JPH06340928A - 冷却ロール及びそれを使用したロール冷却設備 - Google Patents

冷却ロール及びそれを使用したロール冷却設備

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JPH06340928A
JPH06340928A JP5152636A JP15263693A JPH06340928A JP H06340928 A JPH06340928 A JP H06340928A JP 5152636 A JP5152636 A JP 5152636A JP 15263693 A JP15263693 A JP 15263693A JP H06340928 A JPH06340928 A JP H06340928A
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JP
Japan
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cooling
roll
strip
water
metal
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JP5152636A
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English (en)
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Shuho Kobayashi
秀峰 小林
Kazunori Hashimoto
和範 橋本
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属の冷却を行った時に、該金属の材質不均
一が生じることのない冷却ロール及びそれを使用したロ
ール冷却設備の構成を提案せんとするものである。 【構成】 各冷却ロール#1〜#7とも、冷媒通路である通
水路を形成した内筒1aと焼き嵌めによってその周りに固
定された外筒1bからロール本体が構成されており、この
うち内筒1a側に形成された通水路は、γ1〜γ6の6条が
各平行にしかもロール軸方向にスパイラル状に周設され
ている。また各冷却ロール#1〜#7の通水路における冷却
水の流れの方向を1本毎に反転させて該冷却水を供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属帯に接触するハ
ースロール(特に連続焼鈍炉のロールクゥエンチ用の冷
却ロール)や、連続鋳造設備等において凝固シェルに接
触するロール用に最適な冷却ロール及びそれを使用した
ロール冷却設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年金属(連続鋳造における凝固シェル
を含む)に対する冷却効率が高く且つ冷却終了温度の制
御性が良いことから、内部を冷却した所謂冷却ロールを
該金属に接触せしめて冷却するロール冷却設備が、連続
焼鈍炉の急冷設備や連続鋳造設備等において用いられる
ようになった。
【0003】連続焼鈍炉のロールクエンチ用に用いられ
る冷却ロールには、これを構成する内筒と外筒の間にリ
ング状の隔壁がロール軸に直交する方向に複数設けら
れ、且つそれらの隔壁に通水用の小孔が多数穿設された
構造を有するものが用いられている。しかしその中に通
水された冷却水は、この隔壁に阻まれて流速が遅くな
り、排水される前に途中で沸騰してしまうことが多く、
そのためロールクエンチ用に用いることには問題があっ
た。このため図9に示されるような構造の冷却ロールが
それに代わって用いられている。該冷却ロールは、その
表面近くのロール内部に冷媒通路γをスパイラル状に1
条設け、その冷媒通路γの一端から中に冷却水等の冷媒
を流してロール表面を冷却し、そこに接触する金属帯か
ら熱を奪った後、他端から該冷媒を排出する。従ってこ
の冷媒の流速等の設定如何によっては非常に高い熱交換
率が得られ、また金属帯との接触長を変えることによ
り、冷却量の調整が容易にできる等、該冷却ロールは優
れた利点を有している。
【0004】図10は、上記冷却ロールを#1〜#7の計7
本使用し、これらを金属帯Xの表裏面に交互に接触させ
てその急冷を行うロール冷却設備の構成を示している。
