JPH06338329A - ニッケルめっき不織布電極基板の製造方法 - Google Patents

ニッケルめっき不織布電極基板の製造方法

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JPH06338329A
JPH06338329A JP6034881A JP3488194A JPH06338329A JP H06338329 A JPH06338329 A JP H06338329A JP 6034881 A JP6034881 A JP 6034881A JP 3488194 A JP3488194 A JP 3488194A JP H06338329 A JPH06338329 A JP H06338329A
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fiber
nickel
fibers
plating
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JP6034881A
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Jun Yamada
旬 山田
Toshihiro Shigematsu
俊広 重松
Seiji Shinohara
誠治 篠原
Toshio Horie
俊男 堀江
Masatoshi Ito
雅敏 伊藤
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Battery Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Battery Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機繊維を主成分とする不織布ウェブにニッ
ケルめっきを施したニッケルめっき不織布電極基板製造
において、有機溶剤を使用せずに引張強度特性に優れ、
柔軟性を持ち、繊維の抜け、毛羽立ちを抑えた、ニッケ
ルめっき不織布電極基板の製造方法を提供することを目
的とする。 【構成】 有機繊維からなるウェブにあらかじめ水流交
絡処理をし施した後、さらに熱処理を施し、次にニッケ
ルめっきを施した、ニッケルめっき不職布電極基板の製
造方法。不織布ウェブの密度を0.15g/cm3以下と
するニッケルめっき不織布電極基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニッケル−カドミウム電
池等のアルカリ電池の電極基板として用いられるニッケ
ルめっき多孔質不織布電極基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−
水素電池、ニッケル−鉄電池、ニッケル−亜鉛電池等ア
ルカリ電池に広く使用されているニッケル極を例に従来
技術について説明する。ニッケル極の製法として、ニッ
ケル粉末を焼結した焼結基板に硝酸ニッケル溶液を含
浸、アルカリ溶液で中和して活物質を充填する焼結式極
板および発泡ニッケルやニッケル繊維等三次元構造の基
板にペースト状の水酸化ニッケルを充填するペースト式
極板が実用化されている。焼結式極板は焼結基板の空隙
率が75〜80%と低い上、硝酸塩溶液中のニッケル含
有量が少ないため、所定の活物質充填量を得るためには
含浸−中和の充填サイクルを数回以上繰り返す必要があ
り、充填サイクルを繰り返すに従い硝酸塩溶液の基板内
部への浸透が悪化するため活物質を高密度に充填するこ
とが困難である。一方、シート状の発泡ウレタンにめっ
きを施し基板を還元雰囲気中で熱分解した発泡ニッケ
ル、有機繊維不織布にめっきを施し基板を還元雰囲気中
で熱分解したニッケルフェルトおよびニッケル繊維を焼
結したニッケルマット等三次元構造基板は空隙率が90
%以上と高い上、孔径が大きくペースト状の水酸化ニッ
ケルを直接充填できることから活物質を高密度に充填す
ることが容易である。
【0003】しかし、発泡ニッケルやニッケルフェルト
等中空の三次元構造基板を用いた極板は構造的に柔軟性
に乏しく、円筒型電池に使用した場合、円筒状に捲回す
る際クラックが発生し、その割れ目において内部短絡が
生じ易いだけでなく極板の集電機能が損なわれ電池性能
面で問題が生じる。又、角型電池に使用した場合、クラ
ックは発生しないものの充放電反応に伴う活物質の体積
変化により、電池ケースの耐圧が低いため次第に膨ら
み、基板と活物質あるいは活物質同士の密着性が損なわ
れ円筒型と同様に集電機能が悪化して電池性能面で問題
が生じる。又、ニッケルマットを基板として用いた極板
は引張強度が弱く加工性に乏しいだけでなく、ニッケル
繊維の毛羽立ちあるいはニッケル繊維の脱落に起因する
内部短絡が生じ易く問題である。
【0004】柔軟性や引張強度および繊維の毛羽立ちを
改善した三次元構造基板として、有機繊維で構成した繊
維集合体にエポキシ系樹脂を繊維間結合剤として適用
し、ウェブ構成繊維が相互に交差、接触する部分および
繊維間表面を接着被覆せしめて形成した不織布に無電解
ニッケルめっきを施した基板が特開平3−17957号
公報に示されている。このめっき不織布基板は、電極の
強度に優れ、且つ空隙率が充分高く活物質の高密度充填
が期待できる。しかし、この方法では電極の引張強度は
向上しているもののエポキシ樹脂の塗布及び硬化等の有
機溶剤系化合物による処理が必要であるため、強度を上
げようとすれば必然的に処理量を増やさねばならず、処
理前の不織布の本来の空隙を埋める結果となり、断面方
向の圧縮性も乏しくなり、高密度に充填する上で不利で
あるだけでなく、有機溶剤の放出による環境汚染等の面
でも問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機繊維で
