ブラッグ回折)領域で音響光学素子
を使用する例である。
【0069】図7において、白色光源10からの白色光
は、口径可変な可変絞り11、及びコンデンサーレンズ
12を介することにより平行な光束L0 に変換された
後、所定の波長域の光を抽出するバンドパスフィルタ1
3を介して回折格子14に垂直に入射する。この回折格
子14に垂直に入射した平行な光束L0 は、図7の紙面
内(xz面内)で回折格子14の回折作用によって所定
の波長域を有する±1次回折光L1,L2 に分割される。
所定の波長域をもつ±1次回折光(以下、単に「光束」
と呼ぶ)L1,L2 は、レンズ15a及び15bを有する
リレー光学系によって集光された後、直列して配置され
たAOM17A及び17Bに対して等しい入射角のもと
で対称に入射する。また、レンズ15aとレンズ15b
との間には、回折格子14からの±1次回折光を抽出す
るための空間フィルタ16が設けられている。
【0070】AOM17A及び17Bは所定間隔で配置
され、それぞれ周波数f1 及びf2(f1 >f2 とする)
の高周波信号SF1 及びSF2 で駆動されており、所定
の波長域の光束L0 はAOM17A,17Bによりブラ
ッグ回折作用を受ける。但し、AOM17A,17Bは
図7の紙面内でz軸に平行な光軸の周りに、y軸を基準
として互いに反対方向にほぼ対称な角度だけ傾いて配置
されており、図7の紙面内(xz面内)への射影では互
いに逆方向から駆動されている。
【0071】ここで、光束L1,L2 の周波数(中心周波
数)をf0 とすると、光束L1,L2の2つのAOM17
A,17Bによる+1次回折光L1A(1),L2B(1)(図8
参照)は、それぞれf1 及びf2 の周波数変調を受け、
同様に−1次回折光L1B(-1),L2A(-1)は、それぞれ−
1 及び−f2 の周波数変調を受ける。なお、これら4
つの回折光L1A(1),L2B(1),L1B(-1),L2A(-1)は、z
軸に平行な光軸を中心として所定角度をなして対称に、
互いに異なる方向に回折されるが、図7においては簡単
のため回折光L1A(1)とL1B(-1)とを合わせて光束L
1(1)として表し、回折光L2A(-1)とL2B(1)とを合わせ
て光束L2(-1)として表している。
【0072】光束L1(1)及び光束L2(-1)は、レンズ1
8a、反射ミラー20、レンズ18b、レンズ21を介
して、ビームスプリッタ22で2分割される。レンズ1
8aとレンズ18bとで構成されるリレー光学系の間に
は、光束L1(1)と光束L2(-1)とを抽出するための空間
フィルタ19が設けられている。AOM17A,17B
からは0次光及び高次回折光も発生するが、これらは空
間フィルタ19により阻止される。その他の構成は図1
の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略す
る。
【0073】次に、図7に示した第2の実施の形態のア
ライメントセンサにおいて、互いに異なる周波数の2光
束を生成する部分についてより具体的な構成及び原理を
図7〜図9を参照して説明する。先ず、図7において、
白色光の光束L0 がx方向に所定ピッチで形成された回
折格子14に対して垂直に入射すると、回折格子14の
回折作用により、図7の紙面内(xz面内)で各波長毎
に各次数の回折光が発生する。
【0074】このとき、回折格子14の法線方向に対す
る回折光の回折角をφ1 、回折格子14のピッチを
G 、回折光の波長をλ、回折光の次数をN(Nは整
数)とするとき、以下の式を満足する各次数の回折光が
発生する。
【0075】sin φ1 =N・λ/PG (B3) そして、集光レンズ15aを通過した所定の波長帯の各
次数の回折光は、集光レンズ15aの後側焦点位置(集
光レンズ15bの前側焦点位置)に配置された空間フィ
ルタ16によってフィルタリングされ、所定の波長帯の
±1次回折光以外の光は遮蔽され、所定の波長帯の±1
次回折光よりなる光束L1,L2 のみが選択されて、集光
レンズ15bを介してAOM17Aに向かう。
【0076】このとき、回折光の波長が異なるのに伴い
回折角φ1 が変化するが、本例ではレンズ15a,15
bよりなるリレー光学系によって回折格子14の回折点
をAOM17A,17Bの中点にリレーして、各波長の
±1次回折光をAOM17A,17Bの中点で集光させ
ている。そのため、回折格子14により対称に2分割さ
れた所定の波長帯の±1次回折光よりなる光束L1,L2
は、各波長毎に予め定められた入射角φ2 のもとでAO
M17A,17Bに対して対称に入射する。
【0077】図8は、図7内の2つのAOM17A,1
7Bの配置を示す拡大斜視図、図9(a)は図7内の2
つのAOM17A,17Bの配置をy方向に見た拡大
図、図9(b)は図9(a)の底面図であり、図8にお
いて、所定の波長域の光束L1,L2 は、入射角φ2(xz
面に射影した入射角)で2方向からAOM17Aに入射
する。そして、図9(a)及び(b)に示すように、各
光束L1,L2 の一部は第1のAOM17Aによるブラッ
グ回折作用を受けるが、各光束の0次光L1A(0),L
2A(0)はそのままAOM17Aを透過してAOM17B
に対称に入射する。そして、これら0次光は第2のAO
M17Bによるブラッグ回折作用を受ける。
【0078】この場合、第1のAOM17Aは、光束L
1 の+1次回折光L1A(1)と、光束L2 の−1次回折光
2A(-1)とのそれぞれの回折角が共にxz面内でほぼ2
φ2(入射角φ2 の2倍)となる周波数f1 の高周波信号
SF1 により駆動されている。また、第2のAOM17
Bは、光束L1 の−1次回折光L1B(-1)と、光束L2
+1次回折光L2B(1)とのそれぞれの回折角が、共にx
z面内でほぼ2φ2 となる周波数f2(周波数f1 より僅
かに小さい)の高周波信号SF2 により駆動されてい
る。
【0079】2つのAOM17A,17Bによる4つの
回折光L1A(1),L2A(-1),L1B(-1),L2B(1)は、光束
0 の光軸に対して等しい角度をなしてほぼ対称に回折
されると共に、それぞれ順に+f1 ,−f1 ,−f2
+f2 の周波数変調を受けている。以下では、これら4
つの回折光を単に光束L1A(1),L2A(-1),L1B(-1),L
2B(1)と呼ぶ。これら4つの光束の内、光束L1A(1)と
2B(1)との組、及び光束L2A(-1)とL1B(-1)との組の
それぞれが周波数の異なる2光束として使用される。即
ち、2光束生成手段としての本例の2つのAOM17
A,17Bによっても、互いに周波数の異なる2光束が
2組得られることになる。このとき、各組での2光束間
の周波数差は等しくΔf(=f1 −f2)である。そし
て、それら2組の2光束によってレチクルマークRM及
びウエハマークWMの位置、ひいてはそれらの位置ずれ
量を高精度に検出できる。この場合の光ビート信号を得
るに至る構成は第1の実施の形態と同様であるため、説
明を省略する。
【0080】なお、本例でも、第1の実施の形態の図6
に示した変形例と同様に、2つのAOM17A,17B
の間にリレーレンズ系を配置し、各AOM17A,17
Bの中心を共役関係とすることによって、得られる光ビ
ート信号のSN比を改善できる。更に、本例では、図7
に示すように光源手段としての白色光源10から供給さ
れる白色の光束L0 (多波長光)を光束分割手段として
の回折格子14によって入射方向(光軸方向)に対して
対称に分割しているが、回折格子14とは別の光束分割
手段を使用してもよく、例えば、図10に示すようにウ
ォラストンプリズム140を用いて光束L0 を2分割し
てもよい。更に、図11に示すように、複数の単色光源
100〜102から射出される波長λ1 〜λ3 の光束を
反射型回折格子103を用いて同軸に合成して光束L0
とし、この光束L0 を図1又は図7の白色光源10から
射出される光束L0 の代わりに使用してもよい。
【0081】また、図1及び図7に示した各実施の形態
とも、光電検出器25,33,36からの光電信号よ
り、位相差検出系50内部の光ビート信号抽出部にて所
定の周波数の光ビート信号が抽出されている。しかしな
がら、光電検出器25,33,36と位相差検出系50
との間の電気的な経路間に、光ビート信号抽出部(フー
リエ変換回路)をそれぞれ配置し、各光電検出器25,
33,36から出力される光電信号をそれぞれ独立にフ
ーリエ変換してもよい。
【0082】次に、上述の実施の形態では、図2に示す
ように、同時に検出される回折格子マークRM及び回折
格子マークWMのピッチ方向(計測方向)は共にx方向
であるが、場合によっては同時に計測方向が直交する2
つの回折格子マークの位置を検出することが要求される
こともある。このような場合には、図4の例で示すよう
に、2つのAOM17A及び17Bによって生成される
4つの光束LA(1),L A(-1),LB(1),LB(-1)の内
で、1つの回折格子マークに照射される光束LA(1)とL
B(1)とからなる第1組の光束、又は別の回折格子マーク
に照射される光束LA(-1)とLB(-1)とからなる第2組
の光束の分離方向(計測方向)を90°回転すればよ
い。
【0083】図12は、そのように一方の組の光束の分
離方向を90°回転した変形例を示し、この図12にお
いて図4に対応する部分には同一符号を付してその詳細
説明を省略する。図12において、入射した光束L0
2つのAOM17A,17Bによって回折されて、光束
0 の光軸に対して等しい角度をなしてほぼ対称に生成
された4つの光束LA(1),LA(-1),LB(1),LB(-1)
は、レンズ18aを介してz軸に平行になって空間フィ
ルタ19の開口を通過する。この空間フィルタ19を通
過した段階では、光束LA(1)とLB(1)とからなる第1組
の光束、及び光束LA(-1)とLB(-1)とからなる第2組
の光束の分離方向は共にx方向であり、計測方向は共通
である。
【0084】そこで、この変形例では、空間フィルタ1
9の直後で、且つ光束LA(-1)とL B(-1)とからなる第
2組の光束の光路上に像回転プリズム61を配置する。
この際に、像回転プリズム61の底面はzy面に平行な
状態から、z軸に平行な軸(光軸)の周りに45°回転
させた状態で固定されている。図13(a)は像回転プ
リズム61の平面図、図13(b)は像回転プリズム6
1の側面図であり、図13において、像回転プリズム6
1の底面が光束LA(-1)及びLB(-1)の分離方向に対し
て45°回転しているため、像回転プリズム61に入射
する光束LA(-1)及びLB(-1)は、像回転プリズム61
から射出される際に分離方向が90°回転している。
【0085】図12に戻り、光束LA(-1)とLB(-1)と
からなる第2組の光束は、像回転プリズム61を通過す
ることによって分離方向が90°回転して、矢印D1で
示すようにy方向に沿って分離されている。これによっ
て、計測方向が直交する2つの回折格子マークの位置検
出が可能となる。但し、図12の例では、分離方向が9
0°回転した光束LA(-1)とLB(-1)とからなる第2組
の光束は、計測方向のテレセントリック性が崩れている
ため、例えば後続の光学系中に傾角可変の平行平板ガラ
スを配置して、そのテレセントリック性を補正すること