該冷却ロール#1〜#7への冷媒の供給は、該設備の片側か
ら各ロールの冷媒通路γに流すことで行われ、高温とな
った冷媒は他側で回収されて冷媒熱交換器に送られ、そ
こで冷却されて再利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような冷却ロール
#1〜#7に冷却された金属帯Xには、通常その幅方向に図
11に示すW型の温度分布不均一を生じている。これ
は、パスライン方向に張力の付与された金属帯Xに冷却
ロールが押し込まれた時に該金属帯X両端部がめくれ上
がって所謂鞍型変形が生ずることと、該冷却ロール表面
にヒートクラウンが生ずることとが相俟って発生する現
象であると言われ、そのための解決方法が種々提案され
ている。確かにそれらの提案技術によって上記温度分布
不均一の解消が促進されることになったが、完全に解消
されたわけではなく、むしろ図12に示されるように、
両端部の温度偏差Δt1及び両クォータ部の温度偏差Δ
t2が増大し、温度分布不均一の状態が更に金属帯X幅
方向でシンメトリーでなくなってしまうため、それが顕
著な場合、ロール冷却設備内の張力で過冷却が金属帯X
の伸び形状の不均一を生じさせ、それが後続の処理炉内
で金属帯Xの蛇行を起こしたり、該金属帯Xの材質が不
均一になってしまったりすることになる。
【0006】本発明は、従来技術の以上のような問題に
鑑み創案されたもので、金属の冷却を行った時に、該金
属の材質不均一が生じることのない冷却ロール及びそれ
を使用したロール冷却設備の構成を提案せんとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため本発明は、内部
に冷媒通路を有し且つその表面に金属を接触させて該金
属を冷却する冷却ロールにおいて、該冷却ロールの冷媒
通路をスパイラル状にして多条設けたことを基本的特徴
としている。
【0008】また第2発明は、冷媒通路をスパイラル状
にして多条その内部に設けた冷却ロールを金属パスライ
ン方向に複数本設置し、且つこれらの表面に金属を接触
させて該金属を冷却するロール冷却設備であって、各冷
却ロールの冷媒通路における冷媒の流れの方向を1本毎
に反転させて該冷媒を供給することを特徴としている。
【0009】上述のように、通常の冷却ロールはロール
周面内部に設けられた冷媒通路が隔壁式の構成又は1条
式の構成であるので、該通路入側では十分温度の低い冷
媒も移動中に内部で自由に流れてその間金属帯と熱交換
し続け、その出側では交換熱量も略飽和状態になってお
り、水であれば沸騰直前の状態に達している。これに対
し本発明では、冷媒通路を多条にしてスパイラル状に設
けたため、必要冷却量に対する冷媒通路の各長さを短く
でき、該冷媒通路を流れる各々の冷媒の交換熱量を少な
くすることができる。その結果各冷媒通路出側に近い端
部側ロール表面でも金属の冷却には十分効果があり、冷
却後該金属では温度分布が幅方向でシンメトリーな状態
となる。
【0010】また金属パスライン方向に冷却ロールが複
数本並んでいる場合に、どの冷却ロールにも冷媒が同一
の側から供給されて他方の側から排出されるという従来
構成のロール冷却設備では、冷媒通路入側に近い端部側
ロール表面と出側に近い端部側ロール表面との間の温度
勾配が各冷却ロールで同一方向に生じてしまう。これに
対し本第2発明では、各冷却ロールの冷媒通路における
冷媒の流れの方向を1本毎に反転させて供給しているた
め、上記温度勾配がロール1本毎に逆になり且つ次第に
小さくなって、従って後段の冷却ロールではその温度勾
配自身もなくなる。
【0011】
【実施例】以下本発明の具体的実施例を添付図面に基づ
き説明する。図1は、本願第2発明のロール冷却設備の
一実施例構成を備えたストリップXの連続焼鈍炉ライン
構成を示す概略図である。
【0012】本実施例構成では、ストリップXはペイオ
フリール700によって巻戻され、入側剪断機701によって
剪断された後、溶接機702によってその先行コイルと後
行コイルとが接続される。次に入側クリーニング設備70
3で電解脱脂された後、板形状矯正機たるテンションレ
ベラ704を経て、入側ルーパ705に達する。更に予熱炉70
6及び直火式還元加熱炉707に供給されて600℃〜75
0℃に昇温され、ラジアントチューブ式加熱炉708及び
ラジアントチューブ式均熱炉709で所定の温度まで加熱
