JPH06341818A - 物体および光源情報抽出方法とそれを用いた装置 - Google Patents

物体および光源情報抽出方法とそれを用いた装置

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JPH06341818A
JPH06341818A JP5131819A JP13181993A JPH06341818A JP H06341818 A JPH06341818 A JP H06341818A JP 5131819 A JP5131819 A JP 5131819A JP 13181993 A JP13181993 A JP 13181993A JP H06341818 A JPH06341818 A JP H06341818A
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A T R NINGEN JOHO TSUSHIN KENKYUSHO KK
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A T R NINGEN JOHO TSUSHIN KENK
A T R NINGEN JOHO TSUSHIN KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 事前に光源の明るさやその方向を与えない
で、しかも撮像された複数画像の中で影となる部分があ
っても3次元物体の相対的な面の向きや反射率を一意的
に決定できかつ相対的な光源の明るさや方向を抽出する
ことを目的とする。 【構成】 異なった光源方向により照明される対象物1
をテレビカメラ4によって撮像し、得られた複数の画像
を画像処理装置5によって処理し、CPU6によって各
画像からその画像強度データからなる画像行列を構成す
る。CPU6によってその画像行列を特異値分解を用い
て2組の2行列の積の形に分解し、そのうちの1組を選
択したうえ、その処理結果から、光源の明るさもしくは
反射率に関する条件により適当な変換行列を計算し、そ
の変換行列を前処理結果に施すことによって、対象物の
相対的な反射率や面の向きおよび相対的な光源の明るさ
や光源方向を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は物体および光源情報抽
出方法およびこれを用いた装置に関する。より特定的に
は、この発明は画像処理により3次元物体の反射率や形
状あるいは光源の明るさや方向の変化の様子をコンピュ
ータの中に構築するものであって、物体モデルの自動入
力や移動ロボットにおける環境認識などに利用され、あ
るいはFAなどを含む計測分野や移動ロボットにおける
環境認識などに利用されるような物体および光源情報抽
出方法およびこれを用いた装置に関する
【0002】
【従来の技術】画像強度の分布から3次元物体の情報を
抽出する方法は、「陰影からの形状復元」と呼ばれてい
る。図8はその概要を示すために、物体の例として球8
1を用いたものである。表面が一様な拡散反射の3次元
物体を十分離れた点光源82により照明した場合、撮像
される画像の各座標点での画像強度は、その点の面の向
きにより一意的に決まる。したがって、何らかの方法で
光源の明るさや方向を検出すれば、撮像される画像強度
から、その点の面の向きがどちらを向いているかを或る
程度限定することができる。
【0003】以下、例を用いて具体的に説明する。図9
は図8の明るさ分布を同じ明るさの点を結んだ曲線で書
き換えたものである。たとえば、図9に示すように光源
82が配置され、球81と同じ反射率を持つ撮像された
或る点(i,j)の画像強度が0.2であるとき、その
点の面の向きは球の上の太線91で示される0.2の明
るさの曲線上の面の向きの集合に限定される。しかし、
この方法では、これ以上絞り込むことができず、面の向
きを一意的には決めることができない。
【0004】この問題を解決する方法として、カメラと
物体の位置を固定したうえで、光源を異なる3方向から
次々に照射することにより、3枚の画像強度の分布から
3次元物体の情報を抽出する、照度差ステレオ法が提案
されている。
【0005】図10は上述の照度差ステレオ法の原理を
