JP2008184461A - 天然素材を原料とした脂質の消化・吸収阻害剤およびその製造方法 - Google Patents

天然素材を原料とした脂質の消化・吸収阻害剤およびその製造方法 Download PDF

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隆廣 辻田
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Abstract

【課題】柑橘系果実のじょうのう膜やりんごの搾汁かすを原料とした膵リパーゼ阻害作用を有する脂肪吸収阻害食品素材を提供する。
【解決手段】柑橘系果実(温州みかん、夏みかん、レモン、伊予柑、八朔、橙、柚子、酢橘、ネーブルなどの柑橘果実類を言う)をシトラスマスター法によって搾汁した際に得られるじょうのう膜もしくはりんご搾汁かすを主成分とし、炭酸ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウム溶液等にて、弱アルカリ下の緩やかな環境で、ペクチンを抽出する。
【選択図】なし

Description

本発明は、柑橘系果実のじょうのう膜や農産物加工過程で産出する未利用資源を原料とした脂質吸収阻害食品素剤およびそれらの製造方法に関するものである。詳細は、柑橘系果実(温州みかん、夏みかん、レモン、伊予柑、八朔、橙、柚子、酢橘、ネーブルなどの柑橘果実類を言う)をシトラスマスター法によって搾汁した際に得られるじょうのう膜もしくは農産物の加工過程で産出する未利用資源を主成分とし、弱アルカリ下の緩やかな環境で、ペクチン(特に分岐ペクチン)を抽出することを特徴とするものである。
これら抽出されたペクチン(分岐ペクチン)は、従来、市販されているペクチンにはない強い脂肪分解酵素阻害作用を有する。消化管内で脂肪とこのペクチンが共存することにより、リパーゼなどの脂質分解酵素の活性を阻害するため、脂質の消化、吸収阻害が起こり、脂質の吸収を緩慢にするために、食後の血中脂質の急激な上昇を抑えることができるという新規治験に基づいて創設されたものである。また、従来、搾汁かすなどは、そのほとんどが廃棄されていたが、これらの生理活性を有する物質が抽出できることで、新たな再資源化を図り、生産物の価格の安定や生産者の収入の安定についても貢献でき有用である。
従来、柑橘系果実や農産物の加工残渣の一部は、飼料に使用されたり、たい肥の原料として使用されるが、ほとんどは廃棄されている。また、それらの搾汁かすから、機能性食品素材や薬理成分などの製造に利用されている例もある。(特許文献1,2)たとえば、柑橘類の果皮を水もしくは有機溶媒にて抽出したものを主成分とした脂肪分解促進作用を有するダイエット健康食品(特許文献3)やインライン搾汁の際に得られるオリフィスディスチャージ排出物に含まれるじょうのう膜から水抽出にて得られる抗肥満剤(特許文献4)などが提案されている。
しかし、これらの従来の技術においては、果実の果皮や搾汁残渣を利用するものがほとんどであった。また、インライン搾汁後の残渣より、分離したじょうのう膜を利用するものもあった。しかし、これらは、工場レベルでの生産を考慮すれば、インライン搾汁残渣からじょうのう膜を分離するのは、非常に手間がかかり、コスト高となり、非現実的なものであると考えられる。また、じょうのう膜を水にて抽出した場合は、脂質分解酵素活性を阻害する分枝ペクチンは、ほとんど抽出されず、脂肪分解酵素阻害作用も弱い。
特開S57−203014号公報 特開2000−247880号公報 特開H11−49690号公報 特開2005−40107号公報
発明が解決しようとする課題