構成した繊維集合体にニッケルめっきを施した比較的空
隙率の大きい電極基板の製造方法において、有機溶剤を
使用せずに引っ張り強度が強く、柔軟性を持ち、且つ繊
維の毛羽立ち、脱落を解消し、均一性の良い、高容量化
可能なニッケルめっき不織布電極基板を製造する為の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
につき鋭意検討した。その結果、有機繊維を主成分とし
て作製したウェブに高圧柱状水流により3次元交絡処理
を施し、更に熱処理して不織布ウェブを作製した後、ニ
ッケルめっきを施すことにより、有機溶剤を使用せずに
引張強度が強くかつ繊維の毛羽立ち、脱落のないニッケ
ルめっき不織布電極基板が製造できることを見い出し
た。さらに、該熱処理後の不織布ウェブの密度を0.1
5g/cm3以下とする事により空隙率の大きな引張強度
に優れた電極基板が製造できることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明は有機繊維を主成分とし
て作製したウェブに水流交絡処理を施した後、熱処理し
た不織布ウェブにニッケルめっきを施すことを特徴とす
るニッケルめっき不織布電極基板の製造方法である。さ
らに本発明は該熱処理後の不織布ウェブの密度が0.1
5g/cm3以下であるニッケルめっき不織布電極基板の
製造方法である。
【0008】本発明では有機繊維で構成した繊維集合体
であるウェブを製造し、次にウェブに水流交絡処理した
後、熱処理して不織布ウェブを製造し、これにニッケル
めっきして電極基板とする。ウェブは水流交絡処理する
ことにより、低密度のウェブの場合にも構成繊維が互に
上下に絡み合い、相互の接点が増し、さらに熱処理する
ことにより増加した接点において構成繊維が相互に局部
的に熱融着し、著しく強度を上げることができる。その
結果、結着剤を使用することなく強度に優れた空隙率の
大きな電極基板を作ることができる。
【0009】電極基板には水酸化ニッケルの粉末等のペ
ースト状の電極活物質を充填して電極板とされる。従っ
て、めっき前の不織布の有する空隙が多い方が、即ち不
織布の密度が小さい方が電極活物質を多く充填すること
ができ、電池を高容量化できる。不織布ウェブの密度が
0.15g/cm3より大きい場合、規定量の電極活物質
を充填するには基板の厚みを大きくしなければならず、
既存の規格型電池に収納することができず、実用化でき
ない。不織布ウェブの密度が本発明の0.15g/cm3
以下の場合には規定量の電極活物質を充填できるばかり
でなく、さらに電池を高容量化することができる。密度
は小さいほど電極活物質の充填量を増やすことができる
が、繊維径が太い場合には単位体積当りの繊維の数が少
なく、極板の強度も低下し、さらに充填した電極活物質
と集電極の距離が長くなって、抵抗が増し、電極活物質
の利用効率が悪化して、逆に電池容量が制限される。繊
維径が細い場合には繊維の数を増やすことができると同
時に空隙径が小さくなり、極板の強度を保持しつつ、電
極活物質の利用効率も維持できる。しかし、極板の強度
を考慮すると不織布ウェブの密度の下限は0.03g/
cm3程度が望ましい。
【0010】本発明では前記密度の不織布ウェブにニッ
ケルめっきして電極基板とされる。電極基板の厚みは電
池の形態、容量、サイズ等により任意に選択可能であっ
て特に制限はなく、従ってめっき前の不織布ウェブの厚
みにも特に制限はない。しかし既存の規格型電池の場合
にはその形態、容量、サイズ等が決められていて、これ
に収納できる厚みに設定される。例えば円筒型電池の場
合には電極基板の厚みは一般に0.5〜2mmの範囲に設
定されるので、めっき前の不織布ウェブの厚みとして
は、めっきによる厚み増大も考慮して、0.5〜2mmの
範囲に設定するのが適当である。不織布ウェブの厚みの
測定にはその圧縮性に配慮した低荷重(50g)の不織
布用厚み計が使用され、その厚みが管理される。
【0011】以下、本発明について順を追って詳細に説
明する。まず、有機繊維で構成した繊維集合体であるウ
ェブを製造し、次にこのウェブを高圧柱状水流により3
次元的に交絡処理し、しかる後、熱処理して、不織布ウ
ェブを作製し、これをニッケルめっきして、ニッケルめ
っき不織布電極基板とする。さらに本発明では、熱処理
後の不織布ウェブに少量のニッケル無電解めっき或は導
電性カーボン、ニッケルの真空蒸着、有機導電性ポリマ
ー等により導電処理を施した後、ニッケル電気めっきに
より短時間で厚膜のニッケルめっきを施してニッケルめ
っき不織布電極基板とすることも出来る。
【0012】一般に、不織布に用いられる繊維として
は、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリビ
ニルアルコール系繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維、
再生セルロース繊維等の有機繊維、或いはガラス繊維等
の無機繊維等の繊維がある。
【0013】本発明ではニッケル−カドミウムアルカリ
電池等の電極基板用として使用する為、耐アルカリ性が
強く、不活性であるものが望ましく、特にポリオレフィ
ン系繊維例えばポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維
等、或いはこれらを同心円状にした、或は偏心状にした
芯鞘型複合繊維、またはこれらの成分を貼合わせた並列
型複合繊維等の有機繊維が好ましい。また、鞘部をポリ
オレフィンポリマーとしたポリエステル系の芯鞘型複合
繊維も使用できる。また、上記有機繊維は必要に応じて
混合して使用することも可能である。特に、水流交絡処
理される不織布ウェブの場合には、交絡処理段階で溶解