説明するための図である。図10において、3方向の光
源の明るさは一様もしくは既知であり、その方向は事前
に求められているものとする。まず、光源101の照明
のみによる点(i,j)の画像強度をI1 (i,j)=
0.2とすれば、図9と同じように面の向きを太線10
4の上に限定することができる。さらに、光源102お
よび103の照明のみによるその点の画像強度をI
2 (i,j)=0.8,I3 (i,j)=0.2とすれ
ば、それぞれ太線105,106の上に限定することが
できる。したがって、撮像された点(i,j)の面の向
きは、これらの太線の交点107における面の向きで一
意的に表わされることがわかる。また、面の向きが求め
られれば、光源の方向が既に与えられているため、画像
強度の値からその点の相対的な反射率も決定することが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、照度差
ステレオ法は3次元物体の面の向きおよび反射率を一意
的に決定する優れた手法であるが、以下のような欠点が
ある。
【0007】まず、3つの光源の明るさが一様もしくは
既知であり、それらの方向を精度よく求めておく必要が
ある。次に、撮像された3枚の画像の中で、1枚でも影
になってしまうような座標点の面の向きや反射率は求め
ることができないという点である。
【0008】それゆえに、この発明の主たる目的は、事
前に光源の明るさやその方向を与えないで、しかも撮像
された複数画像の中で影となる部分があっても、3次元
物体の相対的な面の向きや反射率を一意的に決定する物
体情報抽出方法およびそれを用いた装置を提供すること
である。
【0009】この発明の他の目的は、事前に光源の明る
さやその方向を与えないという点から、相対的な光源の
明るさや方向を抽出する光源情報抽出方法およびそれを
用いた装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
異なった光源方向により照明される対象物を撮像した複
数の画像を処理し、その対象物の相対的な反射率や面の
向きおよび相対的な光源の明るさや光源方向を抽出する
物体および光源情報抽出方法であって、各画像から、そ
の画像強度データからなる画像行列を構成する第1のス
テップと、構成された画像行列を特異値分解を用いて2
組の2行列の積の形に分解し、その1組を選択する第2
のステップと、第2のステップの処理結果から、光源の
明るさもしくは反射率に関する制約条件により適当な変
換行列を計算し、その変換行列を第2のステップの処理
結果に施すことによって、その対象物の相対的な反射率
や面の向きおよび相対的な光源の明るさや光源方向を抽
出する第3のステップを含んで構成される。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1の発明の
第2のステップの前処理として、画像平面座標に領域を
設定するステップと、設定した領域が影となる画像のす
べての画像強度データを画像行列から削除するステップ
と、その画像行列から常に影とならない座標点の画像強
度データのみで影の領域を含まない画像小行列を構成す
るステップを含み、後処理として、残された影の領域を
含む画像小行列と得られた相対的な光源の明るさや方向
から、相対的な反射率や面の向きが未知の座標点につい
て計算するステップを含んで構成される。
【0012】請求項3に係る発明は、対象物の画像を撮
像する撮像手段と、対象物と光源の相対的位置関係を変
化させる光源移動手段と、撮像手段によって撮像された
異なった光源方向からの画像からその画像強度データか
らなる画像行列を特異値分解を用いて2組の2行列の積
の形に分解し、その1組を選択した上、その処理結果か
ら光源の明るさもしくは反射率に関する制約条件により
適当な変換行列を計算し、その変換行列を処理結果に施
すことによって、その対象物の相対的な反射率や面の向
きおよび相対的な光源の明るさや光源方向を抽出する画
像処理手段とを含んで構成される。
【0013】
【作用】この発明に係る物体および光源情報抽出方法
は、異なった光源方向により照明される対象物を撮像し
た各画像から、その画像強度データからなる画像行列を
構成して、その画像行列を特異値分解を用いて2組の2
行列の積の形に分解し、そのうちの1組を選択したう
