JPH06338618A - 半導体記憶装置及びその情報記憶方法 - Google Patents

半導体記憶装置及びその情報記憶方法

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JPH06338618A
JPH06338618A JP5229786A JP22978693A JPH06338618A JP H06338618 A JPH06338618 A JP H06338618A JP 5229786 A JP5229786 A JP 5229786A JP 22978693 A JP22978693 A JP 22978693A JP H06338618 A JPH06338618 A JP H06338618A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、新規な動作原理に基づく半導体記
憶装置に関し、単純な構造で1メモリセル当たりの配線
数が少なく、高速書込み、高速読出しが可能であり、微
細化に適している半導体記憶装置を提供する。 【構成】 半絶縁性半導体基板10上に、ノンドープの
厚いバリア層12と、不純物がドープされた浮遊導電層
14と、浮遊導電層側のバリア高さが高い非対称なバリ
アを有する薄いバリア層16と、チャネル層18とを積
層し、チャネル層18上に第1電22極及び第2電極2
4とを設け、第1電極22より第2電極24間に書込み
バイアス電圧を印加することにより、第1電極22から
薄いバリア層16を介して浮遊電極層14に電子を注入
して情報を書込み、第1電極22と第2電極24間に書
込バイアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加し
たときにチャネル層18に電流が流れるか否かに基づい
て記憶された情報を読出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な動作原理に基づく
半導体記憶装置及びその情報記憶方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の進歩には著しい
ものがあり、高速化・高集積化にたいする要求が益々高
まってきている。特に、シリコン半導体によるMOSF
ETを用いた半導体記憶装置の高集積化は著しく、例え
ば、メモリセルにひとつのMOSFETを用いた1MO
Sセル方式のダイナミックメモリ(DRAM)の場合、
現在、1Mビットから4Mビットの大容量のDRAMが
市販されており、64Mビットから128Mビットの大
容量のDRAMが試作の段階になっている。
【0003】DRAMの高集積化に伴なって、メモリセ
ルを構成するトランジスタやコンデンサの微細化が進ん
でおり、メモリセルのサイズも2μm角程度まで微細化
されてきている。1MOSメモリ方式のDRAMでは、
0と1の記憶状態を、コンデンサに蓄積された電荷量に
より識別しているため、コンデンサの容量を配線容量等
の外部の容量と比較して相対的に大きくとる必要があ
り、コンデンサとして大きな表面積が必要である。この
ため、半導体基板中に溝を掘る構造にしたり、コンデン
サをフィン型構造にしたりして、小さな面積のメモリセ
ルに大きな表面積のコンデンサを実現している。しかし
ながら、このような方法によっても現状以上の微細化は
困難な状況になっている。
【0004】また、半導体記憶装置としてDRAMとは
別に、電気的に書込み可能な読出し専用のメモリ(EP
ROM)が知られている(S.M.ジー編、「半導体デ
バイス」、第501頁、A WILEY INTER SCIENCE PUBLIC
ATION 、 1981)。このEROMについても、ひとつ
のメモリセルに対して、電気的な書込みに時間がかかる
3本の配線を設ける必要があったり、また、配線が2本
の場合でも非常に高い電圧が必要なので、高集積化に対
する大きな障壁となっている。
【0005】このような現状に対して、量子効果、特に
共鳴トンネル効果による微分負性抵抗を用いた記憶素子
(スタティックRAM(SRAM))の研究が行われて
いる(Federico Capasso (Ed.), "Physics of Quantum
Electron Devices", pp.207-208, Springer-Verlay, 19
90;Y.Watanabe, et al., "Monolithic Integrationof
InGaAs/InAlAs Resonant Tunneling Dioge and HEMT fo
r Single-TransistorCell SRAM Application", IEEE IE
DM 92-475, 1992) 。
【0006】例えば、FETの負荷素子として共鳴トン
ネルバリア(RTB)を用いた記憶素子や、2つの共鳴
トンネルバリアを直列に接続し、この共鳴トンネリング
バリアによる2つの安定点の電圧を、隣接するFETの
ゲート電極により変化させて情報を書込み、このFET
により記憶情報を読出すSRAM素子や、2つの共鳴ト
ンネリングバリア下に設けられたしきい値ダイオードに
より書込み・読出しを行うSRAM素子等が提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の記憶素子においても、1メモリセル当たりの配線数が
3本以上であり、メモリセルの面積もそれほど小さくな
らないという問題があった。また、これら記憶素子は、
共鳴トンネルバリア(RTB)のバレー電流により記憶
情報を保持するため、ピーク電流に対してバレー電流を
十分小さくすることが望ましいが、現状ではピーク電流
とバレー電流の比は10〜100程度であり、バレー電
流を十分小さくすることができないという問題があっ
た。
【0008】本発明の目的は、単純な構造で1メモリセ
ル当たりの配線数が少なく、高速書込み、高速読出しが
可能であり、微細化に適している半導体記憶装置及びそ
の情報記憶方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、半導体基板
と、前記半導体基板上に形成されたノンドープの厚いバ
リア層と、前記厚いバリア層上に形成され、不純物がド
ープされた浮遊導電層と、前記浮遊導電層上に形成さ
れ、前記浮遊導電層側のバリア高さが高い非対称なバリ
アを有する薄いバリア層と、前記薄いバリア層上に形成
されたチャネル層と、前記チャネル層上に形成された第
1電極及び第2電極とを有することを特徴とする半導体
記憶装置によって達成される。
【0010】上記目的は、上述した半導体記憶装置に対
して、前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い
書込みバイアス電圧を印加することにより、前記第1電
極から前記薄いバリア層を介して前記浮遊電極層に電子
を注入して前記浮遊電極層に情報を書込み、前記第1電
極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧よりも低い
読出しバイアス電圧を印加し、前記チャネル層に電流が
流れるか否かに基づいて、前記浮遊電極層に記憶された
情報を読出すことを特徴とする半導体記憶装置の情報記
憶方法によって達成される。
【0011】上記目的は、半導体基板と、前記半導体基
板上に形成されたノンドープの厚いバリア層と、前記厚
いバリア層上に形成され、不純物がドープされた浮遊導
電層と、前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層
側の共鳴準位が高い非対称な共鳴トンネリングバリアを
有する薄いバリア層と、前記薄いバリア層上に形成され
たチャネル層と、前記チャネル層上に形成された第1電
極及び第2電極とを有することを特徴とする半導体記憶
装置によって達成される。
【0012】上記目的は、上述した半導体記憶装置に対
して、前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い
書込みバイアス電圧を印加することにより、前記第1電
極から前記薄いバリア層を介して前記浮遊電極層に電子
を注入して前記浮遊電極層に情報を書込み、前記第1電
極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧よりも低い
読出しバイアス電圧を印加し、前記チャネル層に電流が
流れるか否かに基づいて、前記浮遊電極層に記憶された
情報を読出し、前記書込みバイアス電圧よりも高い消去
バイアス電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加す
ることにより、前記第2電極から前記薄いバリア層を介
して前記浮遊電極層に蓄積された電子を放出して前記浮
遊電極層の情報を消去することを特徴とする半導体記憶
装置の情報記憶方法によって達成される。
【0013】上記目的は、半導体基板と、前記半導体基
板上に形成されたノンドープの厚いバリア層と、前記厚
いバリア層上に形成され、不純物がドープされた浮遊導
電層と、前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層
側のバリア高さが低い非対称なバリアを有する中間バリ
ア層と、前記中間バリア層上に形成されたチャネル層
と、前記チャネル層上に形成され、バリア高さが変化し
ない対称なバリアを有する薄いバリア層と、前記薄いバ
リア層上に形成された第1電極及び第2電極とを有する
ことを特徴とする半導体記憶装置によって達成される。
【0014】上記目的は、半導体基板と、前記半導体基
板上に形成されたノンドープの厚いバリア層と、前記厚
いバリア層上に形成され、不純物がドープされた浮遊導
電層と、前記浮遊導電層上に形成され、バリア高さが変
化しない対称なバリアを有する中間バリア層と、前記中
間バリア層上に形成されたチャネル層と、前記チャネル
層上に形成され、共鳴トンネリングバリアを有する薄い
バリア層と、前記薄いバリア層上に形成された第1電極
及び第2電極とを有することを特徴とする半導体記憶装
置によって達成される。
【0015】上記目的は、上述した半導体記憶装置に対
して、前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い
書込みバイアス電圧を印加することにより、前記第1電
極から前記薄いバリア層及び前記中間バリア層を通して
前記浮遊電極層に電子を注入して前記浮遊電極層に情報
を書込み、前記第1電極と前記第2電極間に前記書込バ
イアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加し、前
記チャネル層に電流が流れるか否かに基づいて、前記浮
遊電極層に記憶された情報を読出し、前記書込みバイア
ス電圧よりも高い消去バイアス電圧を前記第1電極及び
前記第2電極に印加することにより、前記第2電極から
前記薄いバリア層及び前記中間バリア層を通して前記浮
遊電極層に蓄積された電子を放出して前記浮遊電極層の
情報を消去することを特徴とする半導体記憶装置の情報
記憶方法によって達成される。
【0016】上記目的は、半導体基板と、前記半導体基
板上に形成されたノンドープの厚いバリア層と、前記厚
いバリア層上に形成され、不純物がドープされた浮遊導
電層と、前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層
側のバリア高さが低い非対称なバリアを有する薄いバリ
ア層と、前記薄いバリア層上に形成されたチャネル層
と、前記チャネル層上に形成された第1電極及び第2電
極とを有することを特徴とする半導体記憶装置によって
達成される。
【0017】上記目的は、上述した半導体記憶装置に対
して、前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い
書込みバイアス電圧を印加することにより、前記浮遊電
極層から前記薄いバリア層を介して電子を放出し、前記
チャネル層内に電子蓄積層を形成して、前記浮遊電極層
に情報を書込み、前記第1電極と前記第2電極間に前記
書込バイアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加
