JPH0633875Y2 - ヘッドレストステーの支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はヘッドレストステーの支持構造に関し、詳しく
はシートバックを形成する枠フレームに溶接固定したホ
ルダ部材に、ヘッドレストステーを案内するガイド部材
をスムーズに挿通するため、前記ホルダ部材の形状を改
良したものである。

（従来の技術およびその問題点） この種、ヘッドレストステーの支持構造は、第５図ない
し第７図に示すように、自動車座席のシートバックを形
成する枠フレーム（１）に、管状からなるホルダ部材
（２）を溶接固定し、このホルダ部材（２）にヘッドレ
ストステー（３）を案内する筒状の合成樹脂製ガイド部
材（４）を挿通してなる。

ところで、この支持構造は、第６図に示すようにそのホ
ルダ部材（２）が同一管径のパイプ状から形成され、ヘ
ッドレストステー（３）を案内するガイド部材（４）を
緊密嵌合してヘッドレスト本体のガタ付きを防止を図っ
ているが、ホルダ部材（２）のガイド部材（４）を緊密
嵌合しえる管径では、このホルダ部材（２）を枠フレー
ム（１）に溶接固定する際、溶接歪みによりその管径が
変化し（第７図においてａ＞ｂとなる）、ガイド部材
（４）の挿入操作性が悪化する虞れがあった。

この考案は、かかる点に鑑みなされたものであり、ヘッ
ドレストステーを案内するガイド部材の緊密嵌合性およ
び操作性の両者を同時に満足しえるヘッドレストステー
の支持構造を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段及び作用） 以上の目的を達成するための本考案は、筒状のガイド部
材におけるホルダ部材のフレームに対する溶接部分に対
応する部分の外径を、ホルダ部材の溶接部分における内
径との間に隙間が生じる程度に小径に形成し、ガイド部
材の他の部分の外径を、ホルダ部材の内径と同一に形成
したことを特徴とするものである。

従って、ホルダ部材に挿通したガイド部材は、ホルダ部
材の溶接部分が溶接による歪みによって変形しても、そ
のホルダ部材の溶接部分に対応する部分があらかじめ隙
間が生じる程度に小径に形成されているため、ホルダ部
材に挿入できる。また、ガイド部材の他の部分の外径
は、ホルダ部材の内径と同一に成形されているため、ガ
イド部材はホルダ部材に緊密状に嵌合してガタ付くこと
がない。

（実施例） この考案にかかる一実施例を第１図ないし第４図に基づ
いて説明する。

同図中、（５）はホルダ部材で、全体が同一の内径を有
するパイプ状からなり、その長さ方向の中央がパイプを
枠状に折曲したフレーム（７）に溶接固定して設けられ
る。このホルダ部材（５）にはステー（８）を案内支持
する従来と同様の材質からなる筒状のガイド部材（９）
が挿通して取付けられる。このガイド部材（９）はその
外径が前記ホルダ部材（５）の内径と同一の管径部分
（10）と小さい管径部分（11）とから形成されている。
すなわち、ガイド部材（９）をホルダ部材（５）に挿入
した際、ホルダ部材（５）の溶接部分に対応するガイド
部材（９）の外径はホルダ部材（５）の溶接歪みによる
変形量を考慮して小さく設定され、ガイド部材（９）と
ホルダ部材（５）との間には第３図に示すように隙間
（Ｃ）を有する。さらに、ステー（８）はガイド部材
（９）と同様に、このガイド部材（９）の小さな管径部
分（11）に対応する部分だけはその外径がガイド部材
（９）の内径よりも小さく設定され、ステー（８）とガ
イド部材（９）との間には第３図に示すように隙間
（ｄ）が設けられる。すなわち、ステー（８）とガイド
部材（９）とはホルダ部材（５）の溶接部分に対応する
部分がそれぞれその外径が小さく形成され、ホルダ部材
（５）の内径が溶接による歪みによって変化しても、ホ
ルダ部材（５）からスムーズに上下方向へ操作しえる。

ガイド部材（９）の他の部分の外径はホルダ部材（５）
の内径と同一からなり、ステー（８）の他の部分の外径
はガイド部材（９）の内径と同一から形成され、ステー
（８）とガイド部材（９）およびガイド部材（９）とホ
ルダ部材（５）との嵌合性を緊密化し、ガタ付きの防止
が図られる。

なお、このガイド部材（９）は、その先端（第１図にお
いて下部）に、従来周知のガイド部材（例えば、特開昭
58−92322号公報参照）と同様に、軸方向にスリットが
切欠され、このスリットによって先端が狭窄状になり前
記ホルダ部材（５）に挿着できるようになっている。

（考案の効果） 本考案によれば、フレームに溶接して固定するホルダ部
材にヘッドレストを支持するものにおいて、ホルダ部材
の溶接部分に対応するガイド部材の外径を、ホルダ部材
との間に隙間が生じる程度に小径に形成し、ガイド部材
の他の部分の外径をホルダ部材の外径と同一に形成した
ので、ホルダ部材を溶接固定し、ホルダ部材に溶接歪み
による変形が生じても、ガイド部材はスムーズにホルダ
部材に挿通することができ、ガイド部材をホルダ部材に
挿着する際、その操作性を向上することができるととも
に、確実に緊密嵌合しているのでガタ付きが生じること
のないヘッドレストステーの支持構造が得られるという
効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる一実施例を示すヘッドレストス
テーの支持構造の斜視図、第２図は第１図のII−II線断
面図、第３図は第１図のIII−III線断面図、第４図は第
１図のIV−IV線断面図、第５図は従来の支持構造を用い
たシートバックを形成する枠フレームの斜視図、第６図
は第５図の支持構造の斜視図、第７図は第６図に示すホ
ルダ部材のVII−VII線断面図である。 図中、（５）はホルダ部材、（７）は枠フレーム、
（８）はステー、（９）はガイド部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックを形成するフレームに管状の
   ホルダ部材を溶接して固定し、このホルダ部材にヘッド
   レストステーを案内支持する筒状のガイド部材を挿通し
   てなるヘッドレストステーの支持構造において、 前記ガイド部材における前記ホルダ部材の溶接部分に対
   応する部分は、その外径をホルダ部材の溶接部分との間
   に隙間が生じる程度に小径に形成し、ガイド部材の他の
   部分の外径をホルダ部材の内径と同一に形成したことを
   特徴とするヘッドレストステーの支持構造。