え、その処理結果から、光源の明るさもしくは反射率に
関する制約条件により適当な変換行列を計算し、その変
換行列を処理結果に施すことにより、事前に光源の明る
さやその方向を与えなくても、3次元物体の相対的な面
の向きや反射率を精度よく求めることができる。
【0014】また、事前に光源の明るさやその方向を与
えないという点から言えば、異なった光源方向により照
明される対象物を撮像した複数の画像から、それらの相
対的な光源の明るさや方向を抽出することができる。
【0015】さらに、異なった光源方向により照明され
る対象物を撮像した複数の画像において、いずれか1枚
にでも影の領域が存在する場合に、前述の特異値分解に
よる分解および分解結果の選択処理において、その前処
理として、画像平面座標に領域を設定し、設定した領域
が影となる画像のすべての画像強度データを画像行列か
ら削除して、その結果得られた画像行列から常に影とな
らない座標点の画像強度データのみで、影の領域を含ま
ない画像小行列を構成したうえに、後処理として、残さ
れた影の領域を含む画像小行列と得られた相対的な光源
の明るさや方向から、相対的な反射率や面の向きが未知
である座標点について計算することにより、撮像された
複数画像の中で影となる部分があっても、3次元物体の
相対的な面の向きや反射率を精度よく求めることができ
る。
【0016】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の概略ブロック図
である。図1において、対象物の一例としての円筒1は
光源2によって照明され、撮像手段としてのテレビカメ
ラ4によって円筒1が撮像される。テレビカメラ4で撮
像された画像は画像処理装置5に与えられて処理され
る。光源2は移動装置3によって対象物との相対的な位
置が制御される。ただし、光源2の移動においては精度
が不要であるため、手動により適当に動かしてもよくあ
るいは太陽のように制御できない光源を用いてもよい。
画像処理装置5と移動装置3はCPU6によって制御さ
れるとともに、CPU6によって円筒1の物体情報およ
び光源2の光源情報を抽出するための処理が実行され
る。
【0017】図2〜図7はこの発明の一実施例の動作を
説明するためのフロー図であり、特に、図2は全体の流
れを示し、図3は図2に示したステップ(図示ではSP
と略称する)SP1の具体的なフローを示し、図4はス
テップSP2の具体的なフローを示し、図5および図6
はステップSP3の具体的なフローを示す。さらに、異
なった光源方向により照明される円筒1を撮像した複数
の画像において、どれか1枚にでも影の領域が存在する
場合のステップSP2の具体的なフローを図7に示す。
【0018】次に、図1〜図7を参照して、この発明の
一実施例の具体的な動作について説明する。図1に示し
たテレビカメラ4は光源2の照明の下で円筒1を撮像
し、その撮像出力を画像処理装置5に与える。画像処理
装置5は撮像された画像を処理してCPU6に与える。
CPU6は移動装置3に指令信号を出力し、光源2を任
意に移動させる。これらの動作を繰返し、テレビカメラ
4は円筒1を異なった光源方向のもとで順次撮像する。
なお、手動により光源2を移動させる場合や太陽のよう
に制御できない光源を用いる場合には、光源を移動させ
ている間もしくは動いている間、連続的もしくは適当な
間隔で複数の画像を撮像すればよい。
【0019】CPU6は図2に示すステップSP1にお
いて、画像処理装置5から各画像信号を取込み、画像行
列なるものを生成する。そして、ステップSP2におい
て、CPU6はその画像行列を特異値分解を用いて2組
の2行列の積の形に分解し、その1組を選択する。さら
に、CPU6はステップSP3において、ステップSP
2の処理結果から、光源2の明るさもしくは円筒1の反
射率に関する条件により適当な変換行列を計算し、その
変換行列をステップSP2の処理結果に施す。なお、異
なった光源方向により照明される円筒1を撮像した複数
の画像において、どれか1枚にでも影の領域が存在する
ときには、ステップSP2において、前処理と後処理を
追加することにする。
【0020】上述の各ステップの動作についてより詳細
に説明する。図2に示したステップSP1の具体的な処