し、前記チャネル層に電流が流れるか否かに基づいて、
前記浮遊電極層に記憶された情報を読出し、前記第1電
極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧よりも低く
前記読出しバイアス電圧よりも高い消去バイアス電圧を
印加することにより、前記チャネル層内の前記電子蓄積
層から前記薄いバリア層を通して前記浮遊電極層に電子
を注入して前記浮遊電極層の情報を消去することを特徴
とする半導体記憶装置の情報記憶方法によって達成され
る。
【0018】
【作用】本発明によれば、半導体基板上に、ノンドープ
の厚いバリア層と、不純物がドープされた浮遊導電層
と、浮遊導電層側のバリア高さが高い非対称なバリアを
有する薄いバリア層と、チャネル層とを積層し、チャネ
ル層上に第1電極及び第2電極とを設けたので、第1電
極より第2電極の方が電位が高い書込みバイアス電圧を
印加することにより、第1電極から薄いバリア層を介し
て浮遊電極層に注入される電子の量が浮遊電極層から薄
いバリア層を介して第2電極に放出される電子の量より
多いことを利用して、浮遊電極層に電子を注入して情報
を書込み、第1電極と第2電極間に書込バイアス電圧よ
りも低い読出しバイアス電圧を印加したときにチャネル
層に電流が流れるか否かに基づいて記憶された情報を読
出すようにすることができる。
【0019】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、浮遊導電層側の共鳴準位が高い非対称な共
鳴トンネリングバリアを有する薄いバリア層と、チャネ
ル層とを積層し、チャネル層上に第1電極及び第2電極
とを設けたので、第1電極より第2電極の方が電位が高
い書込みバイアス電圧を印加することにより、第1電極
から薄いバリア層を介して浮遊電極層に注入される電子
の量が浮遊電極層から薄いバリア層を介して第2電極に
放出される電子の量より多いことを利用して、浮遊電極
層に電子を注入して情報を書込み、第1電極と第2電極
間に書込バイアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を
印加したときにチャネル層に電流が流れるか否かに基づ
いて記憶された情報を読出し、書込みバイアス電圧より
も高い消去バイアス電圧を第1電極及び第2電極に印加
することにより、浮遊電極層から薄いバリア層を介して
第2電極に放出される電子の量が第1電極から薄いバリ
ア層を介して浮遊電極層に注入される電子の量より多い
ことを利用して、浮遊電極層に蓄積された電子を放出し
て情報を消去するようにすることができる。
【0020】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、浮遊導電層側のバリア高さが低い非対称な
バリアを有する中間バリア層と、チャネル層と、バリア
高さが変化しない対称なバリアを有する薄いバリア層と
を積層し、薄いバリア層上に第1電極及び第2電極とを
設けたので、第1電極より第2電極の方が電位が高い書
込みバイアス電圧を印加することにより、第1電極から
薄いバリア層及び中間バリア層を介して浮遊電極層に注
入される電子の量が浮遊電極層から中間バリア層及び薄
いバリア層を介して第2電極に放出される電子の量より
多いことを利用して、第1電極から薄いバリア層及び中
間バリア層を通して浮遊電極層に電子を注入して浮遊電
極層に情報を書込み、第1電極と第2電極間に書込バイ
アス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加したとき
にチャネル層に電流が流れるか否かに基づいて記憶され
た情報を読出し、書込みバイアス電圧よりも高い消去バ
イアス電圧を第1電極及び第2電極に印加することによ
り、浮遊電極層から薄いバリア層及び中間バリア層を介
して第2電極に放出される電子の量が第1電極から薄い
バリア層及び中間バリア層を介して浮遊電極層に注入さ
れる電子の量より多いことを利用して、第2電極から薄
いバリア層及び中間バリア層を通して浮遊電極層に蓄積
された電子を放出して浮遊電極層の情報を消去するよう
にすることができる。
【0021】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、バリア高さが変化しない対称なバリアを有
する中間バリア層と、チャネル層と、共鳴トンネリング
バリアを有する薄いバリア層とを積層し、薄いバリア層
上に第1電極及び第2電極とを設けたので、第1電極よ
り第2電極の方が電位が高い書込みバイアス電圧を印加
することにより、第1電極から薄いバリア層及び中間バ
リア層を介して浮遊電極層に注入される電子の量が浮遊
電極層から中間バリア層及び薄いバリア層を介して第2
電極に放出される電子の量より多いことを利用して、第
1電極から薄いバリア層及び中間バリア層を通して浮遊
電極層に電子を注入して浮遊電極層に情報を書込み、第
1電極と第2電極間に書込バイアス電圧よりも低い読出
しバイアス電圧を印加したときにチャネル層に電流が流
れるか否かに基づいて記憶された情報を読出し、書込み
バイアス電圧よりも高い消去バイアス電圧を第1電極及
び第2電極に印加することにより、浮遊電極層から薄い
バリア層及び中間バリア層を介して第2電極に放出され
る電子の量が第1電極から薄いバリア層及び中間バリア
層を介して浮遊電極層に注入される電子の量より多いこ
とを利用して、第2電極から薄いバリア層及び中間バリ
ア層を通して浮遊電極層に蓄積された電子を放出して浮
遊電極層の情報を消去するようにすることができる。
【0022】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、浮遊導電層側のバリア高さが高い非対称な
バリアを有する薄いバリア層と、チャネル層とを積層
し、チャネル層上に第1電極及び第2電極とを設けたの
で、第1電極より第2電極の方が電位が高い書込みバイ
アス電圧を印加することにより、浮遊電極層から薄いバ
リア層を介して第2電極に放出される電子の量が第1電
極から薄いバリア層を介して浮遊電極層に注入される電
子の量より多いことを利用して、浮遊電極層から電子を
放出して情報を書込み、第1電極と第2電極間に書込バ
イアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加したと
きにチャネル層に電流が流れるか否かに基づいて記憶さ
れた情報を読出し、第1電極と第2電極間に書込バイア
ス電圧よりも低く読出しバイアス電圧よりも高い消去バ
イアス電圧を印加することにより、チャネル層内の電子
蓄積層から薄いバリア層を通して浮遊電極層に電子を注
入して浮遊電極層の情報を消去するようにすることがで
きる。
【0023】
【実施例】本発明の第1の実施例による半導体記憶装置
を図1及び図2を用いて説明する。半絶縁性InP基板
10上には、ノンドープのi−In0.52Al0.48Asか
らなる約300nm厚の厚いバリア層12が形成されて
いる。厚いバリア層12上には、シリコン(Si)のド
ープ量が5×1017cm-3のn−In0.53Ga0.47As
からなる約200nm厚の浮遊導電層14が形成されて
いる。
【0024】浮遊電極層14上には、ノンドープのi−
In0.52(AlxGa1−x)0.48Asからなる約20
nm厚の薄いバリア層16が形成されている。薄いバリ
ア層16のi−In0.52(AlxGa1−x)0.48As
のアルミニウムの組成比(x値)は、半絶縁性InP基
板10側から表面側に向かってx=1.0から0.5ま
で直線的に変化している。薄いバリア層16は、図1
(b)に示すように、浮遊電極層14側のバリア高さが
0.53eVと高く、徐々にバリア高さが低くなり、上
面のバリア高さが0.27eVとなっている。
【0025】薄いバリア層16上には、シリコンのドー
プ量が5×1017cm-3のn−In 0.53Ga0.47Asか
らなる約30nm厚のチャネル層18が形成されてい
る。チャネル層18上には、シリコンのドープ量を5×
1017cm-3から5×1019cm-3まで変化させた約2
0nm厚のn−In0.53Ga0.47As層20aと、シリ
コンのドープ量が5×1019cm-3の約50nm厚のn
−In0.53Ga0.47As層20bからなるコンタクト層
20が形成されている。コンタクト層20は、2つの電
極を形成するための凸部が設けられている。
【0026】コンタクト層20の2つの凸部には、約2
00nm厚のタングステンシリサイド(WSi)層から
なる第1電極22、第2電極24が形成されている。第
1電極22、第2電極24は、タングステンシリサイド
層の代わりに、約20nm厚のクロム層と約190nm
厚の金層とを積層したCr/Au層や、約60nm厚の
パラジウム層と約80nm厚のゲルマニウム層を積層し
たPd/Ge層を用いてもよい。
【0027】次に、本実施例による半導体記憶装置の記
憶方法について図2を用いて説明する。図2は本実施例
の薄いバリア層の順方向と逆方向の電流電圧特性を示す
グラフである。まず、情報の書込み方法について説明す
る。この半導体記憶装置に情報を書込む場合には、第1
電極22と第2電極24の一方、例えば、第1電極22
を接地し、第2電極24を正の電位にする書込みバイア
ス電圧を印加する。このような書込みバイアス電圧を印
加すると、電子は第1電極22からチャネル層18を通
って第2電極24に流れると共に、チャネル層18から
薄いバリア層16をトンネルして浮遊電極層14に注入
され、再度、薄いバリア層16をトンネルしてチャネル
層18に流れ、最終的に第2電極24に達する。
【0028】薄いバリア層16は、図2(b)に示すよ
うに、バリア高さが浮遊電極層14側からチャネル層1
8側に向かって0.53eVから0.27eVに傾斜さ
せている。このため、第1電極22から浮遊電極層14
に流れる電子に対する順方向のバリアは、図2(c)に
示すように、電子がトンネルしやすいバンド構造とな
る。これに対し、浮遊電極層14から第2電極24に流
れる電子に対する逆方向のバリアは、図2(d)に示す
ように、電子がトンネルしにくいバンド構造となる。
【0029】図2(a)に、77Kにおける、傾斜した
バンド構造の薄いバイアス層16に印加されるバイアス
電圧に対する順方向と逆方向に流れる電流値を示す。バ
イアス電圧が0.5V程度までは順方向と逆方向の電流
値はほとんど差がなく、その値も0.5A/cm2 程度
と非常に小さい。しかしながら、0.9V程度になる
と、順方向と逆方向の電流値は順方向で105 A/cm
2 、逆方向で102 A/cm2 となり、電流値の差が約
1000倍にもなる。
【0030】このため、第1電極22を接地して第2電
極24に約1.8Vの電圧を印加すると、印加した時点
では順方向と逆方向の薄いバリア層16にほぼ等しいバ
イアス電圧(約0.9V)が印加されるので、約1ps
程度の非常に短い時間内に10-6C/cm2 程度の電荷
量に相当する電子が浮遊電極層14に蓄積される。その
結果、浮遊電極層14の電位が約0.2V程度上がり、
順方向の電流値と逆方向の電流値がほぼ等しくなった電
圧(この場合は、順方向の薄いバリア層16に0.7V
程度、逆方向の薄いバリア層16に1.2V程度)で平
衡状態に達して、浮遊電極14に電子が蓄積され情報を
書込むことができる。
【0031】このとき、第2電極24の電圧を0Vにす
ると、浮遊電極層14の電位は0.2V程度高くなる。
しかし、浮遊電極層14が0.2V程度高くなったとし
ても、図2(a)に示すように、順方向の電流値も逆方
向の電流値も10-5A/cm 2 程度しかなく、浮遊電極
層14に蓄積された電子はゆっくりと放出され、この状
態は約10ms程度保持される。さらに、浮遊電極層1
4から電子が放出されると浮遊電極層14の電位が低下
して電子はさらにゆっくりと放出される。例えば、浮遊
電極層14の電位が約0.1Vになると、その状態は約
1s程度保持される。
【0032】次に、情報の読出し方法について説明す
る。第1電極22からチャネル層18を通して第2電極
24に流れる電流は、浮遊電極層14に電荷が蓄積され