が望ましい。
【0086】図14は計測方向が直交する2つの回折格
子マークの例を示し、先ず図14(a)では、ウエハ4
上にx方向に所定ピッチで形成されたx軸の回折格子マ
ーク62Xと、y方向に所定ピッチで形成されたy軸の
回折格子マーク62Yとが近接して配置されている。一
方、図14(b)では、2つの1次元の回折格子マーク
を合成した形の2次元的な回折格子マーク63が形成さ
れている。これらの内の何れの回折格子マークであって
も、図12の例で生成される2組の光束によって位置検
出を行うことができる。
【0087】即ち、例えば図14(a)の回折格子マー
ク62X,62Yの位置検出を行う場合、x軸の回折格
子マーク62Xに対しては、図12で生成される2組の
光束の内の分離方向がx方向の光束LA(1)とLB(1)とか
らなる第1組の光束を照射する。そして、y軸の回折格
子マーク62Yに対しては、図12で生成される分離方
向がy方向の光束LA(-1)とLB(-1)とからなる第2組
の光束を照射する。これによって、計測方向が直交する
2つの回折格子マーク62X,62Yの位置検出を行う
ことができる。同様に、図14(b)の回折格子マーク
63の位置検出を行う際には、図12で生成される2組
の光束を交差させて照射すればよい。
【0088】また、上述の図4に示す実施の形態では、
周波数の異なる2光束によって回折格子マークRW,W
M上に形成される干渉縞のピッチ、及び方向は一定であ
るが、その干渉縞のピッチ、及び方向の調整機能を持た
せることが望ましい。以下では、その干渉縞のピッチ、
及び方向の調整手段の一例につき説明する。図15は、
形成される干渉縞のピッチ、及び方向の調整手段を備え
た変形例を示し、この図15において図4に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。図1
5において、2つのAOM17A,17Bは、図4の例
と同様に光軸の周りに対称に回転した状態で、且つ回転
手段としての支持部材64によって連結され、支持部材
64が光束L0 の光軸の周りに所望の角度回転した状態
で固定できるように構成されている。更に、不図示であ
るが、支持部材64には2つのAOM17A,17Bを
光軸の周りに個別に回転するための回転調整具が取り付
けられている。従って、2つのAOM17A,17B
は、その光軸の周りのΘ方向に個別に回転できると共
に、2つのAOM17A,17Bは、支持部材64を介
してその光軸の周りのΘ方向に一体として回転できるよ
うにもなっている。
【0089】この変形例でも、入射した光束L0 が2つ
のAOM17A,17Bによって回折されて、光束L0
の光軸に対して等しい角度をなしてほぼ対称に生成され
た4つの光束LA(1),LA(-1),LB(1),LB(-1)は、
レンズ18aを介してz軸に平行になって空間フィルタ
19の開口を通過する。また、空間フィルタ19の直後
で、且つ光束LA(1)及びLB(1)からなる第1組の光束の
光路上に平行平板ガラス66が配置され、光束LA(-1)
及びLB(-1)からなる第2組の光束の光路上に平行平板
ガラス65が配置され、平行平板ガラス65,66はそ
れぞれほぼxy面に平行な回転軸65a,66aを軸と
して回転できるようになっている。更に、空間フィルタ
19、及び平行平板ガラス65,66はそれぞれ支持部
材64のΘ方向への回転に連動して、ほぼ同じ角度だけ
Θ方向に回転されるように支持されている。
【0090】図15において、先ずAOM17A及び1
7BをΘ方向に個別に回転することによって、1組の光
束LA(1),LB(1)及び別の1組の光束LA(-1),LB(-
1)は独立に空間フィルタ19上で点線で示す円周67
に沿って回転する。そのため、それら2組の光束の分離
方向は独立に光軸の周りに回転して、それらを回折格子
マークRM,WMに照射した場合に形成される干渉縞の
x方向のピッチ調整を行うことができる。また、この際
に2組の光束の回転角に合わせて、空間フィルタ19を
それら2組の光束を遮光しないような空間フィルタで交
換してもよい。
【0091】次に、図15において、支持部材64をΘ
方向に回転すると、空間フィルタ19上で4つの光束L
A(1),LA(-1),LB(1),LB(-1)は点線で示す円周6
7に沿って回転する。この際に空間フィルタ19、及び
平行平板ガラス65,66もほぼ同期して回転するた
め、それら4つの光束は空間フィルタ19を通過し、光
束LA(1)及びLB(1)は更に平行平板ガラス66を通過
し、光束LA(-1)及びLB(-1)は更に平行平板ガラス6
5を通過する。この結果、平行平板ガラス65,66を
通過した2組の光束の分離方向は光軸の周りに回転し、
それら2組の光束のxz面への射影の間隔は変化する。
従って、それら2組の光束を図1の回折格子マークR
M,WMに照射した場合に、これら回折格子マーク上に
形成される干渉縞も回転し、その干渉縞のx方向のピッ
チが微小量変化する。
【0092】上述のようなピッチ調整によって、例えば
アライメントセンサの光学系に或る程度の倍率誤差等が
生じても、それら2組の光束によって形成される干渉縞
のピッチを検出対象の回折格子マークのピッチに対応し
た値に設定できる。また、このように2組の光束を個別
に又は一体として回転して干渉縞のピッチ調整を行う
と、それら2組の光束のテレセントリック性が崩れてし
まう。そこで、図15の平行平板ガラス65及び66を
回転軸65a及び66aの周りに回転することによっ
て、それら2組の光束のテレセントリック性を補正す
る。これによって、例えばウエハ4の高さが或る程度変
化しても、正確に位置検出を行うことができる。
【0093】なお、上述の実施の形態は、TTR方式の
アライメントセンサに本発明を適用したものであるが、
本発明はTTL(スルー・ザ・レンズ)方式やオフ・ア
クシス方式のヘテロダイン干渉型のアライメントセンサ
にも同様に適用できる。
【0094】次に、本発明の第3の実施の形態につき図
16〜図20を参照して説明する。本例は、本発明を投
影露光装置のAFセンサ(オートフォーカスセンサ)、
ALセンサ(オートレベリングセンサ)、及びアライメ
ントセンサを兼用するセンサに適用したものである。ま
た、本例の音響光学素子はラマン−ナス回折を利用して
いる。
【0095】図16は、本例の投影露光装置の要部の概
略構成を示し、この図16において、露光時には照明光
学系40からの露光光のもとで、レチクルステージ2上
のレチクル1のパターンが、投影光学系3を介して所定
の投影倍率でフォトレジストが塗布されたウエハ4上の
各ショット領域に投影される。以下では、投影光学系3
の光軸AX1に平行にz軸を取り、z軸に垂直な平面内
で図16の紙面に平行にx軸を、図16の紙面に垂直に
y軸を取って説明する。
【0096】ウエハ4はウエハホルダ5a上に真空吸着
により保持され、ウエハホルダ5aはそれぞれz方向に
伸縮自在な3個の支点5dを介してZレベリングステー
ジ5b上に載置され、Zレベリングステージ5bはX方
向及びY方向にウエハを位置決めするためのXYステー
ジ5c上に固定されている。これらウエハホルダ5a、
Zレベリングステージ5b、支点5d、XYステージ5
c、及び不図示の回転テーブル等からウエハステージが
構成されている。
【0097】支点5dとしては、機械的に例えば球体を
z方向に移動させるカム機構、送りねじ機構、又はピエ
ゾ素子等が使用できる。Zレベリングステージ5b内の
駆動部において、それら支点5dを同時に同じ量だけ伸
縮させることによりウエハ4をz方向に微動することが
でき、それら支点5dを互いに独立に所定量だけ伸縮さ
せることによりウエハ4を所望の方向に所望の角度だけ
傾斜させることができるようになっている。
【0098】また、ウエハ4(Zレベリングステージ5
b)のx座標及びy座標は不図示のレーザ干渉計により
常時計測され、この計測値が主制御系50に供給され、
主制御系50ではその計測値に基づいてウエハステージ
の駆動系52aを介してXYステージ5cの位置決め動
作を制御する。同時に主制御系50は、後述のように検
出されるウエハの露光対象のショット領域のz方向の位
置(焦点位置)及び傾斜角に基づいて、駆動系52a及
びZレベリングステージ5b内の駆動部を介して支点5
dの伸縮量を制御することによって、オートレベリング
方式及びオートフォーカス方式でそのショット領域の表
面を投影光学系3の像面に合わせ込む。
【0099】更に、後述のように検出されるウエハ4と
レチクル1との相対位置関係に基づいてXYステージ5
cを駆動することによって、ウエハ4のアライメントが
行われる。さて、ウエハ4の各ショット領域にレチクル
1上の回路パターンの像を良好に転写するには、各ショ
ット領域の表面をそれぞれ投影光学系3の像面に対して
焦点深度の範囲内に収める必要がある。そのためには、
ウエハ4上の露光対象のショット領域毎の表面(被検
面)の焦点位置を正確に検出する必要がある。また、ウ
エハ4とレチクル1とのアライメントを行って、ウエハ
4上に多層の回路パターンを所定の位置関係で積み重ね
て形成するためには、ウエハ4上の露光対象のショット
領域毎にレチクル1との相対位置関係を正確に検出する
必要がある。
【0100】図18は本例のウエハ4上の1つのショッ
ト領域SAを示し、この図18において、ショット領域
SAにy方向に隣接するようにx方向に所定ピッチの回
折格子マークWM2が形成され、x方向の両側に隣接す
るようにy方向に所定ピッチの回折格子マークWM1及
びWM3が形成されている。他のショット領域にもそれ
ぞれ3個の回折格子マークWM1〜WM3が付設されて
おり、本例ではそれら3個の回折格子マークの位置を後
述の多目的センサで検出することによって、オートフォ
ーカス、オートレベリング、及びアライメントを行う。
【0101】即ち、図16に戻り、本例の投影露光装置
の投影光学系3の側面にオフ・アクシス方式の多目的セ
ンサ70が配置されている。この多目的センサ70は、
ウエハ4上の各ショット領域の1つのウエハマークWM
1(図18参照)のz方向の位置(焦点位置)、及びy
方向の位置を検出するためのセンサである。実際には、
それ以外に多目的センサ70と同じ構成で、ウエハ4上
の各ショット領域の他の2つのウエハマークWM2,W
M3のx方向又はy方向の位置、及びz方向の位置を検
出するための2つの多目的センサが設置されているが、
それらは省略されている。これらの全体で3つの多目的
センサの検出結果に基づいて、ウエハ4上の各ショット
領域の焦点位置、傾斜角、及び2次元的な位置が求めら
れる。また、レチクル1上には、レチクルの位置を検出
するためのレチクル位置検出系(レチクルアライメント
顕微鏡)も配置されているが、図16においては省略さ
れている。
【0102】図16の多目的センサ70において、送光
系71から射出された複数の直線偏光の光束は1/2波
長板72を介して偏光ビームスプリッタ(以下、「PB
S」と呼ぶ)73に入射する。1/2波長板72の回転
角は、入射した光束の所定の割合がPBS73で反射さ
れるように設定されている。PBS73を透過したP偏
光の光束は、光路折り曲げ用のミラー74、1/4波長
板75、対物レンズ76、ミラー77、及び落射照明用