後そのまま均熱され、ガスジェット冷却設備710で例え
ば600℃まで冷却されて、更に本願第2発明に係るロ
ール冷却設備10で350℃まで冷却される。続いて加熱
・冷却機能付き調整冷却設備として設けられた過時効処
理帯711及び急冷炉712を経て、水冷設備713及び乾燥設
備714で水冷・乾燥され、出側ルーパ715を経た後、調質
圧延機716で板表面の調質処理がなされ、表面欠陥計717
及び塗油機718で検査・塗油されて、出側剪断機719で所
定の長さに切断された後、テンションリール720によっ
て巻取られる。
【0013】以上の構成で、テンションレベラ704の構
成が直火式還元加熱炉707の前に設けられているが、そ
の設置理由につき以下に説明する。まず直火式還元加熱
炉707においてストリップXには酸化の問題が発生して
いたが、その酸化のメカニズムについては未だ解明され
ておらず、本発明者等は次のように考えている。即ち直
火式還元加熱炉707において形成されるバーナ炎にはス
トリップXの還元加熱に適した範囲の限定があり、その
特定範囲においてストリップXと接触しないと還元でき
るどころか、酸化が行われる。一方、直火式還元加熱炉
707において直火還元を1パス又は2パスで達成するた
めには、該炉内に備えられる上下ロールの間隔が少なく
とも20m以上必要であり、このように炉長が長いとそ
こを通るストリップXがそのロール間でバタツクことに
なる。またストリップXの形状には、その中央部に凹凸
や中伸び、端部に耳波等の形状不良が発生することがあ
り、ストリップX断面中央部浮上がりの程度を示すスト
リップ歪量aに対するストリップ幅wの比で示される急
峻度a/wが大きくなると、この形状不良は著しくな
る。その場合、炉内に備えられる上下ロールの間隔が少
なくとも20m以上あると上述のようにバタツク上に、
燃焼時にバーナ圧力を受けて、該ストリップXは大きく
うねることになる。このようなストリップXのうねりが
あると、それによってバーナ炎の前記適正範囲内でスト
リップXが該バーナ炎と接触しなくなり、局所的な酸化
の問題を発生するというものである。
【0014】一方ガスジェット冷却設備710では絞り発
生が問題となっており、またロール冷却設備10では不均
一冷却の問題も起きているが、これらは同じくストリッ
プXの形状不良に原因があると考えられる。これに対し
ストリップXの若干の形状不良に関しては、一定の張力
が掛けられた状態で直火急速加熱炉でバタツキもなく均
一に加熱されると、その形状不良が修正され、或いは不
均一加熱による新たな形状不良の発生をなくすことがで
きるということが分かっている。しかしストリップXの
幅方向の所定箇所に発生する伸びに関してはなかなか直
らず、そのままガスジェット冷却設備710に通板される
と、そこで絞りを生じ、またロール冷却設備10に運ばれ
た場合、該伸びの部分がロール表面に十分接触しないか
或いは非接触の状態となり、最終冷却後の板幅方向の温
度分布を均一化することが困難になって、板幅方向の材
質のバラツキや絞り・蛇行発生を生じているものと推測
される。
【0015】更にラジアントチューブ式加熱・均熱炉70
8及び709ではラジアントチューブとストリップXとが接
触したり、急冷炉712ではガスジェットノズルと同じく
ストリップXとが接触する等の問題が発生している。こ
れらの問題もやはりストリップXの形状不良が原因であ
り、特に後者の問題は前記ガスジェット冷却設備710や
ロール冷却設備10で発生した絞り等により助長された形
状不良が引き金となったものと考えられる。
【0016】以上の様なことが原因となって上記の問題
が発生しているのならば、これらの熱処理設備の直前に
該ストリップXの形状矯正を行うテンションレベラ704
を設け、それによって形状矯正のなされたストリップX
を夫々熱処理することでこれらの問題は解決されること
になると、本発明者等は考えた。そこで直火急速加熱で
バタツキもなく均一加熱が実施されると形状不良改善に
効果があるという上記事実に鑑み、これを参考としてス
トリップXの形状矯正を実施してみたところ、直火式還
元加熱炉707の直前で一度ストリップXの形状矯正を行
えば、後続の設備では上述のような各問題の発生がなく
なることが更に明かとなった。以上が、本実施例におい
てテンションレベラ704が直火式還元加熱炉707の前に設