ていない状態では、表面空乏層の影響を受けるだけなの
で、第1電極22と第2電極24間に書込みバイアス電
圧より低い1V程度の読出しバイアス電圧を印加する
と、103 A/cm2 程度の電流が流れる。
【0033】これに対し、浮遊電極層14に電荷が蓄積
された状態では、浮遊電極層14から空乏層が伸びてチ
ャネル層18は殆ど空乏化され、第1電極22と第2電
極24間に電流は殆ど流れなくなる。このように、読出
しバイアス電圧を印加して、第1電極22と第2電極2
4間に流れる電流の有無を検出することにより、浮遊電
極層14に電荷が蓄積されたか否かによる記憶情報を読
出すことができる。
【0034】なお、第1電極22と第2電極24間に1
V程度の読出しバイアス電圧を印加したときに、薄いバ
リア層16をトンネルして第1電極22から第2電極2
4間を流れる電流は10-4A/cm2 程度しかないの
で、記憶情報の読出しに影響することはない。本実施例
では、浮遊電極層14に蓄積された電子は約1秒程度で
放出され、記憶情報は失われるが、薄いバリア層16を
約20nm厚から約30nm厚に厚くすることにより、
24時間程度保持するようにすることが可能である。
【0035】紫外線を照射することにより浮遊電極層1
4に蓄積された電子を放出して、情報を一括消去するこ
とができる。なお、本実施例ではバリア高さが低いので
可視光線でも消去可能である。なお、本実施例の半導体
記憶装置は、熱電的(thermonic) な電流成分を抑えるた
めに77K以下の低温で動作させることが望ましい。
【0036】このように、本実施例によれば、高速に電
気的に書込み可能な読出し専用のメモリ(EPROM)
を実現できる。2本の配線を設けるだけでよいので高集
積化が可能であると共に書込み時間を短縮することがで
きる。また、書込み電圧をシリコンを用いた従来のDR
AM素子の10分の1程度に低くすることができる。次
に、本実施例による半導体記憶装置の製造方法について
説明する。
【0037】まず、電子線ビームエピタキシャル(MB
E)法により、半絶縁性InP基板10上に、ノンドー
プのi−In0.52Al0.48Asからなる約300nm厚
の厚いバリア層(バッファ層)12、シリコンのドープ
量が5×1017cm-3のn−In0.53Ga0.47Asから
なる約200nm厚の浮遊導電層14、ノンドープのi
−In0.52(AlxGa1−x)0.48Asからなる約2
0nm厚の薄いバリア層16、シリコンのドープ量が5
×1017cm-3のn−In0.53Ga0.47Asからなる約
30nm厚のチャネル層18、シリコンのドープ量を5
×1017cm-3から5×1019cm-3まで変化させた約
20nm厚のn−In0.53Ga0.47As層20a、シリ
コンのドープ量が5×1019cm-3の約50nm厚のn
−In0. 53Ga0.47As層20bを連続的に結晶成長さ
せる。
【0038】次に、コンタクト層20上に、約200n
m厚のタングステンシリサイド(WSi)層、約20n
m厚のクロム層と約190nm厚の金層とを積層したC
r/Au層、又は、約60nm厚のパラジウム層と約8
0nm厚のゲルマニウム層を積層したPd/Ge層を形
成する。続いて、通常のフォトリソグラフィ技術により
パターンエッチングして第1電極22と第2電極24を
形成する。
【0039】次に、第1電極22と第2電極24をマス
クとして、CH4 とH2 を用いたRIE法によりガス圧
4Pa、RFパワー60Wのエッチング条件により、第
1電極22と第2電極間のn−In0.53Ga0.47As層
20bとn−In0.53Ga0. 47As層20aをエッチン
グ除去すると共に、第1電極22と第2電極24を取り
囲むように厚いバリア層12に達するまでエッチング除
去して、本実施例の半導体記憶装置を完成する。
【0040】次に、本発明の第2の実施例による半導体
記憶装置を図3を用いて説明する。図1に示す第1の実
施例の半導体記憶装置と同一の構成要素には同一の符号
を付して説明を省略又は簡略にする。本実施例では、浮
遊導電層14とチャネル層18の間の表面リーク電流を
防止するために、図3に示すように、側面にノンドープ
のi−In0.52Al0.48Asからなる約300nm厚の
保護層26を設けている。
【0041】第1電極22と第2電極24周囲をメサエ
ッチングした後に、メサ形状の側面全面に、MBE法又
はMOCVD法によりノンドープのi−In0.52Al
0.48Asからなる約300nm厚の保護層26を形成す
る。本実施例によれば、側面を保護層により覆ったので
表面リーク電流を防止して浮遊電極層に蓄積された電子
による記憶情報の保持時間が長くなる。
【0042】次に、本発明の第3の実施例による半導体
記憶装置を図4を用いて説明する。図1に示す第1の実
施例の半導体記憶装置と同一の構成要素には同一の符号
を付して説明を省略又は簡略にする。半絶縁性InP基
板10上には、第1の実施例と同様に、ノンドープのi
−In0.52Al0.48Asからなる約300nm厚の厚い
バリア層12、シリコンのドープ量が5×1017cm-3
のn−In0.53Ga0.47Asからなる約200nm厚の
浮遊導電層14、In0.52(AlxGa1−x)0.48
sからなる約30nm厚の薄いバリア層16が順番に積
層されている。
【0043】薄いバリア層16のIn0.52(AlxGa
1−x)0.48Asのアルミニウムの組成比(x値)は、
半絶縁性InP基板10側から表面側に向かってx=
1.0から0.5まで直線的に変化している。このた
め、薄いバリア層16は、図4(b)に示すように、浮
遊電極層14側のバリア高さが0.53eVと高く、徐
々にバリア高さが低くなり、上面のバリア高さが0.2
7eVとなっている。また、図4(b)に示すように、
薄いバリア層16の表面側の一部、又は薄いバリア層1
6全部をシリコンによりドープ量が1×1018cm-3
ドープしている。
【0044】薄いバリア層16上には、ノンドープのi
−In0.53Ga0.47Asからなる約30nm厚のチャネ
ル層18が形成されている。薄いバリア層16からチャ
ネル層18中に電子が染みだし、チャネル層18中に2
次元電子チャネル28が形成される。薄いバリア層16
から電子が染みだして空乏化されるために、ノンドープ
のIn0.52(AlxGa1−x)0.48Asからなる薄い
バリア層16と同様の働きをする。
【0045】チャネル層に2次元電子チャネルが形成さ
れる以外の構成及び動作については第1の実施例と同様
であるので説明を省略する。本実施例によれば、チャネ
ル層内の2次元電子チャネルに電流が流れるか否かによ
り情報の読出しを行っているので、非常に高速に情報の
読出しを行うことができる。
【0046】次に、本発明の第4の実施例による半導体
記憶装置を図5及び図6を用いて説明する。図1に示す
第1の実施例の半導体記憶装置と同一の構成要素には同
一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。半絶縁性
InP基板10上には、第1の実施例と同様に、ノンド
ープのi−In0.52Al0.48Asからなる約300nm
厚の厚いバリア層12、シリコンのドープ量が5×10
17cm-3のn−In0.53Ga0.47Asからなる約200
nm厚の浮遊導電層14が順番に積層されている。
【0047】浮遊導電層14上には、第1乃至第3の実
施例におけるバリア高さが非対照のバリアを有する薄い
バリア層16の代わりに、共鳴準位の高さが非対称な共
鳴トンネリングバリア(RTB)を有する薄いバリア層
30が形成されている。薄いバリア層30は、図5
(b)に示すように、浮遊導電層14側から、バリア高
さ1.36eVの約3nm厚のi−AlAsバリア層3
0a、約3nm厚のi−InGaAs井戸層30b、バ
リア高さ0.785eVの約3nm厚のi−In0.35
0.65Asバリア層30c、約3nm厚のi−InGa
As井戸層30d、バリア高さ0.53eVの約3nm
厚のi−In0.52Al0.48Asバリア層30eが積層さ
れた構造となっている。
【0048】薄いバリア層30上には、シリコンのドー
プ量が5×1017cm-3のn−In 0.53Ga0.47Asか
らなる約30nm厚のチャネル層18、シリコンのドー
プ量を5×1017cm-3から5×1019cm-3まで変化
させた約20nm厚のn−In0.53Ga0.47As層20
a、シリコンのドープ量が5×1019cm-3の約50n
m厚のn−In0.53Ga0.47As層20bからなるコン
タクト層20が順番に積層されている。このコンタクト
層20上には第1電極22と第2電極24が形成されて
いる。
【0049】次に、本実施例による半導体記憶装置の記
憶方法について図6を用いて説明する。図6は本実施例
の薄いバリア層の順方向と逆方向の電流電圧特性を示す
グラフである。図6から明らかなように、本実施例にお
ける共鳴トンネリングバリアを有する薄いバリア層30
に対する順方向、逆方向の電流とも、印加電圧が0.5
V程度までは殆ど流れない。しかし、印加電圧が0.8
Vになると、順方向において薄いバリア層30が共鳴ト
ンネリング状態となり、約4×104 A/cm2の電流
が流れるのに対して、逆方向では薄いバリア層30が共
鳴状態とならず101 A/cm2 程度の電流しか流れな
い。
【0050】逆に、印加電圧が1.5Vになると、順方
向において薄いバリア層30が非共鳴状態となり102
A/cm2 程度の電流しか流れないのに対して、逆方向
において薄いバリア層30が共鳴トンネリング状態とな
り、約4×104 A/cm2の電流が流れるという逆転
現象と発生する。本実施例では、この逆転現象を利用し
て、情報の書込みと共に情報の消去も可能にしている。
【0051】第1電極22と第2電極24の一方、例え
ば、第1電極22を接地し、第2電極24を約1.6V
の電位にする。このような書込みバイアス電圧を印加す
ると、薄いバリア層30を順方向に流れる電流の方が、
逆方向に流れる電流に比べて非常に大きいため、1ps
〜10psの短時間で浮遊電極層14に電子が注入され
る。浮遊電極層14に電子が蓄積されると、浮遊電極層
14の電位が約0.2V程度上昇する。
【0052】この状態で、第2電極24に印加していた
電圧を0Vにすると、浮遊電極層14の電位は一定時
間、例えば約1μsだけ0.2V程度に保たれる。次
に、浮遊電極層14に電子が蓄積された状態で、第1電
極22と第2電極24間に書込みバイアス電圧よりも高
い3V程度の消去バイアス電圧を印加すると、薄いバリ
ア層30を順方向に流れる電流よりも、逆方向に流れる
電流の方が大きくなり、浮遊電極層14に蓄積された電
子は薄いバリア層30を通して第2電極24から放出さ
れて記憶された情報が消去される。
【0053】一方、第1電極22からチャネル層18を
通して第2電極24に流れる電流は、浮遊電極層14に
電荷が蓄積されていない状態では、表面空乏層の影響を
受けるだけなので、第1電極22と第2電極24間に書
込みバイアス電圧より低い1V程度の読出しバイアス電
圧を印加すると、103 A/cm2 程度の電流が流れ
る。
【0054】これに対し、浮遊電極層14に電荷が蓄積
された状態では、浮遊電極層14から空乏層が伸びてチ
ャネル層18は殆ど空乏化され、第1電極22と第2電
極24間に電流は殆ど流れなくなる。このように、読出
しバイアス電圧を印加して、第1電極22と第2電極2
4間に流れる電流の有無を検出することにより、浮遊電
極層14に電荷が蓄積されたか否かによる記憶情報を読
出すことができる。
【0055】なお、本実施例では、共鳴トンネルバリア
を2つ直列に接続した、いわゆる双安定状態の回路は用
いておらず、双安定状態にならないようにそれぞれの順
方向のバリア特性と逆方向のバリアの特性により、印加
する電圧を決定している。本実施例によれば、第1電極
22と第2電極24間に1.6V程度の書込みバイアス
電圧を加えると、浮遊電極層14に電子が蓄積されて記
憶情報1が書き込まれ、第1電極22と第2電極24間
に3V程度の消去バイアス電圧を印加すると浮遊電極層
14に蓄積された電子が放出されて、記憶情報0が書き