のミラー78を経て光軸AX2に沿ってウエハ4上の回
折格子マークに入射する。そして、この回折格子マーク
からの後述の2組の回折光は、ミラー78、ミラー7
7、対物レンズ76、1/4波長板75、ミラー74を
経てS偏光としてPBS73に戻り、PBS73でほぼ
全部が反射された2組の回折光は、空間フィルタ79及
びレンズ80を経て2つの光電検出器81A及び81B
に入射する。光電検出器81A及び81Bからの2つの
光電信号は、ローパスフィルタ回路82を介して位相検
出系83の一方の入力部に供給される。
【0103】一方、送光系71から1/2波長板72を
介してPBS73に入射して、このPBS73で反射さ
れた一部のS偏光の光束は参照信号検出系84に入射
し、この参照信号検出系84から参照ビート信号を含む
光電信号が出力される。この光電信号は、ローパスフィ
ルタ回路85を介して位相検出系83の他方の入力部に
供給される。ここで、多目的センサ70の光学系の構成
につき詳細に説明する。
【0104】図17は、図16の多目的センサ70の光
学系を示し、先ずこの図17の送光系71において、キ
セノン(Xe)ランプ、ハロゲンランプ等の白色光源1
10からの露光光とは異なる波長帯で、且つ広い帯域幅
を有する光束(白色光)は、口径可変な可変絞り111
及びコンデンサーレンズ112を介して平行光束に変換
された後、所定の波長域の光を抽出するバンドパスフィ
ルタ113及び不図示の偏光板を介して光束LW0 とし
て第1の音響光学素子(以下、「AOM」と呼ぶ)11
7Aに垂直に入射する。なお、その偏光板は省略しても
よい。第1のAOM117Aの後に所定間隔で第2のA
OM117Bが配置され、これらはそれぞれ周波数f1
及びf2(f1 >f2 とする)の高周波信号SF1 及びS
2 で駆動されており、所定の波長域の光束LW0 は各
AOM117A,117Bでラマン−ナス(Raman-Nat
h)回折作用を受ける。周波数f1 及びf2 はそれぞれ
数10MHz(例えば50MHz)程度であり、且つf
1 はf2 に比べて数10kHz高く設定されている。各
AOM117A,117Bは、それぞれy軸に平行な光
軸の周りに、且つz軸に平行な基準軸に対して互いに対
称に所定角度(本例では45°)だけ傾いて配置されて
おり、共に+x方向側から高周波信号で駆動されてい
る。
【0105】ここで、光束LW0 の周波数(中心周波
数)をf0 とすると、光束LW0 の2つのAOM117
A,117Bからの+1次回折光よりなる光束La(1)
及びLb(1) は、それぞれf1 及びf2 の周波数変調を
受け、同様に−1次回折光である光束La(-1)及びLb
(-1)は、それぞれ−f1 及び−f2 の周波数変調を受け
る。これら4光束は、y軸に平行な光軸を中心として所
定角度をなしてほぼ対称に、互いに異なる方向に回折さ
れる。
【0106】ここで、簡単のため、光束La(1) 及びL
b(1) よりなる光束対をLW1 、光束La(-1)及びLb
(-1)よりなる光束対をLW-1と呼ぶことにする。光束対
LW 1 及び光束対LW-1は、レンズ118a及び118
bよりなるリレーレンズ系(以下、「リレーレンズ系1
18a,118b」と呼ぶ)、及び視野絞り157を介
してミラー120で反射される。レンズ118a及び1
18bの間にスリット状の2本の平行な開口を有する空
間フィルタ119が配置され、空間フィルタ119は、
光束対LW1 及びLW-1のみを抽出するために使用され
る。即ち、AOM117Bからは0次光及び高次回折光
も発生するが、それらは空間フィルタ119により遮光
される。視野絞り157は2個のAOM117A,11
7Bの光軸上の中間点と共役なリレーレンズ系118
a,118bの像面位置に配置されている。
【0107】ミラー120で反射された4光束(2つの
光束対)は、レンズ121を通過した後、互いの光軸が
平行とされ、ミラー122,126により2つの光束対
LW 1 及びLW-1毎に別の光路に分割される。その後、
光束対LW1 はミラー127を介してハーフプリズム1
25の一面に入射し、光束対LW-1は2枚のミラー12
3,124を介してハーフプリズム125の隣り合う別
の面に入射する。ここで、光束対LW1 及び光束対LW
-1は光束La(1) 及びLa(-1)が同軸となり、且つ4光
束の各中心線がxy面内に並ぶように合成される。これ
により、光束対LW1 及びLW-1は、見かけ上は3光束
になる。白色光源110〜ハーフプリズム125までの
部材より送光系71が構成されている。
【0108】ハーフプリズム125を射出した2つの光
束対LW1 及びLW-1は1/2波長板72を透過して偏
光面を所定方向に回転調整された後PBS73に入射
し、一部が反射され、大部分が透過する。反射された2
つの光束対LW1 及びLW-1は、参照信号検出系84内
でミラー128、レンズ129を介して参照用の回折格
子130上に集光され、干渉縞が形成される。そして、
この回折格子130から射出され同軸とされる回折光よ
りなる2つの干渉光が光電検出器131A及び131B
に入射し、その干渉光を光電変換して得られる周波数Δ
f(=f1 −f2)の参照用の光ビート信号を含む光電信
号が光電検出器131A,131Bから出力され、図1
のローパスフィルタ回路85を介して位相検出系83に
供給される。ミラー128〜光電検出器131A,13
1Bまでの部材より参照信号検出系84が形成されてい
る。
【0109】一方、PBS73を透過した光束対LW1
及びLW-1はミラー74、1/4波長板75、対物レン
ズ76、及びミラー77,78を介してウエハ4の露光
対象のショット領域SA近傍に形成されている回折格子
マークWM1上に集光される。回折格子マークWM1は
そのピッチ方向がy軸に平行となっている。回折格子マ
ークWM1に集光される4光束は、同軸となっている光
束La(1)及びLa(-1)が対物レンズ76の光軸上にあ
って回折格子マークWM1の形成面に垂直に照射され、
他の2光束Lb(1) 及びLb(-1)が対物レンズ76の光
軸に対して対称にy方向に所定角度傾いて照射される。
このとき、回折格子マークWM1上にはy方向(ピッチ
方向)に流れる干渉縞が発生する。
【0110】図19(a)はそれら4光束が回折格子マ
ークWM1に入射する様子を示している。但し、各光束
は実際にはウエハ4上で有限な大きさの断面を持つが、
図19ではそれぞれの光束の中心線が示されている。図
19(a)において、光束Lb(1) の回折格子マークW
M1に対する入射角θは、次式を満足するように設定さ
れている。
【0111】sin θ=λ0 /P (C1) 但し、Pは回折格子マークWM1のピッチ、λ0 は光束
の基準波長(平均波長)である。このとき、光束La
(1) 及びLa(-1)は対物レンズ76の光軸AX2に沿っ
て回折格子マークWM1に垂直に入射しているため、図
19(b)に示すように、光束La(1) の−1次回折光
La(1)'と光束Lb(1) の0次光Lb(1)'との干渉光L
1'が同軸に光束Lb(-1)の光路を逆に戻るように発生
する。更に、図19(c)に示すように、光束La(-1)
の1次回折光La(-1)’と光束Lb(-1)の0次光Lb(-
1)’との干渉光LW-1’が同軸に光束Lb(1) の光路を
逆に戻るように発生する。
【0112】干渉光LW1'及びLW-1’は、図17の対
物レンズ76、及び1/4波長板75等を介してPBS
73で反射された後、空間フィルタ79及び瞳リレーレ
ンズ80を経て光電検出器81A及び81Bに達する。
回折格子マークWM1では干渉光LW1',LW-1’以外
の回折光も発生するが、それらは空間フィルタ79によ
り遮光され、干渉光LW1',LW-1’のみが光電検出器
81A,81Bに達し、この光電検出器81A,81B
にて回折格子マークWM1の位置情報を含んだビート光
が光電検出される。光電検出器81A,81Bから出力
される光電信号は図16のローパスフィルタ回路82を
介して位相検出系83に供給される。
【0113】光電検出器81A,81Bからの光電信号
は、共に同じ周波数Δf(=f1 −f2 )の正弦波状の
光ビート信号を含んでいる。そして、図16の位相検出
系83内の光ビート信号抽出部(フーリエ変換回路)に
てそれらの光電信号から、それぞれ周波数Δfの干渉光
LW1',LW-1’の光ビート信号が精度良く抽出され
る。同様に、参照信号検出系84の光電検出器131
A,131Bからの光電信号からも、位相検出系83に
て周波数Δfの参照用の光ビート信号が抽出される。但
し、ここでは先ず一例として参照用の光ビート信号を使
用しない信号処理方法を説明する。即ち、位相検出系8
3では、抽出された干渉光LW1'の光ビート信号と、干
渉光LW-1’の光ビート信号との位相差、及び位相和を
求め、これらの位相差、及び位相和を主制御系50に供
給する。
【0114】後述のように、位相差は被検面(回折格子
マークWM1の形成面)のz方向の基準面に対する位置
ずれ量(焦点位置のずれ量)に対応し、位相和は回折格
子マークWM1のy方向の基準位置に対する位置ずれ量
に対応している。今、位置合わせされていない状態でウ
エハが任意の位置で静止しているとして、干渉光LW 1'
の位相と干渉光LW-1’の位相との位相差及び位相和
は、位置合わせされた状態の基準値(例えば0)に対し
てそれぞれ所定の位相だけずれることになる。このと
き、主制御系50はその位相差が0又は所定の値となる
ように、駆動系52a、及びZレベリングステージ5b
の駆動部を介して支点5dの伸縮量を制御して被検面の
z方向の位置合わせを行う。また、他の2箇所の回折格
子マークWM2,WM3についても同様にz方向の位置
合わせを行うことによって、被検面のレベリング及びフ
ォーカシングが行われる。更に、主制御系50は、その
位相和が0又は所定の値となるように、駆動系52a、
及びXYステージ5cを介してウエハ4を2次元移動さ
せてxy面内の位置合わせを行う。これによって、高精
度に最終的なアライメントが行われる。
【0115】なお、位相検出系83では、干渉光LW1'
及びLW-1’の光ビート信号の位相差及び位相和と共
に、対応する参照用の光ビート信号の位相を主制御系5
0に供給するようにしてもよい。この場合、主制御系5
0ではその位相差が対応する参照用の光ビート信号の位
相に合致し、且つその位相和が対応する参照用の光ビー
ト信号の位相に合致するように、位置合わせを行うよう
にしてもよい。また、参照用の回折格子130の光ビー
ト信号を使用する代わりに、AOM117A,117B
の駆動信号(高周波信号SF1 及びSF2 )をミキシン
グして得られる周波数Δfの信号を基準信号として利用
してもよい。更に、図16において、レチクル1上の回
折格子マーク(不図示)にも計測用の光束を照射し、そ
の回折格子マークから得られる回折光を光電変換して得
られる光ビート信号を基準信号としてもよい。
【0116】次に、本例の回折格子マークのピッチ方向
及び上下方向の変位の検出原理につき図19を参照して
説明する。図19(a)において、互いにコヒーレント
な平行光束である4つの光束La(1),La(-1),Lb
(1),Lb(-1)は図19(a)の紙面内(yz面内)を進
行し、回折格子マークWM1上で交差する。光束La