けられている理由である。
【0017】但しロール冷却設備10ではこのような形状
矯正を一度行っただけではストリップX板幅方向の温度
分布の均一化を達成することは困難であるので、本実施
例構成では、図2に示すように、冷却ロール#1〜#7と接
触しているストリップXの背面から冷媒を吹き付けるノ
ズルヘッダα1〜α7によるロール背面冷却と併せて実施
することにした。このうちノズルヘッダα1、α2は夫々
ストリップX幅方向に中央、左右の3つに分けて設けら
れ、またα3〜α7は左右の2つに分けて設置されてお
り、しかもこれらが該ストリップX幅方向とその表面に
直交する方向に移動できるようになっていて細かな調整
ができるようになっている。尚この背面冷却を行う場合
も冷媒の吹き付けに当たっては、該冷却ロール#1〜#7に
巻き付いたストリップXの背面近傍に該ノズルヘッダα
1乃至α7を十分近づけて行うのが通常であり、従前にス
トリップXの形状矯正が行われているため、該ノズルヘ
ッダα1乃至α7との接触の心配はない。
【0018】更に本実施例の構成では、該ロール冷却設
備10に用いられる冷却ロール#1〜#7の構造を、ロール断
面構造を示す図3及びそのロール展開状態を示す図4に
示されるような構造にすると共に、これらの冷却ロール
#1〜#7への冷却水の通水系統を図5に示すようなものと
した。
【0019】まず各冷却ロール#1〜#7とも、冷媒通路で
ある通水路γを形成した内筒1aと焼き嵌めによってその
周りに固定された外筒1bからロール本体が構成されてい
る。このうち内筒1a側に形成された通水路γは、図4に
示されるように、γ1〜γ6の6条が各平行にしかもロー
ル軸方向にスパイラル状に周設されている。
【0020】また以上の構造を有する冷却ロール#1〜#7
への通水系統は、図5に示されるように、冷却水給水管
2と冷却水排水管3とを共に2系統設け、冷却ロール#1〜
#7群の片側で一方の給水管2aと排水管3bとを1本おきに
配管し、またもう一方の側にそれらに対応する排水管3a
と給水管2bとが配管されていて、これらの給水・排水の
配管が前後の冷却ロールで夫々反対になるように連結さ
れている。そのため各冷却ロール#1〜#7の通水路γにお
ける冷却水の流れの方向を1本毎に反転させて供給でき
ることになる。
【0021】尚上記通水路は、本実施例ではγ1〜γ6の
6条であるが、この条数の一般的な決定の仕方を以下に
示す。まず通水路内に流す冷却水の流速は、高温となる
通水路出側付近の壁部分で、1.3〜4.0m/sec
となるように設定されなければならない。これは(1)熱
負荷の高い(巻付角の大きい)ロール冷却設備の冷却ロ
ールでは通水路内で冷却水を沸騰させないようにしなけ
ればならず、その場合の流速は1.3m/sec以上と
なること、(2)ロール冷却設備毎に必要とされる交換熱
量が決まっているが、図6等からその所要交換熱量以上
が得られる通水路内の冷却水の流速が決定されること
(例えば0.6m/sec以上)、(3)通水路内でスケ
ールを発生させない流速として最低でも0.6m/se
c以上が必要となること等から、(1)の条件が律速とな
って通水路内の流速の下限が決定されるからであり、他
方(4)該流速が4.0m/secを超えると、図7に示
すように、冷却水を送るポンプの圧力損失が4.4kg
/cm2以上に達し、動力損失及びスケール付着時の圧
損増大が著しいことから、その流速の上限が決定される
ためである。
【0022】また上記流速の範囲で通水路内の水温が7
0℃を超えると、スケールが発生し易くなるため、各冷
却ロールの出口水温は70℃以下に設定しなければなら
ない。
【0023】一方図8のフローチャートに示す手順に従
って、ストリップと冷却水の交換熱量QHとストリップ
の冷却熱量Qsとが等しくなるまで各ロールにおける伝
熱計算を行い、それから各ロールの冷却速度CR
(J)、平均冷却速度ACR、平均総括熱吸収率AUO
を計算する。
【0024】そして以上の冷却水流速、ロール出口水
温、各ロールの冷却速度CR(J)、平均冷却速度AC
R、平均総括熱吸収率AUOからこれらを満たす通水路
の条数が選定されることになる。
【0025】上記図8のフローチャートに示す計算は以
下のようになる。まずストリップX最大巻き付け時のロ
ールポジション[X(I)、Y(I)]の読み込みを行
い、その位置を初期値とする。そしてストリップXのロ