込まれる。このような情報の書込み消去動作を利用して
ダイナミックRAM(DRAM)が実現できる。
【0056】ただし、本実施例の半導体記憶装置におけ
る記憶情報はある時間が経過すると消えてしまうので、
その時間内に記憶情報の再書き込みを行うリフレッシュ
制御が必要となる。なお、記憶情報の保持時間を1s程
度に長くするためには、薄いバリア層16の基板側のバ
リアをより厚くするか高くする方法が有効である。基板
側のバリア層30aを約20nm厚のi−In0.52Al
0.48As層30aにすると、0.2Vでの蓄積時間が1
〜10s程度となる。これは、シリコンのMOSFET
とキャパシタを用いたDRAMの保持時間とほぼ同様で
ある。なお、保持時間を長くするためには、メサ部分を
i−InAlAsで埋め込んだ状態にすることが望まし
い。
【0057】次に、本発明の第5の実施例による半導体
記憶装置を図7を用いて説明する。図6に示す第4の実
施例の半導体記憶装置と同一の構成要素には同一の符号
を付して説明を省略又は簡略にする。半絶縁性InP基
板10上には、ノンドープのi−In0.52Al0.48As
からなる約300nm厚の厚いバリア層12が形成され
ている。この厚いバリア層12上には、図7左側の領域
に素子分離された状態で、第4の実施例と同様に、シリ
コンのドープ量が5×1017cm-3のn−In0.53Ga
0.47Asからなる約200nm厚の浮遊導電層14、共
鳴準位の高さが非対称な共鳴トンネリングバリア(RT
B)を有する薄いバリア層30が形成されている。
【0058】薄いバリア層30は、第4の実施例と同様
に、浮遊導電層14側から、バリア高さ1.36eVの
約3nm厚のi−AlAsバリア層30a、約3nm厚
のi−InGaAs井戸層30b、バリア高さ0.78
5eVの約3nm厚のi−In0.35Al0.65Asバリア
層30c、約3nm厚のi−InGaAs井戸層30
d、バリア高さ0.53eVの約3nm厚のi−In
0.52Al0.48Asバリア層30eが積層されている。本
実施例では、薄いバリア層30の表面側の一部、又は薄
いバリア層30全部、例えば、最も上層のi−In0.52
Al0.48Asバリア層30eをシリコンによりドープ量
が1×1018cm-3にドープされている。
【0059】薄いバリア層30上には、ノンドープのi
−In0.53Ga0.47Asからなる約30nm厚のチャネ
ル層18、シリコンのドープ量を5×1017cm-3から
5×1019cm-3まで変化させた約20nm厚のn−I
0.53Ga0.47As層20a、シリコンのドープ量が5
×1019cm-3の約50nm厚のn−In0.53Ga0. 47
As層20bからなるコンタクト層20が順番に積層さ
れている。このコンタクト層20上には第1電極22と
第2電極24が形成されている。このようにして半絶縁
性InP基板10上の左側の領域に本実施例の半導体記
憶装置が形成されている。
【0060】本実施例の半導体記憶装置では、薄いバリ
ア層30からチャネル層18中に電子が染みだし、チャ
ネル層18中に2次元電子チャネル28が形成される。
チャネル層に2次元電子チャネルが形成される以外の動
作については第4の実施例と同様であるので説明を省略
する。一方、半絶縁性InP基板10上の右側の領域に
も、半導体記憶装置と同様の層構造のHEMTが形成さ
れている。すなわち、厚いバリア層12上に、素子分離
された状態で、シリコンのドープ量が5×1017cm-3
の約200nm厚のn−In0.53Ga0.47As層32、
電子供給層34、能動層36、コンタクト層20が順番
に積層されている。
【0061】電子供給層34は、半導体記憶装置の薄い
バリア層30と同様に共鳴準位の高さが非対称な共鳴ト
ンネリングバリア(RTB)を有する層構造をしてお
り、n−In0.53Ga0.47As層32側から、バリア高
さ1.36eVの約3nm厚のi−AlAsバリア層3
0a、約3nm厚のi−InGaAs井戸層30b、バ
リア高さ0.785eVの約3nm厚のi−In0.35
0.65Asバリア層30c、約3nm厚のi−InGa
As井戸層30d、バリア高さ0.53eVの約3nm
厚のi−In0.52Al0.48Asバリア層30eが積層さ
れている。薄いバリア層30の表面側の一部、又は薄い
バリア層30全部、例えば、最も上層のi−In0.52
0.48Asバリア層30eをシリコンによりドープ量が
1×1018cm-3にドープされている。
【0062】能動層36は、チャネル層18と同じ約3
0nm厚のノンドープのi−In0. 53Ga0.47Asから
なる。電子供給層34から能動層36中に電子が染みだ
し、能動層34中に2次元電子チャネル38が形成され
る。コンタクト層20上にはソース電極40とドレイン
電極42が形成され、これらソース電極40とドレイン
電極42間の能動層36上には、タングステンシリサイ
ド(WSi)やアルミニウム(Al)からなるゲート電
極44が形成されている。
【0063】本実施例によれば、チャネル層内の2次元
電子チャネルに電流が流れるか否かにより情報の読出し
を行っているので、非常に高速に情報の読出しを行うこ
とができる。また、半導体記憶装置と同じ半絶縁性In
P基板上にHEMTを形成することができ、記憶情報の
増幅やメモリ素子用の周辺回路を簡単に形成することが
できる。次に、本発明の第6の実施例による半導体記憶
装置を図8を用いて説明する。図1に示す第1の実施例
の半導体記憶装置と同一の構成要素には同一の符号を付
して説明を省略又は簡略にする。
【0064】半絶縁性InP基板10上には、ノンドー
プのi−In0.52Al0.48Asからなる約300nm厚
の厚いバリア層12が形成されている。厚いバリア層1
2上には、シリコンのドープ量が1×1018cm-3のn
−In0.53Ga0.47Asからなる約200nm厚の浮遊
導電層14が形成されている。浮遊電極層14上には、
ノンドープのi−In0.52(AlxGa1−x)0.48
sからなる約200nm厚の中間バリア層46が形成さ
れている。この中間バリア層46のi−In0.52(Al
xGa1−x)0.48Asのアルミニウムの組成比(x
値)は、基板側から表面側に向かってx=0.5から
0.75まで直線的に増加している。中間バリア層46
は、図8(c)に示すように、浮遊電極層14側のバリ
ア高さが0.27eVと低く、徐々にバリア高さが高く
なり、上面のバリア高さが0.41eVとなっている。
【0065】中間バリア層46上には、シリコンのドー
プ量が1×1018cm-3のn−In 0.53Ga0.47Asか
らなる約30nm厚のチャネル層48が形成されてい
る。チャネル層48上には、ノンドープのi−In0.52
Al0.48Asからなる約20nm厚の薄いバリア層50
が形成されている。薄いバリア層50は、図8(b)に
示すように、常にバリア高さが0.53eVの対称的な
バリアを有している。
【0066】薄いバリア層50上には、シリコンのドー
プ量を5×1017cm-3から5×1019cm-3まで変化
させた約20nm厚のn−In0.53Ga0.47As層52
aと、シリコンのドープ量が5×1019cm-3の約60
nm厚のn−In0.53Ga0. 47As層52bからなるコ
ンタクト層52が形成されている。コンタクト層52
は、2つの電極を形成するための凸部が設けられ、これ
らコンタクト層52の2つの凸部上には第1電極22、
第2電極24が形成されている。
【0067】次に、本実施例による半導体記憶装置の記
憶方法について説明する。まず、情報の書込み方法につ
いて説明する。この半導体記憶装置に情報を書込む場合
には、第1電極22と第2電極24の一方、例えば、第
1電極22を接地し、第2電極24を1.5〜2.0V
程度の正の電位にする書込みバイアス電圧を印加する。
このような書込みバイアス電圧を印加すると、第1電極
から薄いバリア層50を通して薄いチャネル層48に電
子が注入される。薄いチャネル層48に注入された電子
は、0.5〜0.6eV程度のエネルギーを有するホッ
トエレクトロンとなり、中間バリア層46をも通過して
厚い浮遊導電層14に注入され、蓄積される。
【0068】厚い浮遊導電層14に電子が蓄積される
と、浮遊導電層14の電位が上がり、チャネル層48が
半絶縁性InP基板10側から空乏化される。チャネル
層48が空乏化されると、チャネル層48を通して第2
電極24に流れ込む電子がなくなり、第2電極24から
第1電極22に電流が流れなくなる。このように浮遊導
電層14に電子が蓄積された状態を記憶情報「1」とし
て書込むことができる。
【0069】次に、情報の読み出し方法について説明す
る。浮遊電極層14に電荷が蓄積されていない状態で
は、チャネル層48は空乏化されていないため、第1電
極22と第2電極24間に書込みバイアス電圧より低い
1V程度の読出しバイアス電圧を印加すると、103
/cm2 程度の電流が流れる。
【0070】これに対し、浮遊電極層14に電荷が蓄積
された状態では、浮遊電極層14から空乏層が伸びてチ
ャネル層48は殆ど空乏化され、第1電極22と第2電
極24間に電流が殆ど流れなくなる。このように、読出
しバイアス電圧を印加して、第1電極22と第2電極2
4間に流れる電流の有無を検出することにより、浮遊電
極層14に電荷が蓄積されたか否かによる記憶情報を読
出すことができる。
【0071】なお、浮遊導電層14に電子が蓄積されて
いない状態(記憶情報「0」)では、1V程度の読出し
バイアス電圧を印加しても、チャネル層48に注入され
た電子は厚い中間バリア層46で反射され、浮遊導電層
14に達しないので、情報を読み出しにより浮遊導電層
14に電子が注入されて記憶情報が変化することがな
い。
【0072】また、浮遊導電層14に電子が蓄積された
状態(記憶情報「1」)では、チャネル層48が空乏化
しているため、1V程度の読み出しバイアス電圧では、
電子は殆ど注入されないので、情報を読み出しにより浮
遊導電層14から電子が放出されて記憶情報が変化する
ことがない。次に、書込まれた情報の消去方法について
説明する。
【0073】浮遊導電層14に電子が蓄積され情報が書
込まれた状態で第1電極22と第2電極24間に3〜4
V程度の電圧を印加すると、i−In0.52(AlxGa
1−x)0.48Asからなる中間バリア層46を通して電
流が流れ出す。このとき、中間バリア層46は、表面側
から基板側に向かってバリア高さが低くなっているた
め、第1電極22から浮遊導電層14への電流よりも、
浮遊導電層14から第2電極24への電流の方が大き
く、浮遊導電層14に蓄積された電子は第2電極24に
放出され、書込まれた情報が消去される。
【0074】浮遊導電層14に蓄積された電子が放出さ
れると、チャネル層48の空乏層が短くなり、読出しバ
イアス電圧を印加したときに、第1電極22と第2電極
24間に電流が流れるようになる。本実施例では、中間
バリア層46を厚くすれば、浮遊導電層14に蓄積され
た電子が放出し難くすることができ、記憶情報「1」の
保持時間を例えば10分程度に非常に長くすることがで
きる。なお、浮遊導電層14に電子が蓄積されていない
状態(記憶情報「0」)は書込みが行われない限り永久
に保持される。
【0075】このように、本実施例によれば、高速に電
気的に書込み可能な読出し専用のメモリ(EPROM)
や、書込み読出しができ、再書込みが必要なメモリ(D
RAM)を実現できる。2本の配線を設けるだけでよい
ので高集積化が可能であると共に書込み時間を短縮する
ことができる。次に、本発明の第7の実施例による半導
体記憶装置を図9を用いて説明する。図8に示す第6の
実施例の半導体記憶装置と同一の構成要素には同一の符
号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0076】半絶縁性InP基板10上には、ノンドー
プのi−In0.52Al0.48Asからなる約300nm厚
の厚いバリア層12が形成されている。この厚いバリア
層12上には、図9左側の領域に素子分離された状態
で、第6の実施例と同様に、n−In0.53Ga0.47As
からなる約200nm厚の浮遊導電層14、i−In0.