理は図3に示されている。図3に示すステップSP11
において、インデックス変数kが0に初期化される。ス
テップSP12において、テレビカメラ4から画像信号
が画像処理装置5に読込まれ、画像データimage−
kとされる。なお、撮像された1枚の画像はn個(ただ
し、n≧6)の座標点をもった画像サイズとし、画像デ
ータを構成するときに、光源2を点灯していない状態で
撮像した画像強度の値の分だけ、撮像された画像強度か
ら差し引くものとする。このようにして得られた画像デ
ータimage−kはCPU6に与えられる。
【0021】ステップSP13は異なる光源方向の照明
のもとでの円筒1を撮像するための処理であり、CPU
6は移動装置3に命令を出し、光源2を移動させる。そ
れに伴い、ステップSP14においてインデックス変数
たるkをインクリメントする。CPU6はステップSP
15においてインデックス変数kがm(ただし、m≧
6)になったか否かを判別し、インデックス変数kがm
でなければステップSP12に戻り、上述のステップS
P12〜14の処理を繰返す。
【0022】インデックス変数kがmになるまで処理を
繰返し、n個の座標点をもったm枚の画像データが得ら
れた後に、ステップSP16において、次の第(1)式
に示す画像行列Iを生成する。なお、この行列の各行は
画像の各座標点に、各列は1つの光源方向の照明のもと
での各画像に対応している。
【0023】
【数1】
【0024】最後に、ステップSP17において、得ら
れた画像行列Iの階数が3以上であることを計算により
確認し、ステップSP1の動作を終了する。なお、階数
が2以下の場合には、ステップSP2以降の処理を行な
わず、エラーメッセージを出力し、全体の動作を終了す
る。
【0025】上述のステップSP1で生成された画像行
列Iは、観測している物体の表面を近似的に拡散反射面
とみなすことによって、次の第(2)式の関係式を満た
す。
【0026】
【数2】
【0027】上述のNは面特性行列と呼び、Sは光源特
性行列と呼ぶ。面特性行列Nの行ベクトルを各座標点に
関する面特性ベクトルと呼び、その大きさは反射率に対
応し、その方向は面の法線方向に対応する。また、光源
特性行列Sの列ベクトルを各画像に関する光源特性ベク
トルと呼び、その大きさは光源の明るさに対応し、その
方向は光源方向に対応する。以下で説明するステップS
P2の画像行列の分解1およびステップSP3の画像行
列の分解2は、このような面特性行列N,光源特性行列
Sを一意的に求めるための処理となっている。
【0028】次に、図4を参照して、ステップSP2の
画像行列の分解1の処理について説明する。まず、ステ
ップSP21において、画像行列Iがn≧mであるとし
たとき、特異値分解を画像行列Iに施すことによって、
次のような(n,m)行列U,(m,m)の非負の対角
化行列Σ,(m,m)行列Vを求める。なお、n<mの
ときには予め転置行列を計算し、面特性行列Nと光源特
性行列Sを以下すべて入れ替えて、同様の処理を行なえ
ばよい。
【0029】
【数3】
【0030】さらに、特異値分解により得られた3つの
行列U,Σ,Vから、それぞれの小行列U′,Σ′,
V′を次のように抽出する。
【0031】
【数4】
【0032】そして、ステップSP22において、2組
の仮の面特性行列N′と仮の光源特性行列S′を次のよ
うに計算する。
【0033】
【数5】
【0034】続いて、ステップSP23において、これ
らの2組の行列の積から1組を選択する。この選択を行
なうための前提条件として、同一平面上にない3つの光
源方向ベクトル、もしくは面の法線ベクトルの相対関係
がわかっていなければならない。ここでの相対関係と
は、方向を表わす3つのベクトルのうちの1つをz軸方
向の単位ベクトルと一致させた任意の座標系で、他の2
つの方向を表わすベクトルのxy成分の符号が明確に定
義できる場合を指す。
【0035】以下、簡単のために、光源方向ベクトルの
相対関係がわかっている場合について述べる。まず、光
源に関する2つの解の行列S′の中から、相対関係のわ
かっている光源の計算結果のみを取出して行列を構成
し、その行列式を計算する。そして、実際の相対関係か
ら得られる行列式の符号と照らし合わせて、符号の一致
する解の行列S′を選択する。ただし、実際の相対関係