(1),La(-1)は光軸AX2と同軸に、即ち回折格子マー
クWM1の法線(z軸)に平行に回折格子マークWM1
に入射し、光束Lb(1),Lb(-1)は光束La(1),La(-
1)(光軸AX2)について回折格子マークWM1のピッ
チ方向に対称に傾いて回折格子マークWM1に入射す
る。このとき、光束Lb(1),Lb(-1)の入射角は(C
1)式を満足するように設定されている。
【0117】この結果、上述のように光束La(1) の−
1次回折光La(1)'と光束Lb(1)の0次光(正反射
光)Lb(1)'との干渉光LW1'が同軸に光束Lb(-1)の
光路を逆に戻るように発生し、光束La(-1)の1次回折
光La(-1)’と光束Lb(-1)の0次光(正反射光)Lb
(-1)’との干渉光LW-1’が同軸に光束Lb(1) の光路
を逆に戻るように発生する。干渉光LW1'及びLW-1
が個別に光電変換されて光ビート信号が検出される。
【0118】ここで、回折格子マークWM1のピッチ方
向(y方向)の変位をΔy、上下方向(z方向)の変位
をΔzとする。また、光束の入射角θi 、回折角(反射
角)θo の基準をz軸にとり、図19の紙面内で反時計
周りの回転角を+、時計周りの回転角を−とする。2光
束La(1) 及びLb(1) に関して、図19(b)の点線
で示されるように、回折格子マークWM1がz方向の位
置132まで変位すると2光束La(1) 及びLb(1) の
回折格子マークWM1に対する入射位置は変化する。ま
た、回折格子マークWM1がy方向に変位した場合に
も、2光束La(1) 及びLb(1) の回折格子マークWM
1に対する入射位置が変化することは明らかである。回
折格子マークWM1のy方向への変位Δy及びz方向へ
の変位Δzに伴う、回折格子マークWM1に対する光束
La(1) 及びLb(1) の入射位置の変化δp は次式で表
される。
【0119】 δp =−Δy−Δztan θi (C2) 一方、回折格子マークWM1がz方向に変位する場合に
は、その変位の前後で2光束La(1)'及びLb(1)'のそ
れぞれに光路の変化に伴う位相差が発生する。変位Δz
に伴う各光束の位相の変化δl は次式で表される。
【0120】 δl =(2π/λ0){(1+cos(θio ))/cos θi}Δz (C3) これらの位相の変化δp 及びδl により、光束La(1)'
とLb(1)'とからなる干渉光LW1'の光ビート信号の位
相が変化する。光束La(1)'においてθi =0、θo
−θ、光束Lb(1)'においてθi =θ、θo =−θであ
ることを考慮すると、干渉光LW1'を光電検出して得ら
れる光ビート信号の交流成分Ι1 は次式で表される。但
し、Aは信号の振幅、φ1 は初期位相であり、共に系の
構成で決まる定数である。
【0121】 Ι1 =A・cos[2πΔft−2π{Δy/P−λ0 Δz/(2P2)}−φ1] (C4) 2光束La(-1)及びLb(-1)に関しても同様に、図19
(c)の点線で示されるように回折格子マークWM1が
z方向の位置132まで変位すると、(C2)式及び
(C3)式が成り立つ。従って、位相の変化δp 及びδ
l により、光束La(-1)’とLb(-1)’とからなる干渉
光LW-1’の光ビート信号の位相が変化する。光束La
(-1)’においてθi =0、θo =θ、光束Lb(-1)’に
おいてθi=−θ、θo =θであることを考慮すると、
干渉光LW-1’を光電検出して得られる光ビート信号の
交流成分Ι-1は次式で表される。但し、Bは信号の振
幅、φ -1は初期位相であり、共に系の構成で決まる定数
である。
【0122】 Ι-1=B・cos[2πΔft−2π{Δy/P+λ0 Δz/(2P2)}−φ-1] (C5) (C4)式及び(C5)式から明らかなように、位相検
出系83にて交流成分Ι1-1の位相差ψ- 及び位相和
ψ+ を算出すると、それぞれ次式で表されるように、定
数項を除いて変位Δzあるいは変位Δyのみに依存する
位相が求められる。
【0123】 ψ- =(2πλ0 /P2)Δz−(φ-1−φ1) (C6) ψ+ =−2π(2/P)Δy−(φ-1+φ1) (C7) 従って、回折格子マークWM1の変位の前後でψ- 及び
ψ+ を比較すると、位相差ψ- から回折格子マークWM
1のy方向の変位の影響を受けることなくz方向の変位
が求められ、位相和ψ+ から回折格子マークWM1のz
方向の変位の影響を受けることなくy方向の変位を求め
ることができる。あるいは、ψ- 及びψ + の値がそれぞ
れ所定値となるように回折格子マークWM1の位置を決
定すれば、被検面の位置を所定の位置に制御することが
できる。
【0124】この場合、既に図17の参照用の回折格子
130を用いて説明したように、固定した回折格子に対
して交流成分Ι1 ,Ι-1と同様に干渉信号を光電検出
し、これによって検出された干渉信号の位相とそれらψ
- 及びψ+ との位相差が所定の値となるように被検面の
位置を制御してもよい。なお、その参照用の回折格子に
対する干渉信号は、変位Δy及びΔzには依存しない次
式で表される交流成分を持つ光ビート信号として検出さ
れる。但し、Cは信号の振幅、φRef は初期位相であ
り、共に系の構成で決まる定数である。
【0125】 ΙRef =C・cos(2πΔft−φRef) (C8) また、既に説明したように、別にAOM117A及び1
17Bを駆動する高周波信号SF1 及びSF2 より生成
した参照信号を利用する場合には、この参照信号とψ-
及びψ+ との位相差がそれぞれ所定の値になるように制
御すればよい。ところで、図19において上記の±1次
回折光あるいは0次光以外にも多数の回折光が発生す
る。そのため、干渉光LW1'には光束La(1)'及びLb
(1)'以外にも、光束La(-1)の−1次回折光La(-1)”
及び光束Lb(-1)の−2次回折光Lb(-1)”が同軸とな
って含まれる。また、干渉光LW-1’には光束La(-
1)’及びLb(-1)’以外にも、光束La(1) の1次回折
光La(1)"及び光束Lb(1)の2次回折光Lb(1)"が同
軸となって含まれる。この結果、例えば干渉光LW1'を
光電検出して得られる交流成分Ι1 は、(C4)式以外
にもいくつかの周波数成分を持つビート信号がノイズと
して重畳された信号として検出される。それらノイズが
重畳された状態では位相検出誤差が発生し、結果として
回折格子マークWM1の位置検出誤差を引き起こす。
【0126】これを回避するため本例では、図16に示
すように、光電検出した干渉信号を電気的なローパスフ
ィルタ回路82及び85に通している。例えば、干渉光
LW 1'における光束La(-1)の−1次回折光La(-1)”
に起因するノイズ成分の周波数は、AOM117A,1
17Bの駆動周波数のほぼ2倍に等しく数10MHzで
ある。これに対して、所望の光ビート信号の周波数は通
常数10kHz程度であって、電気的なフィルタリング
により十分にノイズを分離することができる。また、回
折格子マークWM1のデューティを1/2(ライン幅と
スペース幅との比の値を1)とすることが好ましい。こ
れにより、回折格子マークWM1における±2次回折光
の発生が抑制され(原理的には発生しない)、2次回折
光に起因するノイズ成分が減少しSN比が向上する。
【0127】しかしながら、後者の対策に関しては、実
用的には完全には回折格子マークWM1における±2次
回折光の発生を抑えることができず、それに起因するノ
イズも完全に消すことはできない。従って、この影響を
完全に回避するには、例えば図20(a)及び(b)に
示すように、対物レンズ76の光軸に対して非計測方向
に2つの光束対LW1 及びLW-1を互いに反対側(ほぼ
対称)に傾けて回折格子マークWM1に入射させること
が好ましい。
【0128】即ち、図20(a)は図17の変形例の要
部を示し、図20(b)は図20(a)中の回折格子マ
ークWM1の拡大図を示し、この図20(a)に示すよ
うに、ハーフプリズム125に入射する一方の光束La
(1),Lb(1) と他方の光束La(-1),Lb(-1)とは、光
束La(1) と光束La(-1)とがz方向にずれるように入
射している。この結果、図20(b)に示すように、回
折格子マークWM1に入射する2つの光束対LW1 及び
LW-1は、非計測方向にほぼ対称に傾斜して入射するよ
うになる。また、光束対LW1 及びLW-1による回折格
子マークWM1からの干渉光LW1'及びLW-1’は、非
計測方向(x方向)から見ると図19に示すように見え
るが、実際には対物レンズ76の光軸AX2に関して非
計測方向に互いに反対側に反射回折される。それらの干
渉光LW1'及びLW-1’は、図20(a)の空間フィル
タ79Aの2つの円形開口を通過して光電検出器81
A,81Bで受光される。そして、光束La(-1)の−1
次回折光La(-1)”、及び光束Lb(-1)の−2次回折光
Lb(-1)”は、その空間フィルタ79Aによって完全に
遮光されるため、SN比の改善された光ビート信号が得
られる。
【0129】他にも例えば、図17のハーフプリズム1
25を偏光ビームスプリッタとすることによって、光束
対LW1 とLW-1とを互いに直交した偏光光として相互
の干渉を抑制してもよい。また、光束対LW1 とLW-1
とを別々の対物レンズを通して回折格子マークWM1上
の離れた場所に入射させ、2つの光束対による回折光を
空間的に分離してもよい。
【0130】次に、図17の多目的センサ70の送光系
71中で互いに異なる周波数の2光束を生成する部分に
ついて、より具体的な構成及び動作原理につき図21を
参照して説明する。図21は、図17中の送光系71の
要部を示し、この図21に示すように、AOM117
A,117Bは入射する光束LW0 の光軸(y軸に平行
な軸)を中心とし、z軸方向を基準として互いに反対方
向に所定角度ψだけ対称に傾いて配置されている。ほぼ
白色の光束WL0 がAOM117Aに対して垂直に入射
すると、ラマン−ナス回折作用により各波長毎に0次光
La(0) 、+1次回折光La(1) 、−1次回折光La(-
1)、及び他の高次回折光が超音波の進行方向と光束LW
0 の光軸とを含む面内で発生し、これらの光束はAOM
117Bに入射する。
【0131】AOM117Aからの0次光La(0) はA
OM117Bに垂直に入射し、AOM117Bのラマン
−ナス回折作用により、同様に各波長毎に0次光Lb
(0)(不図示)、+1次回折光Lb(1) 、−1次回折光L
b(-1)、及び他の高次回折光が超音波の進行方向と光束
LW0 の光軸とを含む面内で発生する。このとき、4つ
の光束La(1),La(-1),Lb(1),Lb(-1)は光束LW
0 の光軸に対して等しい角度をなしてほぼ対称に回折さ
れ、且つそれぞれ順に+f1 ,−f1 ,+f2 ,−f2
の周波数変調を受けている。これら4つの光束のうち、
光束対La(1),Lb(1) と、光束対La(-1),Lb(-1)
とのそれぞれの組が周波数の異なる2光束として使用さ
れる。即ち、本例の2光束生成手段では、互いに周波数
の異なる2光束が2組得られることになる。このとき、
各組で2光束間の周波数差は等しくΔf(=f1 −f2)
である。なお、この他の回折光の組み合わせでは、2光