52(AlxGa1−x)0.48Asからなる約200nm
厚の中間バリア層46、n−In0.53Ga0.47Asから
なる約30nm厚のチャネル層48、i−In0. 52Al
0.48Asからなる約20nm厚の薄いバリア層50、n
−In0.53Ga0. 47Asからなるコンタクト層50が形
成され、コンタクト層50上には第1電極22と第2電
極24が形成されている。このようにして半絶縁性In
P基板10上の左側の領域に本実施例の半導体記憶装置
が形成されている。
【0077】一方、半絶縁性InP基板10上の右側の
領域に、半導体記憶装置と同様の層構造のHETやRH
ETが形成されている。すなわち、厚いバリア層12上
に、素子分離された状態で、n−In0.53Ga0.47As
からなる約200nm厚のコレクタ層54、i−In
0.52(AlxGa1−x)0.48Asからなる約200n
m厚のバリア層56、n−In0.53Ga0.47Asからな
る約30nm厚のベース引出し層58、i−In0.52
0.48Asからなる約20nm厚の薄いベース層60、
n−In0.53Ga0.47Asからなる約 nm厚のエミ
ッタ層62が階段状に形成されている。
【0078】コレクタ層54は浮遊導電層14に対応
し、バリア層56は中間バリア層46に対応し、ベース
引出し層58はチャネル層48に対応し、ベース層60
は薄いバリア層50に対応し、エミッタ層62はコンタ
クト層52に対応している。コレクタ層54上にはコレ
クタ電極64が形成され、ベース引出し層58上にはベ
ース電極66が形成され、エミッタ層62上にはエミッ
タ電極68が形成されている。
【0079】このように、半絶縁性InP基板10の右
側の領域には、マルチエミッタタイプのInGaAs/
In(AlGa)Asホットエレクトロントランジスタ
(HET)や共鳴トンネリングホットエレクトロントラ
ンジスタ(RHET)を形成することができる。次に、
本発明の第8の実施例による半導体記憶装置を図10及
び図11を用いて説明する。図8に示す第6の実施例の
半導体記憶装置と同一の構成要素には同一の符号を付し
て説明を省略又は簡略にする。
【0080】半絶縁性InP基板10上に、厚いバリア
層12、浮遊導電層14が形成され、浮遊電極層14上
に中間バリア層46が。本実施例の中間バリア層46は
約30nm厚のi−In0.52(Al0.875 Ga0.125
0.48Asからなり、図10(c)に示すように、バリア
高さが0.46eVで一定の対称的なバリアを有してい
る。
【0081】中間バリア層46上にはチャネル層48が
形成され、このチャネル層48上には、共鳴トンネリン
グバリア(RTB)を有する薄いバリア層70が形成さ
れている。薄いバリア層70は、図10(a)に示すよ
うに、浮遊導電層14側から、バリア高さ1.36eV
の約2.36nm厚のi−AlAsバリア層70a、約
3.3nm厚のi−InGaAs井戸層70b、バリア
高さ1.36eVの約2.36nm厚のi−AlAsバ
リア層70cが積層された構造となっている。
【0082】薄いバリア層70上にはコンタクト層52
が形成され、コンタクト層52には第1電極22、第2
電極24が形成されている。次に、本実施例による半導
体記憶装置の記憶方法について図11を用いて説明す
る。図11は本実施例の中間バリア層46と薄いバリア
層70の77Kにおける電流電圧特性を示すグラフであ
る。
【0083】まず、情報の書込み方法について説明す
る。第1電極22と第2電極24間に1.6V程度のバ
イアス電圧を印加すると、薄いバリア層70と中間バリ
ア層46の両方に最初約0.8Vの電圧が印加される。
図11に示すように、薄いバリア層70を通して約5×
104 A/cm2 もの電流が流れてチャネル層48に電
子が注入される。チャネル層48に注入される電子は、
エネルギが0.7eVと高いため、中間バリア層46を
越えて浮遊導電層14に達する。一方、図11に示すよ
うに、約0.8Vの電圧が印加されても、中間バリア層
46には1×10-3A/cm2 程度の電流しか流れな
い。したがって、浮遊導電層14は電子が蓄積されて、
記憶情報「1」が書込まれる。
【0084】記憶情報「1」が書込まれて、浮遊導電層
14に電子が蓄積されると電位が上がり、チャネル層4
8まで空乏層が伸びる。この状態で第1電極22と第2
電極24間のバイアス電圧を0Vにすると、浮遊導電層
14の電位によりチャネル層48が空乏化された状態と
なる。次に、情報の読出し方法について説明する。
【0085】浮遊電極層14に電荷が蓄積されていない
状態では、チャネル層48は空乏化されていないため、
第1電極22と第2電極24間に書込みバイアス電圧よ
り低い0.7V程度の読出しバイアス電圧を印加する
と、薄いバリア層70を通ってチャネル層48を104
A/cm2 程度の電流が流れる。これに対し、浮遊電極
層14に電荷が蓄積された状態では、浮遊電極層14か
ら空乏層が伸びてチャネル層48は殆ど空乏化され、第
1電極22と第2電極24間に電流が殆ど流れなくな
る。
【0086】このように、読出しバイアス電圧を印加し
て、第1電極22と第2電極24間に流れる電流の有無
を検出することにより、浮遊電極層14に電荷が蓄積さ
れたか否かによる記憶情報を読出すことができる。な
お、第1電極22と第2電極間に0.7V程度のバイア
ス電圧を印加すると、薄いバリア層70を通ってチャネ
ル層48に電子が注入されるが、電子の注入エネルギー
は0.35eV程度と低いため、厚い中間バリア層46
を電子が越えられず、浮遊導電層14には電子が注入さ
れないで、電子の蓄積状態が保持される。
【0087】また、この状態で、第1電極22と第2電
極24間に書込みバイアス電圧と同じ1.6V程度のバ
イアス電圧を印加しても、薄いバリア層70には電圧は
かからず電子は注入されない。このとき、中間バリア層
46には0.7V程度の電圧がかかるが、図11に示す
ように、電流密度は10-6A/cm2 程度と小さいの
で、蓄積された電子が放出されるのに時間がかかり、記
憶情報を1秒程度保持することが可能である。バイアス
電圧を1秒程度以下の短いパルスにすれば情報を保持し
続けることができる。
【0088】次に、情報の消去方法について説明する。
第1電極22と第2電極24間に約4Vの高い消去バイ
アス電圧を印加すると、約2Vの電圧が中間バリア層4
6に印加される。中間バリア層46を通る電流密度は、
図11に示すように、104 A/cm2 程度となり、1
0ps程度の時間で浮遊導電層14に蓄積された電子は
急激に放出され、記憶情報「1」が消去され、記憶情報
「0」が書込まれる。
【0089】浮遊導電層14から電子が放出された状態
で、第1電極22と第2電極24間に4V程度の高い消
去バイアス電圧が印加され続けても、チャネル層48は
空乏化されていないため、ほとんどの電圧(約2.5
V)は共鳴トンネリングバリアを有する薄いバリア層7
0に印加される。しかしながら、薄いバリア層70は、
図11に示すように、2.5Vではバレー状態にあり、
電流密度が102 A/cm2 程度と低いため、注入され
た電子は浮遊導電層14に到達しない。また、注入され
た電子は殆どL谷へ散乱されてチャネル層48を流れる
ため、浮遊導電層14には電子は殆ど蓄積されない。し
たがって、書込みバイアス電圧よりも高い消去バイアス
電圧が印加されても電子が蓄積された記憶情報「1」が
書込まれることはない。
【0090】次に、本発明の第9の実施例による半導体
記憶装置を図12を用いて説明する。本実施例では所望
の領域に選択的に半導体記憶装置を形成するものであ
る。本実施例では第5の実施例による半導体記憶装置を
形成する場合を例として説明する。半絶縁性InP基板
10上には、ノンドープのi−In0.52Al0.48Asか
らなる約300nm厚の厚いバリア層12が形成されて
いる。この厚いバリア層12上には全面に約200nm
厚のIn0.53Ga0.47As層72が形成されている。こ
のIn0.53Ga0.47As層72には、半導体記憶装置が
形成される中央の領域にのみシリコンがドープされドー
プ量が5×1017cm-3のn−In0.53Ga 0.47Asか
らなる浮遊導電層72aが形成され、浮遊導電層72a
の周囲はノンドープのn−In0.53Ga0.47Asからな
る素子分離層72bが形成されている。
【0091】浮遊導電層72a上には、共鳴準位の高さ
が非対称な共鳴トンネリングバリア(RTB)を有する
薄いバリア層30が形成されている。この薄いバリア層
30は、浮遊導電層72側から、バリア高さ0.53e
Vのi−AlAsバリア層30a、i−InGaAs井
戸層30b、バリア高さ0.785eVのi−In0. 35
Al0.65Asバリア層30c、i−InGaAs井戸層
30d、バリア高さ0.53eVのi−In0.52Al
0.48Asバリア層30eが積層されている。本実施例で
は、薄いバリア層30の表面側の一部である、最も上層
のi−In0.52Al0.48Asバリア層30eをシリコン
によりドープ量が1×1018cm-3にドープされてい
る。
【0092】薄いバリア層30上には、チャネル層1
8、コンタクト層20が順番に積層され、このコンタク
ト層20上に第1電極22と第2電極24が形成されて
いる。バリア層30eからチャネル層18中に電子が染
みだし、チャネル層18中に2次元電子チャネル28が
形成される。このようにして半絶縁性InP基板10上
の所望の領域に本実施例の半導体記憶装置が形成された
構造になっている。
【0093】なお、ノンドープのIn0.53Ga0.47As
層72の代わりにドープ量が5×1017cm-3程度のp
−In0.53Ga0.47As層又はp−In0.0.52Ga0.48
As層を用いてもよい。リーク電流の少ない、保持時間
の長い半導体記憶装置を実現することができる。次に、
本実施例による半導体記憶装置の製造方法について説明
する。
【0094】まず、電子線ビームエピタキシャル(MB
E)法により、半絶縁性InP基板10上に、ノンドー
プのi−In0.52Al0.48Asからなる約300nm厚
の厚いバリア層12、ノンドープの約200nm厚のI
0.53Ga0.47As層72を滞積する。次に、In0.53
Ga0.47As層72上にレジスト層(図示せず)を塗布
し、このレジスト層を半導体記憶装置を形成する領域が
開口するようにパターニングする。続いて、パターニン
グされたレジスト層をマスクとして、In0.53Ga0.47
As層72に、不純物であるシリコンをドーズ量5×1
12cm-2、注入エネルギー100KeV程度で選択的
にイオン注入する。続いて、フラッシュランプ・アニー
ル法により、In0.53Ga0.47As層72を900℃で
5秒程度アニールして活性化し、In0.53Ga0.47As
層72に選択的にドープ量が5×1017cm-3のn−I
0.53Ga0.47Asからなる浮遊導電層72aを形成す
る。
【0095】なお、ノンドープの約200nm厚のIn
0.53Ga0.47As層72の代わりにドープ量が5×10
17cm-3程度のp−In0.53Ga0.47As層又はp−I
0. 0.52Ga0.48As層を滞積し、この層にシリコンを
イオン注入することにより、p型半導体層中にn型半導
体層である浮遊導電層を形成するようにしてもよい。次
に、In0.53Ga0.47As層72上の全面に、ノンドー
プのi−In0.52(AlxGa1−x)0.48Asからな
る約20nm厚の薄いバリア層16、シリコンのドープ
量が5×1017cm-3のn−In0.53Ga0.47Asから
なる約30nm厚のチャネル層18、シリコンのドープ
量を5×1017cm-3から5×1019cm-3まで変化さ
せた約70nm厚のn−In0.53Ga0.47Asからなる
コンタクト層20を連続的に結晶成長させる。
【0096】次に、コンタクト層20上に、例えば、約
200nm厚のタングステンシリサイド(WSi)層を
形成する。続いて、通常のフォトリソグラフィ技術によ
りパターンエッチングして第1電極22と第2電極24
を形成する。次に、第1電極22と第2電極24をマス
クとして、CH4 とH2 を用いたRIE法によりガス圧
4パスカル(Pa)、RFパワー60Wのエッチング条
件により、第1電極22と第2電極間のコンタクト層2
0をエッチング除去すると共に、第1電極22と第2電