においては、方向ベクトルのxy成分の符号のみがわか
っているので、その符号で行列式の符号が決まるよう
に、座標系を決定する必要がある。
【0036】なお、3つの方向ベクトルのすべての組合
せの場合について、行列式の符号が方向ベクトルのxy
成分の符号のみで決定できることは別途確認済みであ
る。もちろん、面の向きに関する行列N′は選ばれた
S′と組になっているものを選択する。なお、3つの面
の法線のベクトルの相対関係がわかっている場合も、同
様の処理を行なう。
【0037】次に、図5および図6を参照して、ステッ
プSP3の画像行列の分解2の処理について説明する。
撮像した複数の画像において、6枚以上の画像の光源の
明るさが一定もしくはそれらの比がわかっている場合に
は図5による処理を行ない、6点以上の座標点の反射率
が一定もしくはそれらの比がわかっている場合には図6
による処理を行なう。
【0038】まず、図5による光源の明るさが一定もし
くはそれらの比がわかっている場合の処理について説明
する。ステップSP31において、ステップSP2の画
像行列の分解1の処理で得られた仮の光源特性行列S′
から、光源の明るさが一定もしくはそれらの比がわかっ
ている画像の光源特性ベクトルs′のみを取出す。そし
て、光源の明るさが一定の場合には、次の方程式を構成
する。ただし、行列Aは求めたい(3,3)の変換行列
である。
【0039】
【数6】
【0040】なお、光源の明るさの比がわかっている場
合には、第(6)式の右辺をすべて1にする代わりに、
それぞれそれらの比の値を設定するが、以下簡単のため
に一定の場合について説明する。この式は(3,3)の
対称行列B=AT Aを用いれば、
【0041】
【数7】
【0042】と書き直すことができる。よって、行列B
の各要素を線形最小二乗法で求め、得られた行列Bにつ
いて次のように特異値分解を施し、変換行列Aを求め
る。
【0043】
【数8】
【0044】続いて、ステップSP32において、仮の
光源特性行列S′と変換行列Aから真の光源特性行列S
を次のように計算する。
【0045】
【数9】
【0046】さらに、ステップSP33において、仮の
面特性行列N′と変換行列の逆行列A-1から、真の面特
性行列Nを次のように計算する。
【0047】
【数10】
【0048】次に、図6による反射率が一定もしくはそ
れらの比がわかっている場合の処理について説明する。
ステップSP31′において、ステップSP2の画像行
列の分解1の処理で得られた仮の面特性行列N′から、
反射率が一定もしくはそれらの比がわかっているような
座標点の面特性ベクトルn′のみを取出す。そして、反
射率が一定の場合には、次の方程式を構成する。ただ
し、行列Aは求めたい(3,3)の変換行列である。
【0049】
【数11】
【0050】なお、反射率の比がわかっている場合に
は、第(12)式の右辺をすべて1にする代わりに、そ
れぞれそれらの比の値を設定するが、以下簡単のため
に、一定の場合について説明する。この式は(3,3)
の対称行列B=AAT を用いれば、
【0051】
【数12】
【0052】と書き直すことができる。よって、行列B
の各要素を線形最小二乗法で求め、次のようにして、得
られた行列Bについて特異値分解を施し、変換行列Aを
求める。
【0053】
【数13】
【0054】続いて、ステップSP32′において、仮
の面特性行列N′と変換行列Aから、真の面特性行列N
を次のように計算する。
【0055】N=N′A…(16) さらに、ステップSP33′において、仮の光源特性行
列S′と変換行列の逆行列A-1から、真の光源特性行列
Sを次のように計算する。
【0056】S=A-1S′…(17) これら2つの場合のどちらかによる処理が終了した時点
で、ステップSP3の処理を終え、全体の処理を終了す
る。なお、テレビカメラ4の座標系で表わされる面の向
きや光源方向が2つ以上わかっている場合には、求めら
れたすべての相対的な面の向きや光源方向をカメラ4の
座標系に合うような絶対的なものに変換することができ
る。
【0057】以上説明した実施例は、撮像した複数画像
の中に影の領域が全く存在しない場合である。以下、図
7を参照して、異なった光源方向により照明される円筒
1を撮像した複数の画像において、どれか1枚にでも影
