JPH06341425A - エンジンのコンロッド構造およびその製造方法 - Google Patents

エンジンのコンロッド構造およびその製造方法

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JPH06341425A
JPH06341425A JP13350293A JP13350293A JPH06341425A JP H06341425 A JPH06341425 A JP H06341425A JP 13350293 A JP13350293 A JP 13350293A JP 13350293 A JP13350293 A JP 13350293A JP H06341425 A JPH06341425 A JP H06341425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connecting rod
small end
bush
piston pin
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13350293A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneyasu Nohara
常靖 野原
Shunichi Aoyama
俊一 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP13350293A priority Critical patent/JPH06341425A/ja
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンピンに対する軸受隙間を適正に保つ
エンジンのコンロッド構造を提供する。 【構成】 コンロッド小端部2にピストンピン4に対す
る軸受面12を有するコンロッドブッシュ5を圧入し、
コンロッドブッシュ5をコンロッド小端部2より熱膨張
率の小さい材質で形成し、かつコンロッド小端部2の肉
厚を、コンロッド長手方向と直交する側部2bからコン
ロッド長手方向に位置する上部2aにかけて次第に小さ
く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのコンロッド
構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンロッドはピストンの往復動をクラン
クシャフトの回転運動に変換する働きをするため、エン
ジンの振動や騒音を抑えるうえで、コンロッド長手方向
の軸受隙間を適正に維持するという要求がある。
【0003】従来のコンロッド構造としては、例えば図
4に示すようなものがある(実開昭2−62113号公
報、参照)。
【0004】アルミ合金を材質として形成されるコンロ
ッド1はピストンピン4に連結される小端部2と、クラ
ンクシャフト7のクランクピン8に連結される大端部3
と、両者を結ぶロッド部6とを有する。
【0005】周方向に略一定の肉厚を持つコンロッド小
端部2にはコンロッドブッシュ5が圧入され、ピストン
ピン4に対する軸受面を有するコンロッドブッシュ5は
鋼材により円筒形に形成される。
【0006】環状のコンロッド小端部2は、ロッド部6
の上端に結合され、周方向に略一定の肉厚を持ってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のコン
ロッド構造は、アルミ合金を材質とするコンロッド1は
鋼材を材質とするピストンピン4に対して熱膨張率が大
きいため、エンジン運転中にコンロッド1およびピスト
ンピン4の温度が上昇するのに伴って、コンロッドブッ
シュ5とピストンピン4間の軸受隙間が周方向について
略均等に膨張し、コンロッド長手方向における軸受隙間
の増大によりメタル打音が発生し、エンジンの騒音や振
動が大きくなるという問題点があった。
【0008】本発明は上記の問題点に着目し、ピストン
ピンに対する軸受隙間を適正に保つエンジンのコンロッ
ド構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ピストンピンを介してピストンに連結される小端部と、
クランクシャフトに連結される大端部と、小端部と大端
部を結ぶロッド部とを備えたエンジンのコンロッドにお
いて、コンロッドの小端部にピストンピンに対する軸受
面を有するコンロッドブッシュを圧入し、コンロッドブ
ッシュをコンロッドの小端部より熱膨張率の小さい材質
で形成し、かつコンロッドはその小端部の肉厚がコンロ
ッド長手方向と直交する側部からコンロッド長手方向に
位置する上部にかけて次第に小さくなるように形成す
る。
【0010】請求項2記載の発明は、このコンロッド構
造の製造方法において、前記コンロッドに前記コンロッ
ドブッシュを圧入した後に、エンジン運転中より低い温
度でコンロッドブッシュの軸受面を仕上げ加工する。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明において、コンロッドブッ