極24を取り囲むようにIn0.53Ga0.47As層72に
達するまでエッチング除去して、本実施例の半導体記憶
装置を完成する。
【0097】次に、本発明の第10の実施例による半導
体記憶装置を図13及び図14を用いて説明する。半絶
縁性InP基板10上には、ノンドープのi−In0.52
Al0.48Asからなる約300nm厚の厚いバリア層1
2が形成されている。厚いバリア層12上には、シリコ
ン(Si)のドープ量が1×1018cm-3のn−In
0.53Ga0.47Asからなる約200nm厚の浮遊導電層
14が形成されている。
【0098】浮遊電極層14上には、ノンドープのi−
In0.52(AlxGa1−x)0.48Asからなる約20
nm厚の薄いバリア層80が形成されている。薄いバリ
ア層80のi−In0.52(AlxGa1−x)0.48As
のアルミニウムの組成比(x値)は、半絶縁性InP基
板10側から表面側に向かってx=0.5から1.0ま
で直線的に変化している。薄いバリア層80は、図13
(b)に示すように、浮遊電極層14側のバリア高さが
0.27eVと低く、徐々にバリア高さが高くなり、上
面のバリア高さが0.53eVとなっている。
【0099】薄いバリア層80上には、ノンドープのi
−In0.53Ga0.47Asからなる約30nm厚のチャネ
ル層18が形成されている。チャネル層18上には、シ
リコンのドープ量を1×1018cm-3から5×1019
-3まで変化させた約20nm厚のn−In0.53Ga
0.47As層20aと、シリコンのドープ量が5×1019
cm-3の約50nm厚のn−In0.53Ga0.47As層2
0bからなるコンタクト層20が形成されている。コン
タクト層20には、2つの電極を形成するための凸部が
設けられている。
【0100】コンタクト層20の2つの凸部には、約2
00nm厚のタングステンシリサイド(WSi)層から
なる第1電極22、第2電極24が形成されている。第
1電極22、第2電極24は、タングステンシリサイド
層の代わりに、約20nm厚のクロム層と約190nm
厚の金層とを積層したCr/Au層や、約60nm厚の
パラジウム層と約80nm厚のゲルマニウム層を積層し
たPd/Ge層を用いてもよい。
【0101】次に、本実施例による半導体記憶装置の記
憶方法について図14を用いて説明する。図14は本実
施例の薄いバリア層の順方向と逆方向の電流電圧特性を
示すグラフである。まず、情報の書込み方法について説
明する。この半導体記憶装置に情報を書込む場合には、
第1電極22と第2電極24の一方、例えば、第1電極
22を接地し、第2電極24を正の電位にする書込みバ
イアス電圧を印加する。このような書込みバイアス電圧
を印加すると、浮遊電極層14に蓄積された電子は薄い
バリア層80をトンネルしてチャネル層18に流れ、第
2電極24から引き抜かれると共に、第1電極22から
薄いバリア層80をトンネルして浮遊電極層14に電子
が注入される。
【0102】薄いバリア層80は、図14(b)に示す
ように、バリア高さが浮遊電極層14側からチャネル層
18側に向かって0.27eVから0.53eVに傾斜
させている。このため、第1電極22から浮遊電極層1
4に流れる電子に対する順方向のバリアは、図14
(c)に示すように、電子がトンネルしにくいバンド構
造となる。これに対し、浮遊電極層14から第2電極2
4に流れる電子に対する逆方向のバリアは、図14
(d)に示すように、電子がトンネルしやすいバンド構
造となる。
【0103】図14(a)に、77Kにおける、傾斜し
たバンド構造の薄いバイアス層80に印加されるバイア
ス電圧に対する順方向と逆方向に流れる電流値を示す。
バイアス電圧が0.5V程度までは順方向と逆方向の電
流値はほとんど差がなく、その値も0.5A/cm2
度と非常に小さい。しかしながら、0.9V程度になる
と、順方向と逆方向の電流値は順方向で102 A/cm
2 、逆方向で105 A/cm2 となり、電流値の差が約
1000倍にもなる。
【0104】このため、第1電極22を接地して第2電
極24に約1.8Vの電圧を印加すると、印加した時点
では順方向と逆方向の薄いバリア層80にほぼ等しいバ
イアス電圧(約0.9V)が印加されるので、約1ps
程度の非常に短い時間内に10-6C/cm2 程度の電荷
量に相当する電子が浮遊電極層14から引き抜かれる。
【0105】その結果、浮遊電極層14の電位が約0.
2V程度下がり、順方向の電流値と逆方向の電流値がほ
ぼ等しくなった電圧(この場合は、順方向の薄いバリア
層80に1.2V程度、逆方向の薄いバリア層80に
0.7V程度)で平衡状態に達して、浮遊電極14から
電子が引き抜かれる。浮遊電極14から電子が引き抜か
れると、チャネル層18に2次元電子チャネル28が形
成されるので、第1電極22と第2電極24間に電流が
流れるようになり、情報を書込むことができる。
【0106】このとき、第2電極24の電圧を0Vにす
ると、浮遊電極層14の電位は0.2V程度低くなって
いる。しかし、浮遊電極層14が0.2V程度低くなっ
たとしても、図14(a)に示すように、順方向の電流
値も逆方向の電流値も10-5A/cm2 程度しかなく、
浮遊電極層14に電子はゆっくりと注入され、この状態
は約10ms程度保持される。さらに、浮遊電極層14
に電子が注入されると浮遊電極層14の電位が上昇して
電子はさらにゆっくりと注入される。例えば、浮遊電極
層14の電位が0.1V程度低い状態では、その状態は
約1s程度保持される。
【0107】次に、情報の読出し方法について説明す
る。第1電極22からチャネル層18を通して第2電極
24に流れる電流は、浮遊電極層14から電子が引き抜
かれていない状態では、第1電極22と第2電極24間
に0.5V程度の電圧を加えても、ほとんど電流は流れ
ない。これに対し、浮遊電極層14から電子が引き抜か
れた状態では、チャネル層18に2次元電子チャネル2
8が形成されるので、第1電極22と第2電極24間に
大きな電流が流れる。
【0108】このように、読出しバイアス電圧を印加し
て、第1電極22と第2電極24間に流れる電流の有無
を検出することにより、浮遊電極層14から電子が引き
抜かれたか否かによる記憶情報を読出すことができる。
なお、第1電極22と第2電極24間に0.5V程度の
読出しバイアス電圧を印加したときに、薄いバリア層8
0を介して流れる電流は10-4A/cm2 程度しかない
ので、記憶情報の読出しに影響することはない。
【0109】本実施例では、浮遊電極層14に蓄積され
た電子は約1秒程度で放出され、記憶情報は失われる
が、薄いバリア層80を約20nm厚から約30nm厚
に厚くすることにより、24時間程度保持するようにす
ることが可能である。次に、情報の消去方法について説
明する。浮遊電極層14から電子が引き抜かれ、チャネ
ル層18に2次元電子チャネル28が形成された状態
で、第1電極22と第2電極24間に1.0V程度の消
去電圧を印加すると、2次元電子チャネル28の電子は
ホットエレクトロンとなり、薄いバリア層80を越えて
浮遊電極層14に注入される。この場合、薄いバリア層
80が表面側から基板側に向かってバリア高さが低くな
っているため、ホットエレクトロンは浮遊電極層14に
戻りやすい。所定時間以上、第1電極22と第2電極2
4間に1.0V程度の電圧を印加しつづけると、チャネ
ル層18の2次元電子チャネル28は消滅し、浮遊電極
層14に書き込まれた情報が消去される。
【0110】また、紫外線を照射することにより浮遊電
極層14に電子を注入して、情報を一括消去することが
できる。なお、本実施例の半導体記憶装置は、熱電的(t
hermonic) な電流成分を抑えるために77K以下の低温
で動作させることが望ましい。このように、本実施例に
よれば、高速に電気的に書込み可能な読出し専用のメモ
リ(EPROM)を実現できる。2本の配線を設けるだ
けでよいので高集積化が可能であると共に書込み時間を
短縮することができる。
【0111】次に、本実施例による半導体記憶装置の製
造方法について説明する。まず、電子線ビームエピタキ
シャル(MBE)法により、半絶縁性InP基板10上
に、ノンドープのi−In0.52Al0.48Asからなる約
300nm厚の厚いバリア層(バッファ層)12、シリ
コン(Si)のドープ量が1×1018cm -3のn−In
0.53Ga0.47Asからなる約200nm厚の浮遊導電層
14、ノンドープのi−In0.52(AlxGa1−x)
0.48Asからなる約20nm厚の薄いバリア層80、ノ
ンドープのi−In0.53Ga0.47Asからなる約30n
m厚のチャネル層18、シリコンのドープ量を1×10
18cm-3から5×1019cm -3まで変化させた約20n
m厚のn−In0.53Ga0.47As層20a、シリコンの
ドープ量が5×1019cm-3の約50nm厚のn−In
0.53Ga0.47As層20bを連続的に結晶成長させる。
【0112】次に、コンタクト層20上に、約200n
m厚のタングステンシリサイド(WSi)層、約20n
m厚のクロム層と約190nm厚の金層とを積層したC
r/Au層、又は、約60nm厚のパラジウム層と約8
0nm厚のゲルマニウム層を積層したPd/Ge層を形
成する。続いて、通常のフォトリソグラフィ技術により
パターンエッチングして第1電極22と第2電極24を
形成する。
【0113】次に、第1電極22と第2電極24をマス
クとして、CH4 とH2 を用いたRIE法によりガス圧
4Pa、RFパワー60Wのエッチング条件により、第
1電極22と第2電極間のn−In0.53Ga0.47As層
20bとn−In0.53Ga0. 47As層20aをエッチン
グ除去すると共に、第1電極22と第2電極24を取り
囲むように厚いバリア層12に達するまでエッチング除
去して、本実施例の半導体記憶装置を完成する。
【0114】次に、本発明の第11の実施例による半導
体記憶装置を図15を用いて説明する。図13に示す第
10の実施例の半導体記憶装置と同一の構成要素には同
一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。半絶縁性
InP基板10上には、ノンドープのi−In0.52Al
0.48Asからなる約300nm厚の厚いバリア層12が
形成されている。この厚いバリア層12上には、図15
左側の領域に素子分離された状態で、第10の実施例と
同様に、シリコンのドープ量が5×1017cm-3のn−
In0.53Ga0.47Asからなる約200nm厚の浮遊導
電層14、ノンドープのi−In0.52(AlxGa1−
x)0.48Asからなる約20nm厚の薄いバリア層80
が形成されている。
【0115】薄いバリア層80では、第10の実施例と
同様に、i−In0.52(AlxGa1−x)0.48Asの
アルミニウムの組成比(x値)が、半絶縁性InP基板
10側から表面側に向かってx=0.5から1.0まで
直線的に変化している。薄いバリア層80は、浮遊電極
層14側のバリア高さが0.27eVと低く、徐々にバ
リア高さが高くなり、上面のバリア高さが0.53eV
となっている。
【0116】薄いバリア層80上には、ノンドープのi
−In0.53Ga0.47Asからなる約30nm厚のチャネ
ル層18が形成されている。チャネル層18上には、シ
リコンのドープ量を1×1018cm-3から5×1019
-3まで変化させた約20nm厚のn−In0.53Ga
0.47As層20aと、シリコンのドープ量が5×1019
cm-3の約50nm厚のn−In0.53Ga0.47As層2
0bからなるコンタクト層20が形成されている。コン
タクト層20には、2つの電極を形成するための凸部が
設けられている。
【0117】コンタクト層20の2つの凸部には、約2
00nm厚のタングステンシリサイド(WSi)層から
なる第1電極22、第2電極24が形成されている。こ
のようにして半絶縁性InP基板10上の左側の領域
に、第10の実施例と同様の半導体記憶装置が形成され
ている。一方、半絶縁性InP基板10上の右側の領域
にも、半導体記憶装置と同様の層構造のHEMTが形成
されている。すなわち、厚いバリア層12上に、素子分
離層81により素子分離された状態で、シリコンのドー
プ量が5×1017cm-3の約200nm厚のn−In
