JPH06340532A - 血中脂質の上昇抑制又は低減剤 - Google Patents

血中脂質の上昇抑制又は低減剤

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JPH06340532A
JPH06340532A JP5152606A JP15260693A JPH06340532A JP H06340532 A JPH06340532 A JP H06340532A JP 5152606 A JP5152606 A JP 5152606A JP 15260693 A JP15260693 A JP 15260693A JP H06340532 A JPH06340532 A JP H06340532A
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JP
Japan
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dietary fiber
lignin
cellulose
plant
derived
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JP5152606A
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Tsutomu Aritsuka
塚 勉 有
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Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は植物由来で、セルロースとリグニン
を主構成成分とし、該セルロースとリグニンは植物体中
の結合状態を維持している可食性食物繊維を有効成分と
する血中脂質、更にはコレステロールおよび中性脂肪の
上昇抑制又は低減剤に関するものである。 【効果】 本発明の血中脂質、更にはコレステロールお
よび中性脂肪の上昇抑制又は低減剤を摂取することによ
り血中脂質、コレステロールおよび中性脂肪を上昇抑制
・低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血中脂質、更にはコレ
ステロール、中性脂肪の上昇抑制または低下作用を有す
る可食性食物繊維を有効成分とする血中脂質、更にはコ
レステロール、中性脂肪の上昇抑制又は低減剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒトの血中脂質の値が高いと、アテロー
ム性動脈硬化症や虚血性心疾患の発現率を高めること
が、多くの疫学的研究の結果から明らかにされている。
また、血中脂質に影響する食事性因子は極めて多く、ほ
とんどすべての栄養素の量的、質的変動が関与している
と思われる。
【0003】近年、我が国における食生活の西洋化が進
み、これに伴って成人病が増加しているが、食生活と疫
病の関係において、ダイエタリーファイバー(食物繊
維)の重要性が唱えられている。そして、食物繊維の数
多くの疫学的及び実験的研究から、食物繊維は血中脂質
に大きく関与している食事成分であることが実証されて
いる。
【0004】しかし、これまでの研究報告では、血中脂
質、特にコレステロールの正常化効果については、食物
繊維の中では、ペクチンを始め、グァーガム、アラビア
ガム、コンニャクマンナンなどの水溶性の食物繊維に効
果があり、木材セルロース、小麦ふすま、大豆ファイバ
ーなどの非水溶性の食物繊維源にはその効果がないとい
う説が一般化している(辻啓介:「非栄養素と生体機
能」,吉田昭・杉本悦郎編,光生館,1987,PP.
36)。そして、その水溶性の食物繊維の効果発現は、
糞中へのステロール排泄促進作用によるとされている。
【0005】一方、非水溶性の食物繊維についても、血
中脂質の低下作用について報告が数多くあり、本発明者
等も、既にビートファイバーのその効果について報告し
ている(日本栄養食糧学会誌,42,295(198
9)、日本農芸化学会誌,66,88(1992)、特
願昭62−49991号)。
【0006】このように、血中脂質調節作用があるとい
ったり、またはその作用がないといったりする食物繊維