の領域が存在するときのステップSP2の具体的な処理
を説明する。ただし、ステップSP1およびステップS
P3は同じ処理を行なうものとする。
【0058】まず、ステップSP21′において、画像
平面にある領域を設定する。ただし、設定した領域の座
標点の中で、少なくとも3点の面の法線ベクトルは同一
平面上にないようにする。次に、ステップSP22′に
おいて、撮像されたm枚の画像から、設定領域の一部で
も影となる画像データimage−kを画像行列Iから
削除する。ただし、削除した後得られた画像行列Iを構
成する複数の画像データの枚数はm′枚(ただし、m≧
m′≧6)で、それらを構成する光源方向ベクトルのう
ち、少なくとも3つは同一平面上にはないようにする。
【0059】そして、ステップSP23′において、
(n,m′)の画像行列Iから、常に影とならない座標
点の画像データのみで、影の領域を含まない(f,
m′)の画像小行列I1 を構成する。ただし、n≧f≧
6で、この画像小行列I1 を構成する、同一平面上にな
い3つの光源方向ベクトルもしくは面の法線ベクトルの
相対関係がわかっているものとする。
【0060】ステップSP24′では、得られた画像小
行列I1 に特異値分解を施す。処理方法はステップSP
21と全く同じである。続いて、ステップSP25′で
2組の仮の面特性小行列と光源特性行列を計算する。処
理方法はステップSP22と全く同じである。さらに、
ステップSP26′で得られた2組の仮の面特性小行列
と光源特性行列から1組を選択する。処理方法はステッ
プSP23と全く同じである。この段階で、f個の面の
特性を表わす仮の面特性小行列とm′個の光源特性を表
わす仮の光源特性行列が得られる。
【0061】最後に、ステップSP27′において、得
られたm′個の光源特性を表わす光源特性行列と影の領
域を含む(n−f,m′)の画像小行列I2 から、n−
f個の未知の面特性ベクトルについて計算する。第
(2)式より、 I2 =N2 S…(18) となり、画像小行列I2 と光源特性行列Sはわかってい
るので、各座標点の面特性ベクトルに関して、それぞれ
線形最小二乗法を施せば、n−f個の未知の面特性ベク
トルを決定することができる。ただし、求めたい面特性
ベクトルに関する、影でない画像データが3つ以上ない
場合には、その部分は求めることができない。最後に、
既に求められているf個の面特性ベクトルと組合わせる
ことによって、全体のn個の面特性行列を構成すること
ができる。以上のようにして、撮像した複数の画像にお
いて、どれか1枚にでも影の領域が存在するときのステ
ップSP2の具体的な処理を終了する。
【0062】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、異な
った光源方向により照明される対象物を撮像して複数の
画像を処理し、各画像からその画像強度データからなる
画像行列を構成して、その画像行列を特異値分解を用い
て2組の2行列の積の形に分解し、そのうちの1組を選
択したうえ、その処理結果から光源の明るさもしくは反
射率に関する条件により適当な変換行列を計算し、その
変換行列を処理結果に施すことにより、事前に光源の明
るさやその方向を与えなくても、3次元物体の相対的な
面の向きや反射率を精度よく求めることができる。ま
た、事前に光源の明るさやその方向を与えないという点
から言えば、異なった光源方向により照明される対象物
を撮像した複数の画像から、それらの相対的な光源の明
るさや方向を抽出することができることになる。
【0063】さらに、異なった光源方向により照明され
る対象物を撮像した複数の画像において、どれか1枚に
でも影の領域が存在する場合に、前述の特異値分解によ
る分解および分解結果の選択処理において、その前処理
として、画像平面座標に領域を設定し、設定した領域が
影となる画像のすべての画像強度データを画像行列から
削除して、その結果得られた画像行列から常に影となら
ない座標点の画像強度データのみで、影の領域を含まな
い画像小行列を構成したうえに、後処理として、影の領
域を含む画像小行列と得られた相対的な光源の明るさや
方向から、相対的な反射率や面の向きが未知である座標
点について計算することにより、撮像された複数画像の