除去可能な結着剤繊維、例えば水流で溶解流出するポリ
ビニルアルコール系繊維等を、混合し、不織布ウェブを
強化することが好ましい。
【0014】有機繊維の断面形状も特に制限はなく、円
形のみならず楕円形、偏平、三角形、星型、T型、Y
型、U型、ドッグボーン型等いわゆる異型断面形状をと
るものでも良い。むしろ、不織布の空隙率、比表面積が
向上するので円形以外の断面形状をもつ繊維或は内部が
空洞になった中空有機繊維の使用は好ましい。さらに、
折れ曲がった繊維、巻縮機能を持つ繊維、枝別れした構
造をもつ繊維の使用も低密度のウェブを製造する上で好
ましいものである。当然、以上の繊維以外に、本発明で
特定された以外の繊維を不織布内に少量含有させること
は可能であるが、本発明の不織布ウェブの性能を阻害す
る範囲であってはならない。
【0015】ウェブの製造方法としては一旦有機短繊維
を製造してからシート化するカード法、エアレイ法、紡
糸状態から連続的にシート化するメルトブロー法、スパ
ンボンド法等の乾式法、パルプ或は有機短繊維を一旦水
中に分散してから漉取る湿式抄造法等が挙げられる。本
発明ではウェブ製造後、水流による3次元交絡処理を行
うので、前記製造方法の内、ウェブの段階で繊維が結着
剤或は繊維同士の熱融着で恒久的に固定されない製造
法、例えばカード法、エアレイ法等の乾式法、或は湿式
抄造法が好ましい。
【0016】ウェブの製造方法により用いられる繊維の
繊維径と繊維長は異なり、特に制限はないが、できあが
る不織布の風合い、厚みの範囲、空隙率、空隙の形状、
開孔径、均質性、柔軟性、弾力性、毛羽だち、繊維の脱
落等の特性が異なるので、目的に応じて適宜選択され
る。当然、目的により繊維径、繊維長の異なる有機繊維
を2種以上混合して用いることもできる。
【0017】例えば、カード法では繊維径10〜50μ
m、繊維長30〜100mmの長い繊維を用いることがで
き、かさ高くて密度の低い、ふかふかしたウェブが製造
可能である。
【0018】湿式抄造法では繊維径5〜35μm、繊維
長1〜50mmの繊維を用いることができ、薄手の均一な
ウェブが製造可能である。湿式抄造法の場合、繊維長が
50mmを超えるものは、繊維の分散中に繊維がもつれる
ため、好ましくなく、また、3次元交絡処理を行う場合
には繊維が短か過ぎると交絡時に脱落し、交絡が不十分
となって強度が低下するので、本発明では、5〜30mm
の範囲が好ましい。さらに、繊維径が細すぎると、不織
布ウェブが緻密になりすぎるため、密度が大きくなり、
または空隙率が低下し好ましくなく、また逆に太くなり
すぎると繊維の剛度が高くなり、その交絡処理が不十分
となり、場合により交絡せずに繊維が脱落するので好ま
しくない。本発明において湿式抄造法により低密度のウ
ェブを製造するためには繊維径は10〜30μmが好ま
しい。
【0019】次に水流交絡処理について説明する。3次
元交絡処理とは、上記の不織布ウェブを単層、或いは、
複数積層し、支持体に載せ、不織布ウェブに機械的処理
を施し、繊維を3次元的に交絡する方法であり、具体的
には、ニードルパンチ法、水流交絡法があげられる。ニ
ードルパンチ法とは、不織布ウェブ上方から多数の針を
突き刺し、不織布ウェブを構成する繊維を3次元交絡さ
せ、強度を発現させる方法であり、水流交絡法とは、不
織布ウェブ上方から多数の細い水流を噴射し、不織布ウ
ェブを構成する繊維を3次元交絡させ、強度を発現させ
る方法である。細い繊維でも交絡が均一に行われ、生産
速度が速い点から本発明には水流交絡法が好ましい。
又、必要に応じてニードルパンチ後さらに水流交絡し
て、さらに交絡を高めることもできる。
【0020】例えば、カード法等の乾式法で製造したウ
ェブの場合には水流交絡処理すると交絡前に比べて強度
を増すとともに、厚みも薄くなり、電極基板用不織布と
して適当な厚みと空隙率を有する低密度の交絡ウェブと
することができる。また湿式抄造法の場合には抄造時ウ
ェブ断面内で上下に層状に密に配列した有機繊維が交絡
処理することにより上下の繊維が相互に絡み合い、結着
剤を加えなくても強度が発現する。しかも、繊維が曲が
って上下に絡み合う結果その空隙が上下に広がり、厚み
を増し、ふかふかした空隙に富んだ弾力性のある交絡ウ
ェブとなる。さらにその空隙の形状は交絡前に比べて著
しく丸味を帯びたものとなる。その結果めっき後電極基
板とした場合、電極活物質の充填率が向上し、電池容量
を向上させる事ができる。
【0021】次にウェブの水流交絡処理の条件につい
て、さらに詳しく説明する。水流交絡処理に際してはウ
ェブの種類、坪量により、均一な且つ適切な交絡が得ら
れるように加工速度、水圧を考慮し、ノズルヘッドの
数、交絡回数等の交絡条件を選ぶことが重要である。
【0022】製造された不織布ウェブは開孔率が30〜
40%、一つの開孔の大きさが0.2mm2以下の多孔質
のメッシュ状支持体に積載する。ついで、ウェブ上方か
ら高圧の柱状水流を噴射し、水流とウェブを相対的に移
動させ、繊維を3次元的に交絡させる。ウェブと水流を
相対的に移動させる方法としては、コンベヤー式の支持
体あるいはドラム式の支持体を回転運動させる方法が簡
便である。このとき支持体の搬送速度はウェブに与える
印加エネルギーにより決定されるが、1〜200m/分
の範囲の速度で用いることが可能である。
【0023】支持体の開孔率が40%より大きいと、得
られる交絡ウェブに開孔が生じる。逆に開孔率が小さい
ほど、得られた交絡ウェブの面質は良くなるが、開孔率
が30%より小さいと、交絡に要した水が支持体から下
に抜けず、支持体に当った後、再びウェブに跳ね返り、
跳ね返りの水がウェブを突き上げ、ウェブが破損する現
象が生じ、好ましくない。
【0024】また、支持体の開孔の一つの大きさは、ウ
ェブの坪量により異なる。即ち具体例をあげて説明を行