束間の周波数差が一般に大きくなり過ぎる(数10MH
z程度)ため、光電検出器の応答特性等を考慮すると実
用的には好ましくない。
【0132】また、図21において、AOM117Bを
通過した0次光、及び2次以上の高次回折光は空間フィ
ルタ119によって遮光されて、空間フィルタ119の
2つの平行なスリット状の開口119a及び119bを
通過した4つの光束La(1),La(-1),Lb(1),Lb(-
1)のみが図17のレンズ118bに向かう。図21の光
束La(1) 及びLb(1) が図17の光束対LW1 に対応
し、光束La(-1)及びLb(-1)が光束対LW-1に対応し
ている。
【0133】上述のように本例では、所定の波長域を有
する光束La(1),Lb(1) と、光束La(-1),Lb(-1)
とを参照用の回折格子130、及び回折格子マークWM
1に対して各波長の光毎に(C1)式を満足するように
照射できるため、参照用の回折格子130、及び回折格
子マークWM1に対して所定方向に各波長毎の1次回折
光及び0次光を常に同軸に発生させることができ、その
結果、各波長毎の1次回折光及び0次光により所定の周
波数Δf(=f1 −f2 )のビート光を生成することが
できる。従って、その周波数Δfの多波長のビート光を
各光電検出器131A,131B,81A,81Bにて
それぞれ光電検出できる。即ち、回折格子マークWM1
の位置情報を含んだビート光を各波長毎に複数検出でき
る。その結果、各波長のビート光による平均化効果によ
り回折格子マークWM1の非対称性の影響を抑えつつ、
多波長光によるフォトレジスト層の薄膜干渉の影響(光
量変化等の影響)を解消でき、ヘテロダイン干渉方式に
よる高精度な位置検出が達成できる。また、光学系の調
整が容易でコンパクトな装置が実現できることも大きな
特徴である。
【0134】ところで、図21のように2つのAOM1
17A,117Bを隣接して配置する限り、実質的な各
AOMの回折点(AOMの中心)には光軸方向に位置ず
れが生じる。そのため、リレーレンズ系118a,11
8bの像面、及びこれに共役な回折格子マークWM1上
で2つのAOM117A,117Bからの回折光に位置
ずれが生じる。即ち、干渉する2光束La(1) 及びLb
(1) の間、及び干渉する2光束La(-1)及びLb(-1)の
間でそれぞれ位置ずれが生じることとなる。その位置ず
れ量は、2つのAOM117A,117Bの中心間隔に
ほぼ比例する。
【0135】このように、干渉する2光束間に僅かでも
位置ずれがあると、位置ずれした部分の光束は干渉に寄
与しないノイズ光となり、そのノイズ光をそのまま受光
すると得られる光ビート信号のコントラストが低下す
る。そこで、図17の実施の形態ではそのようなノイズ
光を除去するため視野絞り157が設けられている。図
22は、図17の送光系71の要部を簡略化して平面的
に示したもので、この図22において、図17のリレー
レンズ系118a,118bがリレーレンズ系155で
表わされ、AOM117Aの中心とAOM117Bの中
心との中点とリレーレンズ系155に関して共役な位置
(リレーレンズ系155の像面上)に視野絞り157が
配置されている。この視野絞り157で、4光束La
(1),La(-1),Lb(1),Lb(-1)が互いに重なり合う部
分のみを抽出し、それ以外の周辺部の光束を遮光してい
る。このフィルタリングにより得られる光束は、全て干
渉に寄与する成分となり、従って最終的に得られる光ビ
ート信号のSN比が向上する。
【0136】一方、2つのAOM117A,117Bの
間隔は理想的には0になることが望ましいが、図21の
ように隣接して配置する限り間隔は0になり得ない。そ
こで、実質的に間隔を0にするように、2つのAOM1
17A,117Bの間にリレーレンズ系を配置するとよ
い。図23は、そのようにリレーレンズ系を配置した変
形例を示し、この図23において、第1のAOM117
Aと第2のAOM117Bとの間に、2枚のレンズ13
3,134よりなる等倍のリレーレンズ系が配置されて
いる。第1のAOM117Aは、図21の場合に対して
上下を反転して進行波の方向が逆にされている。また、
レンズ133及び134の焦点距離をそれぞれFD1
びFD2 として、AOM117Aの超音波作用領域の中
心Pをレンズ133の前側焦点に配置し、2枚のレンズ
133,134の間隔を(FD1 +FD2 )に設定し、
レンズ134の後側焦点にAOM117Bの超音波作用
領域の中心Qを配置する。即ち、そのリレーレンズ系に
より、AOM117Aの超音波作用領域の中心Pと、A
OM117Bの超音波作用領域の中心Qとが共役となっ
ている。この場合、レンズ133,134よりなるリレ
ーレンズ系は両側テレセントリックであることが望まし
い。また、1回のリレーにより、2つのAOM117
A,117B内の進行波の方向はx方向(図23の紙面
内)に関して逆方向に設定されている。
【0137】この変形例では、入射する光束LW0 によ
るAOM117A内の中心Pからの+1次回折光La
(1) 、−1次回折光La(-1)、及び0次光La(0) は、
それぞれリレーレンズ系を介してAOM117B内の中
心Qで交差する。従って、その中心Qからは、その0次
光La(0) によるAOM117Bからの+1次回折光L
b(1) と+1次回折光La(1) とがxy面内(図23の
紙面内)の射影で完全に重なった状態で射出され、ま
た、+1次回折光Lb(1) と−1次回折光La(-1)とが
yz面内(図23の紙面に垂直な面内)の射影でほぼ完
全に重なった状態で射出される。同様に、0次光La
(0) によるAOM117Bからの−1次回折光Lb(-1)
と−1次回折光La(-1)とがxy面内(図23の紙面
内)の射影でほぼ完全に重なった状態で射出され、ま
た、−1次回折光Lb(-1)と+1次回折光La(1) とが
yz面内(図23の紙面に垂直な面内)の射影でほぼ完
全に重なった状態で射出される。即ち、光束LW0 の光
軸に対してAOM117A,117Bによる4つの回折
光が完全に対称に射出される。従って、この場合には視
野絞りで光束の一部を遮光する必要がなくなり、アライ
メント用の光束の利用効率が高くなり、且つ得られる光
ビート信号のSN比が高くなる利点がある。
【0138】次に、本発明の第4の実施の形態につき図
24を参照して説明する。本例も、本発明を投影露光装
置のヘテロダイン干渉型のAFセンサ、ALセンサ、及
びアライメントセンサを兼用する多目的センサに適用し
たものである。本例の多目的センサは図16及び図17
に示す多目的センサ70の内の送光系71の構成を変え
て、ブラッグ回折(音響ブラッグ回折)領域で音響光学
素子を使用するようにしたものであり、本例の送光系の
構成につき説明する。また、図24において、図17に
対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略
する。
【0139】図24は、本例の多目的センサの送光系の
要部を示し、この図24において、白色光源110から
の白色光は、口径可変な可変絞り111及びコンデンサ
ーレンズ112を介することにより平行光束に変換され
た後、所定の波長域の光を抽出するバンドパスフィルタ
113及び不図示の偏光板を介して光束LW0 として回
折格子135に垂直に入射する。この回折格子135に
垂直に入射した光束LW0 は、xy面内で回折格子13
5の回折作用によって所定の波長域を持つ±1次回折光
Lg(1),Lg(-1)に分割される。
【0140】所定の波長域をもつ±1次回折光(以下、
単に「光束」と呼ぶ)Lg(1),Lg(-1)は、レンズ13
7a及び137bよりなるリレー光学系(以下、「リレ
ー光学系137a,137b」と呼ぶ)によって集光さ
れた後、直列に配置されたAOM117A及び117B
に等しい入射角のもとで対称に入射する。また、リレー
光学系137a,137bの間には、回折格子135か
らの±1次回折光を抽出するための空間フィルタ136
が設けられている。
【0141】AOM117A及び117Bは所定間隔で
配置され、それぞれ周波数f1 及びf2 (f1 >f2
する)の高周波信号SF1 及びSF2 で駆動されてお
り、所定の波長域の光束Lg(1),Lg(-1)はAOM11
7A,117Bによりブラッグ回折作用を受ける。但
し、AOM117A,117Bはy軸に平行な光軸の周
りに、z軸に平行な基準軸に対して互いに反対方向に対
称に所定角度だけ傾いて配置されており、且つx軸方向
に関して同じ側から高周波信号で駆動されている。
【0142】ここで、光束Lg(1),Lg(-1)の周波数
(中心周波数)をf0 とすると、光束Lg(1),Lg(-1)
の2つのAOM117A,117Bによる+1次回折光
(これを光束La(1),Lb(1) と呼ぶ)は、それぞれf
1 及びf2 の周波数変調を受け、同様に−1次回折光
(これを光束La(-1),Lb(-1)と呼ぶ)は、−f1
び−f2 の周波数変調を受ける。これら4つの回折光
(光束La(1),Lb(1),La(-1),Lb(-1))は、光軸
(y軸に平行な軸)を中心として所定角度をなして対称
に、互いに異なる方向に回折される。
【0143】ここで、図24の要部を拡大した図25に
示すように、光束La(1) 及びLb(1) よりなる光束対
をLW1 、光束La(-1)及びLb(-1)よりなる光束対を
光束対LW-1と呼ぶことにする。光束対LW1 及びLW
-1は、図24のリレーレンズ系118a,118bを介
して視野絞り157に入射する。リレーレンズ系118
a,118bの間には、光束対LW1 及び光束対LW-1
のみを抽出するための空間フィルタ119が設けられて
いる。AOM117Bからは0次光及び高次回折光も発
生するが、それらは空間フィルタ119により遮光され
る。なお、視野絞り157は2個のAOM117A,1
17Bの光軸上の中間点と共役なリレーレンズ系118
a,118bの像面位置に配置されている。その他の構
成は図17の実施の形態と同様であり、視野絞り157
を通過した光束は図17のミラー120で反射される。
以下の説明は省略する。
【0144】次に、図24に示した第4の実施の形態に
おいて、互いに異なる周波数の2光束を生成する部分に
ついてより具体的な構成及び原理を図24〜図26を参
照して説明する。図24において、ほぼ白色の光束LW
0 が回折格子135に対して垂直に入射すると、回折格
子135の回折作用により、xy面内で各波長毎に各次
数の回折光が発生する。
【0145】このとき、回折格子135の法線方向に対
する回折光の回折角をφg1、回折格子135のピッチを
g 、回折光の波長をλ0 、回折光の次数をN(Nは整
数)とするとき、以下の式を満足する各次数の回折光が
発生する。 sin φg1=N・λ0 /Pg (C9) そして、レンズ137aを通過した所定の波長帯の各次
数の回折光は、レンズ137aの後側焦点位置(レンズ
137bの前側焦点位置)に配置された空間フィルタ1
36によってフィルタリングされ、所定の波長帯の±1
次回折光以外の光は遮光され、所定の波長帯の±1次回
折光Lg(1),Lg(-1)のみが選択され、レンズ137b
を介してAOM117Aに向かう。
【0146】このとき、光の波長が異なるのに伴い回折