ール巻付長LS(I)、巻付角AR(I)、トータル巻
付長TLL、トータルパス長LOを計算する。次に入口
ストリップ温度TSEをTS(I)、入口水温TWEを
TWE(I)、巻付長LSをLS(I)、巻付角ARを
AR(I)、ロールシェル厚さRSTをRT(I)、ロ
ール径DをD(I)として条件設定を行う。これらを基
に次のような手順に従い、ロール出口板温TSD、ロー
ル出口水温TWD、ストリップXと冷却水の交換熱量Q
H、総括熱吸収率UOを求める。即ちロール出口板温T
SDを仮定し、下式数1よりストリップXの冷却熱量Q
sを求める。該冷却熱量Qsを冷却水の持ち去る熱Q
wとし、シェル内面温度TRSIを下式数2より求め
る。この冷却熱量Qsをロールシェルの熱伝導による
熱量QRとし、シェル外面温度TRSOを下式数3より
求める。このTRSOより低温側材料の熱伝導率λ L
を求め、またストリップX温度をTRSA=(TSE+
TSD)/2とし、高温側材料の熱伝導率λHを求め
る。このTRSAよりビッカース硬さHvを求め、ま
たロール径D、ストリップ厚さST、ライン張力LTE
NSより面圧Pを求める。これらのλL、λH、P、H
vより下式数4に基づき接触熱コンダクタンスHcを求
める。このHcから下式数5及び数6を使って総括熱
吸収率Uo、ストリップと水の交換熱量QHを求める。
前記ストリップの冷却熱量Qsが該ストリップと水の
交換熱量QHと等しくなるまで、ロール出口板温TSD
を再設定し、上記〜の手順を繰り返す。以上の〜
までの伝熱計算を1つの冷却ロールについて終了した
ら、そのロール出口板温TSDを次の冷却ロールの入口
板温TSIとし、その他のTWD、UO、QHの値は同値
として記憶し、各ロールの伝熱計算を繰り返す(I=1
〜ロール本数NR)。最終冷却ロール出口板温TS(N
R+1)が目標板温TSDAと等しければ、各ロールの
冷却速度CR(J)、平均冷却速度ACR、平均総括熱
吸収率AUOを計算し、その結果をアウトプットする。
他方両値が等しくなければ、移動制御が行われる冷却ロ
ールの移動量DYを計算し、該ロール[CRT(I)=
1]のみロールポジションの再設定を行い、再び戻って
ストリップXのロール巻付長LS(I)、巻付角AR
(I)、トータル巻付長TLL、トータルパス長LOの
計算からやり直す。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
【数4】
【0030】
【数5】
【0031】
【数6】
【0032】以上の構成からなる本実施例の連続焼鈍ラ
インでは、テンションレベラ704を直火式還元加熱炉707
の上流側に配置したことによって、該加熱炉707内にお
けるストリップXの通板性が改善されると共に、該直火
式還元加熱炉707における還元加熱特性も安定して得ら
れることになる。
【0033】また該テンションレベラ704によってスト
リップXの伸びの発生する部分の形状矯正が可能とな
り、前記ガスジェット冷却設備710における絞り発生が
なくなると共に、ロール冷却設備10における絞り発生及
び不均一冷却が大幅に改善され、その結果該ラインにお
けるストリップXの蛇行の発生がなくなり、且つ得られ
た製品の品質が向上することになった。更にラジアント
チューブ式加熱炉708同均熱炉709におけるチューブとの
接触、前記ガスジェット冷却設備710におけるガスジェ
ットノズルとの接触、ロール冷却設備10におけるロール
背面冷却用ガス吹付けを行うノズルヘッダα1〜α7との
接触や急熱炉712におけるガスジェットノズルとの接触
の問題もなくなった。
【0034】本実施例のロール冷却設備10における冷却
ロール#1〜#7の通水方法とその移動、及びそのロール背
面冷却用のノズルヘッダα1〜α7の作動状態を次に説明
する。まず本ロール冷却設備10の稼働の準備段階では、
前記図5に示した通水系統に冷却水を流し、各冷却ロー
ルの6条全ての通水路γ1〜γ6における冷却水の流れの
方向をロール1本毎に反転させて供給する。またブライ
ドルロールε1及びε2により該ストリップXに張力が与
えられた状態で、各冷却ロール#1乃至#7を水平方向に動
かし、ストリップXに接触させる。更にその押し込み量
(接触長)を調整しながら、冷却量を調整する。
【0035】本実施例の冷却ロール#1〜#7では、スパイ