このような背景の中、本発明者らは、従来の技術より、柑橘系果実やりんごの搾汁残渣の生理活性作用や有効成分について研究を重ねた結果、シトラスマスター法によって、じょうのう膜を簡単に得ることができ、また、それらのじょうのう膜から脂質分解酵素活性の阻害が強い分岐ペクチンを抽出する方法を見出した。これらの知見により、りんごの搾汁かすや大豆の搾りかす(おから)についても同様の知見を見出した。
したがって、本発明は、柑橘系果実のじょうのう膜やりんごや大豆の搾汁残渣を原料とした脂質の消化・吸収阻害剤およびそれらの製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、シトラスマスター法によって得られた柑橘系果実のじょうのう膜、りんごの搾汁残渣及びおからから、脂質分解酵素活性阻害を強く有する分岐ペクチン画分を抽出、分離、精製し、これらを有効成分として含む新規の脂質の消化・吸収阻害剤とそれらの製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
上記の目的を達成するために研究検討した結果を詳細に説明する。
本発明は、柑橘系果実のじょうのう膜やりんご搾汁かすなどの農産物加工残渣から抽出された分枝ペクチンに、強いリパーゼ阻害活性があるとの本発明者らが見出した新しい知見に基づいて完成されたものである。
従来、柑橘やりんご由来のペクチンは、広く市販されているが、これらの市販ペクチンは、強酸抽出によるものがほとんどである。これら、酸抽出されたペクチンは、かなり過酷な抽出条件のために、ペクチンの側鎖がすべて切れてしまい、ガラクチュロン酸を主成分とした直鎖状のものとなっている。これらの直鎖ペクチンは、脂質分解酵素であるリパーゼの活性をわずかに阻害するだけである。柑橘系果実のじょうのう膜やりんご搾汁残渣などの農産物加工残渣から抽出した分枝ペクチンに限定して、その強い生理活性を利用した脂質の消化・吸収阻害剤の提案例は見当たらない。
本発明では、原料としては特に限定されないが農産物加工残渣が用いられる。例示すれば、シトラスマスター法によって得られた、柑橘系果実じょうのう膜、果実や野菜の搾汁粕及び搾油粕などである。果実や野菜は特に限定されないが例示すれば、果実としてはりんご、ブドウ、モモ、栗、柿などがあげられ、野菜としてはトマト、ケール、大豆、小豆、トウモロコシ、ビートサトウキビ、芋、麦、米、あわ、そばなどがあげられる。
原料の形態は特に制限するものでなく、生の状態でも乾燥状態でもよく、またチップ状や粉末状といった所定の形状に破砕若しくは粉砕されていてもよい。
抽出方法としては、これらの原料に対して加える抽出液の割合は制限されず、原料植物体の重量1に対し1〜200倍重量の範囲で適宜選択される。好ましくはこれらの植物体の湿重量1に対し5〜10倍重量の抽出液が用いられる。抽出はアルカリ溶液で抽出される。特にアルカリ溶液の種類や濃度に制限はなく1mM〜10Mの有機及び無機アルカリ溶液を用いて、抽出液のpH7〜12の範囲で抽出される。好ましくは50〜100mMの炭酸ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、抽出液のpHを9〜9.5に調整することが望ましい。
抽出温度や時間も特に制限されず、0℃〜100℃で0.1時間〜2週間の範囲で適宜選択してペクチンを抽出することができる。通常は、5℃〜30℃の温度で、3〜15時間抽出する。抽出操作は静置状態で行ってもよいし、また攪拌若しくは振とうしながら行ってもよいが、好ましくは攪拌することが望ましい。