なうと、坪量が50g/m2未満の時は、開孔面積は
0.05mm2以下、50〜150g/m2のとき0.1mm
2以下、150g/m2を超える時、0.2mm2以下が好
ましい。これより大きなものを用いると、交絡ウェブに
開孔が生じる。また、交絡時にメッシュ開孔からの繊維
の抜け落ちが多くなり、さらには、不織布の面質が低下
するため好ましくない。
【0025】また、支持体の開孔と開孔の間隔は0.3
mm以下が好ましい。この間隔が大きいと、先に述べたよ
うに跳ね返りの水が多くなり好ましくない。このような
多孔質のメッシュ状支持体としては、ステンレス、ブロ
ンズ等の金属あるいは強化ポリエステル、ポリアミド等
のプラスチックの線材を平織り、綾織り等に織り上げた
られたものがあげられる。
【0026】上記のウェブ、支持体を用いたとき、水流
は一つの径が150μm以下で、圧力が50〜150kg
/cm2の範囲であることが好ましい。
【0027】水流は柱状のものを用いることが好まし
い。柱状の水流は小さな径のノズル孔より噴射される。
この水流の径が150μmより大きい場合、100kg/c
m2以上の圧力で水流を噴射すると、ウェブの破損が生じ
るため好ましくない。また、水流跡が際だち、面質が低
下し、触感が悪くなり好ましくない。また、水流の径が
150μm以下であっても圧力が150kg/cm2以上であ
ると、水流跡が目立ち、面質が低下し好ましくない。5
0kg/cm2未満の場合は水流が当たることにより、繊維
は動くものの、屈曲が生じにくく、交絡はあまり行なわ
れず、また繊維同士でずれが生じ、そのずれが大きくな
り、交絡ウェブ内に歪が生じ、しわが発生する。
【0028】即ち、50〜150kg/cm2の範囲の圧力
で、しかも150μm以下の径の水流を噴射すること
で、繊維が動くと同時に、屈曲し、交絡が強固に行なわ
れ、しかも面質が良好で低密度の交絡ウェブが得られる
のである。
【0029】また、水流と水流の間隔(ノズル孔間隔)
は1.5mm以下が好ましい。1.5mmより間隔が広い
と、交絡の効率が悪いばかりか、交絡ウェブに水流跡が
目立ち、触感が悪くなり好ましくない。
【0030】水流交絡処理は片面のみ、あるいは両面交
絡を選択できるが、表裏差が少なくする為には、ウェブ
の両面を少なくとも1回以上、水流を噴射し交絡を行な
うことが好ましい。まず片面を交絡した後に、反対面か
ら交絡を行なうことで、表裏の差が少なくなる。交絡の
回数、即ちウェブの反転の回数は多くする方が、表裏の
差が少なくなり、さらに面質向上の面からも好ましい。
また、交絡を行なった後、さらにウェブを積層し、交絡
を行なうことも可能である。また、毛羽立ちをなくすと
いう観点からもう一度交絡しない程度の圧力で水流を噴
射させてやることが好ましい。
【0031】さらなる面質の向上法としては、ノズル
径、ノズル間隔を単独あるいは両方を順次小さくするこ
と、ノズルのヘッドを回転運動させること、左右に振動
させること、或いはウェブの支持体を左右に振動させる
こと等があげられる。さらに、交絡後、ノズルとウェブ
の間に40〜100メッシュの金網を挿入し、柱状水流
を散水化しウェブに噴射することでも面質改良を行なう
ことができる。
【0032】このようにして交絡処理を施された交絡ウ
ェブは、交絡中あるいは交絡後に、余分な水分を吸引或
いはウェットプレスなどの方法で取り除いた後、エアー
ドライヤー、エアースルードライヤー、あるいはサクシ
ョンドラムドライヤー等を用い、乾燥を行なうことがで
きる。また、乾燥前に、エンボス、クレーピング等の処
理を行なってもよい。
【0033】水流交絡処理するウェブは通常一層である
が、多層に重ねて処理することもできる。また、製造方
法の異なるウェブを重ねて処理することもできる。例え
ば、乾式法による不織布ウェブを中心に、湿式抄造法に
よるウェブを片面或は両面に置いてサンドイッチ構造で
交絡処理することも可能である。
【0034】次に熱処理について説明する。本発明にお
ける熱処理とは本発明の有機繊維の表面を軟化させ、繊
維同士を互いに熱融着させる為の処理である。熱処理の
温度と時間は使用する有機繊維の融点によって適宜決め
られる。有機繊維の融点温度は、例えばPP(ポリプロ
ピレン)系単一成分型の繊維では164〜167℃、P
E(ポリエチレン)系単一成分型の繊維では121〜1
24℃、PPを芯部、PEを鞘部とする複合繊維では鞘
部の融点131〜133℃、PPを芯部、EVA(ポリ
エチレンビニルアセテート)を鞘部とする複合繊維では
100〜110℃である。また、ポリエステル系複合繊
維では例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)を
芯部、PEを鞘部とする複合繊維では130〜134
℃、EVAを鞘部とする複合繊維では96〜100℃で
ある。本発明では上記複合繊維の使用が鞘部である表面
のみ熱融着し、芯部繊維の熱収縮による不織布ウェブの
変形が抑えられる点で特に好ましい。
【0035】本発明の熱処理では有機繊維同士の表面の
接触部分が熱融着すれば良い。熱処理温度は熱処理の方
法により適宜変えられ、繊維の融点温度より高く、或い
は若干低くても良いが、温度が高い場合は熱処理時間は
短く、低い場合は長く、熱処理温度によって調整する必
要がある。処理時間は熱処理温度により1分から1時間
の範囲で適宜調整することが望ましい。温度が高すぎる
場合、処理時間が長すぎる場合には繊維全体が融着し、
収縮し、硬い板となって不織布としての柔軟性が失われ
る。また、密度も高くなる。本発明の熱処理の範囲では
水流交絡不織布本来の柔軟性、多孔性を失うことなく、
表面の毛羽立ちを解消し、繊維の抜け落ちを防止でき、
引っ張り強度が向上する。更に、繊維同士が局部的に固
定される結果めっき中に繊維が動くことなく、めっき層