ラル状に付設される通水路γ1〜γ6が6条設けられたた
め、全体的に通水路γ1〜γ6の各長さを短くでき、該通
水路を流れる夫々の冷却水の交換熱量を少なくすること
ができる。その結果各通水路出側に近い端部側ロール表
面でもストリップXの冷却には十分効果があり、冷却後
該ストリップXでは温度分布が幅方向で略シンメトリー
な状態となる。また各冷却ロール#1〜#7の通水路γにお
ける冷却水の流れの方向を1本毎に反転させて供給して
いるため、通水路γ入側に近い端部側ロール表面と出側
に近い端部側ロール表面との間の温度勾配がロール1本
毎に逆になり、最終的には後段の冷却ロールでは、その
温度勾配自身がなくなる。
【0036】一方本ロール冷却設備10の前段のガスジェ
ット冷却設備710でストリップ幅方向に不均一温度分布
が生じていた場合は、通常ロール冷却設備でそれが助長
されることになるため、上記ノズルヘッダα1〜α7でロ
ール背面冷却を行う。このロール背面冷却に当たって
は、該ノズルヘッダα1〜α7には前後方向の動きの調整
と、左右方向の動きの調整とがあり、夫々分けて以下に
説明する。
【0037】まず前後方向の動きの調整であるが、#1と
#2の前段冷却ロールに対向するノズルヘッダα1及びα2
群と、#3乃至#7の後段冷却ロールに対向するノズルヘッ
ダα3及びα7群とは、その動き方が違う。即ちヘッダα
1及びα2群は、退避してあったリトラクト位置からパス
ラインにおけるストリップXと冷却ロール#1及び#2の接
触開始と共に、押し込み量を最大に取って前方に移動
し、更に冷却ロール#1及び#2の押し込み量が大きくなる
と、今度は逆に今度は後方に移動してストリップXとの
離間距離を一定に保てるようにする(冷却ロール#1及び
#2の押し込み量が小さくなるとこの動きが逆になる)。
一方、パスラインにおけるストリップXと冷却ロール#3
乃至#7の接触開始と共に、ヘッダα3乃至α7群は、退避
してあったリトラクト位置(ロール最大押し込み量でノ
ズルヘッダ長さが最大に取れるように設計してあるた
め、あるロールが故障等で使用できなくなった時に接触
防止の観点より決定した退避位置)から一度前方に移動
し、以後冷却ロール#3乃至#7の押し込み量が大きくなっ
ても動かない。この動きの差は、冷却ロール押し込みに
よるストリップXの鞍型変形の発生及び冷却ロールにお
けるヒートクラウンの発生を原因とするストリップX幅
方向の不均一温度分布を、冷却ロールとの接触の初期の
うちに解消しないと、その温度分布不均一が更に助長さ
れるからである(他に非常に低熱負荷の場合、#1及び#2
の冷却ロールでさえ、最大押し込み量に達し得ない状態
で冷却することも有り得るため)。
【0038】次にα1、α2についてはストリップXの幅
方向に中央及び左右の3つが並び、またα3〜α7につい
ては左右の2つが夫々並んだ各ノズルヘッダの左右方向
の動きの調整であるが、ガスジェット帯出側においてス
トリップX幅方向の温度分布を入側プロフィル温度計50
1で測定し、その温度分布が不均一であれば、その測定
データとプロフィル温度計501及び503による板端部検出
データを基にロール背面冷却を行う中央、左右の3つの
ノズルヘッダの冷却位置を決め、ストリップXの幅方向
中央及び左右板端部のホットポイント位置にこれらのノ
ズルヘッダを個別に動かす(但しα3乃至α7のノズルヘ
ッダは上述のように本実施例では設けられていない)。
またこのようなノズルヘッダの冷却位置設定は、ロール
冷却設備出側におけるプロフィル温度計503による板温
分布の測定結果に基づいても行われているが、このフィ
ードバック制御より前者の制御の方が通常優先して行わ
れている(前者のフィードフォワード制御だけを実施し
ても後者のフィードバック制御だけを実施してももちろ
ん良い)。尚本実施例の構成では、各ヘッダのガス吹き
付けによる冷却効率の制御は、吹付ガス量制御により行
われる。
【0039】またノズルヘッダの左右への動きの調整
は、板幅が異なる接続部(特異点)が進入してくる時も
必要となる。即ちこの特異点情報をライン入側からトラ
ッキングして該特異点(特に幅狭材から幅広材に変わる
変更点)が入側プロフィル計501を通過する以前に、左
右のノズルヘッダを所定の位置に向けて移動させ始め
る。
【0040】尚、本実施例のロール冷却設備10の後段に
は、補助ガス冷却設備600及び601が設けられている。該