シュの圧入によりコンロッド小端部は径方向に拡がる変
形をするが、この変形に対するコンロッド小端部の剛性
は、その肉厚の小さい上部よりその肉厚の大きい側部の
方が高いため、コンロッドブッシュの圧入に伴って生じ
るコンロッド長手方向の変形量Δy1がコンロッド長手
方向と直交する方向の変形量Δx1より大きく、Δy1
Δx1の関係となっている。
【0012】エンジンの運転中にコンロッドおよびコン
ロッドブッシュが温度上昇するのに伴って、コンロッド
小端部はコンロッドブッシュより大きく熱膨張し、コン
ロッド小端部に対するコンロッドブッシュの圧入代は減
少する。
【0013】ここで、コンロッド長手方向をY−Y方
向、コンロッド長手方向と直交する方向をX−X方向と
決めたときに、コンロッド小端部の熱膨張量はX−X方
向とY−Y方向が等しいが、剛性、すなわち弾性係数は
X−X方向の方がY−Y方向よりも大きいため、同じだ
け圧入代が減少しても、X−X方向の方がY−Y方向よ
りも大きくなる。
【0014】エンジン運転中の高温時において、コンロ
ッドブッシュの圧縮応力の減少分は、X−X方向がY−
Y方向よりも大きくなるため、コンロッドブッシュはX
−X方向により大きく拡径する変形を起こす。すなわ
ち、常温下において真円になっていた軸受面はX−X方
向に偏平となる楕円形になる。一方、Y−Y方向の応力
の減少分は少ないため、軸受面のY−Y方向への拡径量
は小さい。
【0015】このように、コンロッド小端部の熱膨張に
より、ピストンピンとの軸受隙間がコンロッド長手方向
で拡大することが抑えられることにより、ピストンピン
とコンロッドブッシュの間でメタル打音が発生すること
を防止できる。
【0016】エンジン運転中の高温時において、コンロ
ッド長手方向の軸受隙間は小さくても、コンロッド長手
方向と直交する方向には熱膨張による軸受隙間が大きく
なり、高速運転時の潤滑条件の厳しいときも、この軸受
隙間から漏れ出る潤滑油量を大きくして、熱交換を促進
して、ピストンピンの軸受部の冷却性を高めることがで
きる。
【0017】請求項2記載の発明においては、コンロッ
ドにコンロッドブッシュを圧入した後に、エンジン運転
中より低い温度でコンロッドブッシュが変形した状態で
その軸受面を仕上げ加工することにより、コンロッドブ
ッシュの軸受面の寸法精度を確保することが容易にでき
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0019】図1に示すように、コンロッド1はピスト
ンピン4に連結される小端部2と、クランクシャフト7
のクランクピン8に連結される大端部3と、両者を結ぶ
ロッド部6とを有する。
【0020】コンロッド1の大端部3には半割り形に分
割されたキャップ9がボルト10を介して締結され、コ
ンロッド大端部3とクランクピン8の間には半割り形に
分割された一対の軸受メタル11が介装される。
【0021】コンロッド小端部2にはコンロッドブッシ
ュ5が圧入される。コンロッドブッシュ5は円筒形に形
成され、その内周面にクランクピン4に対する軸受面1
2が形成される。
【0022】コンロッドブッシュ5の軸受面12とピス
トンピン4の間には所定の軸受隙間が設けられ、ピスト
ンピン4はこの軸受隙間に形成される潤滑油膜を介して
フローティング支持される。この軸受隙間はコンロッド
1およびクランクシャフト10の内部に形成された油通
路を介してオイルポンプの吐出側に連通している。
【0023】コンロッド1は軽量化のためにアルミ合金
を材質として形成される一方、軸受メタル11およびコ
ンロッドブッシュ5は耐摩耗性および潤滑性を確保する
ために鋼材により形成される。
【0024】コンロッド小端部2はピストンピン4を嵌
合させる円筒状に形成される。コンロッド小端部2の肉
厚は、コンロッド長手方向と直交する側部2bからコン
ロッド長手方向に位置する上部2aにかけて次第に小さ
く形成される。すなわち、コンロッド小端部2の側部2
bの肉厚をL2、上部2aの肉厚をL1とすると、L2
1の関係に設定される。
【0025】コンロッド1の製造方法として、エンジン
運転中より低い温度として例えば20°Cでコンロッド
小端部2にコンロッドブッシュ5を圧入した後に、同じ
く20°Cでコンロッドブッシュ5のピストンピン4に
対する軸受面12を真円にする仕上げ加工が施される。
【0026】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0027】図3は、コンロッド長手方向をY−Y方
向、コンロッド長手方向と直交する方向をX−X方向と
決めたときに、温度に応じた軸受隙間の変化状況をX−
X方向とY−Y方向について測定した結果を示す。
【0028】20°Cの常温下で軸受面12が真円にな
っている状態において、コンロッド小端部2にコンロッ
ドブッシュ5が圧入されることにより、コンロッド小端
部2は径方向に拡がる変形をしている。この変形に対す
るコンロッド小端部2の剛性は、その肉厚がL1と小さ
い上部2aよりその肉厚がL2と大きい側部2bの方が
高いため、コンロッドブッシュ5の圧入に伴って生じる