角φg1が変化するが、本例ではリレー光学系137a,
137bによって回折格子135の回折点をAOM11
7A,117Bの中点にリレーして、各波長の±1次回
折光をAOM117A,117Bの中点で集光させてい
るため、回折格子135により対称に2分割された所定
の波長帯の±1次回折光Lg(1),Lg(-1)は、各波長毎
に予め定められた入射角φg2のもとでAOM117A及
び117Bに対して対称に入射する。
【0147】図25は、図24内の2つのAOM117
A,117Bを含む要部の拡大図であり、図25に示す
ように、所定の波長域の光束Lg(1),Lg(-1)は、入射
角φ g2で2方向からAOM117Aに入射し、各光束の
一部は第1のAOM117Aによるブラッグ回折作用を
受けるが、各光束の0次光はそのままAOM117Aを
透過して第2のAOM117Bに対称に入射する。そし
て、これら0次光は第2のAOM117Bによるブラッ
グ回折作用を受ける。
【0148】この場合、第1のAOM117Aは、光束
Lg(1) の+1次回折光La(1) と、光束Lg(-1)の−
1次回折光La(-1)とのそれぞれの回折角が共にxy面
内でほぼ2φg2(入射角φg2の2倍)となる周波数f1
の高周波信号SF1 により駆動されている。また、第2
のAOM117Bは、光束Lg(1) のAOM117Aに
よる0次光の−1次回折光Lb(-1)と、光束Lg(-1)の
AOM117Aによる0次光の+1次回折光Lb(1) と
のそれぞれの回折角が、共にxy面内でほぼ2φg2とな
る周波数f2 (周波数f1 より僅かに小さい)の高周波
信号SF2 により駆動されている。
【0149】図26(a)は、図24の2つのAOM1
17A,117Bの拡大図、図26(b)は図26
(a)の底面図であり、図26に示すように、各AOM
117A,117Bによる4つの回折光よりなる光束L
a(1),La(-1),Lb(1),Lb(-1)は、光束LW0 の光
軸に対して等しい角度をなしてほぼ対称に回折され、ま
た、それぞれ順に+f1 ,−f1 ,+f2 ,−f2 の周
波数変調を受けている。これら4光束の内、光束La
(1) 及びLb(1) と、光束La(-1)及びLb(-1)とのそ
れぞれの組が周波数の異なる2光束として使用される。
即ち、本例の2光束生成手段でも、互いに周波数の異な
る2光束が2組得られることになる。このとき、各組で
2光束間の周波数差は等しくΔf(=f1 −f2 )であ
る。その他、光ビート信号を得るに至る構成は第3の実
施の形態と同様である。
【0150】なお、この第4の実施の形態でも第3の実
施の形態の変形例として図23に示したのと同様に、2
つのAOM117A,117Bの間にレンズ133,1
34よりなるリレーレンズ系を配置し、各AOM117
A,117Bの中心を共役関係とすることが有効であ
る。更に、上述の第4の実施の形態では、図24に示す
ように、白色光源110から供給される白色光(多波長
光)を光束分割手段としての回折格子135によって入
射方向(光軸方向)に対して対称に分割しているが、回
折格子135とは別の光束分割手段を使用してもよく、
例えば図10で示した如きウォラストンプリズム140
を用いてもよい。更に図11で示したように、複数の単
色光源100〜102から射出される波長λ1 〜λ3
光束を反射型回折格子103を用いて同軸に合成して光
束L0 とし、この光束L0 を図17又は図24の白色光
源110から射出される光束LW0 の代わりに使用して
もよい。
【0151】また、上述の第3及び第4の実施の形態で
は、図17又は図24に示したように、光源手段からの
光束LW0 をその光軸上に直列に配置した2つのAOM
117A,117Bにより周波数の異なる2組の2光束
に分割しているが、2つのAOMを並列に配置してもよ
い。図27は、2つのAOMを並列に配置した本発明の
第5の実施の形態を示し、この図27において、白色光
源110から射出された光束は、可変絞り111、コン
デンサーレンズ112、バンドパスフィルタ113、及
び不図示の偏光板を介して光束LW0 としてハーフプリ
ズム138に入射している。そして、ハーフプリズム1
38を透過した光束はAOM117Aに入射し、AOM
117Aでのラマン−ナス回折によって発生した±1次
回折光La(1),La(-1)は、レンズ141A、空間フィ
ルタ119、及びレンズ118bを経て視野絞り157
に入射している。一方、ハーフプリズム138で反射さ
れた光束はミラー139で反射されてAOM117Bに
入射し、AOM117Bでのラマン−ナス回折によって
発生した±1次回折光Lb(1),Lb(-1)は、レンズ14
1B、空間フィルタ119、及びレンズ118bを経て
視野絞り157に入射している。このとき、各AOM1
17A,117Bは共にx方向側から同じ方向に駆動さ
れる。それ以外の構成は図17と同様であり、位置検出
も同様に行われる。
【0152】また、上述の図17、又は図24に示す実
施の形態では、周波数の異なる2光束によって回折格子
マーク上に形成される干渉縞のピッチ、及び方向は一定
であるが、その干渉縞のピッチ、及び方向の調整機能を
持たせることが望ましい。以下では、その干渉縞のピッ
チ、及び方向の調整手段の一例につき説明する。図28
は、形成される干渉縞のピッチ、及び方向の調整手段を
備えた変形例を示し、この図28において図17に対応
する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略す
る。図28において、2つのAOM117A,117B
は、図17の例と同様に光軸の周りに対称に回転した状
態で、且つ回転手段としての支持部材164によって連
結され、支持部材164が光束LW0 の光軸の周りに所
望の角度回転した状態で固定できるように構成されてい
る。更に、不図示であるが、支持部材164には2つの
AOM117A,117Bを光軸の周りに個別に回転す
るための回転調整具が取り付けられている。従って、2
つのAOM117A,117Bは、その光軸の周りのΘ
方向に個別に回転できると共に、2つのAOM117
A,117Bは、支持部材164を介してその光軸の周
りのΘ方向に一体として回転できるようにもなってい
る。
【0153】この変形例でも、入射した光束LW0 が2
つのAOM117A,117Bによって回折されて、光
束LW0 の光軸に対して等しい角度をなしてほぼ対称に
生成された4つの光束La(1),La(-1),Lb(1),Lb
(-1)は、レンズ118aを介してy軸に平行になって空
間フィルタ119の開口を通過する。また、空間フィル
タ119の直後で、且つ光束La(1) 及びLb(1) から
なる第1組の光束対LW1 の光路上に平行平板ガラス1
65が配置され、光束La(-1)及びLb(-1)からなる第
2組の光束対LW-1の光路上に平行平板ガラス166が
配置され、平行平板ガラス165,166はそれぞれほ
ぼzx面に平行な回転軸165a,166aを軸として
回転できるようになっている。更に、空間フィルタ11
9、及び平行平板ガラス165,166はそれぞれ支持
部材164のΘ方向への回転に連動して、ほぼ同じ角度
だけΘ方向に回転されるように支持されている。
【0154】図28において、先ずAOM117A及び
117BをΘ方向に個別に回転することによって、1組
の光束La(1),Lb(1) 及び別の1組の光束La(-1),
Lb(-1)は空間フィルタ119上で点線で示す円周16
7に沿って回転する。そのため、それら2組の光束の分
離方向は光軸の周りに回転して、それらを回折格子マー
クWM1に照射した場合に形成される干渉縞のy方向の
ピッチ調整を行うことができる。また、この際に2組の
光束の回転角に合わせて、空間フィルタ119をそれら
2組の光束を遮光しないような空間フィルタで交換して
もよい。
【0155】次に、図28において、支持部材164を
Θ方向に回転すると、空間フィルタ119上で4つの光
束La(1),La(-1),Lb(1),Lb(-1)は点線で示す円
周167に沿って回転する。この際に空間フィルタ11
9、及び平行平板ガラス165,166もほぼ同期して
回転するため、それら4つの光束は空間フィルタ119
を通過し、光束La(1) 及びLb(1) は更に平行平板ガ
ラス165を通過し、光束La(-1)及びLb(-1)は更に
平行平板ガラス166を通過する。この結果、平行平板
ガラス165,166を通過した2組の光束の分離方向
は光軸の周りに回転し、それら2組の光束のzy面への
射影の間隔は変化する。従って、それら2組の光束を図
17の回折格子マークWM1に照射した場合に、この回
折格子マーク上に形成される干渉縞も回転し、その干渉
縞のy方向のピッチが微小量変化する。
【0156】上述のようなピッチ調整によって、例えば
アライメントセンサの光学系に或る程度の倍率誤差等が
生じても、それら2組の光束によって形成される干渉縞
のピッチを検出対象の回折格子マークのピッチに対応し
た値に設定できる。また、このように2組の光束を個別
に又は一体として回転して干渉縞のピッチ調整を行う
と、それら2組の光束のテレセントリック性が崩れてし
まう。そこで、図28の平行平板ガラス165及び16
6を回転軸165a及び166aの周りに回転すること
によって、それら2組の光束のテレセントリック性を補
正する。これによって、例えばウエハ4の高さが或る程
度変化しても、正確に位置検出を行うことができる。
【0157】なお、本発明は露光装置用のセンサのみな
らず、広くヘテロダイン干渉型の位置検出装置に適用で
きるものである。このように、本発明は上述の実施の形
態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の構成を取り得る。
【0158】
【発明の効果】本発明の第1の位置検出装置によれば、
必要に応じて複数波長の光(白色光を含む)による光ビ
ート信号が得られるため、各波長の光ビート信号、即ち
複数の光ビート信号による平均化効果によって、各回折
格子状マークの非対称性による悪影響を抑えることがで
きる。しかも、多波長光(白色光)により被検面上の回
折格子状マークを照射したときには、フォトレジスト層
等の薄膜干渉の影響を解消しながら、ヘテロダイン干渉
法による高精度な位置検出が達成できる。
【0159】更に、多波長光(白色光)を使用した場合
でも、多波長光は2光束生成手段により入射方向に対し
て対称に分割された後、各光学系を光軸に対して対称、
且つ並列的に進行するため、分割光束間には光路長差が
原理的に発生しない。このため、分割光束間の波面が揃
っているため、高精度な位置合わせが可能となるばかり
か、調整容易でコンパクトな装置が実現できる。更に、
隣接して配置された2個の音響光学素子内にそれぞれ超
音波を供給するという簡単な構成で、ラマン−ナス回折
を利用する場合でも、ブラッグ回折を利用する場合で
も、ビートダウンされた低い周波数の光ビート信号を得
ることができる。
【0160】また、回折格子状マークに照射される光束
は、それぞれ2個の音響光学素子を通過する際に全体と
して1回だけ回折された光束であるため、光束の利用効
率が高いと共に、各音響光学素子内ではそれぞれ一方向
に超音波が供給されているため、高いSN比の光ビート