に関する報告が氾濫しているのが現状である。これは、
調査及び試験方法に統一性がないこと、これまでの報告
の多くが、植物より単離、精製した食物繊維を使用して
いること、並びに、食物繊維は多種多様の物質であり、
これらはそれぞれ特有の物理的、化学的特性を有してお
り、これらの特性が食物繊維の生理的効果の種類及び作
用と密接に関係していることに起因しているかも知れな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実生活におい
ては、食物繊維は単離、精製されたものではなく、野
菜、果物、豆類、穀類、海草類というように、各種食物
繊維成分の複合体として摂取される。しかも、この複合
体が本来の意味での食物繊維であり、この全体的な特性
と生理的効果との関連を明らかにすることは重要なこと
ではあるが、きわめて困難なことと思われる。
【0008】一般的な食用植物由来の食物繊維源の食物
繊維成分を示すと、表1の通りとなる。なお、%は重量
%を意味しており、また、本明細書で記す%はすべて重
量%を意味している。
【0009】
【表1】
【0010】表1に示す如く、各種の食物繊維源は、起
源が異なるため、それぞれ特有の栄養生理的作用を有す
ると考えられるが、共通する食物繊維成分で構成されて
いることより、本発明者らは、これらもしくはその他の
植物由来の食物繊維源に共通の血中脂質、コレステロー
ルや中性脂肪の上昇抑制又は低減作用があるのではない
かと考えた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらのこ
とについて鋭意研究した結果、意外にも、植物由来の食
物繊維源の非水溶性食物繊維であるセルロースとリグニ
ンにその作用があり、しかもこのセルロースとリグニン
は植物体中の結合状態を維持していることを必要とする
ことが分った。
【0012】本発明の第1は植物由来で、セルロースと
リグニンを主構成成分とし、該セルロースとリグニンは
植物体中の結合状態を維持している可食性食物繊維を有
効成分とする血中脂質、コレステロール及び中性脂肪の
上昇抑制又は低減剤である。
【0013】本発明の第2は植物由来の食物繊維源をア
ルカリ又は酸で処理し、必要に応じて中和してなり、セ
ルロースとリグニンを主構成成分とし、該セルロースと
リグニンは植物体中の結合状態を維持している可食性食
物繊維を有効成分とする血中脂質、コレステロール及び
中性脂肪の上昇抑制又は低減剤である。
【0014】また、本発明においては、植物体中の結合
状態を維持したセルロースとリグニンの可食性食物繊維
の含量は、血中脂質、コレステロール及び中性脂肪の上
昇抑制又は低減剤のなかで50%以上であることが好ま
しい。
【0015】本発明で有効成分を分離するための食物繊
維源としては、ほとんどすべての植物がセルロースとリ
グニンの結合物を保有しているので、基本的にはほとん
どの植物が原料となり得ることを示している。ほとんど
の植物から得た食物繊維源であっても、これをアルカリ
又は酸処理して、分離したセルロースとリグニンが植物
体中の結合状態を維持した食物繊維が可食性(ヒトが安
全に食することのできる状態)のものでなければ使用す
ることはできない。
【0016】使用する植物としては、表1にも示す米、
麦、エンバク、とうもろこし、大豆などの穀類、リン
ゴ、その他ミカン、バナナなどの果実、ビート、その他
ホーレンソー、セロリ、小松菜などの野菜、シイタケな
どのキノコ、よもぎ、ゼンマイなどの山菜、タンポポな
どの草、その他小さい植物、大きな植物などほとんどの
植物はセルロースとリグニンからなる部分をもち、それ
らはすべて本発明の有効成分を有し、有効に利用できる
ものである。
【0017】本発明においては、これら多くの植物から
食物繊維分の多い部分を分離乃至は分別し、原料とする
のがよい。食物繊維源の原料としては、例えば表1に示
す脱脂米糠、小麦ふすま、エンバクふすま、コーンふす
ま、大豆ファイバー、リンゴファイバー、ビートファイ
バーなどがあげられる。
【0018】すでに、食物繊維源の原料を酸性デタージ
ェント溶液で処理して、セルロースとリグニンの含量を
定量する技術はVan Soest法(J.Asso
c.Off.Anal.Chem.,46.829(1