0.53Ga0.47As層82、電子供給層84、能動層8
6、コンタクト層20が順番に積層されている。
【0118】電子供給層84は、半導体記憶装置の薄い
バリア層80と同じ約20nm厚のノンドープのi−I
0.52(AlxGa1−x)0.48Asから構成されてい
る。能動層86は、チャネル層18と同じ約30nm厚
のノンドープのi−In0. 53Ga0.47Asからなる。電
子供給層34から能動層36中に電子が染みだし、能動
層86中に2次元電子チャネル88が形成される。
【0119】コンタクト層20上にはソース電極90と
ドレイン電極92が形成され、これらソース電極90と
ドレイン電極92間のn−In0.53Ga0.47As層20
a上には、アルミニウム(Al)や白金(Pt)からな
るゲート電極94が形成されている。本実施例によれ
ば、チャネル層内の2次元電子チャネルに電流が流れる
か否かにより情報の読出しを行っているので、非常に高
速に情報の読出しを行うことができる。また、半導体記
憶装置と同じ半絶縁性InP基板上にHEMTを形成す
ることができ、記憶情報の増幅やメモリ素子用の周辺回
路を簡単に形成することができる。次に、本発明の第1
2の実施例による半導体記憶装置を図16及び図17を
用いて説明する。本実施例は、上述した第1乃至第11
の実施例によるメモリセルをマトリックス状に多数配列
してメモリを構成したものである。
【0120】各メモリセルMCには、それぞれ第1電極
E1、第2電極E2とが設けられている。ワード線WL
は、Ti/Pt/Au等からなり、横方向に隣接するメ
モリセルMCの第1電極E1同志を接続する。ワード線
WLと直交するビット線BLは、Ti/Pt/Au等か
らなり、縦方向に隣接するメモリセルMCの第2電極E
2同志を接続する。
【0121】ワード線WLにはそれぞれトライステート
バッファTBが接続され、ビット線BLにもそれぞれト
ライステートバッファTBが接続されている。トライス
テートバッファTBは、図17図(a)の真理値表に示
すような論理動作をする回路である。制御信号OEがハ
イレベルであると、ハイレベルの入力信号に対してロー
レベルの信号が出力され、ローレベルの入力信号に対し
てハイレベルの信号が出力される。制御信号OEがロー
レベルになると、入力信号がハイレベルでもローレベル
でも、出力信号がハイインピーダンスとなり、ワード線
WL、ビット線BLと切り離された状態となる。
【0122】トライステートバッファの具体的回路例
を、図17(b)、図17(c)に示す。図17(b)
はCMOS型トライステートバッファの回路であり、図
17(c)はE/D型トライステートバッファの回路で
ある。メモリセルアレイ中の特定のメモリセルMCに書
込みをするときには、トライステートバッファTBによ
り、そのメモリセルMCの第1電極E1に接続されたワ
ード線WLをロ−レベル(0V)にした後に、そのメモ
リセルMCの第2電極E2に接続されたビット線BLを
ハイレベル(2V)にする。このようにすると、その特
定のメモリセルMCに情報が書込まれる。その他のワー
ド線WL、ビット線BLは、トライステートバッファT
Bによりハイインピーダンスにされるので、一方の電極
がハイレベル又はローレベルになっても情報が書込まれ
ることはない。
【0123】メモリセルアレイ中の特定のメモリセルM
Cに記憶された情報を読出すときには。トライステート
バッファTBにより、そのメモリセルMCの第2電極E
2に接続されたビット線BLをロ−レベル(0V)にし
た後に、そのメモリセルMCの第1電極E1に接続され
たワード線WLをハイレベル(1V)にする。このよう
にすると、その特定のメモリセルMCから選択的に情報
が読出される。その他のワード線WL、ビット線BL
は、トライステートバッファTBによりハイインピーダ
ンスにされる。
【0124】第1、第2、第3、第6、第7及び第9の
実施例のように、浮遊導電層側のバリア高さが高い非対
称なバリアを有するバリア層を用いたメモリセルMCに
対しては、上述したように、ワード線WLのローレベル
を0V、ハイレベルを1Vにし、ビット線BLのローレ
ベルを0V、ハイレベルを2Vにして、情報「0」
「1」の書込み、読出し、消去を選択的に行ったが、他
の実施例の場合にはそのメモリセルMCに応じてワード
線WL、ビット線BLのレベルを定める。
【0125】例えば、第4、第5及び第8の実施例のよ
うに、共鳴トンネリングバリア層を用いたメモリセルM
Cでは、ワード線WLのローレベルを0V、ハイレベル
を1Vにし、ビット線BLのローレベルを0.5V、ハ
イレベルを2Vにすれば、情報「0」「1」の書込み、
読出し、消去を選択的に行うことができる。また、第1
0及び第11の実施例のように、浮遊導電層側のバリア
高さが高い非対称なバリアを有するバリア層を用いたメ
モリセルMCに対しては、約1.8Vの書込みバイアス
電圧、約0.5Vの読出しバイアス電圧、約1.0の消
去バイアス電圧が選択に印加されるように、ワード線W
L及びビット線BLのローレベル、ハイレベルを定めれ
ばよい。
【0126】本実施例によれば、ひとつのメモリセルに
対して2本の配線を設ければよいので、記憶情報を高速
で書込み又は読出しすることができる。また、従来の半
導体記憶装置、例えば、シリコンのMOSFETとキャ
パシタを用いた1MOSセル方式のDRAMの場合、セ
ル面積は0.6μmルールで約2μm2 であるのに対
し、本実施例の場合、セル面積を約1μm2 と小さくで
きる。
【0127】また、本実施例では大きな専有面積を必要
とするキャパシタを必要としないため、製造プロセスも
非常に簡単となる。さらに、より一層の微細化が要請さ
れた場合、シリコンを用いたDRAMではキャパシタの
容量に起因するノイズマージンが問題となっているのに
対し、本実施例の半導体記憶装置では、微細化に対する
本質的な問題点が特になく、より一層の微細化が可能で
ある。
【0128】本発明は上記実施例に限らず種々の変形が
可能である。例えば、上記実施例ではInGaAs/I
n(AlGa)As系の化合物半導体材料を用いたが、
GaAs/AlGaAs系、InGaAs/InP系、
InAs/AlGaAsSb系等の化合物半導体材料
や、SiとSiGe、SiとSiO2 等の半導体材料
や、CaFとCoSi等の金属と絶縁物の組合わせや、
NbとNbO等の超伝導材料や、MgOとSrTiO3
等の酸化物超伝導体等の他の材料を用いてもよい。
【0129】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、半導体基
板上に、ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープ
された浮遊導電層と、浮遊導電層側のバリア高さが高い
非対称なバリアを有する薄いバリア層と、チャネル層と
を積層し、チャネル層上に第1電極及び第2電極とを設
けたので、第1電極より第2電極の方が電位が高い書込
みバイアス電圧を印加することにより、第1電極から薄
いバリア層を介して浮遊電極層に注入される電子の量が
浮遊電極層から薄いバリア層を介して第2電極に放出さ
れる電子の量より多いことを利用して、浮遊電極層に電
子を注入して情報を書込み、第1電極と第2電極間に書
込バイアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加し
たときにチャネル層に電流が流れるか否かに基づいて記
憶された情報を読出すようにすることができる。
【0130】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、浮遊導電層側の共鳴準位が高い非対称な共
鳴トンネリングバリアを有する薄いバリア層と、チャネ
ル層とを積層し、チャネル層上に第1電極及び第2電極
とを設けたので、第1電極より第2電極の方が電位が高
い書込みバイアス電圧を印加することにより、第1電極
から薄いバリア層を介して浮遊電極層に注入される電子
の量が浮遊電極層から薄いバリア層を介して第2電極に
放出される電子の量より多いことを利用して、浮遊電極
層に電子を注入して情報を書込み、第1電極と第2電極
間に書込バイアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を
印加したときにチャネル層に電流が流れるか否かに基づ
いて記憶された情報を読出し、書込みバイアス電圧より
も高い消去バイアス電圧を第1電極及び第2電極に印加
することにより、浮遊電極層から薄いバリア層を介して
第2電極に放出される電子の量が第1電極から薄いバリ
ア層を介して浮遊電極層に注入される電子の量より多い
ことを利用して、浮遊電極層に蓄積された電子を放出し
て情報を消去するようにすることができる。
【0131】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、浮遊導電層側のバリア高さが低い非対称な
バリアを有する中間バリア層と、チャネル層と、バリア
高さが変化しない対称なバリアを有する薄いバリア層と
を積層し、薄いバリア層上に第1電極及び第2電極とを
設けたので、第1電極より第2電極の方が電位が高い書
込みバイアス電圧を印加することにより、第1電極から
薄いバリア層及び中間バリア層を介して浮遊電極層に注
入される電子の量が浮遊電極層から中間バリア層及び薄
いバリア層を介して第2電極に放出される電子の量より
多いことを利用して、第1電極から薄いバリア層及び中
間バリア層を通して浮遊電極層に電子を注入して浮遊電
極層に情報を書込み、第1電極と第2電極間に書込バイ
アス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加したとき
にチャネル層に電流が流れるか否かに基づいて記憶され
た情報を読出し、書込みバイアス電圧よりも高い消去バ
イアス電圧を第1電極及び第2電極に印加することによ
り、浮遊電極層から薄いバリア層及び中間バリア層を介
して第2電極に放出される電子の量が第1電極から薄い
バリア層及び中間バリア層を介して浮遊電極層に注入さ
れる電子の量より多いことを利用して、第2電極から薄
いバリア層及び中間バリア層を通して浮遊電極層に蓄積
された電子を放出して浮遊電極層の情報を消去するよう
にすることができる。
【0132】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、バリア高さが変化しない対称なバリアを有
する中間バリア層と、チャネル層と、共鳴トンネリング
バリアを有する薄いバリア層とを積層し、薄いバリア層
上に第1電極及び第2電極とを設けたので、第1電極よ
り第2電極の方が電位が高い書込みバイアス電圧を印加
することにより、第1電極から薄いバリア層及び中間バ
リア層を介して浮遊電極層に注入される電子の量が浮遊
電極層から中間バリア層及び薄いバリア層を介して第2
電極に放出される電子の量より多いことを利用して、第
1電極から薄いバリア層及び中間バリア層を通して浮遊
電極層に電子を注入して浮遊電極層に情報を書込み、第
1電極と第2電極間に書込バイアス電圧よりも低い読出
しバイアス電圧を印加したときにチャネル層に電流が流
れるか否かに基づいて記憶された情報を読出し、書込み
バイアス電圧よりも高い消去バイアス電圧を第1電極及
び第2電極に印加することにより、浮遊電極層から薄い
バリア層及び中間バリア層を介して第2電極に放出され
る電子の量が第1電極から薄いバリア層及び中間バリア
層を介して浮遊電極層に注入される電子の量より多いこ
とを利用して、第2電極から薄いバリア層及び中間バリ
ア層を通して浮遊電極層に蓄積された電子を放出して浮
遊電極層の情報を消去するようにすることができる。
【0133】また、本発明によれば、半導体基板上に、
ノンドープの厚いバリア層と、不純物がドープされた浮
遊導電層と、浮遊導電層側のバリア高さが高い非対称な
バリアを有する薄いバリア層と、チャネル層とを積層
し、チャネル層上に第1電極及び第2電極とを設けたの
で、第1電極より第2電極の方が電位が高い書込みバイ
アス電圧を印加することにより、浮遊電極層から薄いバ
リア層を介して第2電極に放出される電子の量が第1電
極から薄いバリア層を介して浮遊電極層に注入される電
子の量より多いことを利用して、浮遊電極層から電子を
放出して情報を書込み、第1電極と第2電極間に書込バ