抽出後、必要に応じて抽出溶液と固形物に分ける。分別の方法はろ過や遠心分離など特に制約されないが、通常はフィニッシャーや振動式ふるい機などによって、篩別し、溶液部と固形部に分けることができる。分枝ペクチンは、溶液部に抽出される。これらの溶液部は弱酸性に中和される。中和する酸の種類は無機酸及び有機酸など特に限定されないが、好ましくは乳酸もしくは酢酸などの有機酸によってpH5.5付近に中和することが望ましい。その後、溶液部のペクチン質を析出させる。
析出操作は静置状態で行ってもよいし、また攪拌若しくは振とうしながら行ってもよいが、好ましくは攪拌することが望ましい。析出温度や時間も特に制限されず、0℃〜100℃で0.1時間〜2週間の範囲で適宜選択してペクチン質を析出させることができる。通常は、15〜25℃で5〜60分攪拌してペクチン質を析出させる。
析出したペクチン質の収集方法は制限されないが、ろ過や遠心分離などで収集することができる。1例を示せば、スクリューフィニッシャーや連続式遠心分離機によって集めることができる。収集した沈殿物は脱塩される。脱塩方法は制約されないが、透析、電気透析法あるいは有機溶媒沈殿などの方法で脱塩される。例示すれば、30〜70%のエタノール溶液で2〜5回沈殿させることで、良質の分枝ペクチンが得られる。これらの分枝ペクチン抽出物は使用の態様に応じて、そのまま用いるか、また乾燥して乾燥物の状態で用いることができる。乾燥方法に特に制限はなく、温風乾燥や凍結乾燥などすると、良好な乾燥物を得ることができる。
これら本発明の製造方法によって得られた沈殿物は、後記の実施例に示すように強い脂質分解酵素阻害活性を有している。従って、リパーゼなどの脂質分解酵素を阻害する、脂質分解酵素阻害剤として、食品に添加することも、顆粒もしくは錠剤として、直接服用することもできる。また試薬、医薬品などとして用いることもできる。
上記分岐ペクチン抽出画分は、さらに慣用の精製法に供して高度に精製してもよく、ペクチナーゼやセルラーゼなどの糖質分解酵素で処理した後、有効部分を精製してもよい。精製法としては特に制限されないが、向流分配法やカラムクロマトグラフィーなどを用いて、脂質分解酵素阻害活性(リパーゼ阻害活性)を測定して、この活性を有する画分を取得する方法があげられる。こうした各種の精製処理により得られた抽出生成物は、更に減圧乾燥や凍結乾燥などの通常の手段により乾燥した状態で脂質分解酵素阻害剤として使用することもできる。
本発明の脂質の消化・吸収阻害剤は、本阻害剤を含有できる食品であれば特に限定されるものではない。例えば、から揚げや各種フライなどの惣菜類、飲料、ゼリー状食品、パン、麺類、米飯類、菓子、調味料、ふりかけなど種々の食品に配合して利用が可能である。また、顆粒状、錠剤状などにして、そのまま服用することもできる。
なお本発明、脂質の消化・吸収阻害剤の食品への配合割合は、各食品の種類や目的などに応じて異なるが、食品全体重量中好ましくは0.001重量%以上、更に好ましくは0.01%以上であることが望ましい。また本発明、脂質の消化・吸収阻害剤の食品への添加時期は、各食品の特性、目的に応じて、製造工程の段階で適宜選択して添加されればよい。
発明の効果
本発明の脂質分解酵素阻害活性を有する物質(分岐ペクチン)は、リパーゼなどに対して優れた阻害活性を有している。中でも柑橘じょうのう膜やリンゴ搾汁粕などから得られる脂質分解酵素阻害活性を有する物質(分岐ペクチン)は、長年の食経験に基づいて生体に安全であるという特徴を有している。
そのため、本発明の脂質分解酵素阻害物質は、消化管における脂質の消化吸収を抑制することにより肥満の解消や予防に有効である。また、本発明の脂質分解酵素阻害物質は、脂質の消化吸収を遅延させて食後の血中中性脂肪値の上昇症を抑制することができ、高脂血症を改善したり、動脈硬化症などの発生を予防するために有効に利用することができる。