Y−Y方向の変形量Δy1がX−X方向の変形量Δx1
り大きく、Δy1>Δx1の関係となっている。このコン
ロッドブッシュ5はX−X方向の方がY−Y方向より高
い圧縮応力で圧入されている。
【0029】エンジンの運転中にコンロッド1およびコ
ンロッドブッシュ5が温度上昇するのに伴ってコンロッ
ド小端部2はコンロッドブッシュ5より大きく熱膨張
し、コンロッド小端部2に対するコンロッドブッシュ5
の圧入代は減少する。ここで、コンロッド小端部2の熱
膨張量はX−X方向とY−Y方向が等しいが、剛性、す
なわち弾性係数はX−X方向の方がY−Y方向よりも大
きいため、同じだけ圧入代が減少しても、X−X方向の
方がY−Y方向よりも大きくなる。
【0030】エンジン運転中の200°Cの高温下にお
いて、コンロッドブッシュ5の圧入に伴うコンロッドブ
ッシュ5の圧縮応力の減少分は、X−X方向がY−Y方
向よりも大きくなるため、コンロッドブッシュ5はX−
X方向により大きく拡径する変形を起こす。すなわち、
常温下で真円になっていた軸受面12はX−X方向に偏
平となる楕円形になる。一方、Y−Y方向の応力の減少
分は少ないため、軸受面12のY−Y方向への拡径量は
小さい。
【0031】このように、コンロッド小端部2の熱膨張
により、ピストンピン4との軸受隙間がコンロッド長手
方向で拡大することが抑えられることにより、ピストン
ピン4とコンロッドブッシュ5の間でメタル打音が発生
することを防止できる。
【0032】高温時において、Y−Y方向の軸受隙間は
小さくても、X−X方向には熱膨張による軸受隙間が大
きくなり、高速運転時の潤滑条件の厳しいときも、この
軸受隙間から漏れ出る潤滑油量を大きくして、熱交換を
促進して、ピストンピン4の軸受部の冷却性を高めるこ
とができる。
【0033】また、コンロッド1にコンロッドブッシュ
5を圧入した後に、エンジン運転中より低い温度でコン
ロッドブッシュ5が変形した状態でその軸受面12を真
円に仕上げ加工することにより、軸受面12の寸法精度
を容易に確保することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、ピストンピンを介してピストンに連結される小端部
と、クランクシャフトに連結される大端部と、小端部と
大端部を結ぶロッド部と、ピストンピンに対する軸受面
に潤滑油を導く油通路とを備えたエンジンのコンロッド
において、コンロッドの小端部にピストンピンに対する
軸受面を有するコンロッドブッシュを圧入し、コンロッ
ドブッシュをコンロッドの小端部より熱膨張率の小さい
材質で形成し、かつコンロッドの小端部の肉厚を、コン
ロッド長手方向と直交する側部からコンロッド長手方向
に位置する上部にかけて次第に小さく形成したため、コ
ンロッド小端部の熱膨張により、ピストンピンとの軸受
隙間がコンロッド長手方向で拡大することが抑えられる
ことにより、ピストンピンとコンロッドブッシュの間で
メタル打音が発生することを防止でき、エンジンの騒音
や振動を低減することができる。
【0035】請求項2記載の発明は、コンロッドにコン
ロッドブッシュを圧入した後に、エンジン運転中より低
い温度でコンロッドブッシュが変形した状態でその軸受
面を仕上げ加工することにより、軸受面の寸法精度を確
保することが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すコンロッド等の正面図。
【図2】同じくコンロッド小端部等の正面図。
【図3】同じくコンロッドの温度と軸受隙間の関係を示
す特性図。
【図4】従来例を示すコンロッド等の正面図。
【符号の説明】
1 コンロッド 2 コンロッド小端部 2a 上部 2b 側部 4 ピストンピン 5 コンロッドブッシュ 12 軸受面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンピンを介してピストンに連結さ
    れる小端部と、クランクシャフトに連結される大端部
    と、小端部と大端部を結ぶロッド部とを備えたエンジン
    のコンロッドにおいて、コンロッドの小端部にピストン
    ピンに対する軸受面を有するコンロッドブッシュを圧入
    し、コンロッドブッシュをコンロッドの小端部より熱膨
    張率の小さい材質で形成し、かつコンロッドはその小端
    部の肉厚がコンロッド長手方向と直交する側部からコン
    ロッド長手方向に位置する上部にかけて次第に小さくな
    るように形成したことを特徴とするエンジンのコンロッ
    ド構造。
  2. 【請求項2】 前記コンロッドに前記コンロッドブッシ
    ュを圧入した後に、エンジン運転中より低い温度でコン
    ロッドブッシュの軸受面を仕上げ加工することを特徴と
    する請求項1記載のコンロッド構造の製造方法。
JP13350293A 1993-06-03 1993-06-03 エンジンのコンロッド構造およびその製造方法 Pending JPH06341425A (ja)

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