963))として知られている。
【0019】しかしながら、上記定量技術により得られ
たセルロースとリグニンが植物体中の結合状態を維持し
ていて、血中脂質、更にはコレステロール及び中性脂肪
を上昇抑制又は低減させる作用があることは、本発明の
前には全く知られていないことであった。
【0020】また、公知のVan Soest法によっ
て得られたものは、酸性デタージェントが食品添加物と
して公的に認められたものではないので、ヒトが摂取す
ることなどはとうてい考えも及ばないものであった。
【0021】本発明においては、植物由来の食物繊維源
をアルカリ又は酸で処理し、必要に応じて中和したり、
水洗し、脱水し、乾燥したりして製品化することがで
き、ヒトが安全に摂取することを可能としたものであ
る。
【0022】本発明において使用できるアルカリや酸は
可食性のものがよいのは勿論であるが、中和して水洗す
れば可食性となり、製品が公的に認められるものとなる
のであれば、いかなるアルカリや酸でもさしつかえな
い。
【0023】アルカリとしてはカセイソーダ、カセイカ
リ、アンモニヤ、水酸化アンモニウム、炭酸ソーダな
ど、酸としては塩酸、硫酸などの無機酸、乳酸、クエン
酸などの有機酸などがあげられ、これらによって濃度に
よっても処理時間は相違するが、ほとんどの水溶性食物
繊維成分や非食物繊維質成分が除去できるようになるま
で処理される。この処理に際し、セルロースとリグニン
の植物体中の結合が切断されないように、食物繊維源の
原料に対応して、アルカリ又は酸の濃度、処理温度、攪
拌条件、処理時間等すべてにおいて、細心の注意をはら
わなければならない。例えば、小麦ふすまの粉末では
0.5Nカセイソーダを用い、50℃で、24時間攪拌
しながら処理しなければならない。また、エンバクふす
まの粉末では0.5N硫酸を用い、70℃で、30分間
ごくわずかに攪拌しながら処理しなければならない。
【0024】アルカリ処理又は酸処理したものは、必要
に応じて中和するが、希薄アルカリ又は酸溶液や弱アル
カリ又は酸溶液、有機物などを用いた場合は中和する必
要がない場合もあり、この場合は水洗だけで十分であ
る。
【0025】水洗処理が終了したものは、乾燥しても、
しなくてもよく、そのほとんどはセルロースとリグニン
からなるものであるが、可能であれば、そのほとんどが
植物体中の結合状態を維持しているのが好ましい。
【0026】しかしながら、植物から食物繊維源への分
離、アルカリ又は酸による処理、加温処理、攪拌処理、
中和処理、水洗処理、脱水処理、乾燥処理などによって
セルロースとリグニンの植物体中の結合が切断されるこ
とが起る可能性がある。
【0027】本発明においては、セルロースとリグニン
が植物体中の結合状態を維持している可食性食物繊維が
好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以
上であり、更に好ましくは80%以上であり、より更に
好ましくは90%以上である。
【0028】
【作用】本発明の血中脂質、更にはコレステロール及び
中性脂肪の上昇抑制又は低減剤は、植物由来の食物繊維
源を出発材料として得るものであり、表1に示す如く、
植物由来の食物繊維源は、その含有量の差こそあれ、食
物繊維成分として、非水溶性食物繊維(セルロース、リ
グニン)と水溶性食物繊維(ヘミセルロース、ペクチ
ン)から成る。そして、この植物由来の食物繊維源につ
いて、コレステロール低減作用等を有する成分がないか
どうか、実験動物を用いて研究した結果、植物由来の食
物繊維源は、セルロースとリグニンが結合状態を維持し
た状態でこれを主要構成成分とすることにより、きわめ
て高いコレステロール低減作用等を示すことを知った。
【0029】つぎに、実験動物としてラットを用いたい
くつかの実験例について説明する。なお、ラットに給与
した基本飼料は、ヒトの食事条件に近づけるため、コレ
ステロールおよびコール酸無負荷の飼料を用いた。給与
した基本飼料の配合割合は表2に示す通りである。
【0030】
【表2】
【0031】実験は、4〜5週齢の幼若ラット7匹を1
群とし、基本飼料を給与した対照区、基本飼料に食物繊
維源または食物繊維を0.3%〜10%添加した飼料を
給与した試験区を設けて実施した。飼育にあたり、給与