の割れ、剥がれ等を防止することができ、均一なめっき
不織布を得る事ができる。また、熱処理をすることによ
り、繊維同士が強固に結び付くため、寸法安定性が増
す。これにより電極活物質を充填する際にも膨張が起こ
りにくくなる。熱処理をしない場合、これら毛羽立ちし
た繊維、抜け落ちそうな繊維にそのままめっきされるの
で、このような電極基板で電池を製造しても極間ショー
トが発生する。また、めっき中では中途半端にめっきさ
れて抜け落ちた繊維はめっき液中に滞留し、めっき液の
疲労を促進し好ましくない。またこれらが仮にうまくめ
っき出来たとしても電極活物質を充填する際に膨張が起
こり望ましくない。
【0036】熱処理する場合テンションができるだけ小
さくなるような方法が好ましい。具体的に熱処理方法と
しては上記温度の熱風オーブンに所定時間通すか、或い
は上記温度の熱ドラムに所定時間接触させる方法があ
る。又、ウェブを連続的熱処理する場合その自重によっ
てもテンションがかかるので、適当な搬送ベルトに乗せ
て送る方法が好ましい。熱処理に際し、圧着すると熱効
率はよくなるが、水流交絡処理により形成された空隙が
潰れ、密度が上がるので、好ましくない。
【0037】本発明では上記熱処理後、そのままめっき
しても良いが、さらにコロナ処理等の表面処理をするこ
とにより、めっき処理液に対する濡れ性の向上及び繊維
とめっき層の接着をさらに強化することができる。ま
た、濡れ性の向上によりめっき工程の簡略化ができる。
コロナ処理は通常のプラスチックフィルム処理に用いる
コロナ処理装置を使用することができる。処理用電極と
してはアルミ、ステンレス、金等のバー電極、ワイヤー
電極とアース用のロール電極等を使用することができ
る。コロナは、直流コロナ、交流コロナのいずれも使用
できるが、交流コロナの場合の周波数は1kHzから1
MHzの間の周波数が好ましい。
【0038】次に本発明に使用するニッケルめっき方法
について説明する。一般に金属の皮膜を支持体表面に形
成する方法としては大別して、蒸着による方法、電気め
っきによる方法、無電解めっきによる方法等があげられ
るが、特に無電解めっきは非導電性基材の上に導電層を
形成することなく、しかも厚い金属膜を接着性よく、ま
た高アスペクト比のブラインドホールにも形成すること
ができる点で本発明の不織布の空隙内部まで均一に金属
層を形成するには好ましい方法である。電気めっきの場
合は非導電性基材の上には直接めっきできないが、あら
かじめ少量の無電解めっき等で導電層を形成すれば純度
の高い厚い金属層を短時間に形成することができる点で
好ましい方法である。
【0039】無電解ニッケルめっきの工程は基本的には
触媒付与の工程と無電解めっき工程の2工程であるが、
通常は支持体表面の水酸化ナトリウム等による表面の洗
浄・脱脂の為のコンディショニング工程、めっき層に対
するアンカー効果を得るため粗面化する硫酸、クロム酸
等によるソフトエッチング工程、触媒液の劣化防止の為
のプレディップ工程、触媒の活性化の為の硫酸、水酸化
ナトリウム等の酸、アルカリによる活性化工程等がその
前後に付加される。各工程間にはそれぞれ必要に応じ
て、水洗、水切り、乾燥等の工程が付加されて、処理液
の安定化及びめっき皮膜の密着性と均一性向上が図られ
る。
【0040】上記の触媒としては一般にパラジウムが使
用され、以下の各種の方法により不織布繊維表面に触媒
付与される。触媒付与の方法としては、例えば、塩化パ
ラジウムの水溶液に浸漬した後、還元剤水溶液に浸漬し
て、上記金属核を析出させる方法(特開昭49-126999号
公報 )、塩化パラジウムと活性剤を含む水溶液に還元
剤を投入して、パラジウム金属のコロイド分散体を形成
させた後、この水性液に浸漬してパラジウム核を沈着さ
せて触媒核とする方法(「化学と工業」p430、vol.42、
1989)があるが、本発明では、予め塩化錫(II)の水溶
液に浸漬した後、塩化パラジウム(II)の水溶液に浸漬
してパラジウム金属核を析出させるセンシタイジング−
アクチベーター法(「最新表面処理技術総覧」産業技術
サービスセンター p225、1987.12.12)、過剰の塩化錫
(II)溶液に塩化パラジウム(II)をコロイド状に分散
させた水性液に浸漬した後、硫酸、水酸化ナトリウム等
の水溶液に浸漬してパラジウム金属核を析出させるキャ
タリスト−アクセレーター法(「最新表面処理技術総
覧」産業技術サービスセンター p225、1987.12.12)、
が特に好ましい。これら触媒金属の付着量は触媒金属の
重量にして0.1g/m2 以下で充分である。
【0041】次に本発明に使用する無電解めっき液につ
いて説明する。一般に無電解めっき液は主成分として金
属イオン源と還元剤を使用し、補助的成分として錯化
剤、pH調整剤、緩衝剤、促進剤、安定剤、改良剤等を
使用して調製される。
【0042】本発明の無電解ニッケルめっき液において
は金属イオン源としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケ
ル、硝酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等が使用さ
れる。
【0043】還元剤としては次亜燐酸ナトリウム、水素
化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ロッシェ
ル塩、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、
ホルマリン及び水和ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩化
ヒドラジニウム等のヒドラジン誘導体が使用できる。本
発明において、無電解ニッケルめっきのみで電極基板を