中で影となる部分があっても、3次元物体の相対的な面
の向きや反射率を精度よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の概略ブロック図である。
【図2】この発明の一実施例による物体および光源情報
抽出方法を示す全体のフロー図である。
【図3】図2に示した全体のフロー図のステップSP1
の詳細を示すフロー図である。
【図4】図2に示した全体のフロー図のステップSP2
の詳細を示すフロー図である。
【図5】図2に示した全体のフロー図のステップSP3
の詳細を示すフロー図である。
【図6】図2に示した全体のフロー図のステップSP3
の詳細を示すフロー図である。
【図7】撮像した複数の画像において影の領域が存在す
るときの、図2に示した全体のフロー図のステップSP
2の詳細を示すフロー図である。
【図8】従来の物体情報抽出方法の原理を説明するため
の図である。
【図9】従来の物体情報抽出方法の原理を説明するため
の図である。
【図10】従来の物体情報抽出方法を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 対象物体 2 光源 3 移動装置 4 テレビカメラ 5 画像処理装置 6 CPU

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なった光源方向により照明される対象
    物を撮像した複数の画像を処理し、該対象物の相対的な
    反射率や面の向きおよび相対的な光源の明るさや光源方
    向を抽出する物体および光源情報抽出方法であって、 前記各画像から、その画像強度データからなる画像行列
    を構成する第1のステップと、 前記第1のステップで構成された画像行列を特異値分解
    を用いて2組の2行列の積の形に分解し、その1組を選
    択する第2のステップと、 前記第2のステップの処理結果から、光源の明るさもし
    くは反射率に関する制約条件により適当な変換行列を計
    算し、その変換行列を前記第2のステップの処理結果に
    施すことによって、該対象物の相対的な反射率や面の向
    きおよび相対的な光源の明るさや光源方向を抽出する第
    3のステップを含む、物体および光源情報抽出方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のステップは、前記各画像のい
    ずれか1つにでも影の領域が存在する場合に、前処理と
    して、 画像平面座標に領域を設定するステップと、 前記設定した領域が影となる画像のすべての画像強度デ
    ータを前記画像行列から削除するステップと、および前
    記画像行列から常に影とならない座標点の画像強度デー
    タのみで、影の領域を含まない画像小行列を構成するス
    テップを含み、 後処理として、前記画像行列から前記影の領域を含まな
    い画像小行列を除いた影の領域を含む画像小行列と得ら
    れた相対的な光源の明るさや方向から、相対的な反射率
    や面の向きが未知の座標点について計算するステップを
    含む、請求項1の物体および光源情報抽出方法。
  3. 【請求項3】 異なった光源方向により照明される対象
    物を撮像した複数の画像を処理し、該対象物の相対的な
    反射率や面の向きおよび相対的な光源の明るさや光源方
    向を抽出する物体および光源情報抽出装置であって、 前記対象物の画像を撮像する撮像手段、 前記対象物と前記光源の相対的位置関係を変化させる光
    源移動手段、および前記撮像手段によって撮像された異
    なった光源方向からの画像からその画像強度データから
    なる画像行列を特異値分解を用いて2組の2行列の積の
    形に分解し、その1組を選択したうえ、その処理結果か
    ら、光源の明るさもしくは反射率に関する制約条件によ
    り適当な変換行列を計算し、その変換行列を処理結果に
    施すことにより、前記対象物の相対的な反射率や面の向
    きおよび相対的な光源の明るさや光源方向を抽出する画
    像処理手段を備えた、物体および光源情報抽出装置。
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