イアス電圧よりも低い読出しバイアス電圧を印加したと
きにチャネル層に電流が流れるか否かに基づいて記憶さ
れた情報を読出し、第1電極と第2電極間に書込バイア
ス電圧よりも低く読出しバイアス電圧よりも高い消去バ
イアス電圧を印加することにより、チャネル層内の電子
蓄積層から薄いバリア層を通して浮遊電極層に電子を注
入して浮遊電極層の情報を消去するようにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例による半導体記憶装置の
薄いバリア層の順方向と逆方向の電流電圧特性を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の第2の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例による半導体記憶装置の
薄いバリア層の順方向と逆方向の電流電圧特性を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の第5の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図8】本発明の第6の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図9】本発明の第7の実施例による半導体記憶装置を
示す図である。
【図10】本発明の第8の実施例による半導体記憶装置
を示す図である。
【図11】本発明の第8の実施例による半導体記憶装置
の中間バリア層と薄いバリア層の電流電圧特性を示すグ
ラフである。
【図12】本発明の第9の実施例による半導体記憶装置
を示す図である。
【図13】本発明の第10の実施例による半導体記憶装
置を示す図である。
【図14】本発明の第10の実施例による半導体記憶装
置の薄いバリア層の順方向と逆方向の電流電圧特性を示
すグラフである。
【図15】本発明の第11の実施例による半導体記憶装
置を示す図である。
【図16】本発明の第12の実施例による半導体記憶装
置を示す図である。
【図17】本発明の第12の実施例による半導体記憶装
置で用いられるトライステートバッファを示す図であ
る。
【符号の説明】
10…半絶縁性InP基板 12…厚いバリア層 14…浮遊導電層 16…薄いバリア層 18…チャネル層 20…コンタクト層 20a…n−In0.53Ga0.47As層 20b…n−In0.53Ga0.47As層 22…第1電極 24…第2電極 26…保護層 28…2次元電子チャネル 30…薄いバリア層 30a…i−AlAsバリア層 30b…i−InGaAs井戸層 30c…i−In0.35Al0.65Asバリア層 30d…i−InGaAs井戸層 30e…i−In0.52Al0.48Asバリア層 32…n−In0.53Ga0.47As層 34…電子供給層 36…能動層 38…2次元電子チャネル 40…ソース電極 42…ドレイン電極 44…ゲート電極 46…中間バリア層 48…チャネル層 50…薄いバリア層 52…コンタクト層 52a…n−In0.53Ga0.47As層 52b…n−In0.53Ga0.47As層 54…コレクタ層 56…バリア層 58…ベース引出し層 60…ベース層 62…エミッタ層 64…コレクタ電極 66…ベース電極 68…エミッタ電極 70…薄いバリア層 70a…i−AlAsバリア層 70b…i−InGaAs井戸層 70c…i−AlAsバリア層 72…In0.53Ga0.47As層 72a…浮遊導電層 72b…素子分離層 80…薄いバリア層 81…素子分離層 82…n−In0.53Ga0.47As層 84…電子供給層 86…能動層 88…2次元電子チャネル 90…ソース電極 92…ドレイン電極 94…ゲート電極 MC…メモリセル E1…第1電極 E2…第2電極 WL…ワード線 BL…ビット線 TB…トライステートバッファ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成されたノンドープの厚いバリア
    層と、 前記厚いバリア層上に形成され、不純物がドープされた
    浮遊導電層と、 前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層側のバリ
    ア高さが高い非対称なバリアを有する薄いバリア層と、 前記薄いバリア層上に形成されたチャネル層と、 前記チャネル層上に形成された第1電極及び第2電極と
    を有することを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成されたノンドープの厚いバリア
    層と、 前記厚いバリア層上に形成され、不純物がドープされた
    浮遊導電層と、 前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層側の共鳴
    準位が高い非対称な共鳴トンネリングバリアを有する薄
    いバリア層と、 前記薄いバリア層上に形成されたチャネル層と、 前記チャネル層上に形成された第1電極及び第2電極と
    を有することを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成されたノンドープの厚いバリア
    層と、 前記厚いバリア層上に形成され、不純物がドープされた
    浮遊導電層と、 前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層側のバリ
    ア高さが低い非対称なバリアを有する中間バリア層と、 前記中間バリア層上に形成されたチャネル層と、 前記チャネル層上に形成され、バリア高さが変化しない
    対称なバリアを有する薄いバリア層と、 前記薄いバリア層上に形成された第1電極及び第2電極
    とを有することを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成されたノンドープの厚いバリア
    層と、 前記厚いバリア層上に形成され、不純物がドープされた
    浮遊導電層と、 前記浮遊導電層上に形成され、バリア高さが変化しない
    対称なバリアを有する中間バリア層と、 前記中間バリア層上に形成されたチャネル層と、 前記チャネル層上に形成され、共鳴トンネリングバリア
    を有する薄いバリア層と、 前記薄いバリア層上に形成された第1電極及び第2電極
    とを有することを特徴とする半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成されたノンドープの厚いバリア
    層と、 前記厚いバリア層上に形成され、不純物がドープされた
    浮遊導電層と、 前記浮遊導電層上に形成され、前記浮遊導電層側のバリ
    ア高さが低い非対称なバリアを有する薄いバリア層と、 前記薄いバリア層上に形成されたチャネル層と、 前記チャネル層上に形成された第1電極及び第2電極と
    を有することを特徴とする半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導
    体記憶装置において、 前記薄いバリア層は、ノンドープの半導体層であり、 前記チャネル層は、不純物がドープされた半導体層であ
    ることを特徴とする半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導
    体記憶装置において、 前記薄いバリア層は、少なくとも前記チャネル層側の部
    分に不純物がドープされ、 前記チャネル層は、ノンドープの半導体層であり、 前記チャネル層に、前記薄いバリア層から供給された電
    子により2次元電子チャネルが形成されることを特徴と
    する半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の半導体記憶装置に情報を
    記憶する半導体記憶装置の情報記憶方法において、 前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い書込み
    バイアス電圧を印加することにより、前記第1電極から
    前記薄いバリア層を介して前記浮遊電極層に電子を注入
    して前記浮遊電極層に情報を書込み、 前記第1電極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧
    よりも低い読出しバイアス電圧を印加し、前記チャネル
    層に電流が流れるか否かに基づいて、前記浮遊電極層に
    記憶された情報を読出すことを特徴とする半導体記憶装
    置の情報記憶方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の半導体記憶装置に情報を
    記憶する半導体記憶装置の情報記憶方法において、 前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い書込み
    バイアス電圧を印加することにより、前記第1電極から
    前記薄いバリア層を介して前記浮遊電極層に電子を注入
    して前記浮遊電極層に情報を書込み、 前記第1電極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧
    よりも低い読出しバイアス電圧を印加し、前記チャネル
    層に電流が流れるか否かに基づいて、前記浮遊電極層に
    記憶された情報を読出し、 前記書込みバイアス電圧よりも高い消去バイアス電圧を
    前記第1電極及び前記第2電極に印加することにより、
    前記第2電極から前記薄いバリア層を介して前記浮遊電
    極層に蓄積された電子を放出して前記浮遊電極層の情報
    を消去することを特徴とする半導体記憶装置の情報記憶
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項3又は4記載の半導体記憶装置
    に情報を記憶する半導体記憶装置の情報記憶方法におい
    て、 前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い書込み
    バイアス電圧を印加することにより、前記第1電極から
    前記薄いバリア層及び前記中間バリア層を通して前記浮
    遊電極層に電子を注入して前記浮遊電極層に情報を書込
    み、 前記第1電極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧
    よりも低い読出しバイアス電圧を印加し、前記チャネル
    層に電流が流れるか否かに基づいて、前記浮遊電極層に
    記憶された情報を読出し、 前記書込みバイアス電圧よりも高い消去バイアス電圧を
    前記第1電極及び前記第2電極に印加することにより、
    前記第2電極から前記薄いバリア層及び前記中間バリア
    層を通して前記浮遊電極層に蓄積された電子を放出して
    前記浮遊電極層の情報を消去することを特徴とする半導
    体記憶装置の情報記憶方法。
  11. 【請求項11】 請求項5記載の半導体記憶装置に情報
    を記憶する半導体記憶装置の情報記憶方法において、 前記第1電極より前記第2電極の方が電位が高い書込み
    バイアス電圧を印加することにより、前記浮遊電極層か
    ら前記薄いバリア層を介して電子を放出し、前記チャネ
    ル層内に電子蓄積層を形成して、前記浮遊電極層に情報
    を書込み、 前記第1電極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧
    よりも低い読出しバイアス電圧を印加し、前記チャネル
    層に電流が流れるか否かに基づいて、前記浮遊電極層に
    記憶された情報を読出し、 前記第1電極と前記第2電極間に前記書込バイアス電圧
    よりも低く前記読出しバイアス電圧よりも高い消去バイ
    アス電圧を印加することにより、前記チャネル層内の前
    記電子蓄積層から前記薄いバリア層を通して前記浮遊電
    極層に電子を注入して前記浮遊電極層の情報を消去する
    ことを特徴とする半導体記憶装置の情報記憶方法。
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