信号を得ることができる。この場合、2個の音響光学素
子の間にリレー光学系が配置され、それら2個の音響光
学素子の超音波作用領域がそのリレー光学系に関して共
役であるときには、実質的にそれら2個の音響光学素子
の光軸方向の位置ずれが無くなるため、得られる光ビー
ト信号のコントラストが最大となる。しかも、その隣接
する2つの音響光学素子からの回折光の位置ずれが無く
なるため、光の利用効率も最大となる利点がある。
【0161】また、それら2個の音響光学素子の射出側
にリレー光学系が設けられ、このリレー光学系に関して
第1の音響光学素子の超音波作用領域と第2の音響光学
素子の超音波作用領域との光軸に沿った中点と共役な位
置に、それら複数組の互いに周波数の異なる2光束の周
辺のノイズ光を遮蔽する視野絞りが配置された場合に
は、位置検出とは関係のない光束が遮断されるため、得
られる光ビート信号のコントラスト(SN比)が更に改
善される。
【0162】次に、本発明の2光束生成手段内の2個の
音響光学素子を、一体及び個別に光軸の周りに回転自在
に設けたときには、それら2個の音響光学素子によって
生成される複数組の互いに周波数の異なる2光束によっ
て対応する回折格子状マーク上に形成される干渉縞の計
測方向のピッチが変化する。従って、それら干渉縞のピ
ッチ調整を行うことができる。
【0163】この場合、更に、それら2個の音響光学素
子によって発生する複数組の互いに周波数の異なる2光
束の内の1組の2光束を回転させるための像回転手段を
設けたときには、この像回転手段を用いて、例えばその
1組の2光束の分離方向を90°回転させることによっ
て、例えば被検物上で直交するように配置された2個の
回折格子状マークの位置検出を同時に行うことができ
る。
【0164】また、本発明の第2の位置検出装置によれ
ば、2光束生成手段は、複数波長の光を含む光束又は単
一波長の光束を生成する光源手段と、それぞれ入射光束
から互いに周波数の異なる2光束を生成する第1及び第
2の音響光学素子とを備え、その光源手段からの光束を
それら2個の音響光学素子に通過させることによって生
成される少なくとも2組の互いに周波数の異なる2光束
を、その回折格子状マークに照射して得られる光電検出
器からの検出信号に基づいて、その回折格子状マークの
高さ変化、及び横ずれ量の少なくとも一方を検出してい
る。従って、ヘテロダイン干渉方式で光学系の調整が容
易で複数波長の光を使用できるという特徴が維持されて
いると共に、被検面の反射率むらや被検面からのノイズ
光の影響等が軽減され、機械的な駆動部を排除した上で
被検面の法線方向に垂直な方向の位置、又はその法線方
向の位置を高精度に検出できる利点がある。
【0165】この場合、検出手段は、その被検物上の異
なる3箇所に形成された3個の回折格子状マークに対し
て2光束生成手段と同一の2光束生成手段からの少なく
とも2組の互いに周波数の異なる2光束をそれぞれ照射
して得られる光電検出器からの検出信号に基づいて、そ
れら3個の回折格子状マークの高さ変化をそれぞれ検出
し、この検出結果に基づいてその被検物の傾斜角の補正
を行うレベリング手段が更に設けられたときには、オー
トレベリング方式でその被検物の傾斜角の補正を行うこ
とができる。
【0166】また、2光束生成手段からの少なくとも2
組の互いに周波数の異なる2光束が共通に対物光学系を
介して、各組の一方の光束がこの対物光学系の光軸と同
軸となり、且つ各組の他方の光束がこの対物光学系の光
軸に対して対称に傾斜してその回折格子状マークに照射
される場合には、2組の光束から得られる位置情報の差
演算、又は和演算のような簡単な演算で被検面の横ずれ
量、又は高さ変化を検出できる。
【0167】一方、2光束生成手段からの少なくとも2
組の互いに周波数の異なる2光束が共通に対物光学系を
介して、各組の一方の光束がこの対物光学系の光軸を含
むその回折格子状マークの非計測方向の面内にあって互
いに該光軸に対して反対側から照射され、且つ各組の他
方の光束がこの対物光学系の光軸を含むその回折格子状
マークの非計測方向の平面に対して互いに反対側からそ
の回折格子状マークに照射されるときには、2組の光束
が完全に分離されているため、得られる光ビート信号の
SN比が向上する。
【0168】また、光源手段からの光束をそれら2個の
音響光学素子を通過させることによって、少なくとも2
組の互いに周波数の異なる2光束を生成するために、そ
れら2個の音響光学素子はその光源手段からの光束の光
軸に沿って直列に、且つこの光軸を中心とする回転方向
に沿って互いに所定角度だけ傾いて配置されている場合
には、光学系の調整が容易で、光束の利用効率も高い利
点がある。
【0169】また、それら2個の音響光学素子の間には
リレー光学系が配置され、それら2個の音響光学素子の
超音波作用領域はそのリレー光学系に関して共役である
場合には、得られる干渉光のノイズ成分が減少して光ビ
ート信号のSN比が向上すると共に、光量の利用効率も
向上する。一方、それら2個の音響光学素子の射出側に
はリレー光学系が設けられ、このリレー光学系に関して
第1の音響光学素子の超音波作用領域と第2の音響光学
素子の超音波作用領域との光軸に沿った中点と共役な位
置に、それら複数組の互いに周波数の異なる2光束の周
辺のノイズ光を遮蔽する視野絞りが配置されている場合
には、得られる干渉光のノイズ成分が減少して光ビート
信号のSN比が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置検出装置の第1の実施の形態
が適用された投影露光装置を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態で使用される各回折格子マー
クを示す拡大平面図である。
【図3】第1の実施の形態のアライメントセンサの光学
系内に設けられた各視野絞りを示す拡大平面図である。
【図4】図1内の2組の互いに異なる周波数の2光束を
生成する部分の構成を示す斜視図である。
【図5】図1における視野絞り57の作用の説明に供す
る概念図である。
【図6】2つの音響光学素子間にリレーレンズ系を配置
した変形例を示す構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態が適用された投影露
光装置の概略を示す構成図である。
【図8】図7内の2組の互いに異なる周波数の2光束を
生成する部分の構成を示す斜視図である。
【図9】図8の2つのAOM17A,17Bによる回折
光の状態を示す説明図である。
【図10】光束分割手段をウォラストンプリズムで構成
した例を示す図である。
【図11】互いに異なる波長の光を射出する複数の光源
と、ブレーズド型の反射型回折格子とによって光源手段
を構成した例を示す図である。
【図12】像回転プリズムを用いて一方の2光束の分離
方向を回転する変形例の要部を示す斜視図である。
【図13】図12内の像回転プリズム61の動作の説明
図である。
【図14】(a)は計測方向が直交する2つの回折格子
マークの一例を示す平面図、(b)は2次元の回折格子
マークの一例を示す平面図である。
【図15】2組の互いに周波数の異なる2光束を回転す
る機構を備えた変形例の要部を示す斜視図である。
【図16】本発明による位置検出装置の第3の実施の形
態が適用された投影露光装置の概略を示す構成図であ
る。
【図17】図16の多目的センサ70の光学系の構成を
示す斜視図である。
【図18】第3の実施の形態で使用される複数個の回折
格子マークの配置を示す拡大平面図である。
【図19】第3の実施の形態における横ずれ量及び高さ
変化の検出原理の説明図である。
【図20】(a)は第3の実施の形態の変形例を示す要
部の斜視図、(b)は図20(a)の回折格子マークを
示す拡大斜視図である。
【図21】図17内の2組の互いに異なる周波数の2光
束を生成する部分の構成を示す斜視図である。
【図22】図17における視野絞り157の作用の説明
に供する概念図である。
【図23】2つの音響光学素子間にリレーレンズ系を配
置した変形例を示す構成図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態の多目的センサの
送光系の要部を示す斜視図である。
【図25】図24内の2組の互いに異なる周波数の2光
束を生成する部分の構成を示す斜視図である。
【図26】図24の2つのAOM117A,117Bに
よる回折光の状態を示す説明図である。
【図27】本発明の第5の実施の形態の多目的センサの
送光系の要部を示す斜視図である。
【図28】図17の送光系71に回転機構を設けた変形
例を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 レチクル 3 投影光学系 4 ウエハ RM,WM 回折格子マーク 10 白色光源 11 可変絞り 12 コンデンサーレンズ 13 バンドパスフィルタ 14 回折格子 17A,17B,17A’,17B’ 音響光学素子
(AOM) 18a,18b レンズ 19 空間フィルタ 38 対物レンズ 57 視野絞り 58 平行平面板 61 像回転プリズム 70 多目的センサ WM1,WM2,WM3 回折格子マーク 71 送光系 76 対物レンズ 81A,81B,131A,13B 光電検出器 83 位相検出系 84 参照信号検出系 110 白色光源 117A,117B 音響光学素子(AOM) 119 空間フィルタ 157 視野絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 525R

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに周波数の異なる2光束を生成する
    2光束生成手段と、該2光束生成手段からの2光束を集
    光して被検物上に形成された回折格子状マークに対して
    所定の2方向から照射する対物光学系と、前記回折格子
    状マークから発生する複数の回折光よりなる干渉光を検
    出する光電検出器とを有し、該光電検出器の検出信号に
    基づいて前記回折格子状マークの位置を検出する位置検
    出装置において、 前記2光束生成手段は、複数波長の光を含む光束又は単
    一波長の光束を生成する光源手段と、それぞれ入射光束
    から互いに周波数の異なる2光束を生成する第1及び第
    2の音響光学素子とを備え、 前記光源手段からの光束を前記2個の音響光学素子を通
    過させることによって、少なくとも2組の互いに周波数
    の異なる2光束を生成するために、前記2個の音響光学
    素子は前記光源手段からの光束の光軸に沿って直列に、
    且つ前記光軸を中心とする回転方向に沿って互いに所定
    角度だけ傾いて配置され、 前記2個の音響光学素子によって生成される複数組の互
    いに周波数の異なる2光束を複数個の回折格子状マーク
    に照射して、該複数個の回折格子状マークの位置を検出
    することを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位置検出装置であって、 前記2個の音響光学素子の間にはリレー光学系が配置さ
    れ、前記2個の音響光学素子の超音波作用領域は前記リ