飼料と水はとくに制限することなく平常給与とし、実験
開始時より、6週目、12週目に尾部静脈より採血し
て、血清中のコレステロールおよび中性脂肪含量を測定
した。また、12週目に肝臓を摘出して、肝臓中の総脂
質およびコレステロール含量を測定した。
【0032】実験例1 小麦ふすまを、Van Soest法(J.Asso
c,Off.Anal.Chem.,46,829(1
963))に基づき、酸性デタージェント溶液で処理し
て、酸性デタージェント繊維(セルロース+リグニン、
以下ADFと略す)を得た(収率13%)。この小麦ふ
すま及び小麦ふすま由来のADFの脂質代謝に及ぼす影
響について調べた結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】表3に示す通り、小麦ふすま10%添加群
は、血清コレステロールおよび中性脂肪の値がともに、
対照区と同様に経時的に上昇しているのに対し、小麦ふ
すま由来のADF2%添加群は、添加量が少ないにもか
かわらず顕著な血中脂質低下作用を示し、また、その作
用は持続性を有している。肝臓中の総脂質およびコレス
テロール含量についても、血中脂質と同様、小麦ふすま
由来のADF2%添加群が顕著な肝臓中の総脂質蓄積抑
制作用を示している。
【0035】上記の結果はこれまで報告されていない現
象であり、小麦ふすま由来のADFに血中脂質調節作用
があり、一方、小麦ふすま由来のADF以外の成分(水
溶性食物繊維、非食物繊維質成分)は、小麦ふすま由来
のADFが本来有している血中脂質調節作用を妨害して
いるマイナス要因の成分であることを示唆している。
【0036】実験例2 食物繊維含量が高いビートファイバー(以下BDFと略
す)を用い、BDFから水溶性食物繊維(ヘミセルロー
ス、ペクチン)とADFを分画した。そして、ADFの
一部からセルロースとリグニンをそれぞれ単離した。前
記それぞれの成分をBDFの構成食物繊維質含量(表
1)に基づき基本飼料(表2)に添加して、脂質代謝に
及ぼす影響を調査した。その結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4に示す通り、BDF10%添加群は、
本発明者が先に出願した特願昭62−49991号(特
開昭63−216822号公報)で明らかにしたと同じ
く、顕著な血中脂質低下作用を示し、また、添加量が少
ないにもかかわらず実験例1と同様、BDFのADF
2.6%添加群も顕著な血中脂質低下作用を示した。し
かし、BDFの水溶性食物繊維5.6%添加群、またB
DFの非水溶性食物繊維であるセルロース2.3%添加
群及びリグニン0.3%添加群はその作用を示していな
い。更に、セルロース2.3%とリグニン0.3%を単
純に混合して添加した群もその作用を示していない。
【0039】この結果は、BDFの血中脂質調節作用は
ADF(セルロース+リグニン)に依存しており、水溶
性食物繊維は関与していないことを示している。また、
ADFの血中脂質調節作用は、ADFをセルロースとリ
グニンに単離した時にはその作用を消失し、単離したセ
ルロースとリグニンを混合してもその作用は顕さないこ
とより、セルロースとリグニンが個々に単離した状態で
混在しているものでは血中脂質調節作用は期待できず、
両成分が単離していない状態にあるときにその作用が発
現することが云える。これらのことよりADF中におけ
るセルロースとリグニンの二成分は結合状態にあること
が容易に理解される。
【0040】実験例3 実験例1および実験例2より、食用植物由来の食物繊維
源である小麦ふすまとBDFのADFが、特異的に血中
脂質調節作用を有することが確認された。そして、この
場合にADF中のセルロースとリグニンの二成分はそれ
ぞれ単離しているものではなく、少なくとも結合状態に
あることを必須とする。以上のことを再確認するべく、
更に他の食用植物由来の食物繊維源について実験を行っ
たのが実験例3であり、表5がその結果である。
【0041】
【表5】
【0042】本実験例では、食用植物由来の食物繊維源
として大豆ファイバー(以下SFと略す)、コーンふす
ま(以下CBと略す)およびアップルファイバー(以下
AFと略す)を用い、それぞれのADFを分離し、基本