製造する場合は純度の高いニッケルめっきが望ましく、
この場合は還元剤としてヒドラジン誘導体が好ましい。
【0044】錯化剤には、クエン酸ナトリウム、クエン
酸カリウム、ロッシェル塩等の有機酸塩、チオグリコー
ル酸、アンモニア、トリエタノールアミン、グリシン、
エチレンジアミン、エチレンジアミン2酢酸塩、o−ア
ミノフェノール、ピリジン等がある。
【0045】本発明ではめっき液中の金属イオンの配合
量は、0.001〜0.2モル/l、錯化剤の配合量は、0.001
〜4.0モル/l、還元剤は、0.001〜0.4モル/lの範囲
が好ましい。
【0046】また、pH調整剤としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化アンモニウム、無機酸、有機酸等が好まし
い。緩衝剤としては有機酸、無機酸のアルカリ金属塩、
クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、オキシカルボン酸、燐酸2水素
塩、ホウ酸、炭酸が使用され、めっき中のpHの急激な
変化を緩和する。促進剤は水素の発生を抑制するために
添加され、硫化物、フッ化物等が使用される。安定剤と
しては鉛の塩化物、硫化物、硝化物、さらに改良剤とし
ては界面活性剤等が微量添加される。
【0047】電気めっきではめっき液の構成が無電解め
っき液より単純で、安定であり、液管理がし易く、しか
もめっき層の成長が速く、また通電電流によりそのめっ
き量をコントロールすることができる。電気めっきに必
要な基材の導電処理は電導度の値で0.01〜1S/cm
で十分であり、基材に施す無電解めっきによる導電処理
も短時間で充分である。
【0048】電気ニッケルめっき液としてはワット浴、
塩化浴、スルファミン酸浴として知られた、めっき液が
あるが、構成成分は一般的にはめっき金属イオン源とし
て上記無電解ニッケルめっき液に使用するニッケル塩が
同様に使用され、さらにほう酸等pH調整剤、サッカリ
ン、1,5ナフタレンスルホン酸、ホルマリン、1,4
ブチンジオール等光輝剤、界面活性剤等が少量添加され
る。電気めっきでは20〜80℃の上記めっき液中に前
記導電性を付与した不織布ウェブを浸漬し、該不織布を
陰極に、ニッケル対極板を陽極に接続し、直流或はパル
ス断続電流を1〜15A/dm2の範囲で流してめっき
される。
【0049】本発明のニッケルめっき不織布電極基板は
空隙を有するが、その空隙径はASTMF-316記載のバブル
ポイント法およびミーンフローポイント法により、最大
空隙径、平均空隙径として測定することができる。ま
た、これらの空隙率はシートを通じて空気を流す時、そ
の圧力損失の大きさよりで評価できる。
【0050】めっき後の電極基板には電極端子が取り付
けられた後、水酸化ニッケル粉末等の電極活物質が充填
され、プレスされ、電極活物質と基板の密着が図られる
とともに所定の厚みに調整されて電池に組み込まれる。
【0051】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に
限定されるものではない。なお、実施例中における、
部、%はすべて重量によるものである。
【0052】実施例1 維度2d(繊維径15μm)、繊維長20mmのポリオレ
フィン系複合繊維 (チッソEAC、芯部PP、鞘部E
VA)97部を1%ノニオン系分散剤溶液中に含浸し
た。ついで熱水可溶性ポリビニルアルコール(PVA)
繊維3部を、ノニオン系分散剤1%溶液中に含浸した。
このものを水中に投入し、高速ミキサーで3分間撹拌
し、繊維を離解させた後、往復回転式攪拌機(アジタ
ー、島崎製作所社製)を装着したチェスト内で緩やかに
攪拌した。次いで速やかに、ポリアクリルアミド0.1
%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引続き緩やかに攪拌し
た。このようにして、均一なスラリーを調製した。該ス
ラリーを用い、円網抄紙機で幅50cm、乾燥重量で坪量
62g/m2のウェブを抄造した。
【0053】該ウェブを2層積層し、ノズルヘッドを3
ヘッド用い柱状水流で水流交絡処理を行なった。第1ヘ
ッドのノズルは2列、ノズル径120μm、ノズル間隔
1.2mm、水圧100kg/cm2、第2ヘッドのノズルは
1列、ノズル径120μm、ノズル間隔0.6mm、水圧
100kg/cm2、第3ヘッドのノズルは1列、ノズル径
100μm、ノズル間隔0.6mm、水圧120kg/cm2
とした。支持体には平織りで線径0.112mmのステン
レス製モノフィラメントを使用した、開孔率34%、開
孔の大きさ0.023mm2のメッシュ状の支持体に積載
し、上記の水流下、積層ウェブを通過させ、有機繊維間
を交絡させると共に、ポリビニルアルコールバインダー
を溶出させた。同様に裏面にも同様の処理を行なった。
交絡の速度は10m/分で行なった。この交絡ウェブを
サクションスルードライヤーを用い、90℃で乾燥を行
ない、水流交絡ウェブを得た。
【0054】上記交絡ウェブを縦50cm、横50cmの大
きさに切断し、周囲を取り枠にはさんで130℃の熱風
オーブンに投入して、10分間、熱処理し、交絡した繊
維の接点を互いに熱融着し、不織布ウェブを得た。この
時の密度は0.118g/cm3であった。
【0055】次に上記の熱処理した不織布ウェブをアル
カリ性クリーナーコンディショナー(室町化学製:MK
−160)の40倍希釈水溶液に55℃にて1分間浸漬
した後、水洗し、2N塩酸水溶液のプレディップ液に浸
漬し、次にコロイド状パラジウム溶液の触媒液(室町化
学製:MK−220)の32倍希釈液に25℃にて10
分間浸漬し、水洗し、さらに硫酸系の触媒を活性化させ
る活性化液(室町化学製:MK−360)の10倍希釈
液に30℃にて8分間浸漬し、水洗し、触媒付与を行な