また本発明の脂質分解酵素阻害物質を含有する食品組成物は、食品中に含まれる中性脂肪などの脂質の消化吸収を抑制し、エネルギーとして吸収されるのを防ぎ、肥満などの過食に伴う疾病の発生を抑制することが期待できる。また、脂質の消化吸収を遅延させて食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制することができ、高脂血症の予防や改善効果を期待することができる。
以下の実施例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例だけに限定されるものではない。
まず下記の試料1〜3の脂質分解酵素阻害剤を調製した。
試料1,柑橘じょうのう膜由来の分岐ペクチン画分
温州ミカン、夏みかん、柚、レモンのじょうのう膜を凍結乾燥後、粉砕して乾燥粉末を得た。じょうのう膜乾燥粉末1gに対し100mlの0.05M炭酸ナトリウム溶液(20mMの水素化ホウ素ナトリウムを含む)を加え、4℃で16時間マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら抽出した。抽出後、遠心分離で固形部分と抽出液を分離した。固形部分に50mlの純水を加えて洗浄後、遠心分離し、洗液は抽出液にあわせた。この操作を3回繰り返した。酢酸で抽出液のpHを5.0に調整した後、純水に対して透析を行った。ロータリーエバポレーターで減圧濃縮後、凍結乾燥し、柑橘じょうのう膜由来の分岐ペクチン画分を得た。
試料2,リンゴ搾汁粕由来の分岐ペクチン画分
リンゴ搾汁粕の凍結乾燥粉末1gに対し100mlの0.05M炭酸ナトリウム溶液(20mMの水素化ホウ素ナトリウムを含む)を加え、4℃で16時間マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら抽出した。以下、試料1と同様の方法にてリンゴ搾汁粕由来の分岐ペクチン画分を得た。
試料3,おから由来の分岐ペクチン画分
おからの凍結乾燥粉末1gに対し100mlの0.05M炭酸ナトリウム溶液(20mMの水素化ホウ素ナトリウムを含む)を加え、4℃で16時間マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら抽出した。以下、試料1と同様の方法にておから由来の分岐ペクチン画分を得た。
試験例
試験例1
;膵リパーゼの阻害作用
以下の方法により、温州みかん、夏みかん、柚子,レモンのじょうのう膜抽出物やりんご、おから抽出物の膵リパーゼ阻害作用について試験した。
レシチン4.2mol,タウロコール酸3.15μmol,トリオレイルグリセロール30μmolの混合物に、0.1M塩化ナトリウムを含む0.1MのTES緩衝液(pH7.0)3mlを加えて、超音波処理により、基質のエマルジョンを調整した。膵リパーゼは、ラットの肝臓より抽出精製したものを用いた。夏みかん、柚子,レモンのじょうのう膜抽出物は、凍結乾燥し、それぞれTES緩衝液で0.2〜1.0mg/mlになるように懸濁し、基質と同様に超音波処理した。この希釈液40μlに基質100μl、コリパーゼ10μlおよび膵リパーゼ(3.2U/mg protein;pH6.8)50μlを添加し、37℃、30分間加温した。加温終了後、銅試薬により、遊離するオレイン酸を測定した。(Pharmacol.Res.Commun.18,887(1986))。
図1〜3に、夏みかん、柚子,レモンのじょうのう膜抽出物の膵リパーゼ阻害活性を示した。図1〜3に示したように、それぞれの抽出物は、濃度依存的に膵リパーゼの活性を阻害した。特に、夏みかんに関しては、100μg/mlの濃度で90%以上の膵リパーゼ活性阻害作用を示した。これらの結果は、伊予柑のじょうのう膜の10倍以上の効果を示した。また、柚子やレモンについても伊予柑のじょうのう膜に比べて、高い効果がみられた。
試験例2.