    レー光学系に関して共役であることを特徴とする位置検
    出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の位置検出装置であって、 前記2個の音響光学素子の射出側にはリレー光学系が設
    けられ、該リレー光学系に関して前記第1の音響光学素
    子の超音波作用領域と前記第2の音響光学素子の超音波
    作用領域との前記光軸に沿った中点と共役な位置に、前
    記複数組の互いに周波数の異なる2光束の周辺のノイズ
    光を遮蔽する視野絞りが配置されることを特徴とする位
    置検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の位置検出装
    置であって、 前記2光束生成手段内の前記2個の音響光学素子は、一
    体及び個別に前記光軸の周りに回転自在に設けられるこ
    とを特徴とする位置検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の位置検出装置であって、 前記2個の音響光学素子によって発生する複数組の互い
    に周波数の異なる2光束の内の1組の2光束を回転させ
    るための像回転手段を設けたことを特徴とする位置検出
    装置。
  6. 【請求項6】 互いに周波数の異なる2光束を生成する
    2光束生成手段と、該2光束生成手段からの2光束を集
    光して被検物上に形成された回折格子状マークに対して
    所定の2方向から照射する対物光学系と、前記回折格子
    状マークから発生する複数の回折光よりなる干渉光を検
    出する光電検出器とを有し、該光電検出器の検出信号に
    基づいて前記回折格子状マークの位置を検出する位置検
    出装置において、 前記2光束生成手段は、複数波長の光を含む光束又は単
    一波長の光束を生成する光源手段と、それぞれ入射光束
    から互いに周波数の異なる2光束を生成する第1及び第
    2の音響光学素子とを備え、 前記光源手段からの光束を前記2個の音響光学素子に通
    過させることによって生成される少なくとも2組の互い
    に周波数の異なる2光束を、前記回折格子状マークに照
    射して得られる前記光電検出器からの検出信号に基づい
    て、前記回折格子状マークの高さ変化、及び横ずれ量の
    少なくとも一方を検出する検出手段が設けられたことを
    特徴とする位置検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の位置検出装置であって、 前記検出手段は、 前記被検物上の異なる3箇所に形成された3個の回折格
    子状マークに対して前記2光束生成手段と同一の2光束
    生成手段からの少なくとも2組の互いに周波数の異なる
    2光束をそれぞれ照射して得られる前記光電検出器から
    の検出信号に基づいて、前記3個の回折格子状マークの
    高さ変化をそれぞれ検出し、 該検出結果に基づいて前記被検物の傾斜角の補正を行う
    レベリング手段が更に設けられたことを特徴とする位置
    検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の位置検出装置であって、 前記2光束生成手段からの少なくとも2組の互いに周波
    数の異なる2光束が共通に前記対物光学系を介して、各
    組の一方の光束が該対物光学系の光軸と同軸となり、且
    つ各組の他方の光束が該対物光学系の光軸に対して対称
    に傾斜して前記回折格子状マークに照射されることを特
    徴とする位置検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の位置検出装置であって、 前記2光束生成手段からの少なくとも2組の互いに周波
    数の異なる2光束が共通に前記対物光学系を介して、各
    組の一方の光束が該対物光学系の光軸を含む前記回折格
    子状マークの非計測方向の面内にあって互いに該光軸に
    対して反対側から傾斜して照射され、且つ各組の他方の
    光束が該対物光学系の光軸を含む前記回折格子状マーク
    の非計測方向の平面に対して互いに反対側から前記回折
    格子状マークに照射されることを特徴とする位置検出装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9の何れか一項記載の位置
    検出装置であって、 前記光源手段からの光束を前記2個の音響光学素子を通
    過させることによって、少なくとも2組の互いに周波数
    の異なる2光束を生成するために、前記2個の音響光学
    素子は前記光源手段からの光束の光軸に沿って直列に、
    且つ該光軸を中心とする回転方向に沿って互いに所定角
    度だけ傾いて配置されていることを特徴とする位置検出
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10の何れか一項記載の位
    置検出装置であって、 前記2個の音響光学素子の間にはリレー光学系が配置さ
    れ、前記2個の音響光学素子の超音波作用領域は前記リ
    レー光学系に関して共役であることを特徴とする位置検
    出装置。
  12. 【請求項12】 請求項6〜10の何れか一項記載の位
    置検出装置であって、 前記2個の音響光学素子の射出側にはリレー光学系が設
    けられ、該リレー光学系に関して前記第1の音響光学素
    子の超音波作用領域と前記第2の音響光学素子の超音波
    作用領域との前記光軸に沿った中点と共役な位置に、前
    記複数組の互いに周波数の異なる2光束の周辺のノイズ
    光を遮蔽する視野絞りが配置されていることを特徴とす
    る位置検出装置。
JP8238858A 1996-01-12 1996-09-10 位置検出装置 Withdrawn JPH09250904A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8238858A JPH09250904A (ja) 1996-01-12 1996-09-10 位置検出装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-3947 1996-01-12
JP394796 1996-01-12
JP8238858A JPH09250904A (ja) 1996-01-12 1996-09-10 位置検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09250904A true JPH09250904A (ja) 1997-09-22

Family

ID=26337625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8238858A Withdrawn JPH09250904A (ja) 1996-01-12 1996-09-10 位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09250904A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7230706B2 (en) 2001-09-03 2007-06-12 Canon Kabushiki Kaisha Position detection method and apparatus, and exposure method and apparatus
JP2011124586A (ja) * 1999-11-17 2011-06-23 Micronic Laser Systems Ab マイクロリソグラフィ描画におけるビーム位置決め
CN113092446A (zh) * 2021-05-21 2021-07-09 厦门大学 基于道威棱镜的90度拉曼信号收集平面光路系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011124586A (ja) * 1999-11-17 2011-06-23 Micronic Laser Systems Ab マイクロリソグラフィ描画におけるビーム位置決め
US7230706B2 (en) 2001-09-03 2007-06-12 Canon Kabushiki Kaisha Position detection method and apparatus, and exposure method and apparatus
CN113092446A (zh) * 2021-05-21 2021-07-09 厦门大学 基于道威棱镜的90度拉曼信号收集平面光路系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2658051B2 (ja) 位置合わせ装置,該装置を用いた投影露光装置及び投影露光方法
JP2913755B2 (ja) 位置合わせ方法及び装置
US5184196A (en) Projection exposure apparatus
JP3033135B2 (ja) 投影露光装置及び方法
JPH0685387B2 (ja) 位置合わせ方法
JPH0642448B2 (ja) 位置合わせ方法
KR20090095505A (ko) 위치 측정 장치, 위치 측정 방법 및 노광 장치
JPH11265847A (ja) 位置検出方法及び位置検出装置
JPH10267613A (ja) 位置測定装置
JP2001267211A (ja) 位置検出方法及び装置、並びに前記位置検出方法を用いた露光方法及び装置
JP2808619B2 (ja) 位置合わせ装置,露光装置及び素子製造方法
JPH09250904A (ja) 位置検出装置
WO1999039376A1 (fr) Detecteur de position de surface et detecteur de position
JP3550605B2 (ja) 位置検出方法、それを用いた露光方法、その露光方法を用いた半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気ヘッドの製造方法、及び位置検出装置、それを備えた露光装置
JP2996211B2 (ja) 位置検出装置及び方法
JP2803667B2 (ja) 露光方法
JP3339591B2 (ja) 位置検出装置
JP3031321B2 (ja) 投影露光装置及び方法
JPH08227846A (ja) 投影露光装置
JP2996212B2 (ja) 位置検出装置及びマーク検出方法
JP2787698B2 (ja) アライメント装置および位置検出装置
JPH07123105B2 (ja) 位置合わせ装置
JPH09119811A (ja) 位置合わせ装置、露光装置及び露光方法
JPH07183187A (ja) アライメント装置
JPH06207813A (ja) アライメント装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031202