飼料(表2)にそれぞれ2%添加した飼料をラットに給
与して脂質代謝に及ぼす影響を調べた。その結果は、A
F10%添加群は対照区より有意な血中脂質低下作用を
示したが、SF10%添加群およびCB10%添加群は
対照区と差はなかった。また、SF、CBおよびAFか
らのADF2%添加群は、すべて顕著な血中脂質低下作
用を示した。
【0043】この結果より、構成食物繊維質成分として
共通性を有する食用植物由来の食物繊維源のADFは、
確実に血中脂質調節作用を有することを示し、これまで
血中脂質調節作用が確認されていなかった食用植物由来
の食物繊維源は、そのADF成分以外の成分(水溶性食
物繊維、非食物繊維質成分)によって、その効果発現を
妨害されていることを示している。
【0044】実験例3から明らかなように、食用植物由
来の食物繊維源から血中脂質調節作用を有する物質(血
中脂質調節剤)を得るためには、その食物繊維質組成が
重要である。特に、食物繊維含量が少ない食物繊維源、
例えば、脱脂米糠、小麦ふすま、エンバクふすま、大豆
ファイバーなどにおいては、水溶性食物繊維および非食
物繊維質成分が血中脂質に対して負の作用を示すため、
これら食物繊維源をそのまま使用しても、本発明の目的
を達成することは出来ない結果を得た。これは上記実験
例1、2の結果と同様である。
【0045】実験例4 血中脂質調節作用の効果を発現させる構成成分割合につ
いての調査を行い、表6の結果を得た。
【0046】
【表6】
【0047】本実験例では、食物繊維含量が少ないエン
バクふすま(以下OBと略す)を用い、OB由来のAD
F含量が異なる食物繊維の脂質代謝に及ぼす影響につい
て調べた。なお、ADF含量の異なるOB由来の食物繊
維は、アルカリ分解(常温、苛性ソーダ溶液使用)にお
けるアルカリ濃度および処理時間を変え、分解処理後、
中和・洗浄・乾燥して得たものである。その結果は、表
6の通り、OBのADF含量が高くなるに従い血中脂質
の低下作用は強くなり、一方、ADF含量の少ない食物
繊維はその作用を発現しなかった。本実験例の結果か
ら、血中脂質調節作用を発現する食物繊維はADF含量
として50%以上含有することを必須とすることが分か
る。
【0048】実験例5 本実験例では、実験例4のアルカリ処理に代えてエンバ
クふすま(OB)を酸処理して得られたものを給与飼料
に5%添加し、ラットの脂質代謝に及ぼす影響を調べ
た。この結果を表7に示す。なお、酸処理方法は、OB
を0.5Nの硫酸液で70℃、30分間処理し、苛性ソ
ーダ溶液にて中和後、洗浄・乾燥を行った。この酸処理
で得られたもののADF含量は62.7%であった。
【0049】
【表7】
【0050】表7に示すように、酸処理で得られたもの
も、実験例4でのアルカリ処理で得られたものと同様、
顕著な血中脂質低下作用を示した。これより、酸あるい
はアルカリ処理にかかわらず食用植物由来の食物繊維源
から得られたADFは、血中脂質を低下させる効果を有
することが認められる。以上のように、実験例4のエン
バクふすまをアルカリ処理して得られたものの中のAD
F及び実験例5のエンバクふすまを酸処理して得られた
ものの中のADFは何れも血中脂質低下作用を示すこと
から、実験例1、2及び3のADFと同様に、ADF中
のセルロースとリグニンの二成分が結合状態にあること
が理解される。
【0051】本発明の血中脂質、更にはコレステロール
及び中性脂肪の上昇抑制又は低減剤は、例えば実験例4
および実験例5に示した如く、植物由来の食物繊維源を
アルカリ溶液または酸溶液で処理することにより容易に
製造することが出来る。そして、本発明のコレステロー
ル低減剤等は、実験例4に示すようにその作用がADF
含量50%以上で発現するものであるから、有効量とし
て50%以上含有すればよい。そのうえ、天然物である
食用植物又は安全な乃至は安全になる植物を原料として
いるので、人に対して全く安全なものである。
【0052】実施例1 市販の小麦ふすま粉末10kg(組成は表7に示す)と
0.5N−苛性ソーダ溶液120リットルを200リッ
トル容量攪拌槽に入れ、50℃で24時間攪拌処理し
た。処理後の粉粒物をナイロンクロスを用いて圧搾脱水
し、その脱水粉粒物を水道水80リットルと混合し1N