ラットによるトリグリセリド吸収抑制試験
コーン油(6ml)、コール酸(80mg)、コレステロールオリエート(2mg)、純水(6ml)を混合し、超音波処理して乳化し、コーン油エマルジョンを得た。体重200gの雄ラットを一昼夜絶食し、2群に分け、コントロール群は1mlのコーン油エマルジョンに1mlの純水を加え投与した。ペクチン投与群は1mlのコーン油エマルジョンと夏みかんより抽出したペクチンを100mg/kgBW、または、300mg/kgBWとなるように、純水1mlに懸濁したものを混合し、投与した。尾静脈あるいは尾動脈より経時的に採血し、トリグリセリド含量を測定した。図4.に投与後の血中トリグリセリド濃度を示した。血中トリグリセリド濃度は、ペクチンを投与しない場合(コントロール群)は投与2時間後に大きく上昇したが、ペクチンを投与した場合(ペクチン添加群)は投与後も血中トリグリセリド濃度は、100mg/kgBWでは3分の2に、300mg/kgBWではほぼ半分以下に低下した。これらは、ペクチンが有意に脂肪吸収を抑えていることを示している。
夏みかん、柚子、レモンのじょうのう膜より、前述の方法によって抽出した脂肪吸収阻害食品素材は、凍結乾燥後に、ピンミルによって、60メッシュに粉砕し、均一な粉体に調整した。
粉末調味料への利用
これらの脂肪吸収阻害食品素材を、天ぷら粉、から揚げの素に添加し、それらの風味および物性の変化について評価した。(表1に配合例を示す。)
味、風味、物性など、どの点をとっても変化なく、良好であった。これらのことから、これらの脂肪吸収阻害食品素材は、粉末の調味料に利用可能であることがわかった。
食品への利用
これらの脂肪吸収阻害食品素材を、パン、うどん、ケーキに添加し、それらの味、風味、物性などの変化について評価した。(表2に配合例を示す。)
味、風味、物性など、どの点をとっても変化はなく、良好であった。これらのことから、これらの脂肪吸収阻害食品素材は、パン、麺、ケーキ、焼き菓子、餅、ふりかけなどの食品に利用可能であることがわかった。
液体食品への利用
これらの脂肪吸収阻害食品素材を、中濃ソース、焼肉のたれに添加し、それらの味、風味、物性の変化について評価した。(表3.に配合例を示す。)
味、風味、物性など、どの点をとっても変化はなく、良好であった。これらのことから、これらの脂肪吸収阻害食品素材は、液体調味料、ゼリー状食品、飲料、ジャムなどの液体食品に利用可能であることがわかった。
発明の効果
以上のように、本発明によれば、柑橘系果実やりんご由来の安全性が極めて高く、かつ天然物組成の脂肪吸収阻害食品素材である。昨今、メタボリックシンドロームなどで問題となっている肥満の原因となる脂肪の急激な吸収を阻害し、体内での脂肪の蓄積を妨げる食品素材として、有効かつ利用しやすいものを提供できる。食事前に、サプリメントとして、摂取するだけでなくさまざまな食品に混合して提供できる。
また、従来は捨てていた柑橘系果実残渣が原料である。これらの有効利用であるため、搾汁産業に対しても貢献するものである。
膵リパーゼ阻害1 温州みかんの抽出剤の違いによる膵リパーゼの活性阻害効果を表している。炭酸ナトリウム溶液による抽出が効果的である。 膵リパーゼ阻害2 柑橘の種類の違いによる膵リパーゼの活性阻害効果を示している。夏みかんより抽出したものが一番効果があった。 膵リパーゼ阻害3 柑橘系以外の由来より抽出したペクチンの膵リパーゼの活性阻害効果を示している。おから、りんごとも活性阻害効果は大であるが、市販のりんご由来のペクチンには効果がなかった。これは、市販のペクチンは抽出方法が違うためである。 ラットへのコーン油の投与試験 夏みかん由来のペクチンを投与したラットの血液中のトリグリセライドの上昇は統計的に有意に減少させることができた。

Claims (4)

  1. シトラスマスター法によって搾汁した際に得られる柑橘系果実のじょうのう膜を原料とした脂質分解酵素阻害作用を有する脂質の消化・吸収阻害剤。
  2. シトラスマスター法によって搾汁した際に得られる柑橘系果実じょうのう膜に、アルカリ溶液を加えて、ペクチン、特に分岐ペクチンを抽出することを特徴とする脂質分解酵素阻害作用を有する脂質の消化・吸収阻害剤。
  3. 農産物の加工過程で産出残渣に、アルカリ溶液を加えて、ペクチン、特に分岐ペクチンを抽出することを特徴とする脂質分解酵素阻害作用を有する脂質の消化・吸収阻害剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの脂質の消化・吸収阻害剤を、脂質の消化吸収遅延または食後の血中脂質上昇抑制のための有効成分として含有する食品組成物。
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