った。次に、この不織布ウェブを硫酸ニッケル18g/
l、クエン酸ナトリウム10g/l,水和ヒドラジン5
0ml/l、25%アンモニア水100ml/lを含む
ヒドラジン系無電解ニッケルめっき液が40℃で循環し
ている容器(幅70cm角、高さ20cm)に約1時間浸漬
して無電解ニッケルめっきを施した。
【0056】実施例2 実施例1と同様にして得た熱処理を施した不織布ウェブ
を、eni powersystems社製コロナ処理
器モデルRS−8型に取付け、電極間距離3mm、120
回転/分、処理周波数12kHz、処理電力50Wで約
5分間コロナ処理した。さらに直ちに実施例1のMK−
220触媒液に同様に浸漬、水洗し、さらに実施例1の
MK−360活性化液に同様に浸漬し、水洗して、触媒
付与した。さらに実施例1のニッケル無電解めっき液に
浸漬して、同様にニッケルめっきを施した。
【0057】実施例3 実施例1において水流交絡処理の水圧を第1ヘッドの水
圧120kg/cm2、第2ヘッドの水圧120kg/cm2、第
3ヘッドの水圧150kg/cm2に変更した以外は実施例
1と同様にして交絡ウェブを得た。次に、実施例1と同
様に熱処理を施し、不織布ウェブを得た。この時の密度
は0.128g/cm3であった。次に上記の熱処理した
不織布ウェブを実施例2と同様にしてニッケルめっきま
で施した。
【0058】実施例4 実施例1において水流交絡処理の水圧を、第1ヘッドの
水圧60kg/cm2、第2ヘッドの水圧60kg/cm2、第3
ヘッドの水圧60kg/cm2に変更した以外は実施例1と
同様にして交絡ウェブを得た。次に、実施例1と同様に
熱処理を施し、不織布ウェブを得た。この時、密度を測
定したところ0.102g/cm3であった。次に実施例
2と同様にして、ニッケルめっきまで施した。
【0059】実施例5 実施例1において水流交絡処理のメッシュ状支持体を平
織りの線径0.213mmのステンレス製のモノフィラメ
ントを使用した、開孔率32%、開孔の大きさが0.0
82mm2の支持体に変更した以外は、実施例1と同様に
して交絡ウェブを得た。次に、実施例1と同様に熱処理
を施し、不織布ウェブを得た。この時、密度を測定した
ところ0.102g/cm3であった。次に実施例2と同
様にして、ニッケルめっきまで施した。
【0060】実施例6 実施例1において、有機繊維として、維度3d、繊維長
20mmのポリオレフィン系複合繊維(ダイワボウNBF
−E、芯部PE、鞘部EVA)80部、維度2d、繊維
長10mmのポリプロピレン系繊維(ダイワボウPZS
C)17部を使用して得た坪量50g/m2のウェブを
実施例1と同じ条件で水流交絡処理し、交絡ウェブを得
た。
【0061】次に上記交絡ウェブを搬送ベルトに乗せ、
温度130℃の熱風炉に搬送し、速度5m/minで連
続的に通過させて、熱処理した。この時、密度は0.0
83g/cm3であった。
【0062】次に上記の熱処理した不織布ウェブをアル
カリ性クリーナーコンディショナー(室町化学製:MK
−160)の40倍希釈水溶液に55℃にて1分間浸漬
した後、水洗し、次に硫酸−過酸化水素水系のソフトエ
ッチング剤(室町化学製:MK−660)の3倍希釈水
溶液に50℃にて5分間浸漬し、水洗し、2N塩酸水溶
液のプレディップ液に浸漬し、次にコロイド状パラジウ
ム溶液の触媒液(室町化学製:MK−220)の32倍
希釈液に25℃にて10分間浸漬し、水洗し、さらに硫
酸系の触媒を活性化させる活性化液(室町化学製:MK
−360)の10倍希釈液に30℃にて8分間浸漬し、
水洗し、触媒付与を行なった。次にこの不織布ウェブを
硫酸ニッケル20g/l、クエン酸ナトリウム30g/
l,次亜燐酸ナトリウム15g/l、塩化アンモニウム
30g/lを含む次亜燐酸系無電解ニッケルめっき液が
50℃で循環している容器(幅70cm角、高さ20cm)
に約5分間浸漬して無電解ニッケルめっきを施した。
【0063】次に、硫酸ニッケル240g/l、塩化ニ
ッケル45g/l,ほう酸30g/l、サッカリン2g
/l、1,4−ブチンジオール0.2g/lを含む電気
ニッケルめっき液が50℃で循環している容器(高さ・
幅70cm、奥行き20cm)の中央に浸漬し、両側のニッ
ケル対電極との間に100Aの電流を15分間流して、
電気ニッケルめっきを施した。
【0064】実施例7 実施例6において、有機繊維として、維度2d、繊維長
20mmのポリエステル系複合繊維(ダイワボウSBF−
H、芯部PET、鞘部PE)97部を使用し、熱処理温
度を150℃とする以外はまったく実施例6と同様にし
て不織布ウェブを得た。この時、密度は0.095g/
cm3であった。次に実施例6と同様にして電気ニッケル
めっきまで施した。
【0065】比較例1 実施例1において、水流交絡後、熱処理することなく、
直ちに同様に触媒付与、無電解ニッケルめっきを施し
た。
【0066】比較例2 実施例1のスラリーに、さらに、ポリエステルバインダ
ー繊維(メルティー4080、芯鞘タイプ、鞘融点11
0℃、ユニチカ社製)を混合し、乾燥後、ポリプロピレ
ン繊維/ポリエステルバインダー繊維=80/20にな
るように調整した。円網抄紙機で坪量80g/m2のウ
ェブを抄造し、水流交絡処理することなく直ちに、ヤン
キードライヤーで120℃で乾燥し、湿式抄造ウェブを
得た。この時の密度は、0.165g/cm3であった。
この不織布ウェブに実施例1と同様にして無電解ニッケ
ルめっきまで施した。
【0067】実施例8 実施例1において水流交絡処理の交絡時の第1ヘッド、
第2ヘッド、第3ヘッドの水流圧力をそれぞれ200kg
/cm2、200kg/cm2、220kg/cm2とし、速度は7m
/分で行なった。このとき、水流の跡が筋状に残った。
次に同様に熱処理を施した後、密度を測定したところ
0.155g/cm3であった。次に同様に無電解ニッケ