−塩酸液でpH6.5に調整した。pH調整後の粉粒物
を圧搾脱水し、水道水による洗浄、圧搾脱水処理を3回
繰り返し、水分82%の粉粒物10.2kgを得た。こ
れを70℃で水分がおよそ5%となるまで通風乾燥し、
この後、ハンマーミルで粉砕し、篩別して、粒径0.2
5mm以下の粉粒物(以下、本発明品と称す)1.94
kgを得た。本発明品の組成は表8の通りで、セルロー
ス48.4%、リグニン13.9%を含有する。
【0053】
【表8】
【0054】実施例2 4週齢ラット21匹を3群(7匹/群)に分け、1群に
は基本飼料(表2)、2群には基本飼料に小麦ふすまを
10%添加した飼料、3群には基本飼料に実施例1で得
られた本発明品を4%添加した飼料を12週間不断給餌
した。試験開始時、6週目、12週目に尾部静脈より採
血し、血清中のコレステロール、中性脂肪の値を測定し
た。また12週目に肝臓を摘出して、肝臓中の総脂質お
よびコレステロールの含量を測定した。結果を表9に示
す。
【0055】
【表9】
【0056】表9の通り、本発明品の添加群は、基本飼
料群および小麦ふすま10%添加群に対して、有意に血
清脂質の上昇を抑制し、また肝臓中の総脂質蓄積を抑制
した。全群とも12週間の体重増加量に差はなかった。
【0057】実施例3 高コレステロール血症を呈する39才の男性A(身長1
74cm、体重75kg)と52才の男性B(身長16
3cm、体重81kg)の二人に実施例1で得た本発明
品を1日3回食前に4g宛摂取させ、これを30日間継
続した。その間、食事内容、および間食などは一切制限
することなく、平常時状態とした。この場合、小麦ふす
ま由来の本発明品の摂取量は1日当り約7.5gとな
る。本発明品の摂取前および30日後の血漿コレステロ
ール値は表10の通りであり、男性A、Bともに、本発
明品の摂取により血漿コレステロール値の減少が認めら
れた。
【0058】
【表10】
【0059】
【発明の効果】本発明の植物由来で、セルロースとリグ
ニンを主構成成分とし、該セルロースとリグニンは植物
体中の結合状態を維持している可食性食物繊維を有効成
分とする血中脂質、更にはコレステロール及び中性脂肪
の上昇抑制又は低減剤を摂取することにより、ヒトの健
康維持(血中脂質の正常値維持)に貢献することが出来
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物由来で、セルロースとリグニンを主
    構成成分とし、該セルロースとリグニンは植物体中の結
    合状態を維持している可食性食物繊維を有効成分とする
    血中脂質の上昇抑制又は低減剤。
  2. 【請求項2】 植物由来で、セルロースとリグニンを主
    構成成分とし、該セルロースとリグニンは植物体中の結
    合状態を維持している可食性食物繊維を有効成分とする
    血中コレステロールの上昇抑制又は低減剤。
  3. 【請求項3】 植物由来で、セルロースとリグニンを主
    構成成分とし、該セルロースとリグニンは植物体中の結
    合状態を維持している可食性食物繊維を有効成分とする
    血中中性脂肪の上昇抑制又は低減剤。
  4. 【請求項4】 植物由来の食物繊維源をアルカリ又は酸
    で処理し、必要に応じて中和してなり、セルロースとリ
    グニンを主構成成分とし、該セルロースとリグニンは植
    物体中の結合状態を維持している可食性食物繊維を有効
    成分とする血中脂質の上昇抑制又は低減剤。
  5. 【請求項5】 植物由来の食物繊維源をアルカリ又は酸
    で処理し、必要に応じて中和してなり、セルロースとリ
    グニンを主構成成分とし、該セルロースとリグニンは植
    物体中の結合状態を維持している可食性食物繊維を有効
    成分とする血中コレステロールの上昇抑制又は低減剤。
  6. 【請求項6】 植物由来の食物繊維源をアルカリ又は酸
    で処理し、必要に応じて中和してなり、セルロースとリ
    グニンを主構成成分とし、該セルロースとリグニンは植
    物体中の結合状態を維持している可食性食物繊維を有効
    成分とする血中中性脂肪の上昇抑制又は低減剤。
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