設備600及び601は該ロール背面冷却構成で取りきれなか
ったストリップX幅方向の温度分布不均一を解消するた
めの補助的な構成であり、その後方で夫々のヘッダを左
右に動かし、ホットポイントに向けて冷却ガスを噴出す
る構成を有している。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した本発明の冷却ロールによれ
ば、冷却ロールに多条の冷媒通路が設けられたため、全
体的に冷媒通路の各長さを短くでき、該冷媒通路を流れ
る各々の冷媒の交換熱量を少なくすることができる。そ
の結果各冷媒通路出側に近い端部側ロール表面でも金属
の冷却には十分効果があり、冷却中の金属の幅方向温度
分布も均一化でき、冷却後該金属では温度分布が幅方向
で略シンメトリーな状態となる。また第2発明に係るロ
ール冷却設備によれば、各冷却ロールの冷媒通路におけ
る冷媒の流れの方向をロール1本毎に反転させて供給し
ているため、冷媒通路入側に近い端部側ロール表面と出
側に近い端部側ロール表面との間の温度勾配がロール1
本毎に逆になり、金属の幅方向の冷却速度も平均化で
き、後段の冷却ロールになる程、その温度勾配自身もな
くなるようになる。従って得られる金属の材質がその幅
方向で均一なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第2発明のロール冷却設備の一実施例構成
を備えたストリップXの連続焼鈍炉ライン構成を示す概
略図である。
【図2】ロール背面冷却構成を有する本実施例のロール
冷却設備構成を示す説明図である。
【図3】ロール冷却設備に用いられる冷却ロールの断面
構造を示す断面図である。
【図4】そのロール展開状態を示す展開図である。
【図5】このロール冷却設備における冷却ロールへの冷
却水の通水系統を示す説明図である。
【図6】ストリップ−ロール表面間の熱伝達率と冷却水
の流速との相関関係を示すグラフである。
【図7】冷却水の流速とポンプの圧力損失との相関関係
を示すグラフである。
【図8】各ロールにおける伝熱計算、それに続く各ロー
ルの冷却速度CR(J)、平均冷却速度ACR、平均総
括熱吸収率AUOの計算の手順を示すフローチャート図
である。
【図9】連続焼鈍炉のロールクゥエンチ用に用いられる
冷却ロールの従来構成を示す説明図である。
【図10】上記冷却ロールを計7本使用し、これらを金
属帯の表裏面に交互に接触させてその急冷を行うロール
冷却設備の構成を示す概略図である。
【図11】冷却ロールに冷却された金属帯の幅方向に発
生したW型の温度分布不均一を示すグラフである。
【図12】温度分布不均一の状態が金属帯幅方向でシン
メトリーでなくなった状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1a 内筒 1b 外筒 2、2a、2b 給水管 3、3a、3b 排水管 10 ロール冷却設備 #1〜#7 冷却ロール α1〜α7 ノズルヘッダ γ 冷媒通路 γ1〜γ6 通水路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に冷媒通路を有し且つその表面に金
    属を接触させて該金属を冷却する冷却ロールにおいて、
    該冷却ロールの冷媒通路をスパイラル状にして多条設け
    たことを特徴とする冷却ロール。
  2. 【請求項2】 冷媒通路をその内部にスパイラル状にし
    て多条設けた冷却ロールを金属パスライン方向に複数本
    設置し、且つこれらの表面に金属を接触させて該金属を
    冷却するロール冷却設備であって、各冷却ロールの冷媒
    通路における冷媒の流れの方向を1本毎に反転させて該
    冷媒を供給することを特徴とするロール冷却設備。
JP5152636A 1992-06-23 1993-06-01 冷却ロール及びそれを使用したロール冷却設備 Pending JPH06340928A (ja)

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KR1019940700085A KR0159121B1 (ko) 1992-06-23 1993-06-22 금속대 냉각장치 및 그 냉각방법
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