ルめっきまで施した。
【0068】実施例9 維度4d(繊維径約25μm)、繊維長51mmのポリオ
レフィン系複合繊維(チッソESC、芯部PP、鞘部P
E)を使用し、カード法により幅75cm、坪量70g/
2の乾式法のウェブを製造した。該ウェブを単層にて
実施例1と同様の交絡条件で水流交絡処理し、交絡ウェ
ブを得た。次に、該交絡ウェブを表面温度140℃の2
本の熱ドラムに通し、表裏を順に2分間ずつ接触させ
て、連続的に熱処理し、不織布ウェブを得た。この時の
密度は0.060g/cm3であった。次に実施例6と同
様にして電気ニッケルめっきまで施した。
【0069】比較例3 実施例9において、水流交絡処理後の熱処理を省略した
以外は、実施例9と同様に電気ニッケルめっきまで施し
た。
【0070】上記実施例1〜9及び比較例1〜3で得ら
れたニッケルめっき不織布基板について、不織布ウェブ
の密度およびめっき後不織布基板の厚み、坪量、空隙
率、引張強度(幅20mm、長さ150mmの試料をスパン
100mm、速度200cm/分で引っ張ったときに、試料
が破断するまでの最大荷重値で縦方向を測定)、電導
度、テープ接着性評価(幅1.5cmのセロハンテープを
指で貼り付け、引き剥したときの繊維の抜け、めっきの
剥げ具合で評価)、および繊維の毛羽立ち評価を表1、
2及び3にまとめた。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】次いで、前記各不織布基板を幅50mm、長
さ75mmに裁断し、上部中央に極板耳となるニッケルテ
ープを溶接したこれらニッケルめっき不織布基板に、水
酸化ニッケル85部、ニッケル粉末10部、コバルト粉
末5部から成る活物質混合粉末100部に、1%CMC
溶液30部を加え混練したニッケルペーストを100ト
ールの減圧下で充填し、表面に付着したペーストを充分
に除去し乾燥した後、5トン/cm2 の圧力で加圧し、幅
が41mmで体積が1.4cm3 となるような長さに裁断し
てニッケル極を作製した。得られたニッケル極と体積
2.0cm3 の焼結式のカドミウム極をセパレーターを介
して渦巻状に捲回し、缶に挿入後、アルカリ電解液を注
液、封口して円筒AA型のニッケル・カドミウム電池を
各10セル合計120セル作製した。完成したAA型電
池を用い、60mAの電流で15時間充電後、120m
Aの電流で電池電圧1Vまで放電する充放電サイクルを
3回繰り返し、電池の放電容量を測定した。ニッケル極
の評価として、ニッケル極の活物質充填密度、極板捲回
による内部短絡セル数および完成電池の3サイクル目放
電容量の平均値を評価し、その結果を表4にまとめた。
尚、従来の焼結式ニッケル極の場合、活物質充填密度は
1.7g/cm3 、これを用い同様に構成された円筒AA
型電池の容量は約630mAHである。
【0075】
【表4】
【0076】実施例1〜9で得られた電極基板は、空隙
率が大きく、有機溶剤を使用せずに製造したにも関わら
ず、引張強度が向上し、かつ、水流交絡後、熱処理する
ことにより繊維の抜け、毛羽立ちも解消している。さら
にコロナ処理を施すことにより、処理工程も簡略化さ
れ、めっき皮膜と繊維との間の接着性も向上しているこ
とがわかる。従って、これらニッケルめっき不織布に活
物質ペーストを充填して製作した極板は、活物質が高密
度に充填され、電池を構成した時に活物質の脱落や毛羽
立ちに起因する電池内部短絡もなく、電池を高容量化す
ることができる。
【0077】
【発明の効果】有機繊維を主成分とするウェブにあらか
じめ水流交絡処理を施し、さらに熱処理することによ
り、有機溶剤系の接着剤を使用せずに引っ張り強度特性
が向上し、かつ繊維の抜け、毛羽立ちを抑えた、密度の
低いニッケルめっき不織布電極基板を製造することがで
きる。また、熱処理により、寸法安定性も向上し、電極
活物質を充填した後にも膨張が少なくなる。さらに、熱
処理後の不織布ウェブの密度を0.15g/cm3以下と
することにより空隙率の大きな電極基板を製造すること
ができる。このニッケルめっき不織布を電池電極基板に
用いることにより、極板のクラックや基板繊維の毛羽立
ちに起因する電池の内部短絡を減少することができるだ
けでなく、活物質を高密度に充填することが可能となり
電池を高容量化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 旬 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 三 菱製紙株式会社内 (72)発明者 重松 俊広 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 三 菱製紙株式会社内 (72)発明者 篠原 誠治 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 三 菱製紙株式会社内 (72)発明者 堀江 俊男 東京都北区中十条3丁目34番7号 (72)発明者 伊藤 雅敏 福島県いわき市小名浜住吉字道下8番地の 5

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機繊維を主成分として作製したウェブ
    に水流交絡処理を施した後、熱処理した不織布ウェブに
    ニッケルめっきを施すことを特徴とするニッケルめっき
    不織布電極基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 該熱処理後の不織布ウェブの密度が0.
    15g/cm3以下である請求項1記載のニッケルめっき
    不織布電極基板